JP3779453B2 - 自動車用ウェザーストリップおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用ウェザーストリップ及びその製造方法に関する。より詳しくは、サッシュレスドア型車用のルーフサイドウェザーストリップに、ピラーウェザーストリップの上端が取り付けられてなる自動車用ウェザーストリップ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5に示すように、サッシュレスドア型車のルーフサイド1沿いにはルーフサイドウェザーストリップ2が取り付けられるとともに、センターピラー3沿いにはピラーウェザーストリップ4が取り付けられている。そして、ピラーウェザーストリップ4の上端がルーフサイドウェザーストリップ2に例えば型成形により取り付けられている。
ここで、ピラーウェザーストリップ4は、通常、上下均一の直線形状であるが、側突対策あるいはドア開口の意匠的調和の観点から、図6に示すように、下方に向けて略ハの字に幅が広がるような形状にしたものが例えば、特開平8−238935号公報に開示されている。
【0003】
特開平8−238935号公報に記載の自動車用ウェザーストリップは、ピラーウェザーストリップ4を並列する2本の押出成形のピラーウェザーストリップ4A,4Bで構成し、両ピラーウェザーストリップ4A,4Bを、下方へ向けて相互の間隔が広がるように金型のキャビティに挿置し、キャビティに型成形材料を注入して両ピラーウェザーストリップ4A,4B間を型成形材料で連結し、ピラーウェザーストリップ4の下端に端末部6を型成形し、そして、別に準備したピラーモール7を、型成形による両ピラーウェザーストリップ4A,4B間の連結部8に配して固着したものである。なお、ルーフサイドウェザーストリップ2はフロント側2Aとリア側2Bに2分割されていて、ピラーウェザーストリップ4A,4Bの上端と型成形されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のように下方に向けてピラーウェザーストリップ4を末広がりにするには、フロント側とリア側に分離された押出成形品であるピラーウェザーストリップ4A,4Bを各1本必要とし、しかも、両ピラーウェザーストリップ4A,4Bの中央を型成形によってセンターピラー3の上部から下部にかけてまで連結する必要があるため、その金型が大きくなり、プレスも大きくなるため、それだけコスト高になるという問題がある。
【0005】
そこで本発明の目的は、金型及びプレスを縮小化して型成形時の費用削減を図ることのできる自動車用ウェザーストリップ及びその製造方法を提供することにある。
また他の目的は、外観上見栄えを悪くすることを防止することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の自動車用ウェザーストリップは、サッシュレスドア型車のルーフサイド(1)に沿って取り付けられるルーフサイドウェザーストリップ(2A,2B)に、センターピラー(3)に沿って取り付けられるピラーウェザーストリップ(14)の上端が取り付けられてなる自動車用ウェザーストリップにおいて、ピラーウェザーストリップ(14)は、一体的にかつ直線状に押出成形されたフロント側の中空シール部(14a)と、リア側の中空シール部(14b)と、及び両中空シール部(14a,14b)間を接続する連結部(14c)とからなり、連結部(14c)の下端から上方には連結部(14c)の付け根部を残してスリット(15)が形成され、両中空シール部(14a,14b)が下方に向けて幅が広がるようにスリット(15)に挿入された型成形材料(M)で両中空シール部(14a,14b)が連結され、ピラーウェザーストリップ(14)の下端に端末部(16)が型成形されるとともに、連結部(14c)に外装用のピラーモール(17)が固着されてなることを特徴とする(請求項1)。
【0007】
また、請求項1に記載の自動車用ウェザーストリップは、ピラーモール(17)を、ピラーモール(17)と連結部(14c)との間に隙間(P)を設けた状態で連結部(14c)を覆うようにして連結部(14c)に固着したことを特徴とする(請求項2)。
【0008】
本発明の自動車用ウェザーストリップの製造方法は、サッシュレスドア型車のルーフサイド(1)に沿って取り付けられるルーフサイドウェザーストリップ(2A,2B)に、センターピラー(3)に沿って取り付けられるピラーウェザーストリップ(14)の上端が取り付けられてなる自動車用ウェザーストリップの製造方法において、ピラーウェザーストリップ(14)の、フロント側の中空シール部(14a)と、リア側の中空シール部(14b)と、及び両中空シール部(14a,14b)間を接続する連結部(14c)とを一体的にかつ直線状に押出成形する工程、ピラーウェザーストリップ(14)の連結部(14c)の下端から上方に連結部(14c)の付け根部を残してスリット(15)を形成して、両中空シール部(14a,14b)を下方に向けて幅が広がるように中空シール部(14a,14b)の下端を略ハの字にした状態で金型のキャビティにセットする工程、そのキャビティに型成形材料(M)を注入して、スリット(15)を型成形してピラーウェザーストリップ(14)の下部を末広がりに固定するとともに、ピラーウェザーストリップ(14)の下端に端末部(16)を型成形する工程、連結部(14c)に外装用のピラーモール(17)を固着して製造する工程、とを備えることを特徴とする(請求項3)。
【0009】
なお、上記の括弧内の記号は図面及び後述する発明の実施の形態に記載された対応要素又は対応事項に対応するものである。
【0010】
本発明によれば、ピラーウェザーストリップの下端を末広がりにする場合に、従来例で示したようにピラーウェザーストリップをフロント側のガラス後縁に弾接する中空シール部とリア側のガラス前縁に弾接する中空シール部に分離して、すなわち、2本の押出成形品を連結部で連結する必要はなく、両中空シール部とそれらを連結する連結部とが1本の押出成形品だけでよいので、押出工数の削減が図れる。
それに加え、その1本の押出成形品にスリットを形成し、下端を広げる加工を施す場合、型成形する範囲はスリットが形成された部分だけでよく、従来例で示したように2本の押出成形品を1本にするように上から下まで型成形する必要はないため、金型及びプレスの縮小が図れ、しかも型成形材料の節約にもなる。
【0011】
特に請求項2に記載の発明によれば、ピラーモールが、連結部を車室外側から覆う際に、ピラーモールと連結部との間には隙間が設けられるので、ピラーウェザーストリップに形成されたスリットの上部の付け根部に、下端を略ハの字に開口することによりシワが発生してもシワは隙間内に納まり、ピラーモールを内側から車室外側に浮き上がらせるようなことはない。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1乃至図4を参照して、本発明の実施形態に係る自動車用ウェザーストリップ及びその製造方法について説明する。なお、従来例と同一部分には同一符合を付した。本実施形態に係る自動車用ウェザーストリップは、図1及び図2に示すように、サッシュレスドア型車のルーフサイド1に沿って取り付けられるルーフサイドウェザーストリップ2を構成するフロント側ルーフサイドウェザーストリップ2Aとリア側ルーフサイドウェザーストリップ2Bの対向する端末部に、センターピラー3に沿って取り付けられるピラーウェザーストリップ14の上端が型成形接続により取り付けられてなるウェザーストリップである。
【0013】
ピラーウェザーストリップ14は、一体的にかつ直線状に押出成形された、フロント側の中空シール部14aと、リア側の中空シール部14bと、及び両中空シール部14a,14b間を接続する連結部14cとからなり、その連結部14cの中央にはその下端から上方にかけてスリット15が形成され、両中空シール部14a,14bが下方に向けて幅が広がるようにスリット15に挿入された型成形材料Mで両中空シール部14a,14bが連結され、ピラーウェザーストリップ14の下端に端末部16が型成形されるとともに、連結部14cには外装用のピラーモール17が固着されてなるものである。
【0014】
なお、図2に示すように、スリット15の上部の付け根部には中央にシワSが発生するので、ピラーモール17は、連結部14cに対してその間に隙間Pを設けるような状態で連結部14cを車室外側から覆うようにして連結部14cに固着されている。これにより、シワSが車室外側に突出してもピラーモール17に当接して浮き上がらせることなく、シワSは隙間P内に納まるようにされているので外観上見栄えを特に悪くすることはない。
【0015】
このような、自動車用ウェザーストリップは以下のような工程によって製造される。
(1)ピラーウェザーストリップ14を構成するフロント側の中空シール部14aと、リア側の中空シール部14bと、及び両中空シール部14a,14b間を接続する連結部14cとを、一体的にかつ直線状に押出成形する。すなわち、ピラーウェザーストリップ14が単体として押出成形され、その時、中空シール部14aと中空シール部14bは連結部14cを介して並列状態にある。
(2)次に、図3に示すように、ピラーウェザーストリップ14の連結部14cの下端から上方にかけてスリット15を形成して、両中空シール部14a,14bを下方に向けて幅が広がるように中空シール部14a,14bの下端を略ハの字にした状態で金型のキャビティ(図示しない)にセットする。なおスリット15の上下方向の長さは、中空シール部14a,14bの下端を略ハの字に広げ易くするための長さ分であればよいが、後述するスリット15を型成形させる場合に金型及びプレスの縮小を図る点を考慮すると短い方が好ましい。
【0016】
(3)次に、キャビティに型成形材料Mを注入して、スリット15を型成形してピラーウェザーストリップ14の下部を末広がりに固定するとともに、ピラーウェザーストリップ14の下端に端末部16を型成形する。この時(別の工程で行ってもよい)、ピラーウェザーストリップ14の上端とルーフサイドウェザーストリップ2A,2Bの端末部とを型成形する。
このように、ピラーウェザーストリップ14の下端を末広がりにする場合に、ピラーウェザーストリップ14を中空シール部14aと中空シール部14bに分離して2本の押出成形品を連結部で連結するのではなく、1本の押出成形品にスリット15を入れ、下端を広げる加工を施すものであるので、押出工数の削減が図れる。それに加え、スリット15の部分、すなわち図3に示す範囲Lを型成形すればよいので、たとえば2本の分離した中空シール部14aと中空シール部14bとを上から下まで型成形する場合と比較して金型及びプレスの縮小が図れ、しかも型成形材料の節約にもなる。
(4)そして、連結部14cに図4に示すような、外装用のピラーモール17を固着することによって、図1に示す自動車用ウェザーストリップが完成する。
【0017】
【発明の効果】
以上のとおり本発明によれば、ピラーウェザーストリップの下端を末広がりにする場合に、1本の押出成形品だけでよいので、押出工数の削減が図れる。
それに加え、その1本の押出成形品にスリットを形成し、下端を広げる加工を施す場合、型成形する範囲はスリットが形成された部分だけでよく、従来例で示したように2本の押出成形品を1本にするように上から下まで型成形する必要はないため、金型及びプレスの縮小が図れ、しかも型成形材料の節約にもなる。
【0018】
特に請求項2に記載の発明によれば、ピラーモールと連結部との間に隙間が設けられることでスリットの上部の付け根部にシワが発生してもシワは隙間内に納まり、ピラーモールを内側から車室外側に浮き上がらせるようなことはないので、外観上見栄えを悪くすることが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の自動車用ウェザーストリップの要部を示す拡大斜視図である。
【図2】図1のA−A線拡大断面図である。
【図3】スリット15が形成され、下端が前後に広げられたピラーウェザーストリップ14を示す斜視図である。
【図4】ピラーモール17を示す斜視図である。
【図5】サッシュレスドア型車を示す外観側面図である。
【図6】従来例の自動車用ウェザーストリップの要部を示す拡大斜視図である。
【符号の説明】
1 ルーフサイド
2 ルーフサイドウェザーストリップ
2A,2B ルーフサイドウェザーストリップ
3 センターピラー
4 ピラーウェザーストリップ
4A,4B ピラーウェザーストリップ
6 端末部
7 ピラーモール
8 連結部
14 ピラーウェザーストリップ
14a 中空シール部
14b 中空シール部
14c 連結部
15 スリット
16 端末部
17 ピラーモール
L 範囲
M 型成形材料
P 隙間
S シワ
Claims (3)
- サッシュレスドア型車のルーフサイドに沿って取り付けられるルーフサイドウェザーストリップに、センターピラーに沿って取り付けられるピラーウェザーストリップの上端が取り付けられてなる自動車用ウェザーストリップにおいて、
前記ピラーウェザーストリップは、一体的にかつ直線状に押出成形されたフロント側の中空シール部と、リア側の中空シール部と、及び両中空シール部間を接続する連結部とからなり、連結部の下端から上方には連結部の付け根部を残してスリットが形成され、両中空シール部が下方に向けて幅が広がるように前記スリットに挿入された型成形材料で両中空シール部が連結され、ピラーウェザーストリップの下端に端末部が型成形されるとともに、連結部に外装用のピラーモールが固着されてなることを特徴とする自動車用ウェザーストリップ。 - 前記ピラーモールは、ピラーモールと連結部との間に隙間を設けた状態で連結部を覆うようにして連結部に固着されていることを特徴とする請求項1に記載の自動車用ウェザーストリップ。
- サッシュレスドア型車のルーフサイドに沿って取り付けられるルーフサイドウェザーストリップに、センターピラーに沿って取り付けられるピラーウェザーストリップの上端が取り付けられてなる自動車用ウェザーストリップの製造方法において、
前記ピラーウェザーストリップの、フロント側の中空シール部と、リア側の中空シール部と、及び両中空シール部間を接続する連結部とを一体的にかつ直線状に押出成形する工程、
ピラーウェザーストリップの連結部の下端から上方に連結部の付け根部を残してスリットを形成して、両中空シール部を下方に向けて幅が広がるように中空シール部の下端を略ハの字にした状態で金型のキャビティにセットする工程、
そのキャビティに型成形材料を注入して、前記スリットを型成形してピラーウェザーストリップの下部を末広がりに固定するとともに、ピラーウェザーストリップの下端に端末部を型成形する工程、
前記連結部に外装用のピラーモールを固着して製造する工程、とを備えることを特徴とする自動車用ウェザーストリップの製造方法。
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JP32694997A JP3779453B2 (ja) | 1997-11-12 | 1997-11-12 | 自動車用ウェザーストリップおよびその製造方法 |
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