JP3781753B2 - クローラ式運搬車の油圧走行駆動機構 - Google Patents
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Description
また、従来のキャビンにおける座席及び走行操作レバー構成においては、後進時に後進方向を向いて作業ができるように、従来より回転式の座席が設けられている。
そして、走行操作レバーは、座席とは別体であり、後進方向に向いた時にも走行操作可能なように、座席の前方に設けた前進時に操作する走行操作レバーとは別に、座席の後方に後進時用の走行操作レバーを設けている。
本発明はこのような従来技術の不具合を解消するものである。
請求項1においては、前部にキャビン3を、後部に荷箱5を配設し、2組のHSTにて左右の走行装置を一つずつ駆動制御する2ポンプ2モーター式の油圧走行駆動機構を具備したクローラ式運搬車において、キャビン3内に回転可能な座席台11を配置し、該座席台11上に座席12を搭載し、該座席台11の下部にロータリーバルブRVを配置し、該座席台11の前部に走行操作バルブSVを配置し、該走行操作バルブSVの部分から、左右の走行操作レバーL1・L2を突設し、該座席12と共に走行操作バルブSVと走行操作レバーL1・L2を前後に回転可能に構成し、該走行操作バルブSVが制御した斜板制御用パイロット回路を、前記ロータリーバルブRVにて座席の回転に伴い切り換え、座席台11を180°回転して、座席12を後ろ向きにした状態で、左側の走行操作レバーL1にて右側のクローラ走行装置2Rを、右側の走行操作レバーL2にて左側のクローラ走行装置2Rを駆動操作するように切り換え、前向きの時も後向きの時も、左右に配設する走行操作レバーと、操縦する左右の走行装置を同一側としたものである。
走行操作レバーを従来のように座席の前後に設けずにすみ、作業空間が拡大し、回転時にレバーに体をぶつけるという事態も回避できるのである。
また、ロータリーバルブの配設により、座席を後向きに回転させた時に、同じ走行操作レバーによって、前向き時とは反対側の走行装置を駆動操作できて、作業者の操作感覚に一致して、操作しやすくなったのである。
図1は本発明の油圧走行駆動機構を採用するクローラ式運搬車の斜視図、図2は同じく側面図、図3は同じく底面図、図4はメインフレーム1におけるエンジン、HST、及び油圧ホースの配置構成を示す平面図、図5は同じく側面図、図6は同じく正面図、図7はキャビン及びその内部の側面図、図8はキャビン内の後部上方からの斜視図、図9は走行操作レバーL1・L2の構成を示す正面図、図10は同じく平面図、図11は同じく側面図、図12は走行操作レバーを走行段に固定可能とした構成を示す斜視図、図13は本発明の油圧走行駆動機構の油圧回路図、図14は座席を前向きとした時の油圧走行駆動機構の油圧系を示すブロック図、図15は同じくロータリーバルブにおける連通構造を示すブロック図、図16は座席を後向きとした時の油圧走行駆動機構の油圧系を示すブロック図、図17は同じくロータリーバルブにおける連通構造を示すブロック図、図18は走行停止時において駐車ブレーキがかかっている時の油圧走行駆動機構の油圧系を示すブロック図、図19は走行駆動時で駐車ブレーキが解除した時の油圧走行駆動機構の油圧系を示すブロック図、図20は走行操作レバーを走行段から停止段に切り換えた時の駐車ブレーキのかかり始めの時の油圧走行駆動機構の油圧系を示すブロック図、図21は駐車ブレーキの構成を示す略図である。
このクローラ式運搬車においては、メインフレーム1に、クローラ2bを巻回してなるクローラ走行装置2・2を左右に具備しており、メインフレーム1上の前部には、作業者の乗り込むキャビン3が配設されている。該キャビン3の側方には、燃料タンク等を内設するボンネット4が配設されていて、該キャビン3及びボンネット4の後方において、図3図示の油圧昇降シリンダー6・6にて昇降駆動される荷箱5が配設されている。
メインフレーム1は、内側縦フレーム7L・7Rを左右平行状に並設し、その外側において、外側縦フレーム8L・8Rを平行状に並設しており、これら縦フレーム7L・7R・8L・8Rを、左右方向の横フレーム9・9・・・にて連結して構成されている。
メインフレーム1の横フレーム9上にて、エンジンEが左右中央付近に固設されていて、その後端に油圧ポンプP1・P2を連設しており、メインフレーム1の左右外側面において、油圧モーターM1・M2を固設していている。該各油圧モーターM1・M2のモーター軸が、左右クローラ走行装置2L・2Rの駆動輪2aの車軸となっていて、該駆動輪2aを回転駆動して、クローラ2bを走行駆動する構成となっている。
油圧ポンプP1より油圧モーターM1へは油圧ホースH1・H2を、油圧ポンプP2より油圧モーターM2へは油圧ホースH3・H4を各々配管しているが、油圧ポンプP1・P2のポートから延設された油圧ホースは、全て側方に延出されて、油圧ホースH1・H2は左側の内側縦フレーム7Lと外側縦フレーム8Lとの間に、油圧ホースH3・H4は右側の内側縦フレーム7Rと外側縦フレーム8Rとの間に配管されて、エンジンEには全く干渉しないようにしている。
更に、エンジンEを支持する横フレーム9において、内側縦フレーム7L・外側縦フレーム8L間、及び内側縦フレーム7R・外側縦フレーム8R間にて、それぞれ嵌挿孔9a・9aを穿設しており、各嵌挿孔9a・9aにホース管10・10を嵌挿し、各ホース管10・10内に、油圧ホースH1・H2と、油圧ホースH3・H4とをそれぞれ通し、各油圧モーターM1・M2のポートに連結しているのである。
従来よりHSTは、車輌のメインフレーム1に配設されていて、油圧ポンプP1・P2はエンジンEに連設し、油圧モーターM1・M2は、駆動輪2a・2aに連設すべく、該メインフレーム1の左右外側縦フレーム8・8の外側面に固設していた。そして、このようなHSTの配設構成に伴い、各HSTにおけるポンプ・モーター間の油圧ホースH1・H2・H3・H4の配管は、各油圧ポンプP1・P2から油圧ホースが左右方向に延設されていることから、交差部位を生ずることを免れず、そこで、従来は、エンジンEの直傍方で、内側縦フレーム7・7の内側に油圧ホースH1〜H4を前後直線状に配管して、エンジンEのファンプーリーFP(FBはファンベルト)下側において、全ホースH1〜H4の交差部位を設けていた。
そして、横フレーム9の嵌挿孔9aに嵌挿したホース管10に、油圧ホースを嵌挿することで、油圧ホースが下方に撓まず、剥き出しになる部位が発生しないので、物に引っ掛けて破損するという事態がなくなるのである。
キャビン3内には回転可能な座席台11上において座席12が搭載されており、該座席台11の前部には走行操作用パネル11aが突設されている。そこから前部上方に左右の走行操作レバーL1・L2が突設されている。座席12を前向きにした状態においては、左側の走行操作レバーL1にて左側のクローラ走行装置2Lを、右側の走行操作レバーL2にて右側のクローラ走行装置2Rを駆動操作する。
座席台11を180°回転して、座席12を後ろ向きにした状態では、作業者の運転感覚と一致させるため、左側の走行操作レバーL1にて右側のクローラ走行装置2Rを、右側の走行操作レバーL2にて左側のクローラ走行装置2Rを駆動操作するように切り換えられる。このため、座席台の回転に伴う操作系の切換機構が設けられているが、これについては後に詳述する。
即ち、図9乃至図12のように、走行操作レバーL1・L2の各基部に可動板13が固設されており、レバーの動きとともに回動するようになっている。該可動板13には、横方向の固定軸14が固設されており、更に、両走行変速レバーL1・L2の両基部間には、固定板15が走行操作用パネル11aに対して固設されている。該固定板15には、側面視円弧状の軸嵌合部材15aが横方向に固設されており、該走行操作レバーL1・L2を前方回動して走行段にセットすると、それとともに回動した該該固定軸14が、該軸嵌合部材15aに自然に嵌入して、該走行操作レバーL1・L2が走行段で固定されるようになっている。
走行段に走行操作レバーL1・L2を固定できることで、レバーから手を離しても走行駆動を維持でき、作業者の負担を軽減するのである。また、該走行操作レバーL1・L2を後方に傾動すると、該固定軸14が容易に該軸嵌合部材15aより抜けて、走行段におけるレバーの固定は容易に解除でき、該走行操作レバーL1・L2を停止段に戻すことができる。
エンジンEに連設される前記の油圧ポンプP1・P2には、斜板制御バルブV1・V2が各々取り付けられている。該斜板制御バルブV1・V2の切換操作にて、各油圧ポンプP1・P2の可動斜板を、前進側や後進側(増速側や減速側)に動かしたり、また、停止したりする制御が行われる。
そして、この斜板制御バルブV1・V2の切換用パイロット圧を、該油圧ポンプP2に連設するパイロットポンプPPより得ている。なお、各油圧ポンプP1・P2及びパイロットポンプPPのポンプ軸は、エンジンEの出力軸より延設したものを共有している。
そして、図14・図15の如く、座席12を前向きにした状態においては、ロータリーバルブRVにて、斜板制御用パイロット回路22a・22bと斜板制御用パイロット回路24a・24bとが連通し、斜板制御用パイロット回路23a・23bと斜板制御用パイロット回路25a・25bとが連通する。
こうして、前記走行操作レバーL1・L2にて開閉弁制御される走行操作バルブSVより斜板制御バルブV1・V2にパイロット圧をかけ、油圧ポンプP1・P2の可動斜板を操作して、油圧モーターM1・M2の駆動制御を行うものとなっている。
本実施例においては、該駐車ブレーキレバーの切換を油圧にて行う構成としたのである。
なお、図18乃至図20において、太線は高圧状態の回路、細線は低圧状態の回路である。
そして、図19の如く、走行操作レバーL1・L2を操作して走行段にセットすると、該タイマーバルブ用パイロット回路33にパイロット圧が起き、該タイマーバルブBVを開弁状態に切り換えて、駐車ブレーキシリンダー29に圧油を送り込み、駐車ブレーキを解除する。
即ち、走行操作レバーL1・L2のいずれを操作しても、また、前進段・後進段のいずれに操作しても駐車ブレーキが解除する構成となっていて、車輌の発進とともに駐車ブレーキが解除し、円滑に走行開始するのである。
即ち、走行操作レバーL1・L2に連動して切り換わるといっても、走行している時に該走行操作レバーL1・L2を中立位置に戻した時にも駐車ブレーキがかかる構成とすれば危険であり、徐々に油圧ブレーキがかかってゆるやかに制動されるようにすることで安全を確保しているのである。
走行停止バルブCVは、パイロット高圧回路21におけるタイマーバルブBVと走行操作バルブSVとの間に介設されている。
従って、走行停止バルブCVが閉弁された時にも駐車ブレーキはかかるようになっている。該走行停止バルブCVは電磁弁であって、前記の走行停止レバー18または走行停止スイッチ20をONすると開弁状態に切り換えられて、パイロット高圧回路21が連通され、走行操作レバーL1・L2による走行操作が可能となるが、該走行停止レバー18または走行停止スイッチ20をOFFすると、該走行停止バルブCVが閉弁し、該パイロット高圧回路21より走行操作バルブSVに圧油供給がなされず、走行操作レバーL1・L2を操作しても走行ができない状態となるのである。
P1・P2 油圧ポンプ
PP パイロットポンプ
M1・M2 油圧モーター
V1・V2 斜板制御バルブ
L1・L2 走行操作レバー
H1〜H4 油圧ホース
SV 走行操作バルブ
BV タイマーバルブ(駐車ブレーキ用切換バルブ)
CV 走行停止バルブ
RV ロータリーバルブ
1 メインフレーム
2 クローラ走行装置
2a 駆動輪
7 内側縦フレーム
8 外側縦フレーム
9 横フレーム
11 座席台
12 座席
13 可動板
14 固定軸
15 固定板
16 ハブ部材
17 軸部材
18 走行停止レバー
20 走行停止スイッチ
21 パイロット高圧回路
22a・22b〜25a・25b 斜板制御用回路
29 駐車ブレーキシリンダー
31 駐車ブレーキ用パイロット回路
32 シャトルバルブ
33 タイマーバルブ用パイロット回路
Claims (2)
- 前部にキャビン3を、後部に荷箱5を配設し、2組のHSTにて左右の走行装置を一つずつ駆動制御する2ポンプ2モーター式の油圧走行駆動機構を具備したクローラ式運搬車において、
キャビン3内に回転可能な座席台11を配置し、該座席台11上に座席12を搭載し、該座席台11の下部にロータリーバルブRVを配置し、該座席台11の前部に走行操作バルブSVを配置し、該走行操作バルブSVの部分から、左右の走行操作レバーL1・L2を突設し、該座席12と共に走行操作バルブSVと走行操作レバーL1・L2を前後に回転可能に構成し、該走行操作バルブSVが制御した斜板制御用パイロット回路を、前記ロータリーバルブRVにて座席の回転に伴い切り換え、
座席台11を180°回転して、座席12を後ろ向きにした状態で、左側の走行操作レバーL1にて右側のクローラ走行装置2Rを、右側の走行操作レバーL2にて左側のクローラ走行装置2Rを駆動操作するように切り換え、前向きの時も後向きの時も、左右に配設する走行操作レバーと、操縦する左右の走行装置を同一側としたことを特徴とするクローラ式運搬車の油圧走行駆動機構。 - 請求項1記載のクローラ式運搬車の油圧走行駆動機構において、
2個の油圧ポンプP1・P2の可動斜板を操作する斜板制御バルブV1・V2の操作用圧油を、該HSTの油圧ポンプに連設した別のパイロットポンプPPより供給すべく構成し、該パイロットポンプPPより、2組の油圧ポンプP1・P2を制御する走行操作バルブSVに、パイロット高圧回路21を配管し、
該走行操作バルブSVにおいて、一方の走行操作レバーL1により圧油供給制御される斜板制御用パイロット回路と、他方の走行操作レバーL2にて圧油供給制御される斜板制御用パイロット回路の2系統に油圧系を分岐させ、
一方の斜板制御用パイロット回路を、一方の油圧ポンプP1の可動斜板を操作する斜板制御バルブV1に連結し、他方の記斜板制御用パイロット回路を、他方の油圧ポンプP2の可動斜板を操作する斜板制御バルブV2に連結し、
前記斜板制御用パイロット回路上に、座席の回転とともに切り換られる前記ロータリーバルブRVを設けたことを特徴とするクローラ式運搬車の油圧走行駆動機構。
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