JP3777734B2 - 半導体装置用接着剤組成物およびそれを用いた半導体装置用接着剤シート - Google Patents

半導体装置用接着剤組成物およびそれを用いた半導体装置用接着剤シート Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路を実装し、パッケージ化する際に用いられる半導体集積回路接続用基板(インターポーザー)を構成する接着剤組成物およびそれを用いた半導体装置用接着剤シートに関する。さらに詳しくは、ボールグリッドアレイ(BGA)、ランドグリッドアレイ(LGA)、ピングリッドアレイ(PGA)方式に用いられる半導体集積回路接続用基板を構成する絶縁体層および導体パターンからなる配線基板層と、たとえば金属製補強板(スティフナー)等の導体パターンが形成されていない層の間を接着し、かつ温度差によりそれぞれの層間に発生する熱応力を緩和する機能を有する接着剤組成物、およびそれを用いた半導体装置用接着剤シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体集積回路(IC)パッケージとして、デュアルインラインパッケージ(DIP)、スモールアウトラインパッケージ(SOP)、クアッドフラットパッケージ(QFP)等のパッケージ形態が用いられてきた。しかし、ICの多ピン化とパッケージの小型化に伴って、最もピン数を多くできるQFPにおいても限界に近づいている。これは特にプリント基板に実装する際に、リードの平面性が保ちにくいことやプリント基板上の半田の印刷精度が得にくいことなどによる。そこで、近年多ピン化、小型化の手段としてBGA方式、LGA方式、PGA方式、等が実用化されてきた。中でもBGA方式はプラスチック材料の利用による低コスト化、軽量化、薄型化の可能性が高く注目されている。
【0003】
図1にBGA方式の例を示す。BGA方式は、ICを接続した半導体集積回路接続用基板の外部接続部としてICのピン数にほぼ対応する半田ボールを格子上(グリッドアレイ)に有することを特徴としている。プリント基板への接続は、半田ボール面をすでに半田が印刷してあるプリント基板の導体パターン上に一致するように乗せて、リフローにより半田を融解して行なわれる。最大の特徴は、半導体集積回路接続用基板の面を使用できるため、QFP等の周囲の辺しか使用できないパッケージと比較して多くの端子を少ないスペースに配置できることにある。この小型化機能をさらに進めたものに、チップスケールパッケージ(CSP)があり、その類似性からマイクロBGA(μ−BGA)と称する場合がある。本発明はこれらのBGA構造を有するCSPにも適用できる。
【0004】
一方、BGA方式は以下のような課題がある。(a)半田ボール面の平面性を保つ、(b)放熱を良くする、(c)温度サイクルやリフローの際に半田ボールにかかる熱応力を緩和する、(d)リフロー回数が多いのでより高い耐リフロー性を要する。これらを改善する方法として、半導体集積回路接続用基板に補強、放熱、電磁的シールドを目的とする金属板等の材料を積層する方法が一般的である。特に、ICを接続するための絶縁体層および導体パターンからなる配線基板層にTABテープやフレキシブルプリント基板を用いた場合は重要である。このため、半導体集積回路接続用基板は、図2に例示するように、ICを接続するための絶縁体層11および導体パターン13からなる配線基板層、補強板(スティフナー)、放熱板(ヒートスプレッダー)、シールド板等の導体パターンが形成されていない層15、およびこれらを積層するための、接着剤層14をそれぞれ少なくとも1層以上有する構成となっている。これらの半導体集積回路接続用基板は、あらかじめ配線基板層または導体パターンが形成されていない層のいずれかに接着剤組成物を半硬化状態で積層あるいは塗布・乾燥した中間製品を作成しておき、ICの接続前の工程で貼り合わせ、加熱硬化させて成型することにより作成されるのが一般的である。
【0005】
以上の点から接着剤層14に要求される特性として下記の点が挙げられる。(a)リフロー条件(230℃以上)においても剥がれない高い接着力,(b)温度サイクルやリフローの際に、配線基板層と補強板等の異種材料間にかかる熱応力を緩和するための、適度な弾性率および線膨張係数特性,(c)貼り合わせ、加熱キュアの低温、短時間プロセスが可能な易加工性,(d)配線上に積層する場合の絶縁性。
【0006】
このような観点から、従来は接着剤層として熱可塑樹脂あるいはシリコーンエラストマ(特公平6−50448号公報)などが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の特性のうち特に接着力に対して熱応力緩和効果および耐リフロー性とのバランスをとることは困難であった。すなわち、従来の接着剤組成物では、接着力を向上させると高温での弾性率が低下し、総合的に必ずしも十分な特性が得られなかった。
【0008】
一般的には接着剤の弾性率を低下させることにより、破壊エネルギーを増加させて、接着力を向上させることが可能であるが、このような方法では高温、高湿下で接着剤が軟化し、耐リフロー性および高温高湿での接着力が低下するという問題が生ずる。一方、耐リフロー性および高温高湿での接着力を向上させるため、接着剤の架橋度を増加させると、接着剤が脆性破壊しやすくなるとともに、硬化収縮による内部応力の増加を招き、接着力が低下するのでかえって好ましくない。さらに、温度差により生じる熱応力の緩和効果も失われる。
【0009】
本発明はこのような問題点を解決し、加工性、接着力、絶縁信頼性および耐久性に優れた新規な半導体装置用接着剤組成物およびそれを用いた半導体装置用接着剤シートを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するために半導体装置用接着剤組成物の接着剤成分の硬化物物性を鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および架橋ポリマ粒子を巧みに組み合わせることにより、接着力および熱応力緩和効果に優れた、半導体集積回路接続用基板に適した半導体装置用接着剤組成物が得られることを見い出し、本発明に至ったものである。
【0011】
すなわち、本発明は、(A)絶縁体層および導体パターンからなる配線基板層、(B)導体パターンが形成されていない層および(C)接着剤層をそれぞれ少なくとも1層以上有する半導体集積回路接続用基板の(C)接着剤層を形成する半導体装置用接着剤組成物であって、該接着剤組成物が必須成分として熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および架橋ポリマ粒子、無機微粒子をそれぞれ少なくとも1種類以上含み、該架橋ポリマ粒子が、二重結合、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、メルカプト基、水酸基、イソシアネート基、メチロール基およびシラノール基からなる群から選ばれる官能基を有することを特徴とする半導体装置用接着剤組成物、およびそれを用いた半導体装置用接着剤シートである。また、本発明は、(A)絶縁体層および導体パターンからなる配線基板層、(B)導体パターンが形成されていない層および(C)接着剤層をそれぞれ少なくとも1層以上有する半導体集積回路接続用基板の(C)接着剤層を形成する半導体装置用接着剤組成物であって、該接着剤組成物が必須成分として熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および架橋ポリマ粒子、無機微粒子をそれぞれ少なくとも1種類以上含み、該架橋ポリマ粒子が、2種類以上のポリマが複合構造となった架橋ポリマ粒子であることを特徴とする半導体装置用接着剤組成物、およびそれを用いた半導体装置用接着剤シートである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の半導体集積回路接続用基板とは、シリコンなどの半導体基板上に素子が形成された後、切り分けられた半導体集積回路(ベアチップ)を接続するものであり、(A)絶縁体層および導体パターンからなる配線基板層、(B)導体パターンが形成されていない層、(C)本発明の接着剤組成物からなる接着剤層をそれぞれ少なくとも1層以上有するものであれば、形状、材料および製造方法は特に限定されない。したがって、最も基本的なものは、A/C/Bの構成であるが、A/C/B/C/B等の多層構造もこれに含まれる。
【0013】
(A)はベアチップの電極パッドとパッケージの外部(プリント基板等)を接続するための導体パターンを有する層であり、絶縁体層の片面または両面に導体パターンが形成されているものである。ここでいう絶縁体層は、ポリイミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、アラミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、等のプラスチックあるいはエポキシ樹脂含浸ガラスクロス等の複合材料からなる、厚さ10〜125μmの可撓性を有する絶縁性フィルム、アルミナ、ジルコニア、ソーダガラス、石英ガラス等のセラミック基板が好適であり、これらから選ばれる複数の層を積層して用いても良い。また必要に応じて、絶縁体層に、加水分解、コロナ放電、低温プラズマ、物理的粗面化、易接着コーティング処理等の表面処理を施すことができる。導体パターンの形成は、一般にサブトラクティブ法あるいはアディティブ法のいずれかで行なわれるが、本発明ではいずれを用いてもよい。サブトラクティブ法では、該絶縁体層に銅箔等の金属板を絶縁性接着剤(本発明の接着剤組成物も用いることができる。)により接着するか、あるいは金属板に該絶縁体層の前駆体を積層し、加熱処理などにより絶縁体層を形成する方法で作成した材料を、薬液処理でエッチングすることによりパターン形成する。ここでいう材料として具体的には、リジッドあるいはフレキシブルプリント基板用銅張り材料やTABテープ(図3)を例示することができる。一方、アディティブ法では、該絶縁体層に無電解メッキ、電解メッキ、スパッタリング等により直接導体パターンを形成する。いずれの場合も、形成された導体に腐食防止のため耐食性の高い金属がメッキされていてもよい。このようにして作成された(A)の配線基板層には必要によりビアホールが形成され、メッキにより両面に形成された導体パターン間がメッキにより接続されていてもよい。
【0014】
(B)は実質的に(A)または(C)とは独立した均一な層であり、半導体集積回路接続用基板の補強および寸法安定化(一般に補強板あるいはスティフナーと称される)、外部とICの電磁的なシールド、ICの放熱(一般に放熱板、ヒートスプレッダー、ヒートシンク等と称される)、半導体集積回路接続用基板への難燃性の付与、半導体集積回路接続用基板の形状的による識別性の付与、等の機能を担持するものである。したがって、形状は層状だけでなく、たとえば放熱用としてはフィン構造を有する立体的なものでもよい。また、上記の機能を有するものであれば絶縁体、導電体のいずれであってもよく、材料も特に制限されず、金属としては銅、鉄、アルミニウム、金、銀、ニッケル、チタン等、無機材料としてはアルミナ、ジルコニア、ソーダガラス、石英ガラス、カーボン等、有機材料としてはポリイミド系、ポリアミド系、ポリエステル系、ビニル系、フェノール系、エポキシ系等のポリマ材料が例示される。また、これらの組合わせによる複合材料も使用できる。たとえば、ポリイミドフィルム上に薄い金属メッキをした形状のもの、ポリマにカーボンを練り込んで導電性をもたせたもの、金属板に有機絶縁性ポリマをコーティングしたもの、等が例示できる。さらに、上記(A)と同様に種々の表面処理を行なうことは制限されない。
【0015】
(C)は、(A)と(B)の接着に主として用いられる接着剤層である。しかし、(A)または(B)と他の部材(たとえばICやプリント基板等)との接着に用いることは何等制限されない。この接着剤層は半導体集積回路接続用基板に半硬化状態で積層される場合が通常であり、積層前あるいは積層後に30〜200℃の温度で適当な時間予備硬化反応を行なわせて硬化度を調節することができる。接着剤層の厚みは、接着力、熱応力緩和効果、加工性、等との関係で適宜選択できるが、2〜500μmが好ましく、より好ましくは20〜200μmである。
【0016】
この接着剤層は本発明の半導体装置用接着剤組成物(以下接着剤組成物と称する)から形成され、該接着剤組成物は熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および架橋ポリマ粒子をそれぞれ少なくとも1種類以上含むことを必須とするが、その種類は特に限定されない。
【0017】
熱可塑性樹脂は接着性、可撓性、熱応力の緩和、低吸水性による絶縁性の向上等の機能を有し、熱硬化性樹脂樹脂は、耐熱性、低硬化収縮性、低吸水性、等の特性に優れ、接着剤層の耐熱性、高温での絶縁性、耐薬品性、接着剤層の強度等の物性のバランスを実現するために必要である。架橋ポリマ粒子は、その弾性率、硬度、等の物性を変化させることにより上述の物性の制御をさらに容易にする効果がある。これは、架橋ポリマ粒子の物性の制御が無機粒子と比較して容易であることによる。さらに、その大きさが確定しているため、従来のポリマ添加系による改質の場合と異なり、添加により系の相分離構造に影響を与えず、他の接着剤成分の種類、添加量、添加方法によらず、安定した効果を得ることができる。また、有機物であるため、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂との親和性に優れ、かつ比重がこれらに近いため分散性が良好となる。
【0018】
熱可塑性樹脂としては、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム−スチレン樹脂(ABS)、スチレン−ブタジエン−エチレン樹脂(SEBS)、スチレン−ブタジエン−スチレン樹脂(SBS)、アクリル、ポリビニルブチラール、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポリジメチルシロキサン、等公知のものが例示される。また、これらの熱可塑性樹脂は熱硬化性樹脂および架橋ポリマ粒子との反応が可能な官能基を有していてもよい。具体的には、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、水酸基、メチロール基、イソシアネート基、ビニル基、シラノール基等である。これらの官能基により熱硬化性樹脂および架橋ポリマ粒子との結合が強固になり、耐熱性が向上するので好ましい。
【0019】
熱可塑性樹脂として(B)の素材との接着性、可撓性、熱応力の緩和効果の点からブタジエンを必須共重合成分とする共重合体は特に好ましく、種々のものが使用できる。特に、金属との接着性、耐薬品性等の観点からアクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、スチレン−ブタジエン−エチレン樹脂(SEBS)、スチレン−ブタジエン−エチレン樹脂(SEBS)は好ましい。さらにブタジエンを必須共重合成分としかつカルボキシル基を有する共重合体はより好ましく、たとえばNBR(NBR−C)、SEBS(SEBS−C)、SBS(SBS−C)等が挙げられる。NBR−Cとしては、例えばアクリロニトリルとブタジエンを約10/90〜50/50のモル比で共重合させた共重合ゴムの末端基をカルボキシル化したもの、あるいはアクリロニトリル、ブタジエンとアクリル酸、マレイン酸などのカルボキシル基含有重合性単量体の三元共重合ゴムなどが挙げられる。具体的には、PNR−1H(日本合成ゴム(株)製)、”ニポール”1072J、”ニポール”DN612、”ニポール”DN631(以上日本ゼオン(株)製)、”ハイカー”CTBN(BFグッドリッチ社製)等がある。また、SEBS−CとしてはMX−073(旭化成(株)製)、SBS−CとしてはD1300X(シェルジャパン(株)製)、が例示できる。
【0020】
また、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂が溶剤に可溶であれば、接着剤組成物をコーテイングにより均一組成、均一厚みの接着剤層とできるので好適である。この場合、溶解度は、25℃において好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは10重量%以上である。5重量%以下では実質的に適当な厚みの接着剤層を得るのが困難であり、好ましくない。溶剤は特に限定されないが、コーティングでの溶剤の乾燥を考慮して、沸点が60〜250℃の有機溶剤が好ましい。
【0021】
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂、シアネートエステル樹脂、マレイミド樹脂、等公知のものが例示される。特に、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂は絶縁性に優れるので好適である。
【0022】
エポキシ樹脂は1分子内に2個以上のエポキシ基を有するものであれば特に制限されないが、ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールS、レゾルシノール、ジヒドロキシナフタレン、ジシクロペンタジエンジフェノール等のジグリシジルエーテル、エポキシ化フェノールノボラック、エポキシ化クレゾールノボラック、エポキシ化トリスフェニロールメタン、エポキシ化テトラフェニロールエタン、エポキシ化メタキシレンジアミン、シクロヘキサンエポキサイド等の脂環式エポキシ、等が挙げられる。さらに、難燃性付与のために、ハロゲン化エポキシ樹脂、特に臭素化エポキシ樹脂を用いることが有効である。この際、臭素化エポキシ樹脂のみでは難燃性の付与はできるものの接着剤の耐熱性の低下が大きくなるため非臭素化エポキシ樹脂との混合系とすることがさらに有効である。臭素化エポキシ樹脂の例としては、テトラブロモビスフェノールAとビスフェノールAの共重合型エポキシ樹脂、あるいは”BREN”−S(日本化薬(株)製)等の臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。これらの臭素化エポキシ樹脂は臭素含有量およびエポキシ当量を考慮して2種類以上混合して用いても良い。
【0023】
フェノール樹脂としては、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂等の公知のフェノール樹脂がいずれも使用できる。たとえば、フェノール、クレゾール、p−t−ブチルフェノール、ノニルフェノール、p−フェニルフェノール等のアルキル置換フェノール、テルペン、ジシクロペンタジエン等の環状アルキル変性フェノール、ニトロ基、ハロゲン基、シアノ基、アミノ基等のヘテロ原子を含む官能基を有するもの、ナフタレン、アントラセン等の骨格を有するもの、ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールS、レゾルシノール、ピロガロール等の多官能性フェノールからなる樹脂が挙げられる。
【0024】
熱硬化性樹脂の添加量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して5〜400重量部、好ましくは50〜200重量部である。熱硬化性樹脂の添加量が5重量部未満では耐熱性が低く、400重量部を越える場合は熱応力緩和効果が小さく、いずれも好ましくない。
【0025】
また、熱硬化性樹脂の硬化剤および硬化促進剤を添加することは何等制限されない。たとえば、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂等に対しては、3,3´5,5´−テトラメチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´5,5´−テトラエチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジメチル−5,5´−ジエチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジクロロ−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、2,2´3,3´−テトラクロロ−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3´−ジアミノベンゾフェノン、3,3´−ジアミノジフェニルスルホン、4,4´−ジアミノジフェニルスルホン、3,4´−ジアミノジフェニルスルホン、4,4´−ジアミノベンゾフェノン、3,4,4´−トリアミノジフェニルスルホン等の芳香族ポリアミン、三フッ化ホウ素トリエチルアミン錯体等の三フッ化ホウ素のアミン錯体、2−アルキル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−アルキルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、無水フタル酸、無水トリメリット酸等の有機酸、ジシアンジアミド、トリフェニルフォスフィン等公知のものが使用できる。これらを単独または2種以上混合して用いても良い。添加量は接着剤組成物100重量部に対して0.1〜50重量部であると好ましい。
【0026】
本発明で使用される架橋ポリマ粒子は、溶剤に溶解せず、最終的な接着剤組成物中に含有された状態で粒子形状を保持していることが必要である。
【0027】
架橋ポリマ粒子の架橋方法は特に制限されず、共有結合やイオン結合のいずれでもよい。たとえば、乳化重合により微粒子状に分散した、主鎖または側鎖に二重結合を有するポリマを、さらに過酸化物で架橋する方法等が例示される。
【0028】
架橋ポリマ粒子の平均粒子直径は、0.02〜20μmが好ましく、さらに好ましくは0.2〜5μmである。0.02μm未満では添加効果が得られず、接着性、可撓性、熱応力の緩和、低吸水性、耐熱性、等の物性の改善が十分でない。
【0029】
また、20μmを越えると他の接着剤成分との分離が著しく、表面の凹凸が大きいので、接着力、加工性、等が低下するので好ましくない。
【0030】
このような架橋ポリマとしては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBRゴム)、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−スチレン−ブタジエン共重合体、ポリブチルアクリレートおよびその共重合体(アクリルゴム)、ポリビニルブチラール、ポリアミド、ポリイミド、シリコーン等を主鎖とし、二重結合、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、メルカプト基、水酸基、イソシアネート基、メチロール基、シラノール基、等の架橋のための官能基を導入したものが例示される。さらに、これらの2種類以上のポリマが複合構造となった架橋ポリマ粒子も好ましく使用できる。このような例として、架橋ポリブチルアクリレートを中心として、ポリメチルメタクリレートが外層にあるコア−シェル構造の架橋ポリマ粒子
が例示される。
【0031】
架橋ポリマ粒子は、二重結合、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、メルカプト基、水酸基、イソシアネート基、メチロール基、シラノール基、等の熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂と反応する官能基を有してもよい。この場合、接着剤組成物の強度および耐熱性が向上するので好ましい。このような官能基を導入する方法は特に限定されないが、上記のポリマの架橋に用いられる官能基を過剰に導入する方法、あるいは架橋ポリマ形成後にグラフト反応により導入する方法、等が例示される。
【0032】
架橋ポリマ粒子の含有量は、接着剤組成物100重量部に対し1〜80重量部、好ましくは5〜50重量部である。架橋ポリマ粒子が1重量部未満では添加効果が得られず、接着性、可撓性、熱応力の緩和、低吸水性、耐熱性、等の物性の改善が十分でない。また、80重量部を越えると添加量が多すぎて、表面の凹凸が大きいので、接着力、加工性、等が低下するので好ましくない。
【0033】
以上の成分以外に、接着剤の特性を損なわない範囲で酸化防止剤、イオン捕捉剤などの有機、無機成分を添加することは何ら制限されるものではない。微粒子状の無機成分としては水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、カルシウム・アルミネート水和物等の金属水酸化物、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化クロム、タルク等の金属酸化物、炭酸カルシウム等の無機塩、アルミニウム、金、銀、ニッケル、鉄、等の金属微粒子、あるいはカーボンブラック、ガラスが挙げられ、これらを単独または2種以上混合して用いても良い。微粒子状の成分の平均粒子直径は有機ポリマ粒子と同様に、分散安定性を考慮すると、0.02〜20μmが好ましく、さらに好ましくは0.2〜5μである。また、配合量は接着剤組成物100重量部に対し、1〜80重量部、好ましくは5〜50重量部が適当である。
【0034】
本発明の半導体装置用接着剤シートとは、本発明の半導体装置用接着剤組成物を接着剤層とし、かつ少なくとも1層以上の剥離可能な保護フィルム層を有する構成のものをいう。たとえば、保護フィルム層/接着剤層の2層構成、あるいは保護フィルム層/接着剤層/保護フィルム層の3層構成がこれに該当する。
【0035】
ここでいう保護フィルム層とは、(A)絶縁体層および導体パターンからなる配線基板層(TABテープ等)あるいは(B)導体パターンが形成されていない層(スティフナー等)に接着剤層を貼り合わせる前に、接着剤層の形態および機能を損なうことなく剥離できれば特に限定されないが、たとえばポリエステル、ポリオレフィン、ポリフェニレンスルフィド、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、等のプラスチックフィルム、これらにシリコーンあるいはフッ素化合物等の離型剤のコーティング処理を施したフィルムおよびこれらのフィルムをラミネートした紙、離型性のある樹脂を含浸あるいはコーティングした紙等が挙げられる。
【0036】
接着剤層の両面に保護フィルム層を有する場合、それぞれの保護フィルム層の接着剤層に対する剥離力をF1 、F2 (F1 >F2 )としたとき、F1−F2 は好ましくは5N m-1以上、さらに好ましくは15N m-1以上が必要である。F1−F2が5N m-1 より小さい場合、剥離面がいずれの保護フィルム層側になるかが安定せず、使用上重大な問題となるので好ましくない。また、剥離力F1 、F2はいずれも好ましくは1〜200N m-1 、さらに好ましくは3〜100N m-1 である。1N m-1 より低い場合は保護フィルム層の脱落が生じ、200N m-1を越えると剥離が不安定であり、接着剤層が損傷する場合があり、いずれも好ましくない。
【0037】
次に本発明の接着剤組成物およびそれを用いた半導体装置用接着剤シートの製造方法の例について説明する。
【0038】
(a)本発明の接着剤組成物を溶剤に溶解した塗料を、離型性を有するポリエステルフィルム上に塗布、乾燥する。接着剤層の膜厚は10〜100μmとなるように塗布することが好ましい。乾燥条件は、100〜200℃、1〜5分である。溶剤は特に限定されないが、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族系、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、Nメチルピロリドン等の非プロトン系極性溶剤単独あるいは混合物が好適である。
【0039】
(b)(a)のフィルムに上記よりさらに剥離強度の弱い離型性を有するポリエステルあるいはポリオレフィン系の保護フィルムをラミネートして本発明の接着剤シートを得る。さらに接着剤厚みを増す場合は、該接着剤シートを複数回積層すればよい。ラミネート後に、たとえば40〜70℃で20〜200時間程度熱処理して硬化度を調節してもよい。
【0040】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例の説明に入る前に評価方法について述べる。
【0041】
評価方法
(1)評価用パターンテープ作成:TAB用接着剤付きテープ(#7100、東レ(株)製)に18μmの電解銅箔を、140℃、0.1MPaの条件でラミネートした。続いてエアオーブン中で80℃、3時間、100℃、5時間、150℃、5時間の順次加熱キュア処理を行ない、銅箔付きTAB用テープを作成した。得られた銅箔付きTAB用テープの銅箔面に常法によりフォトレジスト膜形成、エッチング、レジスト剥離を行ない、評価用パターンテープサンプルを作成した。
【0042】
(2)導体パターン埋め込み性およびキュア発泡:接着剤組成物からなる厚さ100μmの接着剤層付きの、厚さ0.1mmの純銅板を、(1)の評価用パターンテープの導体パターン面に、130℃、0.1MPaの条件でラミネートした後、エアオーブン中で170℃、2時間加熱キュア処理を行なった。これを、塩化第二鉄を主成分とするエッチング液中に浸漬し、前記純銅板を溶解した。最後に露出した接着剤層を顕微鏡観察してキュア時の発泡および導体パターンの埋め込み性を評価した。
【0043】
(3)剥離強度:(2)と同様の接着剤層付き純銅板を、ポリイミドフィルム(宇部興産(株)製“ユーピレックス”75S)に、130℃、0.1MPaの条件でラミネートした後、エアオーブン中で170℃、2時間加熱キュア処理を行なった。得られたサンプルのポリイミドフィルムを幅2mmになるように切断し、90°方向に50mm/min の速度で剥離し、その際の剥離力を測定した。
【0044】
(4)絶縁信頼性:(1)の評価用パターンテープの、導体幅100μm、導体間距離100μmのくし型形状の評価用サンプルの導体パターン面に、(2)と同様の接着剤層付きの純銅板を、130℃、0.1MPaの条件でラミネートした後、エアオーブン中で170℃、2時間加熱キュア処理を行なった。得られたサンプルを用いて、85℃,85%RHの恒温恒湿槽内で100Vの電圧を連続的に印加した状態において、測定直後と200時間後の抵抗値を測定した。
【0045】
(5)半田耐熱性:上記(3)の方法で作成した30mm角のサンプルを、85℃,85%RHの雰囲気下で48時間調湿した後、すみやかに半田浴上に60秒間浮かべ、膨れおよび剥がれのない最高温度を測定した。
【0046】
(6)熱サイクル試験:上記(3)の方法で作成した30mm角のサンプルを、熱サイクル試験器(タバイエスペック(株)製、PL−3型)中で、−20℃〜100℃、最低および最高温度で各1時間保持の条件で600サイクル処理し、剥がれの発生を評価した。
【0047】
(7)保護フィルム層剥離力:剥離力の低い保護フィルム層の場合は幅30mmの接着剤シートを、両面テープによりステンレス板に貼り合わせ、90°方向に300mm/min の速度で剥離し、その際の剥離力を測定した。一方、剥離力が高い保護フィルム層の場合は、幅30mmの接着剤シートから剥離力の低い保護フィルム層を剥がし、接着剤層側を両面テープによりステンレス板に貼り合わせ、90°方向に300mm/min の速度で剥離し、その際の剥離力を測定した。
【0048】
比較例1
メチルシロキサン架橋ポリマ粒子(東芝シリコーン(株)製、”トスパール”105、平均粒子直径:0.5μm)をトルエン/メチルエチルケトン=1/1混合溶剤と混合した後、サンドミル処理して粒子分散液を作製した。この分散液に、NBR−C(日本合成ゴム(株)製、PNR−1H)、臭素化エポキシ樹脂(油化シェル(株)製、”エピコ−ト”5050、臭素含有率49%、エポキシ当量395)、非臭素化エポキシ樹脂(油化シェル(株)製、”エピコ−ト”834、エポキシ当量250)、4,4’ジアミノジフェニルスルホンおよび分散液と等重量のメチルエチルケトンをそれぞれ表1の組成比となるように加え、30℃で撹拌、混合して接着剤溶液を作製した。この接着剤溶液をバーコータで、シリコーン離型剤付きの厚さ25μのポリエチレンテレフタレートフィルム(藤森工業(株)製“フィルムバイナ”NSC)に約50μの乾燥厚さとなるように塗布し、170℃で5分間乾燥した。一方、剥離力の低いシリコーン離型剤付きの厚さ25μのポリエチレンテレフタレートフィルム(藤森工業(株)製”フィルムバイナ”GT)を用いた以外は上記と同一の方法で約50μの乾燥厚さとなるように接着剤層を作製した。剥離力は、NSC(F)>GT(F)であった。次いで、これらを接着剤面どうしを合せて2枚積層し、接着剤厚み100μの本発明の半導体装置用接着シートを作製した。図4に構成を示す。この接着剤シートを厚さ0.1mmの純銅板に100℃、0.1MPaの条件でラミネートし、接着剤層付き純銅板を得た。特性を表2に示す。
【0049】
実施例
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBRゴム)を架橋し、かつカルボキシル基を有する架橋ポリマ粒子(日本合成ゴム(株)製、XER−91、平均粒子直径:0.07μm)および水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製、H−42I)をトルエン/メチルエチルケトン=1/1混合溶剤と混合した後、サンドミル処理して粒子分散液を作製した。この分散液に、NBR−C(日本合成ゴム(株)製、PNR−1H)、臭素化エポキシ樹脂(油化シェル(株)製、”エピコ−ト”5050、臭素含有率49%、エポキシ当量395)、非臭素化エポキシ樹脂(油化シェル(株)製、”エピコ−ト”834、エポキシ当量250)、4,4’ジアミノジフェニルスルホンおよび分散液と等重量のメチルエチルケトンをそれぞれ表1の組成比となるように加え、30℃で撹拌、混合して接着剤溶液を作製した。この接着剤溶液を用いて比較例1と同様にして接着剤シートおよび接着剤層付き純銅板を得た。特性を表2に示す。
【0050】
実施例
アミノ基を有する、ジメチルシロキサン架橋ポリマ粒子(東レダウコーニングシリコーン(株)製、”トレフィル”E−601、平均粒子直径:5μm)および球状シリカ(トクヤマ(株)製、”エクセリカ”)をトルエンと混合した後、サンドミル処理してシリカ分散液を作製した。この分散液に、NBR−C(日本合成ゴム(株)製、PNR−1H)、SEBS−C(旭化成(株)製、MX−073)、エポキシ樹脂 (油化シェルエポキシ(株)製、“エピコート”828、エポキシ当量186)、4,4’ジアミノジフェニルスルホンおよび分散液と等重量のメチルエチルケトンをそれぞれ表1の組成比となるように加え、30℃で撹拌、混合して接着剤溶液を作製した。この接着剤溶液を用いて比較例1と同様にして接着剤シートおよび接着剤層付き純銅板を得た。特性を表2に示す。
【0051】
実施例
ポリブチルアクリレート架橋ポリマをコアとしてポリメチルメタクリレートをシェルとする、コア−シェル架橋ポリマ粒子(日本ゼオン(株)製、F351、平均粒子直径:0.3μm)および水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製、H−42I)をトルエン/メチルエチルケトン=1/1混合溶剤と混合した後、サンドミル処理して水酸化アルミニウム分散液を作製した。この分散液に、NBR−C(日本合成ゴム(株)製、PNR−1H)、エポキシ樹脂(油化シェル(株)製、”エピコート”828、エポキシ当量186)、フェノールノボラック樹脂(群栄化学工業(株)製、PSM4261)、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、トリフェニルフォスフィンおよび分散液と等重量のメチルエチルケトンをそれぞれ表1の組成比となるように加え、30℃で撹拌、混合して接着剤溶液を作製した。この接着剤溶液を用いて比較例1と同様にして接着剤シートおよび接着剤層付き純銅板を得た。特性を表2に示す。
【0052】
比較例
水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製、H−42I)をトルエンと混合した後、サンドミル処理して水酸化アルミニウム分散液を作製した。この分散液に、NBR−C(日本合成ゴム(株)製、PNR−1H)および分散液と等重量のメチルエチルケトンをそれぞれ表1の組成比となるように加え、30℃で撹拌、混合して接着剤溶液を作製した。この接着剤溶液を用いて比較例1と同様にして接着剤シートおよび接着剤層付き純銅板を得た。特性を表2に示す。
【0053】
比較例
水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製、H−42I)をトルエンと混合した後、サンドミル処理して水酸化アルミニウム分散液を作製した。この分散液に、フェノールノボラック樹脂(群栄化学工業(株)製、PSM4261)、ヘキサメチレンテトラミンおよび分散液と等重量のメチルエチルケトンをそれぞれ表1の組成比となるように加え、30℃で撹拌、混合して接着剤溶液を作製した。この接着剤溶液を用いて比較例1と同様にして接着剤シートおよび接着剤層付き純銅板を得た。特性を表2に示す。
【0054】
【表1】
Figure 0003777734
【0055】
【表2】
Figure 0003777734
【0056】
表1および表2の実施例および比較例から本発明により得られる半導体装置用接着剤組成物は、加工性、接着力、絶縁信頼性および耐久性に優れることがわかる。
【0057】
【発明の効果】
本発明は加工性、接着力、絶縁信頼性および耐久性に優れる新規な半導体装置用接着剤組成物およびそれを用いた半導体装置用接着剤シートを工業的に提供するものであり、本発明の半導体装置用接着剤組成物によって高密度実装用の半導体集積回路接続用基板ならびに半導体装置の信頼性および易加工性に基づく経済性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置用接着剤組成物および半導体装置用接着剤シートを用いたBGA型半導体装置の一態様の断面図。
【図2】本発明の半導体装置用接着剤組成物を用いた半導体集積回路接続前の半導体集積回路接続用基板の一態様の断面図。
【図3】半導体集積回路接続用基板を構成するパターンテープ(TABテープ)の一態様の斜視図。
【図4】本発明の半導体装置用接着剤シートの一態様の断面図。
【符号の説明】
1 半導体集積回路
2 金バンプ
3,11,17 可撓性を有する絶縁性フィルム
4,12,18 配線基板層を構成する接着剤層
5,13,21 半導体集積回路接続用の導体
6,14,23 本発明の接着剤組成物より構成される接着剤層
7,15 導体パターンが形成されていない層
8,16 ソルダーレジスト
9 半田ボール
10 封止樹脂
19 スプロケット孔
20 デバイス孔
22 半田ボール接続用の導体部
24 本発明の接着剤シートを構成する保護フィルム層

Claims (10)

  1. (A)絶縁体層および導体パターンからなる配線基板層、(B)導体パターンが形成されていない層および(C)接着剤層をそれぞれ少なくとも1層以上有する半導体集積回路接続用基板の(C)接着剤層を形成する半導体装置用接着剤組成物であって、該接着剤組成物が必須成分として熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および架橋ポリマ粒子、無機微粒子をそれぞれ少なくとも1種類以上含み、該架橋ポリマ粒子が、二重結合、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、メルカプト基、水酸基、イソシアネート基、メチロール基およびシラノール基からなる群から選ばれる官能基を有することを特徴とする半導体装置用接着剤組成物。
  2. (A)絶縁体層および導体パターンからなる配線基板層、(B)導体パターンが形成されていない層および(C)接着剤層をそれぞれ少なくとも1層以上有する半導体集積回路接続用基板の(C)接着剤層を形成する半導体装置用接着剤組成物であって、該接着剤組成物が必須成分として熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および架橋ポリマ粒子、無機微粒子をそれぞれ少なくとも1種類以上含み、該架橋ポリマ粒子が、2種類以上のポリマが複合構造となった架橋ポリマ粒子であることを特徴とする半導体装置用接着剤組成物。
  3. 架橋ポリマ粒子の平均粒子直径が、0.02〜20μmであることを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置用接着剤組成物。
  4. 架橋ポリマ粒子の含有量が、接着剤組成物100重量部に対し、1〜80重量部であることを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置用接着剤組成物。
  5. 熱可塑性樹脂が、ブタジエンを必須共重合成分とする共重合体を含むことを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置用接着剤組成物。
  6. 熱可塑性樹脂が、ブタジエンを必須共重合成分とし、かつカルボキシル基を有する共重合体を含むことを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置用接着剤組成物。
  7. 熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂および/またはフェノール樹脂であることを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置用接着剤組成物。
  8. 請求項1〜のいずれか記載の半導体装置用接着剤組成物を接着剤層とし、かつ少なくとも1層以上の剥離可能な保護フィルム層を有する半導体装置用接着剤シート。
  9. 保護フィルム層が離型処理されていることを特徴とする請求項記載の半導体装置用接着剤シート。
  10. 接着剤層の両面に保護フィルム層を有し、それぞれの保護フィルム層の接着剤層に対する剥離力をF、F(F>F)としたとき、F−F≧5Nm−1であることを特徴とする請求項記載の半導体装置用接着剤シート。
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