JP3778472B2 - 車両の測定荷重偏度表示方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラック等の車両に設けた複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された、この車両にかかる荷重の偏りの度合いを示す偏度の測定結果等を表示部に表示させる方法と、この方法を用いて車両の偏度を表示部に表示させる装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人らは、車両の各車輪の近傍に配置した、例えばひずみ式ゲージセンサ等の重量測定用のセンサの出力を基に、主としてトラック等の大型車両における積載重量を算出するに当たり、車両の傾きによる各センシング素子の出力の変化を補正し算出積載重量の正確化を図るために、車両の傾きの度合いを示す車両偏度や、この偏度により各センシング素子の出力を補正した積載重量を算出する装置を既に提案している。
【0003】
この既に提案した積載重量算出装置では、例えば、特開平9−329483号の明細書等において説明しているように、各車輪のセンシング素子の出力から車両の積載重量を算出するに当たり、各車軸の両端の車輪に対応するセンシング素子どうしの出力から各車軸毎の左右方向(車幅方向)の偏度値を算出し、これら各車軸毎の左右偏度値を、その車軸の前中後の配置に従い、それぞれの分散荷重の配分に応じた計数により重み付けして、この重み付けした各車軸毎の左右偏度値を合計して車両全体の左右偏度値を算出している。
【0004】
また、この積載重量算出装置では、車両の前方の各センシング素子の出力合計と車両の後方の各センシング素子の出力和との差分に対する、全センシング素子の出力合計の比を求めてこれを車両の前後方向の偏度値とし、車両全体の左右偏度値と共にこの車両の前後方向の偏度値によって各センシング素子の出力の合計を補正して積載重量を算出すると共に、これらの求めた左右偏度値及び前後偏度値を基に、荷重が前後左右のどの方向に偏っているかを表示ランプにより表示するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した車両の荷重が前後左右のどの方向に偏っているかの表示は、荷崩れが起きないように荷物を積み込むようにするための目安とすることができる点で、非常に重要ではあるが、車両の荷重が実際に前後左右のどの方向かに偏ってしまった場合に、それを矯正し解消するために荷物を積み直しするとなると、どの方向にどの程度の荷重を移せば荷重の偏りが解消するのか事前に解らない限り、例えば、上述した表示ランプが全部消えるような積み方となるまで試行錯誤を繰り返すしかなく、非常に効率が悪いという不具合がある。
【0006】
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、車両の互いに異なる箇所に配置された複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された、車両にかかる荷重の偏りの度合いである偏度の測定結果を、表示部に表示させるに当たり、単に荷重の偏りの方向のみならず詳細な内容で測定結果を表示させることができる車両の測定荷重偏度表示方法と、この方法を用いて車両の偏度を表示部に表示させる際に用いて好適な車両の測定荷重偏度表示装置とを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成する請求項1乃至請求項7記載の本発明は車両の測定荷重偏度表示方法に関するものであり、請求項8乃至請求項14記載の本発明は車両の測定荷重偏度表示装置に関するものである。
【0008】
そして、請求項1に記載した本発明の車両の測定荷重偏度表示方法は、車両の互いに異なる箇所に配置された複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された、前記車両にかかる荷重の偏りの度合いである偏度の測定結果を、表示部に表示させるに当たり、前記表示部に平面視した前記車両の模式図を表示させ、前記偏度の測定結果を示す偏度表示図形を前記模式図に対して、前記偏度が示す前記荷重の偏りの方向に、前記偏度の大きさに応じた寸法だけずらして、前記模式図と共に前記表示部に表示させるようにしたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載した本発明の車両の測定荷重偏度表示方法は、前記複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された、前記車両が有する複数の車軸毎にかかる荷重についての該各車軸の延在方向における前記偏度の測定結果を、前記表示部に各々表示させるに当たり、前記模式図中に前記各車軸の位置を表す車軸図形を含めて前記表示部に表示させ、前記各車軸の延在方向における該各車軸毎の偏度の測定結果を各々示す車軸別の複数の前記偏度表示図形を、該車軸別の各偏度表示図形に対応する前記模式図中の前記各車軸図形に対して、前記各車軸の延在方向における該各車軸毎の偏度が各々示す、前記各車軸別の該各車軸の延在方向における荷重の偏りの方向に、前記各車軸毎の偏度の大きさに応じた寸法だけ各々ずらして、前記模式図と共に前記表示部に表示させるようにした。
【0010】
さらに、請求項3に記載した本発明の車両の測定荷重偏度表示方法は、理想状態における前記偏度の測定結果を示す理想偏度表示図形を前記模式図中に含めて、前記表示部に表示させるようにした。
【0011】
また、請求項4に記載した本発明の車両の測定荷重偏度表示方法は、前記複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された前記偏度の測定結果が、前記車両の許容偏度を超える過偏度状態であるか否かの判定結果を、前記表示部にさらに表示させるに当たり、前記偏度が過偏度状態である場合に、前記表示部上での前記偏度表示図形の表示形態を、前記偏度が過偏度状態でない場合の通常形態とは異なる警告形態にするようにした。
【0012】
さらに、請求項5に記載した本発明の車両の測定荷重偏度表示方法は、前記複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された、前記車両にかかる荷重の測定結果を、前記表示部にさらに表示させるに当たり、前記偏度表示図形を、前記荷重の測定結果が示す値に応じた大きさで前記表示部に表示させるようにした。
【0013】
また、請求項6に記載した本発明の車両の測定荷重偏度表示方法は、前記複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された前記車両にかかる荷重が、前記車両の許容最大荷重を超える過積載状態であるか否かの判定結果を、前記表示部にさらに表示させるに当たり、前記荷重が過積載状態である場合に、前記表示部上での前記偏度表示図形の表示形態を、前記荷重が過積載状態でない場合の通常形態とは異なる警告形態にするようにした。
【0014】
さらに、請求項7に記載した本発明の車両の測定荷重偏度表示方法は、前記車両の荷重以外の状態を示す車両状態情報を、前記複数の荷重測定用センサの出力に基づく測定結果との間で選択的に切り換えて、前記表示部に表示させるに当たり、前記偏度表示図形の表示形態を前記警告形態にする際には、前記表示部での前記車両状態情報の表示を行わないようにした。
【0015】
また、請求項8に記載した本発明の車両の測定荷重偏度表示装置は、図1に基本構成図で示すように、車両1の互いに異なる箇所に配置された複数の荷重測定用センサ21の出力を基に測定された、前記車両1にかかる荷重の偏りの度合いである偏度の測定結果を、表示部33に表示させる装置であって、前記車両1を平面視した模式図を前記表示部33に表示させる模式図表示手段31Aと、前記偏度の測定結果を示す偏度表示図形を前記表示部33に表示させる偏度表示図形表示手段31Bとを備え、前記偏度表示図形表示手段31Bが、前記偏度表示図形を、前記偏度が示す前記荷重の偏りの方向に前記偏度の大きさに応じた寸法だけ前記模式図に対してずらして、該模式図と共に前記表示部33に表示させることを特徴とする。
【0016】
さらに、請求項9に記載した本発明の車両の測定荷重偏度表示装置は、前記模式図表示手段31Aが、前記車両が有する複数の車軸3a〜3dの位置を表す車軸図形を含む前記模式図を前記表示部33に表示させ、前記偏度表示図形表示手段31Bが、前記複数の荷重測定用センサ21の出力を基に測定された、前記各車軸3a〜3d毎にかかる荷重についての該各車軸3a〜3dの延在方向における前記偏度の測定結果を各々示す車軸3a〜3d別の複数の前記偏度表示図形を、該車軸3a〜3d別の各偏度表示図形に対応する前記各車軸図形に対して、前記各車軸3a〜3dの延在方向における該各車軸3a〜3d毎の偏度が各々示す前記各車軸3a〜3d別の荷重の偏りの方向に、前記各車軸3a〜3dの延在方向における該各車軸3a〜3d毎の偏度の大きさに応じた寸法だけ各々ずらして、前記模式図と共に前記表示部33に表示させるものとした。
【0017】
また、請求項10に記載した本発明の車両の測定荷重偏度表示装置は、前記偏度の測定結果が理想状態である際に前記偏度表示図形表示手段31Bにより前記表示部33に表示される前記偏度表示図形を、理想偏度表示図形として前記表示部33に表示させる理想偏度表示図形表示手段31Cをさらに備えるものとした。
【0018】
さらに、請求項11に記載した本発明の車両の測定荷重偏度表示装置は、前記複数の荷重測定用センサ21の出力を基に測定された前記偏度の測定結果が、前記車両1の許容偏度を超える過偏度状態であるか否かを判定する過偏度判定手段31Dと、該過偏度判定手段31Dの判定結果を前記表示部33に表示させる過偏度判定結果表示手段31Eとをさらに備え、該過偏度判定結果表示手段31Eが、前記偏度が過偏度状態である場合に、前記偏度表示図形表示手段31Bが前記表示部33に表示させる前記偏度表示図形を、前記偏度が過偏度状態でない場合の通常形態とは異なる警告形態に変更させることで、前記過偏度判定手段31Dの判定結果を前記表示部33に表示させるものとした。
【0019】
また、請求項12に記載した本発明の車両の測定荷重偏度表示装置は、前記偏度表示図形表示手段31Bが、前記複数の荷重測定用センサ21の出力を基に測定された前記車両1にかかる荷重の値に応じた大きさで、前記偏度表示図形を前記表示部33に表示させるものとした。
【0020】
さらに、請求項13に記載した本発明の車両の測定荷重偏度表示装置は、前記複数の荷重測定用センサ21の出力を基に測定された前記車両1にかかる荷重の測定結果が、前記車両1の許容最大荷重を超える過積載状態であるか否かを判定する過積載判定手段31Fと、該過積載判定手段31Fの判定結果を前記表示部33に表示させる過積載判定結果表示手段31Gとをさらに備え、該過積載判定結果表示手段31Gが、前記荷重が過積載状態である場合に、前記偏度表示図形表示手段31Bが前記表示部33に表示させる前記偏度表示図形を、前記荷重が過積載状態でない場合の通常形態とは異なる警告形態に変更させることで、前記過積載判定手段31Fの判定結果を前記表示部33に表示させるものとした。
【0021】
また、請求項14に記載した本発明の車両の測定荷重偏度表示装置は、前記車両1の荷重以外の状態を示す車両状態情報を前記表示部33に表示させる車両状態情報表示手段31Hと、前記模式図表示手段31Aによる前記模式図の前記表示部33への表示及び前記偏度表示図形表示手段31Bによる前記偏度表示図形の前記表示部33への表示を、前記車両状態情報表示手段31Hによる前記車両状態情報の前記表示部33への表示との間で選択的に切り換えて実行させる表示選択実行手段31Jとをさらに備え、前記偏度表示図形表示手段31Bにより前記表示部33に表示された前記偏度表示図形が前記警告形態である場合に、前記表示選択実行手段31Jが、前記模式図表示手段31Aによる前記模式図の前記表示部33への表示と、前記偏度表示図形表示手段31Bによる前記偏度表示図形の前記表示部33への表示とを、選択して実行させるものとした。
【0022】
請求項1に記載した本発明の車両の測定荷重偏度表示方法によれば、模式図と共に表示部に表示される偏度表示図形の模式図に対する相対的なずれの方向によって、複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された車両の偏度が示す車両の荷重の偏りの方向が具体的にどの方向であるのかを、視覚的に容易に認識させることが可能となるだけでなく、模式図に対する偏度表示図形のずれの大きさによって、車両の荷重の偏りの度合いがどの程度であるのかについても、一目して解るように容易に認識させることが可能となる。
【0023】
尚、請求項8に記載した本発明の車両の測定荷重表示装置についても、上述したことと同様のことが言える。
【0024】
また、請求項2に記載した本発明の車両の測定荷重偏度表示方法によれば、表示部に表示される模式図中の各車軸図形に対する、各車軸図形に対応する車軸別の各偏度表示図形の、車軸の延在方向における相対的なずれの方向によって、複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された車両の各車軸毎の偏度が示す、車両の各車軸の延在方向における各車軸毎の荷重の偏りの方向が具体的にどの方向であるのかを、一目して解るように容易に認識させることが可能となる。
【0025】
しかも、各車軸図形に対する各偏度表示図形の、車軸の延在方向における相対的なずれの大きさによって、各車軸の延在方向における各車軸毎の車両の荷重の偏りの度合いがどの程度であるのかについても、一目して解るように容易に認識させることが可能となる。
【0026】
尚、請求項9に記載した本発明の車両の測定荷重表示装置についても、上述したことと同様のことが言える。
【0027】
さらに、請求項3に記載した本発明の車両の測定荷重偏度表示方法によれば、模式図中の理想偏度表示図形に対する偏度表示図形の相対的なずれの方向及びその大きさによって、車両の荷重の偏りの方向及びその度合いを、車両を比較対象としてではなく、同じ荷重どうし、つまり、理想の荷重のかかり具合を比較対象として、より詳細に把握することが可能となり、また、偏った荷重を矯正し解消するための目標についても、理想偏度表示図形という荷重についてのパラメータによって明確に把握できるようにすることが可能となる。
【0028】
尚、請求項10に記載した本発明の車両の測定荷重表示装置についても、上述したことと同様のことが言える。
【0029】
また、請求項4に記載した本発明の車両の測定荷重偏度表示方法によれば、複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された車両の偏度が示す荷重の偏りの方向やその大きさだけでなく、測定された偏度が過偏度状態であることが表示部に表示されることから、荷重の偏りの状態をより詳細に認識させることが可能となる。
【0030】
しかも、測定された偏度が過偏度状態であることを、既に表示部での表示に用いている偏度表示図形の表示形態を通常形態から警告形態に変えることで表示することから、過偏度状態の表示のための専用図形、つまり、キャラクタを用いて構成を複雑化することなく、過偏度状態であることを確実に認識させることが可能となる。
【0031】
尚、請求項11に記載した本発明の車両の測定荷重表示装置についても、上述したことと同様のことが言える。
【0032】
さらに、請求項5に記載した本発明の車両の測定荷重偏度表示方法によれば、複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された車両の偏度が示す荷重の偏りの方向やその大きさだけでなく、これら荷重測定用センサの出力を基に測定された車両の荷重が表示部に表示されることから、荷重の偏りと共に車両の荷重の状態を総合的に認識させることが可能となる。
【0033】
尚、請求項12に記載した本発明の車両の測定荷重表示装置についても、上述したことと同様のことが言える。
【0034】
また、請求項6に記載した本発明の車両の測定荷重偏度表示方法によれば、複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された車両の荷重だけでなく、測定された荷重が過積載状態であることが表示部に表示されることから、荷重の状態をより詳細に認識させることが可能となる。
【0035】
しかも、測定された荷重が過積載状態であることを、既に表示部での表示に用いている偏度表示図形の表示形態を通常形態から警告形態に変えることで表示することから、過積載状態の表示のための専用図形、つまり、キャラクタを用いて構成を複雑化することなく、過積載状態であることを確実に認識させることが可能となる。
【0036】
尚、請求項13に記載した本発明の車両の測定荷重表示装置についても、上述したことと同様のことが言える。
【0037】
さらに、請求項7に記載した本発明の車両の測定荷重偏度表示方法によれば、複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された車両の偏度が過偏度状態であったり、複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された車両の荷重が過積載状態であるのに伴って、偏度表示図形の表示形態を通常形態から警告形態に変える場合、車両の荷重以外の状態を示す車両状態情報が表示部に選択的に表示されていても、複数の荷重測定用センサの出力に基づく測定結果に表示部の表示が切り換えられることから、荷重の過偏度状態や過積載状態の発生時に警告形態の偏度表示図形を表示部に必ず表示させ、これらの状態を確実に認識させることが可能となる。
【0038】
尚、請求項14に記載した本発明の車両の測定荷重表示装置についても、上述したことと同様のことが言える。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による車両の測定荷重偏度表示方法を実施するための実施形態を、本発明による車両の測定荷重偏度表示装置の実施形態と共に、図面を参照して説明する。
【0040】
図2は本発明の一実施形態に係る積載重量計の正面図であり、図2中引用符号30で示す本実施形態の積載重量計の前面30aには、内部に設けられたマイコン31(図3参照)で算出される車両1に掛る荷重の偏りを示す偏度、及び、この偏度を基にマイコン31で算出された車両1の積載重量や、各種警告メッセージ等をカラー表示する液晶ディスプレイ33(表示部に相当)が配設されている。
【0041】
また、積載重量計30の前面30aには、前記積載重量が所定の最大積載重量を超えた際に鳴動する警報ブザー35と、上下左右のカーソルキー37a,37b,37c,37dと、テンキー39と、リセットキー41と、セットキー43等が配設されている。
【0042】
前記マイコン31は、図3にブロック図で示すように、CPU31a、RAM31b、及び、ROM31cで構成されている。
【0043】
そして、前記CPU31aには、RAM31b及びROM31cの他、前記センシング素子21、液晶ディスプレイ33、警報ブザー35、上下左右のカーソルキー37a,37b,37c,37d、テンキー39、リセットキー41、並びに、セットキー43が各々接続されている。
【0044】
また、CPU31aには、積載重量計30に内蔵され電源供給が断たれても格納データが失われない不揮発性メモリ(NVM)45と、積載重量計30に内蔵されフロッピーディスク(以下、FDと略記する)50から記録内容を読み出すフロッピーディスクドライブ(以下、FDDと略記する)47とが各々接続されている。
【0045】
さらに、CPU31aには、車両1の走行に応じて走行パルスを発生する走行センサ60と、例えば通行料金自動精算システムやGPS受信機といった、車両関連情報を取得しその表示画面信号を出力する周辺機器70等が各々接続されている。
【0046】
ここで、車両の荷重が最終的に掛る車輪の取付対象である車軸の両端付近は、図4に分解斜視図で示すように、円弧状のリーフスプリング131の長手方向略中央部に連結されていて、このリーフスプリング131の長手方向における一端は、車両の荷台フレーム132に、先端が二股状のブラケット133を介して連結され、リーフスプリング131の他端は、リーフスプリング131の一端が連結された箇所から前後方向に間隔をおいた荷台フレーム132箇所に、ブラケット133及びシャックル134を介して連結される。
【0047】
そして、前記ブラケット133とシャックル134とは、シャックルピン5によって揺動可能に連結される。
【0048】
そこで、前記車輪に最終的に掛る荷重が、このシャックルピン5にも掛ることに着目して、前記センシング素子(荷重測定用センサに相当)21は、例えば、前記シャックルピン5内に配設されることがある。
【0049】
前記センシング素子21は、図5に斜視図で示すように、パーマロイ等の磁性材料により扁平な平面視略矩形状に形成された板状部材21aと、この板状部材21aの中央部に配設され、励磁用と検出用の2本の巻線21h,21jを十字状に交差して板状部材21aに巻回したコイル21gとを備えている。
【0050】
このように形成されたセンシング素子21は、励磁用巻線21hの両端間に電流を流して、これにより板状部材21aに発生する磁界で検出用巻線21jの両端間に誘導電流が流れるようにした状態で、前中後の左右の6つの前記ブラケット133とシャックル134を連結する前記各シャックルピン5内に、板状部材21aの長手方向が車幅方向に延在し、且つ、板状部材21aの厚み方向が車両の前後方向に延在するように各々配置される。
【0051】
そして、荷台フレーム5からブラケット133、シャックル134、及び、シャックルピン5の両端に荷重がかかることで、ブラケット133がシャックル134に対して車両の高さ方向A(図4参照)に相対移動すると、各センシング素子21が次のように動作する。
【0052】
即ち、各センシング素子21は、シャックル134に対するブラケット133の車両の高さ方向Aへの相対移動によって、板状部材21aが車両の高さ方向Aに沿って歪んで板状部材21aの磁界の向きに変化が生じ、これにより、検出用巻線21jの両端間に流れる誘導電流が変化して、板状部材21aにかかる荷重に対応した周波数の電流が、前記検出用巻線21jの両端から出力信号として得られるように構成されている。
【0053】
図3に示すマイコン30に話を戻し、前記RAM31bは、各種データ記憶用のデータエリア及び各種処理作業に用いるワークエリアを有しており、各エリアの詳細な内容については、前記NVM45に格納されているデータの内容を説明した後に説明する。
【0054】
前記ROM31cには、CPU31aに各種処理動作を行わせるための制御プログラムが格納されている。
【0055】
前記NVM45には、各センシング素子21の出力パルス信号に対するオフセット調整値、特性補正値、及び、誤差補正値の各テーブル等が前もって格納されている。
【0056】
前記オフセット調整値テーブルの調整値は、車両に配設される各センシング素子21が車両の風袋状態においてそれぞれ出力するパルス信号の周波数のばらつきをなくすためのもので、この調整値は、車両の風袋状態における設定処理により、各センシング素子21毎に設定される。
【0057】
各センシング素子21の調整値は、車両の風袋状態における各センシング素子21の出力パルス信号の周波数と、積載重量=0トン時のパルス信号の基準周波数である200Hzとの差値(単位Hz)であり、本実施形態の場合、調整値の具体的な範囲は+170Hz〜−500Hzの間である。
【0058】
従って、この調整値によりオフセット調整可能なセンシング素子21は、風袋状態における出力パルス信号の周波数の値が30Hz〜700Hzの範囲内のものである。
【0059】
前記特性補正値テーブルの特性補正値は、各センシング素子21に掛る荷重が増えるときの方が減るときよりも、センシング素子21の出力が高くなるという、センシング素子21のヒステリシスを含んだ非直線性の特性を、直線性の特性に補正するためのもので、この特性補正値は、センシング素子21をシャックルピン5内に配設する前の段階で、各センシング素子21毎に設定される。
【0060】
前記誤差補正値テーブルの誤差補正値は、各センシング素子21に掛る荷重と出力パルス信号との相関に関する特性の、各センシング素子21間でのばらつきを補正するためのもので、この誤差補正値は、センシング素子21をシャックルピン5内に配設する前の段階で、各センシング素子21毎に設定される。
【0061】
各センシング素子21の誤差補正値は、センシング素子21に掛る荷重と出力パルス信号との相関を示す線の傾きを、基準特性を示す線の傾きに合致させるための、各センシング素子21が出力するパルス信号の周波数に乗じる補正係数である。
【0062】
そして、前記センシング素子21は、特性補正値の説明でも述べたように、ヒステリシスを含んだ非直線性の特性を有しており、出力パルス信号の周波数帯域によって、ある特性式から別の特性式にパルス信号の特性式が変化するので、実際には、各センシング素子21に対して単一の誤差補正値が設定されるのではなく、隣接する変化点間の周波数領域に適用する複数の誤差補正値が1つのセンシング素子21に対して設定される。
【0063】
次に、前記RAM31bのデータエリアには、図6にメモリエリアマップで示すように、オフセット調整、特性補正、及び、誤差補正後の前記センシング素子21の出力から車両に掛る荷重の前後方向における偏りの度合いを示す車両前後偏度値γを算出する際に用いる前後偏度算出基準式と、各車軸毎の左右(車幅)方向における荷重の偏りの度合いを示す車軸車幅偏度値δ1〜δ4を算出する際に用いる車軸車幅偏度算出基準式と、車両全体での左右方向における荷重の偏りの度合いを示す車両車幅偏度値δを算出する際に用いる車両車幅偏度算出基準式のデータがそれぞれ格納されている。
【0064】
また、RAM31bのデータエリアには、前記車両前後偏度値及び車両車幅偏度値と、オフセット調整、特性補正、及び、誤差補正後のセンシング素子21の出力とから積載重量を算出する際に用いる積載重量算出基準式のデータが格納されている。
【0065】
そして、前記データエリアに格納される各算出基準式は、図7に模式図で示すように、車両1の前方に4つの前輪7a〜7d用の2つの車軸3a,3bが配置され、車両1の後方に4つの後輪9a〜9d用の2つの車軸3c,3dが配置されていて、各前輪7a〜7dの近傍と各後輪9a〜9dの近傍とにそれぞれセンシング素子21が配設されている場合を想定した一般式である。
【0066】
具体的には、前記車両前後偏度値γは、センシング素子21のオフセット調整、特性補正、及び、誤差補正後の出力を、車両の前側に配置されたセンシング素子21の分だけ合計した値と、車両の後側に配置されたセンシング素子21の分だけ合計した値との差が、全センシング素子21の分の合計に対して占める割合を示すものである。
【0067】
そして、前後偏度算出基準式は、各前輪7a〜7dの近傍のセンシング素子21のオフセット調整、特性補正、及び、誤差補正後の出力をM1〜M8とすると、γ={(M5+M6+M7+M8)−(M1+M2+M3+M4)}/(M1+M2+M3+M4+M5+M6+M7+M8)で表される。
【0068】
また、前記車軸車幅偏度値δ1〜δ4は、各車軸3a〜3dの両端のセンシング素子21のオフセット調整、特性補正、及び、誤差補正後の出力の差が、両出力の合計に対して占める割合を示すものである。
【0069】
そして、前記車軸車幅偏度算出基準式は、車両の進行方向に向かって各車軸3a〜3dの左端側の前輪7a,7cと後輪9a,9cに対応するセンシング素子21の、オフセット調整、特性補正、及び、誤差補正後の出力をそれぞれM1,M3,M5,M7とすると、δ1=(M1−M2)/(M1+M2)、δ2=(M3−M4)/(M3+M4)、δ3=(M5−M6)/(M5+M6)、δ4=(M7−M8)/(M7+M8)で表される。
【0070】
さらに、前記車両車幅偏度値δは、各車軸車幅偏度値δ1〜δ4を各車軸3a〜3d固有の重み付け係数でそれぞれ重み付けした後に合計した値で、前記車両車幅偏度算出基準式は、この各車軸3a〜3d固有の重み付け係数をQ1〜Q4とすると、δ=δ1×Q1+δ2×Q2+δ3×Q3+δ4×Q4で表される。
【0071】
尚、各車軸3a〜3d固有の重み付け係数Q1〜Q4は、各車軸車幅偏度値δ1〜δ4を、各車軸3a〜3dへの荷重分散の割り合いに応じて重み付けするためのもので、車両1の車種や構造により定まる経験値である。
【0072】
前記積載重量算出基準式のデータは、以下に示す、2つの式と、ファジー推論ルールベースからなる。
【0073】
まず、2つの式のうち第1の式は、前記オフセット調整、特性補正、及び、誤差補正を行った後の各センシング素子21の出力パルス信号の周波数を合計した合計周波数から、積載重量=0トン時のパルス信号の基準周波数である200Hzを差し引き、その差し引き後の積載重量分周波数に、1Hz当りの単位換算重量である0.01トンを乗じて仮積載重量Wpを算出する式である。
【0074】
次に、第2の式は、第1の式により算出した前記仮積載重量Wpを、後述するファジー推論ルールベースを用いて算出した補正値ΔWaにより補正して真の積載重量Wを算出する式である。
【0075】
尚、例えば6つのセンシング素子21の出力パルス信号の周波数から求めた、オフセット調整、特性補正、及び、誤差補正後の合計周波数が700Hzである場合は、前記第1の式により仮積載重量Wp=5トンが算出され、1200Hzである場合は仮積載重量Wp=10トンが算出される。
【0076】
そして、前記第2の式により算出した積載重量Wの小数点以下第2位は四捨五入される。
【0077】
前記ファジー推論ルールベースは、前記補正値ΔWaを、前記仮積載重量Wpと前記車両車幅偏度値δとに応じてファジー推論により算出する際に用いる、メンバーシップ関数とファジー推論ルールからなる。
【0078】
前記メンバーシップ関数は、図8(a)に示す、仮積載重量Wpのメンバーシップ関数値X11(Wp)を求める仮重量メンバーシップ関数X11と、図8(b)に示す、車両前後偏度値γのメンバーシップ関数値X13(γ)を求める前後メンバーシップ関数X13と、図8(c)に示す、車両車幅偏度値δのメンバーシップ関数値X15(δ)を求める車幅メンバーシップ関数X15と、図8(d)に示す、後述する最高8つの制御パラメータY11,Y13,Y15,Y17,Y19,Y21,Y23,Y25から補正値ΔWaを求める補正値メンバーシップ関数X17からなる。
【0079】
前記仮重量メンバーシップ関数X11は、図8(a)に示すように、縦軸にグレードを取り、横軸に、前記仮積載重量Wpを表すEL(Extra Low )、VVL(Very Very Low )、VL(Very Low)、LOW、HIGH、VH(Very High )、VVH(Very Very High)、EH(Extra High)の8段階のファジースケールを取ったものである。
【0080】
前記前後メンバーシップ関数X13は、図8(b)に示すように、縦軸にグレードを取り、横軸に、前記車両前後偏度値γを表すN(Negative)、Z(Zero)、P(Positive)、PM(Positive Medium )、PB(Positive Big)の5段階のファジースケールを横軸に取ったものである。
【0081】
前記車幅メンバーシップ関数X15は、図8(c)に示すように、縦軸にグレードを取り、横軸に、前記車両車幅偏度値δのベクトルの大きさ(ノルム)を表すVL、LOW、MED、HIGH、VHの5段階のファジースケールを取ったものである。
【0082】
前記補正値メンバーシップ関数X17は、図8(d)に示すように、前記仮積載重量Wp、前記車両前後偏度値γ、及び、前記車両車幅偏度値δの各メンバーシップ関数値X11(Wp),X13(γ),X15(δ)を、後述するファジー推論ルールに適用してファジー推論した結果得られる、最高8つの制御パラメータY11〜Y25のグレードを縦軸に取り、前記補正値ΔWaを表すNH(Negative High )、NB(Negative Big)、NM(Negative Medium )、N、Z、P、PM、PB、PH(Positive High )の9段階のファジースケールを横軸に取ったものである。
【0083】
そして、前記補正値ΔWaは、ファジー推論の結果得られる最高8つの制御パラメータY11〜Y25に対応するファジースケールを、この補正値メンバーシップ関数X17により、それぞれのグレードに応じて展開し、それらに重心法を適用して重心を求め、その重心に対応するファジースケール値を横軸から求めることで得られる。
【0084】
図9及び図10中引用符号Raで示す前記ファジー推論ルールは、前記仮重量メンバーシップ関数X11により求めた仮積載重量Wpのメンバーシップ関数値X11(Wp)と、前後メンバーシップ関数X13により求めた車両前後偏度値γのメンバーシップ関数値X13(γ)と、車幅メンバーシップ関数X15により求めた車両車幅偏度値δのメンバーシップ関数値X15(δ)との組み合わせに対応して推論される制御パラメータ、即ち、前記補正値ΔWaを表すNH、NB、NM、N、Z、P、PM、PB、PHの9段階のファジースケールのうち、どれが推論されるかについてのルールを規定したテーブルである。
【0085】
そして、ファジー推論ルールRaによる推論は、仮積載重量Wpのメンバーシップ関数値X11(Wp)と、車両前後偏度値γのメンバーシップ関数値X13(γ)と、車両車幅偏度値δのメンバーシップ関数値X15(δ)とのうち少なくとも一つの制御パラメータが複数ある場合、各関数値X11(Wp),X13(γ),X15(δ)の制御パラメータを1つずつ組み合わせたもの全てについて行われる。
【0086】
尚、図9及び図10に示す通り、仮積載重量Wpのメンバーシップ関数値X11(Wp)と、車両前後偏度値γのメンバーシップ関数値X13(γ)と、車両車幅偏度値δのメンバーシップ関数値X15(δ)との組み合わせによっては、ファジー推論が適用されない場合がある。
【0087】
従って、ファジー推論ルールRaによる推論の結果得られるのは、最高で8つの制御パラメータY11〜Y25となるが、必ずしも8つとは限らず、時には、7つ以下となる場合もある。
【0088】
そして、ファジー推論ルールRaによる推論で得られる最高8つの制御パラメータY11〜Y25は、推論の際に用いた組み合わせの各メンバーシップ関数値X11(Wp),X13(γ),X15(δ)に対応する補正値メンバーシップ関数X17のファジースケールを、それら各メンバーシップ関数値X11(Wp),X13(γ),X15(δ)のグレードのうち最も低いグレードにより重み付けした形で表される。
【0089】
一方、RAM31bのワークエリアには、図6に示すように、後述するFD50から取り込む仕様別データが格納される仕様別データレジスタや、演算、積載重量レジスタ、表示画面番号設定、走行前算出フラグ、積載フラグ、左偏りフラグ、右偏りフラグ、前偏りフラグ、後偏りフラグ、過積載フラグ、並びに、エラーフラグの各エリア等が設けられている。
【0090】
前記FD50には、図11に記録フォーマットの説明図で示すように、仕様別データエリア1〜nが形成されている。
【0091】
前記仕様別データエリア1〜nの枝番号1〜nは、図7に示す4つの車軸3a〜3dの8つの車輪7a〜7d,9a〜9dのうち、実際にセンシング素子21が配設される車輪7a〜7d,9a〜9dのパターンと、車両1の最大積載重量のパターンとの組み合わせの数に対応している。
【0092】
そして、前記各仕様別データエリア1〜nには、仕様別データがそれぞれ格納されている。
【0093】
具体的には、各仕様別データエリア1〜nのエリアの枝番号1〜nに対応するセンシング素子21の配設パターンに応じて設定された、車両前後偏度値γを算出する場合に前後偏度算出基準式に代入する、センシング素子21の調整及び補正後の出力M1〜M8のうちどれかの値と、車両車幅偏度値δを算出する場合に車両車幅偏度算出基準式に代入する、車軸車幅偏度値δ1〜δ4のうちどれかの値と、各車軸3a〜3d固有の重み付け係数Q1〜Q4の値とが格納されている。
【0094】
また、前記各仕様別データエリア1〜nには、車両1の前後及び左右方向に関する荷重の偏りを判定する際の判定基準となる、車両1の前後及び車幅の各偏度判定値が、これもやはり、そのエリアの枝番号1〜nに対応するセンシング素子21の配設パターンに応じて設定された値として格納されている。
【0095】
さらに、前記各仕様別データエリア1〜nには、そのエリアの枝番号1〜nに対応する最大積載重量に応じて設定された、過積載表示ランプ41を点灯、消灯させる際や警報ブザー43を鳴動、停止させる際の判定基準となる過積載の重量値と、仮重量、前後、及び、車幅の各メンバーシップ関数X11〜X15のファジースケールのうち、仮積載重量Wp、車両前後偏度値γ、及び、車両車幅偏度値δの各メンバーシップ関数値X11(Wp)〜X15(δ)を求める際に用いないファジースケールとが格納されている。
【0096】
また、前記各仕様別データエリア1〜nには、そのエリアの枝番号1〜nに対応するセンシング素子21の配設パターンに応じて設定された仕様別データとして、車両前後偏度値が荷重の前後方向への偏り過ぎであることを示す数値範囲内にあるか否かを確認するための計算に用いる前後偏り警報判定基準式のデータと、車両車幅偏度値が荷重の左右方向への偏り過ぎであることを示す数値範囲内にあるか否かを確認するための計算に用いる車幅偏り警報判定基準式のデータとが格納されている。
【0097】
さらに、前記各仕様別データエリア1〜nには、そのエリアの枝番号1〜nに対応する最大積載重量に応じて設定された仕様別データとして、積載重量が過積載の基準値を超えているか否かを確認するための計算に用いる過積載警報判定基準式のデータが格納されている。
【0098】
ここで、センシング素子21が車輪7a,7b,9a〜9dに対応して6つ配設されているパターンとは、車軸3a〜3dのうち車軸3bがその車両になく、実際にある3つの車軸3a,3c,3dの両端の車輪7a,7b,9a〜9d全てに対応してセンシング素子21が配設されているパターンと、車軸3a〜3dが実際に全てあるが、車軸3bの両端の2つの車輪7c,7dにはセンシング素子21が対応して配設されておらず、残る3つの車軸3a,3c,3dの両端の6つの車輪7a,7b,9a〜9dに対応してのみセンシング素子21が配設されているパターンとの両方を指す。
【0099】
また、この仕様別データエリア1〜nには、仕様別データとして、車両車幅偏度算出基準式に代入する車軸車幅偏度値δ2の値が「0」であるとするデータと、車軸3b固有の重み付け係数Q2の値が「0」であり、他の車軸3a,3c,3d固有の重み付け係数Q1,Q3,Q4の値がそれぞれQ1=0.1、Q3=0.3、Q4=0.6であるとするデータが格納されている。
【0100】
さらに、この仕様別データエリア1〜nには、仕様別データとして、前後及び車幅の各偏度判定値が、車両前後偏度値γが−0.1より下を前偏、0.5より上を後偏、車両車幅偏度値δが0.1より上を左偏、−0.1より下を右偏、車両前後偏度値γが−0.1以下0.5以上で、且つ、車両車幅偏度値δが0.1以下−0.1以上を均等とすることを意味する、−0.1≦γ≦0.5と−0.1≦δ≦0.1との2つの数値範囲のデータが格納されている。
【0101】
また、例えば、最大積載重量=10トンに対応する仕様別データエリア1〜nには、仕様別データとして、過積載の重量値が11トンであるとするデータと、仮重量、前後、及び、車幅の各メンバーシップ関数X11〜X15のファジースケールのうち用いないファジースケールがないとするデータとが格納されている。
【0102】
さらに、RAM31bのワークエリアの表示画面番号設定エリアには、パターン「0」〜パターン「4」の5つのメニュー画面のうち、液晶ディスプレイ33に表示させるメニュー画面を特定する設定番号Cが格納される。
【0103】
このうち、設定番号Cが「0」で特定されるメニュー画面「0」は、周辺機器70からの表示画面信号を基に生成される自動料金精算情報やカーナビゲーション情報といった車両関連情報を表示するものである。
【0104】
これに対して、設定番号Cが「1」〜「4」で特定されるメニュー画面「1」〜メニュー画面「4」はいずれも、センシング素子21の出力を基にマイコン31で測定した車両1の荷重に関する情報を表示するものである。
【0105】
そして、設定番号Cが「1」で特定されるメニュー画面「1」は、図12及び図13に説明図で各々示すように、2面に亘ってセンシング素子21の出力を基に算出した積載重量W、車両前後偏度値γ、車両車幅偏度値δ、各センシング素子21別の測定重量、並びに、車軸車幅偏度値δ1〜δ4を数値表示する、詳細表示画面である。
【0106】
また、設定番号Cが「2」で特定されるメニュー画面「2」は、図14に説明図で示すように、車両1の荷台の模式図上に車軸3a〜3dの配置を車軸図形により表示し、各車軸図形上において、センシング素子21の出力を基にマイコン31で算出した、各車軸3a〜3dに対応する各車軸車幅偏度値δ1〜δ4を、箱状の車軸別実荷重図形(車軸別の偏度表示図形に相当)と数値とにより表示する、車軸別情報表示画面である。
【0107】
そして、この車軸別情報表示画面であるメニュー画面「2」では、各車軸車幅偏度値δ1〜δ4が、対応する各車軸3a〜3dに配設されたセンシング素子21の出力を基に算出される、各車軸3a〜3dにかかる重量に相当する大きさの箱形で、車軸図形に対して、各車軸車幅偏度値δ1〜δ4に応じた方向及び寸法だけずらして図形表示される。
【0108】
さらに、設定番号Cが「3」で特定されるメニュー画面「3」は、図15に説明図で示すように、車両1の荷台の模式図上に、車両1の荷台に最大積載重量に相当する重量の荷物を、前後及び車幅のいずれの方向にも偏らずに積み込んだと仮定した場合の車両1の理想状態における積載重量を、最大積載重量に相当する大きさの箱形の理想荷重図形(理想偏度表示図形に相当)で表示する、総合情報表示画面である。
【0109】
そして、この総合情報表示画面であるメニュー画面「3」ではさらに、センシング素子21の出力を基にマイコン31で算出した積載重量Wが、その積載重量Wに相当する大きさの箱形の実荷重図形(偏度表示図形に相当)によって、理想荷重図形に対して前後及び車幅の各偏度値γ,δに応じた方向及び寸法だけずらして図形表示され、且つ、積載重量Wと前後及び車幅の各偏度値γ,δとが数値により表示される。
【0110】
最後に、設定番号Cが「4」で特定されるメニュー画面「4」は、センシング素子21の出力を基にマイコン31で算出した結果、積載重量Wや前後、車幅の各偏度値γ,δのうちいずれかの値が許容値を超えた場合に表示される警告情報表示画面である。
【0111】
そして、警告情報表示画面であるメニュー画面「4」では、図16に説明図で示すように、総合情報表示画面であるメニュー画面「3」と同じく、車両1の荷台の模式図上に理想荷重図形が表示され、その上で、実荷重図形が、黒色等の通常色(通常形態に相当)で表示されるメニュー画面「3」の場合と異なる、例えば橙色や赤色の警告色(警告形態に相当)で表示され、さらに、積載重量Wや前後、車幅の各偏度値γ,δのうち許容値を超えたパラメータの内容等に応じた警告レベルと、そのレベルに対応した警告メッセージとが表示される。
【0112】
尚、図12乃至図16のいずれにおいても図示を省略しているが、パターン「0」〜パターン「4」の各メニュー画面上には、他のメニュー画面への切り換えを行うために、切り換え先のメニュー画面の選択肢と、この切り換え先のメニュー画面を特定する左右のカーソルキー37c,37dとセットキー43との操作内容とを表示する領域が設けられている。
【0113】
但し、メニュー画面「4」は警告情報表示画面であるため、パターン「0」〜パターン「3」の各メニュー画面上では、切り換え先のメニュー画面の選択肢からメニュー画面「4」が除外されている。
【0114】
次に、前記ROM31cに格納された制御プログラムに従いCPU31aが行う処理を、図17乃至図24のフローチャートを参照して説明する。
【0115】
積載重量計30の電源投入によりマイコン31が起動してプログラムがスタートすると、CPU31aは、図17のフローチャートに示すメインルーチンに従って、初期設定を行う(ステップS1)。
【0116】
この初期設定では、RAM31bの積載重量レジスタエリアの格納値をゼロリセットし、また、表示画面番号設定エリアの設定番号Cを「0」に設定すると共に、走行前算出、積載、左偏り、右偏り、前偏り、後偏り、過積載、並びに、エラーの各フラグエリアのフラグF1〜F8を「0」にそれぞれ設定する。
【0117】
ステップS1の初期設定が済んだならば、以後は、オフセット値設定処理(ステップS5)、演算処理(ステップS7)、過偏度判定処理(ステップS9)、過積載判定処理(ステップS11)、表示画面選択処理(ステップS13)、並びに、画面表示処理(ステップS15)を順次行い、画面表示処理を行った後、ステップS5にリターンして、それ以後は、ステップS5乃至ステップS15をサイクリックに繰り返して行う。
【0118】
そして、ステップS3の仕様設定処理では、図18にサブルーチンのフローチャートで示すように、FDD47にFD50が装填されているものとして、液晶ディスプレイ33に仕様設定の要否を尋ねるメッセージを表示させて(ステップS3a)、テンキー39から仕様設定の要(1)又は否(0)を指定する入力があるか否かを確認する(ステップS3b)。
【0119】
仕様設定の要否を指定する入力がない場合は(ステップS3bでN)、入力があるまでステップS3bをリピートし、入力がある場合、その入力が「0」であれば(ステップS3bで「0」)、仕様設定処理を終了して図17のメインルーチンにリターンする。
【0120】
一方、テンキー39からの入力が「1」であれば(ステップS3bで「1」)、FD50中の仕様別データエリア1〜nのうち、この積載重量計30を搭載する車両1へのセンシング素子21の配設パターンと、車両1の最大積載重量とにいずれも合致する内容の仕様別データが格納されたエリアの枝番号1〜nと同じ、仕様番号の入力を要求するメッセージを液晶ディスプレイ33に表示させた後(ステップS3c)、テンキー39からの仕様番号の入力があるか否かを確認する(ステップS3d)。
【0121】
テンキー39からの仕様番号の入力がない場合は(ステップS3dでN)、入力があるまでステップS3dをリピートし、入力がある場合は(ステップS3dでY)、FD50中の仕様別データエリア1〜nのうち、テンキー39から入力された仕様番号と同じ枝番号1〜nの仕様別データエリアから、格納されている仕様別データをFDD47により読み込んで、RAM31bの仕様別データレジスタエリアに格納した後(ステップS3e)、仕様設定処理を終了して図17のメインルーチンにリターンする。
【0122】
尚、ステップS3eにおいて、仕様別データレジスタエリアに仕様別データが既に格納されている場合は、FD50から読み込んだ仕様別データを、既に格納されている仕様別データに上書きして格納する。
【0123】
また、ステップS5のオフセット値設定処理では、図19にサブルーチンのフローチャートで示すように、カーソルキー37a〜37dやテンキー39の操作による設定モード要求があるか否かを確認し(ステップS5a)、要求がなければ(ステップS5aでN)、オフセット値設定処理を終了して図17のメインルーチンにリターンする。
【0124】
一方、設定モード要求があれば(ステップS5aでY)、車両1を風袋状態としておいて、各センシング素子21から入力されるパルス信号の周波数を割り出し(ステップS5b)、割り出した各センシング素子21の出力パルス信号の周波数から、積載重量=0トン時の基準周波数である200Hzをそれぞれ差し引いて積載重量分周波数を算出する演算を、RAM31bの演算エリアにおいて行う(ステップS5c)。
【0125】
次に、算出した各センシング素子21の周波数の+,−の符号を反転させた周波数値を、仕様別データレジスタエリアに格納されている仕様別データ中のパターンで車両1の各所に配置されている、各センシング素子21のオフセット調整値としてNVM45に書き込み(ステップS5d)、その後、オフセット値設定処理を終了して図17のメインルーチンにリターンする。
【0126】
さらに、ステップS7の演算処理では、図20にサブルーチンのフローチャートで示すように、走行センサ60からの走行パルスが入力されたか否かを確認し(ステップS7a)、入力されていない場合は(ステップS7aでN)、後述するステップS7eに進み、入力された場合は(ステップS7aでY)、RAM31bの積載フラグエリアのフラグF2が「0」であるか否かを確認する(ステップS7b)。
【0127】
積載フラグエリアのフラグF2が「0」でない場合は(ステップS7bでN)、RAM31bの走行前算出フラグエリアのフラグF1を「1」に設定した後(ステップS7c)、ステップS7dに進み、フラグF2が「0」である場合は(ステップS7bでY)、ステップS7cをスキップしてステップS7dに進む。
【0128】
ステップS7dでは、所定時間Tw秒の待機を行い、その後、演算処理を終了して図17のメインルーチンにリターンする。
【0129】
また、ステップS7aで走行センサ60からの走行パルスが入力されていない場合(N)は、各センシング素子21から入力されるパルス信号の周波数を割り出し(ステップS7e)、次に、割り出した各センシング素子21の出力パルス信号の周波数が全て、オフセット調整値によりオフセット調整可能な30Hz〜700Hzの範囲内であるか否かを確認する(ステップS7f)。
【0130】
各センシング素子21のうち1つでも、その出力パルス信号の周波数が30Hz〜700Hzの範囲外である場合には(ステップS7fでN)、RAM31bのエラーフラグエリアのフラグF8を「1」に設定した後(ステップS7g)、演算処理を終了して図17のメインルーチンにリターンし、各センシング素子21の出力パルス信号の周波数が全て30Hz〜700Hzの範囲内である場合には(ステップS7fでY)、エラーフラグエリアのフラグF8が「0」であるか否かを確認する(ステップS7h)。
【0131】
エラーフラグエリアのフラグF8が「0」である場合は(ステップS7hでY)、後述するステップS7kに進み、「0」でない場合は(ステップS7hでN)、エラーフラグエリアのフラグF8を「0」に設定した後(ステップS7j)、ステップS7kに進む。
【0132】
ステップS7kでは、ステップS7eで割り出した各センシング素子21から入力されるパルス信号の周波数を、演算エリアにおいて、NVM45のオフセット調整値によりオフセット調整し、次に、オフセット調整後の各センシング素子21からのパルス信号周波数を、演算エリアにおいて、NVM45の特性補正値により特性補正し(ステップS7m)、さらに、オフセット調整及び特性補正後の各センシング素子21からのパルス信号周波数を、演算エリアにおいて、NVM45の誤差補正値により誤差補正する(ステップS7n)。
【0133】
ここで、前記特性補正を行った後の各センシング素子21の出力Mi(M1〜M8)は、ステップS31でオフセット調整した後の、特性補正前の各センシング素子21の出力Wiが、Wi>0であるか、或は、Wi≦0であるかによって、異なる式で定義される。
【0134】
即ち、特性補正前のセンシング素子21の出力Wiが、Wi>0である場合は、特性補正後のセンシング素子21の出力Miが、Mi=Wiとなり、Wi≦0である場合は、Mi=0となる。
【0135】
そして、このオフセット調整、特性補正、及び、誤差補正後の各センシング素子21からのパルス信号周波数の合計、即ち、合計周波数を算出し(ステップS7p)、次に、オフセット調整、特性補正、及び、誤差補正後の各センシング素子21の出力M1〜M8と、仕様別データレジスタエリアに格納された仕様別データと、RAM31bのデータエリアに格納された前後偏度算出基準式とを基に、車両前後偏度値γを算出する(ステップS7r)。
【0136】
但し、前後偏度算出基準式の分母、つまり、(M1+M2+M3+M4+M5+M6+M7+M8)が「0」である場合は、車両前後偏度値γの値はγ=0となる。
【0137】
続いて、オフセット調整、特性補正、及び、誤差補正後の各センシング素子21の出力M1〜M8と、仕様別データレジスタエリアに格納された各車軸3a〜3d固有の重み付け係数Q1〜Q8と、データエリアに格納された車軸車幅偏度算出基準式とを基に、各車軸3a〜3d毎の車軸車幅偏度値δ1〜δ4を算出する(ステップS7s)。
【0138】
従って、センシング素子21の配設されていない車輪7a〜7d,9a〜9dに対応する車軸3a〜3dについては、対応する車軸車幅偏度値δ1〜δ4として「0」が算出される。
【0139】
ステップS7sで、各車軸3a〜3d毎の車軸車幅偏度値δ1〜δ4を算出したならば、各車軸車幅偏度値δ1〜δ4と、それらの車軸車幅偏度値δ1〜δ4に対応する各車軸3a〜3d固有の重み付け係数Q1〜Q4と、データエリアに格納された車両車幅偏度算出基準式とを基に、車両車幅偏度値δを算出する(ステップS7t)。
【0140】
次に、ステップS7vにおいて、データエリアに格納された第1の式により、ステップS37で算出したオフセット調整、特性補正、及び、誤差補正後の各センシング素子21からのパルス信号周波数の合計周波数から、積載重量=0トン時のパルス信号の基準周波数である200Hzを差し引き、その差し引き後の積載重量分周波数に、1Hz当りの単位換算重量である0.01トンを乗じて仮積載重量Wpを算出する。
【0141】
次に、データエリアに格納された仮重量メンバーシップ関数X11と、仕様別データレジスタエリアに格納された仕様別データとを基に、ステップS65aで算出した仮積載重量Wpのメンバーシップ関数値X11(Wp)を求めると共に(ステップS7w)、データエリアに格納された前後メンバーシップ関数X13と、仕様別データレジスタエリアに格納された仕様別データとを基に、ステップS7rで算出した車両前後偏度値γのメンバーシップ関数値X13(γ)を求める(ステップS7x)。
【0142】
さらに、データエリアに格納された車幅メンバーシップ関数X15と、仕様別データレジスタエリアに格納された仕様別データとを基に、ステップS43で算出した車両車幅偏度値δのメンバーシップ関数値X15(δ)を求め(ステップS7y)、これら各メンバーシップ関数値X11(Wp),X13(γ),X15(δ)から、データエリアに格納されたファジー推論ルールを用いたファジー推論により、最高8つの制御パラメータY11〜Y25を求める(ステップS7z)。
【0143】
続いて、ステップS7zで求めた最高8つの制御パラメータY11〜Y25に対応するファジースケールを、データエリアに格納された補正値メンバーシップ関数X17により、それぞれのグレードに応じて展開し、それらに重心法を適用して重心を求め、その重心に対応するファジースケール値を、補正値ΔWaとして横軸から求め(ステップS7A)、データエリアに格納された第2の式により、ステップS7Aで求めた補正値ΔWaを、ステップS65aで算出した仮積載重量Wpから差し引いて、真の積載重量Wを求める(ステップS7B)。
【0144】
次に、RAM31bの積載重量レジスタエリアの格納値を、ステップS7Bで算出した積載重量Wに更新し(ステップS7C)、その後、演算処理を終了して図17のメインルーチンにリターンする。
【0145】
また、ステップS9の過偏度判定処理では、図21にサブルーチンのフローチャートで示すように、ステップS7rで算出した車両前後偏度値γが、仕様別データレジスタエリアに格納された前後偏度判定値の数値範囲内にあるか否かを、同じく仕様別データレジスタエリアに格納された前後偏り警報判定基準式を用いた計算により確認する(ステップS9a)。
【0146】
車両前後偏度値γが前後偏度判定値の数値範囲内にない場合は(ステップS9aでN)、後述するステップS9cに進み、範囲内にある場合は(ステップS9aでY)、RAM31bの前後の偏りフラグエリアのフラグF5,F6をそれぞれ「0」に設定した後(ステップS9b)、後述するステップS9fに進む。
【0147】
また、ステップS9aにおいて、ステップS7rで算出した車両前後偏度値γが前後偏度判定値の数値範囲内にない場合(N)に進むステップS9cでは、前記車両前後偏度値γがプラスであるか否かを確認し、前記車両前後偏度値γがプラスである場合は(ステップS9cでY)、後述するステップS9eに進み、プラスでない場合は(ステップS9cでN)、前偏りフラグエリアのフラグF5を「1」に設定すると共に、後偏りフラグエリアのフラグF6を「0」に設定した後(ステップS9d)、ステップS9fに進む。
【0148】
さらに、ステップS9cにおいて、ステップS7rで算出した車両前後偏度値γがプラスである場合(Y)に進むステップS9eでは、後偏りフラグエリアのフラグF6を「1」に設定すると共に、前偏りフラグエリアのフラグF5を「0」に設定し、その後、ステップS9fに進む。
【0149】
ステップS9a、ステップS9c、及び、ステップS9eで前偏りフラグエリアのフラグF5と後偏りフラグエリアのフラグF6とをそれぞれ設定した後に進むステップS9fでは、ステップS7tで算出した車両車幅偏度値δが、仕様別データレジスタエリアに格納された車幅偏度判定値の数値範囲内にあるか否かを、同じく仕様別データレジスタエリアに格納された車幅偏り警報判定基準式を用いた計算により確認する。
【0150】
算出した車両車幅偏度値δが車幅偏度判定値の数値範囲内にない場合は(ステップS9fでN)、後述するステップS9hに進み、範囲内にある場合は(ステップS9fでY)、RAM31bの左右の偏りフラグエリアのフラグF3,F4をそれぞれ「0」に設定した後(ステップS9g)、過偏度判定処理を終了して図17のメインルーチンにリターンする。
【0151】
また、ステップS9fにおいて、ステップS7tで算出した車両車幅偏度値δが車幅偏度判定値の数値範囲内にない場合(N)に進むステップS9hでは、前記車両車幅偏度値δがプラスであるか否かを確認し、プラスでない場合は(ステップS9hでN)、後述するステップS9kに進み、プラスである場合は(ステップS9hでY)、左偏りフラグエリアのフラグF3を「1」に設定すると共に、右偏りフラグエリアのフラグF4を「0」に設定した後(ステップS9j)、過偏度判定処理を終了して図17のメインルーチンにリターンする。
【0152】
さらに、ステップS9hにおいて、ステップS7tで算出した車両車幅偏度値δがプラスでない場合(N)に進むステップS9kでは、右偏りフラグエリアのフラグF4を「1」に設定すると共に、左偏りフラグエリアのフラグF3を「0」に設定し、その後、過偏度判定処理を終了して図17のメインルーチンにリターンする。
【0153】
また、ステップS11の過積載判定処理では、図22にサブルーチンのフローチャートに示すように、ステップS7Cで積載重量レジスタエリアに格納した積載重量Wが「0」であるか否かを確認し(ステップS11a)、積載重量Wが「0」である場合は(ステップS11aでY)、積載フラグエリアのフラグF2を「0」に設定した後(ステップS11b)、過積載判定処理を終了して図17のメインルーチンにリターンし、積載重量が「0」でない場合は(ステップS11aでN)、積載フラグエリアのフラグF2を「1」に設定した後(ステップS11c)、ステップS11dに進む。
【0154】
ステップS11dでは、ステップS7Cで積載重量レジスタエリアに格納した積載重量が、仕様別データレジスタエリアに格納された仕様別データ中の過積載重量値を上回っているか否かを、同じく仕様別データレジスタエリアに格納された過積載警報判定基準式を用いた計算により確認する。
【0155】
そして、積載重量が過積載重量値を上回っていない場合は(ステップS11dでN)、RAM31bの過積載フラグエリアのフラグF7を「0」に設定した後(ステップS11e)、過積載判定処理を終了して図17のメインルーチンにリターンし、上回っている場合は(ステップS11dでY)、過積載フラグエリアのフラグF7を「1」に設定した後(ステップS11f)、過積載判定処理を終了して図17のメインルーチンにリターンする。
【0156】
さらに、ステップS13の表示画面選択処理では、図23にサブルーチンのフローチャートに示すように、左偏り、右偏り、前偏り、後偏り、並びに、過積載の各フラグエリアのフラグF3〜F7が全て「0」であるか否かを確認し(ステップS13a)、全て「0」である場合は(ステップS13aでY)、後述するステップS13dに進み、1つでも「0」でない場合は(ステップS13aでN)、RAM31bの表示画面番号設定エリアの設定番号Cが「4」であるか否かを確認する(ステップS13b)。
【0157】
設定番号Cが「4」である場合は(ステップS13bでY)、表示画面選択処理を終了して図17のメインルーチンにリターンし、設定番号Cが「4」でない場合は(ステップS13bでN)、設定番号Cを「4」に設定した後(ステップS13c)、表示画面選択処理を終了して図17のメインルーチンにリターンする。
【0158】
また、ステップS13aで左偏り、右偏り、前偏り、後偏り、並びに、過積載の各フラグエリアのフラグF3〜F7が全て「0」である場合(Y)に進むステップS13dでは、左右のカーソルキー37c,37dとセットキー43との操作による液晶ディスプレイ33に表示させるメニュー画面の切換指示があるか否かを確認する。
【0159】
表示させるメニュー画面の切換指示がない場合は(ステップS13dでN)、表示画面選択処理を終了して図17のメインルーチンにリターンし、切換指示がある場合は(ステップS13dでY)、その切換指示の内容に応じた番号に表示画面番号設定エリアの設定番号Cを設定した後(ステップS13e)、表示画面選択処理を終了して図17のメインルーチンにリターンする。
【0160】
最後に、ステップS15の画面表示処理では、図24にサブルーチンのフローチャートに示すように、RAM31bの表示画面番号設定エリアの設定番号Cが「4」であるか否かを確認する(ステップS15a)。
【0161】
設定番号Cが「4」でない場合は(ステップS15aでN)、後述するステップS15cに進み、「4」である場合は(ステップS15aでY)、警報ブザー35を所定時間鳴動させた後(ステップS15b)、ステップS15cに進む。
【0162】
ステップS15cでは、設定番号Cに対応するメニュー画面の画像情報を生成し、次に、生成した画像情報によるメニュー画面の表示に、液晶ディスプレイ33の表示を更新させた後(ステップS15d)、画面表示処理を終了して図17のメインルーチンにリターンする。
【0163】
以上の説明からも明らかなように、本実施形態では、図24のフローチャートにおけるステップS15c及びステップS15dが、請求項中の模式図表示手段31A、偏度表示図形表示手段31B、理想偏度表示図形表示手段31C、過偏度判定結果表示手段31E、過積載判定結果表示手段31G、並びに、車両状態情報表示手段31Hに各々対応する処理となっている。
【0164】
また、本実施形態では、図21のフローチャートにおけるステップS9a及びステップS9fが請求項中の過偏度判定手段31Dに対応する処理となっており、図22のフローチャートにおけるステップS11dが請求項中の過積載判定手段31Fに対応する処理となっている。
【0165】
さらに、本実施形態では、図23のフローチャートにおけるステップS13a乃至ステップS13cと、図24中のステップS15a、ステップS15c、及び、ステップS15dとが、請求項中の表示選択実行手段31Jに対応する処理となっている。
【0166】
次に、上述のように構成された本実施形態の車両重量計30の動作(作用)について説明する。
【0167】
まず、積載重量計30の電源を投入すると、車両1におけるセンシング素子21の配置や車両1の最大積載重量を表す仕様設定の要否を尋ねるメッセージが、テンキー39から設定必要を示す「1」か、或は、設定不要を示す「0」が入力されて、その後、セットキー43の操作で入力が確定されるまでの間、液晶ディスプレイ33に表示され続ける。
【0168】
そして、テンキー39から設定必要を示す「1」が入力されセットキー43の操作で確定されると、上述したセンシング素子21の配置と最大積載重量の組み合わせパターンに対応してあらかじめ設定された1〜nの仕様番号の入力を要求するメッセージが、仕様番号がテンキー39から入力されて、その後、セットキー43の操作で入力が確定されるまでの間、液晶ディスプレイ33に表示され続ける。
【0169】
ここで、仕様番号がテンキー39から入力されてセットキー43の操作で確定されると、FD50の仕様別データエリア1〜nのうち、入力された仕様番号と同じ枝番号の仕様別データエリアに記録されている仕様別データが、FDD47によりFD50から読み込まれてRAM31bの仕様別データレジスタエリアに格納される。
【0170】
そして、積載重量計30の電源が投入され、仕様設定の不要を示す「0」がテンキー39から入力されセットキー43の操作で確定されるか、或は、仕様設定によりFD50の仕様別データがRAM31bに格納されると、液晶ディスプレイ33の表示が、仕様設定の要否を尋ねるメッセージの画面から、車両関連情報を表示するメニュー画面「0」に切り換わる。
【0171】
このようにして液晶ディスプレイ33の表示がメニュー画面「0」に切り換わった後、左右のカーソルキー37c,37dとセットキー43との操作によって、液晶ディスプレイ33に表示させるメニュー画面の切換指示が行われると、パターン「1」〜パターン「3」の各メニュー画面のうち、切換指示により選択されたパターンのメニュー画面に、液晶ディスプレイ33の表示が切り換わる。
【0172】
このとき、車両前後偏度値γ、車軸車幅偏度値δ1〜δ4、車両車幅偏度値δ、並びに、真の積載重量Wの各数値が、電源投入後からまだ一度も算出されていない場合は、パターン「1」〜パターン「3」の各メニュー画面における、これらの各数値や、これら各数値を基に生成される車軸別実荷重及び実荷重の各図形の表示が、いずれも省略される。
【0173】
また、液晶ディスプレイ33の表示が仕様設定の要否を尋ねるメッセージの画面からいずれかのメニュー画面に切り換わった後、カーソルキー37a〜37dやテンキー39の操作によりオフセット調整値の設定モードへの移行を要求する入力を行うと、液晶ディスプレイ33の表示がオフセット調整値の入力を待機するメッセージ表示に切り換わる。
【0174】
そして、ここで、テンキー39とセットキー43の操作により数値を入力すると、その値がセンシング素子21のオフセット調整値とされてNVM45に書き込まれ、その後、液晶ディスプレイ33の表示が、オフセット調整値の入力を待機するメッセージ表示に切り換わる前に表示されていたメニュー画面に戻る。
【0175】
さらに、液晶ディスプレイ33の表示が仕様設定の要否を尋ねるメッセージの画面からいずれかのメニュー画面に切り換わると、その後は、車両1が停止していて走行センサ60からの走行パルスが入力されない状態において、RAM31bの仕様別データレジスタエリアに格納されている仕様別データ中に配置が示されている各センシング素子21からの、対応する車輪7a〜7d,9a〜9dにかかる荷重に応じた周波数のパルス信号が、その周波数に対応したNVM45のオフセット調整値により補正され、これによって、風袋状態の各センシング素子21間での出力周波数のばらつきがなくされる。
【0176】
続いて、オフセット調整値による補正後の各センシング素子21の出力パルス信号が、その周波数に対応したNVM45の特性補正値により補正され、これによって、各センシング素子21の出力が、非直線性の特性から直線性の特性になり、センシング素子21の出力パルス信号の周波数が、荷重が減るときよりも増えるときの方が高くなるというヒステリシスの影響で、現実にはあり得ない負の荷重に相当する値になることがなくされる。
【0177】
さらに、オフセット調整値及び特性補正値による補正後の各センシング素子21の出力パルス信号が、その周波数に対応したNVM45の誤差補正値により補正され、これによって、各センシング素子21間での、荷重と出力パルス信号との相関に関する特性のばらつきがなくされる。
【0178】
そして、前記オフセット調整、特性補正、及び、誤差補正後の各車軸3a〜3d毎のセンシング素子21の出力パルス信号を基に、車両1全体についての荷重の前後方向に関する偏度である前記車両前後偏度値γが算出される(本実施形態では計算上−1.0〜1.0)と共に、各車軸3a〜3dについての荷重の偏度である前記車軸車幅偏度値δ1〜δ4が算出され、これと、各車軸3a〜3d固有の重み付け係数Q1,Q3により、車両1全体についての荷重の偏度である前記車両車幅偏度値δが算出される(本実施形態では計算上0〜1.0)。
【0179】
従って、例えば、積載重量計30を搭載した車両1の車軸3bの両端の車輪7c,7dに、対応するセンシング素子21が配設されていないか、或は、その車両1に車軸3bが元々なく、これに伴って、車輪7c,7dに対応するセンシング素子21がなく、これに対応する内容の仕様別データが、FD50から読み込まれてRAM31bの仕様別データレジスタエリアに格納されている場合には、車両前後偏度値γと車両車幅偏度値δが次のようにして算出される。
【0180】
まず、車両前後偏度値γの算出に当たっては、RAM31bの仕様別データレジスタエリアに格納されている仕様別データの内容に従って、車輪7c,7dに対応するセンシング素子21の調整及び補正後の出力M3,M4の値として、車両車幅偏度算出基準式に「0」が代入され、従って、車両前後偏度値γの値は、γ={(M5+M6+M7+M8)−(M1+M2+0+0)}/(M1+M2+0+0+M5+M6+M7+M8)={(M5+M6+M7+M8)−(M1+M2)}/(M1+M2+M5+M6+M7+M8)となる。
【0181】
一方、車両車幅偏度値δの算出に当たっては、RAM31bの仕様別データレジスタエリアに格納されている仕様別データの内容に従って、M3,M4の値として「0」が、また、車軸3a〜3d固有の重み付け係数Q1〜Q4としてQ1=0.1、Q2=0、Q3=0.3、Q4=0.6が、さらに、車軸3bについての車軸車幅偏度値δ2の値として「0」が、車両車幅偏度算出基準式にそれぞれ代入され、従って、車両車幅偏度値δの値は、δ=δ1×0.1+0×0+δ3×0.3+δ4×0.6となる。
【0182】
さらに、前記車両前後偏度値γから、この車両前後偏度値γのメンバーシップ関数値X13(γ)が、RAM31bのデータエリアに格納されている前後メンバーシップ関数X13を基に求められると共に、前記車両車幅偏度値δから、この車両車幅偏度値δのメンバーシップ関数値X15(δ)が、RAM31bのデータエリアに格納されている車幅メンバーシップ関数X15を基に求められる。
【0183】
この場合、例えば、積載重量計30を搭載した車両1の積載重量が10トンであり、これに対応する内容の仕様別データが、FD50から読み込まれてRAM31bの仕様別データレジスタエリアに格納されている場合には、車両前後偏度値γのメンバーシップ関数値X13(γ)とが、図8(b)のN〜PBの全スケールを用いて算出されると共に、車両車幅偏度値δのメンバーシップ関数値X15(δ)が、図8(c)のVL〜VHの全スケールを用いて算出される。
【0184】
従って、例えば、車両前後偏度値γが0.2である場合、図8(b)中破線で示すように、車両前後偏度値γ=0.2のファジースケール値上で交差するファジースケールにより求められるメンバーシップ関数値X13(0.2)は、Z(0.2)=g、P(0.2)=hとなる。
【0185】
また、車両車幅偏度値δのベクトルの大きさ、即ち、ノルムが0.3である場合、図8(c)中破線で示すように、車両車幅偏度値δ=0.3のファジースケール値上で交差するファジースケールにより求められるメンバーシップ関数値X15(0.3)は、LO(0.3)=j、MED(0.3)=kとなる。
【0186】
さらに、前記オフセット調整、特性補正、及び、誤差補正後の各車軸3a〜3d毎のセンシング素子21の出力パルス信号を合計した合計周波数から、RAM31bのデータエリアに格納されている第1の式により車両1の仮積載重量Wpが算出され(本実施形態では計算上0ton〜16ton)、この仮積載重量Wpのメンバーシップ関数値X11(Wp)が、RAM31bのデータエリアに格納されている仮重量メンバーシップ関数X11を基に求められる。
【0187】
この場合、例えば、積載重量計30を搭載した車両1の積載重量が10トンであり、これに対応する内容の仕様別データが、FD50から読み込まれてRAM31bの仕様別データレジスタエリアに格納されている場合には、仮積載重量Wpのメンバーシップ関数値X11(Wp)が、図8(a)のEL〜EHの全スケールを用いて算出される。
【0188】
従って、例えば、仮積載重量Wpが8.5(ton)である場合、図8(a)中破線で示すように、仮積載重量Wp=8.5のファジースケール値上で交差するファジースケールにより求められるメンバーシップ関数値X11(8.5)は、HI(8.5)=e、VH(8.5)=fとなる。
【0189】
そして、前記仮積載重量Wpのメンバーシップ関数値X11(Wp)と、車両前後偏度値γのメンバーシップ関数値X13(γ)と、車両車幅偏度値δのメンバーシップ関数値X15(δ)とがそれぞれ算出されると、それらから、RAM31bのデータエリアに格納されているファジー推論ルールRaを基にして制御パラメータが推論される。
【0190】
例えば、上述したように、仮積載重量Wpのメンバーシップ関数値X11(8.5)が、HI(8.5)=e、VH(8.5)=fであり、車両前後偏度値γのメンバーシップ関数値X13(0.2)が、Z(0.2)=g、P(0.2)=hであり、車両車幅偏度値δのメンバーシップ関数値X15(0.3)が、LO(0.3)=j、MED(0.3)=kである場合、ファジー推論ルールRaによる推論は、次の第1乃至第8のパターンからなる8通りの組み合わせについて行われる。
【0191】
まず、第1のパターンは、仮積載重量Wpのメンバーシップ関数値HI(8.5)=eと、車両前後偏度値γのメンバーシップ関数値Z(0.2)=gと、車両車幅偏度値δのメンバーシップ関数値LO(0.3)=jの組み合わせについての推論で、第2のパターンは、仮積載重量Wpのメンバーシップ関数値HI(8.5)=eと、車両前後偏度値γのメンバーシップ関数値Z(0.2)=gと、車両車幅偏度値δのメンバーシップ関数値MED(0.3)=kの組み合わせについての推論である。
【0192】
また、第3のパターンは、仮積載重量Wpのメンバーシップ関数値HI(8.5)=eと、車両前後偏度値γのメンバーシップ関数値P(0.2)=hと、車両車幅偏度値δのメンバーシップ関数値LO(0.3)=jの組み合わせについての推論で、第4のパターンは、仮積載重量Wpのメンバーシップ関数値HI(8.5)=eと、車両前後偏度値γのメンバーシップ関数値P(0.2)=hと、車両車幅偏度値δのメンバーシップ関数値MED(0.3)=kの組み合わせについての推論である。
【0193】
さらに、第5のパターンは、仮積載重量Wpのメンバーシップ関数値VH(8.5)=fと、車両前後偏度値γのメンバーシップ関数値Z(0.2)=gと、車両車幅偏度値δのメンバーシップ関数値LO(0.3)=jの組み合わせについての推論で、第6のパターンは、仮積載重量Wpのメンバーシップ関数値VH(8.5)=fと、車両前後偏度値γのメンバーシップ関数値Z(0.2)=gと、車両車幅偏度値δのメンバーシップ関数値MED(0.3)=kの組み合わせについての推論である。
【0194】
最後に、第7のパターンは、仮積載重量Wpのメンバーシップ関数値VH(8.5)=fと、車両前後偏度値γのメンバーシップ関数値P(0.2)=hと、車両車幅偏度値δのメンバーシップ関数値LO(0.3)=jの組み合わせについての推論で、第8のパターンは、仮積載重量Wpのメンバーシップ関数値VH(8.5)=fと、車両前後偏度値γのメンバーシップ関数値P(0.2)=hと、車両車幅偏度値δのメンバーシップ関数値MED(0.3)=kの組み合わせについての推論である。
【0195】
そして、第1のパターンの組み合わせに対応する補正値メンバーシップ関数X17のファジースケールは、図9から明らかなように、「Z」であり、この「Z」を重み付けするグレードは、図8(a)〜(c)から明らかなように、仮積載重量Wpのメンバーシップ関数値HI(8.5)や、車両車幅偏度値δのメンバーシップ関数値LO(0.3)のグレードe,jよりも、車両前後偏度値γのメンバーシップ関数値Z(0.2)のグレードgの方が低いため、「g」となる。
【0196】
従って、ファジー推論ルールRaによるファジー推論の結果、仮積載重量Wpのメンバーシップ関数値HI(8.5)=eと、車両前後偏度値γのメンバーシップ関数値Z(0.2)=gと、車両車幅偏度値δのメンバーシップ関数値LO(0.3)=jとの組み合わせである第1のパターンから得られる制御パラメータY11は、Y11=g*Zとなる。
【0197】
また、第2のパターンの組み合わせに対応する補正値メンバーシップ関数X17のファジースケールは、図9から明らかなように、「Z」であり、この「Z」を重み付けするグレードは、図8(a)〜(c)から明らかなように、仮積載重量Wpのメンバーシップ関数値HI(8.5)や、車両前後偏度値γのメンバーシップ関数値Z(0.2)のグレードe,gよりも、車両車幅偏度値δのメンバーシップ関数値MED(0.3)のグレードkの方が低いため、「k」となる。
【0198】
従って、ファジー推論ルールRaによるファジー推論の結果、仮積載重量Wpのメンバーシップ関数値HI(8.5)=eと、車両前後偏度値γのメンバーシップ関数値Z(0.2)=gと、車両車幅偏度値δのメンバーシップ関数値MED(0.3)=kとの組み合わせである第2のパターンから得られる制御パラメータY13は、Y13=k*Zとなる。
【0199】
さらに、第3のパターンの組み合わせに対応する補正値メンバーシップ関数X17のファジースケールは、図9から明らかなように、「Z」であり、この「Z」を重み付けするグレードは、図8(a)〜(c)から明らかなように、車両前後偏度値γのメンバーシップ関数値P(0.2)や、車両車幅偏度値δのメンバーシップ関数値LO(0.3)のグレードh,jよりも、仮積載重量Wpのメンバーシップ関数値HI(8.5)のグレードeの方が低いため、「e」となる。
【0200】
従って、ファジー推論ルールRaによるファジー推論の結果、仮積載重量Wpのメンバーシップ関数値HI(8.5)=eと、車両前後偏度値γのメンバーシップ関数値P(0.2)=hと、車両車幅偏度値δのメンバーシップ関数値LO(0.3)=jとの組み合わせである第3のパターンから得られる制御パラメータY15は、Y15=e*Zとなる。
【0201】
また、第4のパターンの組み合わせに対応する補正値メンバーシップ関数X17のファジースケールは、図9から明らかなように、「Z」であり、この「Z」を重み付けするグレードは、図8(a)〜(c)から明らかなように、仮積載重量Wpのメンバーシップ関数値HI(8.5)や、車両前後偏度値γのメンバーシップ関数値P(0.2)のグレードe,hよりも、車両車幅偏度値δのメンバーシップ関数値MED(0.3)のグレードkの方が低いため、「k」となる。
【0202】
従って、ファジー推論ルールRaによるファジー推論の結果、仮積載重量Wpのメンバーシップ関数値HI(8.5)=eと、車両前後偏度値γのメンバーシップ関数値P(0.2)=hと、車両車幅偏度値δのメンバーシップ関数値MED(0.3)=kとの組み合わせである第4のパターンから得られる制御パラメータY17は、Y17=k*Zとなる。
【0203】
さらに、第5のパターンの組み合わせに対応する補正値メンバーシップ関数X17のファジースケールは、図10から明らかなように、「N」であり、この「N」を重み付けするグレードは、図8(a)〜(c)から明らかなように、仮積載重量Wpのメンバーシップ関数値VH(8.5)や、車両車幅偏度値δのメンバーシップ関数値LO(0.3)のグレードf,jよりも、車両前後偏度値γのメンバーシップ関数値Z(0.2)のグレードgの方が低いため、「g」となる。
【0204】
従って、ファジー推論ルールRaによるファジー推論の結果、仮積載重量Wpのメンバーシップ関数値VH(8.5)=fと、車両前後偏度値γのメンバーシップ関数値Z(0.2)=gと、車両車幅偏度値δのメンバーシップ関数値LO(0.3)=jとの組み合わせである第5のパターンから得られる制御パラメータY19は、Y19=g*Nとなる。
【0205】
また、第6のパターンの組み合わせに対応する補正値メンバーシップ関数X17のファジースケールは、図10から明らかなように、「N」であり、この「N」を重み付けするグレードは、図8(a)〜(c)から明らかなように、仮積載重量Wpのメンバーシップ関数値VH(8.5)や、車両前後偏度値γのメンバーシップ関数値Z(0.2)のグレードe,gよりも、車両車幅偏度値δのメンバーシップ関数値MED(0.3)のグレードkの方が低いため、「k」となる。
【0206】
従って、ファジー推論ルールRaによるファジー推論の結果、仮積載重量Wpのメンバーシップ関数値VH(8.5)=fと、車両前後偏度値γのメンバーシップ関数値Z(0.2)=gと、車両車幅偏度値δのメンバーシップ関数値MED(0.3)=kとの組み合わせである第6のパターンから得られる制御パラメータY21は、Y21=k*Nとなる。
【0207】
さらに、第7のパターンの組み合わせに対応する補正値メンバーシップ関数X17のファジースケールは、図10から明らかなように、「Z」であり、この「Z」を重み付けするグレードは、図8(a)〜(c)から明らかなように、車両前後偏度値γのメンバーシップ関数値P(0.2)や、車両車幅偏度値δのメンバーシップ関数値LO(0.3)のグレードh,jよりも、仮積載重量Wpのメンバーシップ関数値VH(8.5)のグレードfの方が低いため、「f」となる。
【0208】
従って、ファジー推論ルールRaによるファジー推論の結果、仮積載重量Wpのメンバーシップ関数値VH(8.5)=fと、車両前後偏度値γのメンバーシップ関数値P(0.2)=hと、車両車幅偏度値δのメンバーシップ関数値LO(0.3)=jとの組み合わせである第7のパターンから得られる制御パラメータY23は、Y23=f*Zとなる。
【0209】
また、第8のパターンの組み合わせに対応する補正値メンバーシップ関数X17のファジースケールは、図10から明らかなように、「Z」であり、この「Z」を重み付けするグレードは、図8(a)〜(c)から明らかなように、仮積載重量Wpのメンバーシップ関数値VH(8.5)や、車両前後偏度値γのメンバーシップ関数値P(0.2)のグレードf,hよりも、車両車幅偏度値δのメンバーシップ関数値MED(0.3)のグレードkの方が低いため、「k」となる。
【0210】
従って、ファジー推論ルールRaによるファジー推論の結果、仮積載重量Wpのメンバーシップ関数値VH(8.5)=fと、車両前後偏度値γのメンバーシップ関数値P(0.2)=hと、車両車幅偏度値δのメンバーシップ関数値MED(0.3)=kとの組み合わせである第8のパターンから得られる制御パラメータY25は、Y25=k*Zとなる。
【0211】
そして、これら8つの制御パラメータY11〜Y25から、重心法の適用により前記補正値ΔWa(本実施形態では計算上−4ton〜+4ton)が求められる。
【0212】
この重心法とは、図25に説明図で示すように、最高8つの制御パラメータY11〜Y25をそれぞれのグレードg,k,e,k,g,k,f,kにより圧縮したファジースケールに直して展開した補正値メンバーシップ関数X17において、展開したファジースケールで囲まれた部分の重心を求めるという、ファジー制御において一般的に行われる作業であり、これにより求められた重心に対応するファジースケール値が、求める前記補正値ΔWaとなる。
【0213】
このようにして仮積載重量Wpと補正値ΔWaが求まると、NVM45の第2の式を基に、仮積載重量Wpから補正値ΔWaを差し引くことで、真の積載重量Wが算出される。
【0214】
即ち、本実施形態の積載重量計30では、液晶ディスプレイ33の表示が仕様設定の要否を尋ねるメッセージの画面からいずれかのメニュー画面に切り換わった後、車両1の停止中に、各センシング素子21から出力されるパルス信号を基にして、車両前後偏度値γ、車軸車幅偏度値δ1〜δ4、車両車幅偏度値δ、並びに、積載重量Wが算出される。
【0215】
そして、積載重量計30の電源投入後に上述した、車両前後偏度値γ、車軸車幅偏度値δ1〜δ4、車両車幅偏度値δ、並びに、積載重量Wが一度算出されると、これらの各最新の数値や、これら各最新の数値を基に生成された車軸別実荷重及び実荷重の各図形が、パターン「1」〜パターン「3」の各メニュー画面において各々表示されるようになる。
【0216】
尚、図12及び図13に示すように2面に亘るメニュー画面「1」の各画面間の表示の切り換えは、液晶ディスプレイ33にメニュー画面「1」が表示されている状態における上下のカーソルキー37a,37bの操作によって行うことができる。
【0217】
また、以上に説明した車両前後偏度値γ、車両車幅偏度値δ、及び、積載重量Wが算出されると、これらに対する警告判定が行われる。
【0218】
そして、まず、車両前後偏度値γについては、その値がγ<−0.1(前偏)、0.5<γ(後偏)のどちらかの範囲になると、車両1の前か後に荷重が偏った過偏度状態と判定され、同様に、車両車幅偏度値δについては、その値が0.1<δ(左偏)、δ<−0.1(右偏)のどちらかの範囲にあると、車両1の左か右に荷重が偏った過偏度状態と判定される。
【0219】
また、例えば、FDD47によりFD50から読み込まれてRAM31bの仕様別データレジスタエリアに格納された仕様別データが、最大積載重量=10トンに対応する仕様別データエリア1〜nの仕様別データであるとすると、積載重量Wについては、その値が11<Wになると、車両1が過積載状態であると判定される。
【0220】
そして、本実施形態の場合は、積載重量Wの値がW≦11であり、車両車幅偏度値δの値が−1≦δ≦1であるものの、車両前後偏度値γの値が、γ<−0.1か0.5<γのどちらかになると、警告レベル「1」と判定され、また、積載重量Wの値がW≦11であり、車両前後偏度値γの値が−0.1<≦γ≦0.5であるものの、車両車幅偏度値δの値が、δ<−0.1か0.1<δのどちらかになると、警告レベル「2」と判定される。
【0221】
さらに、積載重量Wの値が11<Wになると、車両前後偏度値γや車両車幅偏度値δの値に関係なく、即ち、過偏度状態であるか否かに拘わらず、警告レベル「3」と判定される。
【0222】
そして、液晶ディスプレイ33にパターン「0」〜パターン「3」のいずれかのメニュー画面が表示されている状態において、車両前後偏度値γ、車両車幅偏度値δ、又は、積載重量Wのいずれか1つでも上述した過偏度状態や過積載状態であると判定されると、その時点で、液晶ディスプレイ33の表示が強制的に、警告情報表示画面であるメニュー画面「4」に切り換えられる。
【0223】
さらに詳細に説明すると、警告レベル「1」と判定された場合には、メニュー画面「4」において、図26に説明図で示すように、左半分の領域に、警告レベルが「1」である旨と、例えば、車幅方向(或は、車両1の左側又は右側)に過偏度状態である旨、並びに、カーブ走行時要注意といった走行上の注意事項が、警告メッセージとして表示される。
【0224】
また、警告レベル「1」と判定されると、メニュー画面「4」において、右半分の領域に、車両1の荷台の模式図と理想荷重図形とが通常色で表示されると共に、算出された車両前後偏度値γ、車両車幅偏度値δ、及び、積載重量Wを基に生成された実荷重図形が橙色の警告色で表示される。
【0225】
これに対し、警告レベル「2」と判定された場合には、メニュー画面「4」において、図27に説明図で示すように、左半分の領域に、警告レベルが「2」である旨と、例えば、前後方向(或は、車両1の前側又は後側)に過偏度状態である旨、並びに、坂道走行時要注意や加減速時注意といった走行上の注意事項が、警告メッセージとして表示される。
【0226】
また、警告レベル「2」と判定されると、メニュー画面「4」において、右半分の領域に、車両1の荷台の模式図と理想荷重図形とが通常色で表示されると共に、算出された車両前後偏度値γ、車両車幅偏度値δ、及び、積載重量Wを基に生成された実荷重図形が、警告レベル「1」と判定された場合と同じく、橙色の警告色で表示される。
【0227】
一方、警告レベル「3」と判定された場合には、メニュー画面「4」において、図28に説明図で示すように、左半分の領域に、警告レベルが「3」である旨と、例えば、過積載状態である旨、並びに、危険につき早急に積載量を減らすように促すメッセージや、車間距離要注意及び走行速度要注意といった走行上の注意事項が、警告メッセージとして表示され、さらに、車両前後偏度値γや車両車幅偏度値δの値が過偏度状態であれば、警告レベル「1」や警告レベル「2」のメニュー画面「4」において表示させた走行上の注意事項が併せて、警告メッセージとして表示される。
【0228】
また、警告レベル「3」と判定されると、メニュー画面「4」において、右半分の領域に、車両1の荷台の模式図と理想荷重図形とが通常色で表示されると共に、算出された車両前後偏度値γ、車両車幅偏度値δ、及び、積載重量Wを基に生成された実荷重図形が、警告レベル「1」や警告レベル「2」と判定された場合とは異なり、さらに危険である旨を強調する赤色の警告色で表示される。
【0229】
尚、液晶ディスプレイ33の表示がパターン「0」〜パターン「3」のいずれかのメニュー画面から、強制的に警告情報表示画面であるメニュー画面「4」に切り換えられた際には、過偏度状態や過積載状態を報知するために、警報ブザー35が所定時間鳴動される。
【0230】
このように本実施形態の積載重量計30によれば、車両1の各所に配設した複数のセンシング素子21の出力を基に算出された車両前後偏度値γや車両車幅偏度値δ、及び、積載重量Wを、液晶ディスプレイ33に表示させるに当たり、特に、総合情報表示画面であるメニュー画面「3」や警告情報表示画面であるメニュー画面「4」において、車両1の荷台の模式図を表示させると共に、この模式図上に、算出した積載重量Wに相当する大きさの箱形の実荷重図形を、算出された前後及び車幅の各偏度値γ,δに応じた方向及び寸法だけ、模式図に対してずらして図形表示させる構成とした。
【0231】
このため、車両1の模式図と共に液晶ディスプレイ33に表示される実荷重図形の模式図に対する相対的なずれの方向によって、複数のセンシング素子21の出力を基に算出された車両1の車両前後偏度値γや車両車幅偏度値δが示す車両1の荷重の偏りの方向が、具体的にどの方向であるのかを、視覚的に容易に認識させることができるようになるだけでなく、模式図に対する実荷重図形のずれの大きさによって、車両1の荷重の偏りの度合いがどの程度であるのかについても、一目して解るように容易に認識させることができる。
【0232】
また、本実施形態の積載重量計30によれば、複数のセンシング素子21の出力を基に算出された車軸車幅偏度値δ1〜δ4を液晶ディスプレイ33に表示させるに当たり、特に、車軸別情報表示画面であるメニュー画面「2」において、模式図上に、車両1の各車軸3a〜3dの配置を車軸図形により表示させると共に、各車軸3a〜3dに配設されたセンシング素子21の出力を基に算出される、各車軸3a〜3dにかかる重量に相当する大きさの箱状の車軸別実荷重図形を、算出された各車軸車幅偏度値δ1〜δ4に応じた方向及び寸法だけ、対応する各車軸3a〜3dの車軸図形に対してずらして図形表示させる構成とした。
【0233】
この構成は省略しても構わないが、本実施形態のようにこの構成を設ければ、液晶ディスプレイ33に表示される模式図中の各車軸図形に対する、各車軸図形に対応する車軸別実荷重図形の、車幅方向における相対的なずれの方向によって、複数のセンシング素子21の出力を基に算出された車両1の偏度が示す、車幅方向における各車軸3a〜3d毎の荷重の偏りの方向が具体的にどの方向であるのかを、一目して解るように容易に認識させることができるので、有利である。
【0234】
しかも、各車軸図形に対する各車軸別実荷重図形の車幅方向における相対的なずれの大きさによって、車幅方向における各車軸3a〜3d毎の車両1の荷重の偏りの度合いがどの程度であるのかについても、一目して解るように容易に認識させることができるので、本実施形態のように上述した構成を設ければ、なおさら有利である。
【0235】
さらに、本実施形態の積載重量計30によれば、模式図上に、車両1の荷台に最大積載重量に相当する重量の荷物を、前後及び車幅のいずれの方向にも偏らずに積み込んだと仮定した場合の車両1の理想状態における積載重量を、最大積載重量に相当する大きさの箱形の理想荷重図形で表示させる構成とした。
【0236】
この理想荷重図形を表示させるための構成も、上述した各車軸3a〜3d毎の偏度を図形表示するための構成と同様に省略しても構わないが、本実施形態のようにこの構成を設ければ、模式図中の理想荷重図形に対する実荷重図形の相対的なずれの方向及びその大きさによって、車両1の荷重の偏りの方向及びその度合いを、車両1の荷台を比較対象としてではなく、同じ荷重どうし、つまり、理想の荷重のかかり具合を比較対象として、より詳細に把握することができ、また、偏った荷重を矯正し解消するための目標についても、理想荷重図形という荷重についてのパラメータによって明確に把握できるようにすることができるので、有利である。
【0237】
また、本実施形態の積載重量計30によれば、算出された車両前後偏度値γや車両車幅偏度値δが過偏度状態であるか否か、及び、算出された積載重量Wが過積載状態であるか否かを各々判定し、過偏度状態や過偏度状態であると判定された場合に、レベル「1」〜レベル「3」の各態様で、実荷重図形を、車軸別情報表示画面であるメニュー画面「2」における黒色等の通常色ではなく、橙色や赤色の警告色に代えて、警告情報表示画面であるメニュー画面「4」により警告表示する構成とした。
【0238】
この警告表示を行うための構成も、上述した各構成と同じく省略しても構わないが、本実施形態のようにこの構成を設ければ、まず、過偏度状態の表示については、複数のセンシング素子21の出力を基に算出された車両前後偏度値γや車両車幅偏度値δが示す車両1の荷重の偏りの方向やその大きさだけでなく、これら車両前後偏度値γや車両車幅偏度値δが過偏度状態であることが液晶ディスプレイ33に表示されることから、荷重の偏りの状態をより詳細に認識させることができる。
【0239】
また、過積載状態の表示については、複数のセンシング素子21の出力を基に算出された車両1の積載重量Wだけでなく、算出された積載重量Wが過積載状態であることが液晶ディスプレイ33に表示されることから、積載重量Wの状態をより詳細に認識させることができる。
【0240】
しかも、過偏度状態や過積載状態のいずれの表示についても、算出された車両前後偏度値γや車両車幅偏度値δが過偏度状態であることや、算出された積載重量Wが過積載状態であることを、既に液晶ディスプレイ33での表示に用いている実荷重図形の表示色を通常色から警告色に変えることで表示することから、過偏度状態や過偏度状態の表示のための専用図形、つまり、キャラクタを用いて構成を複雑化することなく、過偏度状態や過偏度状態であることを確実に認識させることができる。
【0241】
したがって、警告表示を行うための構成は、省略するよりも、本実施形態のように設けた方が有利であるが、必要に応じて、過偏度状態であることを判定、表示するための構成と、過積載状態であることを判定、表示するための構成とのうちいずれか一方だけを省略してもよいのは勿論である。
【0242】
尚、複数のセンシング素子21の出力を基に車両1の積載重量Wを算出し、この積載重量Wに相当する大きさで実荷重図形を液晶ディスプレイ33に表示させるための構成と、各車軸3a〜3dに配設されたセンシング素子21の出力を基に、各車軸3a〜3dにかかる重量を算出し、この各車軸3a〜3d毎の重量に各々相当する大きさで各車軸別実荷重図形を液晶ディスプレイ33に表示させるための構成とのうち、少なくとも一方は、省略してもよい。
【0243】
しかしながら、本実施形態のようにこの構成を設ければ、複数のセンシング素子21の出力を基に算出された車両前後偏度値γや車両車幅偏度値δが示す車両1の荷重の偏りの方向やその大きさだけでなく、これらセンシング素子21の出力を基に算出された車両1の積載重量Wが液晶ディスプレイ33に表示されることから、荷重の偏りと共に車両1の積載重量Wの状態を総合的に認識させることができるので、有利である。
【0244】
また、本実施形態の積載重量計30によれば、液晶ディスプレイ33の表示を、複数のセンシング素子21の出力を基に算出された車両前後偏度値γ、車軸車幅偏度値δ1〜δ4、車両車幅偏度値δ、並びに、積載重量Wに関するメニュー画面「1」〜メニュー画面「4」と、周辺機器70からの表示画面信号を基にした生成される自動料金精算情報やカーナビゲーション情報といった車両関連情報に関するメニュー画面「0」との間で、左右のカーソルキー37c,37dとセットキー43との操作により選択的に切り換わる構成とした。
【0245】
その上で、本実施形態の積載重量計30によれば、車両前後偏度値γや車両車幅偏度値δが過偏度状態である際や、積載重量Wが過偏度状態である際に、液晶ディスプレイ33の表示がメニュー画面「0」〜メニュー画面「3」であれば、警告情報表示画面であるメニュー画面「4」に、左右のカーソルキー37c,37dとセットキー43との操作がなくても、強制的に自動で切り換わる構成とした。
【0246】
この表示画面の切り換え、及び、過偏度状態である際や過偏度状態である際の警告情報表示画面であるメニュー画面「4」への強制的な表示切り換えのための構成は、省略してもよい。
【0247】
しかし、本実施形態のようにこの構成を設ければ、複数のセンシング素子21の出力を基に算出された車両前後偏度値γや車両車幅偏度値δが過偏度状態であったり、これらセンシング素子21の出力を基に算出された車両1の積載重量Wが過積載状態であるのに伴って、実荷重図形の表示色を通常色から警告色に変える場合、周辺機器70からの表示画面信号を基にした車両関連情報を表示するメニュー画面「0」が液晶ディスプレイ33に表示されていても、警告情報表示画面であるメニュー画面「4」に液晶ディスプレイ33の表示が切り換えられることから、過偏度状態や過積載状態の発生時に警告色の実荷重図形を液晶ディスプレイ33に必ず表示させ、これらの状態を確実に認識させることができるので、有利である。
【0248】
尚、メニュー画面「4」による警告表示の際に、実荷重図形を通常色でなく警告色で表示させるのに代えて、実荷重図形を例えば斜線のあるなしや斜線の傾き、間隔の変化、線の太さや種類の変更など、色の相違以外の変化で異なる表示形態とするようにしてもよいのは言うまでもない。
【0249】
また、複数のセンシング素子21の出力を基に車両前後偏度値γ、車両車幅偏度値δ、車軸車幅偏度値δ1〜δ4、並びに、積載重量Wを算出する際に、本実施形態のようにファジー制御を用いるか否かや、種々の補正値によるセンシング素子21の出力の補正を行うか否かについては、全く任意であることが言うまでもない。
【0250】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載した本発明の車両の測定荷重偏度表示方法によれば、車両の互いに異なる箇所に配置された複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された、前記車両にかかる荷重の偏りの度合いである偏度の測定結果を、表示部に表示させるに当たり、前記表示部に平面視した前記車両の模式図を表示させ、前記偏度の測定結果を示す偏度表示図形を前記模式図に対して、前記偏度が示す前記荷重の偏りの方向に、前記偏度の大きさに応じた寸法だけずらして、前記模式図と共に前記表示部に表示させるようにした。
【0251】
また、請求項8に記載した本発明の車両の測定荷重表示装置によれば、車両の互いに異なる箇所に配置された複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された、前記車両にかかる荷重の偏りの度合いである偏度の測定結果を、表示部に表示させる装置であって、前記車両を平面視した模式図を前記表示部に表示させる模式図表示手段と、前記偏度の測定結果を示す偏度表示図形を前記表示部に表示させる偏度表示図形表示手段とを備え、前記偏度表示図形表示手段が、前記偏度表示図形を、前記偏度が示す前記荷重の偏りの方向に前記偏度の大きさに応じた寸法だけ前記模式図に対してずらして、該模式図と共に前記表示部に表示させる構成とした。
【0252】
このため、模式図と共に表示部に表示される偏度表示図形の模式図に対する相対的なずれの方向によって、複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された車両の偏度が示す車両の荷重の偏りの方向が具体的にどの方向であるのかを、視覚的に容易に認識させることが可能となるだけでなく、模式図に対する偏度表示図形のずれの大きさによって、車両の荷重の偏りの度合いがどの程度であるのかについても、一目して解るように容易に認識させることができる。
【0253】
さらに、請求項2に記載した本発明の車両の測定荷重偏度表示方法によれば、前記複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された、前記車両が有する複数の車軸毎にかかる荷重についての該各車軸の延在方向における前記偏度の測定結果を、前記表示部に各々表示させるに当たり、前記模式図中に前記各車軸の位置を表す車軸図形を含めて前記表示部に表示させ、前記各車軸の延在方向における該各車軸毎の偏度の測定結果を各々示す車軸別の複数の前記偏度表示図形を、該車軸別の各偏度表示図形に対応する前記模式図中の前記各車軸図形に対して、前記各車軸の延在方向における該各車軸毎の偏度が各々示す、前記各車軸別の該各車軸の延在方向における荷重の偏りの方向に、前記各車軸毎の偏度の大きさに応じた寸法だけ各々ずらして、前記模式図と共に前記表示部に表示させるようにした。
【0254】
また、請求項9に記載した本発明の車両の測定荷重表示装置によれば、前記模式図表示手段が、前記車両が有する複数の車軸の位置を表す車軸図形を含む前記模式図を前記表示部に表示させ、前記偏度表示図形表示手段が、前記複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された、前記各車軸毎にかかる荷重についての該各車軸の延在方向における前記偏度の測定結果を各々示す車軸別の複数の前記偏度表示図形を、該車軸別の各偏度表示図形に対応する前記各車軸図形に対して、前記各車軸の延在方向における該各車軸毎の偏度が各々示す前記各車軸別の荷重の偏りの方向に、前記各車軸の延在方向における該各車軸毎の偏度の大きさに応じた寸法だけ各々ずらして、前記模式図と共に前記表示部に表示させる構成とした。
【0255】
このため、表示部に表示される模式図中の各車軸図形に対する、各車軸図形に対応する車軸別の各偏度表示図形の、車軸の延在方向における相対的なずれの方向によって、複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された車両の各車軸毎の偏度が示す、車両の各車軸の延在方向における各車軸毎の荷重の偏りの方向が具体的にどの方向であるのかを、一目して解るように容易に認識させることができる。
【0256】
しかも、各車軸図形に対する各偏度表示図形の、車軸の延在方向における相対的なずれの大きさによって、各車軸の延在方向における各車軸毎の車両の荷重の偏りの度合いがどの程度であるのかについても、一目して解るように容易に認識させることができる。
【0257】
さらに、請求項3に記載した本発明の車両の測定荷重偏度表示方法によれば、理想状態における前記偏度の測定結果を示す理想偏度表示図形を前記模式図中に含めて、前記表示部に表示させるようにした。
【0258】
また、請求項10に記載した本発明の車両の測定荷重表示装置によれば、前記偏度の測定結果が理想状態である際に前記偏度表示図形表示手段により前記表示部に表示される前記偏度表示図形を、理想偏度表示図形として前記表示部に表示させる理想偏度表示図形表示手段をさらに備える構成とした。
【0259】
このため、模式図中の理想偏度表示図形に対する偏度表示図形の相対的なずれの方向及びその大きさによって、車両の荷重の偏りの方向及びその度合いを、車両を比較対象としてではなく、同じ荷重どうし、つまり、理想の荷重のかかり具合を比較対象として、より詳細に把握することが可能となり、また、偏った荷重を矯正し解消するための目標についても、理想偏度表示図形という荷重についてのパラメータによって明確に把握できるようにすることができる。
【0260】
また、請求項4に記載した本発明の車両の測定荷重偏度表示方法によれば、前記複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された前記偏度の測定結果が、前記車両の許容偏度を超える過偏度状態であるか否かの判定結果を、前記表示部にさらに表示させるに当たり、前記偏度が過偏度状態である場合に、前記表示部上での前記偏度表示図形の表示形態を、前記偏度が過偏度状態でない場合の通常形態とは異なる警告形態にするようにした。
【0261】
また、請求項11に記載した本発明の車両の測定荷重表示装置によれば、前記複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された前記偏度の測定結果が、前記車両の許容偏度を超える過偏度状態であるか否かを判定する過偏度判定手段と、該過偏度判定手段の判定結果を前記表示部に表示させる過偏度判定結果表示手段とをさらに備え、該過偏度判定結果表示手段が、前記偏度が過偏度状態である場合に、前記偏度表示図形表示手段が前記表示部に表示させる前記偏度表示図形を、前記偏度が過偏度状態でない場合の通常形態とは異なる警告形態に変更させることで、前記過偏度判定手段の判定結果を前記表示部に表示させる構成とした。
【0262】
このため、複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された車両の偏度が示す荷重の偏りの方向やその大きさだけでなく、測定された偏度が過偏度状態であることが表示部に表示されることから、荷重の偏りの状態をより詳細に認識させることができる。
【0263】
しかも、測定された偏度が過偏度状態であることを、既に表示部での表示に用いている偏度表示図形の表示形態を通常形態から警告形態に変えることで表示することから、過偏度状態の表示のための専用図形、つまり、キャラクタを用いて構成を複雑化することなく、過偏度状態であることを確実に認識させることができる。
【0264】
さらに、請求項5に記載した本発明の車両の測定荷重偏度表示方法によれば、前記複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された、前記車両にかかる荷重の測定結果を、前記表示部にさらに表示させるに当たり、前記偏度表示図形を、前記荷重の測定結果が示す値に応じた大きさで前記表示部に表示させるようにした。
【0265】
また、請求項12に記載した本発明の車両の測定荷重表示装置によれば、前記偏度表示図形表示手段が、前記複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された前記車両にかかる荷重の値に応じた大きさで、前記偏度表示図形を前記表示部に表示させる構成とした。
【0266】
このため、複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された車両の偏度が示す荷重の偏りの方向やその大きさだけでなく、これら荷重測定用センサの出力を基に測定された車両の荷重が表示部に表示されることから、荷重の偏りと共に車両の荷重の状態を総合的に認識させることができる。
【0267】
また、請求項6に記載した本発明の車両の測定荷重偏度表示方法によれば、前記複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された前記車両にかかる荷重が、前記車両の許容最大荷重を超える過積載状態であるか否かの判定結果を、前記表示部にさらに表示させるに当たり、前記荷重が過積載状態である場合に、前記表示部上での前記偏度表示図形の表示形態を、前記荷重が過積載状態でない場合の通常形態とは異なる警告形態にするようにした。
【0268】
また、請求項13に記載した本発明の車両の測定荷重表示装置によれば、前記複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された前記車両にかかる荷重の測定結果が、前記車両の許容最大荷重を超える過積載状態であるか否かを判定する過積載判定手段と、該過積載判定手段の判定結果を前記表示部に表示させる過積載判定結果表示手段とをさらに備え、該過積載判定結果表示手段が、前記荷重が過積載状態である場合に、前記偏度表示図形表示手段が前記表示部に表示させる前記偏度表示図形を、前記荷重が過積載状態でない場合の通常形態とは異なる警告形態に変更させることで、前記過積載判定手段の判定結果を前記表示部に表示させる構成とした。
【0269】
このため、複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された車両の荷重だけでなく、測定された荷重が過積載状態であることが表示部に表示されることから、荷重の状態をより詳細に認識させることができる。
【0270】
しかも、測定された荷重が過積載状態であることを、既に表示部での表示に用いている偏度表示図形の表示形態を通常形態から警告形態に変えることで表示することから、過積載状態の表示のための専用図形、つまり、キャラクタを用いて構成を複雑化することなく、過積載状態であることを確実に認識させることができる。
【0271】
さらに、請求項7に記載した本発明の車両の測定荷重偏度表示方法によれば、前記車両の荷重以外の状態を示す車両状態情報を、前記複数の荷重測定用センサの出力に基づく測定結果との間で選択的に切り換えて、前記表示部に表示させるに当たり、前記偏度表示図形の表示形態を前記警告形態にする際には、前記表示部での前記車両状態情報の表示を行わないようにした。
【0272】
また、請求項14に記載した本発明の車両の測定荷重表示装置によれば、前記車両の荷重以外の状態を示す車両状態情報を前記表示部に表示させる車両状態情報表示手段と、前記模式図表示手段による前記模式図の前記表示部への表示及び前記偏度表示図形表示手段による前記偏度表示図形の前記表示部への表示を、前記車両状態情報表示手段による前記車両状態情報の前記表示部への表示との間で選択的に切り換えて実行させる表示選択実行手段とをさらに備え、前記偏度表示図形表示手段により前記表示部に表示された前記偏度表示図形が前記警告形態である場合に、前記表示選択実行手段が、前記模式図表示手段による前記模式図の前記表示部への表示と、前記偏度表示図形表示手段による前記偏度表示図形の前記表示部への表示とを、選択して実行させる構成とした。
【0273】
このため、複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された車両の偏度が過偏度状態であったり、複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された車両の荷重が過積載状態であるのに伴って、偏度表示図形の表示形態を通常形態から警告形態に変える場合、車両の荷重以外の状態を示す車両状態情報が表示部に選択的に表示されていても、複数の荷重測定用センサの出力に基づく測定結果に表示部の表示が切り換えられることから、荷重の過偏度状態や過積載状態の発生時に警告形態の偏度表示図形を表示部に必ず表示させ、これらの状態を確実に認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による測定荷重偏度表示装置の基本構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る積載重量計の正面図である。
【図3】図2の積載重量計の内部に設けられるマイクロコンピュータのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】図3のセンシング素子が配設されるシャックルピンの配置を示す車両の要部の分解斜視図である。
【図5】図4のシャックルピン内に配設される図3のセンシング素子の概略構成を示す斜視図である。
【図6】図3のマイクロコンピュータのRAMのメモリエリアマップである。
【図7】図6のデータエリアに格納される各算出基準式の想定対象となる車両の車軸及び車輪の配置を示す模式図である。
【図8】図3のマイクロコンピュータのRAMに格納される積載重量算出基準式のデータのうちメンバーシップ関数の説明図である。
【図9】図3のマイクロコンピュータのRAMに格納される積載重量算出基準式のデータのうちファジー推論ルールのテーブルの説明図である。
【図10】図3のマイクロコンピュータのRAMに格納される積載重量算出基準式のデータのうちファジー推論ルールのテーブルの説明図である。
【図11】図3のフロッピーディスクの記録フォーマットを示す説明図である。
【図12】図2の液晶ディスプレイに表示されるメニュー画面の説明図である。
【図13】図2の液晶ディスプレイに表示されるメニュー画面の説明図である。
【図14】図2の液晶ディスプレイに表示されるメニュー画面の説明図である。
【図15】図2の液晶ディスプレイに表示されるメニュー画面の説明図である。
【図16】図2の液晶ディスプレイに表示されるメニュー画面の説明図である。
【図17】図4のマイクロコンピュータのROMに格納された制御プログラムに従いCPUが行う処理を示すメインルーチンのフローチャートである。
【図18】図17に示す仕様設定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図19】図17に示すオフセット値設定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図20】図17に示す演算処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図21】図17に示す過偏度判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図22】図17に示す過積載判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図23】図17に示す表示画面選択処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図24】図17に示す画面表示処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図25】図9及び図10に示すファジー推論ルールにより求めた制御パラメータをグレードに応じて展開し、補正値を求める状態としたメンバーシップ関数の説明図である。
【図26】警告レベル1の場合における警告情報表示画面であるメニュー画面の表示状態を示す説明図である。
【図27】警告レベル2の場合における警告情報表示画面であるメニュー画面の表示状態を示す説明図である。
【図28】警告レベル3の場合における警告情報表示画面であるメニュー画面の表示状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 車両
3a〜3d 車軸
21 荷重測定用センサ
31 マイクロコンピュータ
31a CPU
31b RAM
31c ROM
31A 模式図表示手段
31B 偏度表示図形表示手段
31C 理想偏度表示図形表示手段
31D 過偏度判定手段
31E 過偏度判定結果表示手段
31F 過積載判定手段
31G 過積載判定結果表示手段
31H 車両状態情報表示手段
31J 表示選択実行手段
Claims (14)
- 車両の互いに異なる箇所に配置された複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された、前記車両にかかる荷重の偏りの度合いである偏度の測定結果を、表示部に表示させるに当たり、
前記表示部に平面視した前記車両の模式図を表示させ、
前記偏度の測定結果を示す偏度表示図形を前記模式図に対して、前記偏度が示す前記荷重の偏りの方向に、前記偏度の大きさに応じた寸法だけずらして、前記模式図と共に前記表示部に表示させるようにした、
ことを特徴とする車両の測定荷重偏度表示方法。 - 前記複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された、前記車両が有する複数の車軸毎にかかる荷重についての該各車軸の延在方向における前記偏度の測定結果を、前記表示部に各々表示させるに当たり、前記模式図中に前記各車軸の位置を表す車軸図形を含めて前記表示部に表示させ、前記各車軸の延在方向における該各車軸毎の偏度の測定結果を各々示す車軸別の複数の前記偏度表示図形を、該車軸別の各偏度表示図形に対応する前記模式図中の前記各車軸図形に対して、前記各車軸の延在方向における該各車軸毎の偏度が各々示す、前記各車軸別の該各車軸の延在方向における荷重の偏りの方向に、前記各車軸毎の偏度の大きさに応じた寸法だけ各々ずらして、前記模式図と共に前記表示部に表示させるようにした請求項1記載の車両の測定荷重偏度表示方法。
- 理想状態における前記偏度の測定結果を示す理想偏度表示図形を前記模式図中に含めて、前記表示部に表示させるようにした請求項1又は2記載の車両の測定荷重偏度表示方法。
- 前記複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された前記偏度の測定結果が、前記車両の許容偏度を超える過偏度状態であるか否かの判定結果を、前記表示部にさらに表示させるに当たり、前記偏度が過偏度状態である場合に、前記表示部上での前記偏度表示図形の表示形態を、前記偏度が過偏度状態でない場合の通常形態とは異なる警告形態にするようにした請求項1、2又は3記載の車両の測定荷重偏度表示方法。
- 前記複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された、前記車両にかかる荷重の測定結果を、前記表示部にさらに表示させるに当たり、前記偏度表示図形を、前記荷重の測定結果が示す値に応じた大きさで前記表示部に表示させるようにした請求項1、2、3又は4記載の車両の測定荷重偏度表示方法。
- 前記複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された前記車両にかかる荷重が、前記車両の許容最大荷重を超える過積載状態であるか否かの判定結果を、前記表示部にさらに表示させるに当たり、前記荷重が過積載状態である場合に、前記表示部上での前記偏度表示図形の表示形態を、前記荷重が過積載状態でない場合の通常形態とは異なる警告形態にするようにした請求項5記載の車両の測定荷重偏度表示方法。
- 前記車両の荷重以外の状態を示す車両状態情報を、前記複数の荷重測定用センサの出力に基づく測定結果との間で選択的に切り換えて、前記表示部に表示させるに当たり、前記偏度表示図形の表示形態を前記警告形態にする際には、前記表示部での前記車両状態情報の表示を行わないようにした請求項4又は6記載の車両の測定荷重偏度表示方法。
- 車両の互いに異なる箇所に配置された複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された、前記車両にかかる荷重の偏りの度合いである偏度の測定結果を、表示部に表示させる装置であって、
前記車両を平面視した模式図を前記表示部に表示させる模式図表示手段と、
前記偏度の測定結果を示す偏度表示図形を前記表示部に表示させる偏度表示図形表示手段とを備え、
前記偏度表示図形表示手段は、前記偏度表示図形を、前記偏度が示す前記荷重の偏りの方向に前記偏度の大きさに応じた寸法だけ前記模式図に対してずらして、該模式図と共に前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする車両の測定荷重偏度表示装置。 - 前記模式図表示手段は、前記車両が有する複数の車軸の位置を表す車軸図形を含む前記模式図を前記表示部に表示させ、前記偏度表示図形表示手段は、前記複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された、前記各車軸毎にかかる荷重についての該各車軸の延在方向における前記偏度の測定結果を各々示す車軸別の複数の前記偏度表示図形を、該車軸別の各偏度表示図形に対応する前記各車軸図形に対して、前記各車軸の延在方向における該各車軸毎の偏度が各々示す前記各車軸別の荷重の偏りの方向に、前記各車軸の延在方向における該各車軸毎の偏度の大きさに応じた寸法だけ各々ずらして、前記模式図と共に前記表示部に表示させる請求項8記載の車両の測定荷重偏度表示装置。
- 前記偏度の測定結果が理想状態である際に前記偏度表示図形表示手段により前記表示部に表示される前記偏度表示図形を、理想偏度表示図形として前記表示部に表示させる理想偏度表示図形表示手段をさらに備える請求項8又は9記載の車両の測定荷重偏度表示装置。
- 前記複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された前記偏度の測定結果が、前記車両の許容偏度を超える過偏度状態であるか否かを判定する過偏度判定手段と、該過偏度判定手段の判定結果を前記表示部に表示させる過偏度判定結果表示手段とをさらに備え、該過偏度判定結果表示手段は、前記偏度が過偏度状態である場合に、前記偏度表示図形表示手段が前記表示部に表示させる前記偏度表示図形を、前記偏度が過偏度状態でない場合の通常形態とは異なる警告形態に変更させることで、前記過偏度判定手段の判定結果を前記表示部に表示させる請求項8、9又は10記載の車両の測定荷重偏度表示装置。
- 前記偏度表示図形表示手段は、前記複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された前記車両にかかる荷重の値に応じた大きさで、前記偏度表示図形を前記表示部に表示させる請求項8、9、10又は11記載の車両の測定荷重偏度表示装置。
- 前記複数の荷重測定用センサの出力を基に測定された前記車両にかかる荷重の測定結果が、前記車両の許容最大荷重を超える過積載状態であるか否かを判定する過積載判定手段と、該過積載判定手段の判定結果を前記表示部に表示させる過積載判定結果表示手段とをさらに備え、該過積載判定結果表示手段は、前記荷重が過積載状態である場合に、前記偏度表示図形表示手段が前記表示部に表示させる前記偏度表示図形を、前記荷重が過積載状態でない場合の通常形態とは異なる警告形態に変更させることで、前記過積載判定手段の判定結果を前記表示部に表示させる請求項12記載の車両の測定荷重偏度表示装置。
- 前記車両の荷重以外の状態を示す車両状態情報を前記表示部に表示させる車両状態情報表示手段と、前記模式図表示手段による前記模式図の前記表示部への表示及び前記偏度表示図形表示手段による前記偏度表示図形の前記表示部への表示を、前記車両状態情報表示手段による前記車両状態情報の前記表示部への表示との間で選択的に切り換えて実行させる表示選択実行手段とをさらに備え、前記偏度表示図形表示手段により前記表示部に表示された前記偏度表示図形が前記警告形態である場合に、前記表示選択実行手段は、前記模式図表示手段による前記模式図の前記表示部への表示と、前記偏度表示図形表示手段による前記偏度表示図形の前記表示部への表示とを、選択して実行させる請求項11又は13記載の車両の測定荷重偏度表示装置。
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