JP3783828B2 - 直列4気筒内燃機関の可変吸気装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願の発明は、内燃機関の低回転速度域から高回転速度域まで広い回転速度域にわたって高い吸気充填効率と高い出力トルクとが得られるようにされた4気筒内燃機関の可変吸気装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、多気筒内燃機関の各気筒に連通接続される吸気通路に発生する吸気圧力振動を利用して、各気筒における吸気行程の後半に、その気筒の吸気ポート部分の圧力を上昇させて、吸気過給効果を得るようにした吸気装置が種々提案されている。
【0003】
例えば、内燃機関の吸気管の管路長や容積を内燃機関の回転数に応じて変えて、吸気の慣性過給効果や共鳴過給効果を得て、これらを適切に組み合わせ利用することにより、低回転速度域から高回転速度域まで広い回転速度域にわたって吸気充填効率を高く維持して、出力トルクを向上させることが行なわれている。
【0004】
4気筒内燃機関においては、各気筒に連通する吸気管路長を内燃機関の低回転速度域、中回転速度域、高回転速度域の3段階に変えて、いずれも吸気の慣性過給効果を利用して、高い吸気充填効率を得て、出力トルクの向上を図ったもの(特公平7−30698号公報)や、各気筒に連通する吸気管路を吸気行程が互いに連続しない気筒群毎に合流させた合流部を共鳴室とし、その上流側に共鳴管を気筒配列方向に沿って接続し、これら一対の共鳴管の上流側に集合部を設け、一対の共鳴室間の連通を内燃機関の低中回転速度域、高回転速度域にしたがって遮断、連通させて、吸気の共鳴過給効果および慣性過給効果を利用して、高い吸気充填効率を得て、出力トルクの向上を図ったもの(特開平10−73024号公報)等がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者のものにおいては、各々が個別に作動し得る2つの吸気制御弁が必要であり、部品点数、重量が増大して、スペース的にも不利であるという難点があった。また、低中回転速度域において共鳴過給効果を利用した後者のものにおいては、共鳴室、共鳴管、集合部の設置が必要であり、一対の共鳴管を有することで気筒配列方向に吸気装置自体が大型化し、気筒配列方向にスペース的に不利があった。また、低中回転速度域と高回転速度域との狭間の部分におけるフラットな吸気充填効率が得られにくかった。
【0006】
本願の発明は、従来の4気筒内燃機関の可変吸気装置が有する前記のような問題点を解決して、内燃機関の低回転速度域から高回転速度域まで広い回転速度域にわたって高い吸気充填効率を得ることができ、これにより、高い出力トルクを得ることができて、しかも、部品点数が少なく、構造を簡単化でき、スペースを要さない4気筒内燃機関の可変吸気装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および効果】
本願の発明は、前記のような課題を解決した4気筒内燃機関の可変吸気装置に係り、その請求項1に記載された発明は、直列4気筒内燃機関の各気筒に一端がそれぞれ連通接続され、単一の吸気集合室に他端が連通接続される4つの互いに独立な吸気通路が並設され、前記吸気通路の途中と前記吸気集合室との間には、各吸気通路と前記吸気集合室との間を短絡的に連通もしくは遮断することができるロータリーバルブが設けられ、前記ロータリーバルブは、前記内燃機関の回転速度に応じて等間隔に3段階に切換可能な制御手段を備え、前記制御手段は、前記内燃機関の低回転速度域で、隣接する吸気通路間を遮断し、中回転速度域で、吸気行程が互いに連続しない気筒群における各気筒に一端がそれぞれ連通接続される1対の吸気通路間を連通し、高回転速度域で、隣接する吸気通路間を連通するとともに、各吸気通路と前記吸気集合室とを短絡的に連通するように前記ロータリーバルブを切換制御するようにされていることを特徴とする直列4気筒内燃機関の可変吸気装置である。
【0008】
請求項1に記載された発明は、前記のように構成されているので、直列4気筒内燃機関の各気筒に一端がそれぞれ連通接続され、単一の吸気集合室に他端が連通接続される4つの互いに独立な吸気通路が並設される。この結果、各吸気通路は互いに交差することがなく、気筒配列方向に吸気装置(吸気マニホールド)をコンパクトに形成することができて、スペース効率が良い。また、各吸気通路の等長化を図ることが容易である。
【0009】
また、4つの互いに独立な吸気通路の途中と吸気集合室との間には、各吸気通路と吸気集合室との間を短絡的に連通もしくは遮断することができるロータリーバルブが設けられ、該ロータリーバルブは、内燃機関の回転速度に応じて等間隔に3段階に切換可能な制御手段を備えていて、該制御手段は、内燃機関の低回転速度域で、隣接する吸気通路間を遮断し、中回転速度域で、吸気行程が互いに連続しない気筒群における各気筒に一端がそれぞれ連通接続される1対の吸気通路間を連通し、高回転速度域で、隣接する吸気通路間を連通するとともに、各吸気通路と吸気集合室とを短絡的に連通するように該ロータリーバルブを切換制御するようにされている。
【0010】
この結果、内燃機関の低回転速度域においては、吸気集合室が大気開放部として作用して、ここが吸気圧力振動の反転室となり、燃焼室から吸気集合室までの長い吸気通路内での低い固有振動数の吸気圧力振動と機関の低回転に基づく吸気弁の長い開閉サイクルとが同調して、高い慣性過給効果が得られ、全ての気筒について高い吸気充填効率が得られて、出力トルクを向上させることができる。
【0011】
また、中回転速度域においては、吸気行程が互いに連続しない気筒群における各気筒に一端がそれぞれ連通接続される1対の吸気通路間の連通部より上流側の吸気通路部分が各気筒群の共鳴系を構成して、各吸気通路および吸気連通部内を吸気圧力波が反転することなく、同一気筒群における他の気筒の次の吸気行程にその吸気圧力波を伝播させることができ、高い共鳴過給効果が得られ、吸気行程が互いに連続しない気筒群における各気筒について高い吸気充填効率が得られて、出力トルクを向上させることができ、低回転速度域と高回転速度域との間の吸気充填効率と出力トルクとが低下する谷間の部分を埋め合わせることができる。
【0012】
さらに、高回転速度域においては、隣接する吸気通路間の連通室が大気開放部として作用して、ここが吸気圧力振動の反転室となり、燃焼室から該連通室までの短い吸気通路内での高い固有振動数の吸気圧力振動と機関の高回転に基づく吸気弁の短い開閉サイクルとが同調して、高い慣性過給効果が得られ、全ての気筒について高い吸気充填効率が得られて、出力トルクを向上させることができる。このように、低回転速度域から高回転速度域までの広い回転速度域にわたって、高い吸気充填効率と高い出力トルクとを得ることができる。
【0013】
また、高回転速度域においては、各吸気通路と吸気集合室とがロータリーバルブを介して短絡的に連通されるので、隣接する吸気通路間の連通室より上流側の各吸気通路部分(長い吸気通路部分)を細くして、低回転速度域をより低回転側に移行させたとしても、高回転速度域において必要な吸気流量を十分に確保することができ、吸気装置をさらにコンパクトに形成することができる。
【0014】
しかも、このような低回転速度域から高回転速度域までの広い回転速度域にわたる高い吸気充填効率と高い出力トルクとが、4つの互いに独立な吸気通路の途中と吸気集合室との間に設けられるロータリーバルブを内燃機関の回転速度に応じて等間隔に3段階に切換制御することにより得られるので、バルブやアクチュエータ等の部品の点数が少なく、コストの低減、構造の簡単化、軽量化等に資することができ、スペースを要さない4気筒内燃機関の可変吸気装置を容易に得ることができる。また、ロータリーバルブは、その弁体および軸部が吸気通路内に突出しないので、吸気抵抗を増大させることがない。
【0015】
さらに、請求項2記載のように請求項1記載の発明を構成することにより、ロータリーバルブは、電動もしくは負圧アクチュエータにより切換作動されるので、ロータリーバルブを内燃機関の回転速度に応じて等間隔に3段階に切換制御する制御手段の構成が容易になる。
【0016】
また、その請求項3に記載された発明は、直列4気筒内燃機関の各気筒に一端がそれぞれ連通接続され、単一の吸気集合室に他端が連通接続される4つの互いに独立な吸気通路が並設され、前記吸気通路の途中と前記吸気集合室との間には、各吸気通路と前記吸気集合室との間を短絡的に連通もしくは遮断することができるロータリーバルブが設けられ、前記ロータリーバルブは、その外周に、その軸方向から側面視して周方向に等間隔に仕切られた仮想3面を有し、前記仮想3面が前記内燃機関の回転速度に応じて周方向に3段階に切り換えられて、隣接する吸気通路間を連通もしくは遮断し、かつ吸気行程が互いに連続しない気筒群における各気筒に一端がそれぞれ連通接続される1対の吸気通路間を連通もしくは遮断するとともに、各吸気通路と前記吸気集合室との間を短絡的に連通もしくは遮断することができるようにされたことを特徴とする直列4気筒内燃機関の可変吸気装置である。
【0017】
請求項3に記載された発明は、前記のように構成されているので、直列4気筒内燃機関の各気筒に一端がそれぞれ連通接続され、単一の吸気集合室に他端が連通接続される4つの互いに独立な吸気通路が並設される。この結果、各吸気通路は互いに交差することがなく、気筒配列方向に吸気装置をコンパクトに形成することができて、スペース効率が良い。また、各吸気通路の等長化を図ることが容易である。
【0018】
また、直列4気筒内燃機関の可変吸気装置が、4つの互いに独立な吸気通路の途中と吸気集合室との間に設けられる単一のロータリーバルブを内燃機関の回転速度に応じて切り換えるようにすることにより得られるので、バルブやアクチュエータ等の部品の点数が少なく、コストの低減、構造の簡単化、軽量化等に資することができ、スペースを要さない4気筒内燃機関の可変吸気装置を容易に得ることができる。また、ロータリーバルブは、その弁体および軸部が吸気通路内に突出しないので、吸気抵抗を増大させることがない。
【0019】
さらに、ロータリーバルブは、その外周に、その軸方向から側面視して周方向に等間隔に仕切られた仮想3面を有し、該仮想3面が内燃機関の回転速度に応じて周方向に3段階に切り換えられることにより、隣接する吸気通路間もしくは吸気行程が互いに連続しない気筒群における各気筒に一端がそれぞれ連通接続される1対の吸気通路間を連通もしくは遮断するとともに、各吸気通路と吸気集合室との間を短絡的に連通もしくは遮断することができるようにされる。
【0020】
この結果、ロータリーバルブを3段階に切り換える切換手段の構造が簡単化されるとともに、仮想3面の各面側にそれぞれの可変吸気作用を発揮する構造を付与すればよいので、各切換段階に応じて隣接する吸気通路間もしくは吸気行程が互いに連続しない気筒群における各気筒に一端がそれぞれ連通接続される1対の吸気通路間を連通もしくは遮断するとともに、各吸気通路と吸気集合室との間を短絡的に連通もしくは遮断するロータリーバルブの内部構造を比較的簡単に形成することができる。
【0021】
また、請求項4記載のように請求項3記載の発明を構成することにより、仮想3面のうちの1面側は、隣接する吸気通路間を連通する第1の連通室を有し、該第1の連通室が、各吸気通路と吸気集合室との間を短絡的に連通する連通路とされる。
【0022】
この結果、内燃機関の高回転速度域で、隣接する吸気通路間を連通するとともに、各吸気通路と吸気集合室との間を短絡的に連通するロータリーバルブの内部構造を比較的簡単に形成することができる。また、内燃機関の高回転速度域で、各吸気通路と吸気集合室との間を短絡的に連通する専用の通路を設ける必要もない。
【0023】
また、請求項5記載のように請求項3記載の発明を構成することにより、仮想3面のうちの他の1面側は、吸気行程が互いに連続しない気筒群における各気筒に一端がそれぞれ連通接続される1対の吸気通路間を連通する第2の連通室を、2対の吸気通路の各々に対して有し、該2つの第2の連通室のうちの1つは、隣接する1対の吸気通路間を連通し、該2つの第2の連通室のうちの他の1つは、離隔する1対の吸気通路間を連通するようにされる。
【0024】
この結果、内燃機関の中回転速度域で、吸気行程が互いに連続しない気筒群における各気筒に一端がそれぞれ連通接続される1対の吸気通路間を連通するロータリーバルブの内部構造を比較的簡単に形成することができる。
【0025】
さらに、請求項6記載のように請求項5記載の発明を構成することにより、2つの第2の連通室のうちの他の1つは、仮想3面のうちの1面側が有する隣接する吸気通路間を連通する第1の連通室が可変吸気装置の本体壁により閉鎖されて形成される室部分を含むようにされる。
【0026】
この結果、内燃機関の中回転速度域で、吸気行程が互いに連続しない気筒群における各気筒に一端がそれぞれ連通接続される離隔する1対の吸気通路間を連通するロータリーバルブの内部構造をさらに簡単に形成することができる。また、第1の連通室を2つの第2の連通室のうちの他の1つの一部に兼用することができて、ロータリーバルブの内部構造をこの面からも簡単化することができる。
【0027】
また、請求項7記載のように請求項3記載の発明を構成することにより、仮想3面のうちのさらに他の1面側は、隣接する吸気通路間を遮断する仕切壁を有し、該仕切壁が、ロータリーバルブの回転に伴い、各吸気通路と吸気集合室との間を遮断することができるようにされる。
【0028】
この結果、内燃機関の低回転速度域で、隣接する吸気通路間を遮断するロータリーバルブの内部構造を比較的簡単に形成することができる。また、各吸気通路と吸気集合室との間を遮断するロータリーバルブの内部構造を、隣接する吸気通路間を遮断する仕切壁を兼用して、比較的簡単に形成することができる。
【0029】
さらにまた、請求項8記載のように請求項3記載の発明を構成することにより、ロータリーバルブは、その内部に4つの互いに独立な通路と2つの連通室とを有し、該4つの互いに独立な通路は、ロータリーバルブの外周を周方向に等間隔に3分割して得られる正三角形の2つの頂点間にまたがり、4つの互いに独立な吸気通路の並設長に及ぶ長さを有する第1の仕切壁と、該第1の仕切壁に起立して連設されて、隣接する吸気通路間を遮断する3つの第2の仕切壁とにより区画形成され、外方に向けて開放されており、該2つの連通室のうちの1つは、該正三角形の残りの1つの頂点と該第1の仕切壁の一方の端縁もしくは該端縁近傍の点との間にまたがり、中央の2つの互いに独立な吸気通路の並設長に及ぶ長さを有する第3の仕切壁と、少なくとも該第3の仕切壁に起立して連設されて、左半2つの隣接する吸気通路間および右半2つの隣接する吸気通路間をそれぞれ遮断する2つの第4の仕切壁とにより区画形成され、外方に向けて開放されており、該2つの連通室のうちの他の1つは、該4つの互いに独立な通路および該2つの連通室のうちの1つを除いた空間により形成され、外方に向けて開放されているようにされる。
【0030】
この結果、ロータリーバルブを内燃機関の回転速度に応じて切り換えて、隣接する吸気通路間もしくは吸気行程が互いに連続しない気筒群における各気筒に一端がそれぞれ連通接続される1対の吸気通路間を連通もしくは遮断するとともに、各吸気通路と吸気集合室との間を短絡的に連通もしくは遮断することができるロータリーバルブの内部構造を、ロータリーバルブの内部を第1〜第4の仕切壁により仕切って、4つの互いに独立な通路と2つの連通室とを形成するという、比較的簡単な方法により得ることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図8に図示される本願の請求項1ないし請求項8に記載された発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態における直列4気筒内燃機関の可変吸気装置を吸気通路部分について吸気通路に沿って上半分を切断して仮想して見た概略斜視図であって、内燃機関が低回転速度域にあるときのロータリーバルブの回転状態と吸気の流れ状態とを併せて示した図、図2は、図1の可変吸気装置の横断面図であって、吸気通路を完全体で示した図、図3は、図1と同様の図であって、内燃機関が中回転速度域にあるときのロータリーバルブの回転状態と吸気の流れ状態とを併せて示した図、図4は、図2と同様の図であって、図3の可変吸気装置の横断面図、図5は、図1と同様の図であって、内燃機関が高回転速度域にあるときのロータリーバルブの回転状態と吸気の流れ状態とを併せて示した図、図6は、図2と同様の図であって、図5の可変吸気装置の横断面図、図7は、図1の可変吸気装置の作用を説明するための図、図8は、図1の可変吸気装置の特性線図である。なお、以下において、気筒配列方向を左右方向とし、図1において左方を左方とする。
【0032】
図1および図2において、本実施形態における直列4気筒内燃機関の可変吸気装置1は、内燃機関の第1〜第4気筒♯1〜♯4(図示されず)の各気筒に一端がそれぞれ連通接続され、単一の吸気集合室5に他端が連通接続された4つの互いに独立な第1〜第4吸気通路41 〜44 が並設されて構成された吸気マニホールド2を備えている。
【0033】
第1〜第4気筒♯1〜♯4は、第1気筒♯1、第3気筒♯3、第4気筒♯4、第2気筒♯2の順に点火される。したがって、各気筒における吸気行程も、この順となり、吸気行程が互いに連続しない気筒群は、第1、第4気筒♯1、♯4からなる気筒群と、第2、第3気筒♯2、♯3からなる気筒群とである。
【0034】
これより、吸気行程が互いに連続しない気筒群における各気筒に一端がそれぞれ連通接続される1対の吸気通路は、第1、第4気筒♯1、♯4からなる気筒群における各気筒に一端がそれぞれ連通接続される1対の第1、第4吸気通路41 、44 と、第2、第3気筒♯2、♯3からなる気筒群における各気筒に一端がそれぞれ連通接続される1対の第2、第3吸気通路42 、43 とである。
【0035】
第1〜第4吸気通路41 〜44 は、略等長にされ、図2に図示されるように、丸く内側に巻き込まれるようにして湾曲されて形成されており、その先端に吸気集合室5が連通接続されている。この吸気集合室5は、この吸気集合室5に隣接して設けられる吸気ダクト6とともに、第1〜第4吸気通路41 〜44 の湾曲の内部空間に抱持されるようにして設けられている。
【0036】
図示されないエアクリーナ、スロットルボディを経て吸気ダクト6に導かれた吸気は、次いで、比較的大容積からなる吸気集合室5に流入し、ここに集合させられる。そして、内燃機関の回転数が低中回転速度域にあるとき、ここからさらに第1〜第4吸気通路41 〜44 のそれぞれに分かれて流入して、これらの比較的長い通路を流れて、第1〜第4気筒♯1〜♯4のそれぞれに吸入される。吸気ダクト6と吸気集合室5との連通路は、図示されてはいないが、吸気集合室5の長さ方向の中央部に設けられ、これにより、吸気集合室5から各気筒♯1〜♯4に至る第1〜第4吸気通路41 〜44 を含む吸気通路長の等長化が図られている。
【0037】
第1〜第4吸気通路41 〜44 のそれぞれの途中の底壁には、正面視略矩形状の第1〜第4開口71 〜74 が形成されており、これらの第1〜第4開口71 〜74 からその一部を第1〜第4吸気通路41 〜44 のそれぞれに露出させるようにして、また、その軸方向から側面視した場合、その一部を第1〜第4吸気通路41 〜44 のそれぞれに突出させるようにして(図2参照)、単一体からなるロータリーバルブ3が設けられている。
【0038】
このロータリーバルブ3は、第1〜第4吸気通路41 〜44 のそれぞれの途中と吸気集合室5との間にあって、後述するように内燃機関の回転速度に応じて切り換えられることにより、このロータリーバルブ3内の後述する連通室10、2つの連通口111 、114 と第1〜第4開口71 〜74 とを介して各吸気通路41 〜44 と吸気集合室5との間を短絡的に連通もしくは遮断することができる。
【0039】
吸気集合室5と吸気ダクト6との間を部分的に仕切る吸気マニホールド2の本体壁部分8は、ロータリーバルブ3の仮想略1/3外周円周面に対向する円弧状面を有し、ロータリーバルブ3の回転動を支持するとともに、ロータリーバルブ3内に形成される後述する第1連通室10、第2の連通室(連通室12、連通室13)を塞ぐ役目をする。
【0040】
次に、ロータリーバルブ3の構造と作用、効果について詳細に説明する。
ロータリーバルブ3は、図2に図示されるように、その外周に、その軸方向から側面視して周方向に等間隔に仕切られた仮想3面a、b、cを有し、これら仮想3面a、b、cが内燃機関の回転速度に応じて周方向に3段階に順次切り換えられることにより、以下に詳しく説明されるように、隣接する吸気通路41 と42 、42 と43 、43 と44 間もしくは吸気行程が互いに連続しない気筒群における各気筒に一端がそれぞれ連通接続される1対の吸気通路41 と44 、42 と43 間を連通もしくは遮断するとともに、各吸気通路41 〜44 と吸気集合室5との間を短絡的に連通もしくは遮断することができるようにされている。
【0041】
ロータリーバルブ3の仮想3面a、b、cのうちの1面a側は、図5および図6に図示されるように、隣接する吸気通路41 と42 、42 と43 、43 と44 間を連通する第1の連通室10を有する。この第1の連通室10は、図3に図示されるように、他の1面b側において、第1、第4吸気通路41 、44 の第1、第4開口71 、74 に合致するように形成された連通口111 、114 と連通状態にあるので、ロータリーバルブ3が図5および図6に図示される回転位置にあるとき、吸気集合室5内の吸気は、これら第1の連通室10、2つの連通口111 、114 (これらの連通口111 、114 は、吸気集合室5に面している。)を介してロータリーバルブ3内を横断し、かつ、その軸と平行な方向に流れて、第1〜第4吸気通路41 〜44 にそれぞれ流出することができる。このようにして、各吸気通路41 〜44 と吸気集合室5との間が短絡的に連通される。
【0042】
ロータリーバルブ3の仮想3面a、b、cのうちの他の1面b側は、図3および図4に図示されるように、吸気行程が互いに連続しない気筒群♯1、♯4、気筒群♯2、♯3における各気筒に一端がそれぞれ連通接続される1対の第1、第4吸気通路41 、44 間、1対の第2、第3吸気通路42 、43 間をそれぞれ連通する第2の連通室を、これら2対の吸気通路の各対について有している。
【0043】
これら2つの第2の連通室のうちの1つは、隣接する1対の第2、第3吸気通路42 、43 間を連通する連通室12であり、他の1つは、離隔する1対の第1、第4吸気通路41 、44 間を連通する連通室13である。この後者の連通室13は、前記した第1の連通室10と重なり合っている。この第1の連通室10は、ロータリーバルブ3が図3および図4に図示される回転位置にあるとき、吸気マニホールド2の本体壁部分8により閉鎖されており、その2つの連通口111 、114 に連通する両端部分のみが、第1、第4開口71 、74 を介して第1、第4吸気通路41 、44 に開放されている。このように、吸気マニホールド2の本体壁部分8は、ロータリーバルブ3の外周の略1/3円弧長を閉鎖する。
【0044】
第2の連通室のうちの1つである連通室12は、1面a側と他の1面b側とを第2、第3吸気通路42 、43 にまたがる長さ範囲において仕切る仕切壁(第3の仕切壁)14と、1面a側および他の1面b側とさらに他の1面c側とをロータリーバルブ3の全長にわたって仕切る仕切壁(第1の仕切壁)15と、第1、第2吸気通路41 、42 間を仕切る仕切壁(第4の仕切壁の1)16と、第3、第4吸気通路43 、44 間を仕切る仕切壁(第4の仕切壁の2)17とにより囲まれて形成されている。仕切壁(第3の仕切壁)14は、連通室12の断面積が第2、第3吸気通路42 、43 の各吸気通路の断面積に略等しくなるように、ロータリーバルブ3の内方に凹まされた形状に形成されている。
【0045】
ロータリーバルブ3の仮想3面a、b、cのうちのさらに他の1面c側は、図1および図2に図示されるように、隣接する吸気通路41 と42 、42 と43 、43 と44 間をそれぞれ遮断する仕切壁を有している。この仕切壁は、これらの吸気通路間をそれぞれ仕切る三日月状仕切壁(第2の仕切壁の1〜3)18〜20と、前記した仕切壁(第1の仕切壁)15とから構成されている。そして、ロータリーバルブ3が図1および図2に図示される回転位置にあるとき、隣接する吸気通路41 と42 、42 と43 、43 と44 間をそれぞれ遮断して、完全に独立した長い吸気通路41 〜44 を形成する4つの通路部分をそれぞれ提供する。
【0046】
この仕切壁15は、各吸気通路41 〜44 の通路長さ方向に沿う断面形状を変化させないように、各通路内に突出するように湾曲され、また、各吸気通路41 〜44 の通路長さ方向と直交する方向に沿う断面形状を変化させないように、ロータリーバルブ内方にわずかに凹むように湾曲されて、形成されている。
【0047】
第1〜第4の仕切壁14〜20、第1、第2の連通室10、12、13について、さらに詳細に説明する。
第1の仕切壁15は、ロータリーバルブ3の外周を周方向に等間隔に3分割して得られる正三角形の2つの頂点間にまたがり、4つの互いに独立な吸気通路41 〜44 の並設長に及ぶ長さを有している。3つの第2の仕切壁18〜20は、第1の仕切壁15に連設されて、隣接する吸気通路41 と42 、42 と43 、43 と44 間を遮断する。第3の仕切壁14は、正三角形の残りの1つの頂点と第1の仕切壁15の一方(図2において上方)の端縁の近傍の点との間にまたがり、中央の2つの互いに独立な吸気通路42 と43 の並設長に及ぶ長さを有している。2つの第4の仕切壁16、17は、第3の仕切壁14の左右両端縁にそれぞれ連設されて、左半2つの隣接する吸気通路41 と42 間および右半2つの隣接する吸気通路43 と44 間をそれぞれ遮断する。第1の連通室10と2つの第2の連通室のうちの他の1つである連通室13とは重なり合っているので、ロータリーバルブ3は、連通室10と連通室12との2つの連通室を有する。
【0048】
ロータリーバルブ3は、仮想3面a、b、cのうちのいずれかが第1〜第4吸気通路41 〜44 の第1〜第4開口71 〜74 に面するように、内燃機関の回転速度に応じて等間隔に3段階に順次切換可能な制御手段を備えている。この制御手段には、電動もしくは負圧アクチュエータ(図示されず)が使用される。
【0049】
これらのアクチュエータは、ロータリーバルブ3の一側端側の吸気装置1に配設される。ロータリーバルブ3は、内燃機関の回転速度に応じて段階的に順次作動するようになっており、内燃機関の回転速度の増減に応じて正方向に、また、逆方向に回転する。電動アクチュエータの場合、制御手段の信号により、電動モータを段階的に作動させるだけでよい。負圧アクチュエータの場合、負圧室を少なくとも2室備えたダイヤフラムが必要であり、その各々に制御弁を設け、内燃機関の回転速度に応じて順に制御弁を作動させ負圧導入することで、ロータリーバルブ3の段階的な作動が可能になり、その負圧の導入(指示)を制御手段が行なう。その負圧は、スロットルバルブの下流から導入され、負圧チャンバーを介して各制御弁に分配される。
【0050】
この制御手段は、内燃機関の回転速度に応じて、ロータリーバルブ3を次のように切換制御する。
先ず、この制御手段は、内燃機関の回転数が所定の回転数N1 より低い低回転速度域ある場合(N<N1 )においては、図1および図2に図示されるように、ロータリーバルブ3の仮想3面a、b、cのうちのさらに他の1面c側が第1〜第4吸気通路41 〜44 の第1〜第4開口71 〜74 に面するようにロータリーバルブ3を切換制御する。これにより、隣接する吸気通路41 と42 、42 と43 、43 と44 間が仕切壁15、仕切壁18〜20により全て遮断され、完全に独立した長い第1〜第4吸気通路41 〜44 が形成される。
【0051】
そして、吸気集合室5内の吸気は、これらの長い第1〜第4吸気通路41 〜44 にそれぞれ流入し、これらの吸気通路41 〜44 を流れて、各気筒♯1〜♯4に供給される。このとき、吸気集合室5は、大気開放部として作用して、ここが吸気圧力振動の反転室となり、燃焼室から吸気集合室5までの長い吸気通路41 〜44 内での低い固有振動数の吸気圧力振動と機関の低回転に基づく吸気弁の長い開閉サイクルとが同調して、高い慣性過給効果が得られ、全ての気筒について高い吸気充填効率が得られて、出力トルクを向上させることができる(図7、図8の▲1▼参照)。
【0052】
この場合において、吸気集合室5には、ロータリーバルブ3の仮想3面a、b、cのうちの1面a側が面しているので、この1面a側が有する第1の連通室10の容積が付加されて、吸気集合室5の容積が増大し、ここにおける吸気圧力振動の反転機能はさらに大きくなり、前記のような効果がさらに助長される。
【0053】
次に、この制御手段は、内燃機関の回転数がN1 より高く、所定の回転数N2 (N1 <N2 )より低い中回転速度域にある場合(N1 <N<N2 )においては、図3および図4に図示されるように、ロータリーバルブ3の仮想3面a、b、cのうちの他の1面b側が第1〜第4吸気通路41 〜44 の第1〜第4開口71 〜74 に面するようにロータリーバルブ3を切換制御する。これにより、吸気行程が互いに連続しない気筒群♯1、♯4、気筒群♯2、♯3における各気筒に一端がそれぞれ連通接続される1対の第1、第4吸気通路41 、44 間、1対の第2、第3吸気通路42 、43 間が、それぞれ連通室12、連通室13を介して連通される。
【0054】
そして、これら1対の第1、第4吸気通路41 、44 間、1対の第2、第3吸気通路42 、43 間の各連通部(連通室12、連通室13)より上流側の各吸気通路部分41u、44uの組と42u、43uの組とが、各気筒群の共鳴系を構成して、各吸気通路41 〜44 および各吸気連通部(連通室12、連通室13)内を吸気圧力波が反転することなく、同一気筒群における他の気筒の次の吸気行程にその吸気圧力波を伝播させることができ、高い共鳴過給効果が得られ、吸気行程が互いに連続しない気筒群♯1と♯4、♯2と♯3における各気筒について高い吸気充填効率が得られて、出力トルクを向上させることができる。このようにして、低回転速度域と高回転速度域との間の吸気充填効率と出力トルクとが低下する谷間の部分を埋め合わせることができる(図7、図8の▲2▼参照)。
【0055】
この場合において、吸気集合室5には、ロータリーバルブ3の仮想3面a、b、cのうちのさらに他の1面c側が面していて、それが有する仕切壁15が、各吸気通路41 〜44 と吸気集合室5との間を遮断している。このように、仕切壁15は、隣接する吸気通路41 と42 、42 と43 、43 と44 間をそれぞれ遮断する遮断壁の構成部材として、また、各吸気通路41 〜44 と吸気集合室5との間を遮断する遮断壁として、両方に兼用されるので、ロータリーバルブ3の内部構造を簡単化することができる。
【0056】
さらに次に、この制御手段は、内燃機関の回転数がN2 より高い高回転速度域にある場合(N2 <N)においては、図5および図6に図示されるように、ロータリーバルブ3の仮想3面a、b、cのうちの1面a側が第1〜第4吸気通路41 〜44 の第1〜第4開口71 〜74 に面するようにロータリーバルブ3を切換制御する。これにより、隣接する吸気通路41 と42 、42 と43 、43 と44 間が全て連通されるとともに、各吸気通路41 〜44 と吸気集合室5とが、第1の連通室10、2つの連通口111 、114 を介して短絡的に連通される。
【0057】
そして、吸気集合室5内の吸気は、これらの2つの連通口111 、114 、第1の連通室10、第1〜第4開口71 〜74 を介して第1〜第4吸気通路41 〜44 に流入し、第1の連通室10より下流側の短い吸気通路部分41d〜44dを流れて、各気筒♯1〜♯4に供給される。このとき、比較的大容積に形成される第1の連通室10は吸気集合室5にも開放されているので、ここが大気開放部として作用して、吸気圧力振動の反転室となり、燃焼室から該連通室10までの短い吸気通路部分41d〜44d内での高い固有振動数の吸気圧力振動と機関の高回転に基づく吸気弁の短い開閉サイクルとが同調して、高い慣性過給効果が得られ、全ての気筒について高い吸気充填効率が得られて、出力トルクを向上させることができる(図7、図8の▲3▼参照)。
【0058】
このようにして、内燃機関の低回転速度域から高回転速度域までの広い回転速度域にわたって、フラットな高い吸気充填効率と高い出力トルクとを得ることができる。一般に、慣性過給と共鳴過給とを比較すると、その効果は、慣性過給の方が大きく、共鳴過給は慣性過給を補う効果として位置付けられるが、本実施形態においては、前記のとおり、低回転速度域において得られる慣性過給効果に基づく高い吸気充填効率と高回転速度域において得られる慣性過給効果に基づく高い吸気充填効率との間の谷間の部分が、中回転速度域において得られる共鳴過給効果に基づく吸気充填効率の向上により十分に補われている。
【0059】
本実施形態は、前記のように構成されているので、さらに、次のような効果を奏することができる。
直列4気筒内燃機関の各気筒♯1〜♯4に一端がそれぞれ連通接続され、単一の吸気集合室5に他端が連通接続される4つの互いに独立な第1〜第4吸気通路41 〜44 が並設されているので、各吸気通路41 〜44 は互いに交差することがなく、気筒配列方向に吸気装置(吸気マニホールド)1をコンパクトに形成することができて、スペース効率が良い。また、各吸気通路41 〜44 の等長化を図ることが容易である。
【0060】
また、内燃機関の高回転速度域においては、各吸気通路41 〜44 と吸気集合室5とがロータリーバルブ3を介して短絡的に連通されるので、隣接する吸気通路41 と42 、42 と43 、43 と44 間の連通室10より上流側の各吸気通路部分(長い吸気通路部分)41u〜44uを細くして、低回転速度域をより低回転側に移行させたとしても、高回転速度域において必要な吸気流量を十分に確保することができ、吸気装置1をさらにコンパクトに形成することができる。
【0061】
しかも、このような低回転速度域から高回転速度域までの広い回転速度域にわたる高い吸気充填効率と高い出力トルクとが、4つの互いに独立な第1〜第4吸気通路41 〜44 の途中と吸気集合室5との間に設けられるロータリーバルブ3を内燃機関の回転速度に応じて等間隔に3段階に切換制御することにより得られるので、バルブやアクチュエータ等の部品の点数が少なくなり、コストの低減、構造の簡単化、軽量化等に資することができ、スペースを要さない4気筒内燃機関の可変吸気装置1を容易に得ることができる。また、ロータリーバルブ3は、その弁体および軸部が第1〜第4吸気通路41 〜44 内に突出しないので、吸気抵抗を増大させることがない。
【0062】
また、第1〜第4吸気通路41 〜44 は、丸く湾曲されて形成されており、その湾曲の内部空間に、吸気集合室5と吸気ダクト6とが第1〜第4吸気通路41 〜44 により抱持されるようにして設けられているので、吸気装置1を、この面からもさらにコンパクトに形成することができる。
【0063】
さらに、ロータリーバルブ3は、電動もしくは負圧アクチュエータにより切換作動されるので、ロータリーバルブ3を内燃機関の回転速度に応じて等間隔に3段階に切換制御する制御手段の構成が容易である。
【0064】
さらにまた、ロータリーバルブ3は、その外周に、その軸方向から側面視して周方向に等間隔に仕切られた仮想3面a、b、cを有し、該仮想3面a、b、cが内燃機関の回転速度に応じて周方向に3段階に切り換えられることにより、隣接する吸気通路41 と42 、42 と43 、43 と44 間もしくは吸気行程が互いに連続しない気筒群における各気筒に一端がそれぞれ連通接続される1対の第1、第4吸気通路41 、44 間、1対の第2、第3吸気通路42 、43 間を連通もしくは遮断するとともに、各吸気通路41 〜44 と吸気集合室5との間を短絡的に連通もしくは遮断することができるようにされている。
【0065】
この結果、ロータリーバルブ3を3段階に切り換える切換手段の構造を簡単化することができるとともに、仮想3面a、b、cの各面側にそれぞれの可変吸気作用を発揮する構造を付与すればよいので、ロータリーバルブ3の内部構造を比較的簡単に形成することができる。これにより、内燃機関の高回転速度域で、各吸気通路41 〜44 と吸気集合室5との間を短絡的に連通する専用の通路を設ける必要もなく、吸気装置1のコンパクト化にさらに資することができる。
【0066】
なお、第1の連通室10、第2の連通室(連通室12、13)、仕切壁14、15の構造は、本実施形態のものに限定されず、種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における直列4気筒内燃機関の可変吸気装置を、吸気通路部分について吸気通路に沿って上半分を切断して仮想して見た概略斜視図であって、内燃機関が低回転速度域にあるときのロータリーバルブの回転状態と吸気の流れ状態とを併せて示した図である。
【図2】図1の可変吸気装置の横断面図である。
【図3】図1と同様の図であって、内燃機関が中回転速度域にあるときのロータリーバルブの回転状態と吸気の流れ状態とを併せて示した図である。
【図4】図2と同様の図であって、図3の可変吸気装置の横断面図である。
【図5】図1と同様の図であって、内燃機関が高回転速度域にあるときのロータリーバルブの回転状態と吸気の流れ状態とを併せて示した図である。
【図6】図2と同様の図であって、図5の可変吸気装置の横断面図である。
【図7】本実施形態における直列4気筒内燃機関の可変吸気装置の作用を説明するための図である。
【図8】本実施形態における直列4気筒内燃機関の可変吸気装置の特性線図である。
【符号の説明】
1…可変吸気装置、2…吸気マニホールド、3…ロータリーバルブ、41 〜44 …第1〜第4吸気通路、41u〜44u…上流側吸気通路部分、41d〜44d…下流側吸気通路部分、5…吸気集合室、6…吸気ダクト、71 〜74 …第1〜第4開口、8…本体壁部分、10…第1の連通室、111 、114 …連通口、12、13…2つの第2の連通室、14…第3の仕切壁、15…第1の仕切壁、16、17…2つの第4の仕切壁、18〜20…3つの第2の仕切壁、a〜c…仮想3面。
Claims (8)
- 直列4気筒内燃機関の各気筒に一端がそれぞれ連通接続され、単一の吸気集合室に他端が連通接続される4つの互いに独立な吸気通路が並設され、
前記吸気通路の途中と前記吸気集合室との間には、各吸気通路と前記吸気集合室との間を短絡的に連通もしくは遮断することができるロータリーバルブが設けられ、
前記ロータリーバルブは、前記内燃機関の回転速度に応じて等間隔に3段階に切換可能な制御手段を備え、
前記制御手段は、
前記内燃機関の低回転速度域で、隣接する吸気通路間を遮断し、
中回転速度域で、吸気行程が互いに連続しない気筒群における各気筒に一端がそれぞれ連通接続される1対の吸気通路間を連通し、
高回転速度域で、隣接する吸気通路間を連通するとともに、各吸気通路と前記吸気集合室とを短絡的に連通するように前記ロータリーバルブを切換制御するようにされていることを特徴とする直列4気筒内燃機関の可変吸気装置。 - 前記ロータリーバルブは、電動もしくは負圧アクチュエータにより切換作動されることを特徴とする請求項1記載の直列4気筒内燃機関の可変吸気装置。
- 直列4気筒内燃機関の各気筒に一端がそれぞれ連通接続され、単一の吸気集合室に他端が連通接続される4つの互いに独立な吸気通路が並設され、
前記吸気通路の途中と前記吸気集合室との間には、各吸気通路と前記吸気集合室との間を短絡的に連通もしくは遮断することができるロータリーバルブが設けられ、
前記ロータリーバルブは、その外周に、その軸方向から側面視して周方向に等間隔に仕切られた仮想3面を有し、前記仮想3面が前記内燃機関の回転速度に応じて周方向に3段階に切り換えられて、隣接する吸気通路間を連通もしくは遮断し、かつ吸気行程が互いに連続しない気筒群における各気筒に一端がそれぞれ連通接続される1対の吸気通路間を連通もしくは遮断するとともに、各吸気通路と前記吸気集合室との間を短絡的に連通もしくは遮断することができるようにされたことを特徴とする直列4気筒内燃機関の可変吸気装置。 - 前記仮想3面のうちの1面側は、隣接する吸気通路間を連通する第1の連通室を有し、前記第1の連通室が、各吸気通路と前記吸気集合室との間を短絡的に連通する連通路とされたことを特徴とする請求項3記載の直列4気筒内燃機関の可変吸気装置。
- 前記仮想3面のうちの1面側は、吸気行程が互いに連続しない気筒群における各気筒に一端がそれぞれ連通接続される1対の吸気通路間を連通する第2の連通室を、2対の吸気通路の各対について有し、
前記2つの第2の連通室のうちの1つは、隣接する1対の吸気通路間を連通し、前記2つの第2の連通室のうちの他の1つは、離隔する1対の吸気通路間を連通するようにされたことを特徴とする請求項3記載の直列4気筒内燃機関の可変吸気装置。 - 前記2つの第2の連通室のうちの1つは、前記仮想3面のうちの他の1面側が有する隣接する吸気通路間を連通する第1の連通室が前記可変吸気装置の本体壁により閉鎖されて形成される室部分を含むようにされたことを特徴とする請求項5記載の直列4気筒内燃機関の可変吸気装置。
- 前記仮想3面のうちの1面側は、隣接する吸気通路間を遮断する仕切壁を有し、前記仕切壁が、前記ロータリーバルブの回転に伴い、各吸気通路と前記吸気集合室との間を遮断することができるようにされたことを特徴とする請求項3記載の直列4気筒内燃機関の可変吸気装置。
- 前記ロータリーバルブは、その内部に4つの互いに独立した通路と2つの連通室とを有し、
前記4つの互いに独立した通路は、前記ロータリーバルブの外周を周方向に等間隔に3分割して得られる正三角形の2つの頂点間にまたがり、前記4つの互いに独立な吸気通路の並設長に及ぶ長さを有する第1の仕切壁と、前記第1の仕切壁に連設されて、隣接する 吸気通路間を遮断する3つの第2の仕切壁とにより区画形成され、外方に向けて開放されており、
前記2つの連通室のうちの1つは、前記正三角形の残りの1つの頂点と前記第1の仕切壁の一方の端縁もしくは該端縁近傍の点との間にまたがり、中央の2つの互いに独立な吸気通路の並設長に及ぶ長さを有する第3の仕切壁と、少なくとも前記第3の仕切壁に連設されて、左半2つの隣接する吸気通路間および右半2つの隣接する吸気通路間をそれぞれ遮断する2つの第4の仕切壁とにより区画形成され、外方に向けて開放されており、
前記2つの連通室のうちの他の1つは、前記4つの互いに独立した通路および前記2つの連通室のうちの1つを除いた空間により形成され、外方に向けて開放されていることを特徴とする請求項3記載の直列4気筒内燃機関の可変吸気装置。
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