JP3778377B2 - 走行車輌の操舵部構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばトラクタ等の走行車輌の操舵部に係るステアリングコラム、パワーステアリングバルブ、及びリリーフバルブの配設構造、また、操舵部に並設した前後切換レバーの操作機構の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の走行車輌の操舵部に関しての構造を、図16乃至図20開示の従来のトラクタの操舵部構造より説明する。
図16は従来のトラクタの操舵部におけるパワーステアリング機構の側面図、図17は同じく側面図、図18は同じくパワーステアリング機構の油圧回路図、図19は従来のトラクタの操舵部における前後切換レバーの操作連動機構の側面図、図20は同じく正面図である。
従来は、図16及び図17の如く、走行車輌の構成例たるトラクタの操舵部において、ボンネット2の後端にダッシュボード6を配設して、その後端にコラムカバー8を配設し、ステアリングハンドル9’から、該コラムカバー8に内設されるステアリングコラム10’内を通してステアリング軸9’aを延設していた。
一方、コラムカバー8の下方の足元位置に、クラッチハウジングCHの上方にブラケット40を介して取り付けたパワーステアリングバルブ11’を配設して、該パワーステアリングバルブ11’のバルブ駆動軸上端と、該ステアリング軸9aとの間に、連結軸39を、ユニバーサルジョイントにて連結している。
また、このように配設されるパワーステアリングバルブ11’内において、図18の如く、高圧油路R1から低圧油路R2に油戻し回路R3を設けて、油圧調整用のリリーフバルブRV’を配設している。
【0003】
また、従来、実公平3−1653に示すように、例えば図19及び図20の如く、コラムカバー8には、前後進切換用のレバー(リバーサレバー)14’を配設し、即ち、ステアリングハンドル9’の近傍に該リバーサレバー14’を配設する構造も公知となっている。
この場合、従来、リバーサレバー14’から延設する第一操作軸16’は、該コラムカバー8内にて、ステアリングコラム10’に並設されており、第一操作軸16’下端はユニバーサルジョイントを介して、第二操作軸17’(軸部17’bを管部17’aに摺動可能に嵌入して、伸縮可能な構成にし、ステアリングハンドル9’のチルトに対応可能としている。)に連結されている。
更に、第二操作軸17’は、床板4の下方より上方に突出するリンク操作軸18’の上端にユニバーサルジョイントにて連結されて、該リンク操作軸18’よりミッションケース付設の前後切換用レバー20’・20’に、リンク19’・19’を連結している。該リンク操作軸18’とリンク19’・19’との連結部は、リンク操作軸18’の下端にリンク連結ステー18’aを突設しており、該リンク連結ステー18’aに長孔状の螺子孔が穿設されていて、この長孔内における螺子止め位置にて、リンクの連結位置を調節し、リバーサレバー14’の設定する中立位置とミッションケース付設の前後切換用レバー20’の中立位置とを一致させるようにしている。なお、図20中、SL’は、ステアリング軸9’aの軸芯である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、走行車輌におけるパワーステアリング機構において、パワーステアリングバルブとステアリングコラムとの間がユニバーサルジョイントで連結されていることによる組立構成の複雑さと高コストを解消するとともに、ステアリングハンドル近傍に配設されるリバーサレバーの中立位置調節を容易化することを目的とする。
まず、図16及び図17にて説明した、従来のステアリングハンドルからパワーステアリングバルブまでの伝動構造は、ユニバーサルジョイントの介設を伴い、また、パワーステアリングバルブそのものの配設も、クラッチハウジングにブラケットを介して取付ける構造なので、取付構造及び伝動構造とも複雑で、コスト高を招いていた。
更に、クラッチハウジングはエンジンに直結する部材であり、これに直接取り付けるパワーステアリングバルブが足元に配設されることは、防音性、防振性を損なうこととなる。
【0005】
これを解決すべく、パワーステアリングバルブをコラムカバー内に内設すればステアリングハンドルからパワーステアリングまでの伝動構造を簡素化し、また一体の部品構造とすることができて、低コスト化にも貢献する。
しかし、この場合に問題なのは、従来は、実開昭59−177558に示すように、例えば図18で説明したように、パワーステアリング関係における油圧調節には、パワーステアリングバルブの高圧部にリリーフバルブを配設していたが、このパワーステアリングバルブをコラムカバー内に設けるとなれば、リリーフバルブは噴出音が大きいので、騒音が高く、コラムカバーは座席に近いので、作業者に伝わる騒音はかなりひどいものとなる。
【0006】
また、従来の図19及び図20で説明したように、リバーサレバーからミッションケース付設の前後切換用レバーまでの操作機構において、従来は、リバーサレバーとミッションケース側の前後切換用レバーとの中立位置を合わせるのが、床板より下方における、リンク操作軸に対するリンクの連結いちの調節によるものであったので、調節作業が困難であり、更に、この連結位置は、リバーサレバーからかなり離れていて、誤差を生じやすかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上のような不具合を解消すべく、次のような手段を用いるものである。
【0008】
請求項1においては、走行車輌のボンネット2の後端にダッシュボード6を配設し、該ダッシュボード6の後方にコラムカバー8を配設し、前記ダッシュボード6内よりチルトピンステー7aを延設し、該チルトピンステー7aは前記コラムカバー8の内側に固設され、該コラムカバー8の上方にステアリングハンドル9を配設して、該ステアリングハンドル9よりコラムカバー8内へステアリングコラム10を延設し、該ステアリングコラム10の下端部にパワーステアリングバルブ11を連接固定し、更に該ステアリングハンドル9の下端付近の左右側方に、チルトピンブラケット10aを左右に突設し、該チルトピンブラケット10aをチルトピン12にて前記チルトピンステー7aに枢支し、前記ステアリングハンドル9とステアリングコラム10及びパワーステアリングバルブ11を、コラムカバー8内においてチルトピン12を中心に一体的にチルト回動可能とし、前記コラムカバー8より側方へ前後進切換用レバー14を突設し、該リバーサレバー14から延設される上下方向の第一操作軸16を、該ステアリングコラム10にチルト回動可能に枢支状態で固設されたリバーサレバーガイド15に枢支し、該第一操作軸16の下端にフランジ16aを設け、該フランジ16aをコラムカバー8内の下方において、第二操作軸17の上端のフランジ17aと長孔を介し、円周方向に調節可能に螺子止めし、該第二操作軸17の下端に前後進切換用レバー14のチルト回動を可能とするユニバーサルジョイント17eを介装したものである。
【0009】
請求項2においては、請求項1記載の走行車輌の操舵部構造において、該ステアリングハンドル9の操作によりパワーステアリングバルブ11を切り換え、パワーステアリングシリンダーSCの作動制御を行う操舵部とし、前記パワーステアリングバルブ11に圧油を供給する油圧ポンプSPを、ボンネット2内に形成したエンジンルーム内に配設し、該油圧ポンプSPの高圧油の吐出部にリリーフバルブRVを固設したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の走行車輌に関する実施の形態としてのトラクタの構成について、添付の図面に基づいて説明する。
図1はトラクタの側面図、図2は本発明に係るトラクタの操舵部におけるパワーステアリング機構の側面図、図3は同じく正面図、図4は同じくパワーステアリング機構の油圧回路図、図5は本発明に係るトラクタの操舵部における前後切換レバーの操作連動機構の側面図、図6は同じく正面図、図7は同じく第一操作軸のフランジ部分の平面図、図8はトラクタの床板支持構造を示す側面図、図9は同じく平面図、図10は携帯型給油ポンプにて給油されるトラクタの側面図、図11は携帯型給油ポンプの側面図、図12は同じく正面図、図13は同じく平面図、図14は内蔵型給油ポンプにて給油されるトラクタの側面図、図15は給油ポンプの自動制御用電気回路図、図16はフューエルゲージセンサの構成を示す略図である。
【0011】
図1等より、トラクタの概略構造を説明する。
走行フレーム1において、左右に前輪FWと後輪RWとを懸架しており、その上部において、前部にはエンジン等を内設するボンネット2を配設し、中央部に、図8及び図9の如く、防振ゴム3を介して、床板4を防振支持しており、該床板4の前端より上方に前壁板5を立設して、ボンネット2後端に連結している。該前壁板5の後面にはダッシュボード6を配設して、その下端からはブレーキ用等のペダル21を吊設している。該ダッシュボード6の後端にはコラムカバー8を配設しており、その上方にステアリングハンドル9を、また、側方にはリバーサレバー(前後進切換用レバー)14を配設している。該床板4の後端位置より後方には、左右後輪RWを上方より覆うフェンダー22を配設しており、左右フェンダー22間において、図8の如く、座席台23を形成して、その上に座席24を搭載している。車体後端からは、作業機連結用の昇降リンク25が突設されている。
【0012】
トラクタの操舵部構造について説明する。
まず、ステアリングハンドル9からパワーステアリングバルブ11までの連設構造について、図2及び図3より説明する。
ステアリングハンドル9からは下方にステアリング軸9aが延設されており、コラムカバー8内において、ステアリングコラム10内に遊嵌されている。該ステアリング軸9aの下端は、該ステアリングコラム10の下端に連接固設された油圧のパワーステアリングバルブ11に入軸されている。即ち、ステアリングハンドル9、ステアリングコラム10及びパワーステアリングバルブ11までが、一体構造となってコラムカバー8内に内設されていて、途中にユニバーサルジョイントを介さない構造となっている。従って、ステアリングハンドル9からステアリングコラム10を介して、パワーステアリングバルブ11までを一体の部品として、コラムカバー8内に組み立てれば、操舵部が完成する構造となっており、組立性が非常に向上する。
なお、コラムカバー8は半割状で、前半部8aと後半部8bとに分割できるものであり、前半部8aはダッシュボード6に組み付けておいて、後半部8bのみ外せば、コラムカバー8内は開放でき、ステアリングハンドル9からパワーステアリングバルブ11(更に、該パワーステアリングバルブ11より延設する後記の油圧ホースH)までの一体構造の部品を組み付け、その後に後半部8bを覆って固設すれば、操舵部を完成できるのである。
【0013】
なお、ステアリングコラム10は、その下端部付近にて、チルトピンブラケット10aを左右に突設しており、一方、前記の前壁板5の後面には、ダッシュボード6内にて、ペダルを吊設するためのペダルシャフトステー7が配設されていて、ここから後方にチルトピンステー7aが延設され、該チルトピンステー7aは、該コラムカバー8の内側に固設されている。
そして、該チルトピンブラケット10aの左右側を、該チルトピンステー7aに対して、チルトピン12にて枢支し、ステアリングハンドル9からステアリングコラム10、そしてパワーステアリングバルブ11までを一体に上下回動(チルト)可能として、ハンドルの上下位置を調節できるようにしている。
【0014】
該パワーステアリングバルブ11からは、図2の如く、可撓性の(ゴム製等の)油圧ホースH(H1〜H4)が延設され、前壁板5に穿設される嵌挿孔5a(図9参照)を貫通して、その前方のボンネット2内に形成されるエンジンルーム内に延設される。
なお、該嵌挿孔5aには、可撓性の(ゴム製等の)シール部材13が嵌合されていて、油圧ホースHを連通させる一方、前壁板5の前後を隔絶し、エンジンルーム内の騒音が、座席24等を有する床板4配設側に伝わらないようにしている。また、ステアリングハンドル9をチルトする際に、パワーステアリングバルブ11が上下揺動しても、油圧ホースHとシール部材13が可撓性なので、シール性は損なわれない。
【0015】
ボンネット2内のエンジンルーム内に延設された油圧ホースHは、図2の如く該エンジンルーム内に配設されるパワーステアリング用の油圧ポンプSPに連結されるとともに、前輪操舵用のアクチュエーターであるパワーステアリングシリンダーSCに連結される。
パワーステアリングの油圧制御構造を、図4の油圧回路図より説明しておくと、ステアリングバルブ11内においては、比例油圧弁SVが内蔵され、これをステアリングハンドル9及びステアリング軸9aの回転によって切り換えるものであり、また、該比例油圧弁SVの作動を補助すべく、補助油圧モーターMも内蔵されている。
パワーステアリングバルブ11には、前記の如く油圧ホースH(H1〜H4)が配管されているが、これについて具体的に説明すると、油圧ポンプSPよりパワーステアリングバルブ11に高圧油圧ホースH1を、パワーステアリングバルブ11からパワーステアリングシリンダーSCに操舵用油圧ホースH2・H3を、そして、パワーステアリングバルブ11よりトラクタのいずれかに油戻しすべく、低圧油圧ホースH4を配管している。
【0016】
また、油圧ポンプSPの高圧油圧ホースH1への吐出部である高圧部には、リリーフバルブRVを配設し、該リリーフバルブRVより油戻しホースH5を延設して、該パワーステアリングバルブ11から延設される低圧油圧ホースH4に合流させている。
従来、前記の図16の如く、パワーステアリングバルブ11’がクラッチハウジングCHに固設されていた構造においては、図18のように、リリーフバルブRV’が、パワーステアリングバルブ11’内において、油圧ポンプSPからの圧油が流入する高圧油路R1から低圧油路R2へと油戻しする戻し油路R3に介設されていた。
これに対して、本構造では、パワーステアリングバルブ11をコラムカバー8内に内設したため、これでは、リリーフバルブRVの油戻しの際に発生する噴出音が座席24に座る作業者に騒音となって伝わるので、前壁板7にて防音されているエンジンルーム内にて、図4の如く、油圧ポンプSPの高圧部(吐出部)から直接油戻しする構造としたのである。
【0017】
次に、操舵部の周辺構造の中で、リバーサレバー(前後切換用レバー)14の中立位置調節を容易化するための操作部連結構造について図5乃至図7より説明する。
まず、リバーサレバー14は、コラムカバー8の側方に配設されている。該コラムカバー8内においては、リバーサレバーガイド15が、ステアリングコラム10に前後にチルト回動可能に枢支状態で固設されていて、該リバーサレバー14から延設される第一操作軸16が該リバーサレバーガイド15に回動可能に案内されている。該リバーサレバー14を操作すると、それに伴って、第一操作軸16が回動する構成となっている。
【0018】
一方、床板4の下方においては、図示されないミッションケースに前後切換用のレバー20・20が付設されており、該レバー20・20より前後切換用リンク19・19を前方に延設して、リンク操作軸18の下端のリンク枢支ブラケット18bに枢結している。該リンク操作軸18は、垂直方向に配設されて、上端は床面4を貫通して上方に突出しており、その上端部はユニバーサルジョイント18aとなっていて、第二操作軸17を連結している。該第二操作軸17はコラムカバー8内に下方より嵌入されて配設されている。図6中、SLは正面視におけるステアリング軸9aの軸芯を示す。該第二操作軸17の構成を説明すると、下端をユニバーサルジョイント部17eとなってる軸部17dが、管部17c内にスプライン嵌合して嵌入しており、管部17cに対して軸部17dを回り止めしている一方、軸部17dが管部17cに対して軸芯方向に摺動可能であり、即ち、第二操作軸17は、伸縮自在な構造となっている。
これは、ステアリングハンドル9のチルトに伴って、リバーサレバー14もチルトするが、リバーサレバー14の配設位置は限られているので、位置変動のないようにすべく、該リバーサレバー14のチルトに伴って、第二操作軸17が伸縮する構成にしているのである。
【0019】
該第二操作軸17において、該管部17cの上端は、フランジ17aとなっていて、該第一操作軸16の下端に形成するフランジ16aに螺止されるが、フランジ16a・17aのいずれか一方の螺子孔、即ちフランジ16aの螺子孔16b・16bか、フランジ17aの螺子孔17b・17bかは、図7の如く、第一操作軸16または第二操作軸17(管部17c)を中心とする円周方向の長孔となっていて、両フランジ16a・17a同士の螺止位置が、第一操作軸16及び第二操作軸17の回動方向に調節できるようになっている。
これによって、リバーサレバー14の設定する中立位置と、ミッションケース付設の前後切換用のレバー20・20の中立位置とが一致するように合わせて、フランジ16a・17aを結合するのである。この調節作業は、フランジ結合部分が、コラムカバー8内であり、コラムカバー8は、前記の如く、後半部8bを外せば、容易に内部が開放されて、この中に配設されているフランジ結合部の調節作業を即座に行えるのである。また、従来よりリバーサレバー14に近い位置で中立位置調節ができるので、誤差が少なくなる。
【0020】
また、リバーサレバー14は、第一操作軸16を案内するリバーサレバーガイド15がステアリングコラム10に、前後にチルト回動可能に枢支された状態で固設されている関係上、ステアリングハンドル9のチルトに伴って同様にチルトする。もしリバーサレバー14が固定されたままステアリングハンドル9がチルトする構造であると、ステアリングハンドル9とリバーサレバー14とが干渉する位置になったり、或いは離れ過ぎて、ステアリングハンドル9を持つ手で容易にはリバーサレバー14に手が届かないということになるからである。
ところで、従来、リバーサレバー14’は、従来技術で説明した図19図示の、第一操作軸16’と第二操作軸17’とを連結するユニバーサルジョイントの位置A’を、図20図示のステアリングハンドル9’(ステアリングコラム10’)のチルト支点であるチルトピンの枢支位置、即ち、ステアリング軸9’aと連結軸39とのユニバーサルジョイント位置Aに側面視上一致させており、即ちステアリングハンドル9’のチルト回動量とリバーサレバー14’のチルト回動量が同一になるようにして、両者の相対位置を常時一定にしていた。
しかし、この場合、ステアリングハンドル9’の回動量が大きければ、リバーサレバー14’の位置も大きく変更され、操作がやりずらい位置にまで移動してしまうという不具合がある。即ち、リバーサレバー14のチルトは、ステアリングハンドル9のチルトに伴って、該ステアリングハンドル9との干渉回避等を可能にする程度にチルトするものの、あまり操作のやりずらい位置にまで移動しない程度のものが望ましいのである。
【0021】
本構造においては、図5で判るように、第一操作軸16と第二操作軸17とはフランジ結合で一体化されており、チルト支点となるのは、第二操作軸17とリンク操作軸18とを連結するユニバーサルジョイント17e・18aの部分となる。
この位置は、ステアリングハンドル9のチルト支点であるチルトピン12の位置よりもかなり下方であるので、ステアリングハンドル9のチルトに伴ってリバーサレバー14もチルトするものの、その回動量は、ステアリングハンドル9のそれよりも少ないものとなる。従って、操作のやりづらい位置にまでリバーサレバー14が移動するという事態を回避できるのである。
【0022】
構成例のトラクタの操舵部及び操舵部周辺の構造については以上であり、最後に、燃料タンクへの供給ポンプの配設構造、及び燃料供給量の制御構造について、図10乃至図16より説明する。
まず、図10の如く、燃料タンク26は、前記床板4下方位置の走行フレーム1の下方に配設されており、一方、燃料の給油口27が、フェンダー22に設けられている。この給油口27は、後輪RWのタイヤ径が大きい構造のトラクタでは、かなり上方位置になり、この位置に普通のやり方で給油タンク28を持って給油するのは困難がある。そこで、下方位置からでも給油ができるように、ポンプを介して給油するやり方が考えられる。
【0023】
図10に図示の構成例は、携帯型給油ポンプFPを使用した給油例である。
携帯型給油ポンプFPは、普段、図10中FP’の如く、左右フェンダー22・22間にて、座席23後方の、トランスミッションケースや油圧リフト駆動用のケースを上から覆うケースの内部に内蔵しておき、給油時に取り出せるようにしておく。携帯型給油ポンプFPの構造は、図11乃至図13の如くである。まず、ポンプ台29の上に電動モーター駆動のポンプ30を搭載し、その吸入ポート30aには給油タンク28に連結する吸入ホースSHを、吐出ポート30bには燃料タンク26に連結する吐出ホースDHを繋ぐ。該ポンプ30には、同じくポンプ台29に搭載されるバキュームスイッチ31とハーネス連結しており、該バキュームスイッチ31は、吸入ポート30aに燃料抽出管31aを配管し、該燃料抽出管31aから燃料が導入されなくなった時、即ち、吸入ポート30bからの燃料吸入がなくなった時に負圧となり、この負圧によりスイッチが作動し、ポンプ30を自動停止させる。従って、給油タンク28が空になって、ポンプ30に燃料が送り込まれなくなると、バキュームスイッチ31が作動して、自動的にポンプ30が停止するのである。
【0024】
これらポンプ台29に搭載されるポンプ30及びバキュームスイッチ31は、ポンプケース32にて覆われていて、該ポンプケース33の上面より吸入ホースSHと吐出ホースDHが突出されており、該ポンプケース33の上面内側には、コントローラ32が固設されている。
また、該ポンプケース33の上面には電源のメインスイッチ34を、側面には、ポンプ30を始動するための給油スタートスイッチ35を設けている。また、該ポンプケース33を跨ぐように、アーチ型のホース巻き取りフレーム36が立設されていて、吸入ホースSHと吐出ホースDHとを巻き付けるようにしている。該ホース巻き取りフレーム36は、ハンドルを兼ねる。
このような構造の携帯型給油ポンプFPを図10の如く、車体内部(後部)より取り出して地面に載置し、給油タンク28も地面に載置して、該給油タンク28に該携帯型給油ポンプFPから吸入ホースSHを挿入し、吐出ホースDHは、フェンダー22の給油口27に挿入して、給油を行うのである。
【0025】
なお、携帯型給油ポンプFPの配線回路構造は、図14の如くである。この中で、コントローラー32には、フュエルゲージセンサ37即ち、燃料タンク26内の燃料内蔵量を検出するセンサを連結するようにしている。該フュエルゲージセンサ37は燃料タンク26内に内蔵されて、例えば図15のように、フロート37aを具備し、該フロート37aを燃料表面に浮かせるようにし、該フロート37aの位置によって、センサ37内における抵抗値が変化する構造とする。
コントローラ32に、この抵抗値を入力して、ポンプ30を制御する。即ち、該センサにて燃料タンク26が満タンになっていることが検出されれば、自動的にポンプ30が停止する。また、フュエルゲージセンサ37からコントローラ32には、これ以外に、トラクタのキースイッチのON・OFFに伴う電圧が入力されて、OFF時にはセンサが働かないので、ポンプ30が自動停止する構造としている。更に、緊急停止時には、前記のメインスイッチ34をOFFすればよい。
【0026】
図16図示の構造は、床板4の下方位置において、該燃料タンク28の上方に内蔵型の給油ポンプFP”を内設しておき、その給油ポンプFP”へのホースの差し込み口38を、走行フレーム1の側面に穿設しておくものである。即ち、給油タンク28は地面に載置し、この給油タンク28より給油用のホースSH’を該差し込み口38に差し込んで、給油ポンプFP”に向けて給油を行い、給油ポンプFP”の吐出する燃料を燃料タンク26に供給するのである。この内蔵型の給油タンクFP”も、図14図示の給油制御用の電気回路が組み込まれているものとし、給油タンク28が空になった時、燃料タンク26が満タンになった時に自動的に停止できるようになっている。
【0027】
【発明の効果】
本発明は、走行車輌の操舵部について、以上のように構成したので、次のような効果を奏する。
請求項1の如く構成したので、ステアリングコラムとパワーステアリングバルブは一体化されてコラムカバー内に内設され、即ち、ステアリングコラムとステアリングバルブとの間の連結構造に備えていたユニバーサルジョイント構造を削除することができて低コスト化に貢献し、またステアリングハンドル、ステアリングコラム、そしてパワーステアリングバルブを一体の部品として、コラムカバー内に組み付けるだけで走行車輌の操舵部を完成することができ、組立工程が簡素化する。
【0028】
また、走行車輌の操舵部におけるコラムカバーに配設する前後切換レバーに関するミッションケース側の前後切換用のレバーとの中立位置調節に関して、コラムカバー内にフランジ結合によってこの調節作業が行えるようにしたので、従来のような床板の下方にて、リンクと操作軸との間の連結部を調節する作業と違って、コラムカバーを開ければ直ちに該フランジ結合部を露出することができ、該作業が容易化し、また、コラムカバーに突設する前後切換レバーに近い位置となるので、中立位置調節の誤差が低減される。
【0029】
請求項2記載の構成の如く、走行車輌のパワーステアリング機構の油圧系統において、リリーフバルブは、ボンネット内のエンジンルーム内に配設されるステアリング機構の油圧ポンプの高圧部に配設しており、従来のようにパワーステアリングバルブにリリーフバルブを付設していた構成と違って、ダッシュボードやボンネット後端の壁板に隔絶されて、該リリーフバルブから発生する噴出音による騒音が低くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 トラクタの側面図である。
【図2】 本発明に係るトラクタの操舵部におけるパワーステアリング機構の側面図である。
【図3】 同じく正面図である。
【図4】 同じくパワーステアリング機構の油圧回路図である。
【図5】 本発明に係るトラクタの操舵部における前後切換レバーの操作連動機構の側面図である。
【図6】 同じく正面図である。
【図7】 同じく第一操作軸のフランジ部分の平面図である。
【図8】 トラクタの床板支持構造を示す側面図である。
【図9】 同じく平面図である。
【図10】 携帯型給油ポンプにて給油されるトラクタの側面図である。
【図11】 携帯型給油ポンプの側面図である。
【図12】 同じく正面図である。
【図13】 同じく平面図である。
【図14】 給油ポンプの自動制御用電気回路図である。
【図15】 フューエルゲージセンサの構成を示す略図である。
【図16】 内蔵型給油ポンプにて給油されるトラクタの側面図である。
【図17】 従来のトラクタの操舵部におけるパワーステアリング機構の側面図である。
【図18】 同じくパワーステアリング機構の油圧回路図である。
【図19】 従来のトラクタの操舵部における前後切換レバーの操作連動機構の側面図である。
【図20】 同じく正面図である。
【符号の説明】
1 走行フレーム
2 ボンネット
4 床板
5 前壁板
6 ダッシュボード
7 ペダルシャフトステー
7a チルトステー
8 コラムカバー
9 ステアリングハンドル
9a ステアリング軸
10 ステアリングコラム
11 パワーステアリングバルブ
12 チルトピン
13 シール部材
14 リバーサレバー
15 リバーサレバーガイド
16 第一操作軸
16a フランジ
16b 螺子孔
17 第二操作軸
17a フランジ
17b 螺子孔
18 リンク操作軸
18a ユニバーサルジョイント
18b リンク枢支ブラケット
19 リンク
20 レバー
SP 油圧ポンプ
H 油圧ホース
RV リリーフバルブ

Claims (2)

  1. 走行車輌のボンネット2の後端にダッシュボード6を配設し、該ダッシュボード6の後方にコラムカバー8を配設し、前記ダッシュボード6内よりチルトピンステー7aを延設し、該チルトピンステー7aは前記コラムカバー8の内側に固設され、該コラムカバー8の上方にステアリングハンドル9を配設して、該ステアリングハンドル9よりコラムカバー8内へステアリングコラム10を延設し、該ステアリングコラム10の下端部にパワーステアリングバルブ11を連接固定し、更に該ステアリングハンドル9の下端付近の左右側方に、チルトピンブラケット10aを左右に突設し、該チルトピンブラケット10aをチルトピン12にて前記チルトピンステー7aに枢支し、前記ステアリングハンドル9とステアリングコラム10及びパワーステアリングバルブ11を、コラムカバー8内においてチルトピン12を中心に一体的にチルト回動可能とし
    前記コラムカバー8より側方へ前後進切換用レバー14を突設し、該リバーサレバー14から延設される上下方向の第一操作軸16を、該ステアリングコラム10にチルト回動可能に枢支状態で固設されたリバーサレバーガイド15に枢支し、該第一操作軸16の下端にフランジ16aを設け、該フランジ16aをコラムカバー8内の下方において、第二操作軸17の上端のフランジ17aと長孔を介し、円周方向に調節可能に螺子止めし、該第二操作軸17の下端に前後進切換用レバー14のチルト回動を可能とするユニバーサルジョイント17eを介装したことを特徴とする走行車輌の操舵部構造。
  2. 請求項1記載の走行車輌の操舵部構造において、該ステアリングハンドル9の操作によりパワーステアリングバルブ11を切り換え、パワーステアリングシリンダーSCの作動制御を行う操舵部とし、前記パワーステアリングバルブ11に圧油を供給する油圧ポンプSPを、ボンネット2内に形成したエンジンルーム内に配設し、該油圧ポンプSPの高圧油の吐出部にリリーフバルブRVを固設したことを特徴とする走行車輌の操舵部構造。
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