JP3782220B2 - レーザ医療装置及びそのハンドピース - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ発生器から出射されたレーザ光を施術部に照射するレーザ医療装置、またレーザ発生装置においてレーザ光を施術部に導くためのハンドピースであって、特に上記ハンドピースのレーザ光出射端部を患部に接触させてレーザ医療を実施する接触医療方式に好適なレーザ医療装置及びハンドピースに関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザ発生器から出射されたレーザ光を施術部(例えば、切開部、歯科治療部)に照射して該施術部を切開又は治療するレーザ医療装置として、医療用レーザ光を導光するための光ファイバに可視性のガイド光を導き入れ、このガイド光の照明部を目的のレーザ照射位置に一致させた状態でレーザ光を出射することにより、確実に目標部位にレーザ光を照射できるようにしたものが、特開昭58−25152号公報、特公平7−61337号公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭58−25152号公報に記載のレーザ医療装置では、レーザ光の照射位置をスポット照明するためにガイド光としてレーザ光を使用しているが、レーザ光は指向性が高い(拡散性が低い)ので、施術部の限られた一部分だけを照明するにすぎない。そのため、特に歯科治療において、歯列等により外光の遮断されている場所では、レーザ光照射位置の周囲の状況が見えず、レーザ光を左右又は上下に移動しながら治療することが困難であった。また、ガイド光として用いられているレーザ光は赤色やオレンジ色の可視光であるために、患部からの出血を確認し難いという問題があった。さらに、上記公報に記載されている光ファイバのレーザ光出射端部を患部に接触させた状態でレーザ光を照射すると、ガイド光が患部に遮られために、暗くて上記光ファイバのレーザ光出射端部が見えず、術物はこの光ファイバのレーザ光出射端部が患部のどの場所に接触しているのか分からないという欠点がある。
【0004】
一方、特公平7−61337号公報に記載のレーザ医療装置は、レーザ光とガイド光をハンドピースに設けた一つの出射口から出射し、この出射口を施術部から離した状態で使用する非接触型のものである。しかし、非接触型のハンドピースは、術者が術感を得にくく、正確な治療が保証できないという問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は、レーザ光の照射位置だけでなく、この照射位置とその近傍を照明可能なレーザ医療装置を提供すること、また、施術中にレーザ光の出射端部を施術部に接触させている状態でも、この施術部の周囲を照明可能なレーザ治療装置及びそのハンドピースを提供することを主たる目的とする。
【0006】
上記目的を達成するために、レーザ医療装置用ハンドピースと、レーザ発生器と照明光源を有する本体ユニットとを有し、上記レーザ発生器で発生したレーザ光を上記ハンドピースから施術部に導くとともに上記照明光源で発生した照明光を上記ハンドピースから上記レーザ光の照射位置及びその周辺を照明するレーザ医療装置において、
(a)一端が上記本体ユニットのレーザ発生器と照明光源に接続され、他端が上記ハンドピースのケーシングに保持されおり、上記レーザ発生器で発生したレーザ光と上記照明光源で発生した照明光を上記一端から入射させて上記他端から出射させる第1の導光体(一次側光伝送体、第1の光伝送手段)と、
(b)一端が上記第1の導光体の他端から出射したレーザ光を入射されるように且つ他端が上記ハンドピースのケーシングから突出した状態で上記ハンドピースのケーシングに保持された第2の導光体(二次側光伝送体)と、
(c)一端が上記第1の導光体の他端から出射した照明光を入射されるように上記ハンドピースのケーシングに保持された第3の導光体(第2の光伝送手段)を有し、
(d)上記本体ユニットのレーザ発生器で発生したレーザ光が上記第1の導光体から第2の導光体を介して出射され、上記本体ユニットの照明光源で発生した照明光が上記第1の導光体から第3の導光体を介して出射されるようにしてあることを特徴とする
【0007】
本発明の他の形態のレーザ医療装置では、上記第3の導光体は、1本又は複数本の光ファイバで構成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の他の形態のレーザ医療装置では、上記第3の導光体を構成する複数の光ファイバは、上記第2の導光体の周囲に該第2の導光体の軸を中心とする円筒面上に該軸と平行に配置されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の他の形態のレーザ医療装置では、上記第3の導光体を構成する複数の光ファイバは、上記第2の導光体の周囲に螺旋状に配置されていることを特徴とする。
【0010】
本発明の他の形態のレーザ医療装置では、上記ケーシングから突出した上記第2の導光体の他端は特定の方向に向けて曲げられ、上記第3の導光体の他端は上記第2の導光体の他端外周及びその周囲を照明するように方向付けられていることを特徴とする。
【0011】
本発明の他の形態のレーザ医療装置では、上記第2の導光体は上記ケーシングに着脱自在としてあることを特徴とする。
【0012】
本発明の他の形態のレーザ医療装置では、上記照明光源が白熱電球又は発光ダイオードのいずれかであることを特徴とする。
【0013】
本発明の他の形態のレーザ医療装置では、上記照明光源をオン・オフする第1のスイッチと、上記レーザ発生器からのレーザ光をオン・オフする第2のスイッチとを有し、上記第2のスイッチは上記第1のスイッチがオンされている状態でのみオンすることを特徴とする。
【0014】
本発明の他の形態のレーザ医療装置では、上記照明光源のオン信号を上記レーザ発生器のオン信号より早く発生させる、又は上記照明光源のオフ信号を上記レーザ発生器のオフ信号よりも遅く発生させる、若しくは上記照明光源のオン信号を上記レーザ発生器のオン信号より早く発生させ且つ上記照明光源のオフ信号を上記レーザ発生器のオフ信号よりも遅く発生させることを特徴とする。
【0015】
本発明の他の形態のレーザ医療装置では、上記照明光源のオン信号がレーザ照射準備スイッチのオン信号と同時に発生し、かつ上記照明光源のオフ信号がレーザ照射スイッチのオフ信号を所定時間遅延させて発生することを特徴とする。
【0016】
本発明の他の形態のレーザ医療装置では、上記ガイド光は上記照明光と異なる色を有することを特徴とする。
【0017】
本発明の他の形態のレーザ医療装置では、上記第1と第2のスイッチを備えたフートコントローラを有し、該フートコントローラは、ペダルを第1の位置まで踏み込むと上記第1のスイッチがオンし、続いて上記ペダルを第2の位置まで踏み込むと上記第2のスイッチがオンし、逆に、上記第2のスイッチがオンした状態から上記ペダルを上記第2の位置に戻すと上記第2のスイッチがオフし、続いて上記ペダルを上記第1の位置まで戻すと上記第1のスイッチがオフするように構成されていることを特徴とする。
【0018】
本発明の他の形態のレーザ医療装置では、上記本体ユニットはガイド光源を有し、上記第1の導光体の一端が上記ガイド光源に接続されており、上記ガイド光源で発生したガイド光が上記第1の導光体から第2の導光体を介して出射されるようにしてあることを特徴とする。
【0019】
本発明はまた、レーザ医療装置用ハンドピースと、レーザ発生器と照明光源を有する本体ユニットとを有し、上記レーザ発生器で発生したレーザ光を上記ハンドピースから施術部に導くとともに上記照明光源で発生した照明光を上記ハンドピースから上記レーザ光の照射位置及びその周辺を照明するレーザ医療装置に利用されるハンドピースであって、上記ハンドピースはケーシングを有し、上記ケーシングは
(b)一端が上記本体ユニットのレーザ発生器と照明光源に接続された第1の導光体の他端を保持しており、
(c)一端が上記第1の導光体の他端から出射したレーザ光を入射されるように且つ他端が上記ハンドピースのケーシングから突出した状態で第2の導光体を保持しており、
(c)一端が上記第1の導光体の他端から出射した照明光を入射されるように第3の導光体を保持しており、
(d)上記本体ユニットのレーザ発生器で発生したレーザ光が上記第1の導光体から第2の導光体を介して出射され、上記本体ユニットの照明光源で発生した照明光が上記第1の導光体から第3の導光体を介して出射されるようにしてあることを特徴とする。
【0024】
【発明の作用及び効果】
本発明に係るレーザ医療装置及びそのハンドピースによれば、例えばハンドピースから離れた場所にあるレーザ発生器で発生したレーザ光が第1及び第2の導光体により伝送され、ケーシングを握りながらハンドピースを操作することにより、所定の施術部に照射される。施術中、第3の導光体から照明光が出射され、第1の導光体の出射端部外周及びその周辺が照明される。そのため、照明光の助けを借りて、術者は、レーザ光の照射状態や施術状態が視認でき、正確且つ精密な施術が行える。また、照明光はレーザ光の照射部位だけでなくその周辺も照らすので、ハンドピースを移動しながら治療する場合に、移動先の状態も確認でき、追加施術や修正が行い易いし、いちいち確認のためにレーザ光の照射を中断する必要がなく、連続した治療が可能である。また、レーザ光と照明光を第1の導光体で伝送し、しかる後、レーザ光は第2の導光体により伝送する一方、照明光は第3の導光体により伝送して第2の導光体の先端部外周及びその周囲を照明することができる。
【0025】
第3の導光体を一本又は複数本の光ファイバで構成したハンドピースでは、照明光はこれらの光ファイバを介して伝送され、その他端から出射される。また、第3の導光体が複数の光ファイバを有するものでは、照明光はレーザ光の照射部位及びその周囲に確実に照明される。さらに、複数の光ファイバが螺旋状に配置されているものでは、光ファイバから出射された光がある程度の角度をもって広がり、レーザ光の照射位置及びその周辺を照明する。
【0026】
第2の導光体をケーシングに対して着脱自在としたものでは、第2の導光体をハンドピースから取り外してオートクレーブ滅菌することができ、衛生的である。
【0027】
レーザ医療装置に、照明光源をオン・オフする第1のスイッチと、レーザ発生器をオン・オフする第2のスイッチとを設け、第2のスイッチは第1のスイッチがオンされている状態でのみオンするようにしたものでは、レーザ光の照射時には必ずその照射位置が照明光により照明されているので、第3の導光体の他端(先端)を確実に目的の施術位置に向けて配置し、その場所にレーザ光を照射できる。
【0028】
照明光源のオン信号をレーザ発生器のオン信号より早く発生させる、又は/及び照明光源のオフ信号をレーザ発生器のオフ信号よりも遅く発生させるレーザ医療装置では、レーザ発生器からレーザ光が出射された状態でレーザ光の照射位置が必ず照明されているので、術者は施術領域中でのレーザ光の照射位置を容易に視認でき、施術上の適正場所に確実にレーザ光を照射できる。
【0029】
上記照明光源のオン信号がレーザ照射準備スイッチのオン信号と同時に発生し、かつ上記照明光源のオフ信号がレーザ照射スイッチのオフ信号を所定時間遅延させて発生するようにしたレーザ医療装置では、レーザ光の照射前に施術部の状態を確認し、その状態に応じて適正なレーザ医療を施すことができる。また、レーザ光の照射終了後、施術後の状態を確認できる。
【0030】
第1と第2のスイッチをフートコントローラに設け、ペダルを第1の位置まで踏み込むと第1のスイッチがオンし、続いてペダルを第2の位置まで踏み込むと第2のスイッチがオンし、逆に、第2のスイッチがオンした状態でペダルを第2の位置に戻すと第2のスイッチがオフし、続いてペダルを第1の位置まで戻すと第1のスイッチがオフするように構成したレーザ治療装置では、フートコントローラのペダル操作で照明とレーザ光の照射を制御できるので、術者は手元でハンドピースを操作しながら、足下でペダルを操作することにより、容易に施術行為が行える。
【0031】
レーザ光の照射位置を照明するガイド光を出射するガイド光源を設け、照明光とガイド光を同時にオンするようにしたレーザ医療装置では、照明光に照らされた施術領域の中で、ガイド光の助けを借りて、目的の施術部位にレーザ光を向けることができる。
【0032】
上記ガイド光が照明光と異なる色を有するものでは、照明光の中でガイド光を確実に視認できるので、目的の場所に確実にレーザ光を照射できる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を説明する。図1は、歯科治療用レーザ医療装置(10)の全体を示し、このレーザ医療装置(10)は本体ユニット(12)を有する。本体ユニット(12)は箱形のハウジング(14)を有し、そこには、図2に示すように、レーザ医療装置(10)の全体を制御する制御部(16)、レーザ発生器(18)、ガイド光源(20)、照明電源(22)、給気源(24)、給水源(26)及び警告ランプ電源(28)が設けてある。
【0037】
図1に戻り、レーザ医療装置(10)はまた、レーザ発生器(18)で発生したレーザ光を用いて施術するためのハンドピース(30)と、ハンドピース(30)を用いた治療行為の際に、術者(図示せず)が足下でレーザ光の照射をオン・オフするためのフートコントローラ(32)とを含む。本体ユニット(12)とハンドピース(30)は後述する光ファイバ、給気管、給水管、電線を収容したフレキシブルチューブ(34)により接続され、本体ユニット(12)とフートコントローラ(32)は制御線(36)により接続されている。
【0038】
図3はハンドピース(30)の先端部分の断面を示す。ハンドピース(30)は、円筒状(外径約10mm、長さ約15cm)のケーシング(40)(図1参照)と、このケーシング(40)の先端側に取り付けられた複数の構成要素〔ホルダ(42)、ファイバ保持部材(44)等〕とで構成されている。
【0039】
ケーシング(40)の後端部にはフレキシブルチューブ(34)の一端が挿入されて固定されている(図示せず)。他方、図3,4〔図面を明瞭にするために、図4ではホルダ(44)の斜線による断面表示が省略してある。〕に示すように、ケーシング(40)の先端側には内ねじ部(46)が形成され、そこにホルダ(42)が固定されている。
【0040】
ホルダ(42)は、図5に示すように、円筒状の部材からなり、中心軸に沿って貫通孔(48)が形成されている。ホルダ(42)の先端側外周部には周方向に連続した溝(50)が形成され、そこにOリング(52)が装着されている。ホルダ(42)の後端側外周には外ねじ部(54)が形成されており、この外ねじ部(54)をケーシング(40)の内ねじ部(46)にはめ合わせることにより、ケーシング(40)に対してホルダ(42)が着脱自在に固定できる。ホルダ(42)の先端側には小径部(56)が形成され、この小径部(56)の後端側外周に外ねじ部(58)が形成されている。他方、小径部(56)の先端側には、この小径部(56)を貫通する円錐孔(60)が周方向に90度の角度を置いて4つ形成され、そこには小径部(56)の肉厚よりも大きな径を有するボール(62)がそれぞれ収容されている。また、小径部(56)には、その先端面から後方に向けて一部を切除して位置決め溝(図6参照)(64)が形成されている。
【0041】
貫通孔(48)は第1から第4の貫通孔部分(66)、(68)、(70)、(72)からなり、後端側の第1の貫通孔部分(66)が最も小径で、先端側に進むほど径が大きくしてある。最も後端側の第1の貫通孔部分(66)は、ホルダ(42)の後端面から後方に向かって突出した円筒部(74)によって後方に延長され、円筒部(74)の後端部内周面には周方向に連続した内側フランジ(76)が形成されている。また、第1の貫通孔部分(66)の先端側には内ねじ部(78)が形成されている。
【0042】
ホルダ(42)にはまた、その後端面から先端側に向けて3つの通路、すなわち給気路(80)、給水路(82)、配線路(84)が形成され、給気路(80)と給水路(82)の後端部をそれぞれ拡大して接続部(86)、(88)としてある。接続部(86)、(88)にはそれぞれ接続管(90)、(92)がはめ込まれ、これらの接続管(90)、(92)が給気管(94)と給水管(96)に接続されている。給気路(80)には3つの分岐路(100)、(102)、(104)が形成され、第1の分岐路(100)は第2の貫通孔部分(68)の後端側に連通し、第2の分岐路(102)は第2の貫通孔部分(68)の先端側に連通し、第3の分岐路(104)は第4の貫通孔部分(72)に連通している。給水路(82)は第3の貫通孔部分(70)の後端側に連通している。配線路(84)は、第3の貫通孔部分(70)の一部を切削して形成した窪み(すなわち、ランプ収容部(106))に連通している。そして、配線路(84)には、一端を照明電源(22)に接続した配線(108)が配置され、この配線(108)の他端がランプ収容部(106)に収容した小型の発光ダイオード又は白熱電球からなるランプ(110)に接続してある。
【0043】
ホルダ(42)にはさらに、第2の貫通孔部分(68)の略中間位置から第1の貫通孔部分(66)の後端部近傍にかけて、貫通孔(48)の軸方向に排気路(112)が形成されている。
【0044】
上述した給気路(80)、給水路(82)、配線路(84)、分岐路(100)、(102)、(104)、排気路(112)を形成するために、ホルダ(42)はその中心軸を含む平面で2つの部分に分割されており、これら分割部分の各接触面に上記給気路等が形成されている。また、2つの分割部分は組み合わせた状態で分離不可能に接着されている。
【0045】
貫通孔(48)には、図3、4に示すように、その後端側から光ファイバホルダ(116)、レンズユニット(118)、ファイバ保持部材(120)が配置されている。光ファイバホルダ(116)は円筒状をしており、第1の貫通孔部分(66)に配置され、後端側のフランジ(76)により後方への移動が規制されている。また、光ファイバホルダ(116)は、第1の光伝送体である一次側光ファイバ(122)の先端側を該一次側光ファイバ(122)の出射端部(124)が後述する出射端冷却室(126)に臨むようにして保持している。一次側光ファイバ(122)の後端側(レーザ光入射端部側)はレーザ発生器(18)に接続され(図示せず)、このレーザ発生器(18)で発生したレーザ光を出射端部(124)から出射する。光ファイバホルダ(116)の内周部には軸方向に排気路(128)が形成され、出射端冷却室(126)からの排気が可能となっている。
【0046】
レンズユニット(118)は、レンズ(130)と、このレンズ(130)を中心軸上に保持する円筒状の第1と第2のレンズ保持部材(132)、(134)とからなり、第2の貫通孔部分(68)に配置されている。第1のレンズ保持部材(132)はその後端側に外ねじ部(136)を有し、この外ねじ部(136)を第1の貫通孔部分(66)の先端側内ねじ部(78)(図5参照)にはめ込んで固定される。第1のレンズ保持部材(132)の先端側には内ねじ部(138)が形成され、これに対応して第2のレンズ保持部材(134)の外周には外ねじ部(140)が形成され、図示するように、第1のレンズ保持部材(132)の内部にレンズ(130)を配置した状態で、第2のレンズ保持部材(134)の外ねじ部(140)を第1のレンズ保持部材(132)の内ねじ部(138)にはめ込むことによりレンズ(130)を安定して固定すると共に、レンズ(130)を挟んでその後端側と先端側にそれぞれ出射端冷却室(126)と入射端冷却室(142)を形成している。
【0047】
第1のレンズ保持部材(132)には内外を接続する通路(144)が形成されており、第1のレンズ保持部材(144)を所定の場所に装着した状態で、この通路(144)がホルダ(42)の第1の分岐路(100)と連通している。したがって、給気管(80)から供給された空気(好ましくは乾燥空気)は、第1の分岐路(100)及び通路(144)を介して出射端冷却室(126)に供給された後、上述した光ファイバホルダ(116)の排気路(128)を介してハンドピース(30)の内部空間(146)に排気される。ハンドピース(30)は図示しない排気孔を備えており、この排気孔を介してハンドピース(30)の内部空間(146)から上記空気が大気に排出される。
【0048】
図4に示すように、ファイバ保持部材(120)は中空円筒状部材で、その先端部には第4の貫通孔部分(72)よりも大径の先端部(150)が形成され、その後端側にはホルダ(42)の第3から第1の貫通孔部分(72)、(70)、(68)に対応して、先端側から後端側に向かって段々に外径を小さくした複数の部分を有し、内部には中心軸に沿って貫通孔(151)が形成され、この貫通孔(151)にプローブ(152)を挿入し固定している。
【0049】
プローブ(152)は、周囲をステンレス製のチューブで保護した二次側光ファイバ(154)と、この二次側光ファイバ(154)に外装した内側ノズルチューブ(156)と外側ノズルチューブ(152)とからなり、二次側光ファイバ(154)と内側ノズルチューブ(156)との間に水噴射路(160)、内側と外側のノズルチューブ(156)、(152)の間に空気噴射路(162)が形成されている。
【0050】
プローブ(152)の先端側では、図7に示すように、内側ノズルチューブ(156)と外側ノズルチューブ(152)の先端が一致させてあり、そこから二次側光ファイバ(154)の先端側が所定長さ突出している。なお、本実施形態では、二次側光ファイバ(154)には、コア層とクラッド層とからなる光ファイバが使用されており、先端側と後端側において、内側のコア層が外側のクラッド層からそれぞれ所定長さ突出している。また、ファイバ保持部材(120)から突出したプローブ(152)及び二次側光ファイバ(154)の部分は特定の方向(図7の下方)に曲線状に曲げてある。
【0051】
図4に戻り、二次側光ファイバ(154)、内側と外側ノズルチューブ(156)、(158)の後端部は同一位置になく、内側ノズルチューブ(156)の後端部を二次側光ファイバ(154)の後端部から所定距離前方に移動し、同様に、外側ノズルチューブ(158)の後端部を内側ノズルチューブ(156)の後端部から所定距離前方に移動してあり、プローブ(152)は後端側に向かって段々に径が細くなっている。ファイバ保持部材(120)の貫通孔(151)はプローブ(152)の後端側の段々形状に対応して先端側から後端側に向かって段々に内径が細くしてあり、これによりプローブ(152)の各部分がファイバ保持部材(120)の貫通孔(151)内で適当に保持されるようにしてある。また、貫通孔(151)の後端部は内径を拡大して、入射端冷却室(142)に連通した空室(164)が形成され、この空室(164)に二次側光ファイバ(154)の入射端部(166)が突出している。
【0052】
第2の貫通孔部分(68)に対応したファイバ保持部材(120)の部分には、ホルダ(42)の第2の分岐路(102)(図3,5参照)に対向して通路(168)が形成されている。また、ホルダ(42)の排気路(112)に対向して別の通路(170)が形成されている。したがって、給気管(94)から供給された空気は、接続管(90)、給気路(80)、第2の分岐路(102)、通路(168)を介して入射端冷却室(142)に供給された後、通路(170)、排気路(112)、ハンドピース(30)の内部空間(146)を介して大気に排出される。
【0053】
同様に、第3の貫通孔部分(70)に対応したファイバ保持部材(120)の部分には、ホルダ(42)の給水路(82)に対向した通路(172)が形成されている。一方、ファイバ保持部材(120)の貫通孔(151)は通路(172)に対向する部分の内径を二次側光ファイバ(154)の外径よりも大きくして、二次側光ファイバ(154)の外周との間に通路(174)を形成し、この通路(174)が水噴射路(160)に連通している。したがって、給水管(96)、接続管(92)、給水路(82)を通じて送られてきた水は、通路(172)、(174)を介して水噴射路(160)に供給される。
【0054】
第3の貫通孔部分(70)に対応したファイバ保持部材(120)の部分には、第3の分岐路(104)に対向して通路(176)が形成されている。一方、ファイバ保持部材(120)の貫通孔(151)は通路(176)に対向する部分の内径を内側ノズルチューブ(156)の外径よりも大きくして該内側ノズルチューブ(156)との間に通路(178)が形成され、この通路(178)が空気噴射路(162)に連通しており、給気管(94)、接続管(90)、給気路(80)、第3の分岐路(104)を通じて送られてきた空気が、通路(176)、(178)を介して、空気噴射路(162)に供給される。
【0055】
ファイバ保持部材(120)にはまた、ランプ(110)の光を先端面から放射するために、ランプ収容部(106)から先端面に通じる光路(180)が形成されている。なお、光路(180)に光ファイバを配置し、この光ファイバを通じてランプ(110)の光が放射されるようにしてもよい。
【0056】
光路(180)の出光部(182)はファイバ保持部材(120)の先端面であって、二次側光ファイバ(154)を曲げた方向(図3,4の下方)の領域に設けてある。また、出光部(182)から放射された光が、図7に示すように、二次側光ファイバ(154)の先端(155)及びこれを含む周辺領域を照らすように、光路(180)は曲線状に形成されている。このような光路(180)を形成するために、本形態では、ファイバ保持部材(120)は、ホルダ(42)と同様に、2つ割としてあり、その分割面に光路(180)が形成されている。また、2つの分割部分は組み合わせた状態で分離不可能に接着されている。
【0057】
ファイバ保持部材(120)には、第4の貫通孔部分(72)に対応する外周部にピン(184)が固定してある。したがって、図6に示すように、ファイバ保持部材(120)をホルダ(42)の貫通孔(48)に挿入した状態で、ピン(184)がホルダ(42)の先端側に設けた位置決め溝(64)に係合することにより、ファイバ保持部材(120)の回転を防止し、ファイバ保持部材(120)の各部をそれぞれホルダ(42)の対応する部分に一致させることができる。
【0058】
第4の貫通孔部分(72)に対応したファイバ保持部材(120)の部分にはまた、ホルダ(42)の円錐孔(60)に対応して4つの窪み(186)が形成され、後述するように、円錐孔(60)に収容されたボール(62)が窪み(186)に係合することで、ホルダ(42)に対するファイバ保持部材(120)の脱落が防止できるようにしてある。
【0059】
加えて、ファイバ保持部材(120)の外周部には、第2、3及び4の貫通孔部分(68)、(70)、(72)に対応する箇所に、周方向に連続した溝部(190)、(192)、(194)が形成され、それぞれの溝部(190)、(192)、(194)にOリング(196)、(198)、(200)が装着され、これによりファイバ保持部材(120)とホルダ(42)との間がシールされている。
【0060】
袋ナット(202)は、図3に示すように、後端側内周部に内ねじ部(204)を有し、この内ねじ部(204)をホルダ(42)の先端側外周部に形成した外ねじ部(58)にはめ込むことにより、袋ナット(202)がホルダ(42)に対して固定できる。袋ナット(202)は、ホルダ(42)に対してファイバ保持部材(120)を位置決めする役割を果たす。そのために、袋ナット(202)の先端側の内径はホルダ(42)の先端側外径とほぼ等しくしてあると共に、ホルダ(42)の円錐孔(60)に対応する部分の後端側に窪み(206)が形成されており、ホルダ(42)に対して袋ナット(202)を締めると、袋ナット(202)の内面が円錐孔(60)に収容されているボール(62)に接触してこれを半径方向内側に押し込み、このボール(62)がファイバ保持部材(120)の窪み(186)に係合して該ファイバ保持部材(120)を位置決めする。逆に、ホルダ(42)に対して袋ナット(202)を緩めて該袋ナット(202)を先端側に移動させると、袋ナット(202)の窪み(206)がボール(62)に対向し、この状態でファイバ保持部材(120)を先端側に移動させると、このファイバ保持部材(120)によりボール(62)が半径方向外側に押しやられ、ファイバ保持部材(120)をホルダ(42)から引き出すことができる。なお、袋ナット(202)を緩めて先端側に移動させた場合、ホルダ(42)の先端部に装着されているOリング(52)がホルダ(42)の外周面から僅かに突出しているので、この突出部に袋ナット(202)に当たってその脱落が防止される。
【0061】
このように構成されたハンドピース(30)では、図1,3,4,5,7に示すように、レーザ発生器(18)で発生したレーザ光は、一次側光ファイバ(122)の後端側の入射端部(図示せず)に入射される。入射されたレーザ光は一次側光ファイバ(122)に案内され、ハンドピース(30)内の出射端冷却室(126)において、一次側光ファイバ(122)の出射端部(124)から出射される。出射されたレーザ光はレンズ(130)で集光され、入射端部冷却室(142)において二次側光ファイバ(154)の入射端部(166)に入射された後、この二次側光ファイバ(154)に案内されてその先端(155)から出射される。
【0062】
ガイド光源(20)で発生したガイド光(図示せず)は、レーザ光と同様に、一次側光ファイバ(122)、二次側光ファイバ(154)を介して、この二次側光ファイバ(154)の先端(155)から出射され、レーザ光の照射位置を差し示す。ガイド光としては、従来から使用されているヘリウムネオンレーザ、波長が650−670ナノメータの領域にある半導体レーザ等の可視光レーザが使用可能である。
【0063】
給気源(24)から送り出された空気は、給気管(94)、接続管(90)、給気路(80)を介して第1から第3の分岐路(104)に入る。第1の分岐路(100)に送り込まれた空気は出射端冷却室(126)に進入し、ここで一次側光ファイバ(122)の出射端部(124)を冷却した後、ハンドピース(30)の内部空間(146)を介して大気に放出される。
【0064】
第2の分岐路(102)に送り込まれた空気は入射端冷却室(142)に導入され、ここで二次側光ファイバ(154)の入射端部(166)を冷却した後、ハンドピース(30)の内部空間(146)を介して大気に放出される。
【0065】
第3の分岐路(104)に送り込まれた空気は空気噴射路(162)に導入され、その先端開口部から吐出する。
【0066】
給水源(26)から送り出された水は、給水管(96)、接続管(92)、給水路(82)を介して水噴射路(160)に送り込まれ、この水噴射路(160)の先端開口部から吐出する。吐出した水は、空気噴射路(162)から吐出される空気によりミスト状に細かく分散し、二次側光ファイバ(154)から出射されたレーザ光の照射部に噴霧される。
【0067】
一方、ランプ(110)で発生した光は光路(180)に入り、出光部(182)から出射する。ここで、出光部(182)側の光路(180)部分は、図示するようにハンドピース(30)の中心軸に対して、二次側光ファイバ(154)の曲がっている方向に傾けてあるので、図7に示すように、出射した光は二次側光ファイバ(154)の出射端部外周及びその周辺領域を照明する。そのため、術者は、例えば口腔内であっても、治療部位だけでなく二次側光ファイバ(154)の先端部外周の周辺領域の状況を容易に目視し確認できる。
【0068】
レーザ医療装置(10)の全体制御を説明する。図2を参照すると、制御部(16)の入力部には、本体メインスイッチ(210)、照射準備スイッチ(212)、照射スイッチ(214)及びレーザ発振条件設定スイッチ(216)が接続してある。本体メインスイッチ(210)(図1参照)はハウジング(14)の一側部に設けられたキースイッチで、術者が適合するキーを挿入し回転することによってのみ、レーザ医療装置(10)がオン状態に設定できる。照射準備スイッチ(212)はコントロールパネル(218)(図1参照)に設けられたスイッチで、この照射準備スイッチ(212)をオンすることにより、ガイド光源(20)で発生したガイド光が発射されて二次側光ファイバ(154)の出射端部から出射される。照射スイッチ(214)はフートコントローラ(32)に内蔵されており、フートコントローラ(32)のペダル(220)を所定量踏み込むことによりオンする。レーザ発振条件設定スイッチ(216)は、コントロールパネル(218)に設けたスイッチで、これを操作することにより、レーザ光の発振条件が任意に設定できる。
【0069】
他方、制御部(16)の出力部には、レーザ発生器(18)、ガイド光源(20)、照明電源(22)、給気源(24)、給水源(26)、警告ランプ電源(28)が接続されている。なお、警告ランプ電源(28)は、本体ユニット(12)に設けた警告ランプ(110)に電気を供給する電源である。
【0070】
図8は上記制御回路の一制御例を示す。この制御例によれば、本体メインスイッチ(210)がオンされている状態で、術者が照射準備スイッチ(212)をオンすると、ガイド光源(20)と照明電源(22)がオンする。これにより、ガイド光が二次側光ファイバ(154)の先端部(155)から出射されると共に、ランプ(110)がオンして二次側光ファイバ(154)の先端部外周及びその周辺が照明される。この状態で術者はハンドピース(30)の先端を治療部位の近傍に向け、照明光により照明された領域の中から治療部位を視認し、レーザ光の照射前にガイド光を正確に治療患部に当てて治療体勢をとることができる。
【0071】
なお、ランプ(110)によって照明された領域の中でガイド光を識別できるように、ランプ(110)の光とガイド光の光は色を違えるか、ランプ光の強度をガイド光の強度よりも弱くするのが好ましい。また、ガイド光はランプ(110)の光と異なる色のレーザ光としてもよい。
【0072】
ガイド光源(20)と照明電源(22)がオンすると同時に、給気源(24)が駆動し、そこから供給された空気が出射端冷却室(126)と入射端冷却室(142)に導入されると共に、プローブ(152)の先端側から噴射される。これにより一次側光ファイバ(122)の出射端部(124)と二次側光ファイバ(154)の入射端部(166)が冷却、清掃される。
【0073】
次に、図1を参照すると、術者がフートコントローラ(32)を操作して照射スイッチ(214)をオンすると、レーザ発生器(18)が起動してレーザ光を発生する。発生したレーザ光は上述のようにして二次側光ファイバ(154)の先端部(155)から出射されて、ガイド光の照射位置に照射される。このとき、レーザ光の照射状態や治療状態はランプ(110)の光の助けを借りて容易に視認できる。また、照明光はレーザ光の照射部位だけでなく、二次側光ファイバ先端部(155)の外周とその周辺も照らしているので、ハンドピース(30)を移動しながら治療する場合に移動先の状態も確認でき、いちいち確認のためにレーザ光の照射を中断する必要がなく、連続した治療が可能である。
【0074】
レーザ光の照射開始と同時に、給水源(26)が起動し、これにより給水源(26)から供給された水がプローブ(152)の先端近傍から吐出し、吐出した水は噴射されている空気によりミストとなって分散され、レーザ光の照射位置に噴霧される。
【0075】
レーザ光の照射開始と同時に、警告ランプ(110)が点灯する。したがって、術者のアシスタントも、いまレーザ光が照射されていることを知ることができる。
【0076】
レーザ光の照射を中断する場合、フートコントローラ(32)のペダル(220)を解放し戻して照射スイッチ(214)をオフする。照射スイッチ(214)がオフすると、レーザ発生器(18)、給水源(26)がオフし、レーザ光の照射と水の噴霧が停止する。
【0077】
照射スイッチ(214)がオフされた状態でも、照射準備スイッチ(212)がオンされている限り、ガイド光源(20)、照明電源(22)及び給気源(24)はオン状態を維持する。したがって、図8には示していないが、照射準備スイッチ(212)がオンされている状態で再び照射スイッチ(214)がオンされると、そのオン動作とほぼ同時にレーザ光の照射と水の噴射が再開され、レーザ治療が再開可能となる。したがって、レーザ光を断続的に照射しながら治療を継続する場合は、照射スイッチ(214)をオンしてからの待機時間が不要となり、遅滞なく治療を行うことができる。また、レーザ光による治療結果を容易に確認し、その後の治療方針に役立てることができる。
【0078】
その後、照射準備スイッチ(212)がオフされると、ガイド光源(20)、照明電源(22)及び給気源(24)がオフされる。但し、照射準備スイッチ(212)をオフすると同時に照明電源(22)をオフする必要はなく、照射スイッチ(214)をオフしてから所定時間後にランプ(110)をオフしてもよい。
【0079】
なお、照射準備スイッチ(212)のオンと同時に照明光とガイド光を点灯するものとしたが、遅延回路(図示せず)を設けることにより、照射準備スイッチ(212)のオンから所定時間遅れて照明光とガイド光を点灯してもよい。
【0080】
また、ガイド光源(20)、照明電源(22)及び給気源(24)は、照射準備スイッチ(212)のオフと同時にオフするものとしたが、照射スイッチ(214)をオフしてから所定時間後に、自動的にオフするようにしてもよい。
【0081】
さらに、図13に示すように、2段スイッチ、すなわちペダル(220)により順次オンオフされる2つのスイッチ(214A、214B)を設けたフートコントローラ(32)を用いる構成にしてもよい。
【0082】
上記2つのスイッチのうち、第1のスイッチ(214A)は照明光、ガイド光の点灯及び空気の供給をオンオフするスイッチであり、第2のスイッチ(214B)は、レーザ光の照射と水の噴射をオンオフするスイッチである。フートコントローラ(32)のペダル(220)を踏み込んでいくと、まず第1の位置P1で第1のスイッチ(214A)がオンになり、さらに踏み込みを深くすると第2の位置P2で第2のスイッチ(214B)がオンになる。反対に、ペダル(220)を十分に踏み込んだ状態から戻していき、第2の位置P2を過ぎると第2のスイッチ(214B)がオフになり、さらに踏み込みを浅く戻していき、第1の位置P1を過ぎると、第1のスイッチ(214A)がオフになる。
【0083】
図9は上記のようなフートコントローラ(32)を用いた場合の一制御例である。この制御例によれば、ペダル(220)が第1の位置P1まで踏み込まれたときに第1のスイッチ(214A)がオンし、これにより照明光、ガイド光の点灯及び空気の供給を開始し、続いてペダル(220)がさらに第2の位置P2まで踏み込まれたときに第2のスイッチ(214B)がオンし、これによりレーザ光の照射と水の噴射を開始し、反対に、ペダル(220)を十分に踏み込んだ状態から第2の位置P2を過ぎるまで戻すと第2のスイッチ(214B)がオフしてレーザ光の照射と水の噴射を停止し、さらにペダル(220)を第1の位置P1を過ぎるまで戻すと第1のスイッチ(214A)がオフして空気と水の噴射を停止し、その後所定時間経過してから照明光を消灯する。第1のスイッチ(214A)のオフと同時に照明光の消灯をするようにしてもよいことは、もちろんである。
【0084】
上記の構成により、図中の照明光による照明時間L1は必ずレーザ照射時間L2を含んでこれより時間的に長くなり、必ずレーザ照射の前および後に照明光により患部が確認できる。
なお、上記は第1のスイッチ(214A)が照明光の点灯及びガイド光の照射のオンオフ、空気の供給のオンオフ、第2スイッチ(214B)がレーザ光の照射及び水の噴射のオンオフをする構成であるが、少なくとも第1のスイッチ(214A)が照射光の点灯のみのオンオフ、第2スイッチ(214B)がレーザ光の照射のみのオンオフをするようにするものであれば、ガイド光の照射のオンオフ、空気の供給のオンオフ、水の噴射のオンオフは別に制御するようにしてもよいし、部分的に第1のスイッチ(214A)、第2のスイッチ(214B)に連動するようにしてもよい。
【0085】
上記実施形態では、ハンドピース(30)にランプ(110)を設け、これによりレーザ光の照射位置及びその近傍を照明したが、本発明はこれに限定されるものでない。例えば、図10から12に示す他の形態では、プローブ(230)に外装されているチューブ(232)は、例えば、多数の光ファイバを該チューブ(232)の軸を中心とする円筒面上に該軸と平行に隙間無く配列して構成されており、その後端部は出射端冷却室(126)に臨ませてある。
【0086】
この実施形態では、照明光源は本体ユニット(14)に設けてあり、そこで発生した照明光は、レーザ光と同様に、一次側光ファイバ(122)に導入され、この一次側光ファイバ(122)の出射端部からレンズ(130)を介して照明用の光ファイバチューブ(232)に入り、図11に示すように、この光ファイバチューブ(232)の先端部から出射される。このとき、図示するように、照明光はレーザ光ではないので、出射された光はある程度の角度をもって広がり、レーザ光の照射位置及びその周辺を照明する。
【0087】
なお、光ファイバチューブ(232)の各光ファイバはその軸と平行に配列してもよいし、螺旋状に配列してもよいが、螺旋状に配列すると各光ファイバから出射された光の拡散角が広がるので、より広い範囲を照明できる。
【0088】
また、レーザ光を導光する第1及び第2の光伝送体は光ファイバで構成したが、レーザ光を伝送できるものであればあらゆる公知の導光体が用いられる。
【0089】
さらに、本発明を歯科用の治療装置に適用した形態について説明したが、レーザ光を用いた医療装置であればあらゆる装置に本発明は適用できる。
【0090】
さらにまた、レーザ発生器はレーザ医療装置の本体ユニットに設けたが、ハンドピースの形態やレーザ発生器の大きさによっては、このハンドピースに内蔵してもよい。
【0091】
加えて、以上の説明では、プローブ(152)、(230)の先端側を一方に曲げた形態のハンドピースについて説明したが、プローブ先端側はハンドピースから真っ直ぐに突出していてもよい。また、二次側光ファイバ(154)としてコアとクラッドとからなる光ファイバを使用したが、本発明はこれに限定されるものでなく、石英やサファイアなどの単一材料からなる光ファイバや円錐状又は円筒状の部材であってもよい。
【0092】
最後に、本発明のレーザ医療装置に利用するレーザ光の種類は限定的ではなく、例えばレーザ医療装置を歯科、口腔外科、耳鼻咽喉科などの分野に使用する場合には、治療用のレーザ光として、その波長が0.5〜5.5umのものを用いるのが望ましく、このようなレーザとして、Er:YAG(エルビウム−イットリウム−アルミニウム−ガーネット)、Er:YSGG(エルビウム−イットリウム−スカンジウム−ガリウム−ガーネット)、Ho:YAG(ホロミウム−イットリウム−アルミニウム−ガーネット)、Th:YAG(ソリウム−イットリウム−アルミニウム−ガーネット)、Co:VF(コバルト−パナジウム−フルオライド)、Er:GLASS(エルビウム−ガラス)、Nd:GLASS(ネオジウム−ガラス)、Nd:YAG(ネオジウム−イットリウム−アルミニウム−ガーネット)、Ti:Sa(チタニウム−サファイア)などの固体レーザ、またCO(一酸化炭素)などの気体レーザを用いることができる。但し、上記固体レーザ光等は不可視光であるので、上述のように、ガイド光としては従来と同様のヘリウムネオンレーザや、波長が400〜800ナノメータの領域にある半導体レーザ等の可視光レーザを使用するのが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るレーザ医療装置の全体斜視図。
【図2】 図1に示すレーザ医療装置の制御回路図。
【図3】 本発明に係るハンドピースの部分拡大縦断面図。
【図4】 図3に示すハンドピース部分拡大縦断面図の一部だけを取り出した部分拡大縦断面図。
【図5】 図3に示すハンドピース部分拡大縦断面図の別の一部だけを取り出した部分拡大縦断面図。
【図6】 本発明に係るハンドピースの部分平面図。
【図7】 ハンドピースの先端から出射される照明光の照明状態を示す側面図。
【図8】 レーザ医療装置の制御例を示すタイミングチャート。
【図9】 レーザ医療装置の他の制御例を示すタイミングチャート。
【図10】 ハンドピースの他の形態を示す部分拡大縦断面図。
【図11】 図10のハンドピースから出射される照明光の照明領域を示す側面図。
【図12】 図10のハンドピースに使用されているプローブの横断面図。
【図13】 フートコントローラの断面図。
【符号の説明】
10…レーザ医療装置、12…本体ユニット、16…制御部、18…レーザ発生器、20…ガイド光源、22…照明電源、30…ハンドピース、32…フートコントローラ、40…ケーシング、42…ホルダ、44…ファイバ保持部材、122…一次側光ファイバ、154…二次側光ファイバ、155…二次側光ファイバ先端、110…ランプ、180…光路、182…出光部、232…光ファイバチューブ、214…照射スイッチ、214A…第1スイッチ、214B…第2スイッチ、220…ペダル。
Claims (14)
- レーザ医療装置用ハンドピースと、レーザ発生器と照明光源を有する本体ユニットとを有し、上記レーザ発生器で発生したレーザ光を上記ハンドピースから施術部に導くとともに上記照明光源で発生した照明光を上記ハンドピースから上記レーザ光の照射位置及びその周辺を照明するレーザ医療装置において、
(a)一端が上記本体ユニットのレーザ発生器と照明光源に接続され、他端が上記ハンドピースのケーシングに保持されおり、上記レーザ発生器で発生したレーザ光と上記照明光源で発生した照明光を上記一端から入射させて上記他端から出射させる第1の導光体と、
(b)一端が上記第1の導光体の他端から出射したレーザ光を入射されるように且つ他端が上記ハンドピースのケーシングから突出した状態で上記ハンドピースのケーシングに保持された第2の導光体と、
(c)一端が上記第1の導光体の他端から出射した照明光を入射されるように上記ハンドピースのケーシングに保持された第3の導光体を有し、
(d)上記本体ユニットのレーザ発生器で発生したレーザ光が上記第1の導光体から第2の導光体を介して出射され、上記本体ユニットの照明光源で発生した照明光が上記第1の導光体から第3の導光体を介して出射されるようにしてあることを特徴とするレーザ医療装置。 - 上記第3の導光体は、1本又は複数本の光ファイバで構成されていることを特徴とする請求項1のレーザ医療装置。
- 上記第3の導光体を構成する複数の光ファイバは、上記第2の導光体の周囲に該第2の導光体の軸を中心とする円筒面上に該軸と平行に配置されていることを特徴とする請求項2のレーザ医療装置。
- 上記第3の導光体を構成する複数の光ファイバは、上記第2の導光体の周囲に螺旋状に配置されていることを特徴とする請求項2のレーザ医療装置。
- 上記ケーシングから突出した上記第2の導光体の他端は特定の方向に向けて曲げられ、上記第3の導光体の他端は上記第2の導光体の他端外周及びその周囲を照明するように方向付けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかのレーザ医療装置。
- 上記第2の導光体は上記ケーシングに着脱自在としてあることを特徴とする請求項1〜5のいずれかのレーザ医療装置。
- 上記照明光源が白熱電球又は発光ダイオードのいずれかであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかのレーザ医療装置。
- 上記照明光源をオン・オフする第1のスイッチと、上記レーザ発生器からのレーザ光をオン・オフする第2のスイッチとを有し、上記第2のスイッチは上記第1のスイッチがオンされている状態でのみオンすることを特徴とする請求項1〜7のいずれかのレーザ医療装置。
- 上記照明光源のオン信号を上記レーザ発生器のオン信号より早く発生させる、又は上記照明光源のオフ信号を上記レーザ発生器のオフ信号よりも遅く発生させる、若しくは上記照明光源のオン信号を上記レーザ発生器のオン信号より早く発生させ且つ上記照明光源のオフ信号を上記レーザ発生器のオフ信号よりも遅く発生させることを特徴とする請求項8のレーザ医療装置。
- 上記照明光源のオン信号がレーザ照射準備スイッチのオン信号と同時に発生し、かつ上記照明光源のオフ信号がレーザ照射スイッチのオフ信号を所定時間遅延させて発生することを特徴とする請求項9のレーザ医療装置。
- 上記第1と第2のスイッチを備えたフートコントローラを有し、該フートコントローラは、ペダルを第1の位置まで踏み込むと上記第1のスイッチがオンし、続いて上記ペダルを第2の位置まで踏み込むと上記第2のスイッチがオンし、逆に、上記第2のスイッチがオンした状態から上記ペダルを上記第2の位置に戻すと上記第2のスイッチがオフし、続いて上記ペダルを上記第1の位置まで戻すと上記第1のスイッチがオフするように構成されていることを特徴とする請求項8〜10のいずれかのレーザ医療装置。
- 上記本体ユニットはガイド光源を有し、上記第1の導光体の一端が上記ガイド光源に接続されており、上記ガイド光源で発生したガイド光が上記第1の導光体から第2の導光体を介して出射されるようにしてあることを特徴とする請求項1から11のいずれかのレーザ医療装置。
- 上記ガイド光は上記照明光と異なる色を有することを特徴とする請求項12のレーザ医療装置。
- レーザ医療装置用ハンドピースと、レーザ発生器と照明光源を有する本体ユニットとを有し、上記レーザ発生器で発生したレーザ光を上記ハンドピースから施術部に導くとともに上記照明光源で発生した照明光を上記ハンドピースから上記レーザ光の照射位置及びその周辺を照明するレーザ医療装置に利用されるハンドピースであって、上記ハンドピースはケーシングを有し、上記ケーシングは
(b)一端が上記本体ユニットのレーザ発生器と照明光源に接続された第1の導光体の他端を保持しており、
(c)一端が上記第1の導光体の他端から出射したレーザ光を入射されるように且つ他端が上記ハンドピースのケーシングから突出した状態で第2の導光体を保持しており、
(c)一端が上記第1の導光体の他端から出射した照明光を入射されるように第3の導光体を保持しており、
(d)上記本体ユニットのレーザ発生器で発生したレーザ光が上記第1の導光体から第2の導光体を介して出射され、上記本体ユニットの照明光源で発生した照明光が上記第1の導光体から第3の導光体を介して出射されるようにしてあることを特徴とするハンドピース。
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