JP3780027B2 - 化学増幅型感放射線性組成物 - Google Patents

化学増幅型感放射線性組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は一般に放射線に感応する感放射線性組成物に関するものであり、詳しくは半導体集積回路を作成するレジストとして好適な感放射性塗布組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路の高集積度化は、一般に言われるように3年間に4倍のスピードで進行し、例えばダイナミック・ランダム・アクセス・メモリー(DRAM)を例にとれば、現在では、4Mビットの記憶容量を持つものの本格生産が開始されている。それにともない集積回路の生産に不可欠のフォトリソグラフィー技術に対する要求も年々きびしくなってきている。例えば、4MビットDRAMの生産には、0.8μm レベルのリソグラフィー技術が必要とされ、更に高集積度化の進んだ16MDRAMにおいては、0.5μm レベル、64MDRAMでは0.35μm レベルのリソグラフィー技術が必要とされると予想されている。これにともない、それぞれのリソグラフィーレベルに対応できるレジストの開発が切望されている。このような流れの中で超微細加工に適したレジストとして、化学増幅型レジストが注目されている。化学増幅型レジストとは、紫外線、遠紫外線、X線、例えば電子線のような放射線の照射により発生した酸の触媒作用により放射線照射部の現像液に対する溶解性を制御するレジストである。
【0003】
更に超微細化が進んでいる今日ではレジストの露光に用いられる波長も、水銀灯のi線(365nm)からKrFエキシマレーザ光(248nm)へと短波長化が進んでいる。例えばポジ型フォトレジストにおいては従来はナフトキノンジアジドを感光剤とするレジストであったが、このポジ型レジストはKrFエキシマレーザ光などの遠紫外領域の光に対しては透過率が非常に低く、低感度かつ低解像力となってしまう。このような問題を解決する新しいポジ型レジストとして、酸発生剤と酸触媒反応によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大するような化合物とからなる化学増幅型ポジ型フォトレジストが種々提案されている。このような化学増幅型ポジ型フォトレジストにおいて、高解像力を得るためには、酸触媒反応によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大するような化合物の構造が非常に重要である。また、化学増幅型ポジ型フォトレジストにおける特有の問題として、露光と露光後ベーク(ポスト・エクスポージャー・ベーク)との間の引置き時間に対する安定性の問題がある。すなわち、露光とポスト・エクスポージャー・ベークとの間の時間が長いと、発生した酸の拡散に由来するパターン寸法の変動がしばしば起こる。
【0004】
一方、従来感放射線性塗布組成物に使用されていた溶媒であるエチルセロソルブアセテートは近年安全性の問題が指摘されており、これにかわる溶媒が求められている。即ち、エチルセロソルブアセテートは生体内にてエトキシ酢酸が生成し、このアルコキシ酢酸が毒性を示すとされている(化学経済、1988年8月号72頁、及び、European Chemical Industry Ecology and Toxicology Center Technical Report No. 4 July 30, 1982、及び同No. 17April 19, 1985)。
エチルセロソルブアセテートに代わる溶媒として、例えば、特開昭61−6648号公報には、プロピレングリコールメチルエーテル等のプロピレングリコールアルキルエーテル類が、特開昭61−7837号公報には、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類が、特開昭62−123444号公報には、メトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチルに同じ)、2−オキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸エチル等のモノオキシモノカルボン酸エステル類が溶媒として提案されている。しかしながら、これらは極性が低いため、化学増幅型レジストの成分の中で、特に酸発生剤の溶解性が充分でなく、保存中に安定で均一なレジスト液を得ることは困難である。これらの要求を満たすために、高性能の感放射性塗布組成物の開発が鋭意行われているが、使用するプロセス側から要求されている本質的な高解像等の性能に加え感度、塗布膜の均一性、あるいは化学増幅型レジストにおける露光とポスト・エクスポージャー・ベークとの間の引置き時に起きるパターン寸法変動の抑制等を満たすことは難しいことであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決し、放射線を用いたハーフミクロンリソグラフィーに対応できる高解像度を有する感放射線性塗布組成物を提供することである。本発明の他の目的は化学増幅型レジストにおいて側壁荒れのない良好なパターン形状を与え、しかも露光と露光後ベークとの間の引置き時間に対する安定性が良好な感放射線性塗布組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、化学増幅型感放射線性組成物の溶媒として特定の化合物を含有する溶媒を用いることにより本発明の上記目的が達成されることを見い出した。
即ち、本発明の要旨は、塗膜形成性樹脂、放射線により酸を発生する化合物、及び溶媒として下記式(A)で表わされる化合物を含有することを特徴とする化学増幅型感放射線性組成物に存する。
【0007】
【化3】
Figure 0003780027
【0008】
(R1、R2、R3はハロゲン原子で置換されていても良いC1〜C3のアルキル基を表わし、相互に同じでも異なっていても良い。)
溶媒は露光前のベーク後もレジスト膜中に残留しており、この溶媒の性質がレジストの性能に大きく関わっていると考えられる。特に、本発明の特定溶媒を含む化学増幅型レジストにおいては解像度の向上だけでなく、側壁荒れのない良好なパターン形状を与え、更には露光と露光後ベークとの間の引置き時間に対する安定性が改善される。
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の感放射線性組成物は、主成分として塗膜形成性樹脂、放射線により酸を発生する化合物(以下、酸発生剤と略する)を上記式(A)で表わされる化合物を含む溶媒に溶解してなる組成物である。
本発明に用いられる塗膜形成性樹脂は一般的にはアルカリ可溶性樹脂または、そのアルカリ可溶性を付与する基の少なくとも一部が酸触媒により脱離可能な基(以下、保護基と略す)で保護された樹脂である。アルカリ可溶性樹脂は特に限定されないが、好ましくはノボラック樹脂、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリヒドロキシスチレン、またはこれらの誘導体などが用いられる。このうち特に好ましくはノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレンもしくはこれらの誘導体の如きポリビニルフェノール類である。ポリビニルフェノール類としては、例えばヒドロキシスチレン単独での重合またはヒドロキシスチレンと各種のビニルモノマーとを共重合して得られる樹脂である。ヒドロキシスチレンと共重合するビニルモノマーとしては、アクリル酸、ビニルアルコールまたは、これらの誘導体などが用いられる。
【0010】
ノボラック樹脂としては、フェノール、o −クレゾ−ル、m −クレゾール、p −クレゾール、3−エチルフェノール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、フェニルフェノール等のアルキル基又はアリール基で置換されていてもよいフェノール類;2−メトキシフェノール、4−メトキシフェノール、4−フェノキシフェノール等のアルコキシ又はアリ−ルオキシフェノール類;α−ナフトール、β−ナフトール、3−メチル−α−ナフトール等のアルキル基で置換されてもよいナフトール類;1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシ−2−メチルベンゼン、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、1,2,3−トリヒドロキシ−5−メチルベンゼン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン等のアルキル基で置換されてもよいポリヒドロキシベンゼン類等のヒドロキシ芳香族化合物とホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等の脂肪族アルデヒド類、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド等の芳香族アルデヒド類、アセトン等のアルキルケトン類等のカルボニル化合物とを、例えば塩酸、硫酸、しゅう酸等の酸触媒の存在下、加熱し、重縮合させることにより製造されたものが挙げられる。
【0011】
尚、上記ヒドロキシ芳香族化合物は本発明に悪影響を与えないかぎりハロゲン原子、ニトロ基、エステル基等の置換基を有していても良い。又、これらの樹脂は必要に応じ、更に、水素等により還元し、短波長領域の吸光度を低くしたものを用いても良い。
ポリビニルフェノール類としては、具体的には、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、2−(o−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(m−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(p−ヒドロキシフェニル)プロピレンなどのヒドロキシスチレン類の単独または2種以上、場合により上記ビニルモノマーをラジカル重合開始剤、アニオン重合開始剤またはカチオン重合開始剤の存在下で重合した樹脂が用いられる。また、重合後樹脂の吸光度を下げるために水素添加を行なったものを用いてもよく、又、芳香族化合物モノマー中に本発明に悪影響を与えない限りハロゲン原子、ニトロ基、エステル基等の置換基を有しても良い。ポリビニルフェノール類の重量平均分子量はポリスチレン換算値(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ測定)で、1,000以上100,000以下、好ましくは7,000以上60,000以下、さらに好ましくは9,000以上60,000以下のものが用いられる。
ポリビニルフェノールの分子量が、この範囲よりも小さいとレジストとしての十分な塗膜が得られず、耐熱性が劣る傾向があり、この範囲よりも大きいと露光部分のアルカリ現像液に対する溶解性が小さくなり、良好なレジストのパターンが得られない傾向がある。
【0012】
保護基としては、酸により脱離可能な基なら特に限定されるものではないが、好ましくは下記式(III)または(IV)で表わされる構造を有する保護基が望ましく、特にt −ブチルオキシカルボニル基、テトラヒドロピラニル基、エトキシエチル基が好ましい。
【0013】
【化4】
Figure 0003780027
【0014】
(ただし、R7、R8は水素原子、C1〜C10 のアルキル基を表わし、R9、R13 はC1〜C10 以下のアルキル基を表わす。また、R7とR8あるいはR7とR9とが互いに結合して、C3〜C10 の環を形成していてもよい。)
【0015】
尚、アルカリ可溶性を付与する基としては、芳香族性又は脂肪族性水酸基、カルボキシル基等が挙げられるが、好ましくは、フェノール性水酸基であり、少なくとも一部が保護されるとは、保護されることによりアルカリ可溶性樹脂のアルカリ可溶性が阻害される量であり、特に限定されないが、好ましくは、アルカリ可溶性を付与する基の10モル%以上、好ましくは20〜60モル%である。
【0016】
本発明に用いられる酸発生剤としては、露光に用いられる光または電子線によって酸を発生するものであれば、特に制限なく用いることができるが、具体的には、たとえば、トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、トリス(ジブロモメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリブロモメチル)−6−p−メトキシフェニル−s−トリアジンなどのハロゲン含有s−トリアジン誘導体、1,2,3,4−テトラブロモブタン、1,1,2,2−テトラブロモエタン、四臭化炭素、ヨードホルムなどのハロゲン置換パラフィン系炭化水素、ヘキサブロモシクロヘキサン、ヘキサクロロシクロヘキサン、ヘキサブロモシクロドデカンなどのハロゲン置換シクロパラフィン系炭化水素、ビス(トリクロロメチル)ベンゼン、ビス(トリブロモメチル)ベンゼンなどのハロゲン含有ベンゼン誘導体、トリブロモメチルフェニルスルホン、トリクロロメチルフェニルスルホン、2,3−ジブロモスルホランなどのハロゲン含有スルホン化合物、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートなどのハロゲン含有イソシアヌレート誘導体、トリフェニルスルホニウムクロライド、トリフェニルスルホニウムメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネートなどのスルホニウム塩、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネートなどのヨードニウム塩、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸ブチル、p−トルエンスルホン酸フェニル、1,2,3−トリ(p−トルエンスルホニル)ベンゼン、p−トルエンスルホン酸ベンゾインエステル、メタンスルホン酸メチル、メタンスルホン酸エチル、メタンスルホン酸ブチル、1,2,3−トリ(メタンスルホニル)ベンゼン、メタンスルホン酸フェニル、メタンスルホン酸ベンゾインエステル、トリフルオロメタンスルホン酸メチル、トリフルオロメタンスルホン酸エチル、トリフルオロメタンスルホン酸ブチル、1,2,3−トリ(トリフルオロメタンスルホニル)ベンゼン、トリフルオロメタンスルホン酸フェニル、トリフルオロメタンスルホン酸ベンゾインエステル、などのスルホン酸エステル類、ジフェニルジスルホンなどのジスルホン類、ジ(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ジ(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタンなどのスルホンジアジド類、o−ニトロベンジル−p−トルエンスルホネートなどのo−ニトロベンジルエステル類、N,N′−ジ(フェニルスルホニル)ヒドラジドなどのスルホンヒドラジド類などが好適に使用される。また、オルトキノンジアジド基を含む酸発生剤としては、通常、1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホン酸、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸等のエステルもしくはアミド等のオルトキノンジアジド系化合物が用いられる。これら酸発生剤のうちで特に好ましくは、発生する酸がスルホン酸、スルフェン酸、スルフィン酸のいずれかである化合物である。具体的には、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネートなどのオニウムのスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸フェニル、1,2,3−トリ(p−トルエンスルホニル)ベンゼンなどのスルホン酸エステル類、ジフェニルジスルホンなどのジスルホン類、ジ(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ジ(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタンなどのスルホンジアジド類、o−ニトロベンジル−p−トルエンスルホネ−トなどのo−ニトロベンジルエステル類などが好適に用いられる。
【0017】
本発明における感放射線性組成物は、基本的には主成分としての塗膜形成性樹脂、及び放射線により酸を発生する化合物を上記式(A)で表わされる溶媒に溶解してなる組成物であるが、より具体的には、次の様な構成の組成物が例示される。
組成例1:アルカリ可溶性樹脂のアルカリ可溶性を付与する基の少なくとも一部が酸触媒により脱離可能な基で保護された樹脂、酸発生剤を上記式(A)で表わされる溶媒に溶解させたポジ型の化学増幅型感放射線性組成物
【0018】
組成例2:アルカリ可溶性樹脂のアルカリ可溶性を付与する基の少なくとも一部が酸触媒により脱離可能な基で保護された樹脂、酸発生剤、溶解抑制剤を上記式(A)で表わされる溶媒に溶解させたポジ型の化学増幅型感放射線性組成物
組成例3:アルカリ可溶性樹脂、酸発生剤、溶解抑制剤を上記式(A)で表わされる溶媒に溶解させたポジ型の化学増幅型感放射線性組成物
【0019】
組成例4:アルカリ可溶性樹脂、酸発生剤、架橋剤を上記式(A)で表わされる溶媒に溶解させたネガ型の化学増幅型感放射線性組成物
上記組成例2、組成例3で言う溶解抑制剤とは、アルカリ現像液に対するアルカリ可溶性樹脂の未露光部の溶解性を制御する化合物で酸触媒作用により脱離する基を有するものであれば、低分子化合物でも高分子の樹脂でも良い。好ましくはフェノール性水酸基やカルボキシル基等の酸性官能基の水素原子を酸触媒作用により脱離する基で保護した化合物である。低分子化合物の例としてはビスフェノール誘導体、トリスフェノール誘導体等のフェノール性化合物に代表されるような下記構造式(V)あるいは(VI)で表わされる化合物が挙げられる。
【0020】
【化5】
Figure 0003780027
【0021】
(式中、R14 、R15 、R16 、R17 およびR18 は、各々独立にハロゲン原子、アルキル型、アルコキシ基またはアラルキル基であり、a、b及びcは独立に0〜4の範囲の整数である。また、R16 及びR17 はこれらを含むアルキレン環を形成していてもよい。R19 〜R23 は水素原子、アルキル基であり、dは独立に0〜3の範囲の整数である。
【0022】
【化6】
Figure 0003780027
【0023】
また、酸触媒作用により脱離する基の構造は基本的に前述の保護基(III)または(IV)で表わされるが、特にt −ブチルオキシカルボニル基、テトラヒドロピラル基、エトキシエチル基等が好ましい。更に、本発明に用いられる溶解抑制剤は単独もしくは2種以上混合して使用することもできる。
尚、上記組成例におけるアルカリ可溶性樹脂およびアルカリ可溶性樹脂のアルカリ可溶性を付与する基の少なくとも一部が酸触媒により脱離可能な基で保護された樹脂は単独もしくは2種以上を混合して使用できる。上記組成例1〜4に於けるアルカリ可溶性樹脂としては、前記の中でもポリビニルフェノール類が好ましく、特にポリビニルフェノールが好ましい。組成例1および組成例2における酸触媒により脱離可能な基で保護された樹脂としてはポリビニルフェノール類の水酸基が前記の如き、保護基で保護されたものが好ましく、特に前記構造単位(I)を含む樹脂A又は前記構造単位(II)を含む樹脂Bが好ましく、特に両者を混合して用いるのが好ましい。
【0024】
前記構造単位(I)及び(II)に於て、R4〜R6及びR10 〜R12 は好ましくは水素原子であり、又、構造単位(I)中、前記保護基(III)に相当する部分がテトラヒドロピラニル基又はエトキシエチル基であり、構造単位(II)中、前記保護基(IV)に相当する部分がt−ブチルオキシカルボニルオキシ基であるのが好ましい。
一方、組成例4で言う架橋剤とは酸触媒作用によりアルカリ可溶性樹脂と反応して該樹脂を架橋するように作用する化合物であり、具体的には、例えば、ヘキサメトキシメチルメラミン、メチロールウレア等、ネガ型の化学増幅型感放射線性組成物の架橋剤として公知のものが挙げられる。
【0025】
本発明の感放射性塗布組成物には本発明の効果を損なわない程度に添加剤を加えることができる。添加剤の例としては界面活性剤、増感剤、含窒素化合物等が挙げられる。
本発明における感放射線性組成物は、溶媒として前記の(A)で表わされる化合物を含有することを特徴とする発明である。前記式(A)で示される化合物の具体例としては、α−ヒドロキシイソ酪酸メチルエステル、α−ヒドロキシイソ酪酸エチルエステル、α−ヒドロキシイソ酪酸ブチルエステル、α−ヒドロキシ−α−トリクロロメチルプロピオン酸メチルエステル、α−ヒドロキシ−α−トリクロロメチルプロピオン酸エチルエステル、α−ヒドロキシ−α−トリクロロメチルプロピオン酸ブチルエステル、α−ヒドロキシ−α−メチル−酪酸メチルエステル、α−ヒドロキシ−α−メチル−酪酸エチルエステル、α−ヒドロキシ−α−メチル−酪酸ブチルエステル、α−ヒドロキシ−α−エチル−酪酸メチルエステル、α−ヒドロキシ−α−エチル−酪酸エチルエステル、α−ヒドロキシ−α−エチル−酪酸ブチルエステル、α−ヒドロキシ−α−メチルイソ吉草酸メチルエステル、α−ヒドロキシ−α−メチルイソ吉草酸エチルエステル、α−ヒドロキシ−α−メチルイソ吉草酸ブチルエステル等が挙げられ、中でも、R1〜R3がC1〜C3のアルキル基であるのが好ましく、特に、メチル基であるのが好ましい。
【0026】
尚、本発明では発明の効果を妨げない範囲であれば他の溶媒を1種又は2種以上混合しても差し支えない。
適当な混合溶媒としては2−ヘキサノン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのセロソルブ系溶媒、ジエチルオキサレート、ピルビン酸エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレ−ト、エチルアセトアセテート、酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチルなどのエステル系溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテルなどのプロピレングリコール系溶媒、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン系溶媒、あるいはこれらの混合溶媒、あるいはさらに芳香族炭化水素を添加したものなどが挙げられる。
【0027】
本発明の感放射線性塗布組成物を用いて半導体基板上にレジストパターンを形成する場合には、通常、上記のような溶媒に溶解した本発明の感放射線性塗布組成物を半導体基板上に塗布し、プリベーク、露光によるパタ−ンの転写、露光後ベーク、現像の各工程を経てフォトレジストとして使用することができる。半導体基板は、通常半導体製造用基板として使用されているものであり、シリコン基板、ガリウムヒ素基板などである。
【0028】
塗布には通常スピンコーターが使用され、露光には、高圧水銀灯の436nm、365nmの光、低圧水銀灯の254nm、エキシマレーザーなどを光源とする157nm、193nm、222nm、248nmの光または電子線などが好適に用いられる。露光の際の光は、単色光でなくブロードであってもよい。また、位相シフト法による露光も適用可能である。
【0029】
本発明の感放射線性塗布組成物の現像液には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水などの無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミンなどの第1級アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミンなどの第2級アミン類、トリエチルアミン,N,N−ジエチルメチルアミンなどの第3級アミン類、テトラメチルアンモニウムハイドロオキシド、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムハイドロオキシドなどの第4級アンモニウム塩、もしくはこれにアルコ−ル、界面活性剤などを添加したものを使用することができる。
本発明の感放射線性塗布組成物は超LSIの製造のみならず一般のIC製造用、マスク製造用、画像形成用、液晶画面製造用、カラーフィルター製造用あるいはオフセット印刷用としても有用である。
【0030】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はその要旨を越えない限り実施例により何等制約は受けない。
合成例1(テトラヒドロピラニル化ポリビニルフェノールの合成)
1リットルの三角フラスコにポリビニルフェノール(重量平均分子量5200)24gと酢酸エチル320mlとを加え、均一に溶解させたあと、3,4−ジヒドロ−2H −ピラン16.8gを加え、更に35%塩酸0.3gを加え、4時間攪拌を続けた。反応後、この反応溶液を140mlの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、その後3回この有機層を水洗した。さらに、この有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ロータリエバポレーターで約200mlに濃縮した。この濃縮液を1. 5リットルのn−ヘキサンに投入して、ポリマーを回収した。析出したポリマーを真空乾燥して、30.7gのテトラヒドロピラニル化ポリビニルフェノールを得た。得られたポリマ−を重水素化アセトンに溶解し、プロトンNMRスペクトルを測定し、芳香族水素のシグナルδ値6.2〜7.0とアセタールメチン水素のシグナルδ値5.2〜5.5との面積比よりアセタール化率をもとめると28.2%となった。
【0031】
合成例2(1−エトキシエチル化ポリビニルフェノールの合成1)
窒素導入管、攪拌機、温度計を備えた1リットルの四つ口フラスコにポリビニルフェノール(重量平均分子量41400)30gと酢酸エチル300mlとを加え、均一に溶解させたあと、エチルビニルエーテル15.4gを加え、ウオーターバスで40℃に加熱した。これに、35%塩酸0.3gを加え、4時間攪拌を続けた。反応後、この反応溶液を400mlの1%炭酸水素ナトリウム水溶液で抽出した。この有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ロータリエバポレーターで約100mlに濃縮した。この濃縮液を1リットルのn−ヘキサンに投入して、ポリマーを回収した。析出したポリマ−を真空乾燥して、32.5gの1−エトキシエチル化ポリビニルフェノールを得た。得られたポリマーを重水素化アセトンに溶解し、プロトンNMRスペクトルを測定し、芳香族水素のシグナルδ値6.2〜7.0とアセタールメチン水素のシグナルδ値5.2〜5.5との面積比よりアセタール化率をもとめると26.0%となった。
【0032】
合成例3(1−エトキシエチル化ポリビニルフェノールの合成2)
合成例3と同様にして、ポリビニルフェノール(重量平均分子量41400)30g、エチルビニルエーテル14.4g、反応溶媒として酢酸エチル300mリットルとから、39.8gの1−エトキシエチル化ポリビニルフェノールを得た。
【0033】
得られたポリマーのプロトンNMRスペクトルを測定し、アセタール化率をもとめると29.1%となった。
合成例4(1−エトキシエチル化ポリビニルフェノールの合成3)
合成例3と同様にして、ポリビニルフェノール(重量平均分子量41400)30g、エチルビニルエーテル15.3g、反応溶媒として酢酸エチル300mlとから、36.4gの1−エトキシエチル化ポリビニルフェノールを得た。
得られたポリマーのプロトンNMRスペクトルを測定し、アセタール化率をもとめると40.4%となった。
【0034】
合成例5(tert−ブトキシカルボニルオキシ化ポリビニルフェノールの合成1)
窒素導入管、攪拌機、温度計を備えた1リットルの四つ口フラスコにポリビニルフェノール(重量平均分子量8660)18.0gとアセトン150mlとを加え、均一に溶解させたあと、触媒としてN,N−ジメチルアミノピリジン0.01gを加えて、ウオーターバスで40℃に加熱した。これに、ジ−tert−ブチル−ジ−カ−ボネ−ト8.84gをゆっくり加え、4時間攪拌を続けた。反応後、この反応溶液を1.5リットルのイオン交換水に投入して、ポリマーを回収した。このポリマーをアセトン100mlに溶解させ、1.5リットルのイオン交換水に再沈させて、ポリマーを回収した。このポリマーをアセトン100mlに再び溶解させ、1.5リットルのイオン交換水に再沈させて、ポリマーを回収したあと、真空乾燥して、21.81gのtert−ブトキシカルボニルオキシ化ポリビニルフェノールを得た。得られたポリマーを示差熱重量分析により、重量減少率を求め、保護率を計算したところ、保護率は27%であった。(測定条件:温度範囲30〜280℃、昇温速度10℃/分、窒素流量100ml/分)
【0035】
合成例6(tert−ブトキシカルボニルオキシ化ポリビニルフェノールの合成2)
合成例5と同様にして、ポリビニルフェノール(重量平均分子量13400)18.0g、ジ−tert−ブチル−ジ−カーボネート8.84g、反応溶媒としてアセトン150ml、触媒としてN,N−ジメチルアミノピリジン0.01gとから21.92gのtert−ブトキシカルボニルオキシ化ポリビニルフェノールを得た。得られたポリマーを示差熱重量分析により、重量減少率を求め、保護率を計算したところ、保護率は27%であった。(測定条件:温度範囲30〜280℃、昇温速度10℃/分、窒素流量100ml/分)
合成例7(テトラヒドロピラニル化トリスフェノールの合成)
【0036】
1リットルの三角フラスコにトリスフェノール 19.5g 、3,4−ジヒドロ−2H −ピラン37.8g、酢酸エチル220g を加え、更に35%塩酸0.3gを加え、室温にて1日攪拌を続けた。反応後、この反応溶液を140mlの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、その後3回この有機層を水洗した。さらに、この有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮しテトラヒドロピラニル化トリスフェノールを得た。
【0037】
比較例1
合成例1で合成した樹脂1.0g、合成例7で合成した溶解抑制剤0.43g、酸発生剤として、トリフェニルスルホニウムトリフレート0.07g、およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート5.4gを混合し、レジスト感光液とした。この感光液をシリコン基板上にスピンコートし、ホットプレート上で120℃、90秒間ベークし、膜厚0.75μmのレジスト膜とした。このシリコン基板上のレジスト膜をニコン社製KrFエキシマレーザ縮小投影露光装置(NA=0.42)を用い、51mJ/cm2 のエネルギー量で露光した後、ホットプレート上で80℃、90秒間ベ−クした。この後、このレジスト膜をテトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38重量%水溶液で1分間現像した。この現像後に得られたレジストパターンを走査電子顕微鏡で観察することにより露光と露光後ベークとの間の引置き時間0分と30分の解像力を評価した。その結果、0分の場合は0.32μm のライン アンド スペースが解像していたが、30分の場合は0.38μm のライン アンド スペースまで解像力が劣化していた。
【0038】
実施例1
合成例1で合成した樹脂1.0g、合成例7で合成した溶解抑制剤0.43g、光酸発生剤として、トリフェニルスルホニウムトリフレート0.07g、およびα−ヒドロキシイソ酪酸メチルエステル5.4gを混合し、レジスト感光液とした。この感光液をシリコン基板上にスピンコートし、ホットプレート上で120℃、90秒間ベークし、膜厚0.75μmのレジスト膜とした。このシリコン基板上のレジスト膜をニコン社製KrFエキシマレ−ザ縮小投影露光装置(NA=0.42)を用い、42mJ/cm2 のエネルギ−量で露光した後、ホットプレ−ト上で80℃、90秒間ベークした。この後、このレジスト膜をテトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38重量%水溶液で1分間現像した。この現像後に得られたレジストパターンを走査電子顕微鏡で観察することにより露光と露光後ベ−クとの間の引置き時間0分と30分の解像力を評価した。その結果、0分、30の場合ともに0.30μm のライン アンド スペースが解像しており、比較例1と比べレジストの性能の向上が見られた。
【0039】
比較例2
合成例4で合成した樹脂0.8g、酸発生剤として、トリフェニルスルホニウムトシレート0.0056g、およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート4.6gを混合し、レジスト感光液とした。この感光液をシリコン基板上にスピンコートし、ホットプレート上で120℃、90秒間ベークし、膜厚0.75μmのレジスト膜とした。このシリコン基板上のレジスト膜をニコン社製KrFエキシマレーザ縮小投影露光装置(NA=0.42)を用い、13.0mJ/cm2 のエネルギー量で露光した後、ホットプレート上で80℃、90秒間ベークした。この後、このレジスト膜をテトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38重量%水溶液で1分間現像した。この現像後に得られたレジストパターンを走査電子顕微鏡で観察することにより露光と露光後ベークとの間の引置き時間0分の解像力を評価した。その結果、0.32μm のライン アンド スペースの解像力であった。
【0040】
実施例2
合成例4で合成した樹脂0.8g、光酸発生剤として、トリフェニルスルホニウムトシレート0.0056g、およびα−ヒドロキシイソ酪酸メチルエステル4.6gを混合し、レジスト感光液とした。この感光液をシリコン基板上にスピンコートし、ホットプレート上で120℃、90秒間ベークし、膜厚1.0μmのレジスト膜とした。このシリコン基板上のレジスト膜をニコン社製KrFエキシマレーザ縮小投影露光装置(NA=0.42)を用い、42.5mJ/cm2 のエネルギー量で露光した後、ホットプレート上で80℃、90秒間ベークした。この後、このレジスト膜をテトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38重量%水溶液で1分間現像した。この現像後に得られたレジストパターンを走査電子顕微鏡で観察することにより露光と露光後ベークとの間の引置き時間0分の解像力を評価した。その結果、0.28μm のライン アンド スペースが良好な形状で解像しており比較例2と比べレジスト性能の向上が見られた。
【0041】
比較例3
合成例3で合成した樹脂0.6g、合成例6で合成した樹脂0.067g、酸発生剤として、トリフェニルスルホニウムトシレート0.023g、およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート3.6gを混合し、レジスト感光液とした。この感光液をシリコン基板上にスピンコートし、ホットプレート上で120℃、90秒間ベークし、膜厚0.75μmのレジスト膜とした。このシリコン基板上のレジスト膜をニコン社製KrFエキシマレーザ縮小投影露光装置(NA=0.42)を用い、18.5mJ/cm2 のエネルギー量で露光した後、ホットプレート上で80℃、90秒間ベークした。この後、このレジスト膜をテトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38重量%水溶液で1分間現像した。この現像後に得られたレジストパターンを走査電子顕微鏡で観察することにより露光と露光後ベークとの間の引置き時間0分の解像力を評価した。その結果、0.40μm のライン アンド スペースの解像力であった。
【0042】
実施例3
合成例3で合成した樹脂0.6g、合成例6で合成した樹脂0.067g、酸発生剤として、トリフェニルスルホニウムトシレート0.023g、およびα−ヒドロキシイソ酪酸メチルエステル5.4g混合し、レジスト感光液とした。この感光液をシリコン基板上にスピンコートし、ホットプレート上で120℃、90秒間ベークし、膜厚0.75μmのレジスト膜とした。このシリコン基板上のレジスト膜をニコン社製KrFエキシマレーザ縮小投影露光装置(NA=0.42)を用い、44.0mJ/cm2 のエネルギー量で露光した後、ホットプレート上で80℃、90秒間ベークした。この後、このレジスト膜をテトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38重量%水溶液で1分間現像した。この現像後に得られたレジストパターンを走査電子顕微鏡で観察することにより露光と露光後ベークとの間の引置き時間0分の解像力を評価した。その結果、0.28μm のライン アンド スペ−スが良好な形状で解像しており比較例2と比べレジスト性能の向上が見られた。
【0043】
実施例4
実施例3のレジスト感光液に界面活性剤(FC430、住友スリ−エム(株)製)を100ppm添加したレジスト感光液を調液した。この感光液をシリコン基板上にスピンコートし、ホットプレート上で120℃、90秒間ベークし、膜厚0.75μmのレジスト膜とした。このシリコン基板上のレジスト膜をニコン社製KrFエキシマレーザ縮小投影露光装置(NA=0.42)を用い、44.0mJ/cm2 のエネルギー量で露光した後、ホットプレート上で80℃、90秒間ベ−クした。この後、このレジスト膜をテトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38重量%水溶液で1分間現像した。この現像後に得られたレジストパターンを走査電子顕微鏡で観察することにより露光と露光後ベークとの間の引置き時間0分の解像力を評価した。その結果、0.28μm のライン アンド スペースが良好な形状で解像しており比較例3と比べレジスト性能の向上が見られた。
【0044】
比較例4
合成例3で合成した樹脂0.35g、合成例5で合成した樹脂0.15g、光酸発生剤として、ジフェニルヨードニウムトシレート0.0175g、およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.7gを混合し、更にトリイソプロパノールアミンを光酸発生剤の10分の1モル等量添加しレジスト感光液とした。この感光液をシリコン基板上にスピンコートし、ホットプレート上で110℃、90秒間ベークし、膜厚0.75μmのレジスト膜とした。このシリコン基板上のレジスト膜をニコン社製KrFエキシマレーザ縮小投影露光装置(NA=0.42)を用い、11.0mJ/cm2 のエネルギー量で露光した後、ホットプレート上で100℃、90秒間ベークした。この後、このレジスト膜をテトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38重量%水溶液で1分間現像した。この現像後に得られたレジストパターンを走査電子顕微鏡で観察することにより露光と露光後ベ−クとの間の引置き時間0分と30分の解像力を評価した。その結果、0分の場合は0.26μm のライン アンド スペースが解像していたが、30分の場合は0.34μm のライン アンド スペースまで解像力が劣化していた。
【0045】
実施例5
合成例3で合成した樹脂0.35g、合成例5で合成した樹脂0.15g、酸発生剤として、ジフェニルヨードニウムトシレート0.0175g、およびα−ヒドロキシイソ酪酸メチルエステル4.1gを混合し、更にトリイソプロパノールアミンを光酸発生剤の10分の1モル等量と界面活性剤(FC430、住友スリーエム(株)製)を100ppm添加しレジスト感光液とした。この感光液をシリコン基板上にスピンコートし、ホットプレート上で110℃、90秒間ベークし、膜厚0.75μmのレジスト膜とした。このシリコン基板上のレジスト膜をニコン社製KrFエキシマレーザ縮小投影露光装置(NA=0.42)を用い、18.5mJ/cm2のエネルギー量で露光した後、ホットプレート上で100℃、90秒間ベークした。この後、このレジスト膜をテトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38重量%水溶液で1分間現像した。この現像後に得られたレジストパターンを走査電子顕微鏡で観察することにより露光と露光後ベークとの間の引置き時間0分と30分の解像力を評価した。その結果、0分の場合は0.26μm のライン アンド スペースが解像し、30分の場合は0.30μm のライン アンド スペースまで解像力し、比較例4と比べて露光と露光後ベ−クとの間の引置き時間に対する安定性が改善された。
【0046】
実施例6
合成例3で合成した樹脂0.35g、合成例5で合成した樹脂0.15g、酸発生剤として、ジフェニルヨードニウムトシレート0.0175g、およびα−ヒドロキシイソ酪酸メチルエステル/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート混合溶媒(混合比率4:1)4.1gを混合し、更にトリイソプロパノールアミンを酸発生剤の10分の1モル等量と界面活性剤(FC430、住友スリーエム(株)製)を100ppm添加しレジスト感光液とした。この感光液をシリコン基板上にスピンコートし、ホットプレート上で110℃、90秒間ベ−クし、膜厚0.75μmのレジスト膜とした。このシリコン基板上のレジスト膜をニコン社製KrFエキシマレーザ縮小投影露光装置(NA=0.42)を用い、11.4mJ/cm2 のエネルギー量で露光した後、ホットプレート上で100℃、90秒間ベークした。この後、このレジスト膜をテトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38重量%水溶液で1分間現像した。この現像後に得られたレジストパターンを走査電子顕微鏡で観察することにより露光と露光後ベークとの間の引置き時間0分と30分の解像力を評価した。その結果、0分の場合は0.26μm のライン アンド スペースが解像し、30分の場合は0.26μm のライン アンド スペースまで解像力し、比較例4と比べて露光と露光後ベークとの間の引置き時間に対する安定性が改善された。
【0047】
比較例5
合成例2で合成した樹脂0.8g、合成例6で合成した樹脂0.089g、酸発生剤として、トリフェニルスルホニウムトシレート0.031g、およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート4.8gを混合し、レジスト感光液とした。この感光液をシリコン基板上にスピンコートし、ホットプレート上で120℃、90秒間ベークし、膜厚0.75μmのレジスト膜とした。このシリコン基板上のレジスト膜をニコン社製KrFエキシマレーザ縮小投影露光装置(NA=0.42)を用い、9.0mJ/cm2 のエネルギー量で露光した後、ホットプレート上で80℃、90秒間ベークした。この後、このレジスト膜をテトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38重量%水溶液で1分間現像した。この現像後に得られたレジストパターンを走査電子顕微鏡で観察したところ側壁荒れの目立つ不良なパターン形状であった。
【0048】
実施例7
合成例2で合成した樹脂0.8g、合成例6で合成した樹脂0.089g、酸発生剤として、トリフェニルスルホニウムトシレート0.031g、およびα−ヒドロキシイソ酪酸メチルエステル4.8gを混合し、レジスト感光液とした。この感光液をシリコン基板上にスピンコートし、ホットプレート上で120℃、90秒間ベークし、膜厚0.75μmのレジスト膜とした。このシリコン基板上のレジスト膜をニコン社製KrFエキシマレーザ縮小投影露光装置(NA=0.42)を用い、9.0mJ/cm2 のエネルギ−量で露光した後、ホットプレ−ト上で80℃、90秒間ベークした。この後、このレジスト膜をテトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38重量%水溶液で1分間現像した。この現像後に得られたレジストパターンを走査電子顕微鏡で観察したところ側壁荒れが比較例6と比べ改善された良好なパターン形状であった。
尚、各実施例及び比較例の組成及び結果をまとめて表−1〜表−3に示す。
【0049】
【表1】
Figure 0003780027
【0050】
【表2】
Figure 0003780027
【0051】
【表3】
Figure 0003780027
【0052】
【発明の効果】
本発明は特定の化合物を含有する溶媒を用いることにより、高解像度を達成する。しかも、本発明の感放射線性塗布組成物は、露光と露光後のベークとの間の引置き時間に対して安定であり、またこれを用いて得られるレジストパターンは側壁荒れのない良好な形状を有し、実用上極めて有用である。

Claims (3)

  1. 塗膜形成性樹脂、放射線により酸を発生する化合物、及び溶媒を含有する化学増幅型感放射線性組成物であって、
    溶媒の80重量%(溶媒の全重量を基準とする)以上が下記式(A)で表わされる化合物であり、
    Figure 0003780027
    (R 、R 、R はハロゲン原子で置換されていても良いC 〜C のアルキル基を表わし、相互に同じでも異なっていても良い。)
    塗膜形成性樹脂が、アルカリ可溶性樹脂のアルカリ可溶性を付与する基の少なくとも一部が酸触媒作用により脱離可能な基で保護された樹脂であって、下記構造単位(I)を含む樹脂A又は下記構造単位(II)を含む樹脂Bを含有する、化学増幅型感放射線性組成物。
    Figure 0003780027
    (ただし、R 、R 、R 、R 10 、R 11 、R 12 は水素原子、C 〜C のアルキル基を表わし、R 、R は水素原子、C 〜C 10 のアルキル基を表わし、R 、R 13 はC 〜C 10 のアルキル基を表わす。また、R とR あるいはR とR とが互いに結合して、C 〜C 10 の環を形成していてもよい。)
  2. 更に架橋剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の化学増幅型感放射線性組成物。
  3. 上記式(A)で表される化合物が、α−ヒドロキシイソ酪酸アルキルエステルである請求項1記載の化学増幅型感放射線性組成物。
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