JP3779539B2 - ファイバボードの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高効率な光分岐結合と集光を実現するファイバボードの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、光通信の急速な発達に伴い伝送損失の少ない光伝送線路の開発が望まれている。この光伝送線路の一構成要素として、1つの光伝送線路を複数の伝送線路に分岐したり、複数の伝送線路を1つに結合したりする光分岐結合器が必要となる。
【0003】
この種の理想的な光分岐結合器の一例を図21に示す。図において500は光分岐結合部が設けられたファイバボードで、光ファイバ布線シート501と、この光ファイバ布線シート501上に布線された入力側プラスチック光ファイバ502と、光ファイバ502よりもコア外径の小さい2つの分岐側プラスチック光ファイバ503a,503bから構成され、光ファイバ502の端面に2つの光ファイバ503a,503bの端面が密接され、ファイバ端面同士の対向部分が光分岐結合部になっている。
【0004】
これにより、光分岐器として用いる場合は、光ファイバ502側から光ファイバ503a,503bへ向かう光信号は接続端面の位置で2つの光ファイバ503a,503bに分岐される。また、光結合器として用いる場合は、光ファイバ503a,503b側から光ファイバ502へ向かう光信号は接続端面の位置で結合されて光ファイバ502を伝搬する。
【0005】
図22に、上記の光ファイバ2光分岐結合器をファイバボードで実現するときの製造過程を示す。図22(a)に示すように、細い外径の光ファイバ503a,503bとこれよりも太い外径の光ファイバ502とを接続して実現される2分岐光結合器をプラスチック光ファイバボードで構成する時は、細い外径の光ファイバ503a,503bと太い外径の光ファイバ502とを近接するように、光ファイバをあらかじめ光ファイバ布線シート502上に配布線する。
【0006】
しかし、図21に示したように、光ファイバ502,503a,503bの端面を理想的に接続するように布線するのは困難であった。
【0007】
そこで、図22(b)に示すように、できるだけ入力側光ファイバ502と分岐側光ファイバとの間隔を近接させて布線し、さらに、端面形成のために図中a-a'線とb-b'線に沿って、ホットカッター等により切断ならびに端面形成して光分岐結合部を有するファイバボード500を製造していた。
【0008】
これにより、入力側プラスチック光ファイバ502の端面から出射された光Pinは空間を伝搬して分岐側プラスチック光ファイバ503a,503bの端面に入射し、これらの光ファイバ503a,503bのそれぞれに分岐光Pout1,Pou2に分岐してそれぞれを伝搬する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来例のファイバボード500に形成された光分岐結合部では、端面形成のためにa-a'線とb-b'線に沿って切断ならびに端面形成すると、ファイバ端面間の距離が離れてしまう。このため、例えば光分岐器として用いる場合には入力側光ファイバ502の端面から出射された光は放散してしまい、光ファイバ間の高効率な光分岐が実現できなかった。また、光結合器として用いる場合も同様に高効率な光結合が実現できなかった。
【0010】
本発明の目的は上記の問題点に鑑み、ファイバ布線シート上に布線された光ファイバ間で高効率な光分岐結合を実現するファイバボードの製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するために請求項1では、ファイバ布線シートの一方の面上に光ファイバが布線され、該光ファイバの端面或いは端面以外の部分の少なくとも何れか一方が位置する前記ファイバ布線シートの面に形成された凹部を含む領域に光分岐結合部を備え、前記凹部に光透過性を有する光学部品が設けられているファイバボードの製造方法であって、前記凹部を形成する領域に対応して前記ファイバ布線シートの他方の面の側から吸引して凹部を形成する工程と、該凹部内に光学接着剤を注入固化して光学部品を形成する工程とを含むファイバボードの製造方法を提案する。
【0012】
該ファイバボードの製造方法によれば、前記凹部を形成する領域に対応して前記ファイバ布線シートの他方の面の側から吸引して凹部が形成され、該凹部内に光学接着剤を注入して固化することにより、該光学接着剤が光を伝搬する光学部品となり、請求項1乃至請求項8に記載のファイバボードを容易に製造可能となる。さらに、前記光学部品の形状は前記凹部の形状に合わせて形成されるので、前記凹部の形状を変えることにより任意の形状の光学部品を形成することができる。
【0013】
また、請求項2では、請求項1に記載のファイバボードの製造方法において、前記凹部を形成する領域に一方の端面が位置するように前記ファイバ布線シートの一方の面上に第1の光ファイバを布線する工程と、前記凹部を形成する領域に一方の端面が位置し且つ該端面が前記第1の光ファイバの一方の端面にほぼ対向するように前記ファイバ布線シートの一方の面上に2つ以上の第2の光ファイバを布線する工程と、前記凹部を形成する領域に対応して前記ファイバ布線シートの他方の面の側から吸引して凹部を形成する工程と、前記第1の光ファイバの一方の端面と前記第2の光ファイバの一方の端面との間に介在するように前記凹部内に光学接着剤を注入した後に球レンズを装着して前記光学接着剤を固化する工程とを含むファイバボードの製造方法を提案する。
【0014】
該ファイバボードの製造方法によれば、前記凹部を形成する領域上に一方の端面が位置するように前記ファイバ布線シートの一方の面上に第1の光ファイバが布線されると共に、前記凹部を形成する領域上に一方の端面が位置し且つ該端面が前記第1の光ファイバの一方の端面にほぼ対向するように前記ファイバ布線シートの一方の面上に2つ以上の第2の光ファイバが布線される。さらに、前記凹部を形成する領域に対応して前記ファイバ布線シートの他方の面の側から吸引して前記ファイバ布線シートに凹部が形成され、前記第1の光ファイバの一方の端面と前記第2の光ファイバの一方の端面との間に介在するように前記凹部内に光学接着剤が注入されると共に球レンズが装着された後に前記光学接着剤が固化され手前記光学部品が形成される。これにより、前記球レンズによって光が集光される構成をなすファイバボードを容易に製造可能とする。
【0015】
また、請求項3では、請求項1に記載のファイバボードの製造方法において、第1の光ファイバを折り曲げて光ファイバ曲げ回路を形成し、該光ファイバ曲げ回路が前記凹部を形成する領域上に位置するように前記ファイバ布線シートの一方の面上に第1の光ファイバを布線する工程と、前記凹部を形成する領域に一方の端面が位置し且つ該端面が前記第1の光ファイバの光ファイバ曲げ回路にほぼ対向するように前記ファイバ布線シートの面上に第2の光ファイバを布線する工程と、前記凹部を形成する領域に対応して前記ファイバ布線シートの他方の面の側から吸引して凹部を形成する工程と、前記第1の光ファイバの光ファイバ曲げ回路と前記第2の光ファイバの一方の端面との間に介在するように前記凹部内に光学接着剤を注入して固化する工程とを含むファイバボードの製造方法を提案する。
【0016】
該ファイバボードの製造方法によれば、第1の光ファイバを折り曲げて光ファイバ曲げ回路が形成され、該光ファイバ曲げ回路が前記凹部を形成する領域上に位置するように前記ファイバ布線シートの一方の面上に第1の光ファイバが布線されると共に、前記凹部を形成する領域に一方の端面が位置し且つ該端面が前記第1の光ファイバの光ファイバ曲げ回路にほぼ対向するように前記ファイバ布線シートの面上に第2の光ファイバが布線される。さらに、前記凹部を形成する領域に対応して前記ファイバ布線シートの他方の面の側から吸引して凹部が形成され、前記第1の光ファイバの光ファイバ曲げ回路と前記第2の光ファイバの一方の端面との間に介在するように前記凹部内に光学接着剤が注入されて固化され前記光学部品が形成される。
【0017】
また、請求項4では、請求項1に記載のファイバボードの製造方法において、前記ファイバ布線シートとして光透過性を有するシートを用い、該ファイバ布線シートの一方の面上に光ファイバを布線する工程と、前記凹部を形成する領域上で前記ファイバ布線シートの面に対して所定の角度で傾斜した面を有する斜め溝を前記光ファイバに形成する工程と、前記斜め溝の該当位置を含む前記凹部を形成する領域に対応して前記ファイバ布線シートの他方の面の側から吸引して凹部を形成する工程と、前記凹部内に光学接着剤を注入して固化する工程とを含むファイバボードの製造方法を提案する。
【0018】
該ファイバボードの製造方法によれば、前記ファイバ布線シートとして光透過性を有するシートを用い、該ファイバ布線シートの一方の面上に光ファイバが布線される。該布線の前或いは布線した後に、前記凹部を形成する領域内で前記ファイバ布線シートの面に対して所定の角度で傾斜した面を有する斜め溝が前記光ファイバに形成される。さらに、前記斜め溝の該当位置を含む前記凹部を形成する領域に対応して前記ファイバ布線シートの他方の面の側から吸引して前記ファイバ布線シートに凹部が形成され、前記凹部内に光学接着剤が注入された後、該光学接着剤が固化される。
【0019】
また、請求項5では、請求項4に記載のファイバボードの製造方法において、前記凹部内に前記光学接着剤を注入し且つ固化することによってレンズを形成する工程を含むファイバボードの製造方法を提案する。
【0020】
該ファイバボードの製造方法によれば、前記光学接着剤によってレンズが形成されるので、前記請求項7に記載のファイバボードを容易に製造可能となる。さらに、前記凹部の形状を変えることによって、前記凹部内に光学接着剤によって形成するレンズの形状を任意に形成することができるので、このレンズを介した光の伝搬先に合わせた種類のレンズを備えたファイバボードを容易に製造することができる。
【0021】
また、請求項6では、請求項1に記載のファイバボードの製造方法において、前記凹部を形成する領域を通過し、少なくとも該領域においてシート面に密着させて前記ファイバ布線シートの一方の面上に第1の光ファイバを布線する工程と、前記凹部を形成する領域に一方の端面が位置し且つ該端面が前記第1の光ファイバにほぼ隣接するように前記ファイバ布線シートの一方の面上に2つ以上の第2の光ファイバを布線する工程と、前記凹部を形成する領域に対応して前記ファイバ布線シートの他方の面の側から吸引して凹部を形成し、該凹部表面に沿って前記第1の光ファイバを湾曲させて前記凹部の周縁部において光ファイバ曲げ回路を形成する工程と、前記第1の光ファイバの光ファイバ曲げ回路と前記第2の光ファイバの一方の端面との間に介在するように前記凹部内に光学接着剤を注入して固化する工程とを含むファイバボードの製造方法を提案する。
【0022】
該ファイバボードの製造方法によれば、前記凹部を形成する領域を通過し、少なくとも該領域においてシート面に密着させて前記ファイバ布線シートの一方の面上に第1の光ファイバが布線されると共に、前記凹部を形成する領域に一方の端面が位置し且つ該端面が前記第1の光ファイバにほぼ隣接するように前記ファイバ布線シートの一方の面上に2つ以上の第2の光ファイバが布線される。さらに、前記凹部を形成する領域に対応して前記ファイバ布線シートの他方の面の側から吸引して凹部が形成され、該凹部表面に沿って前記第1の光ファイバが湾曲されて前記凹部の周縁部において前記第1の光ファイバに光ファイバ曲げ回路が形成される。この後、前記第1の光ファイバの光ファイバ曲げ回路と前記第2の光ファイバの一方の端面との間に介在するように前記凹部内に光学接着剤が注入されて固化され前記光学部品が形成される。
【0023】
また、請求項7では、請求項6に記載のファイバボードの製造方法において、前記凹部を形成するときの吸引量を変化させて前記第1の光ファイバの光ファイバ曲げ回路における折り曲げ角度を調整するファイバボードの製造方法を提案する。
【0024】
該ファイバボードの製造方法によれば、前記凹部を形成するときの吸引量が変化されて前記光ファイバ曲げ回路における折り曲げ角度が調整される。これにより、前記光ファイバ曲げ回路から出射されて前記第2の光ファイバの端面に入射される光量を容易に調整可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。
【0026】
図1は、本発明の第1実施形態におけるファイバボードを示す要部概略平面図、図2は図1におけるA−A線矢視方向の要部概略断面図である。図において、100はファイバボードで、ファイバ布線シート(以下、単に布線シート称する)101と、布線シート101の一方の面上に布線された入力側光ファイバ(以下、単に光ファイバと称する)102と分岐側光ファイバ(以下、単に光ファイバと称する)103a,103b、布線シート101に形成された凹部101aに設けられた微小球レンズ(以下、単に球レンズと称する)105、光ファイバ102,103a,103bを挟むように布線シート101上に重ねて密着された布線シート106などから構成されている。
【0027】
布線シート101,106のそれぞれは、例えば50μm厚のシリコン樹脂フィルムからなり、図1において布線シート101,106のそれぞれのほぼ中央部に互いに対向するように半球形の凹部101a,106aが形成され、該凹部101a,106aの領域が光分岐結合部となっている。
【0028】
光ファイバ102,103a,103bのそれぞれは、例えばプラスチック光ファイバであり、光ファイバ102は、その一端が端面形成されて該端面が凹部101aの周縁部に位置するように布線シート101上に布線されている。また、光ファイバ103a,103bは、光ファイバ102よりも外径が小さいもので、その一端が端面形成されて該端面が凹部101aの周縁部に位置し且つ光ファイバ102の端面にほぼ対向するように布線シート101上に布線されている。
【0029】
また、凹部101a,106a内には球レンズ105が配置されると共に、該球レンズ105の周囲には光学接着剤104が充填されて固化されている。この光学接着剤104は光ファイバ102,103a,103bのそれぞれの端面と球レンズ105との間にも介在し、これらの固化した光学接着剤104と球レンズ105によって光学部品が形成されている。
【0030】
上記構成よりなるファイバボード100は、上記凹部101aの領域において光分岐結合器として機能する。即ち、上記凹部101a領域を光分岐器として使用する場合は、光ファイバ102を伝搬する光が光ファイバ103a,103bのそれぞれに分岐される。このとき、光ファイバ102を伝搬する光Pinは端面から出射され、固化した光学接着剤104と球レンズ105内を伝搬すると共に球レンズ105によって集光され、対向する光ファイバ103a,103bのそれぞれの端面に入射して光ファイバ103a,103bのそれぞれを分岐光Pout1,Pout2として伝搬する。また、上記凹部101a領域を光結合器として使用する場合は、2つの光ファイバ103a,103bのそれぞれを伝搬する光が結合されて光ファイバ102を伝搬する。このとき、光ファイバ103a,103bのそれぞれの端面から出射された光は、固化した光学接着剤104と球レンズ105内を伝搬しながら結合されると共に集光され、対向する光ファイバ102の端面に入射して光ファイバ102を伝搬する。
【0031】
従って、上記ファイバボード100では、固化した光学接着剤104と球レンズ105によって光分岐結合部における光の放散が抑制され、光分岐結合部に位置する光ファイバ102または光ファイバ103a,103bの端面から放射された光が、固化した光学接着剤104と球レンズ105を介して他の光ファイバ102または光ファイバ103a,103bの端面へ高効率で伝搬される。
【0032】
また、前述した従来例では、ファイバボードの面と平行な放射光しか光分岐或いは光結合に寄与できなかったが、上記構成により、布線シート101の面とほぼ垂直方向に放射された光も集光することができるので、高効率な光分岐結合が実現可能となる。
【0033】
次に、図3及び図4を参照して上記構成のファイバボード100の製造方法の一例を説明する。
【0034】
まず、図3の(a)に示すように、布線シート101上の凹部形成領域101b内に端面が位置するように光ファイバ102を密着して布線すると共に光ファイバ102の端面付近まで光ファイバ103a,103bの端面を近接して布線する。このとき、凹部形成領域101b内では光ファイバ102,103a,103bをやや浮かせて光ファイバ102,103a,103bと布線シート101との間の接着力を弱めておく。
【0035】
次に、図3の(b)に示すように、凹部形成領域101bの周縁部を通り互いに平行なa-a'線及びb-b'線に沿ってホットカッタ等の切断機を用いて光ファイバ102,103a,103bのそれぞれの端面形成を行う。ここでは、a-a'線及びb-b'線は光ファイバ102のファイバ軸に直交している。
【0036】
この後、図3の(c)に示すように、布線シート101を真空吸引台座112上に載置し、凹部形成領域101bを真空吸引して布線シート101に凹部101aを形成する。さらに、ディスペンサ装置111によって液状のUV硬化型樹脂からなる光学接着剤104を凹部101a内に滴下する。ここで、真空吸引台座112の真空吸引穴112aは、円形の開口面を有し、開口部分がテーパー状に形成されているため、布線シート101を吸引することによって半球形の凹部101aが形成される。このように凹部101aを形成することによって、凹部101aが光学接着剤の滴下位置マーカになると共に、布線シート101に窪みを付けることで滴下した光学接着剤が過剰に布線シート101上に広がることがないので、光回路の集積化が可能になる。
【0037】
次いで、図3の(d)に示すように、微小光学部品搭載マニピュレータ113によって、真空吸引された凹部101a内に球レンズ105を配置する。このとき、光ファイバ102,103a,103bの光軸と球レンズ105の位置合わせは、吸引量を調整することによって容易に行うことができる。
【0038】
次に、図4の(a)に示すように、UV光源114から光学接着剤104に紫外線を照射して光学接着剤104を固化させ、球レンズ105を固定する。このとき、凹部101aの形状も固定される。
【0039】
この後、図4の(b)(c)に示すように、布線シート101の上面に光ファイバ102,103a,103b及び球レンズ105を挟むように布線シート106を密着させ、球レンズ105と光ファイバ102,103a,103bとを位置決め固定してファイバボード100が完成する。
【0040】
上記製造方法によれば、光分岐結合部を有するファイバボード100を非常に容易に製造することができると共に、球レンズ105の位置合わせも容易に行うことができる。
【0041】
尚、本実施形態では、球レンズ105を装着せずに、光ファイバ102の端面と光ファイバ103a,103bの端面との間に介在するように凹部101a内に光学接着剤のみを充填して固化させることで光学部品とすることも可能である。
【0042】
また、本実施形態では入力側光ファイバ102よりも外径の小さい分岐側光ファイバ103a,103bとしたが、これに限定されることはなく、同じ外径であっても良い。さらに、本実施形態では、プラスチック光ファイバを用いたが、他種の光ファイバを用いても良い。
【0043】
また、本実施形態では半球形の凹部101aを形成したが、これ以外の形状をなす凹部101aであっても良い。
【0044】
また、本実施形態では、凹部101aの領域において1つの光ファイバ102と2つの光ファイバ103a,103bとの間の光分岐部を構成したが、2つ以上の光ファイバと2つ以上の光ファイバとの間の光分岐部を構成することも容易に可能である。例えば、図5に示すように2つの光ファイバ102a,102bと2つの光ファイバ103a,103bとの間の光分岐部を構成して高効率な分岐もできる。
【0045】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
【0046】
図6は第2実施形態におけるファイバボード200を示す要部概略平面図、図7は図6におけるA−A線矢視方向の要部概略断面図である。図において、200はファイバボードで、ファイバ布線シート(以下、単に布線シートと称する)201と、布線シート201の一方の面上に布線された入力側光ファイバ(以下、単に光ファイバと称する)202と分岐側光ファイバ(以下、単に光ファイバと称する)203、布線シート201に形成された凹部201aに充填固化された光学接着剤204、光ファイバ202,203を挟むように布線シート201上に重ねて密着された布線シート206から構成されている。
【0047】
布線シート201,206のそれぞれは、例えば50μm厚のシリコン樹脂フィルムからなり、布線シート201のほぼ中央部に半球形の凹部201aが形成され、該凹部201aの領域が光分岐結合部となっている。
【0048】
光ファイバ202,203のそれぞれは、例えば被覆されていないプラスチック光ファイバからなる。光ファイバ202は、急峻に曲げられ、例えばほぼ90度に折り曲げられて、入力側伝送路202aと出力側伝送路202cの間に湾曲した光ファイバ曲げ回路202bが形成され、この光ファイバ曲げ回路202bが凹部201a上に位置するように布線シート201上に布線されている。また、光ファイバ203は、光ファイバ202と同じ外径を有し、その一端が端面形成されて該端面が凹部201a上に位置し且つ光ファイバ曲げ回路202bにほぼ対向し入力側伝送路202aとファイバ軸をほぼ一致させるように布線シート201上に布線されている。
【0049】
また、凹部201a内には光学接着剤204が充填されて固化されている。この光学接着剤204は光ファイバ曲げ回路202bと光ファイバ203の端面との間にも介在し、固化した光学接着剤204によって光学部品が形成されている。
【0050】
上記構成よりなるファイバボード200は、凹部201aの領域において光分岐器として機能する。即ち、上記凹部201a領域を光分岐器として使用する場合は、光ファイバ202の入力側伝送路202aを伝搬する光が光ファイバ202の出力側伝送路202cと光ファイバ203のそれぞれに分岐される。このとき、入力側伝送路202aを伝搬する光Pinは光ファイバ曲げ回路202bにおいてその一部が放射光となり、固化した光学接着剤204を伝搬する。光学接着剤204を伝搬する放射光は強い指向性を持っているので光ファイバ203の端面に入射されて分岐光Pout2となり、タップ形の光分岐結合器の構成が実現される。また、光ファイバ曲げ回路202bにおいて放射されなかった光は出力側伝送路202cを分岐光Pout1として伝搬する。このとき、光ファイバ202の光ファイバ曲げ回路202bと光ファイバ203の端面との間に介在する固化した光学接着剤(光学部品)204によって、曲げによって生じた放射光の放散が防止され、高い伝搬効率が得られる。
【0051】
尚、本実施形態では、被覆されていない光ファイバを用いたが、被覆された光ファイバを用いて、光ファイバ曲げ回路202bの部分の被覆を除去するようにしても良い。また、本実施形態では半球形の凹部201aを形成したが、これ以外の形状をなす凹部201aであっても良い。また、光ファイバ曲げ回路202bと光ファイバ203の端面との間に集光用のレンズを設けても良い。
【0052】
また、光ファイバ203の端面から出射された光を光ファイバ曲げ回路202bに入射して、該光を光ファイバ202内を伝搬させることも可能であることは言うまでもない。。
【0053】
次に、図8を参照して上記構成のファイバボード200の製造方法の一例を説明する。
【0054】
まず、布線シート201上の凹部形成領域内に光ファイバ曲げ回路202bが位置するように光ファイバ202を密着して布線すると共に、光ファイバ曲げ回路202bの近傍まで光ファイバ203の端面を近接して布線する。このとき、凹部形成領域内では光ファイバ202,203をやや浮かせて光ファイバ202,203と布線シート201との間の接着力を弱めておく。
【0055】
次に、布線シート201を真空吸引台座212上に載置し、凹部形成領域を真空吸引して布線シート201に凹部201aを形成する。さらに、ディスペンサ装置211によって液状のUV硬化型樹脂からなる光学接着剤204を凹部201a内に滴下する。ここで、真空吸引台座212の真空吸引穴212aは、円形の開口面を有し、開口部分がテーパー状に形成されているため、布線シート201を吸引することによって半球形の凹部201aが形成される。このように凹部201aを形成することによって、凹部201aがUV硬化型光学接着剤の滴下位置マーカになると共に、布線シート201に窪みを付けることで滴下した光学接着剤が過剰に布線シート201上に広がることがないので、光回路の集積化が可能になる。
【0056】
次いで、UV光源から光学接着剤204に紫外線を照射して光学接着剤204を固化させる。この後、布線シート201の上面に光ファイバ202,203を挟むように布線シート206を密着させ、光ファイバ202,203を位置決め固定してファイバボード200が完成する。
【0057】
上記製造方法によれば、光分岐結合部を有するファイバボード200を非常に容易に製造することができる。
【0058】
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
【0059】
図9は第3実施形態におけるファイバボード300を示す要部概略平面図、図10は図9におけるA−A線矢視方向の要部概略断面図である。図において、300はファイバボードで、ファイバ布線シート(以下、単に布線シート称する)301と、布線シート301の一方の面上に布線された光ファイバ302、布線シート301に形成された凹部301aに充填固化された光学接着剤304、光ファイバ302を挟むように布線シート301上に重ねて密着された粘着層付アクリル樹脂シート等の樹脂フィルム306から構成されている。
【0060】
布線シート301は、例えば光透過性を有する50μm厚のPET(polyethylene terephthalate、テレフタル酸ポリエチレン、ポリエチレン・テレフタレート)フィルムからなり、布線シート301のほぼ中央部に半球形の凹部301aが形成され、該凹部301aの領域内がレンズとなっている。
【0061】
光ファイバ302は、例えばプラスチック光ファイバからなり、凹部301a上に位置する部分には、布線シート301に接する側とは反対側に斜め溝302aが形成されている。この斜め溝302aは、図10に示すように断面が逆三角形をなし、2つの傾斜面が布線シート301の面の法線方向に対して45度をなし且つ光ファイバ302のファイバ軸と直交する方向に延ばして形成されている。
【0062】
また、凹部301a内には光学接着剤304が充填されて固化されている。この光学接着剤304は光ファイバ302の表面との間にも介在し、固化した光学接着剤304によって凸レンズ(光学部品)が形成されている。
【0063】
上記構成のファイバボード300によれば、上記凹部301aの領域に形成された光分岐結合部を例えば光分岐器として使用する場合は、光ファイバ302の一端側から伝搬してきた光Pinの一部が斜め溝302aの傾斜面によって反射され、固化した光学接着剤304からなる凸レンズに伝搬され、この凸レンズによって平行光とされて布線シート301を介して外部に分岐光Pout1として出射される。また、斜め溝302aにおいて反射されなかった光はそのまま直進して分岐光Pout2として光ファイバ302の他端へ向けて伝搬する。これにより、光ファイバ布線の任意の位置から布線シート面に対して垂直方向に分岐光の取り出しが可能になると共に、分岐光取り出しにおいて固化した光学接着剤304からなる光学部品中を伝搬させるので、光の放散を防止することができ、高い伝搬効率が得られる。
【0064】
次に、図11を参照して上記構成のファイバボード300の製造方法の一例を説明する。
【0065】
まず、図11の(a)(b)に示すように、布線シート301上の凹部形成領域301b上を通過するように光ファイバ302を密着して布線する。このとき、凹部形成領域301b内では光ファイバ302をやや浮かせて光ファイバ302と布線シート301との間の接着力を弱めておく。
【0066】
次に、光ファイバ302の凹部形成領域301b上に位置する部分において、布線シート301の面に対して45度の角度で傾斜した面を有する斜め溝302aを、ホットカッタ等を用いて光ファイバ302のファイバ軸と直交する方向に延ばして形成する。
【0067】
次いで、図11の(c)に示すように、布線シート301を真空吸引台座312上に載置し、凹部形成領域301bを真空吸引して布線シート301に凹部301aを形成する。さらに、ディスペンサ装置311によって液状のUV硬化型樹脂からなる光学接着剤304を凹部301a内に滴下する。ここで、真空吸引台座312の真空吸引穴312aは、円形の開口面を有し、開口部分がテーパー状に形成されているため、布線シート301を吸引することによって半球形の凹部301aが形成される。このように凹部301aを形成することによって、凹部301aがUV硬化型光学接着剤の滴下位置マーカになると共に、布線シート301に窪みを付けることで滴下した光学接着剤が過剰に布線シート301上に広がることがないので、光回路の集積化が可能になる。次いで、UV光源から光学接着剤304に紫外線を照射して光学接着剤304を固化させる。
【0068】
この後、図11の(d)に示すように、布線シート301の上面に光ファイバ302を挟むように樹脂シート306を密着させ、光ファイバ302を位置決め固定してファイバボード300が完成する。
【0069】
上記製造方法によれば、光分岐結合部を有するファイバボード300を非常に容易に製造することができる。
【0070】
さらに、上記の製造方法を用いることにより、UV硬化型光学接着剤を平面に滴下して固化するのみでレンズを形成するレンズ形成方法に比べて表面性状の温度や湿度並びに液粘性条件等の変動によるレンズ形状の変化を低減することができる効果もある。
【0071】
尚、本実施形態では半球形の凹部301aを形成したが、これ以外の形状をなす凹部301aであっても良い。この場合、真空吸引孔312aの開口部形状を変えることによって凹部301aの形状を変えることができる。
【0072】
さらに、凹部301a内に光学接着剤304によって形成するレンズは凸レンズに限定されることはなく、このレンズを介した分岐光の伝搬先に合わせた種類のレンズを適宜設けても良い。
【0073】
また、図12に示すように、異なる深さの複数の斜め溝302a,302bを設けることにより、1本の光ファイバ302から複数の分岐光Pout1,Pout2,Pout3を光バス配線として取り出すことも可能となる。この場合、複数の斜め溝302a,302bに対応して凹部301a,301cを設け、それぞれの凹部301a,301c内に固化した光学接着剤304によって凸レンズを形成する。
【0074】
また、図13に示すように、光透過性を有する樹脂層或いは空気層等からなる中間層307を挟んで2つのファイバボード300を互いに凹部301aが対向するように配置することにより、2つのファイバボード300間での分岐光の授受も可能になる。さらに、図14に示すように、斜め溝302aの深さを最大にすれば一方のファイバボード300の光ファイバ302を伝搬する光のほぼ全てを他のレイヤのファイバボード300の光ファイバ302に伝搬させることもできる。
【0075】
また、予め形成されているレンズを凹部301aに配置して光学接着剤304によって固定するようにしても良い。
【0076】
次に、本発明の第4実施形態を説明する。
【0077】
図15は、本発明の第4実施形態におけるファイバボードを示す要部概略平面図、図16は図15におけるA−A線矢視方向の要部概略断面図である。図において、400はファイバボードで、ファイバ布線シート(以下、単に布線シート称する)401と、布線シート401の一方の面上に布線された入力側光ファイバ(以下、単に光ファイバと称する)402と分岐側光ファイバ(以下、単に光ファイバと称する)403a,403b、布線シート401に形成された凹部401aに充填固化された光学接着剤404、光ファイバ402,403を挟むように布線シート401上に重ねて密着された布線シート406などから構成されている。
【0078】
布線シート401,406のそれぞれは、例えば50μm厚のシリコン樹脂フィルムからなり、布線シート401のほぼ中央部に半球形の凹部401aが形成され、該凹部401aの領域が光分岐結合部となっている。
【0079】
光ファイバ402,403a,403bのそれぞれは、例えば被覆されていないプラスチック光ファイバであり、光ファイバ402は凹部401aを通過すると共に凹部401aの窪んだ湾曲面に沿って湾曲するように布線シート401上に布線されている。これにより、光ファイバ402は、凹部401a内に湾曲部402aを有し、凹部401aの周縁部において互いに対向する位置に2つの光ファイバ曲げ回路402b,402cを有する。
【0080】
また、光ファイバ403a,403bは、その一端が端面形成されて該端面が凹部401aの周縁部に位置し且つ該端面が光ファイバ402の一方の光ファイバ曲げ回路402bにほぼ隣接するように光ファイバ402の両側に配置され、布線シート401上に布線されている。これにより、光ファイバ403a,403bのそれぞれの端面は、光ファイバ402の他方の光ファイバ曲げ回路402cに対向した状態になっている。
【0081】
また、凹部401a内には光学接着剤404が充填されて固化されている。この光学接着剤404は光ファイバ402の光ファイバ曲げ回路402b,402cと光ファイバ403a,403bのそれぞれの端面との間にも介在し、この固化した光学接着剤404によって光学部品が形成されている。
【0082】
上記構成よりなるファイバボード400は、上記凹部401aの領域において光分岐結合器として機能する。即ち、上記凹部401a領域を光分岐器として使用する場合は、光ファイバ402の入力側伝送路402dを凹部401a光ファイバ曲げ回路402cに向けて伝搬する光Pinが、凹部401a領域において光ファイバ402の他端側と光ファイバ403a,403bのそれぞれに分岐される。このとき、入力側伝送路402dを伝搬する光Pinは光ファイバ曲げ回路402cにおいてその一部が放射光となり、固化した光学接着剤404を伝搬する。光学接着剤404を伝搬する放射光は強い指向性を持っているので光ファイバ403a,403bの端面に入射されて分岐光Pout1,Pout3となり、それぞれ光ファイバ403a,403bを伝搬する。また、光ファイバ曲げ回路403cにおいて放射されなかった光は湾曲部402a及び光ファイバ曲げ回路402bを経由して出力側伝送路402eを分岐光Pout2として伝搬する。このとき、光ファイバ402の光ファイバ曲げ回路402cと光ファイバ403a,403bの端面との間に介在する固化した光学接着剤(光学部品)404によって、曲げによって生じた放射光の放散が防止され、高い伝搬効率が得られる。
【0083】
尚、本実施形態では、被覆されていない光ファイバを用いたが、被覆された光ファイバを用いて、光ファイバ曲げ回路402b,402cの部分の被覆を除去するようにしても良い。また、プラスチック光ファイバ以外の他の種類の光ファイバを用いても良い。
【0084】
また、光ファイバ403a,403bの端面から出射された光を光ファイバ曲げ回路402cに入射して、該光を光ファイバ402内を伝搬させることも可能であることは言うまでもない。
【0085】
次に、図17を参照して上記構成のファイバボード400の製造方法の一例を説明する。
【0086】
まず、図17の(a)に示すように、布線シート401上の凹部形成領域401bを通過するように光ファイバ402を布線すると共に凹部形成領域401bの周縁部に光ファイバ403a,403bの端面が位置するように布線する。このとき、凹部形成領域401b内では光ファイバ402を布線シート401に密着させ、光ファイバ403a,403bをやや浮かせて光ファイバ403a,403bと布線シート401との間の接着力を弱めておく。
【0087】
次に、図17の(b)に示すように、布線シート401を真空吸引台座412上に載置し、凹部形成領域401bを真空吸引して布線シート401に凹部401aを形成する。このとき、布線シート401の凹部形成領域401bが吸引されて変形するに伴い布線シート401に密着された光ファイバ402も変形し、凹部401aの形状に対応した湾曲部402aが光ファイバ402に形成される。ここで、吸引量を変化させることにより光ファイバ曲げ回路402b,402cにおける折り曲げ角度を変化させることができる。例えば、図18に示すように、吸引量を少なくすると光ファイバ曲げ回路402b,402cの折り曲げ角度が小さくなり、光ファイバ曲げ回路402b,402cから放射される光の放射方向がファイバ軸方向と異なる成分が増える。また、図19に示すように、吸引量を増すと光ファイバ曲げ回路402b,402cの折り曲げ角度が大きくなり、光ファイバ曲げ回路402b,402cから放射される光のほぼ全てがファイバ軸方向に放射されるようになる。この様に吸引量を調整して光ファイバ曲げ回路402b,402cから放射される光を光ファイバ403a,403bの端面方向に一致させると共に各光量が均等になるように調整する。
【0088】
この状態を維持して、図17の(c)に示すように、ディスペンサ装置411によって液状のUV硬化型樹脂からなる光学接着剤404を凹部401a内に滴下する。ここで、真空吸引台座412の真空吸引穴412aは、円形の開口面を有し、開口部分がテーパー状に形成されているため、布線シート401を吸引することによって半球形の凹部401aが形成される。このように凹部401aを形成することによって、凹部401aがUV硬化型光学接着剤の滴下位置マーカになると共に、布線シート401に窪みを付けることで滴下した光学接着剤が過剰に布線シート401上に広がることがないので、光回路の集積化が可能になる。
【0089】
次いで、UV光源から光学接着剤404に紫外線を照射して光学接着剤404を固化させる。この後、図17の(d)に示すように、布線シート401の上面に光ファイバ402,403a,403bを挟むように布線シート406を密着させ、光ファイバ402,403a,403bを位置決め固定してファイバボード400が完成する。
【0090】
上記製造方法によれば、光分岐結合部を有するファイバボード400を非常に容易に製造することができる。
【0091】
また、第4実施形態では凹部401aの一方の側にのみ分岐用の光ファイバ403a,403bを配置したファイバボード400を構成したが、図20に示すように、凹部401aを挟んで両側に分岐用の光ファイバ403a〜403dを配置したファイバボード400Bを構成すれば、凹部401aの領域を双方向の光分岐結合部として機能させることができる。また、分岐用の光ファイバの数をさらに増やしても良い。
【0092】
また、光ファイバ曲げ回路402b,402cとこれに対向するファイバ端面との間に集光用のレンズを設けても良い。
【0093】
尚、前述した各実施形態ではUV硬化型樹脂の滴下法としてディスペンサ装置を用いたが、本発明の製造方法はディスペンサ方式のみを対象としている訳ではなく、微小量の液滴を形成できる方式であれば他の方式を用いても良い。例えば、インクジェット方式のような液滴射出方式も含まれることは言うまでもない。
【0094】
さらに、上記各実施形態では光学接着剤としてUV硬化型樹脂を用いたが、これに限定されることはなく、光学的に透明な樹脂であれば熱可塑型や熱硬化型等の樹脂であっても良い。
【0095】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の請求項1乃至請求項8に記載のファイバボードの製造方法によれば、従来に比べて高効率な光分岐結合が得られると共に、集積化が可能となり、ファイバボード内部に多数の光分岐結合部を有するファイバボードを容易に製造することが できる。
【0096】
また、請求項5に記載のファイバボードの製造方法によれば、上記の効果に加えて、凹部内に光学接着剤を注入して固化することによって任意の形状のレンズを容易に形成することができ、例えば光学接着剤を平面に滴下して固化するのみでレンズを形成するレンズ形成方法に比べて表面性状の温度や湿度並びに液粘性条件等の変動によるレンズ形状の変化を低減することができるという非常に優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態におけるファイバボードを示す要部概略平面図
【図2】 図1におけるA−A線矢視方向の要部概略断面図
【図3】 本発明の第1実施形態におけるファイバボードの製造方法を説明する図
【図4】 本発明の第1実施形態におけるファイバボードの製造方法を説明する図
【図5】 本発明の第1実施形態におけるファイバボードの他の構成例を示す要部概略平面図
【図6】 本発明の第2実施形態におけるファイバボードを示す要部概略平面図
【図7】 図6におけるA−A線矢視方向の要部概略断面図
【図8】 本発明の第2実施形態におけるファイバボードの製造方法を説明する図
【図9】 本発明の第3実施形態におけるファイバボードを示す要部概略平面図
【図10】 図9におけるA−A線矢視方向の要部概略断面図
【図11】 本発明の第3実施形態におけるファイバボードの製造方法を説明する図
【図12】 本発明の第3実施形態におけるファイバボードの他の構成例を示す要部概略断面図
【図13】 本発明の第3実施形態におけるファイバボードの応用例を示す要部概略断面図
【図14】 本発明の第3実施形態におけるファイバボードの応用例を示す要部概略断面図
【図15】 本発明の第4実施形態におけるファイバボードを示す要部概略平面図
【図16】 図15におけるA−A線矢視方向の要部概略断面図
【図17】 本発明の第4実施形態におけるファイバボードの製造方法を説明する図
【図18】 本発明の第4実施形態におけるファイバボードの製造方法を説明する図
【図19】 本発明の第4実施形態におけるファイバボードの製造方法を説明する図
【図20】 本発明の第4実施形態におけるファイバボードの他の構成例を示す要部概略平面図
【図21】 理想的なファイバボードを示す要部概略平面図
【図22】 従来例のファイバボードの製造方法を説明する図
【符号の説明】
100,100B…ファイバボード、101…ファイバ布線シート、101a…凹部、102,102a,102b…入力側光ファイバ、103a,103b…分岐側光ファイバ、104…光学接着剤、105…微小球レンズ、106…ファイバ布線シート、111…ディスペンサ装置、112…真空吸引台座、112a…真空吸引穴、113…微小光学部品搭載マニピュレータ、114…UV光源、200…ファイバボード、201…ファイバ布線シート、201a…凹部、202…入力側光ファイバ、202a…入力側伝送路、202b…光ファイバ曲げ回路、202c…出力側伝送路、203a,203b…分岐側光ファイバ、204…光学接着剤、206…ファイバ布線シート、211…ディスペンサ装置、212…真空吸引台座、212a…真空吸引穴、300…ファイバボード、301…ファイバ布線シート、301a,301c…凹部、301b…凹部形成領域、302…入力側光ファイバ、302a,302b…斜め溝、304…光学接着剤、306…ファイバ布線シート、307…中間層、311…ディスペンサ装置、312…真空吸引台座、312a…真空吸引穴、400,400B…ファイバボード、401…ファイバ布線シート、401a…凹部、402…入力側光ファイバ、402b,402c…光ファイバ曲げ回路、403a〜403d…分岐側光ファイバ、404…光学接着剤、406…ファイバ布線シート、411…ディスペンサ装置、412…真空吸引台座、412a…真空吸引穴。
Claims (7)
- ファイバ布線シートの一方の面上に光ファイバが布線され、該光ファイバの端面或いは端面以外の部分の少なくとも何れか一方が位置する前記ファイバ布線シートの面に形成された凹部を含む領域に光分岐結合部を備え、前記凹部に光透過性を有する光学部品が設けられているファイバボードの製造方法であって、
前記凹部を形成する領域に対応して前記ファイバ布線シートの他方の面の側から吸引して凹部を形成する工程と、
該凹部内に光学接着剤を注入固化して光学部品を形成する工程とを含む
ことを特徴とするファイバボードの製造方法。 - 前記凹部を形成する領域に一方の端面が位置するように前記ファイバ布線シートの一方の面上に第1の光ファイバを布線する工程と、
前記凹部を形成する領域に一方の端面が互いにほぼ隣接して位置し且つ該端面が前記第1の光ファイバの一方の端面にほぼ対向するように前記ファイバ布線シートの一方の面上に2つ以上の第2の光ファイバを布線する工程と、
前記凹部を形成する領域に対応して前記ファイバ布線シートの他方の面の側から吸引して凹部を形成する工程と、
前記第1の光ファイバの一方の端面と前記第2の光ファイバの一方の端面との間に介在するように前記凹部内に光学接着剤を注入した後に球レンズを装着して前記光学接着剤を固化する工程とを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のファイバボードの製造方法。 - 第1の光ファイバを折り曲げて光ファイバ曲げ回路を形成し、該光ファイバ曲げ回路が前記凹部を形成する領域上に位置するように前記ファイバ布線シートの一方の面上に第1の光ファイバを布線する工程と、
前記凹部を形成する領域上に一方の端面が位置し且つ該端面が前記第1の光ファイバの光ファイバ曲げ回路にほぼ対向するように前記ファイバ布線シートの面上に第2の光ファイバを布線する工程と、
前記凹部を形成する領域に対応して前記ファイバ布線シートの他方の面の側から吸引して凹部を形成する工程と、
前記第1の光ファイバの光ファイバ曲げ回路と前記第2の光ファイバの一方の端面との間に介在するように前記凹部内に光学接着剤を注入して固化する工程とを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のファイバボードの製造方法。 - 前記ファイバ布線シートとして光透過性を有するシートを用い、該ファイバ布線シートの一方の面上に光ファイバを布線する工程と、
前記凹部を形成する領域上で前記ファイバ布線シートの面に対して所定の角度で傾斜した面を有する斜め溝を前記光ファイバに形成する工程と、
前記斜め溝の該当位置を含む前記凹部を形成する領域に対応して前記ファイバ布線シートの他方の面の側から吸引して凹部を形成する工程と、
前記凹部内に光学接着剤を注入して固化する工程とを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のファイバボードの製造方法。 - 前記凹部内に前記光学接着剤を注入し且つ固化することによってレンズを形成する工程を含む
ことを特徴とする請求項4に記載のファイバボードの製造方法。 - 前記凹部を形成する領域を通過し、少なくとも該領域においてシート面に密着させて前記ファイバ布線シートの一方の面上に第1の光ファイバを布線する工程と、
前記凹部を形成する領域に一方の端面が位置し且つ該端面が前記第1の光ファイバにほぼ隣接するように前記ファイバ布線シートの一方の面上に2つ以上の第2の光ファイバを布線する工程と、
前記凹部を形成する領域に対応して前記ファイバ布線シートの他方の面の側から吸引して凹部を形成し、該凹部表面に沿って前記第1の光ファイバを湾曲させて前記凹部の周縁部において光ファイバ曲げ回路を形成する工程と、
前記第1の光ファイバの光ファイバ曲げ回路と前記第2の光ファイバの一方の端面との間に介在するように前記凹部内に光学接着剤を注入して固化する工程とを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のファイバボードの製造方法。 - 前記凹部を形成するときの吸引量を変化させて前記第1の光ファイバの光ファイバ曲げ回路における折り曲げ角度を調整することを特徴とする請求項6に記載のファイバボードの製造方法。
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