JP3781187B2 - 圧力変動吸着ガス分離装置の運転方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力変動吸着ガス分離装置の運転方法に関し、詳しくは、圧力変動吸着(PSA)法によって原料混合ガスを分離する圧力変動吸着ガス分離装置(PSA装置)、特に、空気を分離して窒素を製造するPSA装置の減量運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
吸着工程と再生工程とを繰り返す吸着塔に原料混合ガスを供給し、該吸着塔内に充填した各種吸着剤に易吸着成分を吸着させることによって原料混合ガス中の易吸着成分と難吸着成分とを分離する圧力変動吸着ガス分離法が広く行われており、例えば、吸着剤として分子ふるい炭素を使用し、空気から窒素ガス(空気より窒素濃度の高い濃縮窒素も含む:以下同)を製造する方法(窒素PSA)が広く実用に供されている。
【0003】
窒素PSAを実施する装置(窒素PSA装置)は、製品窒素ガスのユーザー(使用先、需要家)が希望する製品窒素ガスの純度(仕様純度)、圧力(仕様圧力)及び使用流量(仕様流量)を満たすように設計製作される。
【0004】
このような窒素PSA装置は、通常運転においては、各仕様値を満足するように運転される(通常運転、100%運転)。ところが、実際の運転状況においては、ユーザー側の事情により、製品ガスの純度と圧力とは仕様値を満足したまま、製品ガスの取出流量(製品取出流量)を仕様値に比べて減量することがある。
【0005】
一般に、窒素PSA装置に使用する空気圧縮機は、略一定流量の空気を吐出しているから、ユーザーが製品取出流量を減らしてPSA装置が減量運転に入ると、吸着工程における吸着塔の圧力は、通常運転における圧力よりも早く上昇する。空気圧縮機は、圧力が過剰に上昇することによる故障を防止するため、アンロード設定圧力を超えるとアンロード運転になり、アンロード運転中にロード設定圧力より下がればロード運転を再開する。また、近年は、空気圧縮機のモーターの回転数を、圧力等に応じてインバーターにより制御することも行われている。
【0006】
製品取出流量が減少してもPSA装置の運転方法が同じ場合,製品取出流量の減少割合よりも電力消費率の減少割合の方が小さいので、製品の取出し量に対する電力量、即ち電力原単位[kWh/Nm3]は増加する。このため、製品取出流量の減少に伴って電力量を積極的に減少させ、電力原単位の増加を最小限に抑えるようにした減量運転を行うようにしている。
【0007】
一般に、PSA装置の運転方法を変更せずに、製品取出流量を仕様流量よりも減少させると、製品純度が仕様純度よりも良くなる。従来の減量運転方法では、製品取出流量を減少したときに電力原単位の上昇を抑えるため、製品純度が仕様純度よりも良くなる分、吸着時間を延長することで製品純度を仕様純度付近まで低下させ、圧縮機をアンロード運転させることで電力量を減少させている。また、任意の製品取出流量に対する最適な吸着工程の延長時間は存在するが、プロセスを簡易的にするため、製品取出流量をある範囲に設定し、その設定範囲毎に延長時間を設定することで対応していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の減量運転方法においては、空気圧縮機がアンロード運転とロード運転とを頻繁に繰り返すことになるので、圧縮機にとって機械的、電気的に好ましくない。また,設定流量範囲毎に延長時間が設定されているので,製品取出流量に対する最適な電力原単位とはいえない。
【0009】
そこで、本発明は、製品取出流量が設定値から減少した場合、ユーザーの要求する製品ガス純度と圧力とを満足させながら、確実かつ効率的に電力を削減でき、さらに圧縮機を安定した状態で運転できる圧力変動吸着ガス分離装置の運転方法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の圧力変動吸着ガス分離装置の運転方法は、吸着剤を充填した複数の吸着塔のそれぞれについて、少なくとも吸着工程、均圧工程及び再生工程を繰り返すことにより、原料混合ガス中の易吸着成分と難吸着成分とを分離して製品ガスを製造する圧力変動吸着ガス分離装置の運転方法において、前記吸着工程と前記均圧工程との間、及び、前記再生工程と前記均圧工程との間に休止工程を設けるとともに、製品取出流量の減少量に応じて前記休止工程の時間を変化させることを特徴としている。
【0011】
さらに、本発明の圧力変動吸着ガス分離装置の運転方法は、前記圧力変動吸着ガス分離装置に設けられている前記製品ガスを貯留するための製品槽の圧力を測定し、測定した圧力とあらかじめ設定した設定圧力とを比較し、製品槽内の圧力が前記設定圧力より低くなったときに、前記休止工程を終了することを特徴としている。
【0012】
また、本発明の圧力変動吸着ガス分離装置の運転方法は、前記製品取出流量を測定し、測定した流量に基づいて前記休止工程の継続時間を算出し、休止工程の経過時間が前記算出された継続時間に至ったときに、該休止工程を終了することを特徴とし、前記休止工程の継続時間の算出は、下記計算式、
y=a・x(α−β)/β
(式中、xは半サイクル(吸着工程+均圧工程)時間[sec]、yは休止工程の継続時間[sec]、αは製品ガスの100%取出流量[Nm3/h]、βは製品ガスの現在の取出流量[Nm3/h]、aは0.5以上1.2以下の補正係数である。)
により行うことを特徴としている。
【0013】
さらに、本発明方法は、前記休止工程の最大継続時間をあらかじめ設定しておき、休止工程の経過時間が前記最大継続時間に至ったときに、該休止工程を終了することを特徴としている。
【0014】
また、本発明方法は、前記製品取出流量を減量して製造した後、製品取出流量を増加させる場合に、吸着塔に前記原料ガスを供給する原料ガス供給配管の圧力を測定し、所定の吸着工程時間中に前記配管の圧力があらかじめ定めた圧力に到達する回数をカウントし、吸着工程終了時に前記カウント数が0である場合は、吸着工程の時間を延長することを特徴としている。
【0015】
このような本発明方法は、前記原料ガスが空気、前記吸着剤が分子ふるい炭素、前記製品ガスが窒素であり、前記吸着工程が加圧下で行われ、前記再生工程が大気圧下で行われる圧力変動吸着ガス分離装置に最適である。
【0016】
なお、本発明では、仕様値通りの純度、圧力及び製品取出流量で運転する状態を通常運転あるいは100%運転という。そして、製品取出流量を仕様流量よりも少ない量に変化させる状態を減量方向運転といい、一旦減量方向運転した状態から通常運転に戻る状態を増量方向運転という。このとき、減量方向運転も増量方向運転も、通常運転からみれば製品取出流量は減少している状態であるから、両者を併せて減量運転という。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は、本発明の圧力変動吸着ガス分離装置の運転方法の第1形態例を示すもので、図1は、本発明方法を実施するための圧力変動吸着ガス分離装置の一例を示す系統図、図2は、この圧力変動吸着ガス分離装置を使用した本発明方法による第1の制御例を示すフローチャートである。
【0018】
本形態例に示す圧力変動吸着ガス分離装置は、空気から窒素を製造するPSA装置であって、このPSA装置は、2基の吸着塔10,20と、原料となる空気を供給するための空気圧縮機31と、吸着塔10,20から取出した製品窒素ガスを貯留する製品槽32と、両吸着塔10,20を吸着工程、均圧工程及び再生工程に切換えるための複数の切換弁11〜13,21〜23、41〜43及び流量調節弁(絞り)44とを備えている。なお、切換弁12,22には逆止弁を使用することができ、流量調節弁44は、流量が調節可能なものであってもよく、流量(開口径)が固定されたオリフィス等であってもよい。
【0019】
また、運転制御用の機器として、空気圧縮機31から吸着塔に圧縮原料空気を供給する原料空気配管33の圧力を測定する空気圧力計(PR1)34と、前記製品槽32の圧力を測定する窒素圧力計(PR2)35と、製品槽32から使用先(ユーザー)に製品窒素ガスを供給する製品ガス配管36の流量(製品取出流量)を測定する窒素流量計(FI)37と、該窒素流量計37が測定した窒素流量をデータ変換するためのA/D変換器38と、該A/D変換器38からの流量信号及び前記両圧力計34,35からの圧力信号に基づいて各種演算処理を行い、その結果に基づいて前記各切換弁の開閉を制御する弁制御装置39とを備えている。
【0020】
前記吸着塔10,20内には、酸素・窒素を主成分とする空気中の酸素を優先的に吸着する分子ふるい炭素等の吸着剤が充填されている。また、圧力計34,35には接点付き圧力計が用いられており、窒素流量計37には出力機能付流量計が用いられている。なお、接点付き圧力計とは、任意に設定された圧力になったら接点出力を出す、いわゆる無電圧接点又はオープンコレクタであり、オープンコレクタとは、出力トランジスタのコレクタをユーザーに開放し、種々の応用ができるようにしたものである。また、出力機能付き流量計とは、測定流量を、4〜20mAの直流電流や1〜5Vの直流電圧で出力できるものである。このような機器は、本発明方法を実施するためのPSA装置に特有のものといえる。
【0021】
さらに、切換弁43及び流量調節弁44は、装置の運転操作において再生工程中にパージ操作を含む場合であって、該パージ操作が本発明方法の休止工程と重なるときに、パージガス供給側の吸着塔からパージガスが流出して該吸着塔の圧力が低下することを防止するためのものであって、切換弁43を閉じることによって吸着塔を完全に孤立化させるためのものである。
【0022】
また、休止工程中において、製品槽32内の製品窒素ガスは、ユーザーに連続して供給され続けているので、製品槽32の圧力は次第に低下するが、吸着剤として分子ふるい炭素を使用したとき、吸着工程終了後の休止工程中には、塔内のガスが分子ふるい炭素に吸着されて吸着塔内の圧力も次第に低下する。このため、製品槽32と吸着塔10,20との大きさの関係によっては、製品槽よりも吸着塔の圧力低下の方が大きく、吸着塔の圧力が製品槽の圧力よりも低くなり、製品槽内の製品窒素ガスが吸着塔に逆流することがあり得る。したがって、切換弁12,22として逆止弁を用いることにより、製品槽から吸着塔への窒素ガスの逆流を確実に防止できる。
【0023】
本発明方法の基本的な運転方法は、従来から行われている吸着工程、再生工程、均圧工程に、休止工程を付加したものであって、両吸着塔10,20は、各工程を以下のように組合わせた操作を繰返して行う。
【0024】
【0025】
吸着工程は、原料空気又は製品ガスを吸着塔に供給しながら吸着塔の圧力をあげる昇圧操作と、原料空気を供給しながら製品ガスを吸着塔から取り出す操作とを含む工程である。吸着工程の時間は、減量方向運転のときは、通常運転のときの時間と同じである。増量方向運転のときは、吸着工程終了時にあらかじめ設定した吸着塔圧力に達しないと製品の仕様純度を保てなくなるので、それを回避するために、吸着工程時間を延長するようにしている。
【0026】
再生工程は、吸着塔の圧力を下げて易吸着成分を吸着剤から脱着させ、吸着塔を再生して次の吸着工程に備えるものである。吸着塔の圧力を下げることと同時に、又はそれに続いて、製品ガスで吸着塔をパージする操作や、その他の操作を加えてもよい。
【0027】
均圧工程は、吸着塔10と吸着塔20とを連通させて塔内のガスを移動させることにより、圧力を回収する工程である。両塔を連通させる方式は、吸着塔の上(製品出口側)同士、下(原料入口側)同士、又は上下両方のいずれでもよく、両塔の圧力は完全に等しくならなくてもよい。
【0028】
休止工程は、各切換弁11〜13,21〜23、41〜43の全てを閉じ、両吸着塔へのガスの流入も、流出もない状態とする工程である。但し、切換弁12,22として開閉弁ではなく逆止弁を使用しているときには、製品槽32の圧力よりも吸着塔の圧力が高い間は、吸着塔から製品槽に向かってガスが流れる状態となる。
【0029】
この休止工程の時間は、減量方向運転のときは長くなり、増量方向運転のときは、直前の減量運転の休止時間よりも短くなる。この休止工程中は、吸着塔入口弁11,21が閉じられているから、空気圧縮機31はアンロード運転となる。これにより、単位時間当たりのアンロード運転への切換回数を、従来法に比べて非常に少なくすることができる。このように、減量運転の程度(製品取出流量の減少量)に応じて時間を変化させる休止工程は、本発明方法の特徴的な工程である。
【0030】
減量運転時においても、ユーザーは製品ガスを使用しているので、休止工程の時間は、減量運転の程度に応じて、製品槽の圧力が仕様圧力を満たすように決められる。すなわち、製品槽の圧力が仕様圧力以上を維持している間に休止工程を終了させ、吸着工程を開始した吸着塔から製品槽に製品窒素が供給できるように、休止工程の時間が設定される。
【0031】
ユーザーは、仕様流量内で製品取出流量を自由に変更するので、PSA装置においては、製品取出流量が仕様流量のときの通常運転と、任意の製品取出流量に減少させるときの減量方向運転と、減少後の製品取出流量を仕様流量に戻すときの増量方向運転とを、製品取出流量に応じて円滑に切換える必要がある。
【0032】
次に、上記装置を使用した第1の制御例を図2を参照しながら説明する。なお、製品取出流量は窒素流量計37により製品ガス流量として、製品槽32の圧力は窒素圧力計35により製品槽圧力として、圧縮原料空気の圧力は空気圧力計34により原料空気配管圧力として、それぞれ常時測定されている。
【0033】
第1の制御例における減量運転は、製品窒素ガスの仕様流量を100%とするとき、100%未満の任意に定めた設定流量より少ない量の条件時に適用できる。この設定流量は、製品槽32の最低圧力、製品槽32の大きさ、製品取出流量の変動幅(減量運転の程度)等の条件によって定められるものである。
【0034】
まず、一方の吸着塔10が吸着工程、他方の吸着塔20が再生工程に切り替ったとき(ステップ101)、ステップ102で製品ガス流量及び原料空気配管圧力のデータを採取し、ステップ103で製品ガス流量をあらかじめ設定されている第1の設定流量▲1▼と比較する。このステップ103で製品ガス流量が設定流量▲1▼を超えていると判定されたときは(YES)、ステップ104に進んで積算時間▲1▼を加算する。
【0035】
次に、ステップ105で原料空気配管圧力とあらかじめ設定されている第1の設定圧力▲1▼とを比較する。このステップ105で原料空気配管圧力が設定圧力▲1▼を超えていると判定されたときは(YES)、ステップ106に進んで設定圧力到達回数のカウントを行う。
【0036】
そして、ステップ107であらかじめ計測されている吸着・再生工程開始からの経過時間(吸着・再生時間)があらかじめ設定されている第1の設定時間▲1▼と比較され、吸着・再生時間が設定時間▲1▼以上になっていなければ(NO)、ステップ102に戻ってこれらのステップを繰り返す。この間は、一方の吸着塔10が吸着工程を継続しており、他方の吸着塔20が再生工程を継続している状態である。
【0037】
なお、ステップ104における積算時間▲1▼の加算は、ステップ102〜107のループを実行する時間に等しい時間を積算時間▲1▼に加算する。例えば、ステップ103での判断が0.1秒間隔で行われているときには、ステップ104を実行するときに、毎回0.1秒を積算時間▲1▼に加えていく。したがって、ステップ102〜107のループを実行している期間、つまり、吸着工程開始から、設定時間▲1▼に設定された時間に到達するまでの間に、設定流量▲1▼を超える流量で製品ガスがユーザーに供給された合計時間を知ることができる。また、ステップ106における設定圧力到達回数のカウントは、この吸着工程の間に、原料空気配管圧力が設定圧力▲1▼に到達したか否かを判断できればよいため、ステップ106の実行時にフラグに1を代入するだけでもよく、実行毎に1を加えるようにしてもよい。
【0038】
ステップ107で吸着・再生時間が設定時間▲1▼に達したと判定されると、ステップ108で前記設定圧力到達回数が1と比較され、1未満(通常はゼロ)、すなわち、ステップ105で原料空気配管圧力が設定圧力▲1▼を超えたと判定されることが1回も無かった場合は(NO)、ステップ109に進んで吸着延長時間のカウントが行われた後、ステップ110に進んでステップ109でカウントされた吸着延長時間とあらかじめ設定されている第2の設定時間▲2▼とを比較する。
【0039】
このステップ110で吸着延長時間が設定時間▲2▼に達していないと判定されたときには(NO)、ステップ102に戻って前記各ステップを繰り返す。なお、ステップ109における吸着延長時間のカウントも、前記ステップ104における積算時間▲1▼の加算と同様に、実行時に所定の時間、例えば0.1秒を吸着延長時間に加算していく。
【0040】
ステップ110からステップ102に戻るループは、ステップ105で原料空気配管圧力が設定圧力▲1▼を超えたと判定され、ステップ106で設定圧力到達回数がカウントされ、ステップ108で設定圧力到達回数が1以上と判定されたとき(YES)、あるいは、ステップ110で吸着延長時間が設定時間▲2▼に達したと判定されたとき(YES)、のいずれかで終了してステップ111に進む。
【0041】
ステップ111では、ステップ104で算出した積算時間▲1▼とあらかじめ設定された第3の設定時間▲3▼とが比較される。ここで、積算時間▲1▼が設定時間▲3▼よりも短い場合は(NO)、1サイクル当たりの製品取出量が設定量より少なかったことを示すものであるから、減量方向運転を行うことになり、ステップ112に進んで休止工程が始まる。ステップ112では、ステップ104やステップ109と同様にして休止工程の経過時間(休止時間)のカウントが行われ、続いてステップ113で製品ガス流量及び製品槽圧力のデータ採取が行われる。
【0042】
次のステップ114では、製品槽圧力とあらかじめ設定された第2の設定圧力▲2▼との比較、製品ガス流量と第2の設定流量▲2▼との比較、ステップ112でカウントした休止時間とあらかじめ設定された第4の設定時間▲4▼との比較、がそれぞれ行われる。そして、製品槽圧力が設定圧力▲2▼を下回った場合、製品ガス流量が設定流量▲2▼を上回った場合、休止時間が設定時間▲4▼を上回った場合、のいずれか一つが成立したときに、休止工程が終了してステップ115に進み、均圧工程が始まり、所定の均圧工程が終了すると、吸着塔10が再生工程、吸着塔20が吸着工程に切り替えられてステップ101に戻る。設定流量▲1▼は、吸着工程中の製品取出流量の変化に対応するためであり、設定流量▲2▼は休止工程中の製品取出流量の変化に対応するために設定する流量であるが、設定流量▲1▼と設定流量▲2▼とは同じであってもよい。
【0043】
前記ステップ114で前記条件が一つも成立しない場合は、ステップ112に戻って休止工程が継続される。この休止工程の最長時間は、設定時間▲4▼に設定された時間となり、休止工程の中断は、製品槽内に貯留した製品ガス量が少なくなって製品槽圧力が下がり、製品槽への製品ガスの補給が必要になったとき、そして、製品取出流量が増大して設定流量▲2▼を上回ったときのいずれかであり、増量方向運転が行われることになる。
【0044】
したがって、各設定流量、各設定時間、各設定圧力のそれぞれの設定値を、ユーザーの製品ガス使用状況等に応じて適切に設定することにより、製品取出流量に応じて自動的にかつ効率よく減量方向運転及び増量方向運転を行うことができる。
【0045】
例えば、前記設定流量▲1▼を仕様流量(100%運転)に対して80%の数値に設定しておくと、製品取出流量が変動する場合であっても、80%以上の製品ガスがユーザーに供給されている合計時間をステップ103,ステップ104を実行することによって積算することができ、積算した時間が前記設定時間▲3▼以上であれば、休止工程を行わずに通常運転を継続し、設定時間▲3▼未満であれば、製品取出流量が減少したと判断して休止工程を開始し、減量運転を行うようにする。
【0046】
この休止工程の時間は、最長時間が前記設定時間▲4▼により設定されており、製品取出流量が継続して少ないときには、この設定時間▲4▼により設定された時間、休止工程が行われる。
【0047】
この休止工程の途中で製品取出流量が増加すると、増加した製品ガス流量がデータとして採取されるので、製品ガス流量が前記設定流量▲2▼、即ち仕様流量の80%を一瞬でも超えると、ステップ114での判断によって休止工程が中断される。また、製品ガス流量の増加が僅かで設定流量▲2▼を超えないような場合であっても、休止工程中は、製品槽における吸着塔からの製品ガスの流入がなく、製品ガスが流出するのみなので、製品槽の圧力は常に低下することになり、採取した製品槽圧力データが前記設定圧力▲2▼より低くなると、ステップ114での判断によって休止工程が中断される。
【0048】
すなわち、100%運転を行っている状態で製品取出流量が、例えば80%未満になると前記積算時間▲1▼が小さくなるので、自動的に減量方向運転が行われて休止工程が実施される。
【0049】
60%程度の減量運転を行っているときに、製品取出流量がさらに減少すると、製品槽圧力の低下速度が遅くなるので、その分休止工程の時間が長くなり、設定時間▲4▼に設定された時間まで休止工程が行われ、例えば40%減量運転の状態になる。逆に、製品取出流量が増加すると、製品槽圧力の低下速度が速くなるので、その分休止工程の時間が短くなり、増量方向運転が行われて例えば80%減量運転の状態となる。また、製品取出流量がさらに増加して設定流量▲2▼を超えたときも、その時点で休止工程が終了するので、増量方向運転が行われて80%減量運転あるいは100%運転の状態に移行する。このように、製品取出流量に応じて休止工程の時間が自動的にかつ無段階に連続的に調整され、最適な減量運転が行われる。
【0050】
一方、吸着工程では、減量運転を行っているときや、減量方向運転を行っているときは、設定時間▲1▼で原料空気配管圧力が設定圧力▲1▼に到達するために必要とする空気量よりも過剰な空気量が空気圧縮機から供給され、空気配管圧力が設定圧力▲1▼以上となるので、ステップ105からステップ106が実行され、設定圧力到達回数が1以上となるので、ステップ108での判断によって吸着工程の時間延長は行わずに、ステップ111の休止工程の実施判断に進むことになる。
【0051】
しかし、100%運転への急激な流量変化を伴う増量方向運転を行っているときの1サイクル当たりの製品槽の圧力差は安定状態の100%運転時の製品槽の圧力差よりも大きいので、あらかじめ設定した吸着工程時間内では吸着塔の圧力が十分に上昇せず、設定圧力到達回数がカウントされないことになる。したがって、ステップ108での判断によって吸着工程延長が行われ、設定時間▲2▼に到達するまで、あるいは、原料空気配管圧力が設定圧力▲1▼以上になるまで吸着工程が延長される。すなわち、設定時間▲2▼を適切に設定することにより、また、途中で所定圧力に到達したときに吸着工程の延長を中断することにより、吸着塔圧力の設定圧力▲1▼への未到達に伴う製品純度の劣化を抑制することができる。
【0052】
上記各設定値は、前述のように、製品取出流量及び圧力、製品槽の大きさ、減量運転の程度等の条件によって定められるものであるが、通常は、次のような範囲に設定することが好ましい。
【0053】
まず、設定流量▲1▼は、仕様流量に対して80%程度が適当であり、設定時間▲3▼とも関連するが、高い値にすると、仕様圧力を満足するために設定圧力▲2▼を高く設定する必要があり、減量運転は行うが休止工程時間が短くなって効果的な減量運転を行えなくなり、小さい値にすると休止工程に入ることが少なくなって効果的な減量運転を行えなくなるときがある。
【0054】
設定圧力▲1▼は、圧縮機の最高吐出圧力より40〜120kPa低い圧力、好ましくは60〜90kPa低い圧力が適当であり、設定圧力▲2▼は、設定流量▲1▼,▲2▼の影響を受けるが、例えば、仕様流量に対して80%の流量のときの設定圧力▲2▼は、仕様圧力より10〜100kPa高い圧力、好ましくは30〜80kPa高い圧力が適当である。設定圧力▲1▼,▲2▼共に圧力差を小さくし過ぎるとガスの供給が円滑に行われなくなることがあり、圧力差が大きい場合は、吸着塔や圧縮機の負担が大きくなって設備費に影響が出るおそれがある。
【0055】
また、設定時間▲1▼は100%運転のときの吸着工程時間であり、製品仕様や吸着剤の種類によって最適な時間が自ずから定まってくる。設定時間▲2▼は吸着延長時間であるから、通常は、吸着工程時間である設定時間▲1▼の10%程度が適当であり、この設定時間▲2▼を長くし過ぎると仕様純度を満足できなくなる可能性が出てくる。設定時間▲3▼は、積算時間▲1▼に対応するものであるから、設定流量▲1▼の設定値により異なってくるが、設定流量▲1▼を仕様流量の80%に設定したときは、吸着工程時間である設定時間▲1▼の80%程度が適当であり、これによって適度に休止工程を行うことができる。設定時間▲4▼は、最大休止工程時間であり、製品取出流量の変動幅、製品槽の容量、吸着塔の大きさ、減量運転の程度、製品ガス純度等の条件によって異なってくるが、通常は設定時間▲1▼の吸着工程時間に対して2.0倍以下、好ましくは1.5倍以下が適当であり、これ以上長い時間に設定すると、製品槽が巨大なものとなってしまうおそれがある。
【0056】
前記設定時間▲2▼、即ち吸着工程延長時間は、製品仕様や吸着剤の種類、その他の条件によって異なってくるが、分子ふるい炭素を用いて空気から窒素を製造するPSAにおいては、吸着工程は長くても150秒程度であり、通常は120秒程度以内であるから、延長する時間は、好ましくは15秒以内、特に10秒以内が最適である。
【0057】
図3は、本発明方法において、電力削減効果をさらに高めた第2の制御例を示すフローチャートである。本制御例では、弁制御装置39において、前記流量信号に基づいて適切な休止時間の計算を行うようにしている。
【0058】
まず、一方の吸着塔10が吸着工程、他方の吸着塔20が再生工程に切り替ったとき(ステップ201)、ステップ202で空気圧力計34から原料空気配管圧力のデータを採取し、ステップ203で原料空気配管圧力とあらかじめ設定されている第1の設定圧力▲1▼’とを比較する。このステップ203で原料空気配管圧力が設定圧力▲1▼’を超えていると判定されたときは(YES)、ステップ204に進んで設定圧力到達回数をカウントする。なお、このステップ204における設定圧力到達回数のカウントは、この吸着工程の間に、原料空気配管圧力が設定圧力▲1▼’に到達したか否かを判断できればよいため、ステップ204の実行時にフラグに1を代入するだけでもよく、実行毎に1を加えるようにしてもよい。
【0059】
ステップ205であらかじめ計測されている吸着・再生工程開始からの経過時間(吸着・再生時間)と、あらかじめ設定されている第1の設定時間▲1▼’とを比較し、吸着・再生時間が設定時間▲1▼’以上になっていなければ(NO)、ステップ202に戻ってステップ202,203、204を繰り返す。この間は、一方の吸着塔10が吸着工程を継続しており、他方の吸着塔20が再生工程を継続している状態である。
【0060】
ステップ205で吸着・再生時間が設定時間▲1▼’に達したと判定されると、ステップ206で前記設定圧力到達回数が1と比較され、1未満(通常はゼロ)、すなわち、ステップ203で原料空気配管圧力が設定圧力▲1▼’を超えたと判定されることが1回も無かった場合は(NO)、ステップ207に進んで吸着時間延長のカウントが行われた後、ステップ208に進んでステップ207でカウントされた吸着延長時間とあらかじめ設定されている第2の設定時間▲2▼’とを比較する。
【0061】
このステップ208で吸着延長時間が設定時間▲2▼’に達していないと判定されたときには(NO)、ステップ202に戻って前記各ステップを繰り返す。なお、ステップ207における吸着時間延長のカウントは、このステップ207の実行間隔に対応した時間、例えば0.1秒を加算していくようにすればよい。
【0062】
ステップ208からステップ202に戻るループは、ステップ206で設定圧力到達回数が1以上になったと判定されたとき、すなわち、ステップ203で製品槽圧力が設定圧力▲1▼’を超えていると判定されたとき、あるいは、ステップ208で吸着延長時間が設定時間▲2▼’に達したと判定されたとき(YES)、のいずれかで終了してステップ209に進む。
【0063】
ステップ209では、休止時間がカウントされる。この休止時間のカウントも、該ステップ209の実行間隔に対応した時間、例えば0.1秒を加算していくようにすればよい。続いて、ステップ210で窒素流量計37からの製品ガス流量及び窒素圧力計35からの製品槽圧力のデータを採取し、採取した製品ガス流量のデータに基づき、ステップ211で該製品ガス流量に対応した最適な休止時間を弁制御装置39で計算する。
【0064】
この製品ガス流量に基づく最適な休止時間、即ち休止工程の継続時間y[sec]の計算は、一つの吸着塔が吸着工程及び均圧工程を行う時間、即ちPSA装置の半サイクルの時間をx[sec]、このPSA装置の仕様流量、即ち装置からの100%製品取出流量をα[Nm3/h]、現在の製品取出流量(製品ガス流量)をβ[Nm3/h]とし、通常運転、減量運転に関係なく、1サイクル中にPSA装置から取り出す製品ガス量が常に等しい(一定である)と仮定すると、
y=a・x(α−β)/β
という計算式で求めることができる。
【0065】
なお、式中のaは製品純度調整用として、製品純度や装置構成に応じて設定される補正係数であって、0.5以上1.2以下の範囲内に設定される。この補正係数aを1.2を超える数値にすると、休止時間が必要以上に長くなって仕様純度を満足できなくなり、0.5未満にすると、休止時間が短くなって所望の電力削減効果が得られなくなる。
【0066】
前記計算式で得られた休止時間は、計算結果fとして記憶されるとともに計算回数もカウントされる。ステップ212で計算回数が1と判定されたときには(YES)、ステップ213に進んで前記計算結果fを第1の計算結果f1として記憶する。一方、ステップ212で計算回数が1ではない場合(NO)、即ち2回以上計算を行っている場合は、ステップ214に進んで前記計算結果fを第2の計算結果f2として記憶した後、ステップ215で、これより以前に記憶した第1の計算結果f1と、今回記憶した第2の計算結果f2とを比較する。
【0067】
そして、休止工程中に製品ガス流量が変化し、第1の計算結果f1が第2の計算結果f2よりも大であると判定されたときには(YES)、ステップ216に進んで第1の計算結果f1を第2の計算結果f2に置き換える。第1の計算結果f1が第2の計算結果f2よりも大ではないと判定したときには(NO)、第1の計算結果f1をそのまま維持する。
【0068】
このように、各ステップを経ることによって第1の計算結果f1を確定させた後、休止工程の終了判定を行うステップ217に進む。このステップ217においては、製品槽圧力とあらかじめ設定された前記第2の設定圧力▲2▼’との比較、ステップ209でカウントした休止工程の経過時間(休止時間)と前記第1の計算結果f1との比較、ステップ209でカウントした休止時間とあらかじめ設定された前記第3の設定時間▲4▼’との比較、の3項目の条件比較がそれぞれ行われる。
【0069】
そして、製品槽圧力が設定圧力▲2▼’を下回った場合、休止時間が第1の計算結果f1を上回った場合、休止時間が設定時間▲4▼’を上回った場合、のいずれか一つが成立したときには、ステップ218に進んで休止工程を終了させ、均圧工程を開始する。前記3項目の条件比較が全て成立しなかった場合は、ステップ209に戻って休止工程が継続され、各ステップが繰り返される。
【0070】
本制御例で休止工程の最終ステップであるステップ217において、製品槽圧力とあらかじめ製品圧力を維持するために設定された前記第2の設定圧力▲2▼’との比較、及び、ステップ209でカウントした休止時間とあらかじめ設定された前記第4の設定時間▲4▼’との比較は、前記第1形態例で示した制御例と同じであるが、休止時間と第1の計算結果f1との比較による休止工程の終了判定が異なっている。
【0071】
すなわち、前記第1の制御例では、あらかじめ休止工程を行う製品ガス流量(設定流量▲1▼)及び休止工程を終了する製品ガス流量(設定流量▲2▼)をそれぞれ設定しておき、これらの設定流量に基づいて休止工程を行っていたが、本制御例では、製品取出流量の変化に基づいて休止工程の継続時間を調整するようにしている。
【0072】
例えば、吸着工程時間が90秒、均圧工程時間が5秒、製品ガスの100%取出流量が100[Nm3/h]の場合、半サイクルの時間は95秒であるから、現在の製品取出流量が100[Nm3/h]であれば、補正係数aを1.0とすると、前記計算式から休止工程の継続時間(計算結果f1)は0秒となり、ステップ217での1回目の判定で、休止時間が第1の計算結果f1を上回ることになるので、休止時間はステップ209からステップ217に至るまでの極短時間、即ち約0秒となる。
【0073】
一方、現在の製品取出流量が50[Nm3/h]であれば、前記計算式から休止工程の継続時間は95秒となり、ステップ217で製品槽圧力が設定圧力▲2▼’を下回るか、休止時間が設定時間▲4▼’を上回るか、あるいは、休止時間が95秒を上回る判定が行われるまで休止工程が行われることになる。ちなみに、現在の製品取出流量が80[Nm3/h]のときの継続時間は約24秒、60[Nm3/h]のときの継続時間は約64秒となる。
【0074】
また、ステップ215とステップ216とから分かるように、現在の製品ガス流量に基づく計算結果f2が、前回の計算結果f1より小さいときだけ、計算結果f1を計算結果f2で置き換えるようにしている。したがって、製品取出流量が減量傾向にあるときには、計算結果f2が次第に増加することになるが、計算結果f1を置き換えないので、この半サイクルは、1回目の計算により得た休止時間によりステップ217での判定が行われ、休止時間がこれより長くなることはない。
【0075】
一方、製品取出流量が増量傾向にあるときには、計算結果f2が次第に減少することになるので、計算結果f1が逐次置き換えられ、最も短い休止時間が判定に用いられることになる。これにより、製品取出流量の増加に速やかに対応することができるから、小型の製品槽を使用しても、製品槽圧力が急激に低下することを防止できる。
【0076】
【実施例】
図1に示した構成の窒素PSA装置を使用した。各吸着塔10,20内には分子ふるい炭素15kgを充填し、空気を分離して製品窒素ガス仕様純度が99.9体積%で、製品ガス仕様圧力が500kPa・Gの窒素を製造した。製品槽32の容積は吸着塔容積の2倍とした。吸着再生工程時間(設定時間▲1▼,▲1▼’)は90秒とし、均圧工程時間は5秒とした。また、窒素流量計37にはマスフローメーターを、空気圧力計34及び窒素圧力計35にはそれぞれデジタル圧力計を使用し、各切換弁には空圧式自動弁を使用した。
【0077】
比較例1
まず、休止工程を行わない従来法により、80%の減量運転を行った。従来法では、減量運転時には製品純度が99.9体積%になるまで吸着時間を延長するが、この80%減量運転の場合の延長時間は50秒となり、合計吸着工程時間は140秒となった。このとき、圧縮機31は100%運転用に選定されているので、製品取出流量が少なくなり、かつ、吸着時間が延長されたことにより、吸着工程の途中から圧縮機はアンロード運転とロード運転とを頻繁に繰り返すことになり、図4に示すようなノコギリ状の山谷を有する圧力変化が吸着塔内に発生する。このような頻繁なロード/アンロード切替は、圧縮機に機械的、電気的負担をかけるので好ましくない。
【0078】
また、図5に、従来法による減量運転を実施した場合の製品取出率と電力消費率との関係を示す。なお、製品取出率とは、100%運転のときの製品取出流量を100%としたときの減量運転時における製品取出流量の割合(百分率)である。また、電力消費率とは、100%運転のときの電力量を100%としたときの減量運転時における電力量の割合(百分率)である。
【0079】
図5から明らかなように、製品取出率に対して電力消費率がステップ状に低下しており、設定されているモード(この場合は80%、60%、40%)間の変化では、減量の程度に比べて電力消費率の低下が小さくなっているから、効率的な減量運転とはいえない。
【0080】
実施例1
図2に示した制御手順により減量運転を行った。このときの設定流量▲1▼,▲2▼は共に仕様流量の80%、設定時間▲2▼は吸着時間(設定時間▲1▼)の80%、原料空気配管の設定圧力▲1▼は640kPa・G、製品槽圧力の設定圧力▲2▼は590kPa・G、休止工程の設定時間▲4▼は120秒とした。80%の減量運転を行っているときの吸着塔内の圧力変化を図6に示す。このときの休止時間は25秒となった。
【0081】
図6から分るように、前記図4に見られたようなノコギリ状の圧力変化はなく、吸着工程中の圧縮機は常にロード運転を行っており、休止工程中の圧縮機は吸着塔が原料空気の供給を受けないのでアンロード運転となる。したがって、圧縮機に機械的、電気的負担をかけることがなくなる。また、休止工程中は、吸着塔が孤立状態になるので、吸着工程終了後の休止工程では、塔内のガスが分子ふるい炭素に吸着されるために塔内の圧力は次第に低下していく。一方、再生工程終了後の休止工程では、分子ふるい炭素に吸着されていたガスが脱着するために塔内の圧力は次第に上昇していく。
【0082】
実施例2
実施例1の条件で、100%運転から40%減量運転の間の運転を行ったときの製品取出率と電力消費率との関係を図7に示す。100%運転から80%減量運転までは従来法と同じ運転であるから、製品取出率と電力消費率との関係は比較例1の図5と同じである。しかし、80%減量運転から40%減量運転の間は、前述のように制御された休止工程を行うので、製品取出率の減少に伴って電力消費率が連続的に減少しており、従来法による減量運転のようなステップ状の電力消費率の減少にはなっていない。これは、製品取出率が減少すると休止工程中の製品槽の圧力降下の傾きが小さくなるので、休止工程を終了する製品槽設定圧力に達するまでの時間が長くなり、圧縮機が1サイクル当たりにアンロードに入る割合が大きくなるためであり、これによって従来よりも電力量を削減できることがわかる。
【0083】
比較例2
従来法による減量運転において、製品取出率を80%から100%へ急激に増量し、これにあわせて、80%減量運転を100%運転に切替えた。すなわち、吸着時間を80%減量運転時の90+50=140秒から90秒に短縮した。切替え後の製品取出率の変化と、これに対応した製品窒素に含まれる酸素濃度の変化とを図8に示す。図8から、80%減量運転時には、100%運転時よりも製品窒素中の酸素濃度が低くなっていることがわかる。このように、従来法では、減量運転時には、増量方向運転時におこる製品純度低下を考慮して仕様純度よりも良い条件で運転している。切替後、しばらくの間は、80%運転時の酸素濃度を維持していたが、ある程度時間が経過すると、100%運転時の酸素濃度を超える時間帯(図8斜線部分)が現れた。
【0084】
実施例3
実施例1の条件に加えて設定時間▲2▼(吸着工程の延長時間)を10秒に設定し、80%減量運転から100%運転への急激な増量方向運転を行った。このとき、所定吸着時間内では原料空気配管圧力が設定圧力▲1▼に到達しなかったので、吸着時間の延長を行った。最初の1サイクルでは10秒以内で設定圧力▲1▼に到達しなかったので延長時間10秒で吸着工程を中止したが、次の1サイクルにおいては10秒以内に原料空気配管圧力が設定圧力▲1▼に達したので、吸着工程の延長を打ち切った。このときの製品取出率の変化と、これに対応した製品窒素に含まれる酸素濃度の変化とを図9に示す。図9から分るように、比較例2の図8で見られたような100%運転時の酸素濃度を超える時間帯はなく、100%運転時の酸素濃度に収束するような濃度変化となった。
【0085】
実施例4
図3に示した制御手順により、100%運転から40%減量運転の間の運転を行った。但し、各設定値において、製品槽の設定圧力▲2▼’を550kPa・Gとした以外は、前記各設定をそのまま継承した。このときの、製品取出率と電力消費率との関係を図10に示す。各減量運転時において、休止時間を製品ガス流量のデータに基づいて算出しているので、仕様流量以下のあらゆる製品ガス流量に対して最適な休止時間を設定することができ、ほとんどの領域で大幅な電力削減が可能となることがわかる。
【0086】
実施例5
図3に示した制御手順により、100%運転から40%減量運転の間の運転を行ったときの、製品取出率と製品窒素中の酸素濃度との関係を図11に示す。なお、図11において、破線は従来法による減量運転を実施した場合の製品取出率と酸素濃度との関係を示すものである。各減量運転時において、製品ガス流量のデータに基づいて最適な休止時間を設定することができるので、製品取出率の変化に対する酸素濃度の変化量は小さく、安定した純度の製品ガスを供給できることがわかる。
【0087】
実施例6
図3に示した制御手順により、100%運転から40%減量運転の間の運転を行ったときの、製品取出率と空気/窒素比との関係を図12に示す。なお、図12において、破線は従来法による減量運転を実施した場合の製品取出率と空気/窒素比との関係を示すものである。各減量運転時において、製品ガス流量のデータに基づいて最適な休止時間を設定することにより、減量運転時においても100%運転と同様の空気/窒素比で運転できるので、非常に効率の良い減量運転を行えることが分かる。
【0088】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、減量運転の程度に応じて時間を変化させる休止工程を行うようにしたので、あらかじめ設定された製品ガスの純度及び圧力を保った状態で製品ガスの取出流量を減少することができる。しかも、製品ガスの取出流量や製品槽圧力を常時測定し、これらのデータに基づいて休止工程の継続時間を制御するようにしているので、製品ガスの取出流量の変動に対して自動的かつ連続的に対応することができる。また、圧縮機のロード/アンロード運転の切替回数が大幅に少なくなるので、圧縮機の機械的、電気的負担を少なくできる。さらに、減量運転から通常運転に戻る際に、必要に応じて吸着工程時間を延ばすことにより、急激な増量方向運転のときの製品ガスの純度低下及び圧力低下を避けることができる。特に、製品ガスの取出流量に基づいて最適な休止時間を算出することにより、不純物濃度の変化量を小さくできるとともに、電力消費割合や使用原料ガス量を大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明方法を実施するための圧力変動吸着ガス分離装置の一例を示す系統図である。
【図2】 本発明方法による第1の制御例を示すフローチャートである。
【図3】 本発明方法による第2の制御例を示すフローチャートである。
【図4】 比較例1における減量運転中の吸着塔内の圧力変化を示す図である。
【図5】 比較例1における製品取出率と電力消費率との関係を示す図である。
【図6】 実施例1における減量運転中の吸着塔内の圧力変化を示す図である。
【図7】 実施例2における製品取出率と電力消費率との関係を示す図である。
【図8】 比較例2における製品取出率の変化と、これに対応した製品窒素に含まれる酸素濃度の変化とを示す図である。
【図9】 実施例3における製品取出率の変化と、これに対応した製品窒素に含まれる酸素濃度の変化とを示す図である。
【図10】 実施例4における製品取出率と電力消費率との関係を示す図である。
【図11】 実施例5における製品取出率と製品窒素中の酸素濃度との関係を示す図である。
【図12】 実施例6における製品取出率と空気/窒素比との関係を示す図である。
【符号の説明】
10,20…吸着塔、31…空気圧縮機、32…製品槽、33…原料空気配管、34…空気圧力計、35…窒素圧力計、36…製品ガス配管、37…窒素流量計、38…A/D変換器、39…弁制御装置
Claims (7)
- 吸着剤を充填した複数の吸着塔のそれぞれについて、少なくとも吸着工程、均圧工程及び再生工程を繰り返すことにより、原料混合ガス中の易吸着成分と難吸着成分とを分離して製品ガスを製造する圧力変動吸着ガス分離装置の運転方法において、前記吸着工程と前記均圧工程との間、及び、前記再生工程と前記均圧工程との間に休止工程を設けるとともに、製品ガスの取出流量の減少量に応じて前記休止工程の時間を変化させることを特徴とする圧力変動吸着ガス分離装置の運転方法。
- 前記圧力変動吸着ガス分離装置に設けられている前記製品ガスを貯留するための製品槽の圧力を測定し、測定した圧力とあらかじめ設定した設定圧力とを比較し、製品槽内の圧力が前記設定圧力より低くなったときに、前記休止工程を終了することを特徴とする請求項1記載の圧力変動吸着ガス分離装置の運転方法。
- 前記製品ガスの取出流量を測定し、測定した流量に基づいて前記休止工程の継続時間を算出し、休止工程の経過時間が前記算出された継続時間に至ったときに、該休止工程を終了することを特徴とする請求項1記載の圧力変動吸着ガス分離装置の運転方法。
- 前記休止工程の継続時間の算出は、下記計算式、
y=a・x(α−β)/β
(式中、xは半サイクル(吸着工程+均圧工程)時間[sec]、yは休止工程の継続時間[sec]、αは製品ガスの100%取出流量[Nm3/h]、βは製品ガスの現在の取出流量[Nm3/h]、aは0.5以上1.2以下の補正係数である。)
により行うことを特徴とする請求項3記載の圧力変動吸着ガス分離装置の運転方法。 - 前記休止工程の最大継続時間をあらかじめ設定しておき、休止工程の経過時間が前記最大継続時間に至ったときに、該休止工程を終了することを特徴とする請求項1記載の圧力変動吸着ガス分離装置の運転方法。
- 前記製品ガスの取出流量を減量して製造した後、製品ガスの取出流量を増加させる場合に、吸着塔に前記原料ガスを供給する原料ガス供給配管の圧力を測定し、所定の吸着工程時間中に前記配管の圧力があらかじめ定めた圧力に到達する回数をカウントし、吸着工程終了時に前記カウント数が0である場合は、吸着工程の時間を延長することを特徴とする請求項1記載の圧力変動吸着ガス分離装置の運転方法。
- 前記原料ガスが空気、前記吸着剤が分子ふるい炭素、前記製品ガスが窒素であり、前記吸着工程が加圧下で行われ、前記再生工程が大気圧下で行われることを特徴とする請求項1記載の圧力変動吸着ガス分離装置の運転方法。
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