JP3780983B2 - 画像読取装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
一次元配列の受光素子を搭載したイメージセンサを用いて、原稿の画像を電子データとして読み取る、スキャナ、FAX、コピー機及びこれらの複合機などの画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一次元配列の受光素子を搭載したイメージセンサを用いて、原稿の画像を電子データとして読み取る、スキャナ、FAX、コピー機及びこれらの複合機などの画像読取装置が知られている。
【0003】
ところで、画像読取装置において、例えば、写真画像など、データ量が多くなっても高精度で読み取りたい場合、FAXなどのデータ転送に用いるため精度より読み取った画像のデータ量を減らしたい場合、また画質、データ量もそこそこで読み取りたい場合など、要望される画像データの読み取らせ方は、読み取った画像の使用用途及び、読取時の状況によるため多様である。
【0004】
これに対し、従来は、読み取った画像データの解像度を増減して出力することにより、画質、データ量を変化させて種々の用途に対応している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一方、画像の読取時の状況として、OCR(Optical Character Reader:光学文字認識装置)に用いるためのテキスト文字画像を読み取る場合は、OCRで認識させるために、ある程度の解像度は必要であるが、あるスレッショルドで判定した2値データとするため、ダイナミックレンジは小さくても良く、それよりも読取枚数が多い場合が多く、読取時間が短く済むことが望ましい。このような場合等、読取速度を優先した画像読取方法としたい場合がある。
【0006】
また、一方、画像の読取時の状況として、写真画像等で、読み取ったデータの量をあまり多くできないため解像度を落とした条件での読み取りとせざるを得ないが、できるだけ画像の状態を再現して読み取らせたい場合など、画質を優先した画像読取方法としたい場合がある。
【0007】
しかし、これまでは、同じ解像度での画像読取に対して、状況によって、読取速度等の条件を変更して画像を読み取らせることができる画像読取装置は無かった。尚、前出のOCR用の画像データは、イメージセンサで読み取ったデータに対し2値化の処理をして出力するようになっており、イメージセンサからの出力としては変わっておらず、読取時間も通常の階調での読み取りと大きく変わらない。
【0008】
このように、解像度の条件が同じであっても、画質優先での画像読み取りと、速度優先での画像読み取りとを使い分けたいという、使用者の要望に答えられていなかった。
本発明は、こうした問題点に鑑みなされたものであり、解像度の条件が同じであっても、画質を優先した読取方法と、読取速度を優先した読取方法とを選択して、画像を読み取ることができる画像読取装置とすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためになされた請求項1記載の画像読取装置は、主走査方向に配列された複数の受光素子からなる第1センサと、主走査方向に配列された複数の受光素子からなり、第1センサに対して副走査方向に所定間隔離れて配置された第2センサと、第1センサの各受光素子から得た画素信号を該受光素子の配列順に出力する第1出力手段と、第2センサを構成する受光素子の内、偶数番目に配置された受光素子から得た画素信号を受光素子の配列順に出力する第2出力手段と、第2センサを構成する受光素子の内、奇数番目に配置された受光素子から得た画素信号を受光素子の配列順に出力する第3出力手段とを備え、各センサを用いて、原稿の画像を読み取る画像読取装置である。
【0010】
そして、第1出力手段から順次出力される画素信号を、連続する複数の画素単位で加算し、加算した画素信号を、読取画像を表す画素信号として出力する第1読取手段と、第2出力手段又は第3出力手段から順次出力される画素信号を、読取画像を表す画素信号として出力する第2読取手段と、当該装置の動作モードとして、外部から画質優先読取モードが指令されると、第1読取手段を動作させ、速度優先読取モードが指令されると、前記第2読取手段を動作させるモード選択手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
即ち、本発明の画像読取装置は、2つのセンサと、一方のセンサからの画素信号全てを出力する第1出力手段と、もう一方のセンサの偶数画素分、奇数画素分を出力する第2、第3出力手段とをもつ画像読取装置であって、受光素子からの画素信号を加算して見かけ上の1つの画素信号とすることにより、出力する画素信号数を減らし、センサの画素数の半分以下の解像度の出力を実現する第1読取手段と、受光素子の偶数番目、若しくは奇数番目の画素信号を出力に用いて、センサの画素数の半分以下の解像度の出力を実現する第2読取手段と、の2つの画像読取手段を持ち、これらの読取手段を選択して実行できる画像読取装置である。
【0012】
また、第1読取手段は、受光素子複数分の情報量が一つの画素信号に含まれるため、感度が向上し、さらには細線の保存性も向上した画素信号となるが、受光素子からの全ての画素信号を使用するため、出力手段からの画素信号の出力に時間を要するという特徴をもち読取速度より画質を優先した画像読取に適している。一方、第2読取手段は、受光素子の画素信号の半分しか用いないため、出力手段からの画素信号の出力の時間は短くて済み、画像の読取時間を早くすることができるが、受光素子からの画素信号の情報を間引いているため、画質としては低下した画像となるという特徴をもち、画質より読取速度を優先した画像読取に適している。
【0013】
この結果、本発明の画像読取装置によれば、画質を優先させる第1読取手段と、読取速度を優先させる第2読取手段とを選んで、画像を読み取った画素信号を出力できる。
このため使用者として、画像を読み取る時の状況に応じた読取手段を選択でき、使いやすい画像読取装置となる。
【0014】
尚、第1読取手段での加算は、受光素子から、外部に出力するまでの間のどこで、どの様に行ってもよく、例えば、出力手段の外部に、加算手段を設けても良いし、出力手段内部で加算を行うようにしても良い。
ところで、受光素子での光量に応じて蓄積した電荷をシフトレジスタに転送して出力する一般的なCCDリニアイメージセンサなどでは、転送クロックでシフトレジスタ内の電荷が出力側に転送されると、出力端に電荷が蓄積してゆくため、画素信号を加算したような状態となるが、次の画素信号の電荷が来る前にリセット信号に基づき電荷を消去することにより、出力端の電荷は1つの画素信号分となるようにしている。このため、リセット信号のタイミングを例えば2倍の周期とすれば、出力手段の出力端に2つの画素信号分の信号を出力することとなる。
【0015】
このようなCCDリニアイメージセンサを用いた画像読取装置では、容易に画素信号の加算を行うことができるため、本発明の画像読取装置を、この特徴を活かした請求項2記載の画像読取装置のように構成すればよい。
即ち、請求項2記載の画像読取装置において、第1出力手段は、外部から入力される転送クロックに同期して、第1センサの各受光素子から得た画素信号を該受光素子の配列順に加算手段まで転送し、加算手段にて加算された画素信号を外部に出力すると共に、転送クロックに同期して外部から入力されるリセット信号にて、加算手段により加算された画素信号を消去するように構成される。また、第1読取手段は、第1出力手段に入力されるリセット信号の周期を、転送クロックの整数倍に設定することにより、第1出力手段から、連続する複数の画素単位で加算した画素信号を出力させ、第1出力手段から出力された画素信号を、そのまま、読取画像を表す画素信号として出力する。
【0016】
この結果、本発明(請求項2)の画像読取装置によれば、第1出力手段において、第1出力手段のリセット信号の周期を変更するだけで加算した画素信号を出力できる。このように、新たな加算器等を追加することなく容易に画素信号の加算を実現できる。
【0017】
ところで、画像読取装置を使用して行くなかで、光源の劣化や、光路上の異物などで光量が弱くなってくることがある。この場合、原稿画像のコントラストが弱くなってしまい、画像がはっきりしなくなってくるため、読み取る画像信号の情報量も減ってくる。
【0018】
また、細い線など、1画素の解像度近辺の情報に対して、第2読取手段での読み込み画像では、1つ飛ばした受光素子の部分の画素情報は無いため、より画像情報の抜けが出やすくなっている。このため、例えば、明朝体の様な縦線が細い文字画像の読み取りにおいて、文字の縦線部分が消えてしまい、文字の判読が出来なくなってしまう等の問題が出やすくなる。
【0019】
これに対し、請求項3記載の画像読取装置においては、各センサにて画像を読取可能な位置に、明るさ判定用の基準画像を設け、基準画像読取手段は、第1〜第3出力手段の何れかを用いて、基準画像を読取った画素信号を取得する。
そして、モード選択手段は、動作モードに速度優先読取モードが設定されると、基準画像読取手段で読取った画素信号を基に演算して求めた明るさ判定用の評価値と、明るさを判定するための基準値とを比較し、評価値が基準値より暗い状態を示す場合、低速読取手段を動作させる。
【0020】
この結果、本発明(請求項3)の画像読取装置によれば、速度優先読取モードが指定されても、光源の明るさが暗くなってくると、動作させる読取手段が自動的に第1読取手段となるようにできる。これにより、第1読取手段では、画像の情報は失われ難いため、画像情報の懐失による問題は発生し難くなり、画像情報の減少による問題の発生を抑えることができる。
【0021】
一方、第2読取手段での読み取りは、出力手段が出力する受光素子からの画素信号の数が第1読取手段に比べ少ないため、画素データの伝送時間が短くなる。このため、二次元画像を読み取るために、センサの配列方向と直角に、センサと原稿の相対位置を変化させる副走査を行う画像読取装置において、第1読取手段に比べ、第2読取手段では、早く次のラインの画像読取に移行してもよく、この分、副走査方向の移動速度を早くすることができる。
【0022】
従って、請求項4記載の画像読取装置においては、副走査手段が、各センサと原稿との相対位置を、外部から設定された移動速度で、副走査方向に変化させ、モード選択手段が、当該装置の動作モードに対応して動作させる読取手段から一走査分の画素信号を出力するのに要する時間に応じて、副走査手段による相対位置の移動速度を設定する。
【0023】
この結果、本発明(請求項4)の画像読取装置によれば、第2読取手段など画素信号の読み取りが早いモードの場合、これに応じて副走査手段での移動速度を変えることができ、結果的に全体の画像を読み取る時間を短くできる。
ところで、第1、第2読取手段は、第1及び第2センサがもつ受光素子で決まる解像度より低い解像度として画素信号を読み取る読取手段であるが、一つのセンサでの受光素子がもつ解像度で画素信号を出力することも可能であり、請求項5のような画像読取装置とすればよい。
【0024】
即ち、請求項5記載の画像読取装置においては、第3読取手段が、第1出力手段から出力される画素信号、又は、前記第2出力手段と第3出力手段とから出力される画素信号を、読取画像を表す画素データとして出力し、モード選択手段が、当該装置の動作モードとして外部から精細読取モードが指令されると、第3読取手段を動作させる。
【0025】
この結果、本発明(請求項5)の画像読取装置によれば、1つのセンサがもつ受光素子による解像度の画像の画素信号を出力することができる。これにより、画像を読み取る時の選択の幅が広がり、使い勝手が良くなる。
また、一つのセンサで読取可能な解像度は、センサがもつ受光素子の単位長さ当りの数によって決まる。そして、二つのセンサのうち、一つのセンサを構成する各受光素子の主走査方向に沿った位置が、もう一方のセンサを構成する各受光素子の間に位置するような配置であれば、二つのセンサが読みとった同一画像の信号を組み合わせることにより、倍の解像度の画像として扱うことができる。
【0026】
即ち、請求項6記載の画像読取装置においては、第2センサが、第2センサを構成する各受光素子の主走査方向に沿った位置を、第1センサを構成する各受光素子の間に位置するように配置されると共に、第4読取手段は、第1〜第3出力手段から順次出力される画素信号を、読取画像を表す画素信号として出力し、モード選択手段が、当該装置の動作モードとして外部から超精細読取モードが指令されると、第4読取手段を動作する。
【0027】
この結果、本発明(請求項6)の画像読取装置によれば、各センサがもつ受光素子が実現する解像度の倍の解像度の画像の画素信号を出力することができる。これにより、受光素子の大きさを変えずに2倍の解像度の画像の画素信号を出力できる。また、画像を読み取る時の選択の幅が広がり使い勝手が良くなる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を図面と共に説明する。
図1は、本発明が適用された実施例のフラットベッドスキャナ(以下スキャナと呼ぶ。)1の全体の構成を表す図である。
【0029】
本実施例のスキャナ1は、外部のパーソナルコンピュータ(以下パソコンと呼ぶ)90から読取開始指令を受け、読取面に置かれた原稿の単色(黒色)での画像をCCDリニアイメージセンサ20で読み取り、読み取った画素信号をデジタル信号の画素データとしてメモリ70に記録する装置である。
【0030】
また、図1に示すようにスキャナ1は、ランプ11と、ミラー12と、CCD(Charge Coupled Diode)リニアイメージセンサ(以下CCDセンサと呼ぶ。)20とで構成される撮像ユニット10、原稿の読取面となるガラス35、原稿を押さえる原稿押さえカバー36、読み取った画素データの補正のための基準信号取得に用いる白板38、などで構成されている。
【0031】
尚、撮像ユニット10は、ランプ11が原稿に照射した光の反射光を、ミラー12に複数回反射させた後CCDセンサ20に入射させ、入射した光に応じた画素信号、つまり原稿画像の画素信号をCCDセンサ20から出力するようになっている。そして、撮像ユニット10は、駆動源を持ちガラス35の上に置かれた原稿を副走査するために移動できるよう構成されている。
【0032】
また、CCDセンサ20は、図3に示すように、第1センサ21、第2センサ22、第1シフトレジスタ25、第2シフトレジスタ26、及び第3シフトレジスタ27とで構成されている。
そして、第1センサ21は、受光した光量に応じて電荷を蓄積する複数の受光素子が一次元に配列され、その長さは当該画像読取装置での画像読取範囲の幅であり、その密度は600dpi(dot per inch)の解像度となる密度である。また、第2センサ22は、第1センサ21と同じ受光素子列を、第1センサ21に対し副走査方向に所定のライン分離れ(今回は6ライン分)、かつ主走査方向に半素子分ずれて設置している。
【0033】
また、第1シフトレジスタ25は、第1センサ21の受光素子が蓄積した電荷の全てを個々に受け、出力端子OS1に向かって電荷をシフトして、電荷に比例した電圧を画素信号として出力端子OS1から順次出力し、第2シフトレジスタ26は、第2センサ22の偶数番目の受光素子の電荷を個々に受け、第1シフトレジスタ25と同様の方法で出力端子OS2に順次出力し、第3シフトレジスタ27は、第2センサ22の奇数番目の受光素子の電荷を個々に受け第1シフトレジスタ同様の方法で出力端子OS3に順次出力する。
【0034】
また、スキャナ1には、図2に示すように、スキャナ1全体の動作を制御するCPU80、CCDセンサ20の3つの出力をデジタル信号に変換し、シリアルデータとして出力するAFE(Analog Front End)75、CCDセンサ20やAFE75などの周辺機器の動作を制御する画像読取制御部50、画像データを記録するメモリ70、撮像ユニット10を移動するための駆動源となるモータ30、及び、画像読取制御部50からの指令に従いモータ30に駆動指令を出すモータドライブ回路73などが内蔵されている。
【0035】
尚、AFE75は、CCDセンサ20からの3チャンネルの出力信号を受けて、所定の周期で切り換えて選択し出力するセレクタ76と、セレクタ76からのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器77とからなる。そして、セレクタ76は、入力した信号を所定の周期でラッチして、ラッチした信号に所定のゲインを乗じ、オフセットを加えることが可能な周知のアンプを3チャンネル分もち、選択する信号及び切り換える周期、アンプでラッチする周期、ゲイン及びオフセットの値を外部からの指令により設定可能となっている。
【0036】
また、モータ30は、例えばステップモータからなり、モータドライブ回路73からの駆動指令に応じた回転量及び回転速度の回転動作を行う。
また、画像読取制御部50は、いわゆるASIC(Application Specific Integrated Circuit)で構成され、画像読取制御部50上の各ブロックで生成するタイミング信号の基となり、同期の基準となるクロックを生成するクロックジェネレータ51、AFE75の動作を制御するAFEコントロールブロック52、CCDセンサ20の動作を制御するデバイスコントロールブロック53、FIFO(First In First Out)メモリを有し、AFE75からの画素データを、サンプリングしてFIFOメモリに記録するデータサンプリングブロック54、データサンプリングブロック54から画素データを読み出して、メモリ70に書き込むと共に、メモリ70から画素データを読み出して、パソコンに対し出力するメモリインターフェイスブロック55、モータドライブ回路73に対してモータ30の動作条件を指令するモータコントロールブロック56、及び画像読取制御部50内の各ブロックでの動作条件の設定値を記憶するレジスタ群60などにより構成されている。
【0037】
尚、レジスタ群60は、デバイスコントロールブロック53が出力するリセット信号RSの周期を設定するための基準周期に対する倍率を記憶するRS周期設定レジスタ61、セレクタ76が選択するCCDセンサ20からの出力のチャンネルを記憶するセレクトチャンネル設定レジスタ62、AFE75及びデータサンプリングブロック54で画素データを読み取るタイミングの基準周期に対する倍率を記憶するデータ転送周期設定レジスタ63、1ライン当りのモータ30の移動時間と、読み取りの解像度と、移動量との条件を記憶するモータ動作設定レジスタ64、画像読取制御部50の各ブロックを起動させる読取動作設定レジスタ65などからなる。
【0038】
また、画像読取制御部50のモータコントロールブロック56を除く全てのブロックは、CPU80からの読取開始指令が、読取動作設定レジスタ65に入力されると動作を開始し、CPU80からの読取停止指令が読取動作設定レジスタ65に入力されると動作を停止する。
【0039】
また、デバイスコントロールブロック53は、CCDセンサ20へ、モータ動作設定レジスタ64での移動時間の情報で決まる周期のパルス信号であるシフトゲート信号SHと、シフトレジスタの特性で決まる周期で、180度位相の違う2つの矩形波である転送クロックφ1、φ2と、基準周期である転送クロックφ1、φ2の周期に対し、RS周期設定レジスタ61の内容を乗じた値で決まる周期のパルス信号であるリセット信号RSとを出力する。
【0040】
また、AFEコントロールブロック52は、AFE75のセレクタ76に対し、セレクタ76で選択するCCDセンサ20からの出力を、セレクトチャンネル設定レジスタ62の内容で設定し、セレクタ76で選択するチャンネルの切り換える周期を、転送クロックφ1、φ2の周期に、データ転送周期設定レジスタ63の値を乗じた値で設定し、セレクタ76のアンプのゲインを、あらかじめ設定されている基本ゲインに、RS周期設定レジスタ61の値とモータ動作設定レジスタ64の移動時間の値とで除した値を基に設定する。
【0041】
また、データサンプリングブロック54は、AFE75からの画素データをサンプリングする周期を、転送クロックφ1、φ2の周期に、データ転送周期設定レジスタ63の値を乗じた値で設定する。
また、モータコントロールブロック56は、モータ動作設定レジスタ64に設定されている移動時間と、解像度とで決まる移動速度で、同じくモータ動作設定レジスタ64で設定されている移動量分だけ、撮像ユニット10が移動するように、モータドライブ回路73を介してモータ30を制御する。また、モータコントロールブロック56は、内部にカウンタを持ち、モータ30の駆動ステップ数をカウントして、そのカウント値がモータ動作設定レジスタ64に設定された移動量に対応するカウント値となると、CPU80に対し移動完了信号を出力しモータ30の動作を停止する。
【0042】
尚、モータ動作設定レジスタ64で、撮像ユニット10の1ライン当りの移動時間を設定する条件としては、第1シフトレジスタ25の画素信号を全て出力するために必要な時間から決まる「Normal」の条件と、第2及び第3シフトレジスタの画素信号を全て出力するために必要な時間から決まる「Fast」の条件とがある。尚、第1シフトレジスタの画素信号の数に対し、第2及び第3シフトレジスタの画素信号の数は、ほぼ半数と少なく、設定される時間は「Normal」の条件に対して、「Fast」の条件の方が時間的に短い条件となる。
【0043】
ところで、CCDセンサ20から出力される信号は、次の手順でメモリ70に書き込まれる。
まず、CPU80が読取動作設定レジスタ65に対して、読取開始指令を書き込むと、画像読取制御部50の各ブロックが起動して、デバイスコントロールブロック53からCCDセンサ20に対し、シフトゲート信号SH、リセット信号RS、転送クロックφ1、φ2が出力される。
【0044】
次に、1回目のシフトゲート信号SHから次のシフトゲート信号SHまでの間は、受光素子が原稿からの光を受けて、電荷を蓄積し、次のシフトゲート信号SHの立ち下がりで、第1センサ21に蓄積された受光素子毎の電荷が、第1シフトレジスタ25に移動する。また、第2センサ22においても、蓄積された受光素子毎の電荷が、それぞれ第2、第3シフトレジスタ26、27に移動する。
【0045】
次に、図4(a)に示す様に、出力端子OS1の出力は、リセット信号RSの立ち上がりで、第1シフトレジスタ25の出力端子OS1での電荷がクリアされ、基準電圧に戻る。そして、転送クロックφ1、φ2のエッジ部で第1シフトレジスタ25の電荷が出力端子方向にシフトされ、一番出力端子側のレジスタの電荷が出力端子OS1にシフトされ、出力端子OS1から、その電荷に応じた電圧が出力される。すなわち、受光素子が受光した画素信号が出力される。また、第2シフトレジスタ及び第3シフトレジスタにおいても同様に画素信号の出力が行われる。
【0046】
そして、出力端子での電圧変化が安定してから、次のリセット信号RSがくるまでの間にAFE75のセレクタ76のアンプで、出力端子OS1〜OS3の画素信号を受けラッチして、画素信号にAFEコントロールブロック52が設定のゲインをかけ、オフセット補正を加える。
【0047】
これらの各センサの電荷が各シフトレジスタによりシフトされて、セレクタ76のアンプでバッファされるまでの動作は、転送クロックφ1、φ2のエッジ毎に繰り返される。
次に、セレクタ76のアンプでバッファされた信号は、セレクタ76で、AFEコントロールブロック52から指示されたCCDセンサ20からの出力のチャンネルが選択されA/D変換器77に出力される。ここで指示されるCCDセンサ20からの出力が複数の場合、セレクタ76は、AFEコントロールブロック52が設定の周期で選択するチャンネルを切り替え、シリアル信号として出力する。
【0048】
次に、セレクタ76からの出力信号は、セレクタ76が出力する周期と同期して、A/D変換器77でデジタル信号としての画素データへ変換されて出力される。
次に、A/D変換器77から出力された画素データは、データサンプリングブロック54で、データ転送周期レジスタ63の値を基に設定された周期でサンプリングされて、FIFOメモリに書き込まれる。
【0049】
次に、データサンプリングブロック54のFIFOメモリに書き込まれた画素データは、メモリインターフェイスブロック55により取り出され、取り出された画素データは、メモリ70への入出力の状況を見計らってメモリインターフェイスブロック55により、メモリ70に順次書き込まれる。
【0050】
次に、次のシフトゲート信号SHが出ると、CCDセンサ20は、先の画素信号の出力をしている間に第1及び第2センサ21、22に蓄積された電荷を、再度各シフトレジスタに転送する。そして、以下同様にCCDセンサ20から画素信号を出力して、メモリ70に記録するまでの動作を繰り返す。
【0051】
また、モータコントロールブロック56は、画像読取が開始されると、モータドライブ回路73に対し、モータ動作設定レジスタ64の値で設定される移動速度で動作するように指令を出し、モータ30を駆動させて、撮像ユニット10を次のライン方向に移動させ、モータ動作設定レジスタ64の値で設定の移動量となるまでモータ30を移動する。
【0052】
尚、メモリ70に書き込まれた画像データは、任意のタイミングでメモリインターフェイスブロック55により再度読み出され、外部のパソコン90に所定の方法、例えばUSB(Universal Serial Bus)コントローラを用いて出力される。
【0053】
ところで、スキャナ1を用いての画像読取における読取モードは、解像度が300dpiで画質優先の300dpi(Normal)モード、解像度が300dpiで読取速度優先の300dpi(Fast)モード、解像度が600dpiとなる600dpiモード、解像度が1200dpiとなる1200dpiモードの4つある。尚、主走査方向と副走査方向の解像度の条件は同じ解像度である。
【0054】
まず、300dpi(Normal)モードの設定では、第1シフトレジスタで2つの画素信号を加算した信号を画素データとしてメモリに記録し、出力するモードで、300dpiの画素データを得るモードである。
このためには、CPU80が、セレクトチャンネル設定レジスタ62に「OS1」,RS周期設定レジスタ61を「2倍」、データ転送周期設定レジスタ63を「2倍」、モータ動作設定レジスタ64に移動時間として「Normal」と解像度として「300」を設定する。
【0055】
これにより、デバイスコントロールブロック53での、転送クロックφ1、φ2はそのままで、リセット信号RSの周期が2倍となる。そうすると、図4(b)に示すように、従来1つの画素信号毎にリセットされていたタイミングでリセットされなくなり、出力端子に次の画素信号分の電荷が合わせて蓄積されるため、2つの画素信号分の電圧が出力され、画素信号が加算された出力が出力端子OS1から出力される。そして、セレクタ76で出力端子OS1が選択され第2シフトレジスタ26の画素信号が出力される。また、リセット信号RSの周期を2倍としたのに合わせて、セレクタ76のアンプでバッファする周期及びデータサンプリングブロック54でサンプリングする周期は2倍になり、出力端子OS1での出力レベルが2倍となるため、アンプのゲインは1/2となる。また、シフトゲート信号SHの周期は、第1シフトレジスタ25の画素信号を出力する時間を基に設定した基準周期となり、第1シフトレジスタ25の分の信号を出力をする時間が必要のため、モータ30の移動時間の条件は「Normal」で、移動速度は、解像度が300dpiとなる距離を移動時間の条件で移動する移動速度となる。
【0056】
次に、300dpi(Fast)モードは、第2シフトレジスタ26からの、第2センサ22の偶数番目の受光素子の画素信号を画像データとしてメモリに記録するモードで、300dpi(Normal)モードに対して副走査方向の移動が速い読み取りで、300dpiの画像信号を得るモードである。
【0057】
このためには、CPU80が、チャンネル設定レジスタに「OS2」,RS周期設定レジスタ61を「1倍」、データ転送周期設定レジスタ63を「1倍」、モータ動作設定レジスタ64に移動時間として「Fast」と解像度として「300」を設定する。
【0058】
これにより、セレクタ76で出力端子OS2が選択され第2シフトレジスタ26の画素信号を出力される。また、リセット信号RSの周期と、AFE75の出力及びデータサンプリングブロック54での入力の周期は、そのままで良く、転送クロックφ1、φ2の周期の1倍となる。また、CCDセンサ20からの画素信号の出力が第2シフトレジスタ26の分だけでよいため、モータ30の移動時間の条件は、「Fast」となり、移動速度は、解像度が300dpiとなる距離を移動時間の条件で移動する移動速度となる。また、画素信号の出力時間が短くなるためシフトゲート信号SHの周期は1/2倍となり、その分、センサでの露光時間が短くなるためセレクタ76のアンプでのゲインは2倍となる。
【0059】
次に、600dpiモードは、第2センサ22の全ての受光素子の画素信号を、第2、第3シフトレジスタ26、27から、そのまま画素データとしてメモリに記録し、出力するモードで、600dpiの画素データを得る。
このためには、CPU80が、チャンネル設定レジスタに「OS2」、「OS3」、RS周期設定レジスタ61を「1倍」、データ転送周期設定レジスタ63を「1/2倍」、モータ動作設定レジスタ64に移動時間として「Fast」と解像度として「600」を設定する。
【0060】
これにより、セレクタ76で出力端子OS2、と出力端子OS3が選択され、第2、第3シフトレジスタ26、27の画素信号を出力されるようになる。また、リセット信号RSの周期はそのままとし、転送クロックφ1、φ2の周期の1倍で、入力する信号が2チャンネル分になるためAFE75の出力及びデータサンプリングブロック54での入力の周期は、転送クロックφ1、φ2の周期の1/2倍となる。また、CCDセンサ20からの画素信号の出力が第2、第3シフトレジスタ26、27の分だけのため、モータ30の移動時間の条件は、「Fast」で、移動速度は、解像度が600dpiとなる距離を移動時間の条件で移動する移動速度となる。また、画素信号の出力時間が短い分シフトゲート信号SHの周期は1/2倍となり、その分露光時間は短くなるためセレクタ76のアンプでのゲインは2倍となる。
【0061】
次に、1200dpiモードは、第1から第3シフトレジスタからの画素信号をそのまま、画素データとして出力するモードで、出力した画像データを利用する際に、第2センサ22からの画素データに対し、6ライン分移動したときに読み取った第1センサの画素データを、各画素データを交互に信号の各受光素子の間に配置された受光素子からの出力として用いることにより、1200dpiの解像度の画像として扱う。
【0062】
このためには、CPU80が、チャンネル設定レジスタに「OS1」、「OS2」、「OS3」、RS周期設定レジスタ61を「1倍」、データ転送周期設定レジスタ63を「1/3倍」、モータ動作設定レジスタ64に移動時間として「Normal」と解像度として「1200」を設定する。
【0063】
これにより、セレクタ76は出力端子OS1、と出力端子OS2と、出力端子OS3が選択され、第1〜第3シフトレジスタ25〜27全ての画素信号を出力する。また、リセット信号RSの周期はそのままで、転送クロックφ1、φ2の1倍で、入力する信号が3チャンネル分になるためAFE75の出力及びデータサンプリングブロック54での入力の周期は、転送クロックφ1、φ2の周期の1/3倍となる。また、CCDセンサ20からの画素信号の出力は第1シフトレジスタ25の分の出力をする必要があるため、モータ30の移動時間の条件は、「Normal」で、移動速度は、解像度が1200dpiとなる距離を移動時間の条件で移動する移動速度となる。また、画素信号の出力時間は通常のためシフトゲート信号SHの周期は1倍となり、その分露光時間は通常のためセレクタ76のアンプでのゲインは1倍となる。
【0064】
次に外部のパソコン90から読取開始指令を受け画像の読み取りを行う時のCPU80の処理手順を図5に示すフローチャートにより説明する。
尚、読取開始指令には、画像を読み取るモードの指定として、前述のモードのいずれかを指定する情報と、読取範囲の情報とが含まれている。
【0065】
まず、S101で、モータ動作設定レジスタ64に、撮像ユニット10を白板38の位置に移動するだけの移動量と移動時間を書き込む。そして、モータコントロールブロック56から移動完了信号を受けると、S102に移行する。
次に、S102で、セレクタ76のアンプのゲイン及びオフセットの基本値をAFEコントロールブロック52に指令し設定する。
【0066】
次に、S103で、白板38の画像を読み取るため、一時的に画像読取装置50、AFE75、CCDセンサ20の電源を投入し、読取動作設定レジスタ65に読取開始指令を出力して、白板38の画像に対するCCDセンサ20からの信号3チャンネル分を、1ライン分読み取った画素データを、メモリ70に記録させる。
【0067】
次に、S104で、S103でメモリ70に記録させた白板38の画像の画素データをメモリ70から読み出し、光源のムラや、光路のノイズなどによる不均一成分の補正のためのシェーディングデータを所定の算出式に基づき算出する。また、明るさ判定用の評価値として、先の画像データのうち、白レベルの値から、黒レベルの値を差し引いたダイナミックレンジDRを算出する。尚、CCDセンサ20のセンサ21及びセンサ22には、先頭に光が入らないようマスキングした部分があり、ここのデータが黒レベルの出力となる。
【0068】
次に、S105で、撮像ユニット10を原稿の手前の読取開始位置へ移動するよう、モータ動作設定レジスタ64に、移動時間と、移動量とを書き込み、モータコントロールブロック56から、移動完了信号を受けるとS106に移行する。
【0069】
次に、S106で、読取開始のための初期設定として、画像読取制御部50、AFE75、CCDセンサ20の電源を投入する。
次に、S107で、読取開始指令で指定される読取モードに対して、後述する読取モードの設定手順で読取モードを設定する。
【0070】
次に、S108で、読取動作設定レジスタ65に、動作開始指令を書き込み、画像読取を開始するとともに、モータ動作設定レジスタ64に読取開始指令で指示の読取範囲である動作量を設定して撮像ユニット10を移動させる。そして、モータコントロールブロック56から移動完了信号を受けると、S109に移行する。
【0071】
次に、S109で、読取動作設定レジスタ65に対し、読取停止指令を出力して読取動作を止め、画像読取制御部50、AFE75、CCDセンサ20の電源を停止する。
次に、S110で、撮像ユニット10を初期位置に移動するようモータ動作設定レジスタ64に、移動量と移動速度を書き込み、処理を終了する。
【0072】
次に、S107の読取モードの設定の手順について図6のフローチャートにより説明する。
まず、S201で、読取開始指令で指示された読取モードが300dpiか判断する。読取モードが「300dpi」の場合、S202に移行し、「300dpi」では無い場合、S221に移行する。
【0073】
次に、S202で、読取開始指令で指示された読取モードが「Normal」か判断する。「Normal」の場合、S202へ移行し、「Normal」では無い場合(即ち「Fast」の場合)、S221に移行する。
S203では、300dpi(Normal)モードの設定として、セレクトチャンネル設定レジスタ62に「OS1」,RS周期設定レジスタ61を「2倍」、データ転送周期設定レジスタ63を「2倍」、モータ動作設定レジスタ64に「Normal」と「300」とを設定してメイン処理に戻る。
【0074】
次に、S211で、S104で算出したダイナミックレンジDRと、ダイナミックレンジDRに対する規定値とを比較する。規定値の方が小さい場合、S212に移行し、規定値の方が大きい場合、S203に移行する。
S212では、300dpi(Fast)モードの設定として、チャンネル設定レジスタに「OS2」,RS周期設定レジスタ61を「1倍」、データ転送周期設定レジスタ63を「1倍」、モータ動作設定レジスタ64に「Fast」と「300」とを設定してメイン処理に戻る。
【0075】
次に、S221で、読取開始指令で指示された読取モードが、600dpiか判断する。読取モードが600dpiの場合、S221に移行し、600dpiで無い場合、即ち1200dpiの場合、S231に移行する。
S222では、600dpiモードの設定として、チャンネル設定レジスタに「OS2」、「OS3」、RS周期設定レジスタ61を「1倍」、データ転送周期設定レジスタ63を「1/2倍」、モータ動作設定レジスタ64に「Fast」と「600」とを設定してメイン処理に戻る。
【0076】
S231では、1200dpiモードの設定として、チャンネル設定レジスタに「OS1」、「OS2」、「OS3」、RS周期設定レジスタ61を「1倍」、データ転送周期設定レジスタ63を「1/3倍」、モータ動作設定レジスタ64に「Normal」と「1200」とを設定してメイン処理に戻る。
[効果]
このように、本実施例のスキャナ1は、CCDセンサ20に、第1及び第2センサ21,22と、第1センサ21の受光素子からの画素信号全てを出力する第1シフトレジスタ25と、第2センサ22の受光素子の偶数画素分の画素信号を出力する第2シフトレジスタ26と、第2センサ22の受光素子の奇数画素分の画素信号を出力する第3シフトレジスタ27とをもち、各読取モード毎にRS周期設定レジスタ61、セレクトチャンネル設定レジスタ62、データ転送周期設定レジスタ63、モータ動作設定レジスタ64に値を設定して、AFE75及び画像読取制御部50での動作を設定することにより、第1シフトレジスタで受光素子からの画素信号を加算して出力する画素信号数を減らし、300dpiの解像度の画素データを出力する300dpi(Normal)モードと、第2シフトレジスタから受光素子の偶数番目の画素信号を出力して、300dpiの解像度の出力を実現する300dpi(Fast)モードと、第2センサ22の画素信号をフルに使った600dpiモードと、第1、第2センサ21、22の画素信号を使った1200dpiモードとを選択して画像読取動作が可能となっている。
【0077】
また、300dpi(Normal)モードは、リセット信号の周波数と、読取タイミングの周波数を変えるだけで、画素信号の加算を行うようにしており、特に部品を追加することなく画素信号の加算を実現している。
即ち、300dpi(Normal)モードでは、受光素子からの画素信号の全ての数の情報を含んだ半分の画素信号数としたものであるため、一つの画素信号としての情報量は多く、感度が向上し、さらには細線の保存性も向上しているが、受光素子全ての画素信号を使用するため、同じ解像度でも使用する受光素子の数が半分となる300dpi(Fast)モードに対して、同じ周期の転送クロックを用いた場合には画素信号の転送時間に2倍近い時間を要するという特徴をもっている。
【0078】
一方、300dpi(Fast)モードでは、受光素子の数の半分の画素信号しか用いないため、画素信号の出力の時間は300dpi(Normal)モードに対して約半分でよく、画像の読取時間が早くなっているが、受光素子からの画素信号の情報を間引いているため、感度の低下や、細線の保存性について考慮されない画像となっているという特徴をもっている。
【0079】
本発明の画像読取装置によれば、300dpi(Fast)モードが指定されても、光源の明るさが暗くなってくるとS104で算出しているダイナミックレンジDRの値が小さくなるため、自動的に300dpi(Normal)モードとなる。これにより、300dpi(Normal)モードでは、画素加算により感度が向上し、画像の情報は失われにくいため、画像情報の懐失による問題は発生し難くなる。
【0080】
また、300dpi(Fast)、600dpiモードでは、CCDセンサ20からの画素信号の読み取りが早いため、これに応じて副走査の速度を変え、全体の画像を読み込む時間を短くしている。
[本発明との対応関係]
上述した、CCDセンサ20の第1センサ21、第2センサ22、第1シフトレジスタ25、第2シフトレジスタ26、第3シフトレジスタ27は、それぞれ本発明における、第1センサ、第2センサ、第1出力手段、第2出力手段、第3出力手段である。
【0081】
また、本発明におけるモード選択手段として、本実施例においては、CPU80で図6のフローチャートの手順を行う。
また、本実施例において、300dpi(Normal)モードを実行することにより実現される読取動作が本発明の第1読取手段で、300dpi(Fast)モードを実行することにより実現される読取動作が第2読取手段で、600dpiモードを実行することにより実現される読取動作が第3読取手段で、1200dpiモードを実行することにより実現される読取動作が第4読取手段である。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の具体的な実施形態に限定されず、このほかにも様々な形態で実施することができる。
【0082】
例えば、本実施例では、スキャナでの適用例を説明したが、スキャナ以外にも、FAX、コピー機、複合器機などの画像読取装置に用いても良い。
また、300dpi(Normal)の画像データを読み取る場合、第1シフトレジスタでリセット信号の周期を変えることにより画素信号の加算を行っているが、代わりに、例えば、データサンプリングブロック54からメモリインターフェイスブロック55までの間にデジタルビットの加算回路を追加して2画素分毎画素データを加算するようにしても良い。この方法は、CCDセンサ20の変わりに、加算の効果が無いセンサを用いる場合に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の全体構成を表す図である。
【図2】実施例の内部構成を表す図である。
【図3】実施例のCCDリニアイメージセンサ20の構成を表す図である。
【図4】実施例のCCDセンサ20での信号の状態を表すタイミングチャート図である。
【図5】実施例の画像読取時のCPU80の処理手順を表すフローチャート図である。
【図6】実施例のCPU80での読取モード設定の処理手順を表すフローチャート図である。
【符号の説明】
1…スキャナ、10…撮像ユニット、11…ランプ、12…ミラー、20…CCDリニアイメージセンサ、21…第1センサ、22…第2センサ、25…第1シフトレジスタ、26…第2シフトレジスタ、27…第3シフトレジスタ、30…モータ、35…ガラス、36…原稿押さえカバー、38…白板、50…画像読取制御部、51…クロックジェネレータ、52…AFEコントロールブロック、53…デバイスコントロールブロック、54…データサンプリングブロック、55…メモリインターフェイスブロック、56…モータコントロールブロック、60…レジスタ群、61…RS周期設定レジスタ、62…セレクトチャンネル設定レジスタ、63…データ転送周期設定レジスタ、64…モータ動作設定レジスタ、65…読取動作設定レジスタ、70…メモリ、73…モータドライブ回路、75…AFE、76…セレクタ、77…A/D変換器、80…CPU、90…パーソナルコンピュータ。
Claims (6)
- 主走査方向に配列された複数の受光素子からなる第1センサと、
主走査方向に配列された複数の受光素子からなり、前記第1センサに対して副走査方向に所定間隔離れて配置された第2センサと、
前記第1センサの各受光素子から得た画素信号を該受光素子の配列順に出力する第1出力手段と、
前記第2センサを構成する受光素子の内、偶数番目に配置された受光素子から得た画素信号を該受光素子の配列順に出力する第2出力手段と、
前記第2センサを構成する受光素子の内、奇数番目に配置された受光素子から得た画素信号を該受光素子の配列順に出力する第3出力手段と、
を備え、前記各センサを用いて、原稿の画像を読み取る画像読取装置であって、
前記第1出力手段から順次出力される画素信号を、連続する複数の画素単位で加算し、該加算した画素信号を、読取画像を表す画素信号として出力する第1読取手段と、
前記第2出力手段又は前記第3出力手段から順次出力される画素信号を、読取画像を表す画素信号として出力する第2読取手段と、
当該装置の動作モードとして、外部から画質優先読取モードが指令されると、前記第1読取手段を動作させ、速度優先読取モードが指令されると、前記第2読取手段を動作させるモード選択手段と、
を備えたことを特徴とする画像読取装置。 - 前記第1出力手段は、外部から入力される転送クロックに同期して、前記第1センサの各受光素子から得た画素信号を該受光素子の配列順に加算手段まで転送し、該加算手段にて加算された画素信号を外部に出力すると共に、前記転送クロックに同期して外部から入力されるリセット信号にて、前記加算手段により加算された画素信号を消去するよう構成され、
前記第1読取手段は、前記第1出力手段に入力されるリセット信号の周期を、前記転送クロックの整数倍に設定することにより、前記第1出力手段から、連続する複数の画素単位で加算した画素信号を出力させ、該第1出力手段から出力された画素信号を、そのまま、前記読取画像を表す画素信号として出力することを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。 - 前記各センサにて画像を読取可能な位置に、明るさ判定用の基準画像を設け、
前記第1〜第3出力手段の何れかを用いて、前記基準画像を読取った画素信号を取得する基準画像読取手段を備え、
前記モード選択手段を、
動作モードに前記速度優先読取モードが設定されると、前記基準画像読取手段で読取った画素信号を基に演算して求めた明るさ判定用の評価値と、明るさを判定するための基準値とを比較し、前記評価値が該基準値より暗い状態を示す場合、前記第1読取手段を動作させるように構成したこと、
を特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像読取装置。 - 前記各センサと原稿との相対位置を、外部から設定された移動速度で、副走査方向に変化させる副走査手段を備え、
前記モード選択手段は、当該装置の動作モードに対応して動作させる読取手段から一走査分の画素信号を出力するのに要する時間に応じて、前記副走査手段による前記相対位置の移動速度を設定することを特徴とする請求項1〜請求項3何れか記載の画像読取装置。 - 前記第1出力手段から出力される画素信号、又は、前記第2出力手段と第3出力手段とから出力される画素信号を、読取画像を表す画素データとして出力する第3読取手段を備え、
前記モード選択手段は、当該装置の動作モードとして外部から精細読取モードが指令されると、前記第3読取手段を動作させることを特徴とする請求項1〜請求項4何れか記載の画像読取装置。 - 前記第2センサは、該第2センサを構成する各受光素子の主走査方向に沿った位置が、前記第1センサを構成する各受光素子の間に位置するように配置されると共に、
前記第1〜第3出力手段から順次出力される画素信号を、読取画像を表す画素信号として出力する第4読取手段を備え、
前記モード選択手段は、当該装置の動作モードとして外部から超精細読取モードが指令されると、前記第4読取手段を動作させることを特徴とする請求項1〜請求項5何れか記載の画像読取装置。
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