JP3780450B2 - 横型製袋充填機のエンドシール装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、横型製袋充填機のエンドシール装置に関し、更に詳細には、筒状フィルムの移送と共にその移送向きへ移動しつつ対向的に近接・離間移動する一対のシール部材により、筒状フィルムを両側から挟圧してエンドシールするエンドシール装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
横型製袋充填機は、製袋器により帯状から筒状に成形されながら水平に移送されるフィルム中に物品を順次供給すると共に、前記フィルムにおける側縁部の重合面にセンターシールを施し、更に筒状となったフィルム内の物品を挟む前後に夫々エンドシール・切断を施すことにより、所謂ピロー包装体を製造し得るようになっている。
【0003】
前記横型製袋充填機に配設されるエンドシール・切断を施すエンドシール装置では、筒状フィルムの移送路を挟んで上下に対向する一対のシール部材を備え、両シール部材を互いに対向した状態で円運動させる構成を採用すると共に、両シール部材の移動軌跡が重なるように設定している。そして、該移動軌跡の重合区間で両シール部材を当接させることによって筒状フィルムを挟持した状態で、該両シール部材を筒状フィルムの移送方向に沿って同期的に移動してエンドシールを施すと共に該フィルムを切断した後、相互に離間して後退し、再び相互に当接して移動する運動を繰返す、所謂ボックスモーションを行なわせるよう構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述した一対のシール部材に付与される円運動の回転半径は、物品を包装して得られる包装体の包装長(フィルム移送方向に沿う切断長)に対応して求められる。従って、前記包装長を短かくしたい場合は、シール部材の回転半径を小さくすることになるが、このようにすると筒状フィルムの移送路からのシール部材の離間距離を充分に確保し得ず、物品の高さ寸法が大きい場合には、エンドシール後においてシール部材が移送されてくる後続の物品を回避できず、該物品がシール部材に衝突してずれてしまい、包装に支障を生ずる問題を招く。
【0005】
【発明の目的】
本発明は、従来の技術に係るエンドシール装置に内在している前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、高さ寸法の大きな物品であっても、包装長を短くすることのできる横型製袋充填機のエンドシール装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため本発明は、
物品が充填された筒状フィルムの移送路を挟んで対向して配設され、該筒状フィルムの移送と共にその移送向きへ移動しつつ対向的に近接・離間移動する一対のシール部材により、筒状フィルム内の前記物品を挟む前後にエンドシールを施す横型製袋充填機のエンドシール装置において、
前記筒状フィルムの移送路を挟む位置で姿勢を保ったまま互いに反対向きに旋回する一対の支持部材の夫々に、前記シール部材を進退移動可能な作動手段を配設し、
前記一対のシール部材は、前記作動手段により、共に前記筒状フィルムの移送路に対して近づいて前記支持部材の旋回運動により筒状フィルムにエンドシールを施し得る作動状態と、共に前記移送路に対して離れた非作動状態とに移行可能とされ、
前記作動手段は、前記支持部材の旋回に伴い前記一対のシール部材が上流側移動端に至って筒状フィルムに接触していない状態で両シール部材を非作動状態から作動状態に移行し、両シール部材で筒状フィルムを挟持することでエンドシールを施して該シール部材がフィルム移送向きと反対向きに移動する工程に至るまでに両シール部材を非作動状態に移行してエンドシール後のシール部材と後続の物品との衝突を回避するよう設定されていることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る横型製袋充填機のエンドシール装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら説明する。
【0008】
図1および図2は、本発明の実施例に係る横型製袋充填機のエンドシール装置の全体構成を示すものであって、四角枠状に形成された機枠10におけるフィルム移送方向の上流側に、第1移送コンベヤ11が配設されると共に、下流側に、第1移送コンベヤ11と移送レベルを一致させた第2移送コンベヤ12が直列に配設されている。そして、物品受渡しコンベヤとしての両コンベヤ11,12の対向する端部間に、上下方向に互いに近接・離間移動(開閉作動)する上側の第1シール部材13と下側の第2シール部材14とを備えたエンドシール装置15が配設される。
【0009】
前記エンドシール装置15の説明に先立ち、前記第1移送コンベヤ11および第2移送コンベヤ12の構成につき、簡単に説明する。エンドシール装置15の配設位置より上流側の機枠10の上部に、幅方向(水平なフィルム移送方向と水平に直交する方向)に所定間隔離間する一対の側板からなる第1固定フレーム16が配設される。また第1固定フレーム16の内側には、前記側板の離間間隔よりも小さい間隔で幅方向に離間して対向する一対の側板および上板から下方に開放するコ字状に形成された第1移動フレーム17が、第1固定フレーム16に対してフィルム移送方向への水平移動が可能に配設されている。更に、第1固定フレーム16に複数のプーリ16aが回動可能に枢支されると共に、第1移動フレーム17にも複数のプーリ17aが回動可能に枢支され、これらプーリ16a,17a間に第1無端ベルト18が走行可能に巻掛けられて第1移送コンベヤ11が構成される。前記第1固定フレーム16に配設されている所定位置のプーリ16aには、該フレーム16の下部に配設した第1モータ19が接続され、該モータ19によりプーリ16aを所要方向に回転することによって第1無端ベルト18が所要方向に走行するようになっている。
【0010】
前記第2移送コンベヤ12は、エンドシール装置15を挟んで前記第1移送コンベヤ11と対称に構成されている。すなわち、機枠10の上部に、幅方向に所定間隔離間する一対の側板から構成される第2固定フレーム20が配設される。また第2固定フレーム20の内側に、前記側板の離間間隔よりも小さい間隔で幅方向に離間して対向する一対の側板および上板から下方に開放するコ字状に形成された第2移動フレーム21が、第2固定フレーム20に対してフィルム移送方向への水平移動が可能に配設されている。更に、第2固定フレーム20に複数のプーリ20aが回動可能に枢支されると共に、第2移動フレーム21にも複数のプーリ21aが回動可能に枢支され、これらプーリ20a,21a間に第2無端ベルト22が走行可能に巻掛けられて第2移送コンベヤ12が構成される。前記第2固定フレーム20に配設されている所定位置のプーリ20aには、該フレーム20の下部に配設した第2モータ23が接続され、該モータ23によりプーリ20aを所要方向に回転することによって第2無端ベルト22が所要方向に走行するようになっている。
【0011】
前記第1移送コンベヤ11では、第1無端ベルト18がフィルム移送速度と略同速で所要方向に走行されるよう設定されており、該無端ベルト18に載置された物品24が充填された筒状フィルム25は、エンドシール装置15に向けて移送される。また第2移送コンベヤ12では、第2無端ベルト22が第1無端ベルト18の走行速度よりも高速となるよう設定されており、エンドシール装置15の両シール部材13,14によりエンドシール・切断された先行の包装体を、後続の未包装体から確実に切離して排出し得るよう構成されている。
【0012】
また、図1および図2に示すように、筒状フィルム25の移送路の下方に位置し、前記第2シール部材14を水平に支持する一対の下部側板28,28(後述)の夫々に、フィルム移送方向に離間すると共に下方から上方に向けて相互に近接する略ハ字状のカム溝26a,26bを形成したカム板26が配設されている。上流側のカム溝26aには、前記第1移動フレーム17の下流端部に図示しないブラケットを介して回動自在に枢支したローラ27aが摺動自在に嵌合され、下流側のカム溝26bには、第2移動フレーム21の上流端部に図示しないブラケットを介して回動自在に枢支されたローラ27bが摺動自在に嵌合されている。すなわち、後述する非作動状態での第2シール部材14が最下点に位置した状態では、第1移動フレーム17と第2移動フレーム21とは相互に近接し、第2シール部材14の上昇移動と共にカム板26が上昇すると、第1移動フレーム17と第2移動フレーム21とは相互に離間して、第2シール部材14の上昇移動を許容する隙間を形成するよう構成されている。
【0013】
次に、前記エンドシール装置15の構成につき説明する。前記第1移送コンベヤ11と第2移送コンベヤ12との間における機枠10には、図2に示す如く、筒状フィルム25の移送路より下方位置において幅方向に離間して一対の下部側板28,28が対向して配設される。両下部側板28,28の対向面には、上下方向に延在する下ガイド29,29が配設され、両ガイド29,29間に、幅方向に延在する下部保持材30が上下(両シール部材13,14の対向方向)に摺動可能に配設されている。そして、この下部保持材30の上面に、第2シール部材14が、そのシール面を筒状フィルム25の移送路を指向する上向き状態で配設される。また、両下部側板28,28における下部保持材30の配設位置より下方に、下部支持部材(支持部材)31が一体的に移動可能に架設されており、この下部支持部材31の上面には、幅方向に所定間隔離間して作動手段としての一対の下部空気圧シリンダ32,32が配設されている。各下部空気圧シリンダ32の上方に延出可能なピストンロッド32aが下部保持材30に夫々連結され、両シリンダ32,32を同期して正逆付勢することで、下部支持部材31の後述する旋回(円)運動とは独立して、前記第2シール部材14を筒状フィルム25の移送路に対して近づいた作動状態と、移送路に対して離れた非作動状態とに移行し得るよう構成してある。
【0014】
前記下部側板28,28の外側に上部側板33,33が配設され、両上部側板33,33における前記移送路から上方に延出する対向面には、上下方向に延在する上ガイド34,34が配設され、両ガイド34,34間に、幅方向に延在する上部保持材35が上下(両シール部材13,14の対向方向)に摺動可能に配設されている。そして、この上部保持材35の下側にバネ36,36を介して前記第1シール部材13が、そのシール面を筒状フィルム25の移送路を指向する下向き状態で上下動可能に配設される。バネ36,36は、第1シール部材13と第2シール部材14とが当接した際に、該第1シール部材13の上部保持材35側への退避を許容すると共に、第2シール部材14との間での所定の挟圧力を得るべく機能する。なお、第1シール部材13にはカッタ37が配設され、第2シール部材14との当接時に筒状フィルム25の切断を行なうよう構成される。
【0015】
また、両上部側板33,33における上部保持材35の配設位置より上方に、上部支持部材(支持部材)38が一体的に移動可能に架設されており、この上部支持部材38の下面には、幅方向に所定間隔離間して作動手段としての一対の上部空気圧シリンダ39,39が配設されている。各上部空気圧シリンダ39の下方に延出可能なピストンロッド39aが上部保持材35に夫々連結され、両シリンダ39,39を同期して正逆付勢することで、上部支持部材38の後述する旋回(円)運動とは独立して、前記第1シール部材13を筒状フィルム25の移送路に対して近づいた作動状態と、移送路に対して離れた非作動状態とに移行し得るよう構成してある。そして、前記上下の各空気圧シリンダ39,32の付勢により、上下で対向する一対のシール部材13,14が、共に筒状フィルム25の移送路に対し近づいた作動状態(図4(b,c)参照)で、筒状フィルム25にエンドシールを施すことが可能に設定され、また共に移送路に対し離れた非作動状態(図4(a),図5(a〜c)参照)で、両シール部材13,14に対して筒状フィルム25内の物品24が通過可能に設定してある。
【0016】
前記上部支持部材38と下部支持部材31とは、機枠10に配設した駆動機構40により一定の姿勢を保ったまま互いに反対向きに円運動されて、両シール部材13,14を相互に近接・離間移動させるよう構成してある。駆動機構40は、幅方向に離間する一対の歯車機構41,41を備え、両歯車機構41,41が共通のサーボモータ42により駆動されるよう構成される。なお、各歯車機構41,41の構成は同一であるので、一方の歯車機構41の構成についてのみ説明し、他方の歯車機構41の同一部材には同じ符号を付して示すこととする。
【0017】
前記機枠10の幅方向両側に、上下方向において一体にスライド調節可能な基台43,43が配設され、各基台43のフィルム移送路を指向する側に、各歯車機構41が配設されている。この歯車機構41は、図1に示す如く、3基の同径の歯車44,45,46をフィルム移送路と直交する上下方向に直列の関係で、夫々基台43に対して回動可能に配設して構成される。図2に示す如く、下方に配設される下歯車44には、その回転中心から所要量偏位した位置に下支持軸44aが内方に向けて突設され、該下支持軸44aが前記上部側板33に回動可能に枢支されている。そして、上部側板33から内方に突出する下支持軸44aにローラ44bが枢支され、該ローラ44bが、前記下部側板28に形成した上下に延在する長孔28a内に摺動可能に臨んでいる。また上方に配設される上歯車45には、その回転中心から所要量偏位した位置に上支持軸45aが内方に向けて突設され、該上支持軸45aが前記上部側板33に回動可能に枢支されている。
【0018】
前記上歯車45と下歯車44との間に配設される中歯車46は、上下の歯車45,44と噛合すると共に、その回転中心から所要量偏位した位置に中支持軸46aが内方に向けて突設され、該中支持軸46aに配設したローラ46bが、前記上部側板33に形成した上下に延在する長孔33aに摺動可能に臨んでいる。また上部側板33から内方に突出する中支持軸46aが、下部側板28に回動可能に枢支されている。なお、下支持軸44aと上支持軸45aとは、対応する歯車44,45の回転中心から同一向きに同一量だけ偏位し、これに対して中支持軸46aは、対応する歯車46の回転中心から、水平面を対称面として上下の支持軸44a,45aの偏位向きと対称向きに同一量だけ偏位させ、フィルム移送方向においては上下の支持軸44a,45aと同一位置となるよう設定される。
【0019】
前記中歯車46,46の上流側に臨む両基台43,43間に駆動軸47が回転可能に架設され、該駆動軸47の各中歯車46と対応する位置に夫々配設された歯車47aが中歯車46と噛合している。また一方の基台43に前記サーボモータ42が配設され、該モータ42が駆動軸47に連結してある。従って、サーボモータ42を駆動して駆動軸47を所定方向へ回転させると、歯車47aを介して中歯車46が所定方向に回転すると共に、該中歯車46に噛合する上下の歯車45,44が、該中歯車46と逆方向に回転する。そして、前記各支持軸44a,45a,46aと上下の側板28,33との連結構造により、上部側板33,33間に配設されている上部支持部材38および下部側板28,28間に配設されている下部支持部材31には円運動(近接・離間移動)が付与され、これによって第1シール部材13と第2シール部材14とは、そのシール面を筒状フィルム25の移送路を指向する姿勢を保った状態でフィルム移送方向上流側で相互に近接すると共に下流側で相互に離間する運動を繰返すようになっている。
【0020】
図3に示すように両支持部材31,38が円運動することで、前記一対のシール部材13,14は、その非作動状態において実線で描かれる円弧で示す第1の移動軌跡L1,L1に沿って円運動し、その作動状態において実線で描かれる円弧で示す第2の移動軌跡L2,L2に沿って円運動する。また、一対のシール部材13,14の作動状態での円運動の軌跡である第2の移動軌跡L2,L2が、所定区間において重なるよう設定され、この重合区間において両シール部材13,14が当接した状態で下流側に向けて移動し得るよう構成される。この重合区間では、第1シール部材13はバネ36,36の弾力に抗して上部保持部材側へ退避するので、該第1シール部材13は下側の移動軌跡L2に沿って移動する。そして実施例では、シール部材13,14によるエンドシール前に、前記各空気圧シリンダ32,39の付勢により非作動状態から作動状態に移行させると共に、前記筒状フィルム25にエンドシールを施した後に、各空気圧シリンダ32,39の逆付勢により作動状態から非作動状態に移行させるようになっている(図4,図5参照)。従って、両シール部材13,14の移動軌跡は、図3にて実線で描かれたように、筒状フィルム25を挟む方向(両シール部材13,14の対向する方向)に長いものとなる。なお、シール部材13,14の当接状態でのフィルム移送方向への移動速度は、フィルム移送速度と略同一となるよう設定される。
【0021】
実施例では、前記物品24の高さ寸法「H」と、両シール部材13,14の旋回半径「R」との関係は、H/2>R、すなわちH>D(Dはシール部材13,14の円運動の軌跡の直径=支持部材31,38の円動動の軌跡の直径寸法)となっている。この条件で作動状態にある両シール部材13,14が第2の移動軌跡L2,L2に沿って1旋回すると仮定した場合、図3に示す如く、シール部材13,14がフィルム移送向き(図3の矢印で示す向き)と反対向きに移動する行程が、筒状フィルム25内の物品24の移動軌跡内にある。また非作動状態にある両シール部材13,14が第1の移動軌跡L1,L1に沿って1旋回すると仮定した場合、シール部材13,14がフィルム移送向きと反対向きに移動する行程が、筒状フィルム25内の物品24の移動軌跡外にあって、シール部材13,14がフィルム移送向きに移動する行程のみが筒状フィルム25内の物品24の移動軌跡内にある。そこで実施例では、前述したようにシール部材13,14によるエンドシール前に、図4(a),(b)に示すように、該シール部材13,14を非作動状態から作動状態に移行させ、前述した重合区間において両シール部材13,14を当接させることで筒状フィルム25にエンドシールを施すようにし、図4(c),図5(a)に示すように、シール部材13,14がフィルムをエンドシールした後、作動状態から非作動状態へ移行させるようにしてある。これにより、非作動状態で円運動を続ける際のシール部材13,14は、筒状フィルム25内の物品24の移動軌跡内においてフィルム移送向きへ移動することとなるので、後続の物品24がシール部材13,14に衝突するのは防止される。なお、非作動状態にある両シール部材13,14が1旋回すると仮定した際に、該シール部材13,14がフィルム移送向きに移動する行程を、筒状フィルム25内の物品24の移動軌跡外にあるよう設定してもよいが、この場合には前記各空気圧シリンダ32,39のストローク(作動状態と非作動状態とに移行するシフト量)を変更する必要がある。
【0022】
前記機枠10および基台43,43には、例えばアジャストボルトとナット等からなる高さ調節手段(図示せず)が配設され、該調節手段により基台43,43を機枠10に対して上下にスライド移動することで、前記移送コンベヤ11,12で移送される物品24の高さに応じて、両基台43,43間に配設されている両シール部材13,14の当接高さを調節し得るようになっている。
【0023】
前記各基台43にガセット作動機構48が、前記シール部材13,14のフィルム移送方向への移動に伴って一体的に移動可能に夫々配設され、フィルム移送路を挟んで幅方向に対向する折込み部材49,49が、対応するガセット作動機構48,48によりフィルム移送路から退避する退避位置とフィルム移送中心に近接する折込み位置との間を水平移動されるよう構成される。なお折込み部材49,49は、上下方向において両シール部材13,14の当接位置と対応するよう設定されると共に、フィルム移送方向において、両シール部材13,14を挟んだ前後に配設される。そして、フィルム移送路を挟んで幅方向に対向する折込み部材49,49は、ガセット作動機構48,48により前記シール部材13,14の上下動に同期して相互に近接離間移動され、その近接時(折込み位置への移動時)に前記筒状フィルム25の幅方向両側を内側に折込んでガセット折込部を形成するよう構成される。また、折込み部材49,49が折込み位置へ移動するタイミングは、両シール部材13,14が筒状フィルム25を押しつぶす前に設定されると共に、両シール部材13,14が当接した後のタイミングで折込み部材49,49が退避位置に復帰するよう設定される。
【0024】
【実施例の作用】
次に、実施例に係るエンドシール装置の作用につき説明する。前記第1移送コンベヤ11の第1移動フレーム17および第2移送コンベヤ12の第2移動フレーム21のエンドシール装置15を指向する夫々の先端が相互に近接すると共に、該エンドシール装置15では、前記上部支持部材38と下部支持部材31とが相互に離間した状態で待機している。また、第1シール部材13と第2シール部材14とは非作動状態に保持されて、両シール部材13,14の間を筒状フィルム25が通過するのを許容する状態となっているものとする。
【0025】
前記第1移送コンベヤ11に移送された物品24が充填された筒状フィルム25は、フィルム移送速度と略同速で走行する第1無端ベルト18により下流側に移送される。エンドシール装置15は、サーボモータ42により駆動機構40が所要のタイミングで駆動され、前記上下の支持部材38,31が円(旋回)運動されることで、前記第1シール部材13と第2シール部材14とは、前記第1の移動軌跡L1,L1に沿って上流側へ移動しつつ相互に近接する。すなわち、サーボモータ42によって所定方向へ回転する歯車47aにより、駆動機構40における中歯車46が回転すると共に、該中歯車46に噛合する上下の歯車45,44は該中歯車46と逆方向へ回転する。従って一対の上部側板33,33に架設されている上部支持部材38は、上流側下方へ円運動し、これと一体的に第1シール部材13も上流側下方へ姿勢を保ったまま円運動する。また一対の下部側板28,28に架設されている下部支持部材31は、上流側上方へ円運動し、これと一体的に第2シール部材14も上流側上方へ姿勢を保ったまま円運動する(図4(a)参照)。
【0026】
そして、前記両シール部材13,14がフィルム移送方向における概ね上流側移動端に至った際(エンドシール前であって両シール部材13,14が筒状フィルム25に接触しない状態)、前記各空気圧シリンダ32,39がピストンロッド32a,39aを延出する方向に同期して付勢され、両シール部材13,14が非作動状態から作動状態に移行される。これにより、図4(b)に示す如く、前記筒状フィルム25内における前後の物品24,24の間において、該フィルム25が上下から押しつぶされる。両シール部材13,14は前記第2の移動軌跡L2,L2に沿って姿勢を保ったまま円運動を行ない、これによって図4(c)に示す如く、両シール部材13,14が筒状フィルム25を挟んで当接するに至る。このとき、前記第2シール部材14の移動に連動して、前記第1および第2移送コンベヤ11,12の各移動フレーム17,21の先端が相互に離間移動し、第2シール部材14の上方への延出を許容する隙間を画成する。また両シール部材13,14が筒状フィルム25を押しつぶす前のタイミングにおいて、前記折込み部材49,49が相互に近接して筒状フィルム25の幅方向両側を内側に折込むことで、ガセット折込み部が形成される。
【0027】
前記両シール部材13,14は、前記第2の移動軌跡L2,L2の重合区間を移動する間は当接した状態で筒状フィルム25の移送に伴って略同一速度で下流側に移動し、これにより該フィルム25に確実なエンドシールが施される。なお、前記重合区間において第1シール部材13はバネ36,36の弾力に抗して上部保持材35側に退避すると共に、該バネ36,36の弾力によって第2シール部材14に圧接された状態で下側の移動軌跡L2に沿って移動する。また、両シール部材13,14が当接している状態で前記カッタ37が作動して筒状フィルム25が切断される。
【0028】
前記両シール部材13,14が当接状態にあって前記エンドシール後のタイミングで、前記各空気圧シリンダ32,39が逆方向に付勢され、図5(a)に示す如く、両シール部材13,14が非作動状態に移行する。これにより、両シール部材13,14は筒状フィルム25から離間して該フィルム25を解放する。両シール部材13,14が非作動状態となった以後は、図5(b),(c)に示す如く、該シール部材13,14は前記第1の移動軌跡L1,L1に沿って姿勢を保ったまま円動運を行ない、前述した状態に戻る。この場合に、筒状フィルム25内の物品24の移動軌跡内における第1の移動軌跡L1,L1上の両シール部材13,14は、フィルム移送向きに移動する行程となるので、後続の物品24と共に下流側へ移動することとなり、後続の物品24がシール部材13,14に衝突することはない。また、一対のシール部材13,14を作動状態と非作動状態とに移行させることで、該シール部材13,14における円運動の軌跡の直径を小さくしたもとで、高さ寸法の高い物品24においても包装長(図5(c)に示す包装後の包装体におけるフィルム移送方向に沿う両エンドシール部間の長さ)を短かくすることができる。また、シール部材13,14のフィルム移送方向に沿う移動ストロークも短かくなるから、振動や騒音等を低減させ得ると共に装置のコンパクト化も図り得る。なお、両シール部材13,14が非作動状態に移行するタイミングは、実施例のタイミングに限定されず、前述のように非作動状態となった両シール部材13,14に後続の物品24が衝突しなければ、作動状態にある両シール部材13,14が当接状態後の離間状態にあるタイミングでもよい。
【0029】
前記両シール部材13,14が作動状態から非作動状態に移行する際に、エンドシール・切断がなされることで得られた包装体は、高速で運転されている第2移送コンベヤ12によりエンドシール装置15の配設位置から速やかに下流側に移送される。また第2シール部材14の下降に連動して、各移動フレーム17,21が相互に近接するので、次の物品24の第1移送コンベヤ11から第2移送コンベヤ12への受渡しは円滑になされる。
【0030】
また、オーダ変更等によって物品24の高さ寸法が変わった場合は、前記基台43,43を上下方向にスライド調節することにより、両シール部材13,14の当接位置を、物品24の高さ方向の中間位置にすることができる。これにより、物品24に対するフィルムのエンドシール位置を常に高さ方向の中間とすることが可能となる。
【0031】
【変更例】
前記シール部材は、円に限らず、D字状等の移動軌跡を描いて姿勢を保ったまま旋回するものであってもよく、シール部材がフィルム移送向きと反対向きに移動する工程が、物品の移動軌跡内にある旋回運動に特に有効である。また作動手段としては、空気圧シリンダに限定されるものでなく、ロータリーアクチュエータと各種作動機構との組合わせ等を採用可能である。なお実施例では、筒状フィルムの移送路を挟む上下に対向するよう一対のシール部材を配設した場合で説明したが、該移送路を挟む幅方向に対向するよう一対のシール部材を配設し、両シール部材を水平方向に旋回(円運動)させるようにしてもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上に説明した如く、本発明に係る横型製袋充填機のエンドシール装置によれば、支持部材に対してシール部材を、筒状フィルムの移送路に対して近づき、支持部材の旋回運動によりエンドシールを施すことが可能な作動状態と、該移送路に対して離れた非作動状態とに移行可能に構成し、シール部材がフィルム移送向きと反対向きに移動する工程に至るまでに両シール部材を作動状態から非作動状態に移行するようにしたことにより、高さ寸法の大きな物品であっても、後続する物品の衝突を回避したもとで、包装長を短かくすることができる。また、シール部材のフィルム移送方向に沿う移動ストロークは小さくて済み、振動、騒音が少なくなると共に、装置をコンパクトにし得る。
【0033】
更に、支持部材、すなわちシール部材を円運動させることで、円滑な動作が得られる。なお、作動手段として空気圧シリンダを用いることで、シール部材を確実かつ簡単に作動することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るエンドシール装置を一部断面で示す概略正面図である。
【図2】実施例に係るエンドシール装置を一部断面で示す概略側面図である。
【図3】実施例に係るシール部材の移動軌跡を示す説明図である。
【図4】実施例に係るエンドシール装置のシール部材で筒状フィルムにエンドシール・切断を施すまでの工程を示す説明図である。
【図5】実施例に係るエンドシール装置のシール部材で筒状フィルムにエンドシール・切断を施した後の工程を示す説明図である。
【符号の説明】
13 第1シール部材(シール部材)
14 第2シール部材(シール部材)
24 物品
25 筒状フィルム
31 下部支持部材(支持部材)
32 下部空気圧シリンダ(作動手段)
38 上部支持部材(支持部材)
39 上部空気圧シリンダ(作動手段)
Claims (3)
- 物品(24)が充填された筒状フィルム(25)の移送路を挟んで対向して配設され、該筒状フィルム(25)の移送と共にその移送向きへ移動しつつ対向的に近接・離間移動する一対のシール部材(13,14)により、筒状フィルム(25)内の前記物品(24)を挟む前後にエンドシールを施す横型製袋充填機のエンドシール装置において、
前記筒状フィルム(25)の移送路を挟む位置で姿勢を保ったまま互いに反対向きに旋回する一対の支持部材(38,31)の夫々に、前記シール部材(13,14)を進退移動可能な作動手段 (32,39) を配設し、
前記一対のシール部材(13,14)は、前記作動手段(32,39)により、共に前記筒状フィルム(25)の移送路に対して近づいて前記支持部材 (38,31) の旋回運動により筒状フィルム (25) にエンドシールを施し得る作動状態と、共に前記移送路に対して離れた非作動状態とに移行可能とされ、
前記作動手段(32,39)は、前記支持部材 (38,31) の旋回に伴い前記一対のシール部材(13,14)が上流側移動端に至って筒状フィルム (25) に接触していない状態で両シール部材(13,14)を非作動状態から作動状態に移行し、両シール部材 (13,14) で筒状フィルム (25) を挟持することでエンドシールを施して該シール部材 (13,14) がフィルム移送向きと反対向きに移動する工程に至るまでに両シール部材(13,14)を非作動状態に移行してエンドシール後のシール部材 (13,14) と後続の物品 (24) との衝突を回避するよう設定されている
ことを特徴とする横型製袋充填機のエンドシール装置。 - 前記各支持部材(31,38)は円運動を行なうよう設定されると共に、その円運動の軌跡の直径寸法は、前記物品(24)の高さ寸法より小さく設定され、前記一対のシール部材(13,14)の非作動状態において、各シール部材(13,14)が筒状フィルム(25)内の物品(24)の移動軌跡外で筒状フィルム(25)の移送向きと反対向きに移動するよう構成される請求項1記載の横型製袋充填機のエンドシール装置。
- 前記作動手段は空気圧シリンダ(32,39)である請求項1または2記載の横型製袋充填機のエンドシール装置。
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