JP3778932B2 - メッセージの通信方法 - Google Patents
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Description
本発明は、メッセージ通信方法及びシステムに関するものであり、特に搬送波電力対雑音電力比に対するメッセージ成功率を改善することに関するものである。本発明はこのシステムの構成部、すなわち一般的に固定された位置の1次ステーション及び一般的に移動可能な2次ステーションにも関するものである。
説明の便宜上、本発明は、「ザ ブック オブ ザ CCIR ラジオページングコードNo.1」に詳細が記載されている、POCSAG又はCCIRラジオページングコードNo.1から発展しこれと互換性を有する、高速ページングシステムに関連して説明する。この刊行物は、ロンドンW1P6HQ、23ハウランドストリートのセクレタリ、RCSG、ブリティシュ テレコム、ラジオページングから入手できる。POCSAGによれば、ページングメッセージはバッチで送信され、各バッチは、1つの同期コードワードと、それぞれ2個のコードワードを含む8個のフレームとを含む。各ページャすなわち2次ステーションは特定のフレームに割り当てられる。すなわちページング信号が1次ステーションから特定のページャに送信された場合、そのページング信号は8個のフレームのうちの予め決められたフレーム中に存在する。各POCSAGページャは、同期(sync)コードワードを受信し、かつここでも自己の特定のフレームの持続時間に亘って受信を行えるように、パワーアップされるよう制御される。メッセージの場合、メッセージコードワードはアドレスコードワードと連鎖させられる。POCSAGアドレスコードワード及びメッセージコードワードは、それぞれ32ビットを有し、このうち最初のビットはアドレスコードワードの場合値「0」を有し、メッセージコードワードについては値「1」を有する。両タイプのコードワードは、ビット位置22〜31において巡回冗長検査(CRC)ビットを含み、ビット32は偶数パリティを与える。メッセージの終端において、待機しているアドレスコードワードが送信される。この待機しているアドレスコードワードの送信は、最初の空きフレームに適している最初のものからスタートする。適切なアドレスコードワードがない場合、非割り当てアドレスコードワードであるアイドルコードワードが送信される。このようにアドレスコードワード又はアイドルコードワードを用いることにより、特定のメッセージ終了コードワード及び/又はメッセージ長インディケータを送ることが不要になり、メッセージの送信に必要な時間が短縮されるだけでなく受信の成功確率も増大する。
10ビットのCRCを用いることにより、2ビットのエラー訂正機能が提供される。連続するコードワードのブロックのビットをインタリーブすることにより、特にフェージング(fade)の際における保護の程度が改善される。ある特定のフレーム中のデコードされたアドレスコードワードはページャにより記憶されているアドレスと比較することができ、これらの間で適当な対応があると特定された場合このメッセージは受け入れられる。しかしながら、このオプションはメッセージコードワードでは利用可能でない。欧州特許EP−B1−0117595号の明細書は、2ビットのエラー訂正を用いる場合における1個又はそれ以上のデータコードワードによる誤った訂正である、フォルシング(falsing)に対する保護手段として、チェックサムを用いることを開示している。
高レートのデータメッセージの場合、フェージングの効果は一層顕著になり得る。この理由は、特定の持続時間のフェージングに対して、より低いビットレートで送信されるメッセージよりもより多くのビットが喪失されるためである。成功率を改善する1つの既知の技術は、1回又はそれ以上の回数に亘ってメッセージを再送信し、2次ステーションにおいてコードワード毎に比較を行ない、例えば2回の再送信がある場合多数決によるなどして、コードワードを正しいものと判定する技術である。それにも拘わらず、依然として残る課題は、いつ1個のメッセージが終了し別のメッセージが開始するのかが、フェージングにより不明瞭とされ得ることである。
本発明の1つの目的は、いかなる搬送波電力対雑音電力比に対してもメッセージ成功率を改善することにある。
本発明の第1の側面によれば、データメッセージを送信及び受信する方法であって、複数のコードワードからメッセージを編集し、このメッセージについてのチェックサムを計算し、前記チェックサムをメッセージ中に埋め込むステップと、メッセージを送信するステップと、送信されたメッセージを受信するステップと、コードワードを回復するステップと、連続するコードワードを記憶するステップと、各コードワードが記憶されるごとに、元の送信されたメッセージ中のチェックサムを特定するために用いたアルゴリズムと同一のアルゴリズムを用いてチェックサムを特定するステップと、そうして特定されたチェックサムが元の送信されたメッセージ中に埋め込まれているチェックサムと対応するとき、この対応を記録するステップとを具える方法が提供される。
本発明による方法は種々のやり方で動作するように構成でき、例えば計算されたチェックサムと受信されたチェックサムとの間の対応を、メッセージが完全であることの指示として扱うことができる。又はこの対応を、例えばフェージングにより次のアドレスコードワード又はアイドルコードワードの受信がないときの、メッセージが完全であることの指示として用いることができる。各メッセージが少なくとも2回送信されるシステムにおいて、最終形態のメッセージは、例えば受信された最初の形態のメッセージ中と各繰返しのメッセージ中との対応のコードワードを比較することにより、コードワード毎に組み立てられる。組立てられている最終形態のメッセージに各コードワードが追加されるごとに、送信されたメッセージ中に埋め込まれたチェックサムを計算するために用いたアルゴリズムと同一のアルゴリズムを用いてチェックサムを特定し、そうして特定されたチェックサムが送信されたメッセージ中に埋め込まれたチェックサムと対応するとき、この対応を記録し、この対応を上述したように用いる。
本発明の第2の側面によれば、チェックサムを計算して各メッセージ中に埋め込む手段と、メッセージを送信する手段と、送信されたメッセージを受信する手段と、必要な場合メッセージについてエラー訂正する手段と、連続するコードワードを記憶する手段と、記憶済コードワードへの各コードワードの追加に応答して、元の送信されたメッセージ中のチェックサムを計算するために用いたアルゴリズムと同一のアルゴリズムを用いてチェックサムを特定する手段と、特定されたチェックサムが元の送信されたメッセージ中に埋め込まれているチェックサムと対応する際に記録を行う手段とを具えるデータメッセージを送信及び受信するシステムが提供される。
本発明の第3の側面によれば、送信すべきデータを符号化及びフォーマット化する手段と、この符号化及びフォーマット化されたデータについてチェックサムを特定し、このチェックサムをフォーマット化されたデータ中に埋め込んでメッセージを形成する手段と、メッセージを送信する手段とを具える、本発明の第2の側面に従うシステムに用いる1次ステーションが提供される。
本発明の第4の側面によれば、送信されたメッセージを受信する手段と、メッセージを構成するコードワードをデコードする手段と、デコードされたコードワードを記憶する手段と、各コードワードの記憶に応答してチェックサムを計算する手段と、計算されたチェックサムを前記送信されたフォーマット化されているメッセージ中に埋め込まれているチェックサムと比較する手段と、計算されたチェックサムと埋め込まれているチェックサムとが対応する際に記録を行う手段とを具える、本発明の第2の側面に従うシステムに用いる2次ステーションが提供される。
本発明は、2次ステーションにより組み立てられているメッセージに正しいコードワードが追加されるとごにチェックサムを毎回計算し、その計算されたチェックサムがオリジナルの送信されたチェックサムに等しいとき、相当程度の確信をもって、完全なメッセージが組み立てられているものと判断できるという認識に基づいている。
ビットインターリーブのような技術を用いて、フェージング効果に対する保護を増大することもできる。
【図面の簡単な説明】
図1はページングシステムを示す図である。
図2はバッチ構造の一例を示す図である。
図3Aはアドレスコードワード及び連鎖させられたメッセージコードワードの、第1の構成を示す図である。
図3Bはアドレスコードワード及び連鎖させられたメッセージコードワードの、第2の構成を示す図である。
図4Aはバッチのフレーム中の2個の連鎖させられたメッセージの送信及び受信を示す。
図4Bは図4Aに示すメッセージの繰返しの送信及び受信を示す。
図4Cは受信機におけるメッセージの最終形態の組立てを示す。
図5は1次ステーションの概略ブロック図である。
図6は1次ステーションの動作に関するフローチャートである。
図7は2次ステーションの概略ブロック図である。
図8は、データメッセージの1回の送信がある場合の、2次ステーションの動作に関するフローチャートである。
図9は計算されたチェックサムと埋め込まれているチェックサムとが対応する場合にさらなるデコードを停止させるのに優先させて、次のコードワードのデコードを行う2次ステーションの動作に関するフローチャートである。
図10は、データメッセージが繰り返される場合の2次ステーションの動作に関するフローチャートである。
図11はバッチ零マーカの図である。
発明の実施の形態
以下、例として図面を参照して、本発明を説明する。図面においては、対応の特徴部分の識別には同一の参照番号が用いられている。
図1に示すページングシステムは、ページングリクエストを受信し、用いられているプロトコルに応じてアドレス及びメッセージをフォーマット化するページングコントローラ10を具える。ページングコントローラ10は、準同期モードで動作させられている複数のベースステーション送信機12A,12Bに接続されている。複数のデジタルページャ、すなわち2次ステーションSS1,SS2は、ベースステーション12A,12Bのカバーエリア内で自由に移動する。ページャSS1,SS2の動作及びバッテリ節約の特徴は、遵守されているプロトコルにより決定されるものに対応する。
図2に示すここでの実施例において、用いられるページングプロトコルは6.8秒の持続時間を有する連続するサイクルを含む。各サイクルは、それぞれ2.267秒の持続時間を有する3個のバッチB0、B1、B2を含み、各バッチは、32ビットの同期コードワードと、それぞれm個のコードワード(CW)を含むn個のフレームとを含む。例えば毎秒6400ビットのデータレートの場合n=28、m=16で各コードワードは32ビット長となるが、種々の変更が可能である。図3A及び図3Bを参照するに、各メッセージは32ビットのアドレスコードワードADDで始まり、これに複数のメッセージコードワードMが連鎖させられている。POCSAGで一般的なように、アドレスコードワードの最初のビットは値「0」を有し、メッセージコードワードの最初のビットは値「1」を有する。同様に、各タイプのコードワードは、エラー検出用の10ビットの巡回冗長検査(CRC)ワード及びこれに続く偶数パリティビット(P)を有する。受信機におけるフォルシングに対する防衛のため、チェックサムCSMが付加されている。図3Aにおいて、チェックサムCSMは、実際のアドレス用に16ビットを残して、アドレスコードワードの4ビット分として埋め込まれている。図3Bにおいては、チェックサムCSMは、最初のメッセージコードワードM1中に埋め込まれるか、又はADDとM1との間に位置するベクトルフィールドが設けられていればそのベクトルフィールド中に埋め込まれる。チェックサムを特定する1つの方法は、実際のメッセージのみのビット(すなわち1メッセージコードワード当たり20ビット)の和をとり、この和を多項式(polynominal)で割り、余りをチェックサムとする方法である。メッセージの終端は、次に続くメッセージと関連するアドレスコードワードの存在により示される。
2次ステーションSSは、バッチの予め決められた各フレームにそれぞれ割り当てられる。電流を節約するため、2次ステーションの受信機は、同期コードワードSを受信しその後バッチ中の予め決められたフレームを受信するように作動させられる(すなわちアクティブ状態とされる)よう、制御される。ページングコントローラ10(図1)は、ある2次ステーションに向けられたメッセージが、その割り当てられたフレーム内で送信開始されるように手配する。
本発明によれば、アドレスワードコード中又は最初のメッセージコードワード中にチェックサムCSMを含ませることは、各コードワードに2ビットのエラー訂正の適用を可能とするような、エラーに対する防衛をもたらす。後で説明するように、このチェックサムは、フェージングにより喪失又は破壊される可能性のあるメッセージ終了コードワード、又はアドレスもしくはアイドルコードワードのいずれをも必要とすることなく、データメッセージの終端を検出することに用いることもできる。
動作中、2次ステーションは、自己の予め割り当てられたフレームにおいて作動させられ、一連の信号を受信する。説明のため、アドレスコードワードADDと3個のメッセージコードワードM1,M2,M3とを含むメッセージが、シーケンス中に存在するものとする(例えば、図4A参照)。各コードワードが受信されると、必要であればエラー訂正されて、記憶される。最初のコードワード全体が記憶されると、このコードワードはデコードされ、これはアドレスコードワードADDであるので、このコードワードが、この2次ステーションに割り当てられたアドレスコードワードの1つに対応するか否かがチェックされる。この2次ステーションに割り当てられたアドレスコードワードに対応し、かつこのアドレスコードワードがチェックサムCSMを含む場合、このチェックサムが記憶される。本例の場合、次に続くコードワードはメッセージコードワードM1であり、したがって、適用可能な場合エラー訂正した後、この受信機のプロセサにより、ページングコントローラで用いたアルゴリズムと同一のアルゴリズムを用いてチェックサムが計算され、計算されたチェックサムが記憶されているチェックサムと比較される。そして、計算されたチェックサムが記憶されているチェックサムに等しくない場合、次のメッセージコードワードM2についてこのシーケンスが繰り返されるが、この例ではここでも2つのチェックサムは等しくない。このシーケンスは第3のメッセージコードワードM3についても繰り返され、この時3個のメッセージコードワードについて計算されたチェックサムは、記憶されているチェックサムに等しくなる。プロセッサは、チェックサムが対応していることの指示に応答して、完全なメッセージが受信されたと判断し、受信した一連の信号についてのさらなる分析を停止する。この判断は、次に続くコードワードがアドレスコードワード又はアイドルコードワードであるか否かをチェックすることにより確認する必要なく、受信された信号に基いて行われる。次に続くコードワードをデコードする必要がないことによる利点は、4コードワードのメッセージに対して25%であるオーバヘッドが減少すること、および、デコードしなくてはならないコードワードの数が減少すればする程成功率が増大することである。デコードされた完全なメッセージは、表示又は後の表示のために記憶することができる。
フェージングが起こり、1又はそれ以上のコードワードが損なわれると、チェックサムは等しくなるおそれがある。従って、2次ステーションは、メッセージコードワードをデコードできない場合、さらなる分析を停止する。この理由は、2次ステーションはチェックサムが等しくならないことを知っているためである。
2次ステーションが、受信信号中のアドレスコードワードが自己に割り当てられたアドレスコードワードのうちの1つでないと判定した場合、2次ステーションはチェックサムを記憶せず、また連鎖させられたメッセージコードワードについての計算を行わない。
この方法をうまく実施できるようにするためには、チェックサムを含むアドレスコードワード(図3A)、又はアドレスコードワード及びチェックサムを含むメッセージコードワード(図3B)の、受信およびデコードに成功する必要がある。
上述した方法の変形例では、2次ステーションのプロセッサは、メッセージの終端を特定するために、次に続くアドレスコードワード又はアイドルコードワードを探索するようにプログラムされる。しかしながら、コードワードごとのチェックサム計算及び埋め込まれたチェックサムとの比較は、フェージングの発生により送信が損なわれた際にもメッセージの終端の指示を与えるために、依然として実施される。この変形例において、アドレスコードワードまたはアイドルコードワードの受信は、メッセージの終端を特定する際、チェックサム間の対応に優先する。既に指摘したように、より多くのコードワードをデコードするよりもより少ない数のコードワードをデコードする方が、本質的により信頼性が高い。
任意の搬送波電力対雑音電力比について受信機でのメッセージ成功率を改善するため、各メッセージは少なくとも2回送信されてもよい。説明のため、各バッチが2回送信されるとする(すなわち、バッチB1はB0の複製とする)。一方、これは必ずしも適当でない場合があり、メッセージを予め決められた時に繰り返すことでも十分である。
図4AはアドレスコードワードADD1で開始しこれにメッセージコードワードM1,M2,M3が連鎖させられているフレームでの送信形態を示す。各アドレスコードワードADD2、ADD3で開始する他のメッセージは、第1のメッセージに連鎖させられている。2次ステーションにおいて、その受信機は自己のそれぞれのフレームについてパワーアップされ、可能な場合には、その2次ステーションに向けられたメッセージに属するかもしれない全てのコードワードを記憶する前にエラー訂正を行なう。必要な場合、記憶は、この2次ステーションに向けられたメッセージが終端することを表す積極的な指示があるまで、例えば別のステーションに向けられた後続メッセージの開始が受信されるまで、後続するフレームについても続く。
次のバッチ(図4B)中の対応するコードワードが受信され、必要な場合エラー訂正され、以前に記憶された対応するコードワードと比較される。繰返しの送信からのデコード可能なコードワードを用いて、前の送信中のデコードできないコードワードに起因するギャップを充填する。その2次ステーションに割り当てられたアドレスコードワードであるアドレスコードワードADD1がデコードされると、チェックサムCSMが記録される。アドレスコードワードADD1に続きコードワードM1から始まるデコード可能なメッセージコードワードの各々につき、メッセージの送信の前にそのメッセージのチェックサムを特定するために用いたアルゴリズムと同一のアルゴリズムを用いて、チェックサムが特定される。このチェックサムはADD1中のチェックサムと比較され、合致しない場合には、チェックサムが対応するまで又は別のアドレスコードワードが受信されるまで、この処理をメッセージコードワードM2,M3・・・に関しても繰り返す。前記チェックサムの対応はメッセージの終了とみなせ、したがってその時点で更なる分析を終了する。このように組み立てられたメッセージを図4Cに示す。
メッセージ終了フラグ又は次のアドレスコードワードの検出に頼るのとは別に、又はそれに加えてチェックサムを用いる利点は、送信中にメッセージ終了フラグ又はアドレスコードワードのいずれかが不完全にされると、そのメッセージ終了フラグ又はアドレスコードワードが検出できなくなることにある。
一旦完全なメッセージが構築されると、このメッセージは表示されるか、又は後のリコールのためにRAMに記憶される。
メッセージを2回又はそれ以上の回数にわたって再送信し、対応するコードワードを比較する場合、多数決による特定を行ってもよい。
いくつかのクラスのページャは、たとえばバッチB0の同期コードワードを検出する他には、1サイクルを構成する3個のバッチのうちの1個のバッチのみの1フレームに亘って作動させられるといったような、拡張されたバッテリ節約モードで動作する場合がある。かかる状況では、メッセージの再送信は次のサイクルの対応するバッチの同一フレーム中に位置する。
図5は、この例ではオペレータにより制御されたキーボード(図示せず)又はパーソナルコンピュータ(図示せず)のいずれかから送信されたデータを受信する手段14を含む、1次ステーションPSのブロック図である。受信手段14からのデータはステージ16に中継され、ここで符号化され、フォーマット化され、チェックサムが計算され、そのチェックサムが前述したようにアドレスコードワード又は最初のメッセージコードワードに加えられる。ステージ18において、連鎖させられたアドレスコードワード及びメッセージコードワードは、同期コードワード及びバッチ零インディケータと共にバッチに組み立てられ、その後このバッチは変調器20において搬送波に変調され、送信機22により送信される。
図6は1次ステーションPSで実行される一連の動作を示すフローチャートである。
このフローチャートはメッセージデータの記憶に関するブロック24から開始し、このメッセージデータはブロック26で符号化される。ブロック28において、符号化されたメッセージデータをコードワードにフォーマット化する。この処理は、コードワードの先頭にフラグを付加し、各コードワードの終端にCRC及び偶数パリティを付加するステップを含む。ブロック30はフォーマット化されたコードワードを連鎖状のストリングに構成するのに関係する。ブロック32においてメッセージ全体について例えば上述した方法でチェックサムCSMが計算され、ブロック34においてそのCSMがアドレスコードワード中、最初のメッセージコードワード中、又はアドレスコードワードと最初のメッセージコードワードとの間のベクトルフィールド中に埋め込まれる。ブロック36において、このようにフォーマット化された完全なメッセージが、メッセージのバッチ内に組み込まれる。
ブロック38において、組み立てられているバッチに加えるべきさらなるデータメッセージが存在するか否かがチェックされる。答えがYes(Y)の場合、フローチャートはブロック24に戻り、No(N)の場合ブロック40に移行する。このブロック40で同期コードワード及びバッチ零マーカBZMがこの組み立てられたバッチに付加され、ブロック42においてこのバッチ全体が記憶される。内部タイマで決定される適当な瞬時において、このバッチが読み出され、変調され(ブロック44)、送信される(ブロック46)。ブロック48において、このバッチが再送信されるべきものか否かがチェックされる。その答えがYes(Y)の場合、即ち1次ステーションが繰り返しメッセージモードで動作し、少なくとも1回の繰返しが送信されるべき場合には、フローチャートはブロック44に進み、答えがNo(N)の場合、即ち1回だけの送信が必要とされている場合又は最終の繰り返し送信が完了した場合には、フローチャートはブロック24に進む。
図7を参照するに、2次ステーションSSは受信機52に接続されたアンテナ50を有し、この受信機52はデコーダ54に接続された出力部を有する。アドレスコードワード検出器56が、デコーダ54に接続されている。この2次ステーションがメッセージの1回送信に対して動作する場合、デコーダ54の出力部はプロセサ62の入力部に接続される。このプロセサ62はROM64に記憶されているプログラムに従って動作する。
或いは、2次ステーションがメッセージの1回以上の繰返しを処理する場合、デコーダ54の出力部は、図面の破線で示すように、単極多方向スイッチング手段58を介して複数のシフトレジスタSR1〜SRnに接続される。信号結合手段60は、シフトレジスタSR1〜SRnの出力部に接続された入力部と、プロセサ62に接続された出力部とを有する。
プロセサ62は、以下の出力を含む複数の出力を供給する。
(1)受信機52の作動(energisation)を制御するパワー制御ステージ66に結合される受信機on/off信号
(2)メッセージを記憶するRAM68に結合されるメッセージ出力/入力
(3)RAM68から読み出されたメッセージLCDパネル72に表示するための駆動回路70に結合される出力
(4)音響トランスジュウサ74、例えばLEDのような発光装置76、およびバイブレータ78のうちの、1個又はそれ以上に供給されるアナウンス信号出力
キーボート80はプロセサ62に接続された出力部を有する。
図8は1回のみ送信されたメッセージの終端を特定することに関連するフローチャートである。
ブロック79はフローチャートのスタートを示す。ブロック81は予め決められたフレーム中に亘り2次ステーションを作動させることを示す。ブロック83は、そのフレーム中で受信された信号のエラー訂正及びデコード動作と関連する。ブロック85は、デコードされたアドレスがその2次ステーションに割り当てられたアドレスのうちの1つに対応するか否かのチェックを示す。答えがNo(N)の場合、フローチャートはブロック83に戻る。一方、答えがYes(Y)の場合、ブロック87においてアドレスコードワードからチェックサムCSMが、再び取り出され記憶される。
ブロック89は連続するメッセージコードワードのエラー訂正及びデコードを示す。ブロック91において、メッセージコードワードがデコード可能であるか否かが確認される。答えがYes(Y)の場合、ブロック93においてこのコードワードがメッセージコードワードであるか否かがチェックされる。答えがYes(Y)の場合、ブロック95において、このメッセージコードワードは、アドレスコードワードと連鎖されている、既にデコードされたメッセージコードワードに連鎖させられる。ブロック97において、1次ステーションで用いたアルゴリズムと同一のアルゴリズムを用いてチェックサムが計算される。ブロック99において、記憶されているチェックサムと計算されたチェックサムとが比較される。ブロック101において、チェックサムが同一か否かがチェックされ、同一でない場合フローチャートはブロック89に戻る。一方、同一の場合、メッセージは完全であるとみなされ、ブロック103においてこのメッセージが表示及び/又は後の表示のために記憶される。ブロック109はフローチャートをブロック81にリセットすることに関係する。
ブロック91からの答えが、メッセージコードワードがデコード不能であることを特定するNo(N)の場合、ブロック105において、それまでに組み立てられたメッセージは、破棄又は警告と共に不完全に表示されてもよい。フローチャートはブロック109に続く。
ブロック93からのNo(N)の答えは、アドレスコードワード又はアイドルコードワードが検出されたことを示し、このことは、たとえばメッセージ中の誤った(false)コードワードのために、CSMがメッセージの終端を識別しそこなったことを示している。ブロック107において、このメッセージは、破棄又は警告と共に不完全に表示されてもよい。フローチャートはブロック109に続く。
図9は、次のアドレスコードワードまたはアイドルコードワードの検出によるメッセージの終端の特定が、CSM間の対応に優先される処理に関連するフローチャートである。簡潔に記載するためこのフローチャートにおいてブロック89までの説明は省略する。ブロック91においてメッセージコードワードがデコード可能であるか否かがチェックされる。答がYes(Y)の場合、ブロック93においてこのコードワードがメッセージコードワードか否かが確認され、答がYes(Y)の場合、ブロック95においてこのコードワードが他のメッセージコードワードに連鎖させられ、フローチャートはブロック89に戻る。
ブロック91の答がNo(N)の場合、ブロック97においてこれまでのメッセージコードワードからCSMが計算される。ブロック99において、計算されたCSMが、アドレスコードワード中、最初のメッセージコードワード中、又はベクトルフィールド中に埋め込まれているCSMと適切に比較される。ブロック101において、これらCSMが互いに合致しているか否かが確認される。答がYes(Y)の場合、ブロック103において、メッセージが表示されるか、又は後の表示のために記憶される。答がNo(N)の場合、ブロック111において、不完全であるとみなされるメッセージは、破棄又は警告と共に不完全に表示されてもよい。フローチャートは、ブロック103及び111から、リセットブロック109に進む。
ブロック93での答がNo(N)の場合、ブロック111がブロック113で置換されていることを除き、このフローチャートは、便宜上添字Aが付された同一の番号により識別されるステップ97〜109を繰り返す。簡潔にするため、これらのステップについては説明を省略する。ブロック101からの答が、受信されたCSMと再計算されたCSMとが相異していることを示すNo(N)の場合、そのことはCSMがメッセージの終端を識別し損ねたことを示唆するため、ブロック113においてこのメッセージは破棄又は警告と共に表示されてもよい。
図10はメッセージが繰り返される場合のメッセージの終端の特定に関するフローチャートである。ブロック82はn個の連続するバッチ中の予め決められたフレームに亘って受信機を作動させることに関係する。ここで、nは典型的には2と4との間の整数である。ブロック84は受信されたデコード可能な信号のデコードに関係し、この動作はコードワードのエラー訂正を含んでいてもよい。ブロック86は次に続くメッセージの開始を示すアドレスコードワードの検出に関係する。ブロック88は、アドレスコードワードが検出されたか否かのチェックに関係し、その答がNo(N)の場合、受信されたデータのデコードは続くが、答がYes(Y)の場合フローチャートはブロック90a〜90nへと進む。これらブロック90a〜90nは、予め決められた数のバッチの対応するフレーム中でなされた複数回の送信を記憶することに関連する。同一メッセージの繰り返し送信の回数は、通信システムの定数である。
ブロック92はそれぞれの記憶された送信中のコードワードを組み合わせることに関係する。1以上の種々の既知の技術、例えば、エラーが多すぎて使用されているエラー訂正アルゴリズムにより訂正し得ないコードワードではなく、正しくエラー訂正されたコードワードを選択する技術や、特にブロック90a〜90nにより3回以上の送信が記憶される場合に多数決の論理を用いる技術を、使用することができる。ブロック94はアドレスコードワード中のチェックサムを再び取り出し記憶することを示す。各コードワードが、それより前に受け入れられた、メッセージの記憶部中のコードワードと連鎖させられるごとに、ブロック96でチェックサムが生成される。ブロック98は、生成されたチェックサムを、アドレスコードワードから再び取り出したチェックサムと比較することを示す。ブロック100において、これらチェックサムが合致するか否かが判断され、合致しない(N)場合、コードワードの組み合わせ、新しいチェックサムの計算、及びチェックサムの比較のサイクルが繰り返される。チェックサムが合致する(Y)場合、ブロック102においてメッセージ終了フラグが生成され、このことが、コードワードのさらなる組み合わせを阻止しブロック90a〜90nの処理で記憶したデータを消去する。ブロック104はRAM68にメッセージを記憶することに関係し、ブロック106は2次ステーションのリセットに関係する。
図11は32ビットのバッチ零マーカBZMを示す。このマーカは、最も簡単な形態では、例えば3個の高速バッチ又は1200b/秒の15個のバッチのような、数個のバッチのサイクル中での最初のバッチを識別するために用いられる。簡単なBZMの使用は欧州特許出願公開EP−A1−0554941号の明細書に開示されている。1つの改良された形態においては、このBZMは、必要に応じて自身を適合させることができるように、2次ステーションに情報を伝送するために用いることができる。本発明に適用できる1つの改良形態においては、このBZMは、2次ステーションに対して、各サイクル毎に1回ずつではなく各高速バッチ毎に1回ずつパワーアップする必要があることを指示することができる。
メッセージが2回以上繰り返される方法に好適なBZMを図11に示す。本質的には、このBZMは、全体としてPOCSAGアドレスコードワードに適合したフォーマット及び32ビットを有するアドレスコードワードである。従って、最初のビットは、このコードワードがアドレスコードワードであるか又はメッセージコードワードであるかを示すのに用いられ、ビット22〜31はCRCであり、ビット32は偶数パリティを与える。
ビット2は、このコードワードの目的がBZMとしてであるか又は2次ステーションのアドレスとしてであるかを指示するために用いられる。ビット3〜6は、このシステムのオペレータの識別に用いられ、ビット7〜15は、エリアの識別に用いられる。ビット16は、このコードワードがBZMであるかBZMメッセージであるかを識別するのに用いられる。ビット17及び18は何回メッセージが繰り返されているかを示し、2ビットにより例えば0,1,2又は3の4個の条件について信号化することができる。ビット19及び20は、現在のバッチ内においてどの繰返しが送信されているかを識別するために用いられ、ビット21は、このシステムがサイクルモードで動作しているか、又はバッチモードで動作しているかを示すために用いられる。
詳細に説明されていないが、デコード不能なコードワードが受信され、メッセージの終端がアドレスコードワード又はアイドルコードワードの受信により検出される場合、埋め込まれたチェックサムは、フォルシングの確認といったような、より従来型の用法で用いられてもよい。
上述した開示内容より、当業者にとって種々の変形が可能である。これらの変形は、通信システムならびにその構成部の設計、製造及び使用において既知の他の特徴であって、本明細書で説明した特徴に置換して又は共に用いることができるものを含んでいてもよい。本願の特許請求の範囲は、特定の特徴の組合せを表すように構成されているが、本願の開示の範囲は、現在のところのいずれかの請求項に記載された発明と同一の発明に関連するか否か、および本発明と同一の技術的課題のいずれかまたはすべてを軽減させるか否かにかかわらず、本明細書で明示的または暗示的に開示されているあらゆる新規な特徴ならびに新規な特徴の組合せおよびそれらのあらゆる包括概念を含む点を理解されたい。ここで、本願または本願から派生したさらなる出願の権利化過程において、新たな請求項が、上記のような特徴および/または特徴の組合せを表すように構成されるかもしれない点を注記しておく。
ページングシステム又は専用メッセージ伝送システムによる、テレスクリプトのような比較的長いデータメッセージの伝送に、本発明は好適である。
Claims (12)
- データメッセージを送信及び受信する方法であって、
送信機側において、複数のコードワードからメッセージを編集し、このメッセージについてのチェックサムを計算し、前記チェックサムを該メッセージ内に埋め込むステップと、該メッセージを送信するステップとを具え、かつ、
受信機側において、送信された前記メッセージを受信するステップと、該メッセージ内のコードワードを順次デコードして、各コードワードのデコード後ごとに、デコード済みコードワードについてチェックサムを計算するステップと、該計算されたチェックサムが元の送信されたメッセージ内に埋め込まれているチェックサムと対応するときこの対応を記録するステップとを具える方法。 - 請求項1に記載の方法において、前記チェックサムの対応の記録に応答して、前記メッセージを完全なメッセージとして扱うことを特徴とする方法。
- 請求項1に記載の方法において、前記コードワードを次のメッセージのアドレスコードワードが認識されるまで順次デコードし、該アドレスコードワードの認識に応答してその前のコードワードまでのメッセージを完全なメッセージとして扱うことを特徴とする方法。
- 請求項1に記載の方法において、デコード不能なコードワードが検出されるまで前記コードワードを順次デコードし、前記チェックサムの対応が得られたか否かをチェックし、得られた場合には、該対応をもたらしたコードワードを含む該コードワードまでのメッセージを完全なメッセージとして扱うことを特徴とする方法。
- メッセージが、1つのアドレスコードワードと、連鎖させられた複数のメッセージコードワードとを含む請求項1に記載の方法において、前記チェックサムが前記アドレスコードワード内に埋め込まれていることを特徴とする方法。
- メッセージが、1つのアドレスコードワードと、連鎖させられた複数のメッセージコードワードとを含む請求項1に記載の方法において、前記チェックサムが、前記アドレスコードワードと連鎖させられた前記メッセージコードワード内に埋め込まれていることを特徴とする方法。
- 請求項1に記載の方法において、各メッセージを少なくとも2回送信し、該メッセージの最初の送信を受信し、必要な場合コードワードをエラー訂正し、各コードワードをデコードし、デコードされたコードワードを記憶し、該メッセージの各繰返しの送信を受信し、必要な場合受信されたメッセージの各繰返しの送信のコードワードをエラー訂正し、各コードワードをデコードし、繰り返されたメッセージをコードワードごとに記憶し、記憶された最初のメッセージから開始して、該最初のメッセージ内とその各繰り返されたメッセージ内との対応するコードワードを比較することにより最終形態のメッセージを組み立て、組み立てられている最終形態のメッセージに各コードワードが付加されるごとに、前記チェックサムを計算し、該計算されたチェックサムが元の送信されたメッセージ内に埋め込まれている前記チェックサムと対応するときに、当初のメッセージと繰り返されたメッセージとのさらなる比較を終了させることを特徴とする方法。
- 送信機側において、送信すべきデータを符号化及びフォーマット化し、この符号化及びフォーマット化されたデータについてチェックサムを特定し、このチェックサムをフォーマット化されたデータ内に埋め込んでメッセージを構成し、前記メッセージを、コードワードのバッチの形態で少なくとも2回、同一のメッセージの各送信について予め決められた間隔で送信し、
受信機側において、各バッチ内のメッセージデータを受信しデコードすると共にデコード済みデータを記憶し、少なくとも2回送信された該メッセージの各送信のデコード済みデータ内の対応するコードワードを考慮することによりいずれのコードワードが正しいか決定し、各正しいコードワードの記憶後ごとに記憶済みの正しいコードワードについてのチェックサムを計算し、該計算されたチェックサムが、前記フォーマット化されたデータ内に埋め込まれている前記チェックサムに等しいとき、完全なメッセージが受信されたものとみなされ、記憶されたメッセージのさらなる分析が停止されることを特徴とするメッセージの通信方法。 - 請求項8に記載の方法において、前記メッセージが少なくとも2個の連鎖させられたバッチの予め決められたフレーム内で送信され、該少なくとも2個のバッチの最初のバッチの前記予め決められたフレーム内に存在するデコードされたメッセージ又は連鎖させられたメッセージが記憶され、2番目のバッチ及びオプションとして後続のバッチの同一の前記予め決められたフレーム内に存在するデコードされたメッセージコードワードが、メッセージの終端の指示が認識されるまでコードワード毎に記憶されることを特徴とする方法。
- 請求項8又は9に記載の方法において、前記チェックサムが、データコードワードと連鎖させられたアドレスコードワード内に埋め込まれることを特徴とする方法。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の方法において、前記コードワードは、ビットインターリーブされて送信され、受信時にデインターリーブされることを特徴とする方法。
- 前記チェックサムが、実際のメッセージのみのビットの和を、多項式で割った余りであることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
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