JP3781510B2 - 電池及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、負極の電極物質にアルカリ金属又はそれに準じる物質を用いた電池、特にシート状にするのが容易な電池と、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、マイクロエレクトロニクス、とりわけ半導体素子製造技術の顕著な進歩により、大規模集積回路(VLSI)に代表される、高度に集積化された高機能デバイスが実現されている。これを種々の装置の制御系に採用することにより、電子機器は飛躍的な小型化を達成し、各種産業のみならず、一般家庭における家電製品の小型化・多機能化にも大きく貢献している。
【0003】
このように小型化した電子機器は、自立した電源装置を有し、商用電源等に頼ることなく動作可能な、いわゆるコードレス化の方向に進んでいる。そして、自立した電源装置としては、一般的に電池が用いられていて、こうした電池には、電子機器全体の小型軽量化や装置の長時間オペレーションのために、ますます高性能化が求められている。
【0004】
電子機器全体の小型軽量化に適したものとして、近年、導電性高分子物質などを正極活物質に用い、電解質として高分子固体電解質を用い、そして負極材料にアルカリ金属などの物質を用いた電池が注目されている。それは、アルカリ金属が軽量である上に、有機物質である導電性高分子物質が軽量であること、及びこの導電性高分子物質を正極活物質とする電極と高分子固体電解質とのマッチングが良く、且つこの電極が優れた柔軟性を有するために電池自身の加工性に優れていること、等の特長を有するからである。
【0005】
これまで、正極活物質に導電性高分子を、負極材料にアルカリ金属などの物質を用いる電池においては、反応性の極めて高いアルカリ金属に対し、空気中の水分や酸素・窒素などの反応性物質が接触するのを避けるため、外装材としてステンレス鋼の缶などを使用していた。すなわち、ハーメチックシールに代表されるように、圧入又は溶接によって、電池の構成物質を入れたステンレス鋼などの金属容器を密閉することにより、空気中の反応性物質の侵入を防いでいた。また、アルミ箔などの金属箔を使用し、その一部に電極の露出する穴を設けることにより、平面状の電池を形成することも提案されている。いずれにしても、空気中からの水などの物質の侵入を防ぐには、高度なシール技術が要求されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
導電性高分子物質を正極活物質に用い、電解質として高分子固体電解質を用い、そして負極材料にアルカリ金属などの物質を用いた電池の特長である軽量性と電池自身の良好な加工性の特長を活かすことにより、従来では実装不可能であった箇所にも実装の可能なシート状電池の製造の道が開かれるようになった。ところが、外装材として金属缶などを使用する場合においては、金属缶そのものの剛性が高い上、溶接したシール部分に応力がかかるとシール部の変形によってシール性が低下するという問題があった。このため、電極及び電解質の工夫によって薄いシート状に加工ができたとしても、今までは電池全体としてシート状にすることが難しかった。
【0007】
一方、アルミ箔等の金属箔を外装材として使用してシート状電池を構成した場合、シート状電池の表面に電極の露出孔を設ける必要から、この部分のシールを行う必要があり、シール方法が複雑になる問題があって、シールの信頼性の問題とともに電池の低コスト化に対して障害となっていた。
【0008】
よって、本発明の目的は、アルカリ金属と有機高分子材料を用いたシール性能に優れたシート状電池を提供すること、更にはそのような電池を確実且つ低廉に製造する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願発明による電池は、アルカリ金属、又はアルカリ金属とII族もしくはIII族の金属との合金、又はアルカリ金属イオン吸蔵能のあるカーボンを構成材料とする負極と、非水系電解質と、正極材料とからなる電池本体を、高分子膜上に水及び酸素の透過を防ぐ酸化物材料製の薄膜層を形成し、更にこの薄膜上に接着層を設けたラミネート箔の外装材料内に収容し、且つ、金属箔の両面に接着層を形成した導電材料から正極及び負極用のそれぞれのリードを構成したことを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明による電池の製造方法は、アルカリ金属、又はアルカリ金属とII族もしくはIII族の金属との合金、又はアルカリ金属吸蔵能のあるカーボンを構成材料とする負極と、非水系電解質と、正極材料とから電池本体を作製し、金属箔の両面に接着層を形成した導電材料のリードを負極と正極のおのおのに接合し、そしてこれらのリードを備えた電池本体を、高分子膜上に水及び酸素の透過を防ぐ酸化物材料製の薄膜層を形成し、更にこの薄膜上に接着層を設けたラミネート箔の外装材料で包み、この外装材料に対して加熱と加圧の両方又は一方を適用して密閉することにより電池を製造することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明の電池10の構成を模式的に示す。この図において、1は正極材料、2は非水系電解質、3は負極材料であり、これらにより電池本体が形成されている。この電池本体を、外装材料4が密閉して覆っている。更に、正極材料1と負極材料3にはそれぞれ正極リード6と負極リード7の一端が接続していて、これらのリードの他端は外装材料4を貫通して外部に出ている。図1では、正極リードと負極リードは電池10の外部で接触しているかのように見えるが、これらは平面的には図2の上面図から明らかなように異なる位置に配置されていて、互いに接触することがないようにされている。
【0012】
正極材料1(図1)を構成する正極物質には、コバルト酸リチウム(LiCoO2 )、五酸化バナジウム(V2 O5 )など、リチウムイオン吸蔵能のある酸化物等の物質を用いることができる。この場合は、正極活物質自身に導電性がないため、導電性高分子(その代表例はポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレンや、あるいはこれらの誘導体など)との複合化や、導電材(カーボン)及びフッ素樹脂バインダとの複合化によりシート化して導電性を付与したものを正極材料として用いる。上述の二つの酸化物以外にも、例えばLiNiO2 、LiMn2 O4 、LiV2 O4 、LiV3 O8 、V6 O13、FeOOH、MoO3 、MoS2 、SnS2 、SnSe2 等も使用可能である。
【0013】
あるいは、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレンを始めとし、これらの誘導体などを含めた、いわゆる導電性高分子と称する一群の物質を、正極物質として用いることもできる。これら正極物質により正極材料を形成するには、導電性高分子材料を適当な溶媒に溶解した溶液を基板上に塗布・展開し、乾燥することにより製膜する、いわゆるキャスト法や、これらの導電性高分子の対応する単量体の溶液中で電気分解により製膜する、いわゆる電解重合法を用いることができる。
【0014】
一方、負極材料3(図1)には、還元性の大きい、すなわち容易に酸化される性質を有する材料が使用され、具体的にはアルカリ金属、望ましくはリチウム、あるいはアルカリ金属とII族もしくはIII族の金属との合金、一例としてリチウムとアルミニウムとの合金が使用される。また、安全性の向上のために、リチウムイオンに代表されるアルカリ金属イオンの吸蔵能力を有するカーボン材料を用いてもよい。
【0015】
非水系電解質2(図1)には、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルニトリル、ポリビニルピリジン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコールなど、比誘電率が高く、無機塩が容易にそのマトリクス中で解離でき、且つイオンの輸送が速やかに生じる高分子固体電解質系を用いることができる。この系に、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトンなどの有機溶媒を添加して、イオン輸送性をより向上させることもできる。
【0016】
また、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトンなどの有機溶媒に過塩素酸リチウム、テトラフルオロホウ酸リチウム、トリフロロメタンスルホン酸リチウムなどの無機塩を溶かして調製した非水系電解質溶液を用いてもよい。
【0017】
外装材料4(図1)としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ポリイミドなどの強度を有する高分子膜上に、水及び酸素の透過を防ぐ材料製の薄膜層を形成したものを用いることができる。本発明において有用な、水及び酸素の透過を防ぐ材料の代表例は、ケイ素酸化物、チタン酸化物、アルミニウム酸化物等の、一般にセラミック材料の原料となり得る酸化物である。このような材料の薄膜を高分子膜上に形成するのには、蒸着法のような任意の適当な方法を利用することができる。
【0018】
高分子膜上に形成する、水及び酸素に対し耐透過性を示す材料としては、上記の如き酸化物以外にも、例えばアルミニウム、金、銀、コバルトといったような金属を採用することもでき、これらの材料の薄膜は高分子膜上に蒸着法によって容易に形成することができる。
【0019】
本発明においては、外装材料による密閉性を高めるため、水及び酸素の透過を防ぐ材料製の薄膜上にポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン等の熱可塑性高分子層を接着層として設けたラミネート箔を外装材料として用いる。この接着層の熱可塑性高分子材料は、単一の物質又は二つ以上の物質を混合して用いてもよく、あるいは2種以上の単量体を共重合させたものを用いてもよい。この高分子物質の融点は、80〜200℃、好ましくは100〜180℃の範囲にあり、電熱線、赤外線、熱風、又は適当な熱媒体からの伝熱の作用により、短時間に溶融することが求められる。
【0020】
この熱可塑性高分子層を備えた外装材料を使って電池を密封する際には、熱可塑性高分子層の面どおしを対向させ、電熱線、赤外線、熱風、又は適当な熱媒体からの伝熱の作用により加熱溶融しながら圧力を加えることによって、高分子材料どおしを溶融・混合させ、そのまま冷却することで融着させる。
【0021】
また、接着層の熱可塑性高分子材料の代わりに、圧力の適用によって接着する、いわゆる感圧型接着剤を塗布してもよい。感圧型接着剤は、常温で圧力を加えるだけで接着する接着剤であり、ゴム系、アクリル系、シリコーン系などの粘着剤系感圧型接着剤や、エポキシ系のマイクロカプセル系感圧型接着剤などの種類があり、いずれも圧着により強力に接着する。本発明において使用可能な感圧型接着剤の例としては、シリコーン系付加反応型接着剤(トーレ・シリコーン社製SD4560、SD4570、SD4580など)や、アクリル系感圧型接着剤(東洋インキ製造社製オリバインBPS8170)や、マイクロカプセル型感圧型接着剤(三井東圧化学社製ストラクトボンドなど)等を挙げることができる。
【0022】
更に、熱可塑性高分子材料に代えて、熱を与えることにより硬化反応を開始する熱硬化型接着剤を使用することも可能である。熱硬化型接着剤としては、EVA(エチレンビニルアセテート)系(コニシ社製ボンドMH153、MH859)、エラストマー系(セメダイン社製HM−408、HM−409)、ポリアミド系(積水化学社製エスダイン9890)等のほかに、ポリエステル系、ポリオレフィン系などの各種ホットメルト接着剤などを使用することができる。これらの接着剤については、厳密に言うと、熱硬化型というよりも熱溶融硬化型と言うほうが適当かもしれない。
【0023】
本発明で使用する外装材料の概要を図で表せば、図3のようになる。この図において、4は外装材料、21は高分子膜、22はその上に形成した水及び酸素の透過防止薄膜、23は更にこの透過防止薄膜22の上に形成した熱可塑性高分子材料、感圧型接着剤、又は熱硬化型接着剤の接着層である。
【0024】
外装材料を構成する各膜あるいは層の厚みは、使用する材料の特性(例えば強度、水及び酸素の透過防止性等)に応じて適宜選べばよい。一例として、水及び酸素の透過防止薄膜として使用するケイ素酸化膜については、その膜厚を0.001μm〜100μm、好ましくは0.01μm〜10μm、特に好ましくは0.1μm〜5μmとすることができる。この膜は、従来から使用されている金属箔に比べると軽量で、金属と同様な柔軟性を有するため、柔軟なパッケージの軽量化に寄与できる。
【0025】
正極及び負極のリード6、7(図1)には、アルミニウム、銅、亜鉛、鉄、ステンレス鋼などの金属箔の両面に、接着層として熱可塑性の高分子材料を塗布したラミネート箔を用いる。この熱可塑性の高分子材料は、前述の外装材料と同様の高分子材料を用いることができる。また、熱可塑性の高分子の代わりに、圧力を加えることよって接着する、いわゆる感圧型接着剤を塗布してもよい。あるいは、熱を与えることにより硬化反応を開始する、熱硬化型接着剤を用いてもよい。これらの感圧型接着剤も熱硬化型接着剤も前述の外装材料の場合と同様のものを使用することができる。リード6、7が正極材料1及び負極材料3(図1)と接する部分については、リードと正極又は負極材料との電気的接続を確保するため、通常は高分子材料あるいは接着剤を塗布しないようにする。また、外装材料から電池の外部に出た部分にも、高分子材料あるいは接着剤は存在しなくて差し支えない。
【0026】
本発明で使用するリードの概要を図で表せば、図4のようになる。この図において、30はリードであり、31は金属箔、そして32は接着層である。
【0027】
本発明の電池を製造する際には、正極材料1、非水系電解質2、負極材料3を重ね合わせて電池本体を作成し、正極材料1と負極材料3のそれぞれ正極リード6と負極リード7を接合し、こうしてリードを用意した電池本体を、外装材料4の水及び酸素の透過防止薄膜上に形成した熱可塑性高分子(あるいは接着剤)膜どおしを対向させて外装材料4で包み、この外装材料4に対して加熱と加圧の両方又は一方を適用して、熱可塑性高分子材料を融着させあるいは接着剤の接着効果を生じさせることにより、電池を密封すると同時にリードの外装材料貫通部のシールを行って電池を完成することができる。
【0028】
このように、本発明では、アルカリ金属又はそれに類する負極を使用する電池において、高分子膜上に水及び酸素の透過に効果のある薄膜層を形成し、更にその上に熱可塑性の高分子物質又は熱硬化型もしくは感圧型接着剤の層を設けて複合化した外装材料を用いたことと、金属箔の両面に接着層として熱可塑性高分子物質あるいは熱硬化型もしくは感圧型接着剤を塗布した導電材料によりリードを構成したことにより、電極を電池内部から系外に引き出す時のシール処理が電池本体を外装材料内に密封する処理と同時にできるため、製造工程を少なくすることができるとともに、シールの信頼性を大きく向上させることができる。また、接着層が高分子物質であるため、柔軟性・可とう性の高い電池を作製することが可能になる。更に、透過防止用の薄膜層は軽量で水分あるいは酸素のブロッキング性も高いため、電池全体の軽量化と耐湿性の向上による信頼性を上げることができる。
【0029】
例えば、本発明の電池を薄い板状に加工することで、柔軟性を有する、厚み1mm程度のシート状電池を得ることができる。このシート状電池によって、従来では実装不可能であった箇所に電池を実装することが可能となり、装置の総合的な小型化を達成することが可能になる。
【0030】
【実施例】
本発明に基づく実施例を以下に示す。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0031】
〔実施例1〕
コバルト酸リチウム(LiCoO2 )とアセチレンブラックの9:1混合粉末40重量部に対し、末端エポキシ化エチレングリコール(ナガセ化成社製EX−810)8重量部、ジアミノジフェニルメタン1重量部と、プロピレンカーボネート110重量部を混合・混練し、得られた混合物を正極集電体(30μm厚ステンレス箔)上に150μm圧に塗布し、そして150℃で30分乾燥して正極材料を作製した。
【0032】
次に、ポリエチレンオキサイドモノアクリレート(共栄社化学製ライトアクリレート90G)500重量部と、ポリエチレンオキサイドジアクリレート(共栄社化学製ライトアクリレート9EG−A)50重量部を、1Mの四フッ化ほう酸リチウムを含む500重量部のプロピレンカーボネートに溶解し、更に1重量部のリボフラビンと1重量部の過酸化ベンゾイルを混合・溶解して、固体高分子電解質形成用の重合反応溶液を調製した。
【0033】
先に作製した正極材料上に、固体高分子電解質形成用重合反応溶液を厚み200μmとなるように塗布し、超高圧水銀ランプの紫外光(1mW/cm2 )を5分間照射し、重合させてゲル状の電解質フィルムを形成して半電池を作製した。
【0034】
更に、この半電池の固体高分子電解質側に、負極金属として、ステンレス鋼の箔上に支持されたリチウム箔(厚み100μm)を圧着し、電池本体(電池セル)を形成した。
【0035】
こうして形成した電池本体の正極及び負極に、銅箔(厚み30μm)の両面にポリウレタン系熱可塑性樹脂(パナック社製HM樹脂)を塗布(厚み20μm)した導電材料をリードとしてスポット溶接して固定した。更に、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(膜厚100μm)の表面にSiO2 層0.02μmを真空蒸着で形成した複合フィルムのSiO2 層面に、リードの銅箔に塗布したのと同じポリウレタン系熱可塑性樹脂を塗布(厚み30μm)して作製した外装材料を、その樹脂塗布面を内側にして2枚を対向させ、この間に上記の電池本体を配置し、次いで周囲を150℃で5秒間、線状に加熱し、熱可塑性樹脂を溶融させて接着し、実施例1の電池を得た。
【0036】
〔実施例2〕
1N塩酸酸性の0.2Mアニリン水溶液に、アニリンと等モルの過硫酸アンモニウムを添加し、−5℃で化学重合処理することで、溶媒可溶性のポリアニリンを得た。このポリアニリンをアンモニア水溶液中で煮沸還流し、純水で洗浄後、加熱乾燥して、塩素分のない脱ドーピングされたポリアニリン酸化体を得た。
【0037】
このポリアニリン酸化体10重量部をN−メチル−2−ピロリドン20重量部に溶解して得た溶液を、SUS 304のステンレスメッシュ集電体上に流延し、90℃で1時間減圧乾燥して、厚み約100μmの正極材料を得た。
【0038】
次に、ポリエチレンオキサイド(分子量20000)10重量部にアセトニトリル30重量部、テトラフロロほう酸リチウム1重量部、炭酸プロピレン5重量部を十分に攪拌混合したのち、速やかに上述の正極材料上に展開し、80℃で1時間減圧乾燥することにより、正極材料と高分子固体電解質が密着した構造の電池の半部品を形成した。
【0039】
更に、この電池半部品の高分子電解質側に、SUS 304のステンレスメッシュに負極金属としてリチウム箔(厚み0.2mm)を圧着した負極材料を接触させ、電池本体を形成した。
【0040】
続いて、実施例1で使用したのと同じ外装材料とリードを用い、そしてやはり実施例1と同じやり方で、実施例2の電池を得た。
【0041】
〔実施例3〕
実施例2と同様に構成した電池本体に、銅箔(厚み30μm)の両面にポリアミド系熱硬化型接着剤(積水化学社製エスダイン9890)を塗布(厚み20μm)した導電材料をリードとしてスポット溶接して固定した。続いて、PETフィルム(膜厚100μm)の表面にSiO2 層0.02μmを真空蒸着で形成した複合フィルムのSiO2 層面に、上記のポリアミド系熱硬化型接着剤を塗布(厚み30μm)して作製した外装材料を、その樹脂塗布面を内側にして2枚を対向させ、この間に上記の電池本体を配置し、次いで周囲を180℃で5秒間、線状に加熱し、接着剤の硬化反応を活性化して、10分間1kg/cm2 の加圧状態で保持することで接着し、実施例3の電池を得た。
【0042】
〔実施例4〕
実施例2と同様に構成した電池本体に、銅箔(厚み30μm)の両面にマイクロカプセル感圧型接着剤(三井東圧化学社製ストラクトボンド)を塗布(厚み20μm)した導電材料をスポット溶接して固定した。次に、PETフィルム(膜厚100μm)の表面にSiO2 層0.02μmを真空蒸着で形成した複合フィルムのSiO2 層面に、上記のマイクロカプセル感圧型接着剤を塗布(厚み30μm)して作製した外装材料を、その樹脂塗布面を内側にして2枚を対向させ、この間に上記の電池本体を配置し、10分間1kg/cm2 の加圧状態で保持することで接着し、実施例4の電池を得た。
【0043】
こうして作製した実施例1〜4の電池は、全て柔軟性・可とう性に富み、繰り返し100回以上90°に折り曲げでもシール性の低下は見られなかった。また、正極リードと負極リードが外装材料を通じて短絡することもなく、信頼性に優れた電極リードを電池外部に導き出すことが可能であった。また雰囲気を50℃、相対湿度80%の高温高湿環境に100時間暴露しても、特性の変化は見られなかった。
【0044】
【発明の効果】
以上示したように、本発明によれば、シート状に成形可能な電池において、その外装材料に水及び酸の透過防止薄膜層を形成した高分子膜を用い、その表面とリードとして用いる導電材料の表面の両者に、熱又は圧力によって接着性を発現する材料を組み合わせることにより、信頼性の高いシールを容易に実現することが可能となり、電池の軽量化及び高信頼化と、工程の簡略化による低廉下に大きな効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電池を説明する概要図である。
【図2】本発明の電池の上面図である。
【図3】本発明の電池で使用する外装材料を説明する図である。
【図4】本発明の電池で使用するリードを説明する図である。
【符号の説明】
1…正極材料
2…非水系電解質
3…負極材料
4…外装材料
6…正極リード
7…負極リード
10…電池
21…高分子膜
22…透過防止膜
23…接着層
30…リード
31…金属箔
32…接着層
Claims (8)
- アルカリ金属、又はアルカリ金属とII族もしくはIII族の金属との合金、又はアルカリ金属イオン吸蔵能のあるカーボンを構成材料とする負極と、非水系電解質と、正極材料とからなる電池本体を、高分子膜上に水及び酸素の透過を防ぐ酸化物材料製の薄膜層を形成し、更にこの薄膜上に接着層を設けたラミネート箔の外装材料内に収容し、且つ、金属箔の両面に接着層を形成した導電材料から正極及び負極用のそれぞれのリードを構成したことを特徴とする電池。
- 前記外装材料の接着層が熱可塑性高分子物質で形成されている、請求項1記載の電池。
- 前記外装材料の接着層が熱硬化型接着剤で形成されている、請求項1記載の電池。
- 前記外装材料の接着層が感圧型接着剤で形成されている、請求項1記載の電池。
- 前記リードの接着層が熱可塑性高分子物質で形成されている、請求項1から4までのいずれか一つに記載の電池。
- 前記リードの接着層が熱硬化型接着剤で形成されている、請求項1から4までのいずれか一つに記載の電池。
- 前記リードの接着層が感圧型接着剤で形成されている、請求項1から4までのいずれか一つに記載の電池。
- アルカリ金属、又はアルカリ金属とII族もしくはIII族の金属との合金、又はアルカリ金属イオン吸蔵能のあるカーボンを構成材料とする負極と、非水系電解質と、正極材料とから電池本体を作製し、金属箔の両面に接着層を形成した導電材料のリードを負極と正極のおのおのに接合し、そしてこれらのリードを備えた電池本体を、高分子膜上に水及び酸素の透過を防ぐ酸化物材料製の薄膜層を形成し、更にこの薄膜上に接着層を設けたラミネート箔の外装材料で包み、この外装材料に対して加熱と加圧の両方又は一方を適用して密閉することにより電池を製造することを特徴とする電池の製造方法。
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JPH10326602A (ja) | 1998-12-08 |
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