JP3784449B2 - 昇降装置 - Google Patents

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JP3784449B2
JP3784449B2 JP4322096A JP4322096A JP3784449B2 JP 3784449 B2 JP3784449 B2 JP 3784449B2 JP 4322096 A JP4322096 A JP 4322096A JP 4322096 A JP4322096 A JP 4322096A JP 3784449 B2 JP3784449 B2 JP 3784449B2
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亨介 三島
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、昇降距離を変化させつつ重量物を昇降させる昇降装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
斜坑を上方に向かって掘削(所謂切り上がり掘削)する場合には、掘削された斜坑の最上位に位置するトンネル掘削機(以下、TBMと略称する)に上記TBMの発進口(つまり、斜坑の開始口)から作業人員や資材を搬送するために、斜坑に敷設されたレール上を人荷車を昇降させる。
【0003】
従来、上記人荷車の昇降はワイヤーロープの牽引力によって行っている。
すなわち、図3に示すように、TBM1に牽引される最後尾の後続台車2に折り返しシーブ3を取り付け、この折り返しシーブ3に掛け回されたワイヤーロープ7の一端を斜坑4に敷設されたレール5上の人荷車6に取り付ける。一方、ワイヤーロープ7の他端を、斜坑4内を降下させて、上記発進口に連通した水平坑8に設けられた牽引用ウインチ9に取り付ける。そして、牽引用ウインチ9によってワイヤーロープ7を牽引することによって、人荷車6を後続台車2に向かって上昇させる。一方、牽引用ウインチ9からワイヤーロープ7を繰り出すことによって、人荷車6は自重で上記発進口に向かって下降する。その際に、牽引用ウインチ9によってブレーキを掛けて下降速度を調整する。
尚、図3においては、説明を簡単にするために、折り返しシーブ3を縦に描いているが、実際には水平方向に取り付けてある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の斜坑掘削用の昇降装置には、以下のような問題がある。
ここで、W…人荷車6の重量
w…ワイヤーロープ7の単位長さ当たりの重量(以下、単位重量と言う)
L…折り返しシーブ3と坑口シーブ10との間の距離
l…折り返しシーブ3と人荷車6との間の距離
T…牽引用ウインチ9による張力
θ…斜坑4の傾斜角
とする。
【0005】
そして、上記折り返しシーブ3における釣り合いを考えると、
T+wLsinθ=(W+wl)sinθ
であるから、
T={W−(L−l)w}sinθ …(1)
但し、Wsinθ≧T>T00:乱巻防止等のために最小限必要な牽引用 ウインチ9の張力
となる。
したがって、上記人荷車6が折り返しシーブ3の位置に至って後続台車2に収納され(l=0)、且つ、牽引用ウインチ9の張力T=0の場合には、式(1)から次式
W=Lw
が得られ、折り返しシーブ3と坑口シーブ10との間の距離Lが
L=W/w …(2)
となる地点で、折り返しシーブ3の位置に在る人荷車6の重量と折り返しシーブ3から坑口シーブ10までのワイヤーロープ7の重量とが、張力T=0で釣り合うことになる。そして、ワイヤーロープ7の長さLが(W/w)以上になると、牽引用ウインチ9の張力Tが負となって人荷車6を降ろすことが不可能となるのである。
【0006】
例えば、上記ワイヤーロープ7の単位重量wが9.1kg/mであり、人荷車6の空重量W0が6tであるとすると、上記人荷車6の空重量W0とワイヤーロープ7の重量とが張力T=0で釣り合う地点までの坑口シーブ10からの距離L0は、式(2)より
0=W0/w=6000/9.1
≒660m
となり、坑口シーブ10から斜坑4に沿った上方への距離が660m以上になると空の人荷車6を自重のみで降ろすことができなくなる。
【0007】
ここで、上記人荷車6の空重量Wとワイヤーロープ7の重量とが張力T=0で釣り合う地点までの距離L0を大きくするには、式(2)より人荷車6の空重量W0を更に大きくするか、ワイヤーロープ7の単位重量wを更に小さくすればよい。そこで、人荷車6にTBM1の進行に応じた重さのウェイトを付けることが考えられる。
ところが、上記空重量W0が大きくなると、式(1)より牽引用ウインチ9の張力Tが大きくなる。そのために、ワイヤーロープ7に掛かる張力も大きくなってある地点より高くなるとワイヤーロープ7を太くする必要が生じ、ワイヤーロープ7の単位重量が大きくなるという矛盾が生ずる。
【0008】
そこで、この発明の目的は、昇降距離に拘わらず且つ重量物にウェイトを付けることなく当該重量物を昇降できる昇降装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、取り付け位置が上昇するシーブに掛け回された第1ワイヤの一端に取り付けられた重量物を,上記第1ワイヤの他端が巻き付けられた第1ウインチによって昇降させる昇降装置であって、上記重量物に一端が取り付けられた第2ワイヤを上記第1ウインチと略同一高さの位置まで配設し、上記第2ワイヤの単位長さ当たりの重量を上記第1ワイヤの単位長さ当たりの重量よりも小さく成すと共に、上記第1ウインチと同一高さの位置に設けられて上記第2ワイヤにおける他端が巻き付けられた第2ウインチと、上記第2ウインチを駆動するトルクコンバータ付モータ ( 以下、トルクモータという ) と、上記第1ウインチの近傍にあって上記第1ワイヤの張力を検出する第1張力検出部と、上記第1張力検出部による検出結果に基づいて上記トルクコンバータ付モータの回転を制御するモータ制御部を備えたことを特徴としている。
【0010】
上記構成によれば、シーブの取り付け位置に拘わらず、上記シーブを相反する方向に回転させようとする両ワイヤの重量がほぼ均衡する。その結果、昇降の対象となる重量物は、ウェイトを取り付けて重量を増加させることなく下降させることが可能となる。
【0011】
さらに、第2ウインチによって第2ワイヤが巻き取られて上記重量物が引き降ろされる。こうして、上記重量物を下降させる力の不足分が上記第2のウインチによる張力で補われて、上記重量物が引き降ろされる。
【0012】
さらに、上記重量物を下降させる際には、モータ制御部によって、第1張力検出部で検出された第1ワイヤの張力に基づいて、トルクモータの回転が制御されて第2ウインチが駆動される。こうして、上記第1ワイヤの張力に応じて上記第2ウインチが最適に制御されて上記重量物が引き降ろされる。
【0013】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の昇降装置において、上記モータ制御部は、上記第1ウインチによって重量物を引き上げる場合には、第1張力検出部による検出値が上記第1ウインチが乱巻せずに上記重量物を引き上げ可能な必要最小限の張力になるように、上記トルクモータを制御するようになっていることを特徴としている。
【0014】
上記構成によれば、上記重量物を引き上げる場合には、上記モータ制御部によって、第1ワイヤの張力が必要最小限の張力になるように制御される。
【0015】
また、請求項3に係る発明は、取り付け位置が上昇するシーブに掛け回された第1ワイヤの一端に取り付けられた重量物を , 上記第1ワイヤの他端が巻き付けられた第1ウインチによって昇降させる昇降装置であって上記重量物に一端が取り付けられた第2ワイヤを上記第1ウインチと略同一高さの位置まで配設し、上記第2ワイヤの単位長さ当たりの 重量を上記第1ワイヤの単位長さ当たりの重量よりも小さく成すと共に、上記第1ウインチと同一高さの位置に設けられて上記第2ワイヤにおける他端が巻き付けられた第2ウインチと、上記第2ウインチを駆動するトルクモータと、第2のインチの近傍にあって上記第2ワイヤの張力を検出する第2張力検出部と、上記第2張力検出部による検出結果に基づいて上記トルクモータの回転を制御するモータ制御部を備えたことを特徴としている。
【0016】
上記構成において、上記重量物を下降させる際には、モータ制御部によって、第2張力検出部で検出された第2ワイヤの張力に基づいて、トルクモータの回転が制御されて第2ウインチが駆動される。こうして、上記第2ワイヤの張力に応じて上記第2ウインチが最適に制御されて上記重量物が引き降ろされる。
【0017】
また、請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明の昇降装置において、上記モータ制御部は、上記重量物を降下させる場合には、上記第2張力検出部による検出値が上記第2ワイヤと重量物との合算重量を上記第1ワイヤの重量から差し引いた値に応じた張力になるように、上記トルクコンバータ付モータを制御するようになっていることを特徴としている。
【0018】
上記構成によれば、上記重量物を下降させる場合には、上記モータ制御部によって、第2ワイヤの張力が必要最小限の張力になるように制御される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1は本実施の形態の昇降装置における概略図である。図1の昇降装置は、斜坑を切り上がり掘削するに際して人荷車を昇降させるための昇降装置である。
【0020】
TBM11に牽引される最後尾の後続台車12(図1では後続台車は1台)に折り返しシーブ13を取り付け、この折り返しシーブ13に掛け回された第1ワイヤーロープ14の一端を斜坑15に敷設されたレール(図示せず)上の人荷車16の上端に取り付ける。一方、第1ワイヤーロープ14の他端を、上記発進口に設けられた坑口シーブ17を介して、水平坑18内に設けられた牽引用の第1ウインチ19に取り付ける。
また、上記人荷車16の下端には、第2ワイヤーロープ20の一端を取り付ける。そして、第2ワイヤーロープ20の他端は、上記発進口に設けられた坑口シーブ21を介して、水平坑18内に設けられた牽引用の第2ウインチ22に取り付ける。
【0021】
尚、図1においても、図3の場合と同様に、説明を簡単にするために折り返しシーブ13を縦に描いているが、実際には折り返しシーブ13の方向は水平になっている。尤も垂直であっても斜めであっても差し支えない。要は、第2ワイヤーロープの第2ウインチ22への取り付け位置が第1ウインチ19の高さであればよいのである。但し、本実施の形態においては、両坑口シーブ17,21と両ウインチ19,22との実際の高さは同一であり、折り返しシーブ13と両坑口シーブ17,21との間の実際の距離は等しいとする。また、実際の後続台車12は、図3に示すように、人荷車16を収納可能になっており、作業人員の乗降や資材の積み降ろしを容易にしているが、図1においては省略している。
尚、上記折り返しシーブ13は、後続台車ではなく直接TMB11に取付けてもよい。
【0022】
上記第2ウインチ22はトルクモータ23によって駆動される。そして、トルクモータ23は、モータ制御部24によって、第1張力検出部25によって検出される第1ウインチ19の張力Tと、第2張力検出部26によって検出される第2ウインチ22の張力tとに基づいて、回転が制御されるようになっている。
【0023】
ここで、 W…人荷車16の重量
w…第1,第2ワイヤーロープの単位重量
L…折り返しシーブ13と坑口シーブ17,21との間の距離
l…折り返しシーブ13と人荷車16との間の距離
w…人荷車16の長さ
T…第1ウインチ19の張力
t…第2ウインチ22の張力
θ…斜坑15の傾斜角
とする。
【0024】
上記折り返しシーブ13における釣り合いを考えると、
T+wLsinθ=〔W+wl+w{L−(l+lw)}〕sinθ+t
であるから、
T=(W−wlw)sinθ+t …(3)
となる。ここで、人荷車16の長さlwに比較して折り返しシーブ13と坑口シーブ17,21との間の距離Lが十分長い場合には、lw≒0とおける。故に、式(3)は
T=Wsinθ+t …(4)
となる。
したがって、上記人荷車16が折り返しシーブ13の位置に至り(l=0)、且つ、第1ウインチ19の張力T=0の場合には、式(4)から式(5)
t=−Wsinθ(<0)(0≦θ≦π/2) …(5)
が得られる。つまり、式(5)の右辺には距離Lを含む項を有しないことから、人荷車16は、TBM11の位置に寄らずに常に自重で降下できるのである。
【0025】
すなわち、第1ワイヤーロープ14と第2ワイヤーロープ20との単位重量が等しい場合には、第2ウインチ22の張力tは乱巻防止のために必要な最小張力t0であればよいことになる。そこで、第1ウインチ19は一定速度で第1ワイヤーロープ14を送り出し、モータ制御部24は、第2張力検出部26からの張力tが上記必要最小張力t0になるようにトルクモータ23の回転を制御するのである。
【0026】
このように、本実施の形態においては、取り付け位置がTBM11の上昇に伴って上昇する折り返しシーブ13に掛け回された第1ワイヤーロープ14の一端を人荷車16の上端に取り付ける一方、下端を第1ウインチ19に取り付ける。さらに、人荷車16の下端から、人荷車16を引き上げる際に用いられる第1ワイヤーロープ14と同じ単位重量の第2ワイヤーロープ20を第1ウインチ19と同じ高さの位置まで配設している。したがって、折り返しシーブ13の位置に拘わらず、折り返しシーブ13を相反する方向に回転させる両ワイヤーロープの重量が均衡し、人荷車16は自重で下降できる。
すなわち、本実施の形態によれば、上記折り返しシーブ13と坑口シーブ17,21との間の距離(つまり、人荷車16の昇降距離)Lに拘わらず、且つ、人荷車16にウェイトを付けることなく、人荷車16を昇降できるのである。
【0027】
尚、上述の実施の形態においては、上記第2ワイヤーロープ20を第2ウインチ22で巻き取るようにしている。しかしながら、この発明では必ずしもその必要はない。要は、第1ワイヤーロープ14と同じ単位重量を呈する第2ワイヤーロープ20を、第1ワイヤーロープ14に平行に坑口シーブ21の位置まで配設して、折り返しシーブ13を相反する方向に回転させる両ワイヤーロープの重量が均衡するようになっていればよい。したがって、第2ワイヤーロープ20の上記他端側は、坑口シーブ21を通過した位置における水平坑18に設けられた凹部にそのまま収納するように成しても何等差し支えないのである。
【0028】
次に、上記人荷車16の引き上げには用いられない第2ワイヤーロープ20の径を細くして、コストダウンを図る実施の形態について説明する。
ここで、w1…第1ワイヤーロープ14の単位重量
2…第2ワイヤーロープ20の単位重量(w2<w1
とする。
【0029】
上記折り返しシーブ13における釣り合いを考えると、
T+w1Lsinθ=〔W+w1l+w2{L−(l+lw)}〕sinθ+t
であるから、
T={W−(w1−w2)(L−l)−w2w}sinθ+t …(6)
となる。ここで、人荷車16の長さlwに比較して折り返しシーブ13および坑口シーブ17,21間の距離Lが十分長い場合には、lw≒0とおける。故に、式(6)は
T={W−(w1−w2)(L−l)}sinθ+t …(7)
となる。
したがって、上記人荷車16が折り返しシーブ13の位置に至り(l=0)、且つ、第1ウインチ19の張力T=0の場合には、式(7)から式(8)
t=−{W−(w1−w2)L}sinθ …(8)
が得られる。つまり、第2ウインチ22の張力t1
1>{(w1−w2)L−W}sinθ
とすることによって、人荷車16を下降させることができるのである。
【0030】
すなわち、第2ワイヤーロープ20の単位重量が第1ワイヤーロープ14の単位重量よりの小さい場合には、人荷車16を下降させるに要する第2ウインチ22の張力tは、人荷車16が折り返しシーブ13の位置に在る場合において、第2ワイヤーロープ20と人荷車16との合計重量を第1ワイヤーロープ14の重量から差し引いた値の斜坑15の傾斜に沿った成分以上であればよい。そこで、第1ウインチ19は一定速度で第1ワイヤーロープ14を送り出し、モータ制御部24は、第2張力検出部26からの張力tが上記張力tになるようにトルクモータ23の回転を制御するのである。
【0031】
ここで、式(8)は距離Lを含む項を有している。したがって、人荷車16を引き降ろすために必要な第2ウインチ22の張力tは、距離Lの大きさによって変化することになる。そこで、式(8)より、第2ウインチ22の張力tが負となる(つまり、人荷車16が自重で降下可能である)距離L(L0)を求めると
0<W/(w1−w2)
となり、上記距離LがW/(w1−w2)を越えると第1ウインチ19の張力TはT≦0となる。
したがって、上記モータ制御部24は、人荷車16を降ろすためには、第1張力検出部25からの張力TがT≦0である折り返しシーブ13の位置では、第2張力検出部26からの張力tが人荷車16を引き降ろすに必要な上記張力tになるようにトルクモータ23の回転を制御する。そして、第1張力検出部25からの張力TがT>0である折り返しシーブ13の位置では、第2張力検出部26からの張力tが乱巻防止のために必要な最小張力t0になるようにトルクモータ23の回転を制御すればよいのである。
【0032】
本実施の形態のように、上記第2ワイヤーロープ20の単位重量が第1ワイヤーロープ14の単位重量より小さい場合には、第1ウインチ19によって人荷車16を引き上げる際に、人荷車16がある地点に至ると折り返しシーブ13を相反する方向に回転させようとする力が均衡し、その時点を越えると第1ウインチ19の張力T=0となって第1ウインチ19に乱巻が生じてしまう。そこで、人荷車16引き上げ時には、モータ制御部24によって、第1張力検出部25からの張力Tが乱巻防止のために必要な最小張力T0になるようにトルクモータ23の回転を制御して、人荷車16に制動を掛けるのである。
尚、上記折り返しシーブ13を相反する方向に回転させようとする力が均衡する地点は、式(7)において、t=0とした場合に、T=0となるようなl(l0)の値を算出することによって次のように求めることができる。
0=L−W/(w1−w2)
【0033】
このように、本実施の形態においては、上記人荷車16の下端から第1ウインチ19と同一高さまで配設された第2ワイヤーロープ20をトルクモータ23で駆動される第2ウインチ22で巻いて人荷車16を引き降ろすようにしている。したがって、第2ワイヤーロープ20の単位重量w2を第1ワイヤーロープ14の単位重量w1よりも小さくでき、第2ワイヤーロープ20の太さを第1ワイヤーロープ14よりも細くしてコストダウンを図ることができるのである。
【0034】
尚、上記実施の形態においては、上記モータ制御部24は、第1張力検出部25からの張力Tに基づいて人荷車16が自重で降下可能であるか否かを判定してトルクモータ23の回転を制御するようにしている。
しかしながら、上記モータ制御部24は、人荷車16が自重で降下できる距離L0=W/(w1−w2)を記憶しておき、折り返しシーブ13と坑口シーブ17との間の距離LがW/(w1−w2)となるまでは、第2張力検出部26からの張力tが上記最小値t0になるようにトルクモータ23の回転を制御する。そして、上記距離LがW/(w1−w2)を越えると、第2張力検出部26からの張力tが人荷車16を引き降ろすに必要な上記張力t1になるようにトルクモータ23の回転を制御するようにしても差し支えない。
【0035】
ところで、通常、シーブ径は使用するワイヤーロープの径の20〜30倍程度は必要である。したがって、第1ワイヤーロープ14の直径が50mmを越えるとシーブ径が1m〜1.5m以上となって人荷車12に取り付けることが困難になる。そこで、第1ワイヤーロープ14の直径が50mm程度を越える場合には、図2に示す実施の形態にすることが望ましい。
【0036】
図2は、TBM31,後続台車32および人荷車33の連鎖を、斜坑36の延在方向に対して垂直方向から見た図である。
上記人荷車33は、TBM31に連結された最後尾の後続台車32内に収納可能になっている。そして、人荷車33のTBM31側の端部には第1折り返しシーブ37を設け、後続台車32の前部側方に第2折り返しシーブ38を設ける。
【0037】
第1ワイヤーロープ39は、その一端を後続台車32の前端に取り付け、第1折り返しシーブ37,第2折り返しシーブ38および坑口シーブ(図示せず)に掛け回して他端を第1ウインチ(図示せず)に取り付ける。一方、第2ワイヤーロープ40は、一端を人荷車33に取り付ける一方、他端を坑口シーブ(図示せず)に掛け回して他端をトルクモータで駆動される第2ウインチ(共に図示せず)に取り付ける。
尚、34は後続台車32用のレールであり、35は人荷車33用のレールである。
【0038】
図2に示す構成によれば、上記第1ウインチの張力を図1に示す構成における第1ウインチ19の張力Tの1/2にすることができ、第1ワイヤーロープ39の径と折り返しシーブ37,38の径を小さくできるのである。
【0039】
上記各実施の形態においては、斜坑を切り上がり掘削する際の人荷車昇降用の昇降装置を例に説明している。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、取り付け位置が上昇していく折り返しシーブによって重量物を昇降させるための昇降装置であれば、昇降方向の傾斜の度合い如何に拘わらず適用可能である。
【0040】
【発明の効果】
以上より明らかなように、請求項1に係る発明の昇降装置は、取り付け位置が上昇するシーブに掛け回された第1ワイヤによって昇降される重量物に一端が取り付けられた第2ワイヤを、上記第1ワイヤを操作する第1ウインチと略同一高さの位置まで配設したので、上記シーブを相反する方向に回転させようとする両ワイヤの重量を上記シーブの位置に拘わらずほぼ均衡させることができる。
したがって、上記重量物を、上記シーブの位置に拘わらず(つまり、昇降距離に拘わらず)且つウェイトを付けずに昇降させることが可能となる。
【0041】
さらに、単位重量が上記第1ワイヤよりも小さい上記第2ワイヤにおける下端を上記第1ウインチと同一高さの位置に設けられた第2ウインチに巻き付けたので、上記重量物を下降させる際には、上記重量物を下降させるに必要な力の不足分を上記第2ウインチによる張力で補って、上記重量物を引き降ろすことができる。
したがって、上記重量物を、昇降距離に拘わらずウェイトを付けることなく昇降させることができる。
【0042】
さらに、モータ制御部によって、第1張力検出部で検出された上記第1ワイヤの張力に基づいて、上記第2ウインチを駆動するトルクモータを制御するようにしたので、上記重量物を下降させる際には、上記第1ワイヤの張力に応じて上記第2ウインチを最適な状態で駆動できる。
【0043】
また、請求項2に係る発明の昇降装置は、モータ制御部によって、上記第1ウインチによって重量物を引き上げる場合には、第1張力検出部による検出値が上記重量物を引き上げ可能な最小限の張力になるように上記トルクモータを制御するので、第1ワイヤの張力が必要最小限の張力になるように制御できる。
したがって、この発明によれば、必要最小限の動力で、上記重量物を最適に上昇させることができる。
【0044】
また、請求項3に係る発明の昇降装置は、モータ制御部によって、第2張力検出部で検出された上記2ワイヤの張力に基づいて、上記第2ウインチを駆動するトルクモータを制御するようにしたので、上記重量物を下降させる際には、上記第2ワイヤの張力に応じて上記第2ウインチを最適な状態で駆動できる。
【0045】
また、請求項4に係る発明の昇降装置は、モータ制御部によって、上記重量物を降下させる場合には、上記第2張力検出部による検出値が、上記第2ワイヤと重量物との合算重量を上記第1ワイヤの重量から差し引いた値に応じた張力になるように上記トルクモータを制御するので、上記第2ワイヤの張力が必要最小限の張力になるように制御できる。
したがって、この発明によれば、必要最小限の動力で、上記重量物を最適に下降させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の昇降装置の具体例としての斜坑掘削時に人荷車を昇降させる昇降装置の説明図である。
【図2】 図1とは異なる人荷車昇降用の昇降装置の説明図である。
【図3】 斜坑掘削時に人荷車を昇降させるための従来の昇降装置の外観図である。
【符号の説明】
11,31…TBM、 12,32…後続台車、
13,37,38…折り返しシーブ、
14,20,39,40…ワイヤーロープ、
15,36…斜坑、 16,33…人荷車、
17,21…坑口シーブ、 19,22…ウインチ、
23…トルクモータ、 24…モータ制御部、
25,26…張力検出部。

Claims (4)

  1. 取り付け位置が上昇するシーブに掛け回された第1ワイヤの一端に取り付けられた重量物を、上記第1ワイヤの他端が巻き付けられた第1ウインチによって昇降させる昇降装置であって、
    上記重量物に一端が取り付けられた第2ワイヤを上記第1ウインチと略同一高さの位置まで配設し
    上記第2ワイヤの単位長さ当たりの重量を上記第1ワイヤの単位長さ当たりの重量よりも小さく成すと共に、
    上記第1ウインチと同一高さの位置に設けられて、上記第2ワイヤにおける他端が巻き付けられた第2ウインチと、
    上記第2ウインチを駆動するトルクコンバータ付モータと、
    上記第1ウインチの近傍にあって上記第1ワイヤの張力を検出する第1張力検出部と、
    上記第1張力検出部による検出結果に基づいて上記トルクコンバータ付モータの回転を制御するモータ制御部
    を備えたことを特徴とする昇降装置。
  2. 請求項1に記載の昇降装置において、
    上記モータ制御部は、
    上記第1ウインチによって重量物を引き上げる場合には、第1張力検出部による検出値が、上記第1ウインチが乱巻せずに上記重量物を引き上げ可能な必要最小限の張力になるように、上記トルクコンバータ付モータを制御するようになっていることを特徴とする昇降装置。
  3. 取り付け位置が上昇するシーブに掛け回された第1ワイヤの一端に取り付けられた重量物を、上記第1ワイヤの他端が巻き付けられた第1ウインチによって昇降させる昇降装置であって
    上記重量物に一端が取り付けられた第2ワイヤを上記第1ウインチと略同一高さの位置まで配設し、
    上記第2ワイヤの単位長さ当たりの重量を上記第1ワイヤの単位長さ当たりの重量よりも小さく成すと共に、
    上記第1ウインチと同一高さの位置に設けられて、上記第2ワイヤにおける他端が巻き付けられた第2ウインチと、
    上記第2ウインチを駆動するトルクコンバータ付モータと、
    上記第2ウインチの近傍にあって上記第2ワイヤの張力を検出する第2張力検出部と、
    上記第2張力検出部による検出結果に基づいて上記トルクコンバータ付モータの回転を制御するモータ制御部
    を備えたことを特徴とする昇降装置。
  4. 請求項3に記載の昇降装置において、
    上記モータ制御部は、
    上記重量物を降下させる場合には、上記第2張力検出部による検出値が、上記第2ワイヤと重量物との合算重量を上記第1ワイヤの重量から差し引いた値に応じた張力になるように、上記トルクコンバータ付モータを制御するようになっていることを特徴とする昇降装置。
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