JP2004250290A - ゼオライト配向膜の製造方法およびゼオライト配向膜、並びにその利用 - Google Patents

ゼオライト配向膜の製造方法およびゼオライト配向膜、並びにその利用 Download PDF

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通博 三宅
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元秀 松田
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Abstract

【課題】配向性だけでなく、緻密性や膜厚といった他の微細な構造についても良好に制御することができ、従来よりも容易なゼオライト配向膜の製造方法を提供する。
【解決手段】ゼオライトを、水熱合成反応により配向性を有するように膜状に組織化するとともに、上記ゼオライトの骨格成分を緩やかに供給しうる原料を用いる。この骨格成分供給源4は、採用する水熱合成反応系で1.3g/(h・L)以下のゼオライト骨格成分供給速度を有していることが好ましい。これによって、ゼオライト粒子5の成長が緩やかに進行するので、支持基板2上に前駆体膜6が形成された後に、ゼオライト配向膜7が合成される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゼオライト配向膜の製造方法およびゼオライト配向膜、並びにその利用に関するものであり、特に、水熱反応合成によってゼオライト配向膜を製造する際に、ゼオライト骨格成分供給速度の非常に低い原料を用いることにより、高い配向性を実現し得るゼオライト配向膜の製造方法と、この製造方法により得られるゼオライト配向膜と、その利用方法の一例とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ゼオライト系化合物(以下、ゼオライトと略す)は、分子レベルの細孔を内包した含水アルミノケイ酸塩である。その種類は200種類以上あり、現在でも新規なゼオライトが数多く報告されている。
【0003】
他の無機系化合物と比較した場合、ゼオライトにおける最も特徴的な構造は、上記細孔を有する構造(細孔構造)である。この細孔構造はゼオライトの骨格に由来するものであって、内包されている細孔のサイズはナノオーダーであるとともに、細孔の径はゼオライトの種類によって異なる。そのため、ゼオライトを用いれば、上記細孔構造によってさまざまな大きさの分子をふるい分けすることが可能である。
【0004】
さらにゼオライトは、イオン交換性、固体酸性、イオン導電性等の性質も有している。それゆえ、ゼオライトは、例えば、触媒、吸着分離材、イオン交換材、洗浄用ビルダー、土壌改良剤等、幅広い用途に利用されている。
【0005】
従来、ゼオライトの利用形態は粉末に限られていたが、最近では、ゼオライトを膜状に形成(組織化)する、すなわちゼオライト膜を合成(製造または生産)することが試みられている。ゼオライトを膜状に形成することで、上記細孔構造等の特異な構造や、分子ふるい・イオン交換性等の物性をさらに高度に利用するが可能となる。
【0006】
ゼオライト膜を合成する場合には、ゼオライトの結晶方位に配向性を持たせることが重要となる。結晶方向に配向性を持たせることで、ゼオライトの細孔を規則的に配列することが可能になる。一般に、ゼオライト膜の特性は、膜の微細な構造(配向性、緻密性、膜厚等)に大きく左右されるが、特に、ゼオライト膜の配向性を制御することは、優れた物性を実現するために重要な条件となる。
【0007】
これまで様々なゼオライト膜の合成(製造)方法が提案されているが、その大半は、結晶方位に規則性の無い、すなわち配向性の無いゼオライト膜しか得られない方法であった。これに対して、近年、ゼオライト膜の配向性を制御する技術が幾つか報告されている。具体的には、例えば、▲1▼テンプレート剤の種類と基板の配置の条件とを変えることにより配向性が向上するという報告(非特許文献1)や、▲2▼水銀表面上でゼオライトを合成することにより透明で部分的に配向したゼオライト膜が得られるという報告(非特許文献2)が知られている。しかしながら、これら何れの報告でも、ゼオライト膜の配向性を良好に制御することは不十分となっていた。
【0008】
最近、十分な配向性を有するゼオライト膜、すなわちゼオライト配向膜を製造する技術として、▲3▼種粒子を用いる技術が提案されている(例えば、特許文献1、2、非特許文献3、4等)。この▲3▼の技術では、予め合成されたゼオライト粒子を基板上に並べておき、その後、水熱合成反応を用いてゼオライト粒子を二次成長させることで、ゼオライト配向膜を形成する。この技術では、上記▲1▼・▲2▼の報告と比較しても、より十分な配向化を実現することが可能となっている。
【0009】
さらに、本発明者は、水熱合成反応において、原料として骨格成分供給速度の低い原料を用いることで、得られるゼオライト配向膜の配向性をより向上することが可能であることを独自に見出している(非特許文献5、6参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開平7−330326号公報(平成7(1995)年12月19日公開)
【0011】
【特許文献2】
特表平11−511685号公報(平成11(1999)年10月12日公表、国際公開番号:WO96/01683、国際公開日:平成8(1996)年1月25日)
【0012】
【非特許文献1】
大久保達也、真鍋勝利、土屋博史、定方正毅、「水晶基板上でのZSM−5薄膜の配向制御」、第11回ゼオライト研究発表会講演予稿集、ゼオライト学会、1995年11月、第72−73頁
【0013】
【非特許文献2】
清住嘉道、水上富士夫、「透明なゼオライト膜の合成とその性質」、ゼオライト、1997年、第14巻第1号、第19−22頁
【0014】
【非特許文献3】
伴隆幸、美宅秀紀、鈴木智晴、水尾望、大矢豊、高橋康隆、「ゼオライト粒子の形態制御」、第4回セラミックス環境材料研究会講演予稿集、日本セラミックス協会セラミックス環境材料研究会、2002年3月24日、第1頁
【0015】
【非特許文献4】
伴隆幸、大脇孝文、大矢豊、高橋康隆、「LTA型ゼオライト配向膜の作製」、第17回ゼオライト研究発表会講演要旨集、ゼオライト学会、2001年11月、第18―19頁
【0016】
【非特許文献5】
清家崇広、松田元秀、三宅通博、”Ultra−Thin Zeolite Films Prepared from Dissolution of Bulky Source Materials”,第8回ICCPS講演予稿集、2002年9月2日、第33頁
【0017】
【非特許文献6】
清家崇広、松田元秀、三宅通博、「ゼオライト配向膜の合成」、第15回秋季シンポジウム講演予稿集、日本セラミックス協会、2002年9月22日、第203頁
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記▲3▼の技術では、ゼオライト配向膜において、配向性以外の微細な構造を良好に制御することができず、十分に優れた物性を有するゼオライト配向膜を製造できないという問題点を有している。
【0019】
前述したように、ゼオライト(配向)膜の特性は、配向性だけでなく、緻密性や膜厚等の微細な構造も重要になってくる。ところが、上記▲3▼の技術では、ある程度の大きさを有し、かつ形態の発達したゼオライト粒子を種粒子として用いる必要がある。そのため、得られるゼオライト配向膜においては、ゼオライト粒子の間に空隙が残って緻密性が低下したり、膜厚が厚くなり過ぎたりするという問題点が残されている。
【0020】
ゼオライト配向膜の緻密性が低下するということは、細孔構造の不均一化を招き、ゼオライト配向膜の物性を低下させることになる。したがって、上記▲3▼の技術では、配向性および緻密性の双方を向上することが困難となっている。一方、ゼオライト配向膜の膜厚をナノレベルまで薄膜化すると、例えば分離膜として用いる場合、分離効率の向上等が期待できるが、上記▲3▼の技術では、膜厚を薄くすることができないため、ゼオライト配向膜の物性をより向上させることが困難となっている。
【0021】
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであって、その目的は、配向性だけでなく、緻密性や膜厚といった他の微細な構造についても良好に制御することができ、従来よりも容易なゼオライト配向膜の製造方法と、この方法によって製造される、高い配向性を有するゼオライト配向膜と、このゼオライト配向膜の代表的な利用例とを提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、前述したように、水熱合成反応において、原料として骨格成分供給速度の低い原料を用いることで、得られるゼオライト配向膜の配向性をより向上することが可能であること(非特許文献5、6参照)を独自に見出し、本発明を完成させるに至った。
【0023】
すなわち、本発明にかかるゼオライト配向膜の製造方法は、上記の課題を解決するために、ゼオライトを、水熱合成反応により配向性を有するように膜状に組織化するとともに、上記ゼオライトの骨格成分の原料として、骨格成分供給速度の低い原料を用いることを特徴としている。
【0024】
上記ゼオライト配向膜の製造方法においては、上記原料が、採用する水熱合成反応系で1.3g/(h・L)以下の骨格成分供給速度を有していることが好ましい。また、上記ゼオライト配向膜の製造方法においては、上記水熱合成反応に用いられる反応溶液として、有機テンプレート剤を含むアルカリ水溶液が用いられることが好ましい。
【0025】
上記ゼオライト配向膜の製造方法においては、上記原料として、例えば、バルク体のケイ酸ガラスを用いることができ、上記有機テンプレート剤として、テトラアルキルアンモニウムを用いることができる。
【0026】
本発明にかかるゼオライト配向膜は、上記の製造方法により得られるものであり、例えば、膜厚が1000nm未満であり、基板と垂直に貫通孔を有するものとなっている。また、上記ゼオライト配向膜は、基板上に形成されているものであってもよい。具体的な例としては、ゼオライトがMFI型のシリカライトであるゼオライト配向膜を挙げることができる。
【0027】
本発明にかかるゼオライト配向膜の利用としては、例えば、上記のゼオライト配向膜を用いてなる分離膜や、上記のゼオライト配向膜を反応器として用いる量子素子の製造方法等を挙げることができる。
【0028】
本発明によれば、原料からの骨格成分供給速度が非常に低いため、ゼオライト粒子の成長が緩やかに進行する。そのため、前駆体膜が形成された後にゼオライト配向膜が合成される。つまり、本発明では、後述するように、ゼオライト配向膜の合成過程が実質的に二段階となっていると考えられる。これによって、得られるゼオライト膜において、配向性だけでなく、緻密性や膜厚といった他の微細な構造についても良好に制御することができる。しかも、より簡素かつ容易な方法でゼオライト配向膜を製造することも可能になる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1ないし図4に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
【0030】
本発明は、ゼオライト(ゼオライト系化合物)を、水熱合成反応により配向性を有するように膜状に組織化するとともに、上記ゼオライトの骨格成分の原料として、骨格成分供給速度の低い原料を用いるものである。この製造方法によって、分子レベルの細孔を有するゼオライト膜であって、その細孔が一方向に揃ったナノオーダーの薄膜を得ることができる。
【0031】
なお、必要に応じて、「原料」と「骨格成分供給源」を使い分けているが、これは同じものである。
【0032】
<ゼオライト配向膜>
本発明にかかるゼオライト配向膜は、ゼオライトを膜状に形成(組織化)したゼオライト膜であって、当該ゼオライト膜が有するナノオーダーの細孔が規則的に配列しているものである。ここで、細孔が規則的に配列しているということは、膜状に形成されているゼオライトの結晶方位に配向性を持たせることであり、それゆえ、本発明では、細孔が規則的に配列していることを「配向性を有する」と表現する。
【0033】
本発明にかかるゼオライト配向膜は、上述したように、ゼオライトの骨格成分の原料(以下、単に原料と称する)として骨格成分供給速度の低い原料を用いて、水熱合成反応により合成(生産・製造)させるものであれば特に限定されるものではないが、特に本発明では、膜厚が1000nm未満であることが好ましい。
【0034】
本発明にかかる製造方法によれば、従来の技術(前記▲1▼または▲2▼の技術)に比べて、ゼオライトを膜状に組織化する際に、より十分な配向性を実現することができるだけでなく、前記▲3▼の技術(種粒子を用いる技術)よりも、より薄い膜厚とより緻密な構造とを実現することが可能となる。そのため、本発明では、従来では困難であった、ナノオーダーの膜厚を有し、基板と垂直方向に貫通孔を有するゼオライト配向膜を製造することが可能となった。なお、本発明におけるナノオーダーとは、1000nm未満のレベル、すなわちナノメートル(10−9m)単位で表されるレベルをさすものとする。
【0035】
本発明にかかるゼオライト配向膜の膜厚は、ナノオーダーすなわち1000nm未満であれば特に限定されるものではないが、800nm未満であることが好ましく、500nm未満であることがより好ましい。例えば、後述する実施例では、本発明者は約400nm程度の膜厚のゼオライト配向膜を製造することに成功している。本発明にかかるゼオライト配向膜の膜厚は、後述する本発明にかかる製造方法の諸条件を変化させることで制御することができるので、ナノオーダーの膜厚を実現することができる。したがって、本発明にかかるゼオライト配向膜の膜厚は、必ずしもナノオーダーに限定されるものではなく、マイクロオーダーの膜厚を実現することも可能であるし、ナノオーダーであれば様々な厚みの膜厚を実現することもできる。
【0036】
本発明にかかるゼオライト配向膜の配向性は特に限定されるものではなく、上記膜厚と同様に、後述する製造方法の諸条件を変化させることで制御することができる。例えば、後述する実施例では、図2に示すように、得られたゼオライト配向膜(シリカライト−1)の配向性はb軸方向となっているが、配向性はb軸方向に限定されるものではなく、用途に応じてa軸方向でもc軸方向でもよい。
【0037】
本発明にかかるゼオライト配向膜のより具体的な構成は特に限定されるものではないが、本発明にかかる製造方法を用いた場合、ゼオライト配向膜は支持基板上に形成されている構成とすることができる。これは、後述するように、本発明では、水熱合成反応により、支持基板上にゼオライトの結晶を膜状に組織化しているためである。なお、支持基板については、合成条件の一つとして詳細に説明する。
【0038】
本発明では、後述するように、水熱合成反応時におけるゼオライト骨格成分の供給速度を制御することにより、ゼオライト配向膜の配向性の制御が可能となった。ゼオライト骨格成分の供給速度を制御することにより、高い配向性を有するゼオライト配向膜はもちろん部分的な配向性を有するゼオライト配向膜を得ることも可能である。したがって、本発明のゼオライト配向膜には、部分的に配向性を有するものが含まれていてもよい。
【0039】
<ゼオライトの種類>
本発明では、製造されるゼオライト配向膜において、ゼオライト(ゼオライト系化合物)の具体的な種類は特に限定されるものではない。
【0040】
ゼオライトは、分子レベルの細孔を内包した含水アルミノ系ケイ酸塩であり、一般式M2/nO・Al・xSiO・yHOで表される。なお、本発明におけるゼオライトには、Alを含まないシリカライトも含まれる。ゼオライトには、結晶骨格構造を示すIUPAC名(MFI、LTA、FAU等)と、組成の違いによる鉱物名(例えば、FAU型には、Faujasite、Linde Y、Linde X、SAPO−37等)があるが、本発明で配向膜として形成されるゼオライトの具体的な種類は特に限定されるものではなく、あらゆるゼオライトを配向膜として形成することが可能である。
【0041】
例えば、後述する実施例では、ゼオライトとして、MFI型のシリカライト(Silicalite−1、SiO)を用いている。したがって、本発明にかかるゼオライト配向膜の具体的な一例としては、ゼオライトがMFI型のシリカライトであるゼオライト配向膜を挙げることができる。
【0042】
<ゼオライト配向膜の製造方法>
本発明にかかるゼオライト配向膜の製造方法では、水熱合成反応によりゼオライト膜を合成する際に、原料として骨格成分供給速度の低い原料を用いる。ここで、水熱合成反応(水熱反応、水熱法)は、高温・高圧下において水が関与して生じる反応であり、一般に、密封容器中、水の存在下で、100℃以上の高温にて、原料を反応させて目的の化合物を合成する反応である。
【0043】
水熱合成反応に用いられる反応装置は、温度と圧力とを任意に変えることができる密閉型の装置であればよく、本発明で用いられる反応装置もこのような装置であればよいが、本発明では、例えば、図3に示すような密閉型の反応装置を好ましく用いることができる。
【0044】
図3に模式的に示すように、本実施の形態で用いられる反応装置は、反応溶液3を仕込むことができる密閉型の反応容器1を備えており、反応容器1の底に、骨格成分供給源4を沈めておくことができるようになっている。また、反応容器1内には、支持基板2を保持できる保持部8が備えられており、反応容器1内での骨格成分供給源4と支持基板2との位置関係について見れば、支持基板2が骨格成分供給源4の上方に配置されるようになっている。
【0045】
上記反応装置には、図示しない圧力調節手段と温度調節手段とが設けられており、温度および圧力を任意に変えることができるようになっている。また、本発明にかかる製造方法では、水熱合成反応を継続する時間(反応時間)も重要となるので、上記反応装置には、図示しないタイマーが備えられていてもよい。タイマーによって、水熱合成反応を所望の反応時間で自動的に終了させることができる。なお、反応容器1や保持部8、あるいは上記圧力調節手段、温度調節手段、タイマー等の具体的な構成については特に限定されるものではなく、本発明の技術分野にて用いることが可能な構成を採用することができる。また、上記反応装置には、上記以外の他の手段や部材が備えられていてもよいことは言うまでもない。
【0046】
<ゼオライト配向膜の合成過程>
本発明にかかるゼオライト配向膜の製造方法では、原料として骨格成分供給速度の低い原料を用いるが、これにより、本発明にかかる製造方法では、ゼオライト配向膜の合成過程が実質的に二段階となっていると考えられる(後述する実施例、特に、図9に示す結果を参照)。その結果、本発明にかかる製造方法では、得られるゼオライト膜において、十分な配向性、高い緻密性、薄い膜厚等の優れた特性を実現することができる。
【0047】
具体的には、本発明にかかる製造方法では、第1段階で、反応溶液の濃度が比較的高く、核となるゼオライト粒子が生じて前駆体膜が形成され、第2段階で、反応溶液の濃度が低くなり、前駆体膜のゼオライト粒子が結晶成長すると考えられる。
【0048】
第1段階では、反応溶液における原料の濃度は比較的高いが実質的には希薄な状態にある。図4(a)に示すように、この反応溶液中(液相中)で支持基板2の上に核となるゼオライト粒子5が生成し、このゼオライト粒子5が緩やかに成長する。これにより、前駆体層6を支持基板2上に形成させる。この前駆体層6は、ゼオライトの結晶またはゼオライトの前駆体からなっている。次に、第2段階では、反応溶液における原料の濃度は第1段階よりも希薄となるので、この反応溶液中で前駆体膜が緩やかに成長する。これによって、ゼオライトの結晶性が向上し、ゼオライト膜が緻密化するとともに、ゼオライト膜に十分な配向性を付与することができる。
【0049】
一方、ゼオライトを通常の方法で水熱合成する(原料として粉末状のものを用いる)と、基本的には、反応系が原料の高濃度溶液となっているか、またはゲル状態となっている。このような反応系にてゼオライト粒子が結晶成長すると、図4(b)に示すように、ゼオライト粒子5が急激に堆積して連続化していく。その結果、支持基板2上に形成されるゼオライト膜106は、空隙が多く生じるとともに、規則的に結晶が成長、配列していかないため、十分な配向性を実現することができない。
【0050】
上記二段階の過程を、図1に基づいて具体的に説明する。まず、反応容器1に反応溶液3を仕込み、支持基板2と骨格成分供給源4とを反応溶液に浸漬させる(図1の最上段参照)。上記反応溶液3はアルカリ性水溶液であるため、ガラスやセラミックス等である骨格成分供給源4から多量の成分が反応溶液3に供給され、成分過飽和度が高くなる。ただし、骨格成分供給源4の溶解速度は非常に遅い(後述)ので、粉末状の原料を用いた場合よりも、反応溶液3における原料の濃度は希薄である。これによって、微小なゼオライト粒子5が形成され(図1の二段目参照)、支持基板2上にゼオライト粒子5が堆積して前駆体膜6が形成される(図1の三段目参照)。
【0051】
一方、骨格成分供給源4の溶解とともに、反応溶液3のpHは低下するため、徐々に反応溶液3中の成分過飽和度も低下する。すなわち反応溶液3は成分が希薄な溶液となる。そこで、この希薄な反応溶液3中で前駆体膜6の成長が進行する。その結果、本発明にかかるゼオライト配向膜7が合成される(図1の最下段参照)。
【0052】
このように、原料として骨格成分供給速度の低い原料を用いることで、ゼオライトの膜状の組織化が二段階で連続的に進行することになる。特にこのとき、原料の骨格成分供給速度を低くすることで、ゼオライトが緩やかに組織化されるため、ゼオライト配向膜が得られることになる。
【0053】
本発明にかかる製造方法により優れたゼオライト配向膜を得ることができる理由は、上記二段階の合成過程を経るためであると推測されるものの、現時点では、詳細な理由は明確ではない。しかしながら、本発明によれば、より緻密で空隙が無く、より薄い(膜厚の小さい)優れたゼオライト配向膜を、容易な方法で得ることができる。それゆえ、本発明は極めて有用性の高いものとなっている。
【0054】
<ゼオライト配向膜の合成条件>
本発明にかかる製造方法では、原料として骨格成分供給速度の低い原料を用い、水熱合成反応によりゼオライト配向膜を合成(生産・製造)するようになっていれば、その合成条件は特に限定されるものではないが、前述したように、この合成条件を適切な範囲内に設定することで、目的に応じた様々な種類のゼオライト配向膜を得ることができる。
【0055】
上記合成条件としては、(1)原料となる骨格成分供給速度の低い原料の種類、(2)水熱合成反応に用いられる反応溶液、(3)支持基板の種類、(4)反応温度、(5)反応時間等を挙げることができる。以下、合成条件について具体的に説明する。
【0056】
(1)ゼオライト骨格成分供給源
本発明において用いられるゼオライト骨格成分供給源は、目的のゼオライトの種類に応じた化学組成を有する無機系化合物であればよいが、採用する水熱合成反応系でゼオライト骨格成分を緩やかに供給する性質を示す必要がある。
【0057】
骨格成分供給源は、ケイ素(Si)やアルミニウム(Al)等、合成しようとするゼオライト(合成目標となるゼオライト)を構成する元素を含むガラスまたはセラミックスであればよい。より具体的には、シリケート系ガラス、アルミノシリケート系ガラス等のガラス;ムライト、石英等の結晶質セラミックス;等を挙げることができる。後述する実施例では、上記骨格成分供給源として、バルク体のケイ酸ガラス(シリケート系ガラス)を用いている。
【0058】
本発明におけるゼオライト骨格成分を緩やかに供給する性質は、骨格成分供給源を反応溶液に添加したときに、無配向膜が生成する微粉末状原料などよりも骨格成分供給速度が低い状態であればよいが、より具体的には、無配向膜が生成する骨格成分供給速度を「基準供給速度」と規定した場合に、骨格成分供給速度が基準供給速度よりも低ければよい。
【0059】
例えば、本発明におけるゼオライト骨格成分を緩やかに供給する性質の基準の一つとしては、上記無配向膜が生成する原料を指標とした相対的な基準を挙げることができる。すなわち、ゼオライト骨格成分供給源の供給速度を、上記基準供給速度の好ましくは3分の1以下、より好ましくは4分の1以下とした場合に、低供給速度であるとすればよい。
【0060】
あるいは、無配向膜が生成する原料および配向膜が生成する原料のゼオライト骨格成分供給速度から絶対的な基準を設けてもよい。本発明者が鋭意検討した結果、ゼオライト骨格成分供給速度の上限が少なくとも1.30g/(h・L)であれば低供給速度であるとすることができる。すなわち、本発明における低供給速度とは、ゼオライト骨格成分供給速度が好ましくは1.30g/(h・L)以下であればよく、より好ましくは、0.72g/(h・L)以下である。ここで、原料の骨格成分供給速度とは、反応溶液中に供給された骨格成分の重量(g)を、処理時間(h:時)と反応溶液量(L:リットル)の積で、除したものである。いいかえれば、原料の骨格成分供給速度とは、1時間あたりに、1リットルの反応溶液中に供給された骨格成分の重量(g)である。
【0061】
なお、本発明におけるゼオライト骨格成分供給源とは、「不溶性原料」を含まないことは言うまでもない。すなわち、本発明におけるゼオライト骨格成分供給源は、反応溶液に必ず溶解するものであればよいので、ゼオライト骨格成分供給源の供給速度は0g/(h・L)ではなければよい。言い換えれば、供給速度をVsとすれば、上記ゼオライト骨格成分供給源の供給速度は、0g/(h・L)<Vs≦1.3g/(h・L)の範囲内であればよい。
【0062】
上記のような原料を用いれば、反応溶液中の成分の過飽和度を低下することができるので、核となるゼオライト粒子が不均一に生成する状態を抑えながら、ゼオライトの膜状の組織化を進行させることが可能となる。
【0063】
ここで、上記ゼオライト骨格成分供給速度は、供給源の化学組成、供給源の化学構造、供給源の形状(反応溶液との接触面積)等の供給源に関する条件を変えることで調節することができる。
【0064】
例えば、従来の技術で用いられるゼオライト骨格成分供給源としては、有機系の金属アルコキシド、無機系のコロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、水ガラス、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、金属アルミニウム等を挙げることができる。このうち、金属アルコキシド、水ガラス等の無機系ナトリウム、金属アルミニウムは、アルカリ水溶性が高いため、アルカリ性の反応溶液に対して易溶性を示す。また、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ等は、上記各化合物に比べてアルカリ水溶性は低いが、比表面積が大きい微粒子であるため、十分なアルカリ水溶性を有していると言うことができる。
【0065】
また、上記ゼオライト骨格成分供給源は、合成しようとするゼオライトの種類や、反応条件等に応じて、結晶質と非晶質とを選択して用いればよい。
【0066】
さらに、上記ゼオライト骨格成分供給源では、合成しようとするゼオライトの種類や他の反応条件等に応じて、溶液との接触面積を適切なものとできるように、その形状を変えて用いればよい。例えば、後述する実施例では、原料として、バルク体のケイ酸ガラスを用いている。無配向膜が生成した微粉末状ケイ酸ガラスと配向膜が生成したバルク状ケイ酸ガラスの比表面積、又は溶液との接触面積を比較すると、微粉末状の比表面積、又は溶液との接触面積はバルク状のもののおよそ1500倍であるため、ゼオライト骨格成分供給速度は十分に高くなる。従って、ケイ酸ガラスの比表面積、又は溶液との接触面積を小さくすれば骨格成分供給速度を低くすることが可能となる。
【0067】
さらにゼオライト骨格成分供給速度は、上記原料に関する条件以外にも、後述する反応溶液や反応温度等の合成条件を調節することにより制御することができる。反応溶液については、合成しようとするゼオライトの種類や他の反応条件等に応じて、反応溶液のpHと水成分量とを調節すればよい。反応温度についても、合成しようとするゼオライトの種類や他の反応条件等に応じて、反応温度を設定すればよい。このように、本発明では、ゼオライト配向膜を得るために最も重要な条件は、原料(ゼオライト骨格成分供給源)の骨格成分供給速度であるということができる。
【0068】
(2)反応溶液
水熱合成反応に用いられる反応溶液は、基本的にアルカリ性水溶液であり、本発明において用いられる反応溶液(合成溶液)も、上述したように、アルカリ性の水溶液であればよい。さらに本発明では、目的のゼオライトの種類に応じて、アルカリ(塩基性)成分を選択したり、適当な有機テンプレート剤を添加したりすることが好ましい。
【0069】
上記反応溶液は水溶液であるため、溶媒は水であればよいが、イオン交換水や蒸留水等を用いることが好ましく、必要に応じて超純水レベルの水を用いてもよい。なお、必要に応じて水以外の溶媒を加えてもよい。
【0070】
上記反応溶液に用いられるアルカリ成分としては、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム等の1価または2価の金属塩を挙げることができる。上記反応溶液のpHはアルカリ性を示す範囲(pHが7を超える範囲、アルカリサイド)であればよいが、具体的なpHは特に限定されるものではなく、目的の種類のゼオライトを合成するのに都合の良いpHであればよい。また、pHの調節方法も特に限定されるものではないが、反応溶液に対して水酸化物やハロゲン化物等を添加して行えばよい。
【0071】
上記有機テンプレート剤は、ゼオライトの細孔構造を形成するために用いられる骨格形成剤(構造規格剤・結晶化剤)であり、ゼオライト配向膜が形成された後には、ゼオライト配向膜中から無くなる。有機テンプレート剤としては特に限定されるものではないが、特に本発明では、テトラプロピルアンモニウム(TPA)、テトラメチルアンモニウム(TMA)、テトラエチルアンモニウム(TEA)、テトラブチルアンモニウム(TBA)等のテトラアルキルアンモニウム等が好ましく用いられる。
【0072】
すなわち、本発明にかかるゼオライト配向膜の製造方法では、水熱合成反応に用いられる反応溶液として、有機テンプレート剤を含むアルカリ水溶液が用いられることが好ましく、有機テンプレート剤としては、テトラアルキルアンモニウムが用いられることが好ましい。
【0073】
上記反応溶液の混合組成は、Me2/nO:(RN)O:HO=x:y:zで表すことができる。なお、Me2/nOが金属塩を示し、RNがテトラアルキルアンモニウムであり、x=0〜1、y=0〜1、z≦1000の範囲内である。後述する実施例では、反応溶液は、NaO:(TPA)O:HO=0:1:555(すなわち金属塩は含まない組成)となっている。
【0074】
(3)支持基板
本発明において用いられる支持基板の具体的な材質は特に限定されるものではなく、合成しようとするゼオライトの種類や他の反応条件等に応じて、アルミナ、ジルコニア等のセラミックス;各種金属単体や合金等の金属類;等を挙げることができる。また、支持基板の構造も特に限定されるものではなく、緻密体であってもよいし、多孔質体であってもよい。さらに、支持基板の形状は板状であればよく、その大きさや他の細かな形状についても特に限定されるものではない。
【0075】
後述する実施例では、上記支持基板として、安定化ジルコニア(8YSZ)の基板を用いている。なお、得られるゼオライト配向膜の用途によっては、支持基板としてはよりポーラスなものを用いることが好ましい場合がある。
【0076】
(4)反応温度
水熱合成反応において設定される反応温度(合成温度)についても、合成しようとするゼオライトの種類や他の反応条件等に応じて、好適な温度範囲とすればよく、特に限定されるものではない。一般的には、20〜200℃の範囲内であればよいが、ゼオライトの種類等によっては、この範囲内から外れてもよい。
【0077】
(5)反応時間
水熱合成反応において設定される反応時間(合成時間)についても、合成しようとするゼオライトの種類や他の反応条件等に応じて、適切な時間とすればよく、特に限定されるものではない。反応時間は特に膜厚を制御することに直結する合成条件であるため、膜厚を厚め(大きめ)にする場合には、比較的長い時間とすればよく、膜厚を薄め(小さめ)にする場合には、比較的短い時間とすればよい。一般的には、数時間〜30日間の範囲内であればよいが、膜厚によっては、この範囲内から外れてもよい。
【0078】
その他、合成条件としては、合成圧力(反応圧力)が挙げられるが、合成圧力も特に限定されるものではなく、ゼオライトの水熱合成反応で公知の範囲内の圧力に設定すればよい。また、それ以外の合成条件についても、ゼオライトの水熱合成反応で公知の条件に設定すればよい。
【0079】
<本発明にかかるゼオライト配向膜の用途>
ゼオライト膜は、分離膜、吸着分離剤、触媒、イオン交換剤等への応用がなされているが、本発明にかかる製造方法で得られるゼオライト膜は、細孔が一方向に揃ったゼオライト配向膜であって、均一な貫通孔を有しており、ナノオーダーでの薄膜化が可能となっている。それゆえ、本発明にかかるゼオライト配向膜では、気体の透過速度の飛躍的向上、真の分子ふるい性の発現、細孔内でのクラスター状の量子素子合成等といった用途への可能性が期待される。
【0080】
したがって、本発明にかかるゼオライト配向膜の有望な用途としては、(1)高性能な気体等の分離膜、(2)メンブレンリアクター、(3)化学センサー、(4)光学デバイスが挙げられる。
【0081】
上記(1)・(2)の用途については、従来のゼオライト無配向膜を用いて検討がされているが、ゼオライト無配向膜では、分子の透過速度が低く、実用的な特性は得られていない。本発明にかかるゼオライト配向膜を用いれば、分子の透過速度の飛躍的な向上、並びに真の分子ふるい性の発現が期待されるので、上記(1)・(2)用途を実用化することが可能となる。例えば、(1)分離膜については、有害物質や希少資源の分離・回収に有効に用いることが可能となる。
【0082】
上記(3)の用途についても、従来のゼオライト無配向膜を用いて検討がされているが、十分な結果は得られていない。本発明にかかるゼオライト配向膜を用いれば、気相や液相中のあらゆる系におけるごく微量成分の検出に用いるセンサー材料として使用することが可能である。
【0083】
上記(4)の用途についても、従来のゼオライト無配向膜を用いて検討がされているが、十分な結果は得られていない。ゼオライト配向膜における細孔、すなわち超微小空間は、反応器として用いることが可能であり、この細孔内で、各種の量子素子(量子井戸、量子細線、量子ドット等)を合成すれば、既存材料では得られない、優れた性能を有する新規材料や、次世代型ナノデバイスの開発が可能となる。
【0084】
したがって、本発明にかかるゼオライト配向膜の有望な利用方法の一つとしては、上記ゼオライト配向膜を用いてなる分離膜や、上記ゼオライト配向膜を反応器として用いる量子素子の製造方法等を挙げることができる。
【0085】
【実施例】
以下、実施例および比較例、並びに図5ないし図11により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0086】
〔実施例1〕
前記実施の形態にて説明した反応装置(図3参照)を用いるとともに、(1)ゼオライト骨格成分供給源としてケイ酸ガラスのバルク体(チューブ状、溶液との接触面積=5.00×10−4(比表面積=1.01×10−3/g)、SiO=80%)0.5g、(2)反応溶液としてテトラプロピルアンモニウム(TPA)水溶液(組成、TPAOH:HO=18:10000、すなわち、(TPA)O:HO=0:1:555、金属塩としてNaOは添加していない)15ml、(3)支持基板として鏡面研磨された安定化ジルコニア(8YSZ)を用い、(4)反応温度を200℃、(5)反応時間を14日間に設定して、原料のケイ酸ガラスを緩やかに溶解させながら、水熱合成反応によりゼオライトを膜状に組織化して、シリカライト−1膜を合成した。
【0087】
反応時間6日、9日および14日のそれぞれについて、得られたゼオライト膜のX線光電子分光(XPS)とX線回折(XRD)とを測定した。XPSスペクトルの結果を図5に、XRDパターンの結果を図6に示す(図中6日を「6 days」、9日を「9 days」、14日を「14 days」と表記)。
【0088】
なお、図5および図6では、図中縦軸がピーク強度(それぞれの図中で「Intensity」と表記)を示し、図5の横軸が結合エネルギー(図中「Binding energy」と表記、単位eV)を示し、図6の横軸が回折角(図中「CuKα 2θ」と表記、X線はCuKα線、単位°)を示す。また、図5および図6では、支持基板の測定結果も併記している(それぞれの図中で「Substrate (8YSZ)」と表記)。同様に、図6では、コントロールとして測定した、シリカライト−1粉末のXRDパターンも併記している(図中「silicalite−1 powder」と表記)。
【0089】
また、反応時間6日、9日および14日のそれぞれについて、得られたゼオライト膜の表面をFE−SEMで観察するとともに、反応時間14日のゼオライト膜の断面もFE−SEMにより観察した。表面の観察結果を図7(a)〜(c)に、断面の観察結果を図8に示す。なお、図7および図8においては、1μmのスケールバーを併記している。
【0090】
さらに、得られたゼオライト膜について、任意の反応時間で膜厚を測定するとともに、任意の反応時間で反応溶液のpHを測定することにより、反応時間に対する膜厚の成長と、反応時間に対するpHの変化との関係をそれぞれ検討した。その結果を図9に示す。なお、図9では、白抜きの正方形(図中「□」と表記)のチャートが反応時間−膜厚の関係の結果を示し、白抜きの円(図中「○」と表記)のチャートが反応時間−pHの関係を示す。また、図中左側の縦軸が膜厚(図中「Film thickness」と表記、単位nm)を示し、図中右側の縦軸がpHを示し、横軸が反応時間(図中「Reaction time」と表記、単位日、ただし図中では「days」で表記)を示す。
【0091】
図5に示すように、実施例1のXPSスペクトルでは、反応時間6日、9日および14日のそれぞれのゼオライト膜において、O1s、C1s、Si2s、Si2p、O2sのピークが認められたのに対して、支持基板に認められるZr3p、Y3p、Zr3d、Y3dZr4pのピークは認められなかった。この結果より、実施例1で得られたゼオライト膜は、ケイ酸ガラスのバルク体から供給されたSi原子およびO原子のみからなっていることが分かる。
【0092】
また、図6に示すように、実施例のXRDパターンでは、反応時間6日、9日および14日のそれぞれのゼオライト膜において、無配向のシリカライト−1粉末と異なり、シリカライト−1の020、040、060、080面に関するX線回折ピークのみが認められた。この結果より、実施例で得られたゼオライト膜は、b軸方向の配向性(細孔が支持基板と垂直方向に配列する配向性)を有しているMFI型のシリカライト−1膜であることがわかる。
【0093】
さらに、図7(a)〜(c)および図8の結果から明らかなように、実施例1で得られたMFI型のシリカライト−1配向膜は、緻密な構造を有しているとともに、約400nm程度というナノオーダーの膜厚を有する非常に薄い配向膜であった。
【0094】
以上の結果より、本発明によって、b軸配向性とナノレベルの薄さとを併せ持つMFI型のゼオライト配向膜(シリカライト−1膜)の合成に世界で初めて成功したことが明らかとなった。
【0095】
また、図9に示すように、ゼオライト膜の膜厚は、6日頃までは比較的急速に成長しているのに対し、6日頃以降は緩やかに成長している。一方、反応溶液のpHは6日頃までは急速に低下していくが、6日頃以降は、pH9.8程度でほぼ一定になっている。
【0096】
このことから、前記実施の形態にて説明したように、本発明にかかる製造方法では、反応溶液の濃度が比較的高く、核となるゼオライト粒子が生じて前駆体膜が形成される第1段階と、反応溶液の濃度が低くなり、前駆体膜のゼオライト粒子が結晶成長する第2段階との二段階の合成過程を経ると考えられる。
【0097】
ここで、本実施例では、水熱合成反応の進行に伴い、骨格成分供給源(ケイ酸ガラスのバルク体)の重量減少量、すなわち反応溶液に供給された骨格成分の重量を測定し、この供給された骨格成分濃度の経時変化を検討した。その結果を図10に示す。なお、図10では、白抜きの円(図中「○」と表記)のチャートが本実施例の結果を示す。また、図中の縦軸が反応溶液中の骨格成分濃度(図中「溶液中の骨格成分濃度」と表記、単位gL−1)を示し、横軸が反応時間(図中「反応時間」と表記、単位h)を示す。
【0098】
さらに、最終的に得られたゼオライト膜のXRDパターンを図11にも示す(図中「膜(原料の比表面積=1.01×10−3/g)」と表記)。なお、図11では、図中縦軸がピーク強度(図中で「強度」と表記)を示し、横軸が回折角(図中「CuKα 2θ」と表記、X線はCuKα線、単位°)を示す。また、図11でも、図6と同様に、コントロールとして測定した、シリカライト−1の粉末のXRDパターンも併記している(図中「シリカライト−1粉末」と表記)。
【0099】
〔実施例2〕
ケイ酸ガラスのバルク体として、溶液との接触面積が1.50×10−3(比表面積=3.00×10−3/g)であるものを用いた以外は、実施例1と同様にして、シリカライト−1膜を合成した。本実施例でも、実施例1と同様に、骨格成分供給源(ケイ酸ガラスのバルク体)の重量減少量、すなわち反応溶液に供給された骨格成分の重量を測定し、この供給された骨格成分濃度の経時変化を検討した。その結果を図10に示す。なお、図10では、白抜きの三角(図中「△」と表記)のチャートが本実施例の結果を示す。
【0100】
さらに、最終的に得られたゼオライト膜のXRDパターンを図11に示す(図中「膜(原料の比表面積=3.00×10−3/g)」と表記)。図11に示すように、本実施例のXRDパターンでは、無配向のシリカライト−1粉末と異なり、シリカライト−1の020、040、060、080面に関するX線回折ピークのみが認められた。この結果より、本実施例で得られたゼオライト膜は、であることが分かる。
【0101】
〔実施例3〕
ケイ酸ガラスのバルク体として、溶液との接触面積が2.09×10−2(比表面積=4.18×10−2/g)であるものを用いた以外は、実施例1と同様にして、シリカライト−1膜を合成した。本実施例でも、実施例1と同様に、骨格成分供給源(ケイ酸ガラスのバルク体)の重量減少量、すなわち反応溶液に供給された骨格成分の重量を測定し、この供給された骨格成分濃度の経時変化を検討した。その結果を図10に示す。なお、図10では、白抜きのひし形(図中「◇」と表記)のチャートが本実施例の結果を示す。
【0102】
さらに、最終的に得られたゼオライト膜のXRDパターンを図11に示す(図中「膜(原料の比表面積=4.18×10−2/g)」と表記)。図11に示すように、本実施例のXRDパターンでは、シリカライト−1の020、040、060、080面に関するX線回折ピークの他にも、わずかではあるが無配向のシリカライト−1粉末と同様なX線回折ピークが認められた。この結果より、本実施例で得られたゼオライト膜は、部分的にb軸方向の配向性を有しているMFI型のシリカライト−1であることが分かる。
【0103】
〔比較例〕
ゼオライト骨格成分供給源として、溶液との接触面積が2.50m(比表面積=5.00m/g)の微粉末状ケイ酸ガラスを用いた以外は、実施例1と同様にして、シリカライト−1膜を合成した。本比較例においても、骨格成分供給源(微粉末状ケイ酸ガラス)の重量減少量、すなわち反応溶液に供給された骨格成分の重量を測定し、この供給された骨格成分濃度の経時変化を検討した。その結果を図10に示す。なお、図10では、白抜きの四角(図中「□」と表記)のチャートが本比較例の結果を示す。また、最終的に得られたゼオライト膜のXRDパターンを、前記実施例の結果とともに図11に示す(図中「膜(原料の比表面積=5.00m/g)」と表記)。
【0104】
図10の結果から明らかなように、比較例では、反応開始直後から反応溶液中の原料成分濃度は急激に増大し、反応開始から2時間に達する前頃に原料成分濃度がほぼ一定に達しているのに対し、実施例1、2又は3では、反応開始以後、原料の供給はほぼ一定の割合で緩やかに進行していることが分かる。また、実施例1ないし3を比較すれば、溶液との接触面積ひいては比表面積が、小さいほど、原料供給速度は低くなっていることがわかる。ここで、溶液との接触面積(単位m)とは、比表面積に原料ガラスの重量を乗じた値である。また、比表面積(単位m/g)とは、1gあたりの表面積をいう。この結果から、実施例1,2,3および比較例の骨格成分供給速度を算出し、原料の比表面積及び溶液との接触面積とともに表1に示す。
【0105】
【表1】
Figure 2004250290
【0106】
表1の結果から明らかなように、実施例1における骨格成分供給速度は4.13×10−1g/(h・L)、実施例2における骨格成分供給速度は、7.20×10−1g/(h・L)、実施例3における骨格成分供給速度は、1.30g/(L・時間)であり、比較例における骨格成分供給速度のそれぞれ約1/8、1/4、1/3となっている。それゆえ、前記実施の形態で説明したように、本発明にかかる製造方法では、それぞれの合成条件を鑑みて、骨格成分供給速度の上限が少なくとも1.30g/(h・L)、より好ましくは、7.20×10−1g/(h・L)以下であれば低供給速度であるとすることができる。同様に、骨格成分供給速度を、基準供給速度(無配向膜が生成する骨格成分供給速度)の好ましくは3分の1以下、より好ましくは4分の1以下であれば低供給速度であるとすることができる。
【0107】
また、図11に示すように、バルク体ガラスを用いた実施例1、実施例2、又は実施例3では、XRDパターンにb軸配向性を示すピークが認められることから明らかなように、シリカライト−1配向膜が得られたのに対して、微粉末状ケイ酸ガラスを用いた比較例では、無配向の粉末シリカライト−1と同様なX線回折ピークが認められ、配向膜は得られなかった。なお、実施例3では、上述したように部分的にb軸配向性を有するシリカライト−1配向膜が得られた。
【0108】
これにより、本発明にかかるゼオライト配向膜の製造方法では、ゼオライト配向膜の配向性を制御する上で、水熱合成反応時における原料の骨格成分供給速度を制御することが有効であり、原料の骨格成分供給速度を低くすれば、十分な配向性を実現することができることが分かる。
【0109】
【発明の効果】
以上のように、本発明では、ゼオライトの骨格成分の供給条件を調整し、骨格成分供給速度を制御している。これによって、ゼオライト膜を合成できるだけでなく、十分配向性と高い緻密性とを実現でき、さらには、ナノオーダーの膜厚も実現することができるという効果を奏する。
【0110】
それゆえ、本発明は、ゼオライト配向膜を製造する無機系の化学産業分野だけでなく、当該ゼオライト配向膜を利用した分離膜やデバイスの製造にも応用することができるので、各種分析装置やナノデバイス等といった広い範囲の装置産業等についても応用の可能性が見出される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるゼオライト配向膜の製造方法の概要を示す工程図である。
【図2】本発明にかかるゼオライト配向膜の一例である、シリカライト−1膜の細孔構造の一例を示す模式図である。
【図3】図1に示すゼオライト配向膜の製造方法で用いられる反応装置の一例を示す模式図である。
【図4】(a)は、本発明にかかる製造方法におけるゼオライト配向膜の形成の一例を示す模式図であり、(b)は、従来の製造方法におけるゼオライト無配向膜の形成の一例を示す模式図である。
【図5】本発明にかかるゼオライト配向膜の代表的な一例であり、実施例にて製造されたシリカライト−1配向膜のX線光電子分光(XPS)の結果を示すスペクトルチャートである。
【図6】実施例にて製造されたシリカライト−1配向膜のX線回折(XRD)の結果を示すパターンチャートである。
【図7】(a)〜(c)は、実施例にて製造されたシリカライト−1配向膜の表面の状態をFE−SEMで観察した結果を示す図であり、(a)は反応時間6日目(6 days)の状態を、(b)は反応時間9日目(9 days)の状態を、(c)は反応時間14日目(14 days)の状態を示す。
【図8】実施例にて製造されたシリカライト−1配向膜の断面の状態をFE−SEMで観察した結果を示す図である。
【図9】実施例にて製造されたシリカライト−1配向膜において、水熱合成反応における反応時間と膜厚との関係、および反応時間と反応溶液のpHとの関係を示すグラフである。
【図10】実施例および比較例にてシリカライト−1膜を水熱合成した時に、それぞれの反応時間と骨格成分濃度との関係を示すグラフである。
【図11】実施例および比較例にて製造されたシリカライト−1膜のX線回折(XRD)の結果を示すパターンチャートである。
【符号の説明】
1 反応容器
2 支持基板
3 反応溶液
4 ゼオライト骨格成分供給源
5 ゼオライト粒子
6 前駆体膜
7 ゼオライト配向膜

Claims (12)

  1. ゼオライトを、水熱合成反応により配向性を有するように膜状に組織化するとともに、
    上記ゼオライトの骨格成分を緩やかに供給しうる原料を用いることを特徴とするゼオライト配向膜の製造方法。
  2. 上記原料は、採用する水熱合成反応系で1.3g/(h・L)以下のゼオライト骨格成分供給速度を有していることを特徴とする請求項1に記載のゼオライト配向膜の製造方法。
  3. 上記水熱合成反応に用いられる反応溶液として、有機テンプレート剤を含むアルカリ水溶液が用いられることを特徴とする請求項1に記載のゼオライト配向膜の製造方法。
  4. 上記ゼオライト骨格成分供給源として、ゼオライトの骨格成分を含むガラス又はセラミックスを用いることを特徴とする請求項2に記載のゼオライト配向膜の製造方法。
  5. 上記有機テンプレート剤として、テトラアルキルアンモニウムが用いられることを特徴とする請求項4に記載のゼオライト配向膜の製造方法。
  6. 請求項1ないし5の何れか1項に記載の製造方法により得られるゼオライト配向膜。
  7. 膜厚が1000nm未満であることを特徴とする請求項6に記載のゼオライト配向膜。
  8. 基板と垂直な貫通孔を有することを特徴とする請求項6または7に記載のゼオライト配向膜。
  9. 基板上に形成されていることを特徴とする請求項6、7または8に記載のゼオライト配向膜。
  10. ゼオライトがMFI型のシリカライトであることを特徴とする請求項6ないし9の何れか1項に記載のゼオライト配向膜。
  11. 請求項6ないし10の何れか1項に記載のゼオライト配向膜を用いてなる分離膜。
  12. 請求項6ないし10の何れか1項に記載のゼオライト配向膜を反応器として用いる量子素子の製造方法。
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