JP3783276B2 - 撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、撮像装置に関する。詳しくは、ビューファインダー部で撮影画像を表示するためのビューファインダー用映像信号を生成する映像信号生成手段と撮像素子から得られた撮像信号を用いてビューファインダー部で表示される撮影画像の輪郭を強調する輪郭補強信号を生成する補強信号生成手段をカメラ部に設けて、ビューファインダー部に表示された撮影画像の垂直走査方向と水平走査方向の輪郭を強調してフォーカス調整を容易とするものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、撮像装置では、撮影画像をモニタするためのビューファインダーが接続されている。このビューファインダーが接続された従来の撮像装置では、ビューファインダー内部に、輪郭強調信号(以下「ディテール信号」という)を生成するディテール生成回路が設けられている。このディテール生成回路では、ビューファインダー用の映像信号から高域成分が抽出されて、この高域成分を用いてディテール信号が生成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ビューファインダー用の映像信号は、γ補正やニー補正等の信号処理が行われて高域成分が少ないものとされている。このため、このビューファインダー用の映像信号からディテール信号を生成するには限度がある。
【0004】
また、水平走査方向の輪郭を検出するためにはラインメモリが必要とされて回路規模が大きくなることから、水平走査方向の輪郭に対するディテール信号は生成されず、このため縦方向のフォーカス調整が容易でなかった。
【0005】
そこで、この発明では、ビューファインダーに表示される画像の輪郭の強調を細かく調整することができると共に、縦方向のフォーカス調整も容易とすることができる撮像装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る撮像装置では、カメラ部は、ビューファインダー部で撮影画像を表示するためのビューファインダー用映像信号を生成する映像信号生成手段と、撮像素子から得られた撮像信号を用いてビューファインダー部で表示される撮影画像の輪郭を強調する輪郭補強信号を生成する補強信号生成手段とを備え、補強信号生成手段では、撮像信号を用いて撮影画像の垂直走査方向の輪郭の高域側を補強する高域補強信号と垂直走査方向の輪郭の低域側を補強する補強信号および水平走査方向の輪郭を強調するための補強信号を生成し、高域側を補強する高域補強信号と低域側を補強する補強信号および水平走査方向の輪郭を強調するための補強信号とを加算して輪郭補強信号を生成するものである。また、ビューファインダー部は、表示された画像の輪郭の補強量を操作する操作手段を有し、操作手段では、操作に応じた操作信号をカメラ部の補強信号生成手段に供給し、補強信号生成手段では、操作信号に基づき、高域側を補強する高域補強信号と低域側を補強する補強信号および水平走査方向の輪郭を強調するための補強信号の加算比や輪郭補強信号の信号レベルを制御するものである。
【0007】
この発明においては、撮像素子から得られた撮像信号を用いてビューファインダー部で表示される撮影画像の垂直走査方向と水平走査方向の輪郭を強調する輪郭補強信号が生成されて、例えばビューファインダー用映像信号と輪郭補強信号が加算されて輪郭が強調された映像信号がビューファインダー部に供給される。
【0008】
また、ビューファインダー部の操作手段を操作することにより、垂直走査方向の輪郭を強調する補強信号と水平走査方向の輪郭を調整する補強信号の加算比や輪郭補強信号の信号レベルが制御されて、表示される画像の輪郭の強調レベルが可変される。
【0009】
【発明の実施の形態】
続いて、この発明に係る撮像装置の一実施態様を図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
撮像装置は図1に示すように、3個の固体撮像素子(以下は「CCDイメージセンサ」という)が使用され、被写体12を撮影してCCDイメージセンサ20,22,24から三原色撮像信号Sr,Sg,Sbが得られるようになされている。これら3個のCCDイメージセンサから得られる三原色撮像信号Sr,Sg,Sbは、A/D変換器30,32,34に供給されて、第1のサンプリング周波数(fsとする。fsは例えば18MHz)によってディジタル化される。この三原色撮像信号Sr,Sg,Sbのスペクトラムを図2A,Bに示す。なお、図2において鎖線は側波帯成分を示している。
【0011】
ディジタル化された撮像信号はプリプロセッサ40においてプリプロセス処理が行われる。プリプロセス処理とは、プリアンプ処理、補間処理、それに伴うフィルタ処理、シェーディング処理などを総称した信号処理を言う。
【0012】
プリプロセス処理を施された赤色撮像信号Srは遅延部43で1水平走査期間だけ遅延されて赤色撮像信号Sr1Hとして補強信号生成手段であるイメージエンハンサ70に供給される。さらに、赤色撮像信号Sr1Hは、遅延部44で更に1水平走査期間だけ遅延されて、赤色撮像信号Sr2Hとしてイメージエンハンサ70に供給される。
【0013】
同様に、緑色撮像信号Sgは遅延部45で1水平走査期間だけ遅延されて緑色撮像信号Sg1Hとしてイメージエンハンサ70に供給される。さらに、緑色撮像信号Sg1Hは、遅延部46で更に1水平走査期間だけ遅延されて、緑色撮像信号Sg2Hとしてイメージエンハンサ70に供給される。また青色撮像信号Sbは、イメージエンハンサ70に供給される。
【0014】
さらに、青色撮像信号Sbと、この青色撮像信号Sbと画像位置が対応する赤色撮像信号Sr1Hと緑色撮像信号Sg1Hがアップコンバータ50,56,58に供給されてアップコンバート処理などが行われる。アップコンバータ50(56,58も同様)は図4に示すようにレートコンバータ52とディジタルローパスフィルタ54とで構成される。
【0015】
レートコンバータ52では第1のサンプリング周波数fsよりも高い第2のサンプリング周波数f2を使用してアップコンバートされる。アップコンバート処理は、できるだけ高調波成分による折り返し成分が基本波成分内に混入しないようにするためで、f2としてこの例では2fsを示す。
【0016】
このレートコンバータ52でアップコンバートされた撮像信号は後段のディジタルローパスフィルタ54によって通過帯域が制限される。このディジタルローパスフィルタ54では、ニー処理やガンマ処理あるいはホワイトクリップ処理などの非線形処理等で発生する折り返し成分を抑圧するために、折り返る元の高調波自体を抑圧できるように、2fs/3を阻止周波数とした帯域制限が加えられる(図2C,D)。このように帯域制限された撮像信号は次段の色補正回路60で画像全体に対する色補正処理が行われる。
【0017】
イメージエンハンサ70は図5に示す構成とされる。ディジタルの緑色撮像信号Sg,Sg1H,Sg2Hと赤色撮像信号Sr,Sr1H,Sr2Hおよび、青色撮像信号Sbはミキサ72に供給される。このミキサ72では、2fsのスイッチングパルスを使用して撮像信号のミックス処理が行われる。このミキサ72から得られた合成信号SMIXはアパーチャー強調回路74に供給されて、合成信号SMIXに基づき、図6Aで示すような高域補強特性となされた高域補強信号(アパーチャー補強信号)Saが生成される。この高域補強信号Saのスペクトルを図2Eに示す。
【0018】
合成信号SMIXはさらに低域側の補強を行うために、本例では低域側をさらに3つの帯域に分けた周波数領域に対する補強信号が生成される。本例では第1のローパスフィルタ(ディジタルローパスフィルタ)78で図6Bの曲線FHで示すように、比較的に高域側(例えば7MHz近傍)のゲインがアップするようなフィルタ特性が付与されており、補強信号Shが生成される(図2F)。また第2のローパスフィルタ80で図6Bの曲線FMで示すように中域、例えば5MHz近傍のゲインがアップするようなフィルタ特性が付与されており、補強信号Smが生成される(図2G)。同様に、第3のローパスフィルタ82で図6Bの曲線FLで示すように低域、例えば4MHz近傍のゲインがアップするようなフィルタ特性が付与されており、補強信号Slが生成される(図2H)。なお、第1の補強信号は補強信号Sl,Sm等で構成される。
【0019】
合成信号SMIXは、水平走査方向の輪郭を補強するために、垂直ディテールフィルタ83に供給されて、垂直ディテールフィルタ83で図6Cに示すようなフィルタ特性が付与されており、第2の補強信号である補強信号Svtが生成される。この補強信号Svtのスペクトルを図2J,Kに示す。なお、図2Kにおいて「fv」は垂直周波数を示している。
【0020】
高域補強信号Saは乗算器76,77に供給にされて、乗算器76に与えられる係数Kaおよび乗算器76に与えられる係数Kvaによって信号レベルが調整されて出力される。この乗算器77の出力は加算器100に供給される。
【0021】
補強信号Shは乗算器84,92に供給にされて、乗算器84に与えられる係数Khおよび乗算器92に与えられる係数Kvhによって信号レベルが調整されて出力される。この乗算器84の出力は加算器90に供給されると共に、乗算器92の出力は加算器100に供給される。
【0022】
補強信号Smは乗算器86,94に供給にされて、乗算器86に与えられる係数Kmおよび乗算器94に与えられる係数Kvmによって信号レベルが調整されて出力される。この乗算器86の出力は加算器90に供給されると共に、乗算器94の出力は加算器100に供給される。
【0023】
補強信号Slは乗算器88,96に供給にされて、乗算器88に与えられる係数Klおよび乗算器96に与えられる係数Kvlによって信号レベルが調整されて出力される。この乗算器88の出力は加算器90に供給されると共に、乗算器96の出力は加算器100に供給される。
【0024】
補強信号Svtは乗算器98に供給にされて、乗算器98に与えられる係数Kvt与えられる係数Kvtによって信号レベルが調整されて出力される。この乗算器98の出力は加算器100に供給される。
【0025】
なお、係数Ka,Kh,Km,Klおよび係数Kva,Kvh,Kvm,Kvl,Kvtは、後述するマイクロコンピュータ((以下「マイコン」という)150から供給される。
【0026】
加算器90では、信号レベルが調整された補強信号Sh,Sm,Slが加算されて低域補強信号Scが生成される(図3L)。また加算器100では、信号レベルが調整された高域補強信号Saと補強信号Sh,Sm,Slおよび補強信号Svtが加算されてビューファインダー用の輪郭補強信号SVDTLが生成される(図3M)。なお、加算器100では、水平走査方向の輪郭を補強するための補強信号Svtと、垂直走査方向の輪郭を補強する補強信号のいずれかを選択して、ビューファインダー用の輪郭補強信号SVDTLを生成するものとしてもよい。例えば補強信号Svtと補強信号Slに基づいて輪郭補強信号SVDTLを生成することもできる。
【0027】
このようにして生成された、高域補償信号Saは図1に示す加算器116,118,120に供給される。また低域補強信号Scは加算器62,64,66に供給される。さらに輪郭補強信号SVDTLは加算器145に供給される。
【0028】
加算器62,64,66では、色補正された撮像信号に低域補強信号Scが加算されて低域補償される(図3N,P)。
【0029】
低域補償された撮像信号Sgc,Src,Sbcは非線形処理回路110,112,114に供給されて各種の非線形処理が施される。非線形処理とは上述したように、ニー処理、ガンマ処理、ホワイトクリップ処理などを指す。
【0030】
非線形処理後の各撮像信号に対して加算器116,118,120で高域補強信号Saの加算処理が行われ、高域までブロードな周波数特性となされた撮像信号Sga,Sra,Sbaが得られる(図3Q,R)。
【0031】
このような周波数特性の補正処理が施されたのち、各撮像信号が映像信号生成手段を構成するY/Cマトリックス回路130に供給されて、輝度信号Yと一対のクロマ信号Cr,Cbとが生成されると共にビューファインダー用の輝度信号YVFが生成される(図3S)。
【0032】
このビューファインダー用の輝度信号YVFは加算器145に供給される。この加算器145にはイメージエンハンサ70からビューファインダー用の輪郭補強信号SVDTLが供給されており、信号YVFと輪郭補強信号SVDTLが加算されてビューファ信号SVFとしてビューファインダー部200に供給される(図3T)。
【0033】
また、このビューファインダー部200には、補強信号調整用の操作部(図示せず)が設けられており、この操作部が操作されると操作に応じて操作信号VTCが撮像装置のマイコン150に供給される。このマイコン150では、操作信号VTCに基づき係数Kva,Kvh,Kvm,Kvl,Kvtの係数値が変更される。
【0034】
このため、輪郭補強信号SVDTLによってビューファインダー部200に表示される画像の垂直走査方向および水平走査方向の輪郭が強調されると共に、操作信号VTCによって輪郭補強信号SVDTLの周波数特性や信号レベルを制御して輪郭の強調量を可変することができる。
【0035】
なお、輝度信号Yとクロマ信号Cr,CbはD/A変換器132,134,136でアップコンバートしたままの状態でアナログ信号に戻すこともできれば、レートコンバータ140に供給して第1のサンプリング周波数fsを使用して元のサンプリングレートにダウンコンバートすることもできる。レートコンバータ140の出力はディジタルVTR(D1型ディジタルVTRなど)を使用してディジタル撮像信号のまま記録することもできる。
【0036】
このように、上述の実施の形態によれば、ビューファインダー部200に表示される画像の水平走査方向の輪郭も強調することができるので、縦方向のフォーカス調整を容易に行うことができる。また、ビューファインダー部200の操作部を操作して、輪郭の補強をより細かくまた容易に制御することができる。
【0037】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、撮像信号を用いてビューファインダー部で表示される撮影画像の垂直走査方向と水平走査方向の輪郭を強調する輪郭補強信号が生成されると共に、例えばビューファインダー用映像信号と輪郭補強信号が加算されて輪郭が強調された映像信号がビューファインダー部に供給されるので、垂直走査方向の輪郭だけでなく水平走査方向の輪郭も強調することができる。このため、縦方向のフォーカス調整も容易とすることができる。
【0038】
また、ビューファインダー部の操作手段を操作することにより、垂直走査方向の輪郭を強調する第1の補強信号と水平走査方向の輪郭を調整する第2の補強信号の加算比や生成される輪郭補強信号の信号レベルを制御できるので、きめ細やかな輪郭強調を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る撮像装置の実施の一形態の構成を示す図である。
【図2】ディジタル信号処理を説明するための波形図(1/2)である。
【図3】ディジタル信号処理を説明するための波形図(2/2)である。
【図4】アップコンバータ50の構成を示す図である。
【図5】イメージエンハンサ70の構成を示す図である。
【図6】イメージエンハンサ70のフィルタ特性を示す図である。
【符号の説明】
20,22,24・・・固体撮像素子(CCDイメージセンサ)、30,32,34・・・A/D変換器、40・・・プリプロセッサー、60・・・色補正回路、70・・・イメージエンハンサ、130・・・Y/Cマトリクス回路、150・・・マイクロコンピュータ(マイコン)、200・・・ビューファインダー部
Claims (3)
- 被写体を撮影して映像出力信号を得るカメラ部と、このカメラ部で撮影された撮影画像を表示するビューファインダー部とを備える撮像装置において、
上記カメラ部では、上記ビューファインダー部で撮影画像を表示するためのビューファインダー用映像信号を生成する映像信号生成手段と、
撮像素子から得られた撮像信号を用いて上記ビューファインダー部で表示される撮影画像の輪郭を強調する輪郭補強信号を生成する補強信号生成手段とを備え、
上記補強信号生成手段では、上記撮像信号を用いて撮影画像の垂直走査方向の輪郭の高域側を補強する高域補強信号と上記垂直走査方向の輪郭の低域側を補強する補強信号および水平走査方向の輪郭を強調するための補強信号を生成し、上記高域側を補強する高域補強信号と上記低域側を補強する補強信号および水平走査方向の輪郭を強調する補強信号とを加算して輪郭補強信号を生成する
ことを特徴とする撮像装置。 - 上記ビューファインダー部は、表示された画像の輪郭の補強量を操作する操作手段を有し、
上記操作手段では、操作に応じた操作信号を上記カメラ部の補強信号生成手段に供給し、
上記補強信号生成手段では、上記操作信号に基づき、上記高域側を補強する高域補強信号と上記低域側を補強する補強信号および上記水平走査方向の輪郭を強調するための補強信号の加算比や上記輪郭補強信号の信号レベルを制御する
ことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。 - 上記補強信号生成手段は、上記撮像信号と、1水平走査期間遅延された上記撮像信号と、さらに1水平期間遅延された上記撮像信号とを合成して合成信号を生成し、該合成信号をフィルタ処理して、上記高域側を補強する高域補強信号と上記低域側を補強する補強信号および上記水平走査方向の輪郭を強調するための補強信号を生成する
ことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
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JP09128496A JP3783276B2 (ja) | 1996-04-12 | 1996-04-12 | 撮像装置 |
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Family Applications (1)
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JP09128496A Expired - Lifetime JP3783276B2 (ja) | 1996-04-12 | 1996-04-12 | 撮像装置 |
Country Status (1)
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1996
- 1996-04-12 JP JP09128496A patent/JP3783276B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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