JP3783604B2 - 浮揚体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、浮揚体に関する。
【0002】
【従来の技術】
回転翼を有するロータを回転させて空中に浮揚する浮揚体が例えば玩具(ヘリコプタの玩具)などとして用いられている。
【0003】
しかしながら、従来の浮揚体は、内燃機関(エンジン)や電磁モータを駆動源としていることなどから構造が複雑で、小型化が困難であるという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、構造が簡単で、小型化に有利であり、周辺の環境における所定の対象を検知するのに用いることができる浮揚体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(30)の本発明により達成される。
【0006】
(1) 基部と、
前記基部に対し回転可能に設置され、回転翼を備えた少なくとも1つのロータと、
前記基部に設置され、圧電素子を備えた少なくとも1つの振動体と、
前記振動体に当接し、かつ、前記基部に対し回転可能に設置され、前記ロータと連動して回転する被駆動体と、
周辺の環境における所定の対象を検知する検知手段とを有し、
前記振動体は、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより振動し、この振動により、前記被駆動体に力を繰り返し加えて前記被駆動体を回転駆動し、これにより前記ロータを回転させて地上面から浮揚することを特徴とする浮揚体。
【0007】
(2) 前記検知手段の検知対象は、光、画像、電波、放射線、磁気、音、温度、湿度、圧力、風速およびガスよりなる群から選択される少なくとも1種である上記(1)に記載の浮揚体。
【0008】
(3) 停留部に対し固定可能な固定手段を有する上記(1)または(2)に記載の浮揚体。
【0009】
(4) 前記固定手段は、前記回転翼より上側において前記停留部に当接し得る当接部で構成されており、前記回転翼に作用する揚力により前記当接部を前記停留部に圧接することによって、前記停留部に対し固定可能である上記(3)に記載の浮揚体。
【0010】
(5) 前記固定手段は、前記停留部に対する結合力を生じる部材を有する上記(3)に記載の浮揚体。
【0011】
(6) 前記結合力を解除する手段を有する上記(5)に記載の浮揚体。
【0012】
(7) 少なくとも1つの錘要素と、重心移動用駆動源を備え、前記基部に対して前記錘要素を変位させる変位手段とを有し、
前記変位手段により前記錘要素を変位させて重心を移動し、これにより前記ロータの軸の傾きを調節可能である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の浮揚体。
【0013】
(8) 前記検知手段は、前記錘要素に設けられている上記(7)に記載の浮揚体。
【0014】
(9) 停留部に対し固定可能な固定手段を有し、
前記停留部に固定した状態で前記変位手段により前記錘要素を変位させることによって、前記検知手段の検知方向を変えることができる上記(8)に記載の浮揚体。
【0015】
(10) 前記ロータの軸に対して略垂直で、かつ、互いに直交するx軸およびy軸を想定したとき、前記変位手段は、前記錘要素を前記x軸方向に変位させるx軸方向変位手段と、前記錘要素を前記y軸方向に変位させるy軸方向変位手段とを有する上記(7)ないし(9)のいずれかに記載の浮揚体。
【0016】
(11) 前記x軸方向変位手段の重心移動用駆動源と前記y軸方向変位手段の重心移動用駆動源との少なくとも一方は、圧電素子を備えた少なくとも1つの振動体で構成されており、
前記振動体は、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより振動し、この振動により、力を繰り返し加えるよう構成されている上記(10)に記載の浮揚体。
【0017】
(12) 前記x軸方向変位手段と前記y軸方向変位手段との少なくとも一方は、前記錘要素を所定の軸に沿って移動させるよう構成されている上記(10)または(11)に記載の浮揚体。
【0018】
(13) 前記x軸方向変位手段と前記y軸方向変位手段との少なくとも一方は、前記錘要素を該錘要素の重心から所定距離離間した軸を中心に回動させるよう構成されている上記(10)ないし(12)のいずれかに記載の浮揚体。
【0019】
(14) 前記x軸方向変位手段の重心移動用駆動源と前記y軸方向変位手段の重心移動用駆動源との少なくとも一方は、圧電素子を備えた少なくとも1つの振動体で構成されており、
前記x軸方向変位手段と前記y軸方向変位手段との少なくとも一方は、基端側に前記振動体に当接する被駆動体が設けられ、該基端側を中心に回動可能に設置され、かつ、先端側に前記錘要素が設けられたアームを有し、
前記振動体は、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより振動し、この振動により、前記被駆動体に力を繰り返し加えて前記被駆動体を駆動し、これにより前記アームを回動させて前記錘要素を移動させる上記(10)に記載の浮揚体。
【0020】
(15) 前記x軸方向変位手段の重心移動用駆動源は、圧電素子を備えた少なくとも1つの振動体で構成されており、
前記x軸方向変位手段は、基端側に該x軸方向変位手段の前記振動体に当接する被駆動体が設けられ、該基端側において前記y軸に対して略平行な軸を中心に回動可能に設置され、かつ、先端側に前記錘要素が設けられたアームを有し、
前記x軸方向変位手段の振動体は、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより振動し、この振動により、前記被駆動体に力を繰り返し加えて前記被駆動体を駆動し、これにより前記アームを回動させて前記錘要素を前記x軸方向に移動させ、
前記y軸方向変位手段の重心移動用駆動源は、圧電素子を備えた少なくとも1つの振動体で構成されており、
前記y軸方向変位手段は、該y軸方向変位手段の前記振動体に当接し、前記x軸に対して略平行な軸を中心に回動可能に設置された被駆動体を有し、該被駆動体には、前記x軸方向変位手段が設置されており、
前記y軸方向変位手段の振動体は、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより振動し、この振動により、前記被駆動体に力を繰り返し加えて前記被駆動体を駆動し、これにより前記x軸方向変位手段を回動させて前記錘要素を前記y軸方向に移動させる上記(10)に記載の浮揚体。
【0021】
(16) 前記錘要素の一方の回動中心は、他方の回動中心の近傍に位置している上記(15)に記載の浮揚体。
【0022】
(17) 前記x軸方向変位手段の重心移動用駆動源は、圧電素子を備えた少なくとも1つの振動体で構成され、前記錘要素に設けられており、
前記x軸方向変位手段は、ほぼ円弧状をなすレール部材を有しており、
前記レール部材は、前記円弧の弦が前記x軸に略平行な姿勢で、かつ、前記x軸に略平行な軸を中心として回動可能に設けられており、
前記錘要素は、前記x軸方向変位手段の振動体が前記レール部材に当接した状態で、前記レール部材に沿って移動可能に設置されており、
前記x軸方向変位手段の振動体は、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより振動し、この振動により前記レール部材に力を繰り返し加え、これにより前記錘要素を前記レール部材に沿って前記x軸方向に移動させ、
前記y軸方向変位手段の重心移動用駆動源は、圧電素子を備えた少なくとも1つの振動体で構成されており、
前記y軸方向変位手段は、該y軸方向変位手段の前記振動体に当接し、前記レール部材に一体化または固着された被駆動体を有し、
前記y軸方向変位手段の振動体は、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより振動し、この振動により、前記被駆動体に力を繰り返し加えて前記被駆動体を駆動し、これにより前記レール部材を回動させて前記錘要素を前記y軸方向に移動させる上記(10)に記載の浮揚体。
【0023】
(18) 前記錘要素は、少なくとも、当該浮揚体のエネルギーを蓄積するエネルギー蓄積手段を有する上記(7)ないし(17)のいずれかに記載の浮揚体。
【0024】
(19) 前記錘要素の位置を検出する位置検出手段を有する上記(7)ないし(18)のいずれかに記載の浮揚体。
【0025】
(20) 前記ロータと連動して回転する被駆動体は、該ロータに一体化または固着されている上記(1)ないし(19)のいずれかに記載の浮揚体。
【0026】
(21) 前記被駆動体に当接する振動体は、前記被駆動体の半径方向外周側から該被駆動体に当接するように設置されている上記(1)ないし(20)のいずれかに記載の浮揚体。
【0027】
(22) 前記振動体は、長い方向と短い方向とを有する形状をなしている上記(1)ないし(21)のいずれかに記載の浮揚体。
【0028】
(23) 前記振動体の長手方向の端部付近が当接する上記(22)に記載の浮揚体。
【0029】
(24) 前記振動体は、板状をなしている上記(1)ないし(23)のいずれかに記載の浮揚体。
【0030】
(25) 前記振動体は、略長方形状をなしている上記(24)に記載の浮揚体。
【0031】
(26) 前記ロータを回転させる振動体は、該ロータの回転中心線に対し略垂直な姿勢で設置されている上記(24)または(25)に記載の浮揚体。
【0032】
(27) 前記振動体から突出して設けられた少なくとも1つの腕部を有し、前記振動体は、前記腕部により支持されている上記(1)ないし(26)のいずれかに記載の浮揚体。
【0033】
(28) 互いに反対方向に回転する2つの前記ロータを有する上記(1)ないし(27)のいずれかに記載の浮揚体。
【0034】
(29) 前記両ロータは、ほぼ同軸的に設置されている上記(28)に記載の浮揚体。
【0035】
(30) 前記両ロータの回転数をそれぞれ調整可能である上記(28)または(29)に記載の浮揚体。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の浮揚体を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0037】
<第1実施形態>
図1は、本発明の浮揚体の第1実施形態を示す斜視図(細部は省略)、図2は、図1に示す浮揚体におけるロータを示す側面図、図3は、図1に示す浮揚体における中空中心軸付近を拡大して示す断面側面図、図4は、図1に示す浮揚体における振動体の斜視図、図5は、図1に示す浮揚体における振動体が被駆動体を駆動する様子を示す平面図、図6は、図1に示す浮揚体における振動体の凸部が楕円運動する様子を示す平面図、図7は、図1に示す浮揚体における姿勢変更手段のx軸方向移動手段のy軸に対して垂直な面での断面図、図8は、図1に示す浮揚体における姿勢変更手段のx軸方向移動手段の側面図(フレームや錘要素等は図示省略)、図9は、図1に示す浮揚体における姿勢変更手段のy軸方向移動手段のx軸に対して垂直な面での断面図、図10は、図1に示す浮揚体における振動体の斜視図、図11および図12は、それぞれ、図1に示す浮揚体における振動体が被駆動体を駆動する様子を示す側面図、図13は、図1に示す浮揚体の回路構成を示すブロック図である。
なお、以下では、図2、図3、図7、図8、図9、図14および図15中の上方を「上」、下方を「下」として説明する。
【0038】
また、図1、図7、図8および図9において、図示のように、互いに直交するx軸、y軸およびz軸(x−y−z座標)を想定する。この場合、z軸は、ロータの回転中心線(軸)と一致または平行になるように想定される。
【0039】
これらの図に示す浮揚体1は、基部2と、基部2に対し回転可能に設置され、回転翼34を備えたロータ(第1のロータ)3と、ロータ3を回転駆動する振動体4と、基部2に対し回転可能に設置され、回転翼54を備えたロータ(第2のロータ)5と、ロータ5を回転駆動する振動体4と、重心の移動により浮揚体1の姿勢を変更する姿勢変更手段16と、停留部の一例としての天井100に対する固定手段19Aと、錘要素14に設けられた検知手段としての撮像手段142とを有している。ロータ3と、ロータ5とは、互いに反対方向に回転し、かつ、同軸的に設けられている。すなわち、この浮揚体1は、2重反転ロータを備えている。以下、各部の構成について説明する。
【0040】
図2および図3に示すように、基部2は、ほぼ平板状をなす基板21と、基板21から上方に向かって突設(突出形成)された、中空の(ほぼ円筒状の)中空中心軸24と、振動体取付部23および25とを有している。なお、基部2(または、後述する基板161)には、地面(床面)に安定的に接地するための接地脚(図示せず)が設けられていてもよい。
【0041】
中空中心軸24には、ロータ3が回転可能に設置されている。このロータ3は、図示しない平面視で時計回りに回転する。
【0042】
図3に示すように、ロータ3は、ほぼ円筒状をなす筒状部材31と、筒状部材31の外側(外周)にそれぞれ固着(固定)された回転翼固定部材32および被駆動体33と、回転翼固定部材32にそれぞれ固着された2枚の回転翼34とで構成されている。
【0043】
図2および図3に示すように、このロータ3は、筒状部材31の内腔、すなわち軸孔35に中空中心軸24が挿入した状態で基部2に設置されている。中空中心軸24と、軸孔35の内面との間には、2つの軸受け11、11がそれぞれ設けられており、これにより、ロータ3は、基部2に対し中空中心軸24(回転中心線36)を中心として滑らかに回転可能になっている。
【0044】
軸受け11は、滑り軸受けで構成されているが、転がり軸受け(ベアリング)であってもよい(後述する軸受け13も同様)。
【0045】
中空中心軸24の上端部外周には、フランジ部材26が固着されており、これにより、ロータ3が中空中心軸24から離脱しないようになっている。
【0046】
回転翼固定部材32は、ほぼ円筒状に形成された筒状部321と、筒状部321の上端部からロータ3の回転中心線36とほぼ垂直な方向に突出形成された2つの固定部322とで構成されている。回転翼固定部材32は、筒状部321の内側に筒状部材31が挿入した状態で、例えば圧入により、筒状部材31に固着されている。
【0047】
2つの固定部322は、互いに反対方向に突出している。2つの固定部322の上面には、それぞれ、回転翼34の基端部(根元部)が固着されている。
【0048】
2枚の回転翼34は、回転中心線36から互いに反対側に延びるように設けられている。すなわち、2枚の回転翼34は、ほぼ180°間隔で設けられている。また、回転翼34は、回転中心線36に対しほぼ垂直な姿勢で設置されている。
【0049】
ロータ3が後述する振動体4の駆動により平面視で(図2中上側から見たとき)時計回りに回転すると、回転翼34には、揚力(回転中心線36にほぼ平行で上向きの力)が作用する。
【0050】
なお、ロータ3に設けられた回転翼34の枚数は、2枚に限らず、3枚以上設けられていてもよい(後述するロータ5の回転翼54も同様)。
【0051】
筒状部材31の下端部外周には、被駆動体33が設けられている。すなわち、被駆動体33は、回転翼固定部材32の下側に位置している。
【0052】
被駆動体33は、ほぼリング状(円環状)をなしており、その内側に筒状部材31の下端部が挿入した状態で、例えば圧入により、筒状部材31に対し固着されている。
【0053】
なお、筒状部材31、回転翼固定部材32、被駆動体33は、一体的に(一部材で)形成されていてもよい。また、これらに回転翼34が一体的に形成されていてもよい。
【0054】
基部2の上側には、このようなロータ3を回転駆動する振動体4が被駆動体33の外周面331に当接するようにして設置されている。
【0055】
ロータ5は、中空中心軸24内に挿通(挿入)された回転軸51と、回転軸51の上端部に接続部材52を介して連結(固定)された回転翼固定部材53と、回転翼固定部材53にそれぞれ固着された2枚の回転翼54と、回転軸51の下端部に固着された被駆動体55とを有しており、ロータ3と同軸的(同心的)に設置されている。
【0056】
回転軸51と、中空中心軸24の内面との間には、2つの軸受け13、13がそれぞれ設けられており、これにより、ロータ5は、基部2に対し滑らかに回転可能になっている。
【0057】
回転軸51の上端部は、中空中心軸24から突出している。回転軸51の上端部には、接続部材52が固着されている。
【0058】
接続部材52は、ほぼ円筒状をなし、その下端部の内側に回転軸51の上端部が挿入した状態で、例えば圧入により、回転軸51に固着されている。
【0059】
回転翼固定部材53は、ほぼ円筒状に形成された筒状部531と、筒状部531の上端部から回転軸51とほぼ垂直な方向に突出形成された2つの固定部532とで構成されている。回転翼固定部材53は、筒状部531の下端部の内側に接続部材52の上端部が挿入した状態で、例えば圧入により、接続部材52に固着されている。
【0060】
固定部532は、前記固定部322と同様に形成されており、その上面には、回転翼54の基端部(根元部)が固着されている。
【0061】
2枚の回転翼54は、回転中心線36から互いに反対側に延びるように設けられている。すなわち、2枚の回転翼54は、ほぼ180°間隔で設けられている。また、回転翼54は、回転軸51に対しほぼ垂直な姿勢で設置されている。
【0062】
このような構成により、回転翼54は、回転翼34より上側に位置している。
また、回転翼34と回転翼54とは、ともに、基板21の上側に位置している。
【0063】
図3に示すように、回転軸51の下端部は、基板21の下面から突出している。回転軸51の下端部には、ほぼ円盤状をなすハブ56が固着されている。
【0064】
被駆動体55は、被駆動体33と同様にほぼリング状(円環状)をなしており、被駆動体55の内側にハブ56が挿入した状態で、例えば圧入により、ハブ56に対し固着されている。すなわち、被駆動体55は、基板21の下側に位置している。なお、被駆動体55とハブ56とは、一体的に(一部材で)形成されていてもよい。
【0065】
基部2の下側には、このようなロータ5を回転駆動する振動体4が被駆動体55の外周面551に当接するようにして設置されている。
【0066】
次に、振動体4について、代表的に、ロータ3を回転駆動する振動体4を説明する。
【0067】
図4に示すように、振動体4は、ほぼ、長方形の板状をなしている。振動体4は、図4中の上側から板状の電極41と、板状の圧電素子42と、補強板43と、板状の圧電素子44と、板状の電極45とをこの順に積層して構成されている。なお、図4では、厚さ方向を誇張して示している。
【0068】
圧電素子42、44は、それぞれ、長方形状をなし、電圧を印加することにより、その長手方向に伸長・収縮する。圧電素子42、44の構成材料としては、特に限定されず、例えば、チタン酸ジルコニウム酸鉛(PZT)、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等の各種のものを用いることができる。
【0069】
これらの圧電素子42、44は、補強板43の両面にそれぞれ固着されている。補強板43は、振動体4全体を補強する機能を有しており、振動体4が過振幅、外力等によって損傷するのを防止する。補強板43の構成材料としては、弾性材料(弾性変形し得るもの)であれば特に限定されないが、例えばステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金、銅または銅系合金等の各種金属材料であるのが好ましい。
【0070】
この補強板43は、圧電素子42、44よりも厚さが薄い(小さい)ものであることが好ましい。これにより、振動体4を高い効率で振動させることができる。
【0071】
補強板43は、圧電素子42、44に対する共通の電極としての機能をも有している。すなわち、圧電素子42には、電極41と補強板43とによって交流電圧が印加され、圧電素子44には、電極45と補強板43とによって交流電圧が印加される。すなわち、図13に示すように、振動体4は、後述する駆動制御回路9に接続されており、その駆動制御回路9により交流電圧が印加されるようになっている。
【0072】
圧電素子42、44は、交流電圧が印加されると長手方向に繰り返し伸縮し、これに伴なって、補強板43も長手方向に繰り返し伸縮する。すなわち、圧電素子42、44に交流電圧を印加すると、振動体4は、図4中の矢印で示すように、長手方向に微小な振幅で振動(縦振動)し、凸部46が縦振動(往復運動)する。
【0073】
補強板43の図4中の右端部には、凸部46が一体的に形成されている。この凸部46は、補強板43の幅方向中央(中心線49)からずれた位置(図示の構成では角部)に設けられている。この凸部46は、図示の構成では、ほぼ半円形状に突出するように形成されている。
【0074】
また、補強板43の長手方向ほぼ中央からは、腕部48が長手方向とほぼ垂直な方向に突出するように設けられている。この腕部48には、ボルト12が挿入する孔481が形成されている。
【0075】
図2、図3および図5に示すように、このような振動体4は、凸部46にて被駆動体33の外周面331に当接するように設置されている。すなわち、本実施形態では、振動体4は、被駆動体33に対し被駆動体33の半径方向外周側から当接して設置されている。
【0076】
なお、図示の構成では、外周面331は、平滑になっているが、全周に渡り溝を形成し、この溝内に凸部46が当接することとしてもよい。
【0077】
図2および図5に示すように、基板21から上方に向かって突設された振動体取付部23には、ネジ穴が形成されており、振動体4は、腕部48の孔481に挿入されたボルト12によって、この振動体取付部23に固定されている。
【0078】
このように、振動体4は、腕部48によって支持されている。これにより、振動体4は自由に振動することができ、比較的大きい振幅で振動する。また、振動体4は、腕部48の弾性によって、凸部46が外周面331に圧接された状態で設置されている。
【0079】
また、振動体4は、回転中心線36にほぼ垂直な姿勢(回転翼34にほぼ平行な姿勢)で設置されている。これにより、振動体4が占めるスペースが上下方向に小さく、浮揚体1は、薄型化(回転中心線36方向の寸法の小型化)に特に有利である。
【0080】
凸部46が被駆動体33の外周面331に当接した状態で、圧電素子42、44に交流電圧を印加して振動体4を振動させると、被駆動体33は、振動体4が伸長するときに凸部46から摩擦力(押圧力)を受ける。
【0081】
すなわち、図5に示すように、凸部46の振動変位Sの径方向成分S(被駆動体33の径方向の変位)によって、凸部46と外周面331との間に大きな摩擦力が与えられ、振動変位Sの周方向成分S(被駆動体33の円周方向の変位)によって、被駆動体33に図5中の時計回りの回転力が与えられる。
【0082】
振動体4が振動すると、このような力が被駆動体33に繰り返し作用し、被駆動体33は、図5中の時計回りに回転する。これにより、ロータ3は、図5中の(図2中上側から見たときの)時計回りに回転する。
【0083】
なお、ロータ5を回転駆動する振動体4については、前記ロータ3を回転駆動する振動体4と同様であるので、説明を省略する。
【0084】
図2に示すように、基板21からは、前記振動体取付部23と同様の振動体取付部25が下方に向かって突設されており、この振動体取付部25にロータ5を回転駆動する振動体4が図示しないボルトで固定されている。この振動体4は、その凸部46にて、被駆動体55の外周面551に当接するように設けられている。
【0085】
ロータ5は、振動体4の駆動により、ロータ3と反対方向、すなわち、図示しない平面視で(図2中上側から見たときの)反時計回りに回転する。
【0086】
ロータ3が図5中の時計回りに回転すると、回転翼34に揚力が作用し、また、ロータ5がロータ3と反対方向に回転すると、回転翼54に揚力が作用し、これらの揚力により、浮揚体1は、例えば床等の地上面から空中に浮揚(飛行)する。
【0087】
なお、ロータ3側には、ロータ3の回転数(回転速度)を検出する回転数検出手段を設けるのが好ましく、ロータ5側には、ロータ5の回転数(回転速度)を検出する回転数検出手段を設けるのが好ましい。
【0088】
このように、振動体4は、構造が簡単で、小型(特に薄型)・軽量である。また、通常の電磁モータのように磁力で駆動する場合と異なり、前記のような摩擦力(押圧力)によって被駆動体33、55を駆動することから、駆動力が大きい。
【0089】
本発明の浮揚体1は、このような振動体4を用いてロータ3、5を回転駆動するようにしたことにより、小型化(特に薄型化)に極めて有利である。また、軽量化にも有利であり、浮揚体1のペイロード(荷重)を大きくとることができる。また、製造コストの低減も図ることができる。
【0090】
また、本実施形態では、前述したように、被駆動体33が筒状部材31に固着され、被駆動体33は、ロータ3と一体になっている。すなわち、振動体4は、ロータ3を直接に回転駆動するようになっており、動力伝達機構や変速機構等が設けられていない(不要である)。ロータ5側も同様に、振動体4は、ロータ5を直接に回転駆動するようになっており、動力伝達機構や変速機構等が設けられていない(不要である)。これにより、浮揚体1は、特に簡単な構造、かつ軽量になっており、小型化・軽量化(ペイロード確保)に特に有利になっている。
【0091】
なお、前述したように、振動体4は、駆動力が大きいため、本実施形態のように、変速機構(減速機構)を介さなくてもロータ3、5を十分なトルクで回転することができる。
【0092】
また、本実施形態では、振動体4の面内振動をロータ3、5の回転(面内回転)に直接変換するので、この変換に伴なうエネルギーロスが少なく、ロータ3、5を高い効率で回転駆動することができる。
【0093】
また、本実施形態では、凸部46が被駆動体33に及ぼす摩擦力(押圧力)の方向は、回転中心線36に対しほぼ垂直な方向であるため、ロータ3を傾斜させるような力が作用することがなく、ロータ3がより円滑かつ確実に回転する。同様に、ロータ5もより円滑かつ確実に回転する。
【0094】
なお、図示の構成と異なり、ロータ3を回転駆動する振動体4は、回転中心線36に平行な方向から被駆動体33の上面または下面に当接するように設置されていてもよく、また、ロータ5を回転駆動する振動体4は、ロータ5の回転中心線に平行な方向から被駆動体55の上面または下面に当接するように設置されていてもよい。
【0095】
また、本実施形態の浮揚体1では、ロータ3を回転駆動する振動体4と被駆動体33とは、基板21の上側に設けられており、ロータ5を回転駆動する振動体4と被駆動体55とは、基板21の下側に設けられている。これにより、基板21の上側と下側とに各部材を分散して設置することができ、小型化に特に有利である。
【0096】
また、ロータ3とロータ5との2つが揚力を発生するので、大きな揚力が得られる。
【0097】
また、ロータ3とロータ5とが互いに反対方向に回転することにより、基部2が受ける反力が相殺され、基部2が回転するのを防止することができる。
【0098】
特に、ロータ3に対する振動体4と、ロータ5に対する振動体4とを別個に設けたことから、ロータ3の回転数(回転速度)と、ロータ5の回転数(回転速度)とをそれぞれ別個に調整(調節)することができ、これにより、基部2が回転するのをより確実に防止したり、基部2の回転(向き)を制御したりすることができる。
【0099】
また、ロータ3とロータ5とが同軸的に設けられていることにより、ロータを2つ設けたことによる大型化・重量増加を招来することなく、上記効果を達成することができる。すなわち、小型化・軽量化に有利である。
【0100】
なお、本発明と異なり、通常の電磁モータを2個設け、これらの電磁モータでロータ3とロータ5とをそれぞれ直接に駆動する場合には、ロータ3とロータ5とを同軸的に設置するのが極めて困難である。これに対し、本発明では、振動体4を用いてロータ3および5を駆動することにより、容易にロータ3とロータ5とを同軸的に設置することができる。
【0101】
また、本実施形態では、中空中心軸24を設けたことにより、ロータ3(筒状部材31)とロータ5(回転軸51)とが擦れ合う(触れ合う)ことがないため、ロータ3および5は、それぞれ、円滑に回転することができる。
【0102】
なお、図示の構成では、ロータ3とロータ5とは、直径や、回転翼の枚数(2枚)、回転翼の形状等の条件が同じになっているが、直径、回転翼の枚数、回転翼の形状等の条件が互いに異なるものであってもよい。
【0103】
また、本発明では、ロータ3とロータ5とが同軸的に設けられていないもの(並設されたもの)であってもよい。
【0104】
圧電素子42、44に印加する交流電圧の周波数は、特に限定されないが、振動体4の振動(縦振動)の共振周波数とほぼ同程度であるのが好ましい。これにより、振動体4の振幅が大きくなり、高い効率でロータ3、5を回転駆動することができる。
【0105】
前述したように、振動体4は、主に、その長手方向に縦振動するが、縦振動と屈曲振動とを同時に励振し、凸部46を楕円運動(楕円振動)させることとするのがより好ましい。これにより、より高い効率でロータ3、5を回転駆動することができる。以下、この点について、代表的に、ロータ3を回転駆動する振動体4で説明する。
【0106】
振動体4が被駆動体33を回転駆動するとき、凸部46は、被駆動体33から反力を受ける。本実施形態では、凸部46が振動体4の中心線49からずれた位置に設けられていることから、振動体4は、この反力によって、図5中の一点鎖線で示すように面内方向に屈曲するように変形、振動(屈曲振動)する。なお、図5では、振動体4の変形を誇張して示している。
【0107】
印加電圧の周波数、振動体4の形状・大きさ、凸部46の位置などを適宜選択することにより、この屈曲振動の共振周波数を縦振動の共振周波数と同程度にすることができる。このようにすると、振動体4の縦振動と屈曲振動とが同時に起こり、振幅がより大きくなるとともに、凸部46は、図6中の一点鎖線で示すように、ほぼ楕円に沿って変位(楕円振動)する。
【0108】
これにより、振動体4の1回の振動において、凸部46が被駆動体33を回転方向に送るときには、凸部46が被駆動体33により強い力で圧接され、凸部46が戻るときには、被駆動体33との摩擦力を低減または消滅させることができるため、振動体4の振動をロータ3の回転により高い効率で変換することができる。
【0109】
なお、本実施形態では、振動体4でロータ3を直接に回転駆動するものとなっているが、本発明では、振動体4がロータ3を間接的に駆動するものであってもよい。すなわち、被駆動体33をロータ3と別個に設け、被駆動体33の回転力を回転力伝達機構によってロータ3に伝達するようなものであってもよい。同様に、本実施形態では、振動体4でロータ5を直接に回転駆動するものとなっているが、本発明では、振動体4がロータ5を間接的に駆動するものであってもよい。すなわち、被駆動体55をロータ5と別個に設け、被駆動体55の回転力を回転力伝達機構によってロータ5に伝達するようなものであってもよい。これらの場合、回転力伝達機構としては、例えば、歯車列(歯車伝動機構)や、プーリー、ベルト、チェーン等を用いた巻き掛け伝動機構等、いかなる機構を用いるものでもよい。
【0110】
また、本実施形態では、ロータ3を回転駆動する振動体4は、1つ設置されているが、本発明では、その振動体4を複数設け、被駆動体33を複数の振動体4で回転駆動してもよい。同様に、本実施形態では、ロータ5を回転駆動する振動体4は、1つ設置されているが、本発明では、その振動体4を複数設け、被駆動体55を複数の振動体4で回転駆動してもよい。
【0111】
次に、姿勢変更手段16について説明する。
図1、図7、図8および図9に示す姿勢変更手段16は、重心の移動により、浮揚体1の姿勢を変更(調節)することで、ロータ3および5の回転中心線(軸)36を鉛直線(重力の方向)に対して所定方向に所定角度傾斜させるもの(傾きを調節するもの)である。
【0112】
図1に示すように、姿勢変更手段16は、回転翼34および54の下方に位置している。すなわち、基部2の基板21の下側には、十字状をなす基板161が設置(固定)されており、姿勢変更手段16は、この基板161に設置(固定)されている。この場合、基板161は、その十文字を形成する一方の帯状体がx軸と平行となり、他方の帯状体がy軸と平行となるように配置されている。
【0113】
本実施形態における姿勢変更手段16は、錘要素14を所定の軸に沿って移動させるリニアアクチュエータであり、錘要素(錘)14と、錘要素14をx軸方向に移動(変位)させるx軸方向移動手段(x軸方向変位手段)16xと、移動手段および錘要素14をy軸方向に移動(変位)させるy軸方向移動手段(y軸方向変位手段)16yとを有している。
【0114】
なお、前記x軸方向移動手段(x軸方向変位手段)16xおよびy軸方向移動手段(y軸方向変位手段)16yで、浮揚体1に対して錘要素14を変位させる変位手段が構成される。
【0115】
図7および図8に示すように、x軸方向移動手段16xは、フレーム171と、スライダ175と、フレーム171に対し固定的に設けられ、スライダ175を案内する棒状のガイド172と、フレーム171に対し回転可能に設けられたリードスクリュー173と、リードスクリュー173を回転駆動する振動体4とを有している。
【0116】
ガイド172およびリードスクリュー173は、互いに平行で、かつ、x軸と平行となり、リードスクリュー173がガイド172の下側に位置するように配置されている。
【0117】
リードスクリュー173の図7中右側の端部には、被駆動体174が固着(固定)されており、これらリードスクリュー173および被駆動体174は、一体となって回転する。
【0118】
被駆動体174は、ほぼリング状(円環状)をなしており、その内側にリードスクリュー173の端部が挿入した状態で、例えば圧入により、リードスクリュー173に対し固着されている。
【0119】
なお、リードスクリュー173と被駆動体174は、一体的に(一部材で)形成されていてもよい。
【0120】
振動体4は、凸部46にて被駆動体174の外周面1741に当接し、かつ、フレーム171の図7中右側の内側面と平行になるように、その内側面に設置されている。すなわち、本実施形態では、振動体4は、被駆動体174に対し被駆動体174の半径方向外周側から当接して設置されている。
【0121】
なお、図示の構成では、外周面1741は、平滑になっているが、全周に渡り溝を形成し、この溝内に凸部46が当接することとしてもよい。
【0122】
姿勢変更手段16の振動体4では、電極を複数に分割し、それらに対して選択的に電圧を印加して、圧電素子を部分的に駆動することにより、面内の縦・屈曲の振動を任意に選択し得るようになっている。すなわち、振動体4への通電状態(振動体4の振動パターン)を変更することにより、振動体4の凸部46の振動(振動変位)の方向を変え、これにより、被駆動体174を図8中時計回りと反時計回り(正方向と逆方向)のいずれの方向にも回転させることができるように構成されている。以下、この振動体4について説明するが、前記ロータ3および5を回転駆動する振動体4との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0123】
図10に示すように、振動体4は、前記ロータ3および5を回転駆動する振動体4と同様に、補強板43の図10中上側に圧電素子42、下側に圧電素子44を積層した構造であるが、圧電素子42の図10中上側に、板状の4つの電極41a、41b、41cおよび41dが設置され、圧電素子44の図10中下側に、板状の4つの電極45a、45b、45cおよび45d(電極45a、45b、45cおよび45dは、図示せず、各符号のみを括弧内に示す)が設置されている点で、前記ロータ3および5を回転駆動する振動体4と異なっている。すなわち、圧電素子42を4つの長方形の領域にほぼ等しく分割(区分)し、分割された各領域に、それぞれ、長方形状をなす電極41a、41b、41cおよび41dが設置され、同様に、圧電素子44を4つの領域に分割(区分)し、分割された各領域に、それぞれ、長方形状をなす電極45a、45b、45cおよび45dが設置されている。なお、電極41a、41b、41cおよび41dの裏側に、それぞれ、電極45a、45b、45cおよび45dが配置されている。
【0124】
一方の対角線上の電極41aおよび41cと、これらの裏側に位置する電極45aおよび45cとは、すべて電気的に接続され、同時に通電されるようになっており、同様に、他方の対角線上の電極41bおよび41dと、これらの裏側に位置する電極45bおよび45dとは、すべて電気的に接続(以下、単に「接続」と言う)され、同時に通電されるようになっている。
【0125】
補強板43は、アース(設置)されており、また、通電される電極41a、41c、45aおよび45cと、電極41b、41d、45bおよび45dとは、図示しないスイッチ(切替スイッチ)で切り替わり、そのいずれか一方に交流電圧が印加されるように構成されている。すなわち、図13に示すように、振動体4は、図示しない前記スイッチを有する後述する駆動制御回路9に接続されており、その駆動制御回路9により、通電される電極が選択され(切り替わり)、交流電圧が印加されるようになっている。
【0126】
また、凸部46は、図10中の右端部(短辺側)であって、補強板43の幅方向中央(短辺の中央)に設けられている。
【0127】
図7および図8に示すように、振動体4の腕部48の孔481には、ガイド172の図7中右側の端部が挿入され、振動体4は、そのガイド172の端部により、腕部48の両側に配設された一対のスペーサ176を介してフレーム171に固定されている。
【0128】
このように、振動体4は、腕部48によって支持されている。これにより、振動体4は自由に振動することができ、比較的大きい振幅で振動する。また、振動体4は、腕部48の弾性によって、凸部46が外周面1741に圧接された状態で設置されている。
【0129】
振動体4の電極41a、41c、45aおよび45cに通電し、これらの電極41a、41c、45aおよび45cと、補強板43との間に、交流電圧が印加されると、図11に示すように、振動体4の電極41a、41c、45aおよび45cに対応する部分がそれぞれ矢印a方向に繰り返し伸縮し、これにより、振動体4の凸部46は、矢印bで示す斜めの方向に振動(往復運動)、または、矢印cで示すように、楕円振動(楕円運動)する。被駆動体174は、振動体4の電極41a、41c、45aおよび45cに対応する部分が伸長するときに凸部46から摩擦力(押圧力)を受ける。
【0130】
すなわち、凸部46の振動変位Sの径方向成分S(被駆動体174の径方向の変位)によって、凸部46と外周面1741との間に大きな摩擦力が与えられ、振動変位Sの周方向成分S(被駆動体174の円周方向の変位)によって、被駆動体174に図11中の反時計回りの回転力が与えられる。
【0131】
振動体4が振動すると、このような力が被駆動体174に繰り返し作用し、被駆動体174は、図11中の反時計回りに回転する。これにより、リードスクリュー173は、図11中の反時計回りに回転する。
【0132】
前記と逆に、振動体4の電極41b、41d、45bおよび45dに通電し、これらの電極41b、41d、45bおよび45dと、補強板43との間に、交流電圧が印加されると、図12に示すように、振動体4の電極41b、41d、45bおよび45dに対応する部分がそれぞれ矢印a方向に繰り返し伸縮し、これにより、振動体4の凸部46は、矢印bで示す斜めの方向に振動(往復運動)、または、矢印cで示すように、楕円振動(楕円運動)する。被駆動体174は、振動体4の電極41b、41d、45bおよび45dに対応する部分が伸長するときに凸部46から摩擦力(押圧力)を受ける。
【0133】
すなわち、凸部46の振動変位Sの径方向成分S(被駆動体174の径方向の変位)によって、凸部46と外周面1741との間に大きな摩擦力が与えられ、振動変位Sの周方向成分S(被駆動体174の円周方向の変位)によって、被駆動体174に図12中の時計回りの回転力が与えられる(図5参照)。
【0134】
振動体4が振動すると、このような力が被駆動体174に繰り返し作用し、被駆動体174は、図12中の時計回りに回転する。これにより、リードスクリュー173は、図12中の時計回りに回転する。
【0135】
なお、図11および図12では、それぞれ、振動体4の変形を誇張して示すとともに、腕部48は図示されていない。
【0136】
ここで、前記振動体4の形状・大きさ、凸部46の位置などを適宜選択し、屈曲振動の共振周波数を縦振動の周波数と同程度にすることにより、振動体4の縦振動と屈曲振動とが同時に起こり、凸部46は、図11および図12中の矢印cで示すように、ほぼ楕円に沿って変位(楕円振動)させることができる。また、従来知られているように縦振動と屈曲振動を別々に位相をずらして駆動することにより、楕円振動の長径と短径の比(長径/短径)を変えることができる。
【0137】
なお、本実施形態では、振動体4の電極を4分割して駆動する場合について説明したが、それは一例であり、本発明では、前述の振動体4の構造や駆動の方法に限定されるものではない。
【0138】
図7および図8に示すように、スライダ175の上側には、ガイド172が挿入される孔1751が形成され、下側には、リードスクリュー173が挿入される孔1751が形成されており、スライダ175は、ガイド172に沿って移動可能に設置されている。
【0139】
このスライダ175の下端には、錘要素14が設置(固定)されている。この錘要素14およびスライダ175が錘として作用する。
【0140】
なお、本実施形態では、錘要素14は、リードスクリュー173より下側に位置しているが、錘要素14の位置は、特に限定されず、例えば、ガイド172とリードスクリュー173の間であってもよい。
【0141】
スライダ175の孔1752の内側面には、リードスクリュー173に螺合する溝が形成されている。
【0142】
リードスクリュー173が図8中反時計回りに回転すると、スライダ175は、ガイド(軸)172およびリードスクリュー(軸)173に沿って図7中左側に移動する。これにより、浮揚体1の重心は、図7中左側に移動し、浮揚中の浮揚体1は、図7中反時計回りに所定角度回転し、その姿勢を変更する。
【0143】
また、リードスクリュー173が前記と逆方向、すなわち、図8中時計回りに回転すると、スライダ175は、ガイド172およびリードスクリュー173に沿って図7中右側に移動する。これにより、浮揚体1の重心は、図7中右側に移動し、浮揚中の浮揚体1は、図7中時計回りに所定角度回転し、その姿勢を変更する。
【0144】
また、x軸方向移動手段16xは、錘要素14のx軸方向の位置(移動量)を検出する位置検出手段(移動量検出手段)7を有している。
【0145】
図7および図8に示すように、位置検出手段7は、外周部に複数のスリットが一定間隔で形成されたスリット板71と、発光部および受光部を有するセンサー72とで構成されている。
【0146】
本実施形態では、センサー72として、スリット板71の外周部(スリットが形成されている部分)へ向けて光を照射する発光素子と、この発光素子から発せられ、スリット板71のスリットを通過(透過)した光(透過光)を受光(光電変換)する受光素子とを有するフォトインタラプタを用いているが、これに限らず、例えば、スリット板71の外周部へ向けて光を照射する発光素子と、この発光素子から発せられ、スリット板71で反射した光(反射光)を受光(光電変換)する受光素子とを有するフォトリフレクタ等を用いてもよい。
【0147】
スリット板71は、被駆動体174の図7中左側の側面に固定されており、その被駆動体174およびリードスクリュー173と一体となって回転する。したがって、錘要素14の移動量は、スリット板71の回転量に対応する。
【0148】
また、センサー72は、フレーム171の図7中右側の内側面に設置されている。
【0149】
振動体4が駆動し、被駆動体174、リードスクリュー173およびスリット板71が回転すると、これに伴って、センサー72からは、パルス(パルス信号)が出力される。このパルスは、後述する駆動制御回路9のθy制御回路92yに供給(入力)され、θy制御回路92yは、そのパルスを計数し、計数値(パルス数)に基づいて、錘要素14のx軸方向の移動量を得、その移動量から錘要素14のx軸方向の位置を求める。前記錘要素14の移動量や位置の情報は、錘要素14をx軸方向へ移動させる際の所定の制御や処理に利用される。
【0150】
なお、位置検出手段7は、光学的に検出するものに限らず、例えば、磁気的に検出するものであってもよい。
【0151】
次に、y軸方向移動手段16yについて説明するが、前記x軸方向移動手段16xとの相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0152】
図9に示すように、y軸方向移動手段16yは、フレーム171と、フレーム171に対し固定的に設けられた棒状のガイド172と、フレーム171に対し回転可能に設けられたリードスクリュー173と、スライダ175と、リードスクリュー173を回転駆動する振動体4と、錘要素14およびx軸方向移動手段16xのy軸方向の位置(移動量)を検出する位置検出手段(移動量検出手段)7とを有している。
【0153】
図1に示すように、y軸方向移動手段16yは、基板161のy軸と平行な帯状体の下側に設置(固定)されている。
【0154】
また、このy軸方向移動手段16yのスライダ175の下端には、前記x軸方向移動手段16xが設置(固定)されている。
【0155】
このy軸方向移動手段16yのスライダ175、x軸方向移動手段16xおよび錘要素14が錘として作用する。
【0156】
この他は、前記x軸方向移動手段16xにおいて、x軸をy軸に置き換えたのとほぼ同様であるので、説明を省略する。
【0157】
振動体4が振動して、リードスクリュー173が所定方向に回転すると、スライダ175は、ガイド(軸)172およびリードスクリュー(軸)173に沿って図9中左側に移動する。これにより、浮揚体1の重心は、図9中左側に移動し、浮揚中の浮揚体1は、図9中反時計回りに所定角度回転し、その姿勢を変更する。
【0158】
また、振動体4が振動して、リードスクリュー173が前記と逆方向に回転すると、スライダ175は、ガイド172およびリードスクリュー173に沿って図9中右側に移動する。これにより、浮揚体1の重心は、図9中右側に移動し、浮揚中の浮揚体1は、図9中時計回りに所定角度回転し、その姿勢を変更する。
【0159】
また、被駆動体174、リードスクリュー173およびスリット板71が回転すると、これに伴って、センサー72からは、パルス(パルス信号)が出力される。このパルスは、後述する駆動制御回路9のθx制御回路92xに供給(入力)され、θx制御回路92xは、そのパルスを計数し、計数値(パルス数)に基づいて、錘要素14のy軸方向の移動量を得、その移動量から錘要素14のy軸方向の位置を求める。前記錘要素14の移動量や位置の情報は、錘要素14をy軸方向へ移動させる際の所定の制御や処理に利用される。
【0160】
次に、錘要素14について説明する。
図13に示すように、錘要素14は、ほぼ球状のケーシング141を有しており、このケーシング141内には、駆動制御回路9と、姿勢制御センサー8と、無線通信用の図示しない送受信部と、これら駆動制御回路9、姿勢制御センサー8および送受信部等の浮揚体1の各部に電力を供給する電池(浮揚体1のエネルギーを蓄積するエネルギー蓄積手段)15とが収納(内蔵)されている。
【0161】
すなわち、本実施形態では、駆動制御回路9、姿勢制御センサー8、送受信部および電池15等が、姿勢変更手段16の錘要素14の一部を構成する。これにより、専用の錘の部分(錘としてのみ作用する部分)の重さを軽くすることができるので、浮揚体1を軽量化することができ、浮揚体1のペイロード(荷重)を大きくとることができる。
【0162】
姿勢制御センサー8は、Z軸の回り(θz方向)の回転を検出するジャイロセンサー81zと、X軸の回り(θx方向)の回転を検出するジャイロセンサー81xと、Y軸の回り(θy方向)の回転を検出するジャイロセンサー81yとで構成されている。
【0163】
各ジャイロセンサー81x、81yおよび81zとしては、それぞれ、例えば、所定値以上の角速度または角加速度のみを検出するものを用いる。これにより、浮揚体1のθx方向、θy方向およびθz方向における急激な(突発的な)回転のみを検出することができる。
【0164】
また、駆動制御回路9は、θz検出回路91zと、θx検出回路91xと、θy検出回路91yと、θz制御回路91zと、θx制御回路91xと、θy制御回路91yと、第1の駆動回路931と、第2の駆動回路932と、y駆動回路93yと、x駆動回路93xと、y軸方向移動手段16yの振動体4の通電される電極を切り替える図示しないスイッチ(切替スイッチ)と、x軸方向移動手段16xの振動体4の通電される電極を切り替える図示しないスイッチ(切替スイッチ)とで構成されている。
【0165】
第1の駆動回路931は、ロータ3を回転駆動する振動体4に接続され、第2の駆動回路932は、ロータ5を回転駆動する振動体4に接続されている。
【0166】
また、y駆動回路93yは、前記電極を切り替えるスイッチを介してy軸方向移動手段16yの振動体4に接続され、x駆動回路93xは、前記電極を切り替えるスイッチを介してx軸方向移動手段16xの振動体4に接続されている。
【0167】
また、電池15としては、例えば、1次電池、2次電池(蓄電池)、燃料電池、太陽電池(光電変換素子と2次電池とを組み合わせたもの)等が挙げられる。
【0168】
このような浮揚体1に対し、地上(床)には、図示しない操作部(コントローラ)が設けられており、この操作部と浮揚体1とは、無線で通信することができ、前記操作部から浮揚体1を無線で遠隔操作(ロータ3および5の回転数の調整、錘要素14のx軸方向およびy軸方向の位置の調整等)することができるようになっている。
【0169】
そして、この浮揚体1では、ジャイロセンサー81zによるθz方向の検出値と、Z軸方向の指示値(高さ指示値)と、Z軸の回りの指示値(θz方向の指示値)とに基づいて、ロータ3およびロータ5の回転数(回転速度)をそれぞれ制御する。
【0170】
すなわち、Z軸方向の指示値がθz制御回路92zへ入力されると、そのZ軸方向の指示値(高さ)になるように、第1の駆動回路931および第2の駆動回路932を介して、ロータ3および5を回転駆動する各振動体4の駆動が制御される。これにより、浮揚体1を上昇または下降させることができ、また、所定の高さに保持することができる。
【0171】
また、θz方向の指示値がθz制御回路92zへ入力されると、そのθz方向の指示値(向き)になるように、第1の駆動回路931および第2の駆動回路932を介して、ロータ3および5を回転駆動する各振動体4の駆動が制御される。これにより、浮揚体1をθz方向に、正逆いずれの方向へも所定量(所定角度)回転させることができ、θz方向に、所定の角度(向き)に保持することができる。
【0172】
また、ジャイロセンサー81zでθz方向の回転が検出されると、そのジャイロセンサー81zからθz検出回路91zに検出信号が入力され、θz検出回路91zでθz方向の検出値が得られる。その検出値は、θz制御回路92zへ入力され、θz制御回路92zにより、θz方向の検出値が0になるように、第1の駆動回路931および第2の駆動回路932を介して、ロータ3および5を回転駆動する各振動体4の駆動が制御される。これにより、浮揚体1の急激な(突発的な)θz方向の回転を防止または抑制することができ、浮揚体1を安定的に浮揚させることができる。
【0173】
また、この浮揚体1では、ジャイロセンサー81xによるθx方向の検出値と、Y軸方向の指示値とに基づいて、錘要素14のY軸方向の位置を制御する。
【0174】
すなわち、Y軸方向の指示値がθx制御回路92xへ入力されると、そのY軸方向の指示値になるように、y駆動回路93yを介して、y軸方向移動手段16yの振動体4の駆動が制御される。これにより、錘要素14およびx軸方向移動手段16xがY軸方向へ移動し、浮揚体1の重心がY軸方向へ移動して、浮揚体1の各ロータ3および5の回転中心線が、YZ平面内で所定角度回転し、鉛直線に対してy軸に向って所定角度傾斜する。
【0175】
このようにして、浮揚体1を前記回転中心線の傾斜方向に移動(飛行)させることができる。
【0176】
また、ジャイロセンサー81xでθx方向の回転が検出されると、そのジャイロセンサー81xからθx検出回路91xに検出信号が入力され、θx検出回路91xでθx方向の検出値が得られる。その検出値は、θx制御回路92xへ入力され、θx制御回路92xにより、θx方向の検出値が0になるように、駆動回路73yを介して、y軸方向移動手段16yの振動体4の駆動が制御される。これにより、浮揚体1の急激な(突発的な)θx方向の回転を防止または抑制することができ、浮揚体1を安定的に浮揚させることができる。
【0177】
また、この浮揚体1では、ジャイロセンサー81yによるθy方向の検出値と、X軸方向の指示値とに基づいて、錘要素14のX軸方向の位置を制御する。
【0178】
すなわち、X軸方向の指示値がθy制御回路92yへ入力されると、そのX軸方向の指示値になるように、x駆動回路93xを介して、x軸方向移動手段16xの振動体4の駆動が制御される。これにより、錘要素14がX軸方向へ移動し、浮揚体1の重心がX軸方向へ移動して、浮揚体1の各ロータ3および5の回転中心線が、XZ平面内で所定角度回転し、鉛直線に対してx軸に向って所定角度傾斜する。
【0179】
このようにして、浮揚体1を前記回転中心線の傾斜方向に移動(飛行)させることができる。
【0180】
また、ジャイロセンサー81yでθy方向の回転が検出されると、そのジャイロセンサー81yからθy検出回路91yに検出信号が入力され、θy検出回路91yでθy方向の検出値が得られる。その検出値は、θy制御回路92yへ入力され、θy制御回路92yにより、θy方向の検出値が0になるように、駆動回路73yを介して、x軸方向移動手段16xの振動体4の駆動が制御される。これにより、浮揚体1の急激な(突発的な)θy方向の回転を防止または抑制することができ、浮揚体1を安定的に浮揚させることができる。
【0181】
以上説明したように、この浮揚体1では、姿勢変更手段16により、その姿勢を変更、すなわち、姿勢を制御することができ、これにより、容易かつ確実に、浮揚体1を任意の方向(任意の位置)に移動(飛行)させることができる。
【0182】
また、前記振動体4を用いてリードスクリュー173を回転駆動するようにしたことにより、小型化に極めて有利である。また、軽量化にも有利であり、浮揚体1のペイロード(荷重)を大きくとることができる。また、製造コストの低減も図ることができる。
【0183】
なお、本実施形態では、振動体4でリードスクリュー173を直接に回転駆動するものとなっているが、本発明では、振動体4がリードスクリュー173を間接的に駆動するものであってもよい。すなわち、被駆動体174をリードスクリュー173と別個に設け、被駆動体174の回転力を回転力伝達機構によってリードスクリュー173に伝達するようなものであってもよい。この場合、回転力伝達機構としては、例えば、歯車列(歯車伝動機構)や、プーリー、ベルト、チェーン等を用いた巻き掛け伝動機構等、いかなる機構を用いるものでもよい。
【0184】
また、本実施形態では、リードスクリュー173を回転駆動する振動体4は、1つ設置されているが、本発明では、その振動体4を複数設け、被駆動体174を複数の振動体4で回転駆動してもよい。
【0185】
また、本実施形態では、姿勢変更手段16の重心移動用駆動源、すなわち、リードスクリュー173を回転駆動するための駆動源として、振動体4を用いているが、本発明では、振動体4に限らず、例えば、電磁モータ等を用いてもよく、また、振動体4、電磁モータ等の複数種の駆動源を併用してもよい。
【0186】
また、本実施形態では、錘要素14は、1つであるが、本発明では、錘要素14は、複数設けられていてもよい。
【0187】
また、本発明では、例えば、錘要素14を2つ設け、x軸方向移動手段(x軸方向変位手段)16xで、一方の錘要素14をx軸方向に移動(変位)させ、y軸方向移動手段(y軸方向変位手段)16yで、他方の錘要素14をy軸方向に移動(変位)させるように構成してもよい。すなわち、x軸方向移動手段16xと、y軸方向移動手段16yとを独立させ、それぞれに、専用の錘要素14を設け、x軸方向移動手段16xで、一方の錘要素14をx軸方向に移動させ、y軸方向移動手段16yで、他方の錘要素14をy軸方向に移動させるように構成してもよい。
【0188】
また、本発明では、浮揚体1の遠隔操作の方法は、無線操縦に限らず、例えば、有線操縦によるものであってもよい。すなわち、図示しない操作部と浮揚体1とが図示しないリード線(導線)で接続されており、このリード線によって、前記操作部から浮揚体1を遠隔操作するようになっていてもよい。また、前記リード線によって、前記操作部から振動体4等の浮揚体1の各部に電力を供給するようになっていてもよい。
【0189】
また、振動体4等の浮揚体1の各部に電力を供給する方法としては、前述した各方法に限らず、例えば、光・電磁波等によってエネルギーを地上から伝送してもよく、また、前述した各方法を任意に組み合わせてもよい。
【0190】
次に、浮揚体1における検知手段について説明する。本発明の浮揚体1は、浮揚体1の周辺(付近)の環境における所定の対象を検知(検出)する検知手段を有している。これにより、浮揚体1は、検知手段の種類に応じ、所定の測定、調査または情報収集等を行うことができる。
【0191】
また、本実施形態では、姿勢変更手段16を用いることにより、目的の箇所(場所)まで飛行(移動)することができ、その目的箇所において所定の測定、調査または情報収集等を行うことができる。よって、浮揚体1は、例えば人間の入れないような環境(狭いところ、放射能で汚染されたところ、危険なところ等)での測定、調査、情報収集等を行うのに適している。
【0192】
本実施形態の浮揚体1は、検知手段として、例えばCCD等の固体撮像素子を備えた撮像手段142を有している。
【0193】
図1および図7に示すように、本実施形態では、この撮像手段142は、錘要素14に設置されている。この撮像手段142には、図7中の下側からの光Lが入射する。これにより、撮像手段142は、図7中の下側(浮揚体1の下側)の画像を撮像する。撮像手段142の撮像する画像は、静止画像でも、動画像でもよい。
【0194】
撮像手段142は、撮像した画像を電気信号に変換する。この電気信号(画像データ)は、前記送受信部により無線通信または赤外線通信等で前記操作部等に伝送される。または、この電気信号は、浮揚体1に設けられた図示しない記憶部に記憶(格納)することとしてもよい。また、電気信号の伝送または記憶をする前に、この電気信号に対し増幅、演算等の所定の処理を行ってもよい。
【0195】
本実施形態の浮揚体1は、このような撮像手段142が設けられていることにより、浮揚体1の下側の画像を撮像することができる。よって、本実施形態の浮揚体1は、例えば監視カメラ等として使用することができる。
【0196】
また、本実施形態の浮揚体1は、姿勢変更手段16を用いることにより、目的の箇所(場所)まで飛行して、その周辺の画像を撮像することができる。
【0197】
なお、撮像手段142による撮像は、空中に浮揚(飛行)している状態で行ってもよく、後述する固定手段19Aにより天井(または壁)に固定された状態で行ってもよい。
【0198】
本実施形態では、撮像手段142は、錘要素14に設置されていることから、錘要素14の一部を構成する。これにより、浮揚体1全体に占める錘要素14の部分の重さの割合を大きくできるので、x軸方向移動手段16xやy軸方向移動手段16yによる錘要素14の移動範囲が小さいような場合であっても重心位置を大きく変えることができる。従って、浮揚体1全体としての小型・軽量化が図れる。
【0199】
なお、本発明では、撮像手段142のような検知手段は、錘要素14以外の部位に設けられてもよい。
【0200】
本発明における検知手段としては、撮像手段142のように画像を検知(検出)対象とするものに限らず、種々の目的に応じて、各種の対象を検知するものを使用することができる。すなわち、本発明における検知手段の検知対象は、画像に限らず、例えば、光、電波、放射線、磁気、音(音波)、温度、湿度、圧力、風速またはガス(各種ガス濃度)等とすることができる。
【0201】
換言すれば、本発明における検知手段は、撮像手段142に限らず、例えば、光センサ、電波センサ、放射線センサ、磁気センサ、音圧センサ(マイクロホン)、温度センサ、湿度センサ、圧力センサ、風速センサまたはガスセンサ等であってもよい。本発明の浮揚体は、これらのうちから適当な検知手段を選択して設けることにより、各種の測定、調査、情報収集等を行うことができる。また、本発明の浮揚体は、これらのうちの複数種の検知手段(センサ)を備えていてもよい。
【0202】
次に、固定手段19Aについて説明する。図1に示すように、本実施形態の浮揚体1は、例えば天井100のような停留部(停留対象部)に対し固定可能な固定手段19Aを有している。これにより、浮揚体1は、停留部に停留可能になっている。
【0203】
この固定手段19Aは、十字状をなす基板161の4箇所の端部にそれぞれ設けられている。これらの4つの固定手段は、互いに同様の構成であるため、代表して1つの固定手段19Aについて説明する。
【0204】
固定手段19Aは、基板161の端部から上方に延びるように設けられた支柱191と、支柱191の上端に固着されたほぼ板状の当接部192と、当接部192の表面(上面)に設けられた粘着剤層193とで構成されている。粘着剤層193は、天井100に対する結合力を生じる部材である。
【0205】
当接部192は、回転翼54よりも上側に位置するように設けられており、粘着剤層193を介して天井100に当接し得るようになっている。
【0206】
浮揚体1を天井100に固定する際には、浮揚体1を上昇させて、天井100に当接部192を当接させる。すると、天井100の表面と当接部192とが粘着剤層193の粘着力(結合力)により結合され、これにより、浮揚体1は、天井100に固定される。
【0207】
本実施形態では、このような固定手段19Aにより天井100に固定した状態で、撮像手段142のような検知手段による検知を行うことにより、目的箇所にとどまって長時間(長期間)に渡り、測定、調査または情報収集等を行うことができる。
【0208】
なお、本発明における停留部としては、天井100に限らず、例えば、内壁、外壁、床(地面)に設置された設置物の表面等、いかなるもの(場所)であってもよい。また、水平面に対する停留部の傾斜角度も、いかなる角度であってもよい。すなわち、本発明における固定手段は、前記のようないかなる停留部に浮揚体1を固定可能なものであってもよい。
【0209】
<第2実施形態>
図14は、本発明の浮揚体の第2実施形態における固定手段を示す部分断面側面図である。
【0210】
以下、この図を参照して本発明の浮揚体の第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。なお、以下では、図14中の上方を「上」、下方を「下」として説明する。
【0211】
第2実施形態の浮揚体1は、固定手段の構成が異なること以外は、前記第1実施形態と同様である。
【0212】
本実施形態における固定手段19Bは、支柱191と、支柱191の上端側に設けられた矢尻部材194と、矢尻部材194の近傍に設けられたヒータ(電熱線)195とを有している。
【0213】
矢尻部材194は、中心軸1941と、中心軸1941の先端部から放射状にほぼ下方に延びるように形成された複数の係合部1942とを有しており、全体として、ほぼ傘の骨組み状をなしている。矢尻部材194の先端(上端)は、鋭利に尖っており、天井100に突き刺さり得るようになっている。
【0214】
この矢尻部材194は、形状記憶合金で構成されており、図14中の(c)に示す形状、すなわち、前記傘が閉じた形状を記憶している。
【0215】
矢尻部材194は、浮揚体1が浮揚(飛行)する前に、図14中の(a)に示す形状、すなわち、前記傘が開くように変形した状態とされる。
【0216】
本実施形態の浮揚体1を天井100に固定する際には、浮揚体1を上昇させて、天井100に矢尻部材194を衝突させ、矢尻部材194を天井100に突き刺す。すると、図14中の(b)に示すように、係合部1942が天井100に形成された穴101の内側に係合し、このアンカー効果により、矢尻部材194は、天井100に対し結合力を生じる。これにより、浮揚体1は、天井100に固定される。
【0217】
このように、本実施形態の浮揚体1によれば、前記第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0218】
また、本実施形態では、矢尻部材194の天井100に対する結合力を解除する手段を有している。
【0219】
矢尻部材194の天井100に対する結合力を解除する際には、ヒータ195に通電する。ヒータ195が発生した熱は、矢尻部材194に伝わり、これにより、矢尻部材194は、加熱されて、記憶していた形状に戻る。すなわち、矢尻部材194は、図14中の(b)に示す状態から(c)に示す状態に変形する。これにより、穴101に対する係合部1942の係合が解除される。このようにして、浮揚体1は、天井100に対する固定が解除され、再度、空中に浮揚(飛行)することができる。
【0220】
本実施形態では、固定手段19Bの固定解除機能を用いることにより、浮揚体1の航続距離(航続時間)を延長することができる。すなわち、電池15(2次電池)が切れそうになった場合、固定手段19Bにより天井100に固定し、この状態で、光電変換素子(ソーラーパネル)や、エネルギーの伝送により電池15を充電して、浮揚(飛行)を再開することができる。
【0221】
<第3実施形態>
図15は、本発明の浮揚体の第3実施形態における固定手段を示す側面図である。
【0222】
以下、この図を参照して本発明の浮揚体の第3実施形態について説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。なお、以下では、図15中の上方を「上」、下方を「下」として説明する。
【0223】
第3実施形態の浮揚体1は、固定手段の構成が異なること以外は、前記第1実施形態と同様である。
【0224】
本実施形態における固定手段19Cは、支柱191と、支柱191の上端側に設けられた電磁石196とを有している。
【0225】
本実施形態の浮揚体1を天井100に固定する際には、電磁石196のコイル1961に通電した状態で浮揚体1を上昇させて、天井100に電磁石196を当接させる。すると、図15中の(a)に示すように、電磁石196が天井100に磁気吸着し、これにより、浮揚体1は、天井100に固定される。
【0226】
また、本実施形態では、電磁石196の天井100に対する吸着力(結合力)を解除する手段を有している。
【0227】
すなわち、図15中の(b)に示すように、電磁石196のコイル1961に対する通電を解除することにより、浮揚体1は、天井100に対する固定が解除され、再度、空中に浮揚(飛行)することができる。
【0228】
本実施形態の浮揚体1によれば、前記第2実施形態と同様の効果が得られる。さらに、本実施形態では、天井100に対する固定とその解除とを繰り返し行うことができる。
【0229】
なお、本発明における停留部に対する固定手段は、前記第1〜第3実施形態のようなものに限定されないことは言うまでもない。例えば、固定手段は、停留部に対する結合力を生じる部材として、永久磁石、吸盤、パラフィン(蝋)等を用いるようなものであってもよい。
【0230】
パラフィンを用いるものの場合には、パラフィンをヒータで加熱・溶融した状態で停留部に接触し、パラフィンが冷却・固化することにより、停留部に固定(結合)することができる。そして、パラフィンを再加熱して溶融することにより、停留部に対する固定(結合)を解除することができる。
【0231】
また、吸盤を用いるものの場合、吸盤内を吸引するサクションポンプの作動・停止により、停留部に対する固定(結合)とその解除とを選択できるようなものでもよい。
【0232】
<第4実施形態>
図16は、本発明の浮揚体の第4実施形態における姿勢変更手段をy軸方向から見た図(正面図)、図17は、本発明の浮揚体の第4実施形態における姿勢変更手段をx軸方向から見た図(側面図)である。
【0233】
以下、これらの図を参照して本発明の浮揚体の第4実施形態について説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0234】
なお、以下では、図16および図17中の上方を「上」、下方を「下」として説明する。
【0235】
また、図16および図17において、図示のように、互いに直交するx軸、y軸およびz軸(x−y−z座標)を想定する。この場合、z軸は、ロータの回転中心線(軸)と一致または平行になるように想定される。
【0236】
第4実施形態の浮揚体1は、姿勢変更手段16のみが前記第1実施形態と異なる。
【0237】
この第4実施形態における姿勢変更手段16は、図16および図17に示すように、錘要素14を錘要素14の重心から所定距離離間した軸を中心に回動させる振子型アクチュエータであり、そのx軸方向移動手段16xは、フレーム171と、フレーム171に対し軸183を中心に回動(揺動)可能に設けられたアーム181と、アーム181を駆動する(回動させる)振動体4とを有している。
【0238】
アーム181の上端(基端)には、被駆動体182が形成されている。被駆動体182の図16中右側の部分は、ほぼ円弧状をなしており、アーム181は、この被駆動体182において、フレーム171に対し軸183を中心に回動可能に設置されている。また、軸183は、y軸と平行に配置されている。
【0239】
なお、本実施形態では、アーム181と被駆動体182は、一体的に(一部材で)形成されているが、本発明では、アーム181と被駆動体182を別部材で形成してもよい。
【0240】
また、アーム181の下端(先端)には、錘要素14が設置(固定)されている。従って、この錘要素14は、アーム181とともに、錘要素14の重心から所定距離離間し、y軸に平行な軸183を中心に回動する。
【0241】
振動体4は、凸部46にて被駆動体182の外周面1821に当接するように、フレーム171の図16中右側に突出した突出部1711に設置されている。すなわち、本実施形態では、振動体4は、被駆動体182に対し被駆動体182の半径方向外周側から当接して設置されている。
【0242】
突出部1711には、ネジ穴が形成された振動体取付部177が図17中左側に向かって突設されており、振動体4は、腕部48の孔481に挿入されたボルト178によって、この振動体取付部177に固定されている。
【0243】
なお、図示の構成では、外周面1821は、平滑になっているが、外周面1821に溝を形成し、この溝内に凸部46が当接することとしてもよい。
【0244】
図16および図17に示すように、姿勢変更手段16のy軸方向移動手段16yは、フレーム171と、フレーム171に対し軸185を中心に回動(揺動)可能に設けられた被駆動体184と、被駆動体184を駆動する(回動させる)振動体4とを有している。
【0245】
被駆動体184は、ほぼ円弧状(円環の一部を切り欠いたような形状)をなしており、その被駆動体184は、フレーム171に対し軸185を中心に回動可能に設置されている。また、軸185は、x軸と平行に配置されている。
【0246】
また、被駆動体184下端には、前記x軸方向移動手段16xが設置(固定)されている。従って、錘要素14は、x軸方向移動手段16x(アーム181)とともに、錘要素14の重心から所定距離離間し、x軸に平行な軸185を中心に回動する。
【0247】
ここで、前記軸185は、前記軸183の近傍に位置している。すなわち、一方の回動中心は、他方の回動中心の近傍に位置している。
【0248】
振動体4は、凸部46にて被駆動体184の外周面1841に当接するように、フレーム171に設置されている。すなわち、本実施形態では、振動体4は、被駆動体184に対し被駆動体184の半径方向外周側から当接して設置されている。
【0249】
フレーム171には、ネジ穴が形成された振動体取付部177が図16中左側に向かって突設されており、振動体4は、腕部48の孔481に挿入されたボルト178によって、この振動体取付部177に固定されている。
【0250】
なお、図示の構成では、外周面1841は、平滑になっているが、外周面1841全周に渡り溝を形成し、この溝内に凸部46が当接することとしてもよい。
【0251】
また、前記x軸方向移動手段16xのように、y軸方向移動手段16yが、アームを有し、そのアームの上端(基端)側に、被駆動体184が設けられ、下端(先端)側に、x軸方向移動手段16xが設置(固定)されていてもよい。
【0252】
この姿勢変更手段16では、x軸方向移動手段16xの振動体4が振動すると、被駆動体182は、振動体4の所定の電極に対応する部分が伸長するときに凸部46から摩擦力(押圧力)を受け、この繰り返しの摩擦力(押圧力)によって、図16中の時計回りまたは反時計回りに所定量(所定角度)回転する。すなわち、アーム181は、軸183を中心に図16中の時計回りまたは反時計回りに所定量回転し、錘要素14は、図16中左側または右側に移動する。
【0253】
これにより、浮揚体1の重心は、図16中左側または右側に移動し、浮揚中の浮揚体1は、その姿勢を変更する。
【0254】
また、y軸方向移動手段16yの振動体4が振動すると、被駆動体184は、振動体4の所定の電極に対応する部分が伸長するときに凸部46から摩擦力(押圧力)を受け、この繰り返しの摩擦力(押圧力)によって、図17中の時計回りまたは反時計回りに所定量(所定角度)回転し、錘要素14は、図17中左側または右側に移動する。
【0255】
これにより、浮揚体1の重心は、図17中左側または右側に移動し、浮揚中の浮揚体1は、その姿勢を変更する。
このような浮揚体1によれば、前記第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0256】
ここで、x軸方向移動手段16xは、錘要素14のx軸方向の位置(移動量)を検出する位置検出手段(移動量検出手段)を有しているのが好ましい。
【0257】
また、y軸方向移動手段16yは、錘要素14のy軸方向の位置(移動量)を検出する位置検出手段(移動量検出手段)を有しているのが好ましい。
【0258】
本実施形態では、姿勢変更手段16が以上説明したような振子型アクチュエータとなっていることにより、次のような利点がある。
【0259】
天井100に固定された状態で姿勢変更手段16を作動させると、アーム181は、天井100に対し傾斜し、これに伴なって、撮像手段142も天井100に対し傾斜する。よって、天井100に固定された状態で撮像手段142により撮像を行う場合、姿勢変更手段16を作動させることにより、撮像手段142の撮像方向(光Lの入射方向)を変えることができる。これにより、浮揚体1の真下だけでなく、その周囲のより広い範囲を撮像することができる。
【0260】
なお、x軸方向移動手段16xによる移動量と、y軸方向移動手段16yによる移動量とを適宜組み合わせることにより、所定範囲で、任意の方向に任意の角度で撮像手段142を傾斜させることができる。
【0261】
このように、本実施形態では、撮像手段142のように、検知手段に検知方向の指向性がある場合、天井100に固定した状態で姿勢変更手段16を作動させることにより、検知手段の検知方向を変えることができる。
【0262】
すなわち、本実施形態では、姿勢変更手段16は、浮揚体1の姿勢を変更する用途と、検知手段の検知方向を変える用途とに兼用することができる。換言すれば、この両方の用途のための機構を別個に設ける必要がない。よって、本実施形態では、浮揚体1の軽量化に特に有利である。また、構造の簡素化、コスト低減にも特に有利である。
【0263】
<第5実施形態>
図18は、本発明の浮揚体の第5実施形態を示す斜視図(細部は省略)、図19は、図18に示す浮揚体におけるx軸方向移動手段をy軸方向から見た断面図、図20は、図18に示す浮揚体におけるy軸方向移動手段をx軸方向から見た図(側面図)である。
【0264】
以下、これらの図を参照して本発明の浮揚体の第5実施形態について説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0265】
なお、以下では、図18〜図20中の上方を「上」、下方を「下」として説明する。
【0266】
また、図18〜図20において、図示のように、互いに直交するx軸、y軸およびz軸(x−y−z座標)を想定する。この場合、z軸は、ロータの回転中心線(軸)と一致または平行になるように想定される。
【0267】
図18に示すように、本実施形態の浮揚体1Aは、基部2と、ロータ3および5と、ロータ3および5をそれぞれ回転駆動する2つの振動体4と、回転翼34および54の外周側に設けられた天井100に対する当接部61と、錘要素62と、錘要素62をx軸方向に移動(変位)させるx軸方向移動手段(x軸方向変位手段)16xと、錘要素62をy軸方向に移動(変位)させるy軸方向移動手段(y軸方向変位手段)16yとを有している。
【0268】
基部2と、ロータ3および5と、ロータ3および5を回転駆動する2つの振動体4とについては、それぞれ、前記第1実施形態とほぼ同様であるので、説明を省略する。
【0269】
当接部61は、リング状(円環状)をなしており、基部2に対し固定されている。この当接部61は、ロータ3および5とほぼ同心的に設けられており、回転翼34および54の外周側に位置している。
【0270】
当接部61の上端(上側の縁部)611は、ロータ3および5より上側に位置し、天井100に当接し得るようになっている。
【0271】
本実施形態では、図20に示すように、回転翼34および54に作用する揚力により、当接部61の上端611を天井100に圧接することによって、浮揚体1Aを天井100に固定することができる。すなわち、当接部61は、天井100に対し固定可能な固定手段としての機能を有している。
【0272】
また、当接部61は、リング状をなしていることから、天井や壁に対し衝突したような場合であっても、回転翼34および54を保護することができる。
【0273】
なお、本実施形態の浮揚体1Aに、前記の実施形態で述べたような固定手段を組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0274】
図18に示すように、錘要素62は、前記撮像手段142と同様の撮像手段621を有しており、この撮像手段621には、光Lが入射する。すなわち、撮像手段621は、図18中の下側の画像を撮像する。
【0275】
本実施形態では、撮像手段621は、錘要素62の本体に対し着脱可能になっており、前述したような他の種類の検知手段に交換可能になっている。これにより、目的に合わせて各種の検知手段を選択して使用することができる。
【0276】
図19に示すように、錘要素62内には、x軸方向移動手段16xの振動体4が設置されている。x軸方向移動手段16xは、この振動体4と、ほぼ円弧状(円周のほぼ半分の円弧状)をなすレール部材63とを有している。
【0277】
なお、図19は、x軸方向移動手段16xの構成を簡略化して示したものであるため、錘要素62の他の内蔵物の図示を省略するとともに、錘要素62の外形は、図18とは異なっている。
【0278】
図18および図20に示すように、レール部材63の両端部付近には、それぞれ軸631が内側に突出するように設けられている。レール部材63は、この軸631がx軸にほぼ平行な姿勢で、当接部61に対し、軸631を中心として回動可能に設置されている。すなわち、レール部材63は、円弧の弦(直径)がx軸に略平行な姿勢で、x軸に略平行な軸を中心として回動可能に設けられている。
【0279】
図19に示すように、錘要素62は、レール部材63に沿って移動可能に設けられている。図示の構成では、錘要素62には、レール部材63を挟むように位置する複数のローラ(車輪)622が設けられており、これにより、錘要素62は、レール部材63に沿って滑らかに移動可能になっている。
【0280】
錘要素62内に設けられたx軸方向移動手段16xの振動体4は、凸部46にてレール部材63の内周面に当接するように設置されている。この振動体4は、前記姿勢変更手段16の振動体4と同様になっている。
【0281】
このようなx軸方向移動手段16xでは、振動体4が振動すると、その振動体4は、所定の電極に対応する部分が伸長するときに、凸部46によりレール部材63へ摩擦力(押圧力)を与え、この繰り返しの摩擦力(押圧力)によって、錘要素62は、レール部材63に沿って図19中左側または右側に移動する。
【0282】
これにより、浮揚体1Aの重心は、図19中左側または右側に移動し、浮揚中の浮揚体1Aは、その姿勢を変更する。
【0283】
また、浮揚体1Aを天井100に固定した状態でx軸方向移動手段16xを作動させた場合には、撮像手段621を傾斜し、撮像手段621の撮像方向(検知手段の検知方向)を変えることができる。
【0284】
図20に示すように、y軸方向移動手段16yは、レール部材63の一方の端部(軸631より上側)に一体的に形成(または固着)された被駆動体64と、被駆動体64に当接するように設置された振動体4とを有している。
【0285】
被駆動体64は、軸631を中心とする円弧状をなす湾曲凸面641を有している。y軸方向移動手段16yの振動体4は、凸部46にて湾曲凸面641に当接した状態で、当接部61に固定されている。この振動体4は、前記姿勢変更手段16の振動体4と同様になっている。
【0286】
y軸方向移動手段16yの振動体4が振動すると、被駆動体64は、振動体4の所定の電極に対応する部分が伸長するときに凸部46から摩擦力(押圧力)を受け、この繰り返しの摩擦力(押圧力)によって、図20中の時計回りまたは反時計回りに所定量(所定角度)回転する。これにより、レール部材63は、軸631を中心に図20中の時計回りまたは反時計回りに所定量回転し、錘要素62は、図20中左側または右側に移動する。
【0287】
これにより、浮揚体1Aの重心は、図20中左側または右側に移動し、浮揚中の浮揚体1は、その姿勢を変更する。
【0288】
また、浮揚体1Aを天井100に固定した状態でy軸方向移動手段16yを作動させた場合には、撮像手段621を傾斜し、撮像手段621の撮像方向(検知手段の検知方向)を変えることができる。
【0289】
なお、x軸方向移動手段16xによる移動量と、y軸方向移動手段16yによる移動量とを適宜組み合わせることにより、所定範囲で、任意の方向に任意の角度で撮像手段621を傾斜させることができる。
【0290】
このように、本実施形態の浮揚体1Aによれば、前記第4実施形態と同様の効果が得られる。
【0291】
また、本実施形態では、摺動型(自走型)アクチュエータであるx軸方向移動手段16xと、振り子型アクチュエータであるy軸方向移動手段16yとを組み合わせたことにより、より簡単な構造で、この効果が得られる。
【0292】
また、レール部材63をその直径を中心に回動可能に設置した場合には、錘要素62をほぼ完全な球面(球面の一部)上の任意の位置に移動することができる。すなわち、錘要素62を全方向にバランス良く移動することができる。
【0293】
なお、錘要素62は、その形状および前述した点以外は、前記錘要素14と同様である。
【0294】
ここで、本実施形態のx軸方向移動手段16xは、錘要素62のx軸方向の位置(移動量)を検出する位置検出手段(移動量検出手段)を有しているのが好ましい。
【0295】
また、本実施形態のy軸方向移動手段16yは、錘要素62のy軸方向の位置(移動量)を検出する位置検出手段(移動量検出手段)を有しているのが好ましい。
【0296】
図21は、図18に示す浮揚体におけるy軸方向移動手段の他の構成例をx軸方向から見た図(側面図)である。
【0297】
以下、この図を参照して、第5実施形態におけるy軸方向移動手段の他の構成例について説明する。
【0298】
図21に示すy軸方向移動手段16yは、レール部材63の一方の端部(軸631より下側)に一体的に形成(または固着)された被駆動体65と、被駆動体65に当接するように設置された振動体4とを有している。
【0299】
被駆動体65は、軸631を中心とする円弧状をなす湾曲凹面651を有している。y軸方向移動手段16yの振動体4は、凸部46にて湾曲凹面651に当接した状態で、当接部61に固定されている。すなわち、本構成例の振動体4は、被駆動体65に半径方向内周側から当接している。
【0300】
本構成例のy軸方向移動手段16yの作用・効果は、図20に示すy軸方向移動手段16yと同様である。
【0301】
このように、本発明の振動体4は、被駆動体の内周面に当接するように設置されてもよい(前記の実施形態における振動体4についても同様)。
【0302】
以上、本発明の浮揚体を図示の実施形態について説明したが、本発明は、図示の実施形態に限定されるものではなく、浮揚体を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。
【0303】
例えば、振動体の形状、構造は、図示の構成に限らず、被駆動体を回転駆動することができるものであればいかなるものでもよい。例えば、圧電素子が1枚のものや、補強板を有さないものや、被駆動体と当接する部分に向かって幅が漸減するような形状のものや、複数の腕部(例えば、一対の腕部)を有するもの等であってもよい。
【0304】
また、本発明の浮揚体は、小型のものから比較的大型のものまでいかなる大きさのものにも適用することができるが、特に、回転翼を備えたロータの直径が10〜300mm程度の小型の浮揚体に好適である。
【0305】
また、本発明の浮揚体は、回転翼を備えたロータが1つ設けられているようなものでもよく、また、3つ以上設けられているようなものでもよい。
【0306】
また、本発明の浮揚体は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたようなものであってもよい。
【0307】
また、本発明の浮揚体は、検知手段により測定、調査または情報収集等を行うものに限らず、例えば、玩具や、輸送機として使用されるものに適用してもよい。
【0308】
また、本発明の浮揚体は、少なくともロータと、振動体と、ロータと連動して回転する被駆動体と、検知手段とを有していればよく、前記の実施形態における他の構成要素(姿勢変更手段、固定手段等)の全部または一部は、有していなくてもよい。
【0309】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、圧電素子を備えた振動体を用いて、回転翼を有するロータを回転駆動することにより、構造が簡単で、小型化・軽量化に有利であり、高性能な浮揚体が得られる。
【0310】
また、検知手段を設けたことにより、周辺の環境において、所定の測定、調査または情報収集等を行うことができる。
【0311】
また、錘要素と、該錘要素を変位させる変位手段とを設けた場合には、浮揚体の姿勢を制御することができ、これにより、容易かつ確実に、任意の位置に移動(飛行)させることができる。よって、目的箇所まで飛行して、所定の測定、調査または情報収集等を行うことができる。さらに、錘要素に検知手段を設置した場合には、小型化・軽量化に特に有利である。
【0312】
また、停留部に対する固定手段を設けた場合には、目的箇所にとどまって長時間(長期間)に渡り、所定の測定、調査または情報収集等を行うことができる。
【0313】
また、互いに反対方向に回転する2つのロータを設けた場合には、基部の回転を防止したり、向きを制御したりすることができる。特に、この2つのロータを同軸的に設けた場合には、大型化・重量増加を招来することなく、上記効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の浮揚体の第1実施形態を示す斜視図(細部は省略)である。
【図2】図1に示す浮揚体におけるロータを示す側面図である。
【図3】図1に示す浮揚体における中空中心軸付近を拡大して示す断面側面図である。
【図4】図1に示す浮揚体における振動体の斜視図である。
【図5】図5は、図1に示す浮揚体における振動体が被駆動体を駆動する様子を示す平面図である。
【図6】図1に示す浮揚体における振動体の凸部が楕円運動する様子を示す平面図である。
【図7】図1に示す浮揚体における姿勢変更手段のx軸方向移動手段のy軸に対して垂直な面での断面図である。
【図8】図1に示す浮揚体における姿勢変更手段のx軸方向移動手段の側面図(フレームや錘要素等は図示省略)である。
【図9】図1に示す浮揚体における姿勢変更手段のy軸方向移動手段のx軸に対して垂直な面での断面図である。
【図10】図1に示す浮揚体における振動体の斜視図である。
【図11】図1に示す浮揚体における振動体が被駆動体を駆動する様子を示す側面図である。
【図12】図1に示す浮揚体における振動体が被駆動体を駆動する様子を示す側面図である。
【図13】図1に示す浮揚体の回路構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の浮揚体の第2実施形態における固定手段を示す部分断面側面図である。
【図15】本発明の浮揚体の第3実施形態における固定手段を示す側面図である。
【図16】本発明の浮揚体の第4実施形態における姿勢変更手段をy軸方向から見た図(正面図)である。
【図17】本発明の浮揚体の第4実施形態における姿勢変更手段をx軸方向から見た図(側面図)である。
【図18】本発明の浮揚体の第5実施形態を示す斜視図(細部は省略)である。
【図19】図18に示す浮揚体におけるx軸方向移動手段をy軸方向から見た断面図である。
【図20】図18に示す浮揚体におけるy軸方向移動手段をx軸方向から見た図(側面図)である。
【図21】図18に示す浮揚体におけるy軸方向移動手段の他の構成例をx軸方向から見た図(側面図)である。
【符号の説明】
1、1A 浮揚体
2 基部
21 基板
23 振動体取付部
24 中空中心軸
25 振動体取付部
26 フランジ部材
3 ロータ
31 筒状部材
32 回転翼固定部材
321 筒状部
322 固定部
33 被駆動体
331 外周面
34 回転翼
35 軸孔
36 回転中心線
4 振動体
41、45 電極
41a〜41d 電極
45a〜45d 電極
42、44 圧電素子
43 補強板
46 凸部
48 腕部
481 孔
49 中心線
5 ロータ
51 回転軸
52 接続部材
53 回転翼固定部材
531 筒状部
532 固定部
54 回転翼
55 被駆動体
551 外周面
56 ハブ
61 当接部
611 上端
62 錘要素
621 撮像手段
622 ローラ
63 レール部材
631 軸
64 被駆動体
641 湾曲凸面
65 被駆動体
651 湾曲凹面
7 位置検出手段
71 スリット板
72 センサー
8 姿勢制御センサー
81x、81y、81z ジャイロセンサー
9 駆動制御回路
91x θx検出回路
91y θy検出回路
91z θz検出回路
92x θx制御回路
92y θy制御回路
92z θz制御回路
931 第1の駆動回路
932 第2の駆動回路
93x x駆動回路
93y y駆動回路
11 軸受け
12 ボルト
13 軸受け
14 錘要素
141 ケーシング
142 撮像手段
15 電池
16 姿勢変更手段
16x x軸方向移動手段
16y y軸方向移動手段
161 基板
171 フレーム
1711 突出部
172 ガイド
173 リードスクリュー
174 被駆動体
1741 外周面
175 スライダ
1751、1752 孔
176 スペーサ
177 振動体取付部
178 ボルト
181 アーム
182、184 被駆動体
1821、1841 外周面
183、185 軸
19A、19B、19C 固定手段
191 支柱
192 当接部
193 粘着剤層
194 矢尻部材
1941 中心軸
1942 係合部
195 ヒータ
196 電磁石
1961 コイル
100 天井
101 穴
L 光

Claims (30)

  1. 基部と、
    前記基部に対し回転可能に設置され、回転翼を備えた少なくとも1つのロータと、
    前記基部に設置され、圧電素子を備えた少なくとも1つの振動体と、
    前記振動体に当接し、かつ、前記基部に対し回転可能に設置され、前記ロータと連動して回転する被駆動体と、
    周辺の環境における所定の対象を検知する検知手段とを有し、
    前記振動体は、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより振動し、この振動により、前記被駆動体に力を繰り返し加えて前記被駆動体を回転駆動し、これにより前記ロータを回転させて地上面から浮揚することを特徴とする浮揚体。
  2. 前記検知手段の検知対象は、光、画像、電波、放射線、磁気、音、温度、湿度、圧力、風速およびガスよりなる群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の浮揚体。
  3. 停留部に対し固定可能な固定手段を有する請求項1または2に記載の浮揚体。
  4. 前記固定手段は、前記回転翼より上側において前記停留部に当接し得る当接部で構成されており、前記回転翼に作用する揚力により前記当接部を前記停留部に圧接することによって、前記停留部に対し固定可能である請求項3に記載の浮揚体。
  5. 前記固定手段は、前記停留部に対する結合力を生じる部材を有する請求項3に記載の浮揚体。
  6. 前記結合力を解除する手段を有する請求項5に記載の浮揚体。
  7. 少なくとも1つの錘要素と、重心移動用駆動源を備え、前記基部に対して前記錘要素を変位させる変位手段とを有し、
    前記変位手段により前記錘要素を変位させて重心を移動し、これにより前記ロータの軸の傾きを調節可能である請求項1ないし6のいずれかに記載の浮揚体。
  8. 前記検知手段は、前記錘要素に設けられている請求項7に記載の浮揚体。
  9. 停留部に対し固定可能な固定手段を有し、
    前記停留部に固定した状態で前記変位手段により前記錘要素を変位させることによって、前記検知手段の検知方向を変えることができる請求項8に記載の浮揚体。
  10. 前記ロータの軸に対して略垂直で、かつ、互いに直交するx軸およびy軸を想定したとき、前記変位手段は、前記錘要素を前記x軸方向に変位させるx軸方向変位手段と、前記錘要素を前記y軸方向に変位させるy軸方向変位手段とを有する請求項7ないし9のいずれかに記載の浮揚体。
  11. 前記x軸方向変位手段の重心移動用駆動源と前記y軸方向変位手段の重心移動用駆動源との少なくとも一方は、圧電素子を備えた少なくとも1つの振動体で構成されており、
    前記振動体は、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより振動し、この振動により、力を繰り返し加えるよう構成されている請求項10に記載の浮揚体。
  12. 前記x軸方向変位手段と前記y軸方向変位手段との少なくとも一方は、前記錘要素を所定の軸に沿って移動させるよう構成されている請求項10または11に記載の浮揚体。
  13. 前記x軸方向変位手段と前記y軸方向変位手段との少なくとも一方は、前記錘要素を該錘要素の重心から所定距離離間した軸を中心に回動させるよう構成されている請求項10ないし12のいずれかに記載の浮揚体。
  14. 前記x軸方向変位手段の重心移動用駆動源と前記y軸方向変位手段の重心移動用駆動源との少なくとも一方は、圧電素子を備えた少なくとも1つの振動体で構成されており、
    前記x軸方向変位手段と前記y軸方向変位手段との少なくとも一方は、基端側に前記振動体に当接する被駆動体が設けられ、該基端側を中心に回動可能に設置され、かつ、先端側に前記錘要素が設けられたアームを有し、
    前記振動体は、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより振動し、この振動により、前記被駆動体に力を繰り返し加えて前記被駆動体を駆動し、これにより前記アームを回動させて前記錘要素を移動させる請求項10に記載の浮揚体。
  15. 前記x軸方向変位手段の重心移動用駆動源は、圧電素子を備えた少なくとも1つの振動体で構成されており、
    前記x軸方向変位手段は、基端側に該x軸方向変位手段の前記振動体に当接する被駆動体が設けられ、該基端側において前記y軸に対して略平行な軸を中心に回動可能に設置され、かつ、先端側に前記錘要素が設けられたアームを有し、
    前記x軸方向変位手段の振動体は、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより振動し、この振動により、前記被駆動体に力を繰り返し加えて前記被駆動体を駆動し、これにより前記アームを回動させて前記錘要素を前記x軸方向に移動させ、
    前記y軸方向変位手段の重心移動用駆動源は、圧電素子を備えた少なくとも1つの振動体で構成されており、
    前記y軸方向変位手段は、該y軸方向変位手段の前記振動体に当接し、前記x軸に対して略平行な軸を中心に回動可能に設置された被駆動体を有し、該被駆動体には、前記x軸方向変位手段が設置されており、
    前記y軸方向変位手段の振動体は、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより振動し、この振動により、前記被駆動体に力を繰り返し加えて前記被駆動体を駆動し、これにより前記x軸方向変位手段を回動させて前記錘要素を前記y軸方向に移動させる請求項10に記載の浮揚体。
  16. 前記錘要素の一方の回動中心は、他方の回動中心の近傍に位置している請求項15に記載の浮揚体。
  17. 前記x軸方向変位手段の重心移動用駆動源は、圧電素子を備えた少なくとも1つの振動体で構成され、前記錘要素に設けられており、
    前記x軸方向変位手段は、ほぼ円弧状をなすレール部材を有しており、
    前記レール部材は、前記円弧の弦が前記x軸に略平行な姿勢で、かつ、前記x軸に略平行な軸を中心として回動可能に設けられており、
    前記錘要素は、前記x軸方向変位手段の振動体が前記レール部材に当接した状態で、前記レール部材に沿って移動可能に設置されており、
    前記x軸方向変位手段の振動体は、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより振動し、この振動により前記レール部材に力を繰り返し加え、これにより前記錘要素を前記レール部材に沿って前記x軸方向に移動させ、
    前記y軸方向変位手段の重心移動用駆動源は、圧電素子を備えた少なくとも1つの振動体で構成されており、
    前記y軸方向変位手段は、該y軸方向変位手段の前記振動体に当接し、前記レール部材に一体化または固着された被駆動体を有し、
    前記y軸方向変位手段の振動体は、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより振動し、この振動により、前記被駆動体に力を繰り返し加えて前記被駆動体を駆動し、これにより前記レール部材を回動させて前記錘要素を前記y軸方向に移動させる請求項10に記載の浮揚体。
  18. 前記錘要素は、少なくとも、当該浮揚体のエネルギーを蓄積するエネルギー蓄積手段を有する請求項7ないし17のいずれかに記載の浮揚体。
  19. 前記錘要素の位置を検出する位置検出手段を有する請求項7ないし18のいずれかに記載の浮揚体。
  20. 前記ロータと連動して回転する被駆動体は、該ロータに一体化または固着されている請求項1ないし19のいずれかに記載の浮揚体。
  21. 前記被駆動体に当接する振動体は、前記被駆動体の半径方向外周側から該被駆動体に当接するように設置されている請求項1ないし20のいずれかに記載の浮揚体。
  22. 前記振動体は、長い方向と短い方向とを有する形状をなしている請求項1ないし21のいずれかに記載の浮揚体。
  23. 前記振動体の長手方向の端部付近が当接する請求項22に記載の浮揚体。
  24. 前記振動体は、板状をなしている請求項1ないし23のいずれかに記載の浮揚体。
  25. 前記振動体は、略長方形状をなしている請求項24に記載の浮揚体。
  26. 前記ロータを回転させる振動体は、該ロータの回転中心線に対し略垂直な姿勢で設置されている請求項24または25に記載の浮揚体。
  27. 前記振動体から突出して設けられた少なくとも1つの腕部を有し、前記振動体は、前記腕部により支持されている請求項1ないし26のいずれかに記載の浮揚体。
  28. 互いに反対方向に回転する2つの前記ロータを有する請求項1ないし27のいずれかに記載の浮揚体。
  29. 前記両ロータは、ほぼ同軸的に設置されている請求項28に記載の浮揚体。
  30. 前記両ロータの回転数をそれぞれ調整可能である請求項28または29に記載の浮揚体。
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