JP3780756B2 - 空燃比検出法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の空燃比制御方法に関し、特に排気中の酸素濃度を検出し、これにより機関吸入混合気の空燃比を検出する空燃比検出法に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の空燃比検出方法に関する従来技術として特開昭64−60742号公報がある。以下に、この従来技術を説明する。
【0003】
この従来技術において、酸素濃度検出手段としてのO2センサが排気マニホールドに設けられている。O2センサは、例えば、ジルコニアチューブの内外表面に白金電極を設け、ジルコニアチューブの内側に導入した大気と外側の排気との酸素濃度の比の大きさに応じて起電力を発生するものである。
【0004】
ジルコニアチューブの外側の白金電極の外表面には酸化触媒として機能する白金触媒層が設けられている。この白金触媒層は、本来、リッチ混合気で燃焼させたときにわずかに存在するO2とCOなどの未燃焼成分を結合させて、外側の酸素濃度をほぼ零にすることにより、ジルコニアチューブ内外の酸素濃度比を大きくして大きな起電力を発生させるために設けられている。
【0005】
ところが、この従来技術は、ジルコニアチューブの外側の白金触媒層の触媒機能を弱めてある。白金触媒層の触媒機能を弱めることにより図8に示すように、酸素濃度が急変する理論空燃比を境界として、O2センサ起電圧がなだらかに変化する。すなわち、O2センサのジルコニアチューブの白金触媒層の触媒機能を弱めることにより、O2センサ起電圧の立ち上がりを鈍らせ、これによって測定した空燃比が理論空燃比に対してリッチであるかリーンであるかの判断ができるだけでなく、理論空燃比とのズレを検出することができるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術の場合、その時々の空燃比と理論空燃比とのズレを検出できるようにするため、ジルコニアチューブの外側の白金触媒層の触媒機能を弱めた。触媒機能を弱めるための具体的な方法の開示はないが、一般的に、白金触媒層に金を混ぜることにより触媒機能を弱める方法が取られている。ところが、白金触媒層に金を混ぜると、融点が下がり、高温の排気ガスに長期間さらされると性能の劣化がおきるという問題が発生し得る。
【0007】
本発明は、上記の問題を解決するために、O2センサ素子を所定の低温度に設定し、O2センサ起電圧を理論空燃比近傍においてなだらかに変化させ、その時々の空燃比と理論空燃比とのズレを正確に検出できるようにした空燃比検出法を提供することを目的にしたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前述の目的を達成するために、請求項1の発明は、O2センサを用いた空燃比検出法において、O2センサ素子を350℃より大きく450℃より小さい特定温度に設定し、O2センサ起電圧を理論空燃比近傍においてなだらかに変化させ、理論空燃比近傍における前記O2センサ素子の起電圧から求められた空燃比と理論空燃比とのズレを検出するようにしたことを特徴とする空燃比検出方法。
【0011】
前述の目的を達成するために、請求項2の発明は、請求項1の空燃比検出法において、前記O2センサ素子に所定周波数の電圧を印加し、前記O2センサ素子の電流を検出し、前記電圧と前記電流から前記O2センサ素子のインピーダンスを求め、前記インピーダンスから前記O2センサ素子の温度を求めるようにしたことを特徴とする空燃比検出法である。
【0012】
前述の目的を達成するために、請求項3の発明は、請求項2の空燃比検出法において、前記O2センサ素子の温度をヒータにより調整することにより、前記O2センサ素子を前記所定の低温度に設定して空燃比を検出するようにしたことを特徴とする空燃比検出法である。
【0013】
前述の目的を達成するために、請求項4の発明は、請求項1の空燃比検出法において、エンジンアイドル時に、前記O2センサ素子を活性度の高い温度に設定して理論空燃比に設定するとともにそのときの状況下の前記O2センサ素子の起電圧V0を求め、前記理論空燃比という状況下で前記O2センサ素子を前記所定の低温度に設定して前記O2センサ素子の起電圧V1を求め、V1−V0を補正電圧ΔVとし、前記所定の低温度で測定された前記O2センサ素子の起電圧Vを前記補正電圧ΔVで補正して前記O2センサ素子の前記起電圧となし、前記O2センサ素子の前記起電圧から空燃比を検出するようにしたことを特徴とする空燃比検出法である。
【0014】
前述の目的を達成するために、請求項5の発明は、請求項4の空燃比検出法において、前記所定の低温度で測定された前記O2センサ素子の起電圧Vの補正を、前記起電圧Vと前記補正電圧ΔVとの差電圧V−ΔVを求めることにより実行し、前記差電圧V−ΔVから空燃比を検出するようにしたことを特徴とする空燃比検出法である。
【0015】
【発明の実施形態】
本発明の実施形態を図に基づき説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態のシステム概略図を示す。図1に示すように、O2センサ1は、O2センサ素子2とO2センサ素子2を保持するためのハウジング6とハウジング6に固定され外部との干渉を防止するための保護カバー7を主要構成要素としている。O2センサ素子2は、ジルコニアやチタニアを材料にし、その構造は先端を閉塞した試験管形状にされており、その内表面には白金電極3が取り付けられており、外表面には、白金電極4が取り付けられている。外表面に取り付けられている白金電極4は、コーティング5により保護されている。
【0017】
O2センサ素子2は、内表面側に導入された大気と外表面側に導入された排気との酸素濃度の比の大きさに応じて起電圧を発生するものである。すなわち、O2センサ素子2の外表面側の白金電極の外表面には酸化触媒として機能する白金触媒層が設けられている。この白金触媒層は、本来、リッチ混合気で燃焼させたときにわずかに存在するO2とCOなどの未燃焼成分を結合させて、外表面側の酸素濃度をほぼ零にすることにより、O2センサ素子2内外の酸素濃度比を大きくして大きな起電圧を発生させる。
【0018】
O2センサ素子2の内部にはO2センサ素子2の温度調整をするためのヒータ8が設けられている。O2センサ素子2の温度調整をすることにより、O2センサ素子2の活性度を高めたり、弱めたりすることができる。
【0019】
ヒータ8に接続されているヒータ電流制御回路Aは、ヒータ8への電流を制御すことにより、O2センサ素子2の温度調整をし、O2センサ素子2の活性度を制御するものである。
【0020】
切換回路Bは、所定時間毎に、インピーダンス計測回路Cと起電圧検出回路Dを切換えるためのもので、時分割制御を可能にするものである。
【0021】
インピーダンス計測回路Cは、O2センサ素子2に所定の周波数の電圧をかけ、そのときの電流値からインピーダンスを計測するためのものである。このインピーダンス計測回路Cで計測されたインピーダンスからO2センサ素子2の温度を検出し、ヒータ電流制御回路AによりO2センサ素子2の温度を調整しようとするものである。
【0022】
起電圧検出回路Dは、O2センサ素子2の内表面側に導入された大気と外表面側の排気との酸素濃度の比の大きさに応じた大きさの起電力を検出するためのものである。
【0023】
制御回路Eは、ヒータ電流制御回路A、切換回路B、インピーダンス計測回路C、起電圧検出回路Dを制御するための回路である。
【0024】
図2により、本発明の実施形態のねらいを説明する。図2は、O2センサ素子温度が500℃のときと400℃のときの縦軸にO2センサ起電圧を横軸にλを表した線図である。なお、λは、空気過剰率を表し、λが1のとき、理論空燃比であることを意味し、λが1より大きいときリーンであることを意味し、λが1より小さいときリッチであることを意味する。
【0025】
図2から明らかなように、O2センサ素子温度が500℃のとき、O2センサ素子は、鋭いZ特性を有しており、λが1のときのストイキ点(理論空燃比)を正確に検出することができる。しかし、ストイキ点(理論空燃比)近傍の空燃比を正確に検出することはできない。ところが、O2センサ素子温度を500℃より低い温度、たとえば400℃に設定すると、図2に示すように、鋭いZ特性をなだらかにすることができるので、この特性を利用して、ストイキ点(理論空燃比)近傍の空燃比を正確に検出しようとするものである。
【0026】
O2センサ素子の特性がなだらかな特性となるのは、低温度という環境において、O2センサ素子の白金電極の活性度が低下し、反応速度が遅くなるためであるので、O2センサ素子温度を450℃より低く350℃より高く設定しても鋭いZ特性をなだらかにすることができる。
【0027】
図3は、本発明の第1実施形態のフローチャートを示す。図3により、本発明の第1実施形態の4msecルーチンのフローチャートを説明する。S1(ステップ1。以下同様)で、48msec毎かを判断する。すなわち、48msec毎にインピーダンスの計算とλの算出を切換えて、時分割制御をするためのものである。この切換は、切換回路Bにより実行される。YESの場合、S2に進む。S2では、O2センサ素子に周波数が5KHzの電圧を印加する。次に、S3に進む。S3では、O2センサ素子に流れる電流値を検出する。次に、S4に進み、印加した電圧を検出した電流値で除してインピーダンスZを計算する。インピーダンスZの計算は、インピーダンス計測回路Cにより実行される。
【0028】
次に、S5に進み、計算されたインピーダンスZからO2センサ素子の温度を算出する。インピーダンスZからO2センサ素子の温度の算出は、図4を利用することにより実行される。図4は、T=f(Z)を表したものであり、縦軸にO2センサ素子のインピーダンスZを横軸にO2センサ素子の温度Tを表した線図である。図4を利用することにより、O2センサ素子のインピーダンスからO2センサ素子の温度を算出することができる。たとえば、O2センサ素子のインピーダンスがZ1,Z2、Z3,Z4のとき、O2センサ素子の温度は500℃、450℃、400℃、350℃となることを示している。O2センサ素子の温度を正確に検出するために、O2センサ素子のインピーダンスを求め、このインピーダンスからO2センサ素子の温度を算出する方法は有用である。
【0029】
次に、S6に進み、O2センサ素子の温度を所定の低温度、たとえば400℃になるよう制御する。O2センサ素子の温度制御は、図1のヒータ電流制御回路Aによりヒータ8に所定の電流値を流すことにより実行される。O2センサ素子の温度が所定の低温度になったかどうかは、図4のO2センサ素子のインピーダンスとO2センサ素子の温度の関係を表した線図から判断する。S6が完了すると、このフローチャートの作動は終了する。
【0030】
S1の判断がNoの場合は、S7に進み、O2センサ素子の起電圧Vを計測する。O2センサ素子の起電圧Vの計測は、図1の起電圧検出回路Dにより実行される。S7の次にS8に進む。S8では、O2センサ素子の起電圧Vからλを算出する。O2センサ素子の起電圧Vからのλの算出は、λ=g(V)を表した図5の線図を利用して実行される。図5は、O2センサ素子温度が400℃のときの縦軸にO2センサ起電圧を横軸にλを表した線図である。この線図から、たとえばO2センサ起電圧が0.55Vのとき、λ=1となる。なだらかな特性であるので、λ=1の近傍の値である0.99,1.01も正確に算出することができる。S8が完了すると、このフローチャートの作動は終了する。
【0031】
以上説明したフローチャートによれば、以下に述べる優れた点がある。先ず第1に、O2センサを用いた空燃比検出法において、O2センサ素子を所定の低温度に設定し、O2センサ素子の起電圧を求め、O2センサ素子の起電圧から空燃比を検出するようにした空燃比検出法であるので、O2センサ起電圧を理論空燃比近傍においてなだらかに変化させ、その時々の空燃比と理論空燃比とのズレを正確に検出できるようにした空燃比検出法を提供することができるという優れた効果を奏する。
【0032】
第2に、上記空燃比検出法において、前記所定の低温度を350℃より大きく450℃より小さい特定温度とした空燃比検出法であるので、O2センサ起電圧を理論空燃比近傍においてなだらかに変化させ、その時々の空燃比と理論空燃比とのズレをより正確に検出できるようにした空燃比検出法を提供することができるという優れた効果を奏する。
【0033】
第3に、上記空燃比検出法において、前記所定の低温度を400℃近傍の特定温度とした空燃比検出法であるので、O2センサ起電圧を理論空燃比近傍においてなだらかに変化させ、その時々の空燃比と理論空燃比とのズレを極めて正確に検出できるようにした空燃比検出法を提供することができるという優れた効果を奏する。
【0034】
第4に、上記空燃比検出法において、O2センサ素子に所定周波数の電圧を印加し、O2センサ素子の電流を検出し、電圧と電流からO2センサ素子のインピーダンスを求め、このインピーダンスからO2センサ素子の温度を求めるようにした空燃比検出法であるので、O2センサ素子の温度を正確に検出することができ、その時々の空燃比と理論空燃比とのズレを正確に検出できるようにした空燃比検出法を提供することができるという優れた効果を奏する。
【0035】
第5に、上記空燃比検出法において、O2センサ素子の温度をヒータにより調整することにより、O2センサ素子を前記所定の低温度に設定して空燃比を検出するようにした空燃比検出法であるので、O2センサ素子の温度を的確に制御することができ、その時々の空燃比と理論空燃比とのズレを正確に検出できるようにした空燃比検出法を提供することができるという優れた効果を奏する。
【0036】
次に、O2センサ素子が経時劣化した場合の補正の方法を図6により説明する。図6は、本発明の第2実施形態のフローチャートの一部を示す。S11では、エンジンがアイドル運転中か否かを判断する。Yesの場合は、S12に進み、O2センサ素子を活性度の高い温度である500℃に設定する。この温度制御は、図1のヒータ電流制御回路Aによりヒータ8に所定の電流値を流すことにより実行される。これにより、O2センサ素子に鋭いZ特性をもたせることができる。次に、S13では、O2センサ素子の鋭いZ特性のうち、スレッシュレベル0.45(V0。以下同様)で切った時をλ=1.0とする。次にS14に進む。スレッシュレベル0.45すなわちλ=1.0になるように、燃料噴射量をフィードバック制御する。
【0037】
次に、S15で、O2センサ素子を所定の低温度、たとえば400℃に設定する。この温度制御もS12と同様、図1のヒータ電流制御回路Aによりヒータ8に所定の電流値を流すことにより実行される。次に、S16で、O2センサ素子を所定の低温度、たとえば400℃に設定されたときのO2センサ素子の起電圧を計測する。このときのO2センサ素子の起電圧をVλ=1.0(V1。以下同様)とする。次に、S17で、O2センサ素子を所定の低温度、たとえば400℃に設定されたときのO2センサ素子の起電圧とスレッシュレベル0.45(V)とのずれ分Vλ=1.0−0.45を補正電圧ΔVとしてもとめる。
なお、S11で、エンジンがアイドル運転中でない、つまりNoの場合は、そこで終了する。
【0038】
次に、図7により、λを計測する様子を説明する。図7は、本発明の第2実施形態のフローチャートの一部を示す。S21で、O2センサ素子を所定の低温度、たとえば400℃に設定する。そのときのO2センサ素子の起電圧Vを計測する。次に、S22で、O2センサ素子の起電圧Vを補正して、差電圧V−ΔVをO2センサ素子の起電圧の補正電圧V′として算出し、この補正電圧V′から図5の線図よりλを算出し、空燃比を検出する。
【0039】
なお、S22では、O2センサ素子の起電圧Vを補正して、V−ΔVをO2センサ素子の起電圧の補正電圧V′として算出したが、この式に限定されるものではない。たとえば、一定の係数kをΔVに掛けて補正し、V−kΔVをO2センサ素子の起電圧の補正電圧V′とする場合もある。O2センサ素子の経時劣化に対してどの程度補正するかにより係数Kの値を決めればよい。
【0040】
S11からS23の動作により、O2センサ素子の経時劣化に対する補正をすることができるので、O2センサ素子を長期間使用しても、ストイキ点(理論空燃比)近傍の空燃比を正確に検出することができる空燃比検出法を提供することができるという優れた効果を奏する。
【0041】
【発明の効果】
請求項1の発明は、O2センサを用いた空燃比検出法において、O2センサ素子を350℃より大きく450℃より小さい特定温度に設定し、O2センサ起電圧を理論空燃比近傍においてなだらかに変化させ、理論空燃比近傍における前期O2センサ素子の起電圧から求められた空燃比と理論空燃比とのズレを検出するようにした空燃比検出法を提供することができるという優れた効果を奏する。
【0044】
請求項2の発明は、請求項1の空燃比検出法において、前記O2センサ素子に所定周波数の電圧を印加し、前記O2センサ素子の電流を検出し、前記電圧と前記電流から前記O2センサ素子のインピーダンスを求め、前記インピーダンスから前記O2センサ素子の温度を求めるようにしたことを特徴とする空燃比検出法であるので、O2センサ素子の温度を正確に検出することができ、その時々の空燃比と理論空燃比とのズレを正確に検出できるようにした空燃比検出法を提供することができるという優れた効果を奏する。
【0045】
請求項3の発明は、請求項2の空燃比検出法において、前記O2センサ素子の温度をヒータにより調整することにより、前記O2センサ素子を前記所定の低温度に設定して空燃比を検出するようにしたことを特徴とする空燃比検出法であるので、O2センサ素子の温度を的確に制御することができ、その時々の空燃比と理論空燃比とのズレを正確に検出できるようにした空燃比検出法を提供することができるという優れた効果を奏する。
【0046】
請求項4の発明は、請求項1の空燃比検出法において、エンジンアイドル時に、前記O2センサ素子を活性度の高い温度に設定して理論空燃比に設定するとともにそのときの状況下の前記O2センサ素子の起電圧V0を求め、前記理論空燃比という状況下で前記O2センサ素子を前記所定の低温度に設定して前記O2センサ素子の起電圧V1を求め、V1−V0を補正電圧ΔVとし、前記所定の低温度で測定された前記O2センサ素子の起電圧Vを前記補正電圧ΔVで補正して前記O2センサ素子の前記起電圧となし、前記O2センサ素子の前記起電圧から空燃比を検出するようにしたことを特徴とする空燃比検出法であるので、O2センサ素子の経時劣化に対する補正をすることができ、O2センサ素子を長期間使用しても、ストイキ点(理論空燃比)近傍の空燃比を正確に検出することができる空燃比検出法を提供することができるという優れた効果を奏する。
【0047】
請求項5の発明は、請求項4の空燃比検出法において、前記所定の低温度で測定された前記O2センサ素子の起電圧Vの補正を、前記起電圧Vと前記補正電圧ΔVとの差電圧V−ΔVを求めることにより実行し、前記差電圧V−ΔVから空燃比を検出するようにしたことを特徴とする空燃比検出法であるので、O2センサ素子の経時劣化に対する補正をすることができ、O2センサ素子を長期間使用しても、ストイキ点(理論空燃比)近傍の空燃比を正確に検出することができる空燃比検出法を提供することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のシステム概略図を示す。
【図2】O2センサ素子温度毎に、縦軸にO2センサ起電圧を横軸にλを表した線図を示す。
【図3】本発明の第1実施形態のフローチャートを示す。
【図4】縦軸にO2センサ素子のインピーダンスを横軸にO2センサ素子の温度を表した線図を示す。
【図5】O2センサ素子温度が400℃のときの縦軸にO2センサ起電圧を横軸にλを表した線図を示す。
【図6】本発明の第2実施形態のフローチャートの一部を示す。
【図7】本発明の第2実施形態のフローチャートの一部を示す。
【図8】従来技術について、縦軸にO2センサ起電圧を横軸に空燃比(λ)を表した線図を示す。
【符号の説明】
1……O2センサ
2……O2センサ素子
3……白金電極
4……白金電極
5……コーティング
6……ハウジング
7……保護カバー
8……ヒータ
Claims (5)
- O2センサを用いた空燃比検出法において、O2センサ素子を350℃より大きく450℃より小さい特定温度に設定し、O2センサ起電圧を理論空燃比近傍においてなだらかに変化させ、理論空燃比近傍における前記O2センサ素子の起電圧から求められた空燃比と理論空燃比とのズレを検出するようにしたことを特徴とする空燃比検出方法。
- 請求項1の空燃比検出法において、前記O2センサ素子に所定周波数の電圧を印加し、前記O2センサ素子の電流を検出し、前記電圧と前記電流から前記O2センサ素子のインピーダンスを求め、前記インピーダンスから前記O2センサ素子の温度を求めるようにしたことを特徴とする空燃比検出法。
- 請求項2の空燃比検出法において、前記O2センサ素子の温度をヒータにより調整することにより、前記O2センサ素子を前記所定の低温度に設定して空燃比を検出するようにしたことを特徴とする空燃比検出法。
- 請求項1の空燃比検出法において、エンジンアイドル時に、前記O2センサ素子を活性度の高い温度に設定して理論空燃比に設定するとともにそのときの状況下の前記O2センサ素子の起電圧V0を求め、前記理論空燃比という状況下で前記O2センサ素子を前記所定の低温度に設定して前記O2センサ素子の起電圧V1を求め、V1−V0を補正電圧ΔVとし、前記所定の低温度で測定された前記O2センサ素子の起電圧Vを前記補正電圧ΔVで補正して前記O2センサ素子の前記起電圧となし、前記O2センサ素子の前記起電圧から空燃比を検出するようにしたことを特徴とする空燃比検出法。
- 請求項4の空燃比検出法において、前記所定の低温度で測定された前記O2センサ素子の起電圧Vの補正を、前記起電圧Vと前記補正電圧ΔVとの差電圧V−ΔVを求めることにより実行し、前記差電圧V−ΔVから空燃比を検出するようにしたことを特徴とする空燃比検出法。
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