JP3783051B2 - 結晶性ミクロ多孔体の製造方法 - Google Patents

結晶性ミクロ多孔体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸着剤、触媒および分離用の材料等に用いられる結晶性ミクロ多孔体に関し、具体的にはフロン系の冷媒、高電圧用電力機器の絶縁媒体である弗化硫黄ガスや、車輌用エアーブレーキの空気等の乾燥に用いる吸着剤、排水中の窒素化合物および放射性排水中の放射性物質等の吸着剤、あるいは種々の金属を担持させ種々の用途に対応する触媒として、主に石油化学工業の分野等に利用される結晶性ミクロ多孔体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
結晶性ミクロ多孔体としては、天然物として、モルデナイト、フェリエライトなどの如く多数存在し、また人造の結晶性ミクロ多孔体としても、A型ゼオライト、X型ゼオライト、ZSM−5(特公昭46−10064号公報参照)およびZSM−11(特公昭53−23280号公報参照)等いろいろな種類のものが知られている。
【0003】
上述のような人造の結晶性ミクロ多孔体は、通常、二酸化ケイ素成分、及び、酸化アルミニウム成分、及び、有機アンモニウム塩を含んでなるアルカリ性の混合液を形成する混合工程を行ったのち、その混合液を高圧条件下で加熱して、結晶性ミクロ多孔体を析出させる結晶化工程を行う、いわゆる水熱合成法によって製造されていた。
この水熱合成法により製造される結晶性ミクロ多孔体の結晶は、約50μm以下と比較的微細であり、イオン交換や触媒担体の分野において使用されている。
【0004】
また、テトラ−n−プロピルアンモニウムイオン等を含有する反応溶液と、溶融石英管切片等の二酸化ケイ素成分含有バルク体とを耐圧反応容器内に充填し、前記二酸化ケイ素成分含有バルク体を前記反応溶液中に静置させた状態で加熱しながら一定時間放置し、冷却後、内容物を洗浄・乾燥させる結晶性ミクロ多孔体の製造方法が提案されており、数十μm以上の組成が一定した単結晶の結晶性ミクロ多孔体の製造に利用されることが見出されている。
この製造方法で、得られた結晶性ミクロ多孔体は、分子ふるい膜、固体電解質膜、電子デバイス、センサー等の用途に適用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の水熱合成法によれば、得られた結晶性ミクロ多孔体自体には粘結力が少ないために、きわめて高温で焼結したり、無機結合剤等のバインダを介在させて成型したりしなければならず、そのために、高温での焼結により結晶の表面層が融解して多孔質構造が塞がれたり、成型物中に結晶性ミクロ多孔体が占める割合が少なくなったりして、成型物は単位重量当たりの前記多孔質構造の割合が少なくなり、前記多孔質構造に由来する吸着活性、触媒活性等の物性は、低いものになりがちであった。
そのため、後者の製造方法によって、結晶化後に成形等の操作を不要にすることのできる技術が提案されているのであるが、このような方法によっても、結晶性ミクロ多孔体は、二酸化ケイ素成分含有バルク体の表面上に生成するだけのものであったため、反応後に全体としてみた場合に、成形体の単位重量当りの多孔質構造の割合は、やはり少ないものであった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、単位重量の成型物に多孔質構造の占める割合の高い結晶性ミクロ多孔体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明結晶性ミクロ多孔体の製造方法の特徴構成は、反応溶液に結晶性ミクロ多孔体の骨格構造を形成可能な二酸化ケイ素成分含有バルク体を浸水させる浸水工程と、前記反応溶液を攪拌させる攪拌工程とを含み、かつ該反応溶液にふっ化水素酸を含有させたことにある。また、前記反応溶液に、アンモニウムイオン(R 4 + :Rは水素、炭素数10以下のアルキル基あるいはアリール基から選ばれる少なくとも一種)、ホスホニウムイオン(R 4 + :Rは水素、炭素数10以下のアルキル基あるいはアリール基から選ばれる少なくとも一種)、アミン類から選ばれる少なくとも一種の結晶化調整剤を含有させても良い。また、前記反応溶液に、アルミニウム塩を含有させても良い。また、結晶性ミクロ多孔体からなる種結晶の存在下で、前記攪拌工程を行っても良い。
【0008】
[作用]発明者らは、反応溶液に結晶性ミクロ多孔体の骨格構造を形成可能な二酸化ケイ素成分含有バルク体を浸水させ、バルク体の表面に、結晶性ミクロ多孔体の結晶膜を均一に成長させる場合に、前記反応溶液を攪拌させておき、かつ反応溶液にふっ化水素酸を含有させておけば、同時に前記バルク体が、その形状のまま、速やかに結晶性ミクロ多孔体に変換されることを、反応終了後の前記バルク体の組成のX線解析パターンを測定する事により実験的に見いだし、その新知見に基づき、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、理論に拘泥するつもりはないが、反応溶液に接している二酸化ケイ素成分含有バルク体の表面から、二酸化ケイ素成分が溶解することにより、二酸化ケイ素成分含有バルク体の表面上で、反応溶液中の結晶化調整剤イオンまたは無機イオン成分と複合体微粒子を形成し、これが結晶化して成長するものと考えられている。本願発明では、これに加えて前記反応溶液が攪拌されているから、前記二酸化ケイ素成分含有バルク体の表面上における二酸化ケイ素成分の濃度勾配が短時間になくなり、一斉に結晶核が二酸化ケイ素成分−反応溶液界面で生成し、均一な結晶凝集体が二酸化ケイ素成分含有バルク体表面に成長すると考えられる。
【0010】
一方、前記バルク体表面においては、前記バルク体表面に存在する二酸化ケイ素成分が、高温の反応溶液との接触により溶解、析出の平衡に達し、前記二酸化ケイ素成分が、反応溶液中の結晶化調整剤イオンまたは無機イオン成分と反応し複合体微粒子に変換されるものと考えられる。特に、反応溶液が攪拌されているから、前記バルク体表面に結晶性ミクロ多孔体の層が生成した後にも、前記反応溶液中に生成される結晶化調整剤イオン、無機イオン成分、複合体微粒子、または、溶解生成した二酸化ケイ素成分からなる化学種が、前記バルク体表面において高濃度の状態で蓄積されることはなく、これらの化学種が反応溶液中で均一な濃度で、若干の過飽和の状態になっているものと考えられる。前記のバルク体表面に生成した結晶性ミクロ多孔体層のすぐ下には、その後の二酸化ケイ素の溶解によって生じた微小な空間が生じており、この空間は、前記のバルク体表面に生成した結晶性ミクロ多孔体層中の結晶を核として結晶性ミクロ多孔体へと成長する過飽和状態の前記の化学種によって、すぐに埋め尽くされてしまうので、前記バルク体を全体にわたって結晶性ミクロ多孔体に変換させることができるものと考えられる。
【0011】
従って、結晶性ミクロ多孔体が、二酸化ケイ素成分含有バルク体表面に生成し、さらに、二酸化ケイ素成分含有バルク体の内部も結晶性ミクロ多孔体に変換される。その結果、原料として使用される二酸化ケイ素成分は、有効に結晶性ミクロ多孔体として利用されることになる。
【0012】
尚、二酸化ケイ素成分含有バルク体における二酸化ケイ素成分が、非晶質を多く含有する場合、結晶質を含有する場合よりも、二酸化ケイ素成分が溶解しやすいために、より短時間で、二酸化ケイ素成分含有バルク体の内部まで結晶性ミクロ多孔体凝集体に変換させることができる。
【0013】
尚、バルク体の形状は任意であり、球状物、塊状破砕物、板状体、棒状ないし線状体、管状体等、種々の形態のものを使用することができる。さらに,容器状または管状のバルク体の内面に前記の反応溶液を流動させ加熱することによって、容器または管内面の一定の領域を、結晶性ミクロ多孔体に変換することもできる。
この場合変換領域(特に膜厚)は反応温度、反応時間等の条件によって制御することができる。
【0014】
また、前記反応溶液に、アンモニウムイオン(R4+:Rは水素、炭素数10以下のアルキル基あるいはアリール基から選ばれる少なくとも一種)、ホスホニウムイオン(R4+:Rは水素、炭素数10以下のアルキル基あるいはアリール基から選ばれる少なくとも一種)、アミン類から選ばれる少なくとも一種の結晶化調整剤を含有させれば、前記バルク体をその形状のまま、例えば、ZSM−5型等の結晶性ミクロ多孔体に変換させることが可能である。
即ち、結晶化調整剤を含有する反応溶液が攪拌されているから、前記二酸化ケイ素成分含有バルク体の表面上における二酸化ケイ素成分の濃度勾配が短時間になくなり、二酸化ケイ素成分濃度が、結晶化調整剤との反応当量に達した時点で、一斉に結晶核が二酸化ケイ素成分−反応溶液界面で生成し、均一な結晶凝集体が二酸化ケイ素成分含有バルク体表面に成長すると考えられる。
一方、前記バルク体表面においては、前記バルク体表面に存在する二酸化ケイ素成分が、高温の反応溶液との接触により溶解、析出の平衡に達し、この条件下で、前記結晶化調整剤が作用すれば、前記二酸化ケイ素成分が、複合体の微粒子に変換されるものと考えられる。特に、結晶化調整剤を含有する反応溶液が攪拌されているから、前記結晶化調整剤を含有する水溶液は、前記バルク体内部にまで浸潤しやすく、前記バルク体を全体にわたって結晶性ミクロ多孔体に変換させることができるものと考えられる。
【0015】
尚、前記結晶化調整剤としては、アンモニウムイオン(R4+:Rは水素、炭素数10以下のアルキル基あるいはアリール基から選ばれる少なくとも一種)、ホスホニウムイオン (R4+:Rは水素、炭素数10以下のアルキル基あるいはアリール基から選ばれる少なくとも一種)、アミン類から選ばれる少なくとも一種のものであれば良く、特に、テトラn−ブチルアンモニウムイオン((n−C494+)、テトラn−プロピルアンモニウムイオン((n−C374+)、テトラエチルアンモニウムイオン((C254+)、テトラメチルアンモニウムイオン((CH34+)、n−プロピルトリメチルアンモニウムイオ ン((n−C37)(CH33+)、ベンジルトリメチルアンモニウムイオン((C77 )(CH33+)、テトラn−ブチルホスホニウムイオン((n−C494+)、ベン ジルトリフェニルホスホニウムイオン((C77)(C653+)、1,4−ジメチル−1,4−ジアゾビシクロ(2,2,2)オクタン、ピロリジン、n−プロピルアミン(n−C37NH2)、メチルキヌクリジン、から選ばれる少なくとも一種を含むものであれば好 ましく、種々のアンモニウム塩、ホスホニウム塩、アミン類を用いることが出来ると考えられる。
【0016】
テトラプロピルアンモニウム塩を用いると、最終生成物はZSM−5型の(MFI構造)結晶性ミクロ多孔体が得られ、またテトラブチルアンモニウム塩を用いれば、MEL構造の結晶性ミクロ多孔体が得られるので、合成すべき構造によって前記有機アンモニウム塩を選択すれば、種々の孔径の結晶性ミクロ多孔体が得られる。
【0017】
また、前記結晶化調整剤を含有する反応溶液に、アルカリ金属の塩又はアルカリ土類金属の塩(例えば、アルミニウム塩)を共存させると、アルカリ金属又はアルカリ土類金属(例えば、アルミニウム)を含んだ結晶性ミクロ多孔体を形成することができる。これは、前記二酸化ケイ素成分含有バルク体の表面から溶解した二酸化ケイ素成分と前記結晶化調整剤が作用する際、アルミニウムを含んだ状態で、前記結晶化調整剤の周りに無機材料が集合し、複合体の微粒子が形成され結晶化するものと考えられている。
従って、例えば、MOR構造を有するモルデナイトからなる結晶性ミクロ多孔体をも製造することができ、さらに、多種多様な結晶性ミクロ多孔体を得るのに役立てられる。
【0018】
また、結晶性ミクロ多孔体からなる種結晶の存在下で、前記攪拌工程を行う場合、より結晶化を促進させられ、結晶サイズのばらつきが少なく、緻密な結晶性ミクロ多孔体を得ることができる。この原因として、前記種結晶が高温の反応溶液の中で、結晶性ミクロ多孔体構造を有するクラスターとして溶け出し、これらのクラスターが均一に拡散して、同じ構造を生成する結晶核として働くためと考えられる。
【0019】
【発明の効果】
その結果、本発明の結晶性ミクロ多孔体の製造方法によると、二酸化ケイ素成分含有バルク体が、全体として結晶性ミクロ多孔体に変換されるため、あらかじめ二酸化ケイ素成分含有バルク体を特定の形状に成形しておけば、バインダなしに、前記バルク体の形状の結晶性ミクロ多孔体の成形体を得ることができた。 そのため、従来よりも単位重量あたりの多孔質構造の割合を大きく取れるようになり、従来は成形物としての性能が低いという原因で用いられなかった種々の分野においても結晶性ミクロ多孔体利用することが可能になった。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を示すが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0021】
東京化成株式会社製のテトラ−n−プロピルアンモニウムヒドロキシド溶液(20〜25%)8.02gを和光純薬工業株式会社製の蒸留水9.04gで希釈し、さらに和光純薬工業株式会社製のふっ化水素酸(46%)0.16g加えた溶液を反応溶液3とした。
MFI型の結晶性ミクロ多孔体からなる種結晶4を、重量0.05gとり、23mlの容量を持つ耐圧反応容器1(米国Parr Instrument Company製のもので、品番は4749である。)中に充填した。
【0022】
さらに、内径8mm外径10mm長さ17mmで、重量1.0gの溶融石英管2を、PTFE丸棒からなる支持部材5で、図1のように固定し、浸水させた(浸水行程)。
これを、図示していない熱風循環式定温恒温器内で、200℃に保った状態で、1464時間回転させながら(攪拌行程)加熱し、反応を行った後、前記耐圧反応容器1を室温で放置し冷却した。
【0023】
尚、反応時間は、温度に依存する傾向があると考えられているが、前記溶融石英管2の表面に、約0.1mm程度の結晶膜を形成させる場合、約120時間の反応時間を要した。また、厚みが1mmの前記溶解石英管2を、すべてシリカライト成型体に変換させる場合、1ヶ月以上の反応時間を要した。
また、前記溶融石英管2とは溶融石英で作られた管であり、溶融石英とは天然の結晶性石英を溶融して非晶質の成型体としたもので、通常石英ガラスと呼ばれているSiO2のみか らなる材料を指す。
【0024】
この後、内容物を取り出し、十分に蒸留水にて洗浄し室温で放置することによって乾燥させた。この生成物は、原料の溶融石英管2と同じ管形状の白色のものであった。この生成物を光学顕微鏡で観察したところ、数十μm程度の微結晶の凝集体である結晶性ミクロ多孔体であることがわかった。
【0025】
尚、ふっ化水素酸を前記反応溶液に混入させた場合、生成する結晶性ミクロ多孔体結晶の成長速度が、大きくなる傾向があることがわかった。この効果は、ふっ化水素酸が二酸化ケイ素成分を溶解する固有の性質によるものと考えられる。
【0026】
また、前記バルク体に由来する生成物の一部をめのうの乳鉢で粉砕し、X線回析パターンを株式会社リガク社製の粉末X線回析装置(品番RINT2500)で測定したところ、MFI型の結晶性ミクロ多孔体であることがわかり、前記バルク体が内部に至るまで結晶性ミクロ多孔体に変換されていることがわかった。図2に、そのX線解析スペクトル図を示す。
【0027】
[種結晶の合成方法]
東京化学株式会社製のテトラ−n−プロピルアンモニウムヒドロキシド溶液(20〜25%)8.02gを和光純薬工業株式会社製の蒸留水5.51gで希釈し、さらに和光純薬工業株式会社製のふっ化水素酸(46%)0.42g加えた溶液を反応溶液とした。
次に、この反応溶液に、触媒化成工業性コロイダルシリカSi−30(SiO2含量30 w%)5.01gを加え、23mlの容量を持つ米国Parr Instrument Company製の耐圧反応容器1(品番4749)中に充填した。
これを、図示していない熱風循環式定温恒温器中で、200℃に保った状態で、119時間加熱後、耐圧反応容器を室温で放置し冷却した後、ろ過によって回収し乾燥させた。
X線回折パターンを株式会社リガク製の粉末X線回折装置(品番RINT2500)で測定したところ、MFI型の結晶性ミクロ多孔体であることがわかった。
この、MFI型の結晶性ミクロ多孔体を種結晶に用いた。
【0028】
[別実施形態]
前記結晶化調整剤を含有する溶液に、アルミニウム塩を含有させることで、アルミニウムを含んだ結晶性ミクロ多孔体を形成しやすくできるが、アルミニウム塩の添加は、前記結晶化調整剤を含有する溶液に、アルミン酸ナトリウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミニウムのアルコキシド化合物等を加えるか、直接アルミニウムを添加することによって可能である。
【0029】
前記二酸化ケイ素成分含有バルク体に、予めアルミニウムを含有させたものを使用することも可能である。アルミニウムは、含有前記二酸化ケイ素成分含有バルク体に、均一に分布するように含有させておけば、結晶性ミクロ多孔体の結晶構造中のアルミニウム分布も均一になるため、より好適である。
この方法は、結晶構造中に必要なアルミニウム量が比較的多い結晶性ミクロ多孔体の製造に有利であり、例えば、A型、X型またはY型の結晶性ミクロ多孔体等の製造に好ましい。
【0030】
ふっ化水素の存在下で前記攪拌工程を行えば、二酸化ケイ素成分含有バルク体からの二酸化ケイ素成分を溶解させやすくできるので、バルク体内部における二酸化ケイ素成分の複合体微粒子への変換が、より促進させられる。
【0031】
前記発明の実施の形態では、攪拌工程を行う際の加熱温度を200℃としたが、前記加熱温度は、最終目的物たる結晶性ミクロ多孔体の種類によって好ましい温度がある。
例えば、A型結晶性ミクロ多孔体の場合は前記加熱温度を約80℃とするのが好適であり、また、モルデナイト型結晶性ミクロ多孔体の場合は前記加熱温度を約170℃とするのが好適であり、また、カンクリナイト型結晶性ミクロ多孔体の場合は前記加熱温度を約250℃とするのが好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る結晶性ミクロ多孔体を合成する合成装置の図
【図2】X線解析スペクトルを示す図
【符号の説明】
1 耐圧反応容器
2 溶融石英管
3 反応溶液
4 種結晶
5 支持部材

Claims (4)

  1. 反応溶液に結晶性ミクロ多孔体の骨格構造を形成可能な二酸化ケイ素成分含有バルク体を浸水させる浸水工程と、前記反応溶液を攪拌させる攪拌工程とを含む結晶性ミクロ多孔体の製造方法であって、該反応溶液にふっ化水素酸を含有させたことを特徴とする結晶性ミクロ多孔体の製造方法。
  2. 前記反応溶液に、アンモニウムイオン(R 4 + :Rは水素、炭素数10以下のアルキル基あるいはアリール基から選ばれる少なくとも一種)、ホスホニウムイオン(R 4 + :Rは水素、炭素数10以下のアルキル基あるいはアリール基から選ばれる少なくとも一種)、アミン類から選ばれる少なくとも一種の結晶化調整剤を含有させる請求項1記載の結晶性ミクロ多孔体の製造方法。
  3. 前記反応溶液に、アルミニウム塩を含む請求項1〜2のうちいずれか1項に記載の結晶性ミクロ多孔体の製造方法。
  4. 結晶性ミクロ多孔体からなる種結晶の存在下で、前記攪拌工程を行う請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の結晶性ミクロ多孔体の製造方法。
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