JP3782299B2 - 空気調和機および圧縮機制御方法 - Google Patents

空気調和機および圧縮機制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧縮機を制御することで冷房運転を行う空気調和機に関するものであり、特に、対物空調および対人空調の両方を実行可能な空気調和機およびその圧縮機制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来の空気調和機について説明する。従来の空気調和装置としては、たとえば、実開昭55−3274号公報に記載の「空調用圧縮機の制御装置」がある。
【0003】
図10は、上記公報に記載の従来の空気調和機の構成を示す図である。図10において、101は圧縮機であり、102は熱源側熱交換器であり、3は減圧装置であり、104は利用側熱交換器であり、105は冷媒回路であり、圧縮機101の運転により、冷媒を実線矢印の向きに流すことで、熱源側熱交換器102を凝縮器として作用させ、利用側熱交換器104を蒸発器として作用させ、利用側熱交換器104により被空調室を冷却する。
【0004】
また、106は操作ボタン(図示せず)により任意に温度調節可能な温度調節器であり、107は室温を検出する室温センサであり、108は室外温度を検出する外気温センサであり、109は冷媒回路105の冷房時に凝縮器となる熱源側熱交換器102の出口側配管温度を検出する液管温度センサであり、110は同じく蒸発器となる利用側熱交換器104の出口側配管温度を検出するガス管温度センサであり、111は直流電源であり、112は各センサからの温度信号と温度調節器106の設定温度とを予め記憶されたデータと比較して出力スイッチ113を制御する判断装置であり、114は出力スイッチ113の閉路時に交流電源115が供給される圧縮機101駆動用のモータである。
【0005】
つぎに、上記従来の空気調和機の動作について説明する。従来の空気調和機においては、冷房運転時、室温が温度調節器106の設定温度より高い間、判断装置112が出力スイッチ113を閉じてモータ114を運転させ、室内空気を冷却する。そして、室温が設定温度を下回った時点で、出力スイッチ113を開路してモータ114への通電を止め、冷房運転を停止する。
【0006】
この時、判断装置112では、外気温センサ108により室外温度を検出しており、室外温度と設定温度との差が小さい場合(軽負荷時)、図11に示すように、設定温度Toを下回る時間toffを長くとり、当該差が大きい場合(過負荷時)、図12に示すように、オフ時間toffを軽負荷時よりも短くする。
【0007】
これにより、冷媒回路105が圧力バランスしたのちに圧縮機101用のモータ114が再起動するため、確実に強制始動を防止できる。また、負荷状態を検出することでオフ点からオン点までのオフ時間を決めているため、ディファレンシャルが一定に保たれ、予めオンオフの制御温度を決める方式よりも室温を均一に保つことができる。また、室外温度が下がって軽負荷になった場合や設定温度を高くした場合においても、負荷の軽さに応じてオフ時間toffを長く定めれば、室温を設定温度近傍に保つことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記、従来の空気調和機においては、オン点の温度とオフ点の温度との差(ディファレンシャル)が常に一定であるため、機器等の冷却に対する空調を目的とした対物空調でかつ年間を通じて冷房運転を行うような場合、特に、空調負荷が小さい冬季においては、圧縮機の運転および停止が頻繁に繰り返され、空調効率がよくない、という問題があった。
【0009】
また、従来の空気調和機においては、上記のように、圧縮機の運転および停止が頻繁に繰り返されるため、圧縮機の寿命が短くなる、すなわち、圧縮機の信頼性を劣化させる、という問題があった。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ディファレンシャルを切り替え可能な構成とすることで、圧縮機の運転および停止のタイミングを任意に調整可能な空気調和機およびその圧縮機制御方法を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる空気調和機にあっては、圧縮機、四方弁、凝縮器および蒸発器を、順次冷媒配管で環状に接続して冷凍サイクルを構成し、さらに、被空調室の温度を設定する温度設定手段(後述する実施の形態のリモコン23に相当)と、前記設定温度と被空調室の温度とを比較する温度比較手段(室内制御マイコン9に相当)と、対人空調時、被空調室の温度が「設定温度+m℃」となった時点で圧縮機の運転を開始し、前記設定温度となった時点で圧縮機の運転を停止し、一方、対物空調時、被空調室の温度が「設定温度+n(n>m)℃」となった時点で圧縮機の運転を開始し、前記設定温度となった時点で圧縮機の運転を停止する圧縮機制御手段(室外制御マイコン7に相当)と、を備えることを特徴とする。
【0012】
つぎの発明にかかる空気調和機にあっては、前記温度設定手段として動作するリモコンを用いて前記対人空調および対物空調の切り替えを行い、リモコン操作で設定された前記n(ディファレンシャル)を、前記温度比較手段および前記圧縮機制御手段に対して通知することを特徴とする。
【0013】
つぎの発明にかかる空気調和機において、前記圧縮機制御手段は、受け取ったディファレンシャルを不揮発性メモリ(不揮発性メモリ17)に格納することを特徴とする。
【0014】
つぎの発明にかかる空気調和機において、前記圧縮機制御手段は、内部のマイコン制御で、室外機の表示手段(表示部18に相当)にディファレンシャルを表示することを特徴とする。
【0015】
つぎの発明にかかる空気調和機にあっては、前記表示手段に7セグメントLEDを用いることを特徴とする。
【0016】
つぎの発明にかかる圧縮機制御方法にあっては、被空調室の温度を設定する温度設定ステップと、前記設定温度と被空調室の温度とを比較する温度比較ステップと、対人空調時、被空調室の温度が「設定温度+m℃」となった時点で圧縮機の運転を開始し、前記設定温度となった時点で圧縮機の運転を停止し、一方、対物空調時、被空調室の温度が「設定温度+n(n>m)℃」となった時点で圧縮機の運転を開始し、前記設定温度となった時点で圧縮機の運転を停止する圧縮機制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかる空気調和機の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0018】
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる空気調和機の構成を示す図である。図1において、1は圧縮機であり、2は四方弁であり、3は凝縮器であり、4は蒸発器であり、5は蒸発器の送風ファンであり、空気調和機は、圧縮機1、四方弁2、凝縮器3および蒸発器4を、順次冷媒配管で環状に接続して冷凍サイクルを構成している。
【0019】
また、6は室外機の制御を行う室外制御基板であり、7は室外制御マイコンであり、8は室内機の制御を行う室内制御基板であり、9は室内制御マイコンであり、10は商用電源であり、11は室内外通信配線であり、12および13は通信回路である。室外制御基板6および室内制御基板8は、室内外通信配線11にて接続されており、室外制御マイコン7および室内制御マイコン9間では、通信回路12および13を介して相互に通信を行い、種々の情報のやり取りを行う。
【0020】
また、14aは圧縮機1制御用のパワーリレーであり、14bはパワーリレー14aの励磁側コイルであり、15aは励磁側コイル14b制御用補助リレーであり、15bは補助リレー15aの励磁側コイルであり、16は駆動回路である。励磁側コイル15bは、室外制御マイコン7の指令に基づいて駆動回路16によって制御され、圧縮機1は、補助リレー15aおよびパワーリレー14aの開閉に伴う商用電源10の通電または遮断によって、運転が制御される。
【0021】
また、17は不揮発性メモリであり、室外制御マイコン7が、種々の情報の書き込み処理および読み出し処理を行う。
【0022】
また、18は表示部であり、19は表示切換部であり、20は出力回路であり、表示切換部19の設定内容を室外制御マイコン7が判断し、室外制御マイコン7が、出力回路20を介して、各種の情報の表示制御を行う。
【0023】
また、21は被空調室温度(室温)検出用のサーミスタであり、22はサーミスタ21用の変換回路であり、室内制御マイコン9では、変換回路22を介して、被空調室温度を取り込む。
【0024】
また、23は運転指令、冷房または暖房等の運転モード、被空調室設定温度を選択するリモコンであり、24はリモコン23用の通信回路であり、室内制御マイコン9では、通信回路24を介して、リモコン23の設定内容を取り込む。そして、室内制御マイコン9では、リモコン23の設定内容にしたがって、送風ファン5の制御を行うとともに、運転指令を室外制御マイコン7に送信する。
【0025】
以下、上記のように構成される空気調和機の動作について説明する。図2は、対人冷房運転時の圧縮機1の動作を示す図である。
【0026】
まず、リモコン23にて冷房運転操作が行われた場合、空気調和機では、室外制御マイコン7が、室温と設定温度との比較を行い、たとえば、室温がTon点より高い場合、圧縮機1の運転を開始させる。このとき、圧縮機1は、被空調室の室温がToff点(設定温度)に達するまで運転を継続する。そして、室温がToff点(設定温度)に達した場合、室外制御マイコン7では、被空調室の過冷却を防ぐため圧縮機1を停止させる。その後、室温が上昇し再度Ton点に達した場合、室外制御マイコン7では、再び圧縮機1の運転を開始させ、被空調室の室温を低下させる。
【0027】
本実施の形態の空気調和機は、上記処理により室温を設定温度近傍に保っている。なお、通常、圧縮機1の運転および停止は、Ton(Toff+1℃)とToff(設定温度)の温度差で決定され、これらの差は、「ディファレンシャル」と呼ばれている。
【0028】
また、冷房運転時の対人空調については、冷えすぎまたは暖まりすぎといった不快感を与えないようにするため、TonとToffの差(ディファレンシャル)を狭くする必要があり、この差を1℃程度としている。しかしながら、冷房運転時の対物空調については、被空調室の温度を機器に求められる使用環境温度以下で十分であり、また、通常、これらの機器に求められる使用環境温度の上限が対人空調に対してはるかに高い温度であるため、ディファレンシャルを大きく設定してもまったく問題がない。
【0029】
そこで、本実施の形態に空気調和機は、以下に示す動作を行う。図3は、対人冷房運転時および対物冷房運転時の圧縮機1の動作を示す図である。詳細には、被空調室の設定温度(Toff)を25℃とし、対人冷房運転時のディファレンシャル設定を1℃とし、対物冷房運転時のディファレンシャル設定を5℃とした場合の、圧縮機1の動作を示す。
【0030】
なお、Toff点は、リモコン23にて使用者(ユーザ)が設定する設定温度である。また、製品の据付時の状態(工場出荷状態)においては、TonとToffのディファレンシャルを対人空調用として1℃とするが、対物空調として使用する場合には、このディファレンシャルをToffに対して何℃広げるかをリモコン23にて設定する。すなわち、対人空調時においては、Ton=Toff+1℃であるのに対して、対物空調時は、Ton=Toff+x℃とし、このx℃をリモコン23にて設定する。
【0031】
したがって、図3に示すように、対人空調では、室温が26℃となった時点で圧縮機1が運転を開始し、被空調室が冷却され、室温が25℃となった時点で圧縮機1が運転を停止し、被空調室の過冷却を防止する。すなわち、細かな運転の開始/停止制御が行われる。一方、対物空調では、室温が30℃となった時点で圧縮機1が運転を開始し、被空調室が冷却され、室温が25℃となった時点で圧縮機1が運転を停止し、被空調室の過冷却を防止する。すなわち、大まかな運転の開始/停止制御が行われる。
【0032】
このように、本実施の形態においては、ToffとTonの差、すなわち、ディファレンシャルを切り替え可能な構成とした。これにより、圧縮機の運転および停止のタイミングを任意に調整できるため、細かな温度調整が必要な対人空調と、細かな温度調整が必要のない対物空調と、の切り替え制御が可能となる。また、対物空調時には、ディファレンシャルを広げることで圧縮機の運転/停止制御の回数を低減できるため、上記切り替え制御ができず常に細かな温度調整を行う空気調和機と比較して、大幅に圧縮機の信頼性を向上させることができる。
【0033】
なお、本実施の形態では、圧縮機1の運転開始/停止を、商用電源の通電または遮断により行う構成としたが、これに限らず、たとえば、インバータを用いた場合においても上記と同様の効果が得られる。
【0034】
つぎに、上記リモコン23の動作を詳細に説明する。図4は、リモコン23の構成を示す図である。図4において、23aは設定温度および吸込み温度等、種々の情報を表示する表示部であり、23bは点滅表示を一時的に非表示にするフィルタリセットボタンであり、23cは試運転ボタンであり、23dは被空調室の温度を設定する室温設定ボタンである。
【0035】
まず、ディファレンシャルの設定を行う場合、空気調和機のユーザは、たとえば、リモコン23のフィルタリセットボタン23bと試運転ボタン23cを同時に押す。これにより、リモコン23に内蔵されたマイコンでは、上記2つのボタンの押下を判断し、ディファレンシャル設定モードに移行する。図5は、ディファレンシャル設定モード移行時の表示画面を示す図である。ここでは、デフォルトとして「000」が表示される。
【0036】
その後、ユーザは、室温設定ボタン23dを用いて、ディファレンシャルを何℃にするかを設定する。図6は、ディファレンシャルを10℃に設定した場合の表示画面を示す図である。
【0037】
そして、ユーザは、再度、フィルタリセットボタン23bと試運転ボタン23cを同時に押す。これにより、リモコン23に内蔵されたマイコンでは、ディファレンシャル設定モードの終了を判断し、通信回路24を介して、ディファレンシャルの設定内容を室内制御マイコン9に対して送信する。また、室内制御マイコン9では、通信回路13および12を介して、室外制御マイコン7に対して受け取ったディファレンシャルの設定内容を送信する。
【0038】
このように、本実施の形態においては、リモコンの所定ボタンの押下により、リモコン内のマイコンが、空気調和機内の室内制御マイコンに対してディファレンシャルの設定内容を送信する。これにより、特殊なリモコンを必要とせずに、通常のリモコンを用いて、デフォルトで対人空調用に設定されているディファレンシャルを、対物空調時のディファレンシャルに変更することができる。
【0039】
なお、ここでは、上記2つのボタンを同時に押すことにより、ディファレンシャル設定モードへの移行、およびディファレンシャル設定モードの終了、を判断したが、この操作は一例であり、他のボタン操作により判断することとしてもよいし、ディファレンシャル設定モード移行/終了用の専用ボタンを設けることとしてもよい。
【0040】
つぎに、室外制御マイコン7の動作を詳細に説明する。図7は、ディファレンシャルの設定内容を受け取った場合の室外制御マイコン7の動作を示す図である。まず、室外制御マイコン7では、室内機内の室内制御マイコン9からディファレンシャルの設定内容の送信があったかどうかを判定する(ステップS1)。そして、ディファレンシャルの設定内容の送信があった場合(ステップS1,Yes)、室外制御マイコン7では、不揮発性メモリ17に対してその内容(℃)を書き込む(ステップS2)。なお、室内制御マイコン9では、室内制御マイコン9からディファレンシャルの設定内容の送信があるまで、ステップS1の処理を繰り返し実行する。
【0041】
このように、本実施の形態では、室外制御マイコンが、受け取ったディファレンシャルの設定内容を不揮発性メモリに格納する。これにより、未使用期間に主電源をOFF状態にしていた場合においても、また、停電から復旧した場合においても、ディファレンシャルの再設定処理を省くことができる。
【0042】
また、図8は、室外制御マイコン7のディファレンシャル表示動作を示す図である。室外制御マイコン7では、現在の表示切替部19の設定内容がディファレンシャルの表示設定であるかどうかを判定し(ステップS3)、ディファレンシャル情報の表示設定である場合(ステップS3,Yes)、表示部18にディファレンシャルの設定内容(℃)を表示する(ステップS4)。なお、現在の表示切替部19の設定内容がディファレンシャルの表示設定でない場合は(ステップS3,No)、その内容を表示しない。図9は、対人空調時(たとえば、ディファレンシャル:1℃の場合)と対物空調時(たとえば、ディファレンシャル:10℃に設定した場合)の表示例を示す図である。ここでは、表示部18に、7セグメントLEDが用いられる。
【0043】
このように、本実施の形態では、ディファレンシャルの設定情報を室外機の表示部に表示する。これにより、サービスおよび保守メンテナンス時、被空調室に入ることなくディファレンシャルの設定内容を確認できるため、作業効率を向上させることができる。また、ディファレンシャルの設定内容を7セグメントLEDにて数値で表示する構成としたため、サービス時およびメンテナンス時の確認作業を容易に行うことができる。
【0044】
【発明の効果】
以上、説明したとおり、本発明によれば、対人空調時、被空調室の温度が「設定温度+m℃」となった時点で圧縮機の運転を開始し、設定温度となった時点で圧縮機の運転を停止し、一方、対物空調時、被空調室の温度が「設定温度+n(n>m)℃」となった時点で圧縮機の運転を開始し、設定温度となった時点で圧縮機の運転を停止する構成とした。これにより、細かな温度調整が必要な対人空調と、細かな温度調整が必要のない対物空調と、を切り替えて使用することができる、という効果を奏する。また、対物空調時には、上記n(ディファレンシャル)を広げることで圧縮機の運転/停止制御の回数を低減できるため、上記切り替え制御ができず常に細かな温度調整を行う空気調和機と比較して、大幅に圧縮機の信頼性を向上させることができる、という効果を奏する。
【0045】
つぎの発明によれば、リモコンの所定ボタンの押下により、リモコン内のマイコンが、空気調和機内の温度比較手段および圧縮機制御手段に対してディファレンシャルの設定内容を送信する。これにより、特殊なリモコンを必要とせずに、通常のリモコンを用いて、デフォルトで対人空調用に設定されているディファレンシャルを、対物空調時のディファレンシャルに変更することができる、という効果を奏する。
【0046】
つぎの発明によれば、圧縮機制御手段が、受け取ったディファレンシャルの設定内容を不揮発性メモリに格納する。これにより、未使用期間に主電源をOFF状態にしていた場合においても、また、停電から復旧した場合においても、ディファレンシャルの再設定処理を省くことができる、という効果を奏する。
【0047】
つぎの発明によれば、ディファレンシャルの設定情報を室外機の表示手段に表示する。これにより、サービスおよび保守メンテナンス時、被空調室に入ることなくディファレンシャルの設定内容を確認できるため、作業効率を向上させることができる、という効果を奏する。
【0048】
つぎの発明によれば、また、ディファレンシャルの設定内容を7セグメントLEDにて数値で表示する構成としたため、サービス時およびメンテナンス時の確認作業を容易に行うことができる、という効果を奏する。
【0049】
つぎの発明によれば、対人空調時、被空調室の温度が「設定温度+m℃」となった時点で圧縮機の運転を開始し、設定温度となった時点で圧縮機の運転を停止し、一方、対物空調時、被空調室の温度が「設定温度+n(n>m)℃」となった時点で圧縮機の運転を開始し、設定温度となった時点で圧縮機の運転を停止する。これにより、細かな温度調整が必要な対人空調と、細かな温度調整が必要のない対物空調と、を切り替えて使用することができる、という効果を奏する。また、対物空調時には、上記n(ディファレンシャル)を広げることで圧縮機の運転/停止制御の回数を低減できるため、上記切り替え制御ができず常に細かな温度調整を行う空気調和機と比較して、大幅に圧縮機の信頼性を向上させることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる空気調和機の構成を示す図である。
【図2】 対人冷房運転時の圧縮機の動作を示す図である。
【図3】 対人冷房運転時および対物冷房運転時の圧縮機の動作を示す図である。
【図4】 リモコンの構成を示す図である。
【図5】 ディファレンシャル設定モード移行時の表示画面を示す図である。
【図6】 ディファレンシャルを10℃に設定した場合の表示画面を示す図である。
【図7】 ディファレンシャルの設定内容を受け取った場合の室外制御マイコンの動作を示す図である。
【図8】 室外制御マイコンのディファレンシャル表示動作を示す図である。
【図9】 対人空調時と対物空調時の表示例を示す図である。
【図10】 従来の空気調和機の構成を示す図である。
【図11】 従来の空気調和機の動作を示す図である。
【図12】 従来の空気調和機の動作を示す図である。
【符号の説明】
1 圧縮機、2 四方弁、3 凝縮器、4 蒸発器、5 送風ファン、6 室外制御基板、7 室外制御マイコン、8 室内制御基板、9 室内制御マイコン、10 商用電源、11 室内外通信配線、12 通信回路、13 通信回路、14a パワーリレー、14b 励磁側コイル、15a 補助リレー、15b 励磁側コイル、16 駆動回路、17 不揮発性メモリ、18 表示部、19 表示切換部、20 出力回路、21 サーミスタ、22 変換回路、23 リモコン、23a 表示部、23b フィルタリセットボタン、23c 試運転ボタン、23d 室温設定ボタン、24 通信回路。

Claims (6)

  1. 圧縮機、四方弁、凝縮器および蒸発器を、順次冷媒配管で環状に接続して冷凍サイクルを構成する空気調和機において、
    被空調室の温度を設定する温度設定手段と、
    前記設定温度と被空調室の温度とを比較する温度比較手段と、
    対人空調時、被空調室の温度が「設定温度+m℃」となった時点で圧縮機の運転を開始し、前記設定温度となった時点で圧縮機の運転を停止し、一方、対物空調時、被空調室の温度が「設定温度+n(n>m)℃」となった時点で圧縮機の運転を開始し、前記設定温度となった時点で圧縮機の運転を停止する圧縮機制御手段と、
    を備えることを特徴とする空気調和機。
  2. 前記温度設定手段として動作するリモコンを用いて前記対人空調および対物空調の切り替えを行い、
    リモコン操作で設定された前記n(ディファレンシャル)を、前記温度比較手段および前記圧縮機制御手段に対して通知することを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
  3. 前記圧縮機制御手段は、受け取ったディファレンシャルを不揮発性メモリに格納することを特徴とする請求項2に記載の空気調和機。
  4. 前記圧縮機制御手段は、内部のマイコン制御で、室外機の表示手段にディファレンシャルを表示することを特徴とする請求項2または3に記載の空気調和機。
  5. 前記表示手段に7セグメントLEDを用いることを特徴とする請求項4に記載の空気調和機。
  6. 圧縮機、四方弁、凝縮器および蒸発器を順次冷媒配管で環状に接続して冷凍サイクルを構成する空気調和機の圧縮機制御方法において、
    被空調室の温度を設定する温度設定ステップと、
    前記設定温度と被空調室の温度とを比較する温度比較ステップと、
    対人空調時、被空調室の温度が「設定温度+m℃」となった時点で圧縮機の運転を開始し、前記設定温度となった時点で圧縮機の運転を停止し、一方、対物空調時、被空調室の温度が「設定温度+n(n>m)℃」となった時点で圧縮機の運転を開始し、前記設定温度となった時点で圧縮機の運転を停止する圧縮機制御ステップと、
    を含むことを特徴とする圧縮機制御方法。
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