JP3781198B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、スコロトロン帯電装置とレーザビームによる露光装置を備える画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザビームによる露光装置を備える静電方式の画像形成装置においては、感光体上に形成される静電潜像の画面はレーザビームによる主走査と感光体の移動に伴う副走査との合成によって形成される。
【0003】
この静電潜像は、前記の副走査のスピードの低下すなわち感光体がドラム状の場合その回転速度を低下させることにより、主走査(ポリゴンミラーやガルバノミラーの線速度を下げる)による記録線密度を密に記録することが出来る。従って感光体の移動速度とポリゴンミラーやガルバノミラーの線速度を低速度側に切換可能とすれば、さらに画素密度の高い良質の画像を得ることが出来る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし従来は移動速度が切換られても感光体は一定の帯電電圧によって電位を与えられているため、帯電電位を感光体の低速度時に最適の条件となる値に設定すると感光体の高速度時には感光体表面の単位面積当りの電流値の減少により帯電電位が低下することとなり、その結果現像バイアス電圧が一定であると反転現像がなされた画像には「かぶり」を生じる。
【0005】
また帯電電位を感光体の高速度時に最適の条件となる値に設定すると感光体の低速度時には感光体表面の単位面積当りの電流値の増大により帯電電位が過度に高くなって同じく現像バイアス電圧が一定である場合に現像剤中のキャリアが感光体に付着してクリーニング時に感光面を傷付けるおそれが生ずる。
【0006】
本発明は、この点を解決して改良した結果、感光体の移動速度が変化してもその単位面積当りの帯電電位を常に一定に保つことの出来る画像形成装置の提供を目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、感光体と、帯電ワイヤおよびグリッドを有して前記感光体を帯電するためのスコロトロン帯電装置と、半導体レーザおよびポリゴンミラーを有して前記感光体上にレーザ光を走査して露光することにより静電潜像を形成するレーザ書き込み部とを有し、前記静電潜像の記録線密度を、前記感光体および前記ポリゴンミラーの線速度の切換によって切換える画像形成装置において、前記記録線密度の切換のための前記感光体および前記ポリゴンミラーの線速度の切換に応じて、前記感光体の帯電電位を一定にするように前記グリッドのグリッド電圧の設定を変更すると共に前記帯電ワイヤへ供給する帯電トータル電流および現像バイアスは切換えないことを特徴とする画像形成装置によって達成される。
【0008】
【実施例】
本発明の画像形成装置の実施例を図1ないし図5に示す。
【0009】
前記画像形成装置は画像読取り部10、レーザ書込み部20、画像形成部30と給紙部40とから構成される。
【0010】
原稿台に載置される原稿Dの画像は、画像読取り部10の照明ランプ11Aとミラー11Bを備える第1ミラーユニット11の実線から破線にて示す位置への平行移動と、対向する一対のミラー12Aを備える第2ミラーユニット12の前記第1ミラーユニット11に対する1/2の速度の追従移動とにより露光走査されて、その画像は投影レンズ13を介して撮像素子14に結像され、撮像素子14によって光電変換された電気信号は画像処理を経て画像信号としてメモリに一旦格納される。
【0011】
次いで前記の画像信号がレーザ書込み部20に入力されると、半導体レーザで発生されたレーザビームは駆動モータ21により回転されるポリゴンミラー22により回転走査される。図2は前記レーザ書込み部20の走査光学系を平面図にて示したもので、光軸を直交するよう配置された一組のレーザユニットU1とU2から発生される半導体レーザの2本のビームは、調整プリズムP1とP2によりそれぞれ主走査と副走査の各方向の位置合わせを行い、合成プリズムP3により方向を一致させた上でシリンドリカルレンズ27を経て矢示方向に回転するポリゴンミラー22の回転面に投射される。
【0012】
投射された2本のレーザビームはポリゴンミラー22の回転面の移動により反射し走査されて、fθレンズならびにシリンドリカルレンズ28を経て予め帯電器31により電荷を印加されている感光体ドラム32の感光面を走査露光することによって原稿画像の静電潜像が感光体ドラム32上に形成される。従ってレーザビームによる主走査と感光体ドラム32の回転に伴う副走査とにより感光体ドラム32の周面上に原稿画像の静電潜像が形成されて行く。この潜像は現像器33の現像バイアスが印加された現像スリーブ33Aの担持するトナーによって反転現像されてトナー画像とされる。
【0013】
一方給紙部40に装填される各給紙カセット41からは指定のサイズの転写紙Pが、収納する給紙カセット41の搬出ローラ41Aの作動により搬出され、搬送ローラ43を介して画像の転写部に向け給紙される。
【0014】
給紙された転写紙Pはレジストローラ44により前述した感光体ドラム32の周面上のトナー画像にタイミングを調整された上で同期して転写部へと給送され、転写器34により帯電されてトナー像は転写紙P上に転写される。
【0015】
次いで転写紙Pは分離器35の除電作用により感光体ドラム32の周面より分離し、搬送ベルト36を経て定着器37に搬送され、上ローラ37Aと下ローラ37Bとの挟着と加熱によりトナーを溶着したのち搬送ローラ38を介して定着器37より排出され、排出された転写紙Pは排紙ローラ45を経てトレイ50の上に排紙される。
【0016】
一方転写紙Pを分離した感光体ドラム32は、クリーニング装置39において圧接するブレード39Aにより残留トナーを除去、清掃したのち再び帯電器31により電荷の付与を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。
【0017】
前記装置は操作部に設けられる切換手段等により感光体ドラム32上に形成される静電潜像の記録線密度を例えば通常の400dpi(長さ1インチ当り400ドット)から600dpiの密度に切換てさらに高画質の画像を記録する機能を備えている。
【0018】
上記の記録線密度の高密度への切換は、切換手段からの信号にもとづく図3に示す制御系からの指令により感光体ドラム32とポリゴンミラー22の線速度を低下し、またそれに関連する画像形成部材の画像形成条件を適宜変更することによって実現される。
【0019】
記録線密度が切換ることなく400dpiに設定されている場合には感光体ドラムの線速度とそれに関連する画像形成条件は表1の「400dpi」の欄に示す各特性値に設定されているものとする。
【0020】
記録線密度を400dpiから600dpiに切換ることにより、表1の「600dpi」の欄に示すように感光体ドラム32の線速度が280mm/secから125mm/secに、ポリゴンミラー22の回転数が16535rpmから11023rpmに、また現像スリーブ33Aの回転数が250rpmから110rpmに低下され、さらにそれに対応して転写紙Pの搬送速度、定着器39の駆動速度も同期するよう低下される。
【0021】
一方感光体ドラム32の帯電電位は線速度の低下によっても変化することなく記録線密度の切換前すなわち400dpiの場合と同レベルである−700Vに維持される。
【0022】
本発明はグリッド電圧のみを変化させて感光体ドラム32の帯電電位を同レベルに維持されるようにしたものである。すなわち前記の帯電器31は図4に示すように帯電用の電極ワイヤWの前方感光体ドラム32の周面に沿った位置にグリッドGを備えるスコロトロンタイプの帯電器であって、電極ワイヤWに電流を供給する帯電用定電流電源は、CPU(帯電制御部)からの記録線密度の切換信号を受けることなく、常に記録線密度が400dpiの場合に対応した800μAの帯電トータル電流が600dpiに切換られても供給される。一方グリッドGに電圧を印加する増幅器は、CPU(帯電制御部)からの記録線密度の切換信号により帯電グリッド電圧が−620V(400dpi時)から−560V(600dpi時)に低下され、その結果感光体ドラム32に印加される帯電電位は常に一定の−700Vに保たれる。
【0023】
図5は感光体の線速度に対応する帯電電位VHとグリッド電圧VGの関係を示したもので、記録線密度を400dpiから600dpiに切換る場合、グリッド電圧VGをVG1からVG2に変更することにより感光体ドラム32の単位面積当りの帯電電位を一定の電位HVに設定することが出来る。
【0024】
本発明者の実験によれば、記録線密度を600dpiに切換てもグリッドGの帯電グリッド電圧を−620Vのままとすると、感光体電位が−700Vから−780Vに上昇してその結果感光体にキャリアの付着が認められたが、帯電グリッド電圧を変更して前述のように−620Vから−560Vに低下させると、感光体帯電電位が変化せず−700Vに一定に保たれることから帯電トータル電流あるいは現像バイアス電圧の補正を必要とせず、キャリアの付着あるいは画像のかぶりを回避出来ることが確認された。
【0025】
なお実施例では記録線密度を400dpiと600dpiとについて説明したが、これに限定することなく、また3種の記録線密度に切換える場合についても本発明は適用される。
【0026】
【表1】
【0027】
なお前述の実験に使用した定着器37の仕様ならびに現像器33に用いられる現像剤には次の仕様のものが使用されている。
【0028】
【0029】
【発明の効果】
本発明により、記録線密度の切換により感光体線速度が変化しても常に一定した感光体帯電電位が得られることとなり、その結果かぶりやキャリアの付着がなく高品位の画像を記録出来る画像形成装置が提供されることとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の断面構成図。
【図2】レーザ書込み部の平面図。
【図3】記録線密度の切換にかかわる制御回路図。
【図4】感光体ドラムの帯電回路図。
【図5】帯電電位とグリッド電圧の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
10 画像読取り部
20 レーザ書込み部
30 画像形成部
31 帯電器
32 感光体ドラム
33 現像器
34 転写器
35 分離器
36 搬送ベルト
37 定着器
37A 上ローラ
37B 下ローラ
40 給紙部
41 給紙カセット
Claims (1)
- 感光体と、帯電ワイヤおよびグリッドを有して前記感光体を帯電するためのスコロトロン帯電装置と、半導体レーザおよびポリゴンミラーを有して前記感光体上にレーザ光を走査して露光することにより静電潜像を形成するレーザ書き込み部とを有し、前記静電潜像の記録線密度を、前記感光体および前記ポリゴンミラーの線速度の切換によって切換える画像形成装置において、
前記記録線密度の切換のための前記感光体および前記ポリゴンミラーの線速度の切換に応じて、前記感光体の帯電電位を一定にするように前記グリッドのグリッド電圧の設定を変更すると共に前記帯電ワイヤへ供給する帯電トータル電流および現像バイアスは切換えないことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
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JP13766993A JP3781198B2 (ja) | 1993-06-08 | 1993-06-08 | 画像形成装置 |
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JP13766993A JP3781198B2 (ja) | 1993-06-08 | 1993-06-08 | 画像形成装置 |
Publications (2)
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JPH06348113A JPH06348113A (ja) | 1994-12-22 |
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ID=15204053
Family Applications (1)
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JP13766993A Expired - Fee Related JP3781198B2 (ja) | 1993-06-08 | 1993-06-08 | 画像形成装置 |
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1993
- 1993-06-08 JP JP13766993A patent/JP3781198B2/ja not_active Expired - Fee Related
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