JP3778550B2 - ナビゲーション装置、ナビゲーション方法及びそのプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は人間や車両を特定の地点へと誘導するためのナビゲーション装置、ナビゲーション方法及びそのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ナビゲーション装置は一般に(1)ユーザが目的とする地点を設定し、(2)現在の地点から目的地点までの経路について地理データを参照して探索し(3)ユーザの現在位置に応じて目的地点への経路について案内する3つの手順を経て利用される。
【0003】
これらのうち手順(3)を実現する代表的な手法としては、手順(2)で探索され選択された経路の上にあらかじめユーザにとって意味のある地点を複数決めておいて、ユーザの現在位置がその地点に近づいたらその旨を案内するというものが挙げられる。
【0004】
カーナビゲーション装置を例としてより具体的に説明すると、ユーザにとって意味のある地点とはサービスエリアやドライブインなどの休憩所、進行方向の変わる交差点、高速道路の出入り口などである。例えば、交差点にカーナビゲーション装置を搭載した自動車が近づいたときに「まもなく左折です」のように案内することによって、ユーザは左折の準備をすることができ当該地点で慌てることがなくなる。
【0005】
しかし、案内対象となる「意味のある地点」については常に最適解がユーザに与えられるわけではない。例えば、「まもなくXサービスエリアです」とガイドされたユーザがXの先には休憩所がしばらくないかもしれないと判断してXサービスエリアで休憩したとする。ところが、実際はXサービスエリアから10分走った先に設備がより充実したYサービスエリアがあった。この場合にカーナビゲーション装置が与えた情報の価値は低くなってしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、ユーザへより価値のある案内を行うことができるナビゲーション装置、ナビゲーション方法及びそのプログラムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のナビゲーション装置は現在地から目的地へ至る経路を記憶する経路記憶部と、地図情報が記憶される地図情報データベースと、前記経路上であらかじめ設定される複数のガイドポイントの属性を記憶する属性記憶部と、前記地図情報と入力された現在位置情報を参照して、前記経路上のガイドポイントに接近した場合に、このガイドポイントに関する第1のガイド情報を生成する第1のガイド情報生成部と、前記接近したガイドポイントから前記目的地までの経路上にあり、前記属性記憶部に記憶された前記複数のガイドポイントの属性を参照し、前記第1のガイドポイントの属性と同じ他のガイドポイントに関する第2のガイド情報を生成する第2のガイド情報生成部と、前記第1のガイド情報と前記第2のガイド情報を合成し、統合ガイド情報を生成する統合部と、この統合部で生成した統合ガイド情報を出力する出力部とを具備することを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明のナビゲーション方法は地図情報と入力された現在位置情報を参照して、現在地から目的地へ至る経路上のガイドポイントへ接近した時に、この接近したガイドポイントに関する第1のガイド情報を生成する第1のガイド情報生成ステップと、前記接近したガイドポイントから前記目的地までの経路上にある複数のガイドポイントで、この複数のガイドポイントに対応してあらかじめ記憶された複数のガイドポイントの属性を参照することにより前記第1の属性と同じ他のガイドポイントに関する第2のガイド情報を生成する第2のガイド情報生成ステップと、前記第1のガイド情報と前記第2のガイド情報を合成し統合ガイド情報を生成する統合ガイド情報生成ステップと、この統合ガイド情報を出力する出力ステップとを含むことを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明のナビゲーションプログラムは、地図情報と入力された車両の現在位置情報を参照して、現在地から目的地へ至る経路上のガイドポイントへ接近した時に、この接近したガイドポイントに関する第1のガイド情報を生成し、前記接近したガイドポイントから前記目的地までの経路上る複数のガイドポイントで、この複数のガイドポイントに対応してあらかじめ記憶された複数のガイドポイントの属性を参照することにより前記第1の属性と同じ他のガイドポイントに関する第2のガイド情報を生成し、前記第1のガイド情報と前記第2のガイド情報を合成し統合ガイド情報を生成し、この統合ガイド情報を出力することを行う機能を実現することを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施の形態を示す構成図であり、カーナビゲーション装置に本発明を適用したものを示している。
【0011】
図1に示すように本発明を適用したカーナビゲーション装置はユーザ定義ルート情報格納部101、基本ナビ情報生成部102、統合ナビ情報生成部103、画像・音声インターフェース104、地理情報データベース105、先行ナビ情報生成部106、概念階層データ保持部107からなる。
【0012】
ユーザ定義ルート情報格納部101はカーナビゲーションを起動後、ユーザが設定した目的地までのルート情報を保持する。基本ナビ情報生成部102は統合ナビ情報生成部103からの要求に基づきユーザ定義ルート情報格納部101、後述する地理情報データベース105、統合ナビ情報生成部103及び図示しないGPSからのGPSデータを参照して、ユーザの現在位置がルート案内を行う予定地点(以下、ガイドポイントと称す)に近づいたときに、そのガイドポイントでユーザに与えるガイド情報である基本ガイド情報を生成する。
【0013】
統合ナビ情報生成部103は基本ナビ情報生成部102または先行ナビ情報生成部106を制御し、基本ナビ情報生成部102または先行ナビ情報生成部106から出力された自然言語文を合成して画像または音声の形で画像・音声インターフェース104に出力する。
【0014】
地理情報データベース105はカーナビゲーション装置が動作する地域全体の地理情報を保持し、基本ナビ情報生成部102および先行ナビ情報生成部106がそれを参照する。
【0015】
先行ナビ情報生成部106は統合ナビ情報生成部103からの要求に基づいて、ユーザ定義ルート情報格納部101、地理情報データベース105及び概念階層データ保持部107からの情報を参照して、ガイドポイントに近づいたときにそのガイドポイントと関連があり、かつ、ガイドポイントよりも後で通過するであろう地点についての情報をユーザに与える先行ガイド情報を生成する。
【0016】
図2は本実施の形態であるカーナビゲーション装置をハードウェア構成で示したものであり、図1と対応させると基本ナビ情報生成部102、統合ナビ情報生成部103、先行ナビ情報生成部106の処理がCPU1において実行され各種処理や各種制御を実施する。また、ユーザ定義ルート情報格納部101、地理情報データベース105、概念階層データ保持部107の内容が大容量外部記憶部5に記憶され、ドライブ6を利用して記憶媒体から取り込まれている。また、画像・音声インターフェース104である出力部4からは認識結果、解析結果や最終出力を表示あるいはデータとして出力される。さらに、通信部7からはGPSデータが取り込まれる。
【0017】
また、主記憶部2にはCPU1を動作させるためのプログラムが格納されている。入力部3は利用者の音声を取り込み、音声認識・構文解析処理といった表層的な処理を行いデータ化したり、あるいは入力文字を取りこんで文字認識・構文解析しデータ化したりするなどしてその入力情報をCPU1に与えるものである。
【0018】
次に、本実施の形態のカーナビゲーション装置の動作を図3を用いて説明する。
【0019】
なお、カーナビゲーション装置を搭載した自動車は図4のルートが設定されているものとする。図4の中の吹田SA、尼崎SA、コンビニ(コンビニエンスストア)A、コンビニ(コンビニエンスストア)Bがそれぞれガイドポイントである。ユーザの自動車(自車)は現在地から進行方向に向かって走行中である。
【0020】
カーナビゲーション装置は図3のアルゴリズムにしたがって自車がガイドポイントに接近した時にガイド情報を出力する。すなわち、カーナビゲーション装置は図示しないGPSセンサー等から得られる位置情報に基づいて自車の位置を検出し(step301)、この位置情報とユーザ定義ルート情報格納部101及び地理情報データベース105に格納された情報により自車がガイドポイントに接近するかどうか判断し(step302)、接近すればガイド情報が基本ナビ情報生成部102で生成される(step303)。
【0021】
すなわち、ユーザの車が吹田SAに接近したとすると、基本ガイド情報は例えばGS1のように生成される。
GS1:「あと500メートルで吹田サービスエリアです。」
この基本ガイド情報GS1は例えば「あと(距離情報)メートルで(場所情報)です。」等の定型された文章が容易されており、自車がガイドポイントに接近したときにGPSからの自車とガイドポイント間の距離情報がCPU1で求められ、定型文章に距離情報と場所情報としてのガイドポイント名が挿入され情報が生成される。
【0022】
続いて、先行ガイド情報が生成される(step304)。先行ガイド情報の生成手続きを図5に示す。図5の先行ガイド情報の生成手続は
(1)現在のガイドポイントと同じクラスに属するガイドポイント
(2)現在のガイドポイントと同じ設備を持つガイドポイント
を導出するものである。
【0023】
また、先行ガイド情報の生成手続では図1の階層概念データ保持部107に保持されている階層概念モデルを用いる。この概念階層モデルは図6に示すもので、図6において楕円で表現されているものがクラスまたはインスタンスを示す概念であり、各々の概念に属性とその値が対応付けられている。図6では属性として「クラス」「名称」「食堂」「駐車場」「トイレ」があり、属性の内容は以下のものが示されている。
【0024】
[クラス、(ガイドポイント) ]、
[名称、 (ガイドポイントの名称)]、
[食堂、 (あり又はなし) ]、
[駐車場、(あり又はなし) ]、
[トイレ、(あり又はなし) ]
また、これの概念階層モデルはデータベースとして図2の大容量外部記憶部5に格納されている。
【0025】
先行ガイド情報の生成は次にの通りである。現在、自車はガイドポイント(吹田SA)に接近中であり基本ガイド情報が生成された後、この接近中のガイドポイント(以下現ガイドポイントと称する)のインスタンスをデータベースから検索する(step501)。
【0026】
すなわち、現在のガイドポイントである吹田SAの属性は
[クラス、SA]、
[名称、吹田SA]、
[食堂、あり]、
[駐車場、あり]、
[トイレ、あり]
が付随している。これは、吹田SAが概念クラス「SA」に属し、インスタンスの名称が「吹田SA」、設備としては食堂、駐車場、トイレがある、という属性値をあらわしている。現ガイドポイントがどのクラスに属するかをデータベースから検索するのである。
【0027】
次に、現ガイドポイントと同じクラスの先行するガイドポイントを図6の概念階層モデルを参照して導出する(step502)。
【0028】
吹田SAはSAクラスに属しているので、同じSAクラスのインスタンスとユーザの設定経路情報(図3参照)から先行情報として案内するSAを検索する。検索の結果、吹田SAから5キロ先にある尼崎SAが先行情報の案内対象G1となる。
【0029】
次に、設定経路上で現在のガイドポイントよりも目的地よりにあり、かつ、現在のガイドポイントが備える設備を備えているガイドポイントの集合を導出してリストにする(step503)。導出に際しては、図6の概念階層モデルと設定済みルートの情報を参照する。
【0030】
例えば、現在のガイドポイントである吹田SAが備える設備は概念階層知識を参照すると、その属性値より、食堂、駐車場、トイレの3つであることがわかる。それぞれの設備を備えており吹田SAよりも先にあるガイドポイントは、
食堂:尼崎SA
駐車場:尼崎SA
トイレ:尼崎SA
である。したがって、step503において生成されるガイドポイントのリストL1は、
L1:[ [食堂:尼崎SA][駐車場:尼崎SA][トイレ:尼崎SA]]
となる。
【0031】
つぎに、現ガイドポイントの設備すべてについてそれを備えるガイドポイントの有無を目的地までのルートについて調べ(すなわち、設定ルートに示されたガイドポイントの順に属性をみて)、すべての属性について検出されたかどうか判断する(step504)。
【0032】
尼崎SAの例ではすべての属性が当てはまっているので現ガイドポイントと同じ設備を持つガイドポイントの検索が終了する。
【0033】
次に、先行情報の案内対象G1を説明する文GS2を生成する(step505)。この説明文GS2の生成は上述した基本ガイド情報の生成と同様に例えば「(場所情報1)の次の(クラス)は(場所情報2)です。(場所情報1)の(距離情報2)先にあります。」等の定型された文章が用意されており、自車がガイドポイントに接近したときに、step502で求めたガイドポイント情報より場所情報2と距離情報2が挿入され情報GS2が生成される。すなわち、
GS2:「吹田SA次のSAは尼崎SAです。吹田SAの15キロ先にあります。」
となる。
【0034】
次に、ルート上の現在地より先で現ガイドポイントと同じ設備を持つガイドポイントの情報L1を説明する文GS3を生成する(step506)。このGS3の生成は上述した基本ガイド情報の生成と同様に例えば「(場所情報1)の先、(属性1)、(属性2)、(属性3)のある場所は(場所情報3)です。(場所情報1)の(距離情報3)先にあります。」等の定型された文章が用意されており、自車がガイドポイントに接近したときにstep503で求めたガイドポイントの情報L1より(属性1)、(属性2)、(属性3)と場所情報2と距離情報3が挿入され情報GS3が生成される。すなわち、
GS3:「吹田SAの先、食堂、駐車場、トイレのある場所は、尼崎SAです。吹田SAの15キロ先にあります。」
となる。
【0035】
このように先行ガイド情報(GS2とGS3)が生成された後(図3step304)、これらの先行ガイド情報(GS2とGS3)と基本ガイド情報GS1は合成される(図3step305)。すなわち、
FGS1:「あと500メートルで吹田サービスエリアです。吹田SA次のSAは尼崎SAです。吹田SAの15キロ先にあります。吹田SAの先、食堂、駐車場、トイレのある場所は、尼崎SAです。吹田SAの15キロ先にあります。」
となる。
【0036】
最後に、合成された基本ガイド情報と先行ガイド情報が最終のガイド情報として出力される(step406)。
【0037】
このガイド情報の出力は音声合成装置を利用すれば音声のガイド情報として出力され、あるいは表示装置を利用すれば画像のガイド情報として出力される。
【0038】
したがって、このように構成されたカーナビゲーション装置によれば、運転者は、次のガイドポイントとさらに先行するガイドポイントについての情報を得ることができるので、それらを比較し選べるようになる。例えば、運転者は、吹田SAの次の休憩場所がその15キロ先にあることを知っているので、自分自身や同乗者の体調などを考えて休憩所を選択することができる。
【0039】
なお、上記の実施の形態では先行情報の案内対象G1を説明する文GS2を生成する(step505)手順を現在のガイドポイントと同じ設備を持つガイドポイントを求めて(step504)から実行したが、現在のガイドポイントと同じクラスに属するガイドポイントを求めた後(step502)に実行しても良い。
【0040】
また、ガイド情報の合成を基本ガイド情報と先行ガイド情報を接続するのみで実現しているが、この応答文には重複する情報も含まれているので、それらを削除した応答文を生成することも本発明の範疇である。例えば、図5の先行ガイド情報を生成する手順において、G1の値とL1のリスト要素が同じである場合にはL1から生成する応答文において相対位置情報を省略するように手順を変更すれば、FGS1がFGS1'のようにやや短い文となる。すなわち、
FGS1':「あと500メートルで吹田サービスエリアです。吹田SA次のSAは尼崎SAです。吹田SAの15キロ先にあります。尼崎SAには食堂、駐車場、トイレもあります。」
となる。
【0041】
ところで、上述したように自車が吹田SAの手前の場合には吹田SAと同じ設備をもつガイドポイントの生成(step503及びstep504)において、尼崎SAがすべての属性を持っているので、尼崎SAのみが示されているが、後に通過するガイドポイントがすべて属性を持たない場合には複数のガイドポイントがリスト化される。以下、この例を示す。
【0042】
自車が吹田SAを過ぎて尼崎SAに接近したとする。この場合は始めに基本ガイド情報GS4が上述した図3のstep303にしたがい生成される。すなわち、
GS4:「あと500メートルで尼崎サービスエリアです。」
同様に図5のstep501の手続きに従い、先行ガイド情報を生成するために必要な情報を導出する。尼崎SAの属性は図6の概念階層モデルを参照すると次のとおりである。
【0043】
[クラス、SA]、
[名称、尼崎SA]、
[食堂、あり]、
[駐車場、あり]、
[トイレ、あり]
次に、現ガイドポイントと同じクラスに属するガイドポイントの情報を生成する(step502)。図3の設定経路と図6の概念階層モデルとを参照し、尼崎SAと同じクラスに属するガイドポイントはその先に無いことが導出される。よって、
G2:なし
となる。
【0044】
次に、現在のガイドポイントと同じ設備を持つガイドポイントを生成する(step503)
このうち、食堂、駐車場、トイレの3つの設備について、それらを備えるガイドポイントを設定経路及と図6の概念階層モデルとを参照し探索すると、尼崎SAの先の始めのガイドポイントはコンビニAであり、このコンビニAの属性は次の通りである。
【0045】
[クラス、コンビニ]、
[名称、コンビニA]、
[食堂、なし]、
[駐車場、なし]、
[トイレ、あり]
したがって、ここではトイレに対してコンビニAが抽出される。
【0046】
次に、コンビニAの次のガイドポイントはコンビニBであり、このコンビニBの属性は次の通りである。
【0047】
[クラス、コンビニ]、
[名称、コンビニB]、
[食堂、なし]、
[駐車場、あり]、
[トイレ、あり]
したがって、ここでは駐車場に対してコンビニBが抽出される。なお、トイレについてはすでにコンビニAで抽出されるのでここでは抽出はされない。
【0048】
次に、コンビニBの次は目的地になるのでここで抽出作業は終了する。したがって、最終的なガイドポイントのリストL2は、
L2:[[食堂:なし][ 駐車場:コンビニB][ トイレ:コンビニA]]
となる。
【0049】
次に、先行情報の案内対象G2を説明する文GS5を生成する(step505)。ここではG2の文がないので、
GS5:「尼崎SAの先、サービスエリアはありません。」
となる。
【0050】
次に、ルート上の現在地より先で現ガイドポイントと同じ設備を持つガイドポイントのリストL2を説明する文GS6を生成する(step505)。すなわち、
GS6:「尼崎SAの先、食堂はありません。駐車場のある場所は、尼崎SAから6キロ先のコンビニBです。トイレのある場所は、尼崎SAから5キロ先のコンビニAです。」
となる。
【0051】
最後に、これらの先行ガイド情報(GS5とGS6)と基本ガイド情報GS4は以下の通り合成される(図3step305)。
FGS2:「あと500メートルで尼崎サービスエリアです。尼崎SAの先、サービスエリアはありません。尼崎SAの先、食堂はありません。駐車場のある場所は、尼崎SAから6キロ先のコンビニBです。トイレのある場所は、尼崎SAから5キロ先のコンビニAです。」
したがって、このように構成されたカーナビゲーション装置によれば、次のガイドポイントとさらに先行する同等の機能を持つガイドポイントの情報をドライバーは得ることができるので、より多くの判断材料をドライバーに与えることが可能となり、ドライバーはより適切な運転計画を立てることができるようになる。
【0052】
なお、上述の例における概念階層モデルは、階層構造に整理されたもののみに限定されるものではない。概念の親子関係や同一性を導出できる装置または手段を備えていればどのようなデータ構造であっても本発明の効果を得ることができ、そのような実現形態も本発明の趣旨の範囲内である。
(他の実施の形態)
次に本発明のカーナビゲーション装置の他の実施の形態を図7を用いて説明する。図7のカーナビゲーション装置は図1に示したカーナビゲーション装置に経情報データ部708を付加したもので、この経情報データ部708は図2の主記憶部9に設けられている。なお、その他の構成は同じものであり説明は省略する。また、その動作については図8に示すが、この動作も図3のルートガイド出力の手順の基本・先行ガイド情報を合成した(step305)後に個人情報を付加したものであり、他の手順は同じである。
【0053】
すなわち、この実施の形態ではこの経情報データ部708のあるガイドポイント情報を基本ガイド情報及び先行ガイド情報を合成したガイド情報に付加するものである。
【0054】
経情報データ部708はユーザの興味のあるガイドポイント情報を記憶したものである。このガイドポイント情報はあらかじめ登録しておく場合もあるし、ユーザがカーナビゲーション装置を使用する毎にガイドポイントを抽出してその履歴を記憶していくことも可能である。
例えば、図10にガイドポイント使用履歴を示す。
【0055】
次に具体例を示してその動作を説明する。ユーザが図9に示すようなルートを設定し、吹田SAの500メートル手前に接近したとする。
【0056】
この場合、図8のstep801からstep805までは図4のstep401からstep405までと同様に処理されて、前述したように以下のガイド情報が生成される。
GS7:あと500メートルで吹田サービスエリアです。吹田SA次のSAは尼崎SAです。吹田SAの15キロ先にあります。尼崎SAには食堂、駐車場、トイレもあります。
【0057】
次にこのガイド情報に情報データ部708に登録された個人情報を参照してユーザのガイド情報に登録されたものの中の一つが選択される(step806)。選択されるものとしてユーザが最も興味あるガイドポイント情報等が考えられ、ここではユーザにとって最も興味のあるガイドポイントとしてガイドポイント使用履歴にあるうちの最新のもの、あるいはそれと同じクラスに属するものとしてガイドポイント情報を選択する。
【0058】
すなわち、図10のガイドポイント使用履歴を参照すると、ユーザが最も興味のあるガイドポイントはファミリーレストランY-A店、あるいはFamilyRestaurantクラスに属するガイドポイントである。
【0059】
図9の設定ルートで現在地の先には ファミリーレストランY-A店は無いが、FamilyRestaurantクラスに属するファミリーレストランJが16キロ先にある。したがって、追加のガイド情報GS8は
GS8:「吹田サービスエリアの16キロ先、ファミリーレストランJがあります。」
となり、このGS7とGS8が追加合成され(step807)、
GS9:「あと500メートルで吹田サービスエリアです。吹田SA次のSAは尼崎SAです。吹田SAの15キロ先にあります。尼崎SAには食堂、駐車場、トイレもあります。吹田サービスエリアの16キロ先、ファミリーレストランJがあります。」
となる。
【0060】
最後に、合成された基本ガイド情報と先行ガイド情報及び個人のガイド情報が最終のガイド情報として出力される(step808)。
【0061】
かくして、ユーザの興味あるガイドポイント情報を更に付加することによって、ユーザが次のガイドポイントで何をすべきかの判断材料を提供することができるようになる。
(他の実施の形態)
上記実施の形態では図7の情報データ部708に個人のガイド情報が登録されているが、個人のガイド情報の代りに広告情報が登録されていてもよい。この場合の動作の手順を図11に示す。すなわち、step1101からstep1105までは図3のstep301からstep305と同じであり、基本・先行ガイド情報が合成された後、広告情報が追加される。
【0062】
この広告情報としては図12に示す通りである。
【0063】
次に具体例を示してその動作を説明する。ユーザが図9に示すようなルートを設定し、吹田SAの500メートル手前に接近したとする。
【0064】
この場合、図11のstep1101からstep1105までは上述したように図3のstep301からstep305までと同様に処理されて、以下のガイド情報GS10が生成される。
GS10:あと500メートルで吹田サービスエリアです。吹田SA次のSAは尼崎SAです。吹田SAの15キロ先にあります。尼崎SAには食堂、駐車場、トイレもあります。
【0065】
次にこのガイド情報に経情報データ部708に登録された広告情報を参照して広告情報に登録されたものの中の一つが選択される(step1106)。選択される広告情報としてガイドポイントと関係のある広告を選択し、提示することが考えられ、これは▲1▼次のガイドポイントについて広告を提示する▲2▼次のガイドポイントのさらに次のガイドポイントについて広告を提示する▲3▼常に同じ広告を提示するなど様々な方式が考えられるが、ここでは次のガイドポイントと同じIDを第1引数にもつ広告データを選択し、その第2引数値をガイド情報に付加することにより行う。
【0066】
経情報データ部708に格納された図12に示す広告情報を参照して、このデータの中で次のガイドポイントである吹田SAを第1引数にもつ広告情報を図12の広告情報から検索し、図12の3行目、(吹田SA、 "家電が安い!のXYZショップへは豊中出口でお降りください")が結果として得られる。すなわち、これを利用して追加のガイド情報は
GS11:「家電が安い!のXYZショップへは豊中出口でお降りください。」
なり、このGS10とGS11が追加統合され(step1107)、
FGS4:「あと500メートルで吹田サービスエリアです。吹田SA次のSAは尼崎SAです。吹田SAの15キロ先にあります。尼崎SAには食堂、駐車場、トイレもあります。家電が安い!のXYZショップへは豊中出口でお降りください。」
となる。
【0067】
最後に、合成された基本ガイド情報と先行ガイド情報及び個人のガイド情報が最終のガイド情報として出力される(step1108)。
【0068】
かくして、ユーザの興味のあるガイドポイント情報を更に付加することによって、ユーザが次のガイドポイントで何をすべきかの判断材料を提供することができるようになる。
【0069】
また、広告情報の搭載において広告主から広告料を徴収する方式を採用することにより、本発明を搭載したナビゲーションシステム装置をユーザに提供する際の価格を低くすることも可能となる。
【0070】
なお、この実施の形態における経情報データ部708に記憶された広告情報は、あらかじめ用意された静的なものでも、あるは有形・無形の媒体を介して動的に取得したものでも結果として得られる効果には変わりない。媒体として考えられるものとしてはCD-ROMなど有形のものの他、電波や赤外線など無形のものがある。
【0071】
また、広告情報が無線により取得される場合には、上記の実施の形態であるカーナビゲーション装置に受信装置を設け、車が移動するときに道路に設置された広告供給源から電波により広告情報を受信し、情報データ部708に取得することが考えられる。
【0072】
なお、上記の説明においては本発明の一つの実施の形態としてカーナビゲーションゲーション装置に特化した説明を行うが、実施の形態としてはカーナビゲーション装置に限定されるものではなく、例えば歩行者が携帯端末を通じて利用することも可能である。
【0073】
なお、本発明はナビゲーションプログラムに適用することも言うまでもない。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、次のガイドポイントとさらに先行するガイドポイントについての情報を同時に得ることができるのでユーザへより価値のある情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すブロック図
【図2】本発明の一実施形態を示すの概略構成図
【図3】本発明の一実施形態を示すフロー図
【図4】設定経路の例を示す図
【図5】本発明の一実施形態に係る先行ガイド情報の生成を示すフロー図
【図6】概念階層モデルを示す図
【図7】本発明の他の実施形態を示すブロック図
【図8】本発明の他の実施形態を示すフロー図
【図9】設定経路例の例を示す図
【図10】施設利用経歴データの一例を示す図
【図11】本発明の他の実施形態を示すフロー図
【図12】広告情報の例を示す図
【符号の説明】
101・・・ユーザ定義ルート情報格納部
102・・・基本ナビ情報生成部
103・・・統合ナビ情報生成部
104・・・画像音声インターフェース
105・・・地理情報データベース
106・・・先行ナビ情報生成部
107・・・概念階層データ保持部
Claims (18)
- 現在地から目的地へ至る経路を記憶する経路記憶部と、地図情報が記憶される地図情報データベースと、前記経路上であらかじめ設定される複数のガイドポイントの属性を記憶する属性記憶部と、前記地図情報と入力された現在位置情報を参照して、前記経路上のガイドポイントに接近した場合に、このガイドポイントに関する第1のガイド情報を生成する第1のガイド情報生成部と、前記接近したガイドポイントから前記目的地までの経路上にあり、前記属性記憶部に記憶された前記複数のガイドポイントの属性を参照し、前記第1のガイドポイントの属性と同じ他のガイドポイントに関する第2のガイド情報を生成する第2のガイド情報生成部と、前記第1のガイド情報と前記第2のガイド情報を合成し、統合ガイド情報を生成する統合部と、この統合部で生成した統合ガイド情報を出力する出力部とを具備することを特徴とするナビゲーション装置。
- 前記属性は前記複数のガイドポイントのそれぞれの名称、種別、内容を示し、前記第1のガイド情報生成部において前記近接したガイドポイントの名称及び前記近接したガイドポイントと現在位置との距離情報を示す第1のガイド情報を生成し、前記第2のガイド生成部において、前記近接したガイドポイントの種別と同じ種別の他のガイドポイントの名称、内容を示す第2のガイド情報を生成することを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
- 前記属性は前記複数のガイドポイントのそれぞれの名称、種別、内容を示し、前記第1のガイド情報生成部において前記近接したガイドポイントの名称及び前記近接したガイドポイントと現在位置との距離情報を示す第1のガイド情報を生成し、前記第2のガイド生成部において、前記近接したガイドポイントの種別と同じ種別の他のガイドポイントが無い場合には、前記内容が同じであるガイドポイントの名称、内容を示す第2のガイド情報を生成することを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
- 利用者のガイドポイントの使用履歴を記憶した情報記憶部と、前記接近したガイドポイントから前記目的地までの経路上にあり前記使用履歴の属性と同じ他のガイドポイントに関する第3のガイド情報を生成する第3のガイド情報生成部とを有し、前記統合部において前記第1のガイド情報と前記第2のガイド情報及び前記第3のガイド情報を合成して統合ガイド情報を生成することを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
- 広告情報を記憶した情報記憶部とを有し、前記統合部において前記第1のガイド情報と前記第2のガイド情報及び前記広告情報を付加し、前記ガイド情報を合成して統合ガイド情報を生成することを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
- 前記第2のガイド情報生成部は、前記第1のガイドポイントの属性と同じ他のガイドポイントに関する第2のガイド情報が存在しない時には、存在しない旨の情報を生成することを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
- 地図情報と入力された現在位置情報を参照して、現在地から目的地へ至る経路上のガイドポイントへ接近した時に、この接近したガイドポイントに関する第1のガイド情報を生成する第1のガイド情報生成ステップと、前記接近したガイドポイントから前記目的地までの経路上にある複数のガイドポイントで、この複数のガイドポイントに対応してあらかじめ記憶された複数のガイドポイントの属性を参照することにより前記第1のガイド情報の属性と同じ他のガイドポイントに関する第2のガイド情報を生成する第2のガイド情報生成ステップと、前記第1のガイド情報と前記第2のガイド情報を合成し統合ガイド情報を生成する統合ガイド情報生成ステップと、この統合ガイド情報を出力する出力ステップとを含むことを特徴とするナビゲーション方法。
- 前記属性は前記複数のガイドポイントのそれぞれの名称、種別、内容を示し、前記第1ガイド情報生成ステップにおいて前記近接したガイドポイントの名称及び前記近接したガイドポイントと車両との距離情報を示す第1のガイド情報を生成し、前記第2ガイド生成ステップにおいて、前記近接したガイドポイントの種別と同じ種別の他のガイドポイントの名称、内容を示す第2のガイド情報を生成することを特徴とする請求項7記載のナビゲーション方法。
- 前記属性は前記複数のガイドポイントのそれぞれの名称、種別、内容を示し、前記第1ガイド情報生成ステップにおいて前記近接したガイドポイントの名称及び前記近接したガイドポイントと車両との距離情報を示す第1のガイド情報を生成し、前記第2ガイド生成ステップにおいて、前記近接したガイドポイントの種別と同じ種別の他のガイドポイントが無い場合には、前記内容が同じであるガイドポイントの名称、内容を示す第2のガイド情報を生成することを特徴とする請求項7記載のナビゲーション方法。
- 記憶された利用者のガイドポイントの使用履歴を参照して、前記接近したガイドポイントから前記目的地までの経路上にあり前記使用履歴の属性と同じ他のガイドポイントに関する第3のガイド情報を生成する第3ガイド情報生成ステップとを有し、前記統合ガイド情報ステップにおいて前記第1のガイド情報と前記第2のガイド情報及び前記第3のガイド情報を合成して統合ガイド情報を生成することを特徴とする請求項7記載のナビゲーション方法。
- 記憶された広告情報を参照して、前記統合ガイド情報ステップにおいて前記第1のガイド情報と前記第2のガイド情報及び前記広告情報を付加し、前記ガイド情報を合成して統合ガイド情報を生成することを特徴とする請求項7記載のナビゲーション方法。
- 前記第2のガイド情報生成ステップは、前記第1のガイドポイントの属性と同じ他のガイドポイントに関する第2のガイド情報が存在しない時には、存在しない旨の情報を生成することを特徴とする請求項7記載のナビゲーション方法。
- 地図情報と入力された車両の現在位置情報を参照して、現在地から目的地へ至る経路上のガイドポイントへ接近した時に、この接近したガイドポイントに関する第1のガイド情報を生成し、前記接近したガイドポイントから前記目的地までの経路上る複数のガイドポイントで、この複数のガイドポイントに対応してあらかじめ記憶された複数のガイドポイントの属性を参照することにより前記第1のガイド情報の属性と同じ他のガイドポイントに関する第2のガイド情報を生成し、前記第1のガイド情報と前記第2のガイド情報を合成し統合ガイド情報を生成し、この統合ガイド情報を出力することを行う機能を実現するナビゲーションプログラム。
- 前記属性は前記複数のガイドポイントのそれぞれの名称、種別、内容を示し、前記第1のガイド情報は前記近接したガイドポイントの名称及び前記近接したガイドポイントと現在位置との距離情報を示す情報であり、前記第2のガイド情報は前記近接したガイドポイントの種別と同じ種別の他のガイドポイントの名称、内容を示す情報であることを特徴とする請求項13記載のナビゲーションプログラム。
- 前記属性は前記複数のガイドポイントのそれぞれの名称、種別、内容を示し、前記第1のガイド情報は前記近接したガイドポイントの名称及び前記近接したガイドポイントと現在位置との距離情報を示す情報であり、前記第2のガイド情報は前記近接したガイドポイントの種別と同じ種別の他のガイドポイントが無い場合には、前記内容が同じであるガイドポイントの名称、内容を示す情報であることを特徴とする請求項13記載のナビゲーションプログラム。
- さらに、記憶された利用者のガイドポイントの使用履歴を参照して、前記接近したガイドポイントから前記目的地までの経路上にあり、前記使用履歴の属性と同じ他のガイドポイントに関する第3のガイド情報を生成し、前記第1のガイド情報と前記第2のガイド情報及び前記第3のガイド情報を合成して統合ガイド情報を生成することを含むことを特徴とする請求項13記載のナビゲーションプログラム。
- さらに、記憶された広告情報を参照して、前記統合ガイド情報ステップにおいて前記第1のガイド情報と前記第2のガイド情報及び前記広告情報を付加し、前記ガイド情報を合成して統合ガイド情報を生成することを特徴とする請求項13記載のナビゲーションプログラム。
- 前記第1のガイドポイントの属性と同じ他のガイドポイントに関する情報が存在しない時には、存在しない旨の情報を第2のガイド情報として生成することを特徴とする請求項13記載のナビゲーションプログラム。
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