JP3777731B2 - 操舵装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ステアリングホイールの操舵角情報を制御情報に含んで車両の特性を制御するようにした操舵装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角センサにおいては、例えば、ステアリングシャフトの回転角に応じたパルス信号を得て、このパルス信号と所定の中立点情報とをもとに操舵角を検出するようにしている。そして、高精度に舵角を検出するために、車両が直進走行状態であるとみなすことが可能な状態のときに、中立点情報を逐次更新するようにしている。この中立点の更新方法としては、本出願人が先に提案した特開平2−299978号公報に記載されているもの等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の中立点情報の更新方法においては、車両が直進走行状態にあるとみなすことができるときにのみ、操舵角センサの検出値に基づいて中立点を算出するようにし、この中立点の更新操作を繰り返し行うことにより次第に真の中立点に収束するようになっている。そのため、真の中立点が検出されるまでに処理時間を要するという問題がある。
【0004】
一方、例えば、電動機の出力によって操舵力を補助するようにした電動パワーステアリング装置等においては、ステアリングシャフトに操舵トルクを検出するトルクセンサを設け、このトルクセンサの検出値に基づいて操舵補助力を発生させるようにしている。しかしながら、このトルクセンサは比較的高価であり、フェールセーフのためにトルクセンサを複数設ける方法等も考えられているが、これはさらに装置の高価格化を招くものであって、より安価に操舵トルクを検出する方法が望まれていた。
【0005】
そこで、この発明は、上記従来の問題点に着目してなされたものであり、操舵角センサの中立点を容易確実に検出することができ、且つ、安価に操舵トルクを検出することの可能な操舵装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る操舵装置は、ステアリングホイールの操舵角に応じた操舵角検出信号と前記ステアリングホイールの中立位置情報とに基づいて前記操舵角を検出する操舵角検出手段と、前記ステアリングホイールの操舵により転舵される転舵輪の転舵角を検出する転舵角検出手段と、前記操舵角検出手段及び前記転舵角検出手段で検出した直進走行状態における検出操舵角及び検出転舵角に基づいて前記中立位置情報の中立位置ずれを検出する中立位置ずれ検出手段と、当該中立位置ずれ検出手段の検出結果に基づいて所定の処理を行う制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0007】
この発明によれば、操舵角センサ等から出力される、ステアリングホイールの操舵角に応じた操舵角検出信号と、例えば車両が直進走行状態とみなすことができるときの操舵角等のステアリングホイールの中立位置情報と、に基づいてステアリングホイールの操舵角が操舵角検出手段により検出される。また、ステアリングホイールを操舵することに伴って転舵される転舵輪の転舵角が転舵角検出手段によって検出される。
【0008】
そして、車両が直進走行状態であるとみなすことのできる時点における、転舵角と操舵角との偏差に基づいて、操舵角検出手段で用いられる中立位置情報の中立位置ずれが検出される。つまり、車両が直進走行状態であるときには、ステアリングホイール及び転舵輪は中立状態となるはずであるから、例えば検出転舵角を操舵角に変換した値と検出操舵角とはほぼ一致するはずである。したがって、これらが一致しないときには、中立位置ずれが生じているとして検出される。
【0009】
よって、例えば操舵角検出手段で用いられる中立位置情報つまり中立位置が検出操舵角に基づいて逐次更新されて真の中立位置に収束するような場合には、中立位置が真の中立位置に収束するまでに時間を要し、中立位置がずれているかどうかを検出するまでの時間を要するが、例えば検出転舵角に基づく操舵角と検出操舵角とが一致するか否かを比較することにより、容易に中立位置ずれが検出される。
【0010】
また、請求項2に係る操舵装置は、前記操舵角検出手段の検出操舵角と前記転舵角検出手段の検出転舵角とに基づいて車両の操舵系の操舵トルクを検出するトルク検出手段と、当該トルク検出手段のトルク検出値に基づいて所定の処理を行うトルク制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0011】
この発明によれば、操舵角検出手段及び転舵角検出手段で検出された検出操舵角と検出転舵角とに基づいて車両の操舵系の操舵トルクが検出される。つまり、ステアリングホイールの操舵角と転舵輪の転舵角との差はステアリングホイールと転舵輪とを連結するステアリングシャフト等の操舵系のねじれ量に比例するから、操舵角と転舵角との差に基づいて操舵系の操舵トルクが検出されることになる。
よって、従来の操舵トルクセンサ等を用いなくても、操舵角検出手段と転舵角検出手段を設けることによって操舵系の操舵トルクを検出することが可能となる。
【0012】
さらに、請求項3に係る操舵装置は、前記制御手段は、前記トルク検出手段及びトルク制御手段を備え、当該トルク制御手段は前記トルク検出値に応じた操舵補助力を発生させるトルク制御手段であって、前記中立位置ずれ検出手段で前記中立位置ずれを検出したとき、前記検出転舵角の所定時間当たりの変位量に基づき前記操舵トルクを推定すると共に前記検出転舵角の所定時間当たりの変位量に基づき前記操舵トルクを推定し、推定したトルク推定値のうち何れか小さい方に基づいて前記操舵補助力を発生させるようにしたことを特徴としている。
【0013】
この発明によれば、検出操舵角及び検出転舵角に基づいて中立位置ずれ検出手段により、操舵角検出手段の中立位置ずれが検出され、また、トルク検出手段により、検出操舵角及び検出転舵角に基づいて操舵系の操舵トルクが検出され、この検出した操舵トルクに応じて、トルク制御手段によって操舵補助力が発生される。このとき、中立位置ずれ検出手段によって中立位置ずれが検出されると、トルク制御手段によって、操舵角検出手段で検出し所定の記憶領域に保持している前回の検出操舵角と今回の検出操舵角との差、つまり所定時間当たりの変位量に基づいて操舵トルクが推定され、同様に、転舵角検出手段で検出し所定の記憶領域に保持している前回の検出転舵角と今回の検出転舵角との差から操舵トルクが推定される。そして、これら検出操舵角に基づき推定したトルク推定値と検出転舵角に基づいて推定したトルク推定値とのうち、何れか小さい方に応じた操舵補助力が発生される。
【0014】
よって、中立位置ずれが検出された場合、検出操舵角には中立位置ずれによるずれ分が含まれるため、この検出操舵角に基づいて操舵トルクを求めた場合この操舵トルクには中立位置ずれによるずれ分が含まれることになるが、検出操舵角の変位量には中立位置ずれによるずれ分が含まれないから、この変位量に基づき推定された操舵トルクには中立位置ずれによるずれ分が含まれない。そして、このとき、検出操舵角の変位量に基づくトルク推定値と、検出転舵角の変位量に基づくトルク推定値とのうち、何れか小さい方に基づいて操舵補助力が発生されるから、中立位置ずれのずれ分の影響を受けることなく操舵補助力が発生されると共に、より安全性が向上されることになる。
【0015】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係る操舵装置によれば、ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角検出手段と、ステアリングホイールにより転舵される転舵輪の転舵角を検出する転舵角検出手段とを設け、これら検出手段の、車両が直進走行状態であるときの各検出値に基づいて中立位置ずれを検出するようにしたから、操舵角検出手段の中立位置ずれを容易確実に検出することができる。
【0016】
また、本発明の請求項2に係る操舵装置によれば、操舵角検出手段で検出したステアリングホイールの操舵角と転舵角検出手段で検出したステアリングホイールにより転舵される転舵輪の転舵角とに基づいて操舵系の操舵トルクを検出するようにしたから、トルクセンサ等を設ける必要がなく、より安価に操舵トルクの検出を行うことができる。
【0017】
さらに、本発明の請求項3に係る操舵装置によれば、操舵トルクに応じた操舵補助力を発生させるトルク制御手段では、中立位置ずれ検出手段で中立位置ずれを検出したときには、検出操舵角の変位量に基づくトルク推定値と検出転舵角の変位量に基づくトルク推定値との何れか小さい方に基づいて操舵補助力を発生させるようにしたから、中立位置ずれによるずれ分の影響を含む操舵トルクに基づいて操舵補助力が発生されることを回避することができると共に、より安全性を向上させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
この実施の形態は、本発明における操舵装置を、操舵系に生じる操舵トルクに応じた操舵補助力を発生させるようにした電動パワーステアリング装置に適用したものであって、図1はその一例を示す概略構成図である。
【0019】
図1に示すように、ステアリングホイール1は、ステアリングシャフト2の上端部に連結され、このステアリングシャフト2は図示しない固定部に支持されて下方に延長され、その下端部にピニオン3が装着されている。
【0020】
このピニオン3は、車両幅方向に水平に延長するラック軸4に噛合して、ステアリングギヤを構成し、ステアリングホイール1からステアリングシャフト2回りの回転運動が、ラック軸4の直進運動(並進運動)に変換される。
【0021】
そして、水平に延在するラック軸4の両端部は、それぞれタイロッド5を介してナックル及び転舵輪6FL,6FRに接続され、ラック軸4が水平方向移動(並進運動)することで転舵輪6FL,6FRが転舵される。なお、前記ステアリングホイール1,ステアリングシャフト2,ピニオン3,ラック軸4によって、操舵系を構成している。
【0022】
また、ステアリングシャフト2におけるピニオン3の上部には、減速機を構成するリングギア7が同軸に固定され、このリングギア7に操舵補助モータ8の駆動軸8aに連結されたリングギヤ9が噛合され、操舵補助モータ8が後述するコントロールユニット10から出力されるデューティ制御されたパルス電流によって必要なアシストトルクを発生するように制御される。
【0023】
さらに、ステアリングシャフト2には、その下端部とピニオン3の上端部とを連結する図示しないトーションバーが設けられ、また、ステアリングシャフト2の上部にはステアリングホイール1の回転角すなわち操舵角を検出する操舵角検出機構20が取り付けられている。
【0024】
この操舵角検出機構20は、図2に示すように、ステアリングシャフト2に固定された円板状のセンサディスク21と、このセンサディスク21に対向して配設された第1の操舵角センサ22,第2の操舵角センサ23及び中立位置センサ24とで構成されている。
【0025】
ここで、センサディスク21には、その外周側の同心円上に全周にわたって数度間隔で操舵角検出用透孔21aが穿設されていると共に、その内側に同心的に例えば20°程度の範囲で中立位置検出用透孔21bが穿設されている。
【0026】
また、第1及び第2の操舵角センサ22,23と中立位置センサ24とは、それぞれセンサディスク21を挟んで対向する発光ダイオード及びフォトレジスタを有するフォトインタラプタで構成され、このうち第1及び第2の操舵角センサ22,23は、センサディスク21の操舵角検出用透孔21aに対向する任意の位置に透孔21aの幅の半分のピッチで並設され、中立位置センサ24は、ステアリングホイール1が直進状態を表す中立位置にあるときに中立位置検出用透孔21bの円周方向の略中心位置に配設されている。
【0027】
また、図1に示すように、車両には車速を検出する車速センサ12が搭載されていて、この車速センサ12によって、車両前後方向の車速が検出され、この車速の大きさに応じた電圧信号である車速検出値Vが後述されるコントロールユニット10に供給される。さらに、操舵補助モータ8には、電流検出器14が取り付けられており、この電流検出器14で操舵補助モータ8に流れる実電流値が検出され、その大きさに応じた電流信号からなる実電流検出値iF が、コントロールユニット10に供給される。
【0028】
また、車両の運転席近傍,より具体的には、例えばインストゥルメントパネルには、操舵角検出機構20の各検出信号に基づきコントロールユニット7で認識している中立位置θC が異常であることを運転者に視認してもらうための警報ランプ15が設けられている。
【0029】
さらに、前記ラック軸4にはこのラック軸4のストローク量を検出するラックストロークセンサ16が設けられている。このラックストロークセンサ16は、図3に示すように、ラック軸4を摺動自在に支持するシリンダ4aに固定された略L字状の固定ブラケット16aと、ラック軸4に固定された可動ブラケット16bと、これら固定ブラケット16a及び可動ブラケット16bにその両端が支持される回動部材16cと、この回動部材16cの回転角度を検出する例えばポテンショメータ等で構成される回転センサ16dとから構成されている。
【0030】
前記固定ブラケット16aは、そのL字状の一辺がラック軸4と平行になるようにその一端がシリンダ4aに固定され、その他端には、回動部材16cの一端が回動自在に支持されている。そして、この支持点を回動中心として回動部材16cが回動することに伴って、回動中心における回動部材16cの回転角度が、回転センサ16dによって検出されるようになっている。この回転センサ16dの出力は、ストローク検出値θS としてコントロールユニット10に供給されるようになっている。また、回動部材16cの固定ブラケット16a側の支持点と反対側には、回動部材16cの長手方向と平行な長穴16c1 が形成されている。
【0031】
前記可動ブラケット16bは、略L字状に屈折した板面で形成され、一方の面には、ラック軸4の曲面と嵌合する嵌合部16b1 が形成され、この嵌合部16b1 とラック軸4とが嵌合して固定されている。また、他方の面には、前記回動部材16cに形成された長穴16c1 と嵌合する突起部16b2 が形成され、可動ブラケット16b上に回動部材16cが配置されて回動部材16cの長穴16c1 と突起部16b2 とが嵌合されたとき、回動部材16cがほぼ水平となるように形成されている。
【0032】
そして、シリンダ4aに支持されたラック軸4が伸縮することによって、ラック軸4が移動するにつれて可動ブラケット16bが移動し、これに応じて突起部16b2 が長穴16c1 を案内として移動しこれによって回動部材16cを回動させることにより、この回動部材16cの回転角度が回転センサ16dによって検出されるようになっている。
【0033】
前記コントロールユニット10は、図4に示すように、車速センサ12からの車速検出値V,電流検出器14からの実電流検出値iF ,ラックストロークセンサ16からのストローク検出値θS ,操舵角検出機構20の操舵角センサ22,23の操舵角検出信号P1 ,P2 ,中立位置センサ24の検出信号PN を入力し、且つ操舵補助モータ8の回転方向と回転速度とを制御するためのモータ制御信号及び警報ランプ15の点灯制御を行うランプ制御信号を出力するマイクロコンピュータ42と、このマイクロコンピュータ42から出力されるランプ制御信号が供給されこれに応じて警報ランプ15を点灯/消灯制御するランプ駆動回路43と、モータ制御信号が供給されこれに基づいて操舵補助モータ8の回転方向と回転速度とを制御する前輪用駆動回路44と、を備えている。
【0034】
ここで、マイクロコンピュータ42は、少なくとも、F/V変換機能やA/D変換機能を備えた入力側インタフェース回路42a,マイクロプロセッサユニット等からなる演算処理装置(CPU)42b,RAM,ROM等からなる記憶装置42c及び出力側インタフェース回路42dを有する。
【0035】
そして、前記入力側インタフェース回路42aには、車速センサ12からの車速検出値V,電流検出器14からの実電流検出値iF ,ラックストロークセンサ16からのストローク検出値θS ,操舵角検出機構20の操舵角センサ22,23の操舵角検出信号P1 ,P2 ,中立位置センサ24の検出信号PN ,回転角計測回路41からの現在モータ回転角θMRが入力される。また、出力側インタフェース回路42dからは、警報ランプ15を制御するためのランプ駆動回路43へのランプ制御信号SL ,操舵補助モータ8を駆動制御するための前輪用駆動回路44へのモータ制御信号SF が出力される。
【0036】
そして、前記演算処理装置42bは、操舵角センサ22及び23からの2つの操舵角検出信号P1 ,P2 に基づいて操舵方向及び操舵角θFUを検出すると共に、中立位置センサ24の検出信号PN に基づいて中立位置θC を検出する。そして、検出した中立位置θC が正常であるか否かを、車両が直進走行状態である時のラックストロークセンサ16のストローク検出値θS と、操舵角θFUとをもとに判定し、判定の結果異常とみなされる場合には、警報ランプ15を点灯させるランプ制御信号SL をランプ駆動回路43に出力する。
【0037】
また、演算処理装置42bは、操舵角センサ22,23からの操舵角検出信号P1 ,P2 に基づいて検出した操舵角θFU及びラックストロークセンサ16のストローク検出値θS に基づいてステアリングホイール1及びピニオン3間に作用する操舵トルクに応じた必要なアシストトルクTを検出し、検出したアシストトルクTに基づいた操舵補助力を発生するように、操舵補助モータ8の回転方向及びその駆動量に応じて操舵補助モータ8をデューティ制御するデューティ制御用パルス信号等からなるモータ制御信号SF を形成しこれを出力側インタフェース回路42dを介して前輪用駆動回路44に出力する。
【0038】
さらに、記憶装置42cには、予め演算処理装置42bの演算処理に必要な制御マップ,演算式,プログラム等が記憶されていると共に、演算処理装置42bの演算過程で必要な演算結果を逐次記憶する。
【0039】
前記前輪用駆動回路44は、例えば4個のMOSFET等のスイッチング素子を2個ずつ直列に接続して2組の直列回路を構成し、これら直列回路のそれぞれのスイッチング素子間に操舵補助モータ8が接続され、いわゆるHブリッジ回路に構成されている。そして、各スイッチング素子が、マイクロコンピュータ42の出力側インタフェース回路42dから出力される回転方向を特定する信号及びデューティ制御用電流信号等に基づいて作動することによって、操舵補助モータ8の回転方向及びその駆動量が制御されるようになっている。また、Hブリッジ回路には、電流検出器14が接続されている。
【0040】
次に、上記実施の形態の動作をマイクロコンピュータ42の演算処理装置42bで実行される処理の処理手順を示すフローチャートに基づいて説明する。
図5は、中立位置ずれ検出処理の処理手順を示すフローチャートであって、コントロールユニット10では、この中立位置ずれ検出処理を所定時間(例えば10msec)毎に実行している。
【0041】
この中立位置ずれ検出処理では、まずステップS1で、予め設定した所定の判定条件が成立しているか否かを判定する。この判定条件は、転舵中はトーションバーの捩じれにより、中立位置が正常であっても操舵角と転舵角との間に相対角が生じるため、誤った判断が行われることを回避するために、車両が直進走行状態であって転舵輪6FL,6FRが中立状態であるとみなすことができるかどうかを判断するためのものである。この判定条件としては、中立位置センサ24の検出信号PN が“1”であること、つまりステアリングホイール1が直進走行状態を表す略中立位置にあること,車速検出値Vが所定の車速VN (例えば20km/h)以上であること,後述の操舵角検出処理において算出し所定の記憶領域に格納している操舵角θFUの変化が所定角度(例えば10°)以内であること,連続走行距離が所定距離H(例えば12.5m)以上であること等がある。
【0042】
そして、これら判定条件を全て満足するとき、車両が直進走行状態であると判断し、ステップS2に移行して中立判定処理を行う。一方、判定条件を全て満足しない場合には、そのまま処理を終了する。
【0043】
前記中立判定処理では、操舵角検出信号P1 ,P2 に基づく操舵角θFUと、ラックストロークセンサ16の検出信号θS に基づいて検出し所定の記憶領域に格納している転舵角θFLとをもとに、例えば転舵角θFLをステアリングホイール1の回転角度に変換する等を行って操舵角θFUに基づく操舵角変換角θFU′と転舵角θFLに基づく転舵角変換角θFL′とに変換し、これら変換角の差が予め設定した所定値ψよりも大きいか否か、つまり、|θFU′−θFL′|>ψであるか否かを判定する。
【0044】
前記所定値ψは、操舵角検出機構20の各検出値に基づきコントロールユニット10で認識している中立位置θC とラックストロークセンサ16の検出信号に基づく中立位置とのずれ量との許容誤差を表す。そして、操舵角変換角θFU′及び転舵角変換角θFL′の差が所定値ψよりも大きい場合、つまり、|θFU′−θFL′|>ψであるときには、中立位置ずれが生じているものと判断する。逆に、|θFU′−θFL′|≦ψであるときには、中立位置ずれが生じていないと判断する。
【0045】
そして、ステップS2の中立判定処理で、中立位置ずれが生じていると判定した場合には(ステップS3)、ステップS4に移行し、警報ランプ15を点灯させるためのランプ制御信号SL をランプ駆動回路43に出力すると共に、判定結果を所定の記憶領域に格納し処理を終了する。
【0046】
一方、中立判定処理(ステップS2)において、中立ずれが生じていないと判定した場合には、判定結果を所定の記憶領域に格納した後処理を終了する。
次に、図6は、操舵補助制御処理の処理手順を示すフローチャートであって、コントロールユニット10では、この操舵補助制御処理を所定時間(例えば5msec)毎に実行している。
【0047】
まず、所定の記憶領域に格納されている操舵角センサ22,23の操舵角検出信号に基づく操舵角θFUと、ラックストロークセンサ16で検出されたストローク検出値θS に基づく転舵角θFLと、車速センサ12からの車速検出値Vと、を読み込む(ステップS11)。
【0048】
次いで、所定の記憶領域に格納している、前述の中立位置ずれ検出処理による検出の結果が中立位置ずれが生じているか否かを判定する(ステップS12)。そして、中立位置ずれが生じていない場合には、ステップS13に移行し、例えば転舵角θFLをステアリングシャフト2回りの角度に変換した後、次式(1)に基づいて、アシストトルクTを算出する。
【0049】
T=K×(θFU−θFL)×α ……(1)
なお、式中のKはステアリングシャフト2に設けられたトーションバーの剛性を表す定数である。また、αは比例係数である。なお、この比例係数αは、定数でもよく、また、例えば図7に示すように、車速Vの増加と共に比例係数αも増加するように設定してもよい。
【0050】
一方、ステップS12で、中立位置ずれ検出処理において中立位置ずれが生じていることが検出されている場合には、ステップS16に移行し、ステップS11の処理で読み込んだ操舵角θFU(N)と転舵角θFL(N)と、前回操舵補助制御処理実行時に所定の記憶領域に格納している前回の操舵角θFU(N−1)と転舵角θFL(N−1)とをもとに、次式(2)に基づき操舵角θFUの変位量からトルク推定値TFUを推定し、同様に、次式(3)に基づき転舵角θFLの変位量からトルク推定値TFLとを求める。そして、次式(4)に示すように、求めたトルク推定値TFU及びTFLのうち、何れか絶対値の小さい方を、今回のアシストトルクTとして設定する。なお、式(4)中のMIN( )は、( )内の絶対値の何れか小さい方を選択することを表す。
【0051】
FU=K×(θFU(N)−θFU(N−1))×α ……(2)
FL=K×(θFL(N)−θFL(N−1))×α ……(3)
T=MIN(TFU,TFL) ……(4)
そして、ステップS13又はステップS16で、アシストトルクTが設定されると、ステップS18に移行し、算出したアシストトルクTに応じて補助駆動モータ8へ供給すべき目標電流値i* を、例えば図8に示す制御マップから、アシストトルクTと、車速Vとに基づいて設定する。この制御マップは例えばアシストトルクTが大きくなるほど、目標電流値i* も大きくしてアシストトルクTに応じた操舵補助力を発生させ、また、車速Vが大きくなるほど目標電流値i* を小さくして適度な操舵補助力を発生させるようにしている。
【0052】
次いで、ステップS19に移行し、電流検出器14からの実電流検出値iF を読み込み、次いでステップS20で、次式(5)の演算を行って、デューティ比Dを算出設定する。
【0053】
D=M(i* −iF ) ……(5)
ここで、Mは制御ゲインであって、目標電流値i* と実電流検出値iF との許容誤差範囲例えば数A程度を見込んで、十数〜数十程度の値に設定される。
【0054】
次いで、ステップS21に移行して、例えばアシストトルクTが零を含む正値であるか否かを判定することによって、左切り状態であるか否かを判定し、左切り状態である場合には、ステップS22に移行して、操舵補助モータ8を左切り方向に回転させる方向信号を形成すると共に、ステップS20で算出されたデューティ比Dの左切りデューティ制御用電流パルス信号を形成しこれらをモータ制御信号SF として、前輪用駆動回路44に出力する。そして処理を終了する。
【0055】
一方、右切り状態であるときには、ステップS23に移行して、操舵補助モータ8を右切り方向に回転させる方向信号を形成すると共に、ステップS20で算出されたデューティ比Dの右切りデューティ制御用電流パルス信号を形成しこれらをモータ制御信号SF として前輪用駆動回路44に出力する。そして処理を終了する。
【0056】
次に、図9は、操舵角読み込み処理の処理手順を示すフローチャートであって、コントロールユニット10では、この操舵角読み込み処理を所定時間(例えば10msec)毎に実行している。
【0057】
この操舵角読み込み処理では、まず、第1及び第2の操舵角センサ22及び23の操舵角検出パルス信号P1 ,P2 を読み込み(ステップS51)、次いで、ステップS52に移行して、操舵角検出信号P1 が論理値“0”であるか否かを判定し、論理値“0”であるときにはステップS53に移行する。
【0058】
このステップS53では、所定の記憶領域に記憶されている操舵角検出信号P1 の前回値が論理値“1”であるか否かを判定し、論理値“0”であるときには状態変化が生じていないものと判断して後述のステップS56に移行し、論理値“1”であるときには、信号立ち下がりの状態変化が生じたものと判断してステップS54に移行する。
【0059】
このステップS54では、操舵角検出信号P2 が論理値“1”であるか否かを判定し、論理値“1”であるときには左旋回状態であると判断してステップS55に移行し、所定の記憶領域に形成した操舵角検出値θD を表すカウンタのカウント値を“1”だけカウントアップし、次いで、ステップS56に移行して操舵角検出パルス信号P1 の状態を所定の記憶領域に形成した前回値記憶領域に更新記憶して処理を終了する。
【0060】
また、ステップS53の判定結果が、前回値が論理値“0”であるとき及びステップS54の判定結果が操舵角検出信号P2 が論理値“0”であるときには直接ステップS56に移行する。
【0061】
一方、前記ステップS52の判定結果が操作角検出信号P1 が論理値“1”であるときには、ステップS57に移行して、前回値が論理値“0”であるか否かを判定し、論理値“1”であるときには直接前記ステップS56に移行し、論理値“0”であるときには信号立ち上がり時であると判断してステップS58に移行する。
【0062】
このステップS58では、操舵角検出パルス信号P2 が論理値“1”であるか否かを判定し、これが論理値“0”であるときには直接ステップS56に移行し、論理値“1”であるときには右旋回状態であると判断してステップS59に移行し、前記カウンタのカウント値を“1”だけカウントダウンしてからステップS56に移行する。
【0063】
次に、図10は、操舵角検出処理の処理手順を示すフローチャートであって、コントロールユニット10では、この操舵角検出処理を所定時間(例えば10msec)毎に実行している。
【0064】
この操舵角検出処理では、まず、ステップS61で前記の割り込み周期において演算され予め所定の記憶領域に記憶されている疑似中立位置としての移動平均値θCA及び本来の中立位置の値θC を読み出し、次いで、ステップS62に移行して前記操舵角読み込み処理で設定された操舵角θD を読み込む。
【0065】
次いで、ステップS63に移行して、次式(6)の演算を行って移動平均値θCAを算出し、これを所定の移動平均値記憶領域に更新記憶する。
θCA=θCA−(θC /100)+(θD /100) ……(6)
このステップS63の演算は100個の操舵角の移動平均を求めることに相当する。
【0066】
次いで、ステップS64に移行して、中立位置センサ24の中立位置検出信号PN が“1”であるか否かを判定し、中立位置検出信号PN が論理値“1”であるときには、ステアリングホイール1が直進走行状態を表す略中立位置にあって、前記ステップS63で算出した移動平均値θCAが中立位置を表していると判断して、ステップS65に移行して移動平均値θCAを中立位置θC として所定記憶領域に更新記憶してからステップS66に移行する。
【0067】
一方、ステップS64の判定結果が、中立位置信号PN が論理値“0”であるときにはステアリングホイール1が中立位置にはないものと判断して所定記憶領域に記憶されている中立位置を更新することなく直接ステップS66に移行する。
【0068】
ステップS66では、ステップS63で算出した移動平均値θCA及びステップS62で読み出した操舵角θD から中立位置記憶領域に記憶されている中立位置θを減算した値を操舵角θFUとして所定の操舵角記憶領域に更新記憶して処理を終了する。ここで、操舵角θFUは値が正であれば右切り、負であれば左切りであることを示す。
【0069】
したがって、今、直進走行状態に応じた中立位置θC が設定されている状態であり、ステアリングホイール1を中立位置とした非操舵状態で車両が直進走行しているものとする。
【0070】
このとき、操舵角検出信号P1 及びP2 は変化しないから、操舵角読み込み処理で検出される操舵角検出値θD は中立位置θC と略等しい状態を維持する。そして、操舵角検出値θD と中立位置θC とが略等しいことから操舵角検出処理のステップS63で算出される移動平均値θCAが変化せず、さらに、中立位置センサ24の中立位置検出信号PN が論理値“1”となっているので、移動平均値θCAが中立位置θC として設定され、操舵角検出値θD から中立位置θC を減算した操舵角θFUは略零となる。
【0071】
この直進走行状態からステアリングホイール1を右切りして右旋回状態に移行すると、操舵角センサ22及び23から位相差を有する操舵角検出信号P1 及びP2 が出力され、操舵角検出信号P1 の立ち下がり状態変化が検出され且つ操舵角検出信号P2 が論理値“1”であるときに、カウンタのカウント値がカウントアップされて、操舵角検出値θD がインクリメントされ、これに応じて操舵角検出処理で算出される操舵角θFUが右切りを表すように正方向に増加される。
【0072】
また、直進走行状態からステアリングホイール1を左切りして左旋回状態に移行した場合には、操舵角検出信号P1 に立ち上がりの状態変化が検出され、操舵角検出信号P2 が論理値“1”であるときに、カウンタのカウント値がカウントダウンされて、操舵角検出値θD がデクリメントされ、これに応じて操舵角検出処理で算出される操舵角θFUが左切りを表すように負方向に増加される。
【0073】
そして、車両が直進走行し、中立位置ずれ検出処理における所定の判定条件を満足する状態、具体的には、中立位置センサ24の検出信号PN が“1”であり、車速検出値Vが所定の車速VN (例えば20km/h)以上であり、操舵角θFUの変化が所定角度(例えば10°)以内であり、連続走行距離が所定距離H(例えば12.5m)以上となると、中立位置ずれ検出処理において、ステップS2の中立判定処理が実行される。つまり、操舵角θFUと、ラックストロークセンサ16の検出信号θS に基づいて検出し所定の記憶領域に格納している転舵角θFLとに基づく操舵角変換角θFU′と転舵角変換角θFL′との差が所定値ψよりも大きいか否かが判断される。
【0074】
このとき、本来直進走行している場合には操舵角変換角θFU′と転舵角変換角θFL′とはほぼ一致するはずであるから、|θFU′−θFL′|≦ψである場合には、中立位置ずれが生じていないとして判断される。一方、|θFU′−θFL′|>ψである場合には、中立位置ずれが生じていることになり、コントロールユニット10で認識している中立位置θC が真の中立位置とずれていると判断される。これによって、警報ランプ15が点灯されて、ドライバに中立位置ずれが生じていることが通知される。
【0075】
また、図6に示す操舵補助制御処理が実行されたとき、中立位置ずれが生じていない場合には、操舵角θFUとラックストロークセンサ16の検出信号θS に基づく転舵角θFLとの差、つまり、ステアリングシャフト2の上端部側と、ピニオン3側とのねじれ量に基づいてアシストトルクTが検出される。そして、このアシストトルクTを発生し得る目標電流値i* が設定され、この目標電流値i* と実電流値iF とに基づいてデューティ比が設定される。そして、操舵補助モータ8の回転方向とデューティ比に応じたパルス信号とからなるモータ制御信号SF が出力される。そして、このモータ制御信号SF に基づいて、前輪用駆動回路44のHブリッジ回路を構成する各スイッチング素子が作動し、これに応じて操舵補助モータ8が駆動されて、アシストトルクTに応じた操舵補助力が発生されることになる。
【0076】
一方、例えば直進走行状態となって、中立位置ずれ検出処理が実行されたときに、操舵角と転舵角とが|θFU′−θFL′|>ψとなり、中立位置ずれが生じたことを検出した場合には、所定の記憶領域に格納した前回操舵補助制御処理実行時の操舵角θFU(N−1)及び転舵角θFL(N−1)と今回読み込んだ操舵角θFU(N)及び転舵角θFL(N)から、前記(2)及び(3)式に基づいてトルク推定値TFU及びTFLが算出され、算出されたトルク推定値TFU及びTFLのうち、絶対値がより小さい方のトルク推定値に基づいて目標電流値i* が設定され、これに基づいて操舵補助モータ8が回転駆動される。
【0077】
したがって、中立位置θC に中立位置ずれが生じている場合、これに基づき算出された誤った操舵角θFUに基づいて操舵補助制御処理が実行されると、中立位置のずれ状況によってはドライバが予期しない操舵補助力が発生される場合があり、操縦安定性を損なう可能性がでてくるが、中立位置ずれが生じたことを検出した場合には、操舵角θFUの変位量から操舵トルクを推定するようにしたから、中立位置ずれが生じている場合でも、推定したトルク推定値TFUに中立位置ずれによるずれ分が含まれることを回避することができる。また、この推定したトルク推定値TFUと、同様に転舵角θFLの変位量から推定したトルク推定値TFLとを比較し、何れか小さい方のトルクに基づいて操舵補助力を発生させるようにしているから、より安全性を向上させることができる。
【0078】
また、操舵角検出処理において設定される中立位置θC は、移動平均値θCAに基づいて設定されるようになっているため、例えば車両が駐車している状態から、イグニッションスイッチをオン状態として発進した場合等には、中立位置θC は、直進走行状態であるときにしか更新されないため、中立位置θC が真の中立位置に収束するまでに時間を要することになり、真の中立位置θcであるのか否かの正確な判断を行うことができない。
【0079】
しかしながら、上記実施の形態によれば、ラックストロークセンサ16を設け、この転舵角θFLと操舵角θFUとを比較することによって、中立位置ずれを検出するようにしているから、的確に中立位置ずれの検出を行うことができる。よって、誤った操舵角θFUに基づいて操舵補助制御処理が実行されることを回避することができ、車両の操縦安定性の低下を回避することができる。
【0080】
また、ラックストロークセンサ16を設け、操舵角θFU及び転舵角θFLの差に基づいてアシストトルクTを検出することができ、また操舵トルクを検出することができるから、トルクセンサを設ける必要がない。よって、高価なトルクセンサを設けることなく、アシストトルクTを検出することができ、コスト削減を図ることができる。
【0081】
また、すでに、操舵角検出機構が設けられているような場合には、新たにラックストロークセンサを設けるだけで、低コストで操舵トルクを検出することが可能に変更することができ、また、確実に中立位置ずれを検出可能に変更することができる。
【0082】
また、操舵角検出機構20の中立位置センサ24では、初期設定時の状態における中立位置を基準として中立位置を検出するようにしているため、例えば、サスペンションブッシュ等の経時劣化等によりステアリングギアが中立位置ずれを起こした場合、或いはタイヤが偏磨耗した場合等による物理的な中立位置ずれが生じた場合等、中立位置センサ24自体が中立位置ずれを生じた場合、操舵角検出機構20からの検出信号のみに基づいてはその中立位置ずれを検出することができないため、この誤った中立位置を基準として中立位置θC の設定を行うことになり操舵角の検出精度が低下することになるが、上記実施の形態によれば、操舵角と転舵角とを比較することにより中立位置ずれを検出するようにしているから、これら物理的な中立位置ずれである場合でもこれを早期に検出することができ、これらに伴う悪影響を早期に回避することができる。
【0083】
また、上記実施の形態においては、ラックストロークセンサ16では、回動部材16cの回動角度をポテンショメータ等によって検出するようにしているため、ラックストロークセンサ16の占有面積をより小さくすることができる。
【0084】
なお、上記実施の形態においては、ラックストロークセンサを、図3に示すように、回動部材16cの固定ブラケット16d側を回動中心として回動自在に支持するようにした場合について説明したが、可動ブラケット16b側を回動中心として支持するようにしてもよい。
【0085】
また、回動部材16cの回動角度を検出するようにしているが、例えば、ラック軸4とシリンダ4aとにわたって、スライド式のポテンショメータを設け、これによって、ラック軸4の移動量を検出するようにしてもよい。また、転舵角検出手段としては、ラックストロークセンサに限るものではなく、転舵角を検出することができれば、どのようなセンサを用いてもよい。
【0086】
さらに、上記実施の形態においては、(1)式にしたがってアシストトルクTを算出するようにした場合について説明したが、操舵角θFUと転舵角θFLに基づいて操舵トルクを算出するようにしてもよい。
【0087】
なお、図10の操舵角検出処理が操舵角検出手段に対応し、ラックストロークセンサ16が転舵角検出手段に対応し、図5の中立位置ずれ検出処理が中立位置ずれ検出手段に対応し、前記(1)式にしたがってアシストトルクTを算出する処理がトルク検出手段に対応し、図6のステップS18〜S23の処理がトルク制御手段に対応している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における操舵装置を適用した電動パワーステアリング装置の概略構成図である。
【図2】操舵角検出機構の一例を示す構成図である。
【図3】ラックストロークセンサの一例を示す構成図である。
【図4】コントロールユニットの一例を示すブロック図である。
【図5】中立位置ずれ検出処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】操舵補助制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】アシストトルク算出時の比例係数αの設定方法の一例を示す制御マップである。
【図8】目標電流値とアシストトルクと車速との相対関係を表す制御マップである。
【図9】操舵角読み込み処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】操舵角検出処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3 ピニオン
4 ラック軸
8 操舵補助モータ
10 コントロールユニット
12 車速センサ
15 警報ランプ
16 ラックストロークセンサ
20 操舵角検出機構
22,23 操舵角センサ
24 中立位置センサ
44 前輪用駆動回路

Claims (3)

  1. ステアリングホイールの操舵角に応じた操舵角検出信号と前記ステアリングホイールの中立位置情報とに基づいて前記操舵角を検出する操舵角検出手段と、
    前記ステアリングホイールの操舵により転舵される転舵輪の転舵角を検出する転舵角検出手段と、
    前記操舵角検出手段及び前記転舵角検出手段で検出した直進走行状態における検出操舵角及び検出転舵角に基づいて前記中立位置情報の中立位置ずれを検出する中立位置ずれ検出手段と、
    当該中立位置ずれ検出手段の検出結果に基づいて所定の処理を行う制御手段と、を備えることを特徴とする操舵装置。
  2. 記操舵角検出手段の検出操舵角と前記転舵角検出手段の検出転舵角とに基づいて車両の操舵系の操舵トルクを検出するトルク検出手段と、
    当該トルク検出手段のトルク検出値に基づいて所定の処理を行うトルク制御手段と、を備えることを特徴とする請求項1記載の操舵装置。
  3. 前記制御手段は、前記トルク検出手段及びトルク制御手段を備え、
    当該トルク制御手段は前記トルク検出値に応じた操舵補助力を発生させるトルク制御手段であって、
    前記中立位置ずれ検出手段で前記中立位置ずれを検出したとき、前記検出転舵角の所定時間当たりの変位量に基づき前記操舵トルクを推定すると共に前記検出転舵角の所定時間当たりの変位量に基づき前記操舵トルクを推定し、
    推定したトルク推定値のうち何れか小さい方に基づいて前記操舵補助力を発生させるようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の操舵装置。
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