JP3777050B2 - 基板処理システム - Google Patents

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  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば液晶表示デバイス(LCD)およびプラズマ表示デバイス(PDP)などのフラットパネルディスプレイ(FPD)、半導体デバイスおよび各種電子部品などの製造プロセスにおいて、例えばLCDまたはPDP用ガラス基板、半導体基板およびプリント基板などの基板を例えば塗布装置にセットして各種塗布液を塗布することで、フォトレジスト膜、カラーフィルタ材、平坦化材、層間絶縁膜、絶縁膜および導電膜などの薄膜を基板表面上に形成する塗布システムなどの基板処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶表示デバイスや半導体デバイスなどの製造プロセスにおいて、毛管現象を用いた縦型の塗布装置が提案されている。この塗布装置は、基板を鉛直姿勢または傾斜した姿勢に立てて保持し、その基板幅方向(水平方向)のノズルと基板とをその被塗布面に沿って相対移動させつつ、毛管現象で塗布液槽から汲み上げられた塗布液をノズルから基板表面に対して吐出させて塗布液を塗布するものである。
【0003】
ところで、上記塗布装置によって塗布処理を行うためには、他の基板処理装置から搬送されてくる未処理の基板を上記塗布装置にセットし、また塗布処理が完了すると、処理済みの基板を別の基板処理装置に搬出する必要がある。そこで、このような基板搬送を、例えば図30に示すような従来より周知の多関節ロボットによって行うことが考えられる。
【0004】
図30は仮想の従来技術にかかる塗布システムの正面図である。この塗布システムでは、同図に示すように、塗布装置80aの手前側に基板セッティング用の多関節ロボット81が配設されている。また、この多関節ロボット81の左右には、処理前水平搬送経路82の取込位置82aと、処理済み水平搬送経路83の受渡位置83aとが配設されており、多関節ロボット81は取込位置82aに搬送されてきた未処理の基板を受取り、塗布装置80aにセットする一方、塗布処理が完了すると、当該処理済み基板を受渡位置83aに搬出する。
【0005】
より具体的には、この多関節ロボット81のアーム部81aの先端部分は基板84の裏面端縁部を保持可能な吸着構造になっており、当該先端吸着部分によって処理前水平搬送経路82の取込位置82aまで水平搬送されてきた水平姿勢の基板84を吸着して取り込み、塗布装置80aのステージ85a上に垂直姿勢にセッティングする。また、塗布処理が完了すると、当該先端吸着部分によって、塗布装置80aにおいて垂直姿勢の塗布済みの基板84をステージ85aから受け取ってこれを水平姿勢にして処理済み水平搬送経路83の受渡位置83a上に移送するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、多関節ロボット81が基板84の裏面端縁部を保持する理由は、塗布直後の基板84においては、その端面部分にも塗布液が付いている虞があり、その端面を保持するのが適当ではないためである。しかしながら、このような保持態様では、基板84を立てた垂直姿勢時にロボット側とステージ側との間で受渡しする場合、両者の間での吸引タイミングおよび吸引解除タイミングによっては、基板84が落下する危険性があるため、これを考慮してハンドリング速度を遅くする必要があった。
【0007】
また、ステージ85aへのセッティング動作時およびステージ85aからの取外し動作時に、多関節ロボット81のアーム部81aのハンド先端吸着部は基板84の表面側にくるため、ハンド先端吸着部がシリンダやモータなどの駆動源を必要としており、その構成が複雑で重量も大きくなって多関節ロボット81としての負荷も大きくなっている。また、多関節ロボット81のアーム部81aのハンド先端吸着部に、基板84を覆って前記駆動源からのパーティクルの付着を防ぐためのプレートを取り付けると、ハンド先端吸着部がさらに重くなってアーム部81aに負荷がかかり過ぎ、また、そのハンド先端吸着部にプレートを取り付けない場合には、前記駆動源からのパーティクルが基板84に付着するのみならず、ハンドリング時に基板84に風圧がかかり基板84が振動し、それによってパーティクルが発生する虞がある。
【0008】
さらに、多関節ロボット81のアーム部81aのハンド先端吸着部が、水平姿勢の基板84に対してアクセス時に基板84の表面上方位置にくるため、基板84の表面にパーティクルが付着する虞があり、前述の基板84を覆うプレートを設けない場合に特に問題となる。また、この基板84の被塗布面に対する塗布処理が多関節ロボット81による搬送エリア側で行われているため、搬送時に発生したパーティクルが基板84の表面に付着する虞があった。
【0009】
このように、塗布が搬送エリア側で行われるためにメンテナンス性も悪くなっていた。つまり、塗布装置の外側から基板84に対する塗布状態が目視で検査できないため、搬送エリア側に入る必要があり、メンテナンスの低下の主要因の一つになっていた。
【0010】
以上のことを解決するべく、本発明者等は、後述する本実施形態で詳細に説明するが、別の出願で以下のような提案を行っている。この提案にかかる基板処理システムでは、基板が保持される基板保持ステージを設け、この基板保持ステージの基板保持面が所定角度姿勢と垂直または傾斜姿勢の何れかになるように軸支部を回動中心として基板保持ステージを回動自在に構成したステージ旋回手段を設けている。そして、このステージ旋回手段の回動動作によって、基板保持ステージを所定角度姿勢から傾斜または垂直姿勢にし、この状態が塗布装置などの基板処理装置における基板処理位置になるようにしている。そのため、所定角度姿勢が略水平姿勢であれば、基板の基板保持ステージへのセッティングはその略水平姿勢で行われ、従来のような吸引タイミングおよび吸引解除タイミングの乱れによる基板落下の危険性もなく、これによって、ハンドリング速度を遅くする必要もなくなって、より安定な基板移載を行うことが可能となる。また、ステージ旋回手段の回動動作によって基板保持ステージを所定角度姿勢から傾斜または垂直姿勢にして、基板処理装置の裏側から基板処理位置にセットし、その表面側で基板処理を行うので、基板処理エリアと搬送エリアとを容易に分離することが可能となって、搬送エリア側のパーティクルが基板処理エリア側の基板表面上に付着することが抑制される。また、基板処理エリア側に基板搬送機構がないので、基板処理エリア側に人が入りやすく、かつ、その基板処理状態が見やすいため、メンテナンス性のよい基板処理システムとなる。しかも、このように、塗布エリアと搬送エリアとがうまく分離されるので、基板保持ステージの基板保持面側の基板処理空間を覆って密閉する外郭部材を容易に配置することが可能となって、風圧や気圧変化などの周囲からの悪影響が防止されてより安定した基板処理が可能となる。
【0011】
ところが、基板処理タクトの短縮化のために、上記のような塗布装置などの基板処理装置を複数台直列に隣接配置した場合には、基板搬送も含めた基板処理システム全長が長くなってフットプリントが悪化し、レイアウト上の制約も大きくなるという問題を有していた。
【0012】
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、設置スペースの共用化を図ることができてシステム全長の短縮化を図ることができる基板処理システムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本請求項1に記載の発明は、処理前基板搬送経路を所定搬送角度姿勢で搬送されてきた処理前基板を基板処理装置の基板処理位置上に移送して垂直または傾斜姿勢で基板処理すると共に、この基板処理装置で基板処理された処理済み基板を前記基板処理装置の基板処理位置から処理済み基板搬送経路に移送する基板処理システムにおいて、
前記基板処理装置が対向配置され、
この対向配置された各基板処理装置に対して、基板を保持する基板保持ステージの基板保持面が軸支部を回動中心として所定角度姿勢と垂直または傾斜姿勢の何れかになるように前記基板保持ステージを回動自在な各旋回手段が、前記基板保持ステージが前記所定角度姿勢となる基板セッティングエリアを共用するように配置され、
前記処理前基板搬送経路上の基板を前記所定角度姿勢の基板保持ステージの基板保持面上に移送すると共に、前記基板処理装置で基板処理された処理済み基板を前記所定角度姿勢の基板保持ステージから前記処理済み基板搬送経路上に移送する基板移載手段が配置されたものである。
【0014】
また、本請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の基板処理システムであって、前記処理前基板搬送経路から移載され、前記対向配置された各基板処理装置のうち一方に供給される基板のみ180度方向転換させる第1基板回動手段を更に備え、
前記基板移載手段は、この第1基板回動手段を介して前記処理前基板搬送経路上の基板を前記所定角度姿勢の基板保持ステージの基板保持面上に基板を移送すると共に、前記基板処理装置で基板処理された処理済み基板を前記所定角度姿勢の基板保持ステージから前記処理済み基板搬送経路上に移送するものである。
【0015】
また、本請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の基板処理システムであって、前記処理済み基板搬送経路上に移送される基板であって、前記第1基板回動手段によって180度方向転換された基板のみを、さらに180度方向転換させて元に戻す第2基板回動手段を更に備え、
前記基板移載手段は、前記第1基板回動手段から前記所定角度姿勢の基板保持ステージの基板保持面上に処理前基板を移送すると共に、前記基板処理装置で基板処理された処理済み基板を前記所定角度姿勢の基板保持ステージから前記第2基板回動手段を介して前記処理済み基板搬送経路上に移送するものである。
【0016】
また、本請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の基板処理システムであって、前記対向配置された各基板処理装置のいずれかから前記所定姿勢の基板を受け入れて保持する第1の受入手段と、
該第1の受入手段から基板を受け入れて保持する第2の受入手段と、
前記第2の受入手段に保持される基板のうち、前記対向配置された各基板処理装置のうち一方の基板保持ステージから移載される基板のみを、前記第2の受入手段を回動させることにより180度方向転換させる基板回動手段を更に備え、
前記第1及び第2の受入手段は、前記基板移載手段として、前記処理前基板搬送経路から前記所定角度姿勢の基板保持ステージの基板保持面上に基板を移送すると共に、前記基板処理装置で基板処理された処理済み基板を前記所定角度姿勢の基板保持ステージから前記基板回動手段を介して前記処理済み基板搬送経路上に移送するものである。
【0017】
れらの構成により、各基板処理装置が対向配置され、この対向配置された各基板処理装置に対してそれぞれ各旋回手段がそれぞれ、基板保持ステージが所定角度姿勢となる基板セッティングエリアを共用するようにそれぞれ配置されるので、設置スペースの共用化で省スペースとすることができると共に、システム全長の短縮化も可能でフットプリントの悪化や、システム全長によるレイアウト上の制約をも解消することが可能となる。
【0018】
また、本請求項5に記載の発明は、処理前基板搬送経路を所定搬送角度姿勢で搬送されてきた処理前基板を基板処理装置の基板処理位置上に移送して垂直または傾斜姿勢で基板処理すると共に、この基板処理装置で基板処理された処理済み基板を前記基板処理装置の基板処理位置から処理済み基板搬送経路に移送する基板処理システムにおいて、
前記基板処理装置が所定角度をなすように隣設され、
この隣設された各基板処理装置に対して、基板を保持する基板保持ステージの基板保持面が軸支部を回動中心として所定角度姿勢と垂直または傾斜姿勢の何れかになるように前記基板保持ステージを回動自在な各旋回手段が、前記基板保持ステージが前記所定角度姿勢となる基板セッティングエリアを共用するように隣設され、
前記処理前基板搬送経路上の基板を前記所定角度姿勢の基板保持ステージの基板保持面上に移送すると共に、前記基板処理装置で基板処理された処理済み基板を前記所定角度姿勢の基板保持ステージから前記処理済み基板搬送経路上に移送する基板移載手段が配置されたものである。
【0019】
また、本請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の基板処理システムであって、前記各基板処理装置がなす所定角度を鈍角又は直角としたものである。
【0020】
また、本請求項7に記載の発明は、請求項5又は請求項6に記載の基板処理システムであって、所定姿勢で搬送された基板を受け入れて保持する第3の受入手段と、
該第3の受入手段を回動させることにより該第3の受入手段により保持した基板を当該基板面内において回動可能な基板回動手段と、
該第3の受入手段から基板を受け入れて保持する第4の受入手段とを更に備え、
前記各旋回手段のうち一方の旋回手段は、前記第4の受入手段から基板を受け取り、前記各基板処理装置のうちの一方の基板処理装置に対して、当該受け取った基板が垂直または傾斜姿勢の何れかになるように前記基板保持ステージを回動させ、前記各旋回手段のうち他方の旋回手段は、前記第4の受入手段から基板を受け取り、前記各基板処理装置のうちの他方の基板処理装置に対して、当該受け取った基板が垂直または傾斜姿勢の何れかになるように前記基板保持ステージを回動させるものであり、
前記基板回動手段は、前記第3の受入手段により保持した基板の搬送先が、前記一方又は他方の旋回手段のいずれであるかに応じて、当該基板の搬送先である旋回手段の配置に応じた回動角度だけ、当該基板を回動させる請求項5又は請求項6に記載の基板処理システムものである。
【0021】
また、本請求項8に記載の発明は、請求項5又は請求項6に記載の基板処理システムであって、前記処理前基板搬送経路から移載され、前記隣設配置された各基板処理装置にそれぞれ供給される基板方向が同一となるように回動させる基板回動手段を更に備え、
前記基板移載手段は、この基板回動手段を介して前記処理前基板搬送経路上の基板を前記所定角度姿勢の基板保持ステージの基板保持面上に移送すると共に、前記基板処理装置で基板処理された処理済み基板を前記所定角度姿勢の基板保持ステージから前記処理済み基板搬送経路上に移送するものである。
【0022】
また、本請求項9に記載の発明は、請求項5又は請求項6に基板処理システムであって、前記処理前基板搬送経路から移載され、前記隣設配置された各基板処理装置にそれぞれ 供給される基板方向が同一となるように回動させる第1基板回動手段と、
前記隣設された各基板処理装置の前記基板保持ステージから移載される基板の方向が同一となるように回動させる第2基板回動手段とを更に備え、
前記基板移載手段は、前記第1基板回動手段を介して前記所定角度姿勢の基板保持ステージの基板保持面上に前記処理前基板搬送経路上の処理前基板を移送すると共に、前記基板処理装置で基板処理された処理済み基板を前記所定角度姿勢の基板保持ステージから前記第2基板回動手段を介して前記処理済み基板搬送経路上に移送するものである。
【0023】
また、本請求項10に記載の発明は、請求項5又は請求項6に記載の基板処理システムであって、前記隣接された各基板処理装置のいずれかから前記所定姿勢の基板を受け入れて保持する第1の受入手段と、
該第1の受入手段から基板を受け入れて保持する第2の受入手段と、
前記第2の受入手段により保持した基板の搬送元が、前記隣接された各基板処理装置のいずれであるかに応じて、当該基板の搬送元である基板処理装置の位置関係に応じた回動角度だけ、前記第2の受入手段を回動させることで、前記第2の受入手段によって保持された基板を回動させる基板回動手段とを更に備え、
前記第1及び第2の受入手段は、前記基板移載手段として、前記処理前基板搬送経路上の基板を前記所定角度姿勢の基板保持ステージの基板保持面上に移送すると共に、前記基板処理装置で基板処理された処理済み基板を前記所定角度姿勢の基板保持ステージから前記基板回動手段を介して前記処理済み基板搬送経路上に移送するものである。
【0024】
れらの構成により、各基板処理装置が所定角度をなすように隣設され、この隣接配置された各基板処理装置に対してそれぞれ各旋回手段がそれぞれ、基板保持ステージが所定角度姿勢となる基板セッティングエリアを共用するようにそれぞれ配置されるので、設置スペースの共用化で省スペースとすることができると共に、基板処理装置を所定角度をなすように隣接配置した分だけ、システム全長の短縮化が可能でフットプリントの悪化や、システム全長によるレイアウト上の制約をも解消することが可能となる。
【0025】
また、各基板処理装置が所定角度をなすように隣設させてクラスター的配置となっているので、搬送経路を介さずに片側だけから各基板処理装置に対するメンテナンスをそれぞれ容易に素早く行うことが可能となる。
【0026】
また、本請求項11に記載の発明は、請求項3、請求項4、請求項9又は請求項10のいずれかに記載の基板処理システムであって、前記処理済み基板搬送路上に移送された基板に対して後処理を施す後処理手段を更に備えたものである。
【0027】
また、本請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の基板処理システムであって、前記後処理手段は、前記処理済み基板搬送路上に移送された基板に対して基板端縁処理を行う基板端縁処理手段であるものである。
【0028】
また、本請求項13に記載の発明は、請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の基板処理システムであって、前記基板移載手段は、前記基板保持ステージの基板保持面に対して出退自在な複数のリフトピンが設けられたリフトピンユニットと、これらの複数のリフトピン上と処理前基板搬送経路上または処理済み基板搬送経路上との間で基板を移送する基板移送手段とを有するものである。
【0029】
この構成により、各基板処理装置が対向配置された場合や、各基板処理装置が鈍角または直角に隣設した場合において、基板保持ステージの基板セッティングエリアが共用であるので、基板処理ステージに貼りついた基板を容易に剥がすことができる共用の一つのリフトピンユニットで済み、部品点数が少なくなって故障の確率も低下すると共に低コストとなる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る基板処理システムの実施形態について図面を参照して説明するが、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではない。
【0031】
A.実施形態1
図1は本発明の実施形態1の基板処理システムの概略要部構成を示す一部断面図であり、図2は図1の基板処理システムの概略要部構成を模式的に示す平面図である。
【0032】
A-1.本実施形態の概要
基板処理システム1では、図1に示すように、2つの塗布装置2a,2bが所定間隔だけ離隔して対向配置されるとともに、それぞれに対応して姿勢変換手段としての旋回手段4a,4bが設けられている。この旋回手段4aには、塗布装置2aの基板保持ステージ3aが設けられるとともに、ステージ移動手段5aによって水平移動(スライド)可能で塗布装置2aに対して接離自在となっている。このため、基板保持ステージ3aによって処理前の基板7を略水平に保持した状態で旋回手段4aがセッティング位置10aから塗布装置2a側に回動し、さらにステージ移動手段5aによって塗布装置2a側に水平移動(スライド)されると、当該基板7が塗布装置2aの塗布基準位置に位置するようになっている。逆に、塗布装置2aによって塗布処理が完了すると、処理済み基板7を保持した状態のまま、ステージ移動手段5aによって旋回手段4aが塗布装置2aから後退され、さらに反塗布装置2a側に回動すると、セッティング位置10aに戻り、処理済み基板7を略水平状態で搬送可能となる。
【0033】
一方、塗布装置2aと正対する塗布装置2bに設けられた旋回手段4bも、上記旋回手段4aと同一構成を有しており、セッティング位置10bで基板保持ステージ3bによって処理前の基板7を略水平に保持した後、旋回手段4bを塗布装置2b側に回動し、さらにステージ移動手段5bによって塗布装置2b側に水平移動(スライド)すると、当該基板7を塗布装置2bの塗布基準位置に位置させることができるようになっている。逆に、塗布装置2bによる塗布処理完了後、ステージ移動手段5bによって旋回手段4bを塗布装置2bから後退し、さらに反塗布装置2b側に回動すると、セッティング位置10bに戻り、処理済み基板7を略水平状態で搬送可能となる。
【0034】
このように、この実施形態1では、塗布装置2aに対する旋回手段4aの水平な基板保持ステージ3a上への基板7のセッティング位置10aと、塗布装置2bに対する旋回手段4bの水平な基板保持ステージ3b上への基板7のセッティング位置10bとは位置的に同一で、基板セッティングエリアとして共用されている。
【0035】
また、このように設けられたセッティング位置10a,10bからは、図2に示すように、塗布装置2a,2bの配置方向と直交する方向(同図における縦方向)に処理前の基板を搬送するための処理前基板搬送経路6と、処理済みの基板を他の基板処理装置に搬送するための処理済み基板搬送経路9とが一直線状につながって伸びている。そして、処理前基板搬送経路6側には、受入手段としての処理前基板移載手段8aが配置され、前工程から処理前基板搬送経路6の先端位置、つまり取込位置6aに搬送されてきた処理前の基板7をセッティング位置10a,10bに搬送可能となっている。また、処理済み基板搬送経路9には、受入手段としての処理済み基板移載手段8bが配置され、処理済み基板搬送経路9の終端部、つまり受渡位置9aに向けて、塗布装置2a,2bによる塗布処理を受けた処理済み基板7を搬送可能となっている。
【0036】
さらに、この実施形態では、塗布処理に加え、処理済み基板7を他の基板処理システムに搬送するのに先立って塗布処理の際に下側に位置する基板7の下端縁部をエッジリンス処理(EBR処理)するために、後処理手段としての基板端縁処理手段であるエッジリンス処理装置190が受渡位置9aの近傍に配置されている。
【0037】
以上のように構成された基板処理システムでは、処理前基板搬送経路6の取込位置6aに処理前基板7が搬送されてくると、当該基板7を処理前基板移載手段8aがセッティング位置10a(10b)に位置する旋回手段4a(4b)の基板保持ステージ3a(3b)に渡し、当該塗布装置2a(2b)による塗布処理を行う。また、塗布装置2a(2b)での塗布処理が完了すると、処理済み基板7を旋回手段4a(4b)によってセッティング位置10a(10b)に戻し、さらにエッジリンス処理した後で、次の基板処理システムに向けて搬出される。なお、この実施形態1では、後の動作説明において詳述するが、取込位置6aに搬送されてくる基板7を塗布装置2a,2bで交互に処理する。
【0038】
A-2.システム各部の詳細構成
次に、この実施形態1にかかる基板処理システムを構成する各部の詳細について図面を参照しながら説明する。
【0039】
A-2-1.塗布装置2a,2b
塗布装置2a,2bはともに同一構成を有している。すなわち、図1に示すように、塗布装置2a,2bはそれぞれ、塗布液を供給可能なノズル手段11を載置した各ノズルユニット12と、基板保持ステージ3a,3b上にそれぞれセッティングされた垂直姿勢の各基板7とをそれらの被塗布面にそれぞれ沿って相対移動させつつ、ノズル手段11内部の大気開放された塗布液槽(図示せず)から流路の毛管現象で汲み上げられた塗布液を各ノズル手段11からそれぞれ供給して各基板7の被塗布面にそれぞれ塗布するようになっている。なお、図1ではノズルユニット12は塗布終了位置を実線で示しており、それよりも上方に塗布開始位置を、下方に退避位置を仮想線(2点鎖線)でそれぞれ示している。
【0040】
また、この塗布装置2aには、図3に示すように、その裏面側を覆っている架台ベース板37が設けられ、この架台ベース板37の略中央部分に開口部38が設けられている。そして、ステージ移動手段5aによって、基板保持ステージ3aの基板保持面が垂直姿勢の状態で、この基板保持ステージ3aを旋回手段4aと共に塗布装置2a側に水平移動させて、その開口部38の裏側から基板保持ステージ3aの基板保持面を覗かせると共に、その開口部38の周囲縁の基準面に対して後述するステージ取付部材14aの表側の外周縁部をE部のように当接させることで、基板保持ステージ3aの基板保持面上の基板7の被塗布面が塗布基準面に設定されるようになっている。このとき、ステージ取付部材14aは、高精度かつ高剛性の架台ベース板37に倣うので、基板保持ステージ3aの位置や平面性を良好に定め保つことができる。
【0041】
また、この少なくとも上下のE部にはそれぞれ、図4に示すように、ステージ取付部材14aの裏側からクランプして押圧することで、ステージ取付部材14aの表側の外周縁部と開口部38の周囲縁部とを当接させるステージ固定手段39がそれぞれ配設されている。このステージ固定手段39は、一定圧力で押圧可能でその押圧力を可変可能なクランプ部材40と、このクランプ部材40をクランプ位置とクランプ解除位置とに移動させるトグルクランプ機構41と、このトグルクランプ機構41を駆動させる駆動手段としてのエアーシリンダ42とを有している。このエアーシリンダ42のロッド43を伸縮させることで、実線で示すクランプ位置と、仮想線(2点鎖線)で示すクランプ解除位置とにクランプ部材40を移動させるようになっている。このエアーシリンダ42の代りにボールねじおよびトルクモータによる駆動機構(図示せず)でもよい。また、このクランプ部材40は、ステージ取付部材14aをその裏側から押圧するゴムなどの弾性部材44と、図示していないが、この弾性部材44を押圧側に付勢する圧縮ばねなどの付勢手段と、これらの弾性部材44および付勢手段(図示せず)の位置を出退させて押圧力を調整自在なねじ部材45とを有している。塗布装置2aの開口部38の裏側から基板保持ステージ3aの基板保持面上に載置された基板7を覗かせた状態(表側から基板7の被塗布面に塗布可能な状態)で、その開口部38の周囲縁の基準面に対してステージ取付部材14aの外周縁側を止めて、基板保持ステージ3aを後述する旋回軸17aおよびスライド機構からフローティングさせて、基板保持ステージ3aと共に基板7をノズル手段11と平行な塗布基準位置に位置させ得るようになり、塗布面の再現性が保証され得るようになっている。また、この場合、塗布時に振動が発生しないようにある程度強固にクランプするようになっている。さらに、この当接面部分のパーティクル対策として当接面部分の近傍位置に排気装置(図示せず)を設けるようにすることもできる。
【0042】
また、この実施形態1では、図3に示すように、この開口部38をステージ取付部材14aで覆い、基板保持ステージ3aの基板保持面側の表側の塗布処理空間を覆って内部を密閉可能で内部が見える透明な材質の外郭部材46(図1)が配設されている。図1に戻って説明を続ける。この外郭部材46には、その内部に、均一気流を発生させて内部を陽圧化させる乾燥促進機構47a,47bがそれぞれ配設されている。この乾燥促進機構47aは装置上方に配設されており、上から下の方向Dに均一気流(垂直層流)を発生させるファンとフィルタ(図示せず)などよりなるクリーン度維持用のダウンフロー発生装置(エアー吸引式垂直層流HEPA)である。また、乾燥促進機構47bは、開口部38にセッティングされた基板保持ステージ3aの基板保持面に対向して配設されており、その基板保持面上の基板7の被塗布面に対して垂直な方向の均一気流(水平層流)を発生させるファンとフィルタ(図示せず)などよりなる乾燥用の横方向気流発生装置(エアー吸引式水平層流HEPA)である。また、図示しない切換制御手段によって、塗布時には乾燥促進機構47aに切り換えて、パーティクル排除およびより均一な膜厚にするべくダウンフローの均一気流を発生させ、乾燥時に、乾燥促進機構47aから乾燥促進機構47bに切り換えて、塗布した塗布液の乾燥をより早く均一化するために基板7の塗布面に対して垂直な方向の気流を発生させるようになっている。
【0043】
この乾燥促進機構47aによる垂直層流は塗布装置2a,2bの下部から抜け出るようになっており、また、乾燥促進機構47bによる水平層流は、塗布装置2a,2bの下部に配設されたエアー排気装置によって排気されるようになっている。
【0044】
また、これらの乾燥促進機構47a(ダウンフロー発生装置)および乾燥促進機構47b(横方向気流発生装置)はそれぞれ、カバーである外郭部材46の窓部分にヒンジなどで開閉自在に取り付けられており、ノズル手段11などのメンテナンススペースを確保している。
【0045】
また、本実施形態1のように塗布装置を複数配置した場合、基板搬送動作などによる風圧や、設置ルームの扉開閉による気圧変化などの悪影響を排除するため、塗布エリアが外郭部材46で覆われた塗布エリアの開口部38を基板保持ステージ3aまたは基板保持ステージ3bで塞いで塗布エリアの内部を密閉する構造となっている。
【0046】
さらに、これらの乾燥促進機構47a,47bにはそれぞれ温度制御機能が設けられており、所定の設定温度になるように内部ヒータなどで層流の温度を制御するようになっている。
【0047】
A-2-2.旋回手段4a,4b
旋回手段4a,4bはともに同一構成を有している。このため、ここでは、一方の旋回手段4aについて詳述し、他方については同一あるいは相当符号を付して説明を省略する。
【0048】
図5は、旋回手段4aの概略要部構成を模式的に示す斜視図である。この旋回手段4aは、同図に示すように、基板保持ステージ3aを備えている。この基板保持ステージ3aでは、基板7のサイズ毎の外周縁部(非有効部分)に対応した適所に、真空吸引可能な吸着部材としての複数のバキュームパッド(図示せず)が細長い凹部(図示せず)内にそれぞれ配設されている。そして、各バキュームパッド内に、その内部を減圧可能な減圧用チューブ(図示せず)の先端部が開口しており、基板7へのバキュームパッドによる真空吸着で基板7を保持するようになっている。また、吸着部材としてのバキュームパッドが基板7の中央部を保持しないのは、基板7の中央部は重要な回路などが配置される部分であり、バキュームパッドによる真空吸引と解除によって温度が下がったり上がったりすることで塗布むらとなるのを防止するためである。したがって、バキュームパッドの形状も基板7の外周縁部だけを真空吸引するべく、それらの細長い凹部と同様の細長いバキュームパッドの形状となっている。
【0049】
また、旋回手段4aは、上記のように構成された基板保持ステージ3aが固定されている板状のバックアッププレートであるステージ取付部材14aと、このステージ取付部材14aが固定されている2枚のアーム部材15aと、これらのアーム部材15aの間に配設されてアーム部材15aの一方端部に設けられた軸支部16aの旋回軸17aおよび軸受部18aからなる旋回部材とをさらに備えている。そして、この軸支部16aを回動中心に基板保持ステージ3aおよびステージ取付部材14aと共に、アーム部材15aをベース部材19a上に載置した状態で、基板保持ステージ3aの基板保持面が所定角度姿勢(本実施形態では水平姿勢)と垂直または傾斜姿勢(本実施形態では垂直姿勢)の何れかになるように回動自在に構成されている。また、このベース部材19aには軸受部18aが載置されて固定されている。
【0050】
また、旋回手段4aには旋回駆動手段20aが設けられている。この旋回駆動手段20aは、図5に示すように、旋回軸17aの一方端が出力部分に連結されたウォーム減速機21aと、このウォーム減速機21aのウォーム入力軸22aが連結手段としてのカップリング23aを介して連結されたサーボモータ24aとを有し、サーボモータ24aの回転駆動がウォーム減速機21aを介した減速度で、基板保持ステージ3aの基板保持面がステージ取付部材14aおよびアーム部材15aと共に旋回軸17aの軸心を回動中心として塗布装置2a側に水平姿勢から垂直姿勢に、または、塗布装置2a側の垂直姿勢から水平姿勢になるように回動するようになっている。また、メンテナンス時などに、このカップリング23aを外してサーボモータ24aとウォーム入力軸22aとの連結を解除すると、手動ハンドル25を用いてウォーム入力軸22aを手動で回転させることで旋回手段4aを回動駆動させて基板保持ステージ3aを所望の角度姿勢にすることができるようになっている。
【0051】
また、この旋回駆動手段20aの他に、旋回手段4aをバランスさせるバランス手段26aが設けられている。このバランス手段26aは、実際にはバランスの関係上両側に配設されているが、図5では説明を簡略化させるために、一方側のバランス手段26aしか図示していない。同図に示すように、バランス手段26aは、2枚のアーム部材15aの両外側に設けられ、旋回軸17aにそれぞれ外嵌された各2個のプーリ27と、これらのプーリ27にそれぞれ巻回された連結部材としてのワイヤ28がロール29,29さらにリニアガイド30を介して可動軸31と連結されたカウンタシリンダ32とを有した構成である。
【0052】
バランス手段26aを制御する制御手段48としては、例えば図6に示す構成を採用することができる。図6は、図1の旋回手段における回動制御の一例を模式的に示す制御構成図である。この制御手段48は、同図に示すように、旋回手段4aの旋回軸17aの回転角度を検出する角度検出手段としてのエンコーダ48aと、このエンコーダ48aに接続され、エンコーダ48aからの角度信号に基づいてエアー源48cのエアー圧力を制御してカウンタシリンダ32にエアー供給する電空レギュレータ48bとを有している。そして、かかる制御は、エンコーダ48aが検出する基板保持ステージ3aの傾斜角度に応じて、その姿勢の基板保持ステージ3a等の重量により旋回軸17aに生じる回転モーメントとバランスするだけの逆方向の回転モーメントを、カウンタシリンダ32が旋回軸17aに与えるように、電空レギュレータ48bにより行なわれる。
【0053】
かかる構成によっても、基板保持ステージ3aを旋回させるための駆動力が小さくてすみ、旋回駆動手段20aを小型化できる等の効果が得られる。
【0054】
さらに、例えば旋回手段4aにおける基板保持ステージ3aの基板保持面が基板搬送姿勢の水平状態から起き上がる場合や、その基板保持面が基板搬送姿勢の水平状態になる場合に、そのときの風圧によって下部のパーティクル巻き上げが発生し得るが、そのような風圧を発生させない程度に、水平状態からの起き上がりや、水平状態に降りて行くときの回動速度を低速度に回動制御(ソフトライニングおよびソフトスターティング)するようにサーボモータ24aなどを制御するようになっている。
【0055】
A-2-3.ステージ移動手段5a,5b
スライド機構であるステージ移動手段5a,5bはそれぞれ、図に示すように、ベース部材19aの裏(下)側両端縁部にそれぞれ、中央部に溝が形成されたリニアガイド部材35と、このリニアガイド部材35の溝内にスライド自在に嵌合して案内するレール部材36と、図示していないがベース部材19aに連結されベース部材19aをレール部材36に沿って移動させるピニオンおよびラック(またはボールねじ機構)と接離モータなどよりなる駆動手段とを有している。そして、この駆動手段の駆動によってベース部材19aは旋回手段4aと共にリニアガイド部材35およびレール部材36で案内されて塗布装置2a側に接近または、塗布装置2a側から離間させるようにスライド自在に構成されている。
【0056】
A-2-4.リフトピンユニット33
実施形態1においては、上記したように塗布装置2a,2bの間には位置的に同一のセッティング位置10a,10bがあり、これらのセッティング位置10a,10bに対応して、共用のリフトピンユニット33が配設されている。このリフトピンユニット33は、水平位置にある基板保持ステージ3aの基板保持面に対して図示しない駆動源により昇降して出退自在な複数のリフトピン34が設けられ、基板保持ステージ3aを基板面よりもほぼ同等か大きく構成し、基板保持ステージ3aおよびステージ取付部材14aにリフトピン34用の穴34aを明けておく図に示すような構成かまたは、基板保持ステージ3aを基板面よりも小さく構成し、基板保持ステージ3aの外側であって基板7の外周部を下方から支持可能なリフトピン用の穴をステージ取付部材14aだけに明けておくようにできる。かかる構成であれば、旋回手段4aが塗布装置2a側とは反対側に回動してその基板保持面が水平姿勢の状態でそのリフトピンユニット33上に重なるように配置されたときに、複数のリフトピン34の上下動で基板保持ステージ3a上に基板7を載置できると共に、基板保持ステージ3a上から基板7を剥離させることができる。
【0057】
A-2-5.基板移載手段8
次に、処理前基板移載手段8aおよび処理済み基板移載手段8bよりなる基板移載手段8について説明する。この基板移載手段8は、図2に示すように、セッティング位置10a(10b)のリフトピン34上と処理前基板搬送経路6上または処理済み基板搬送経路9上との間で基板7を移送して載置するようになっている。すなわち、処理前基板移載手段8aは、旋回手段4a,4bによる回動動作で基板保持ステージ3a,3bの基板保持面が基板搬送姿勢の水平状態で、処理前基板搬送経路6上の基板7を基板保持ステージ3a,3bの基板保持面から突出しているリフトピン34上に載置するように移送する構成となっている。また、処理済み基板移載手段8bは、旋回手段4a,4bによる回動動作で基板保持ステージ3a,3bの基板保持面が基板搬送姿勢の水平状態で、基板保持ステージ3a,3bの基板保持面から突出しているリフトピン34上の基板7を処理済み基板搬送経路9上に載置するように移送する構成となっている。以下、図7を参照しながら、基板移載手段8の構成についてさらに詳述する。
【0058】
図7は基板移載手段の概略要部構成を模式的に示す一部斜視図である。基板移載手段8は、同図に示すように、基板7の片側を載置して所定位置に吸着保持可能な基板セッティング部材50と、この基板セッティング部材50を水平方向に移動可能な水平移動部材51と、これらの基板セッティング部材50および水平移動部材51を上下移動可能な垂直移動部材52とを有する基板移載部材53とで構成されており、これらの要素が一対設けられ、互いに対向して配設されている。
【0059】
基板移載手段8aについて説明すると、処理前基板搬送経路6の取込位置6aで垂直移動部材52による基板セッティング部材50の上移動で基板7を取り込んで、一対の基板セッティング部材50上に基板7を載置して所定位置に吸着保持した状態で、基板保持ステージ3a,3bが位置するセッティング位置10aのセンターポジションP1と、基板待機位置6xのセンターポジションP2と、塗布装置2a,2bの対向方向とは直交する一方向に延びている終端の処理前基板搬送経路6における取込位置6aのセンターポジションP3との間を水平移動部材51で移動させて、垂直移動部材52による基板セッティング部材50の下移動で基板保持ステージ3a,3bの基板保持面から突出しているリフトピン34上に基板7を受け渡すようになっている。
【0060】
この基板セッティング部材50は断面逆L字状に構成されており、その平面部材54の長手方向両端部にそれぞれ、その一方側面に沿った長手方向と、その長手方向に対して直角な方向とに回動自在な各回動載置部材55がそれぞれ配設されている。これらの各回動載置部材55と平面部材54によってコ字状に囲まれる上面部分には、真空吸引可能な吸着部材としての複数のバキュームパッド56がそれぞれ細長い凹部(図示せず)内にそれぞれ配設されている。このバキュームパッド56内には、図示していないが、その内部を減圧可能な減圧用チューブの先端部が開口しており、基板7の裏面側外周縁部へのバキュームパッド56による真空吸着で基板7を吸着保持するようになっている。これらの各回動載置部材55の回動駆動は、ロータリーソレノイドやロータリーシリンダさらにはステッピングモータなどの駆動手段57によって行われるようになっており、駆動手段57による平面部材54に対する各回動載置部材55の直角方向位置で基板7の搬送方向に直角な方向の弛みを抑制するようになっている。
【0061】
また、水平移動部材51は、垂直方向に立設されたベース板58と、このベース板58の上端部に沿って水平方向(長手方向)に配設された上側レール59と、ベース板58の下端部に沿って水平方向(長手方向)に配設された下側レール60と、この上側レール59が嵌合可能で上側レール59に沿ってスライド自在であると共に、基板セッティング部材50の平面部材54の長手方向両端にそれぞれ固定されている2個の上側案内部材61と、下側レール60が嵌合可能で下側レール60に沿ってスライド自在な2個の下側案内部材62とを有している。これらの2個の下側案内部材62に対して、ベース板58が上側レール59および下側レール60と共にその長手方向に沿ってスライド自在に構成され、かつ、上側レール59に対して上側案内部材61が平面部材54および各各回動載置部材55と共にその長手方向に沿ってスライド自在に構成されている。これによって、基板セッティング部材50の移動ストローク量は、上側レール59に対する2個の上側案内部材61およびベース板58の移動ストロークと、2個の下側案内部材62に対する下側レール60およびベース板58の移動ストロークとの合計ストローク量となっている。
【0062】
さらに、垂直移動部材52は、2個の下側案内部材62が水平方向両端上部に固定され、垂直方向に立設されたベース板63と、このベース板63の水平方向両端側の上下方向にそれぞれ沿って配設され、ベース板63を水平移動部材51およびセッティング部材50と共に上下方向に移動させるためのラックおよびピニオンよりなる各上下駆動機構64と、これらの各上下駆動機構64をそれぞれ駆動させるサーボモータやステッピングモータなどの駆動手段65と、このベース板63の裏面側が嵌合されて上下方向に案内する2本のレール66と、これらの2本のレール66が長手方向にそれぞれ固定された2個の主柱部材67とを有している。
【0063】
A-2-6.基板回動手段160
この実施形態1にかかる基板処理システム1では、処理前基板搬送経路6の取込位置6aと、処理済み基板搬送経路9の受渡位置9aとに、他の基板処理装置あるいはシステムとの間で基板7の受渡を行うとともに、適宜基板7を180゜回転させて基板7の向きを調整する基板回動手段160が配置されている。このように基板回動手段160を設ける理由は、本実施形態1では、塗布装置2a,2bが対向配置されているので、単純に基板7を搬送したのでは、塗布装置2a,2bに供給される基板7の方向が上下逆になり、多面取りやタイトル表示などで不都合が生じる可能性があるためである。なお、この基板回動手段160は、基板7を回転させるのみならず、基板7をセンタリングする機能も有している。
【0064】
図8は、図1の基板処理システム1で用いられている基板回動手段の一例を示す斜視図である。この基板回動手段160は、適所に複数配設されたピン先端部にそれぞれ設けられた真空吸着可能なテフロン製の吸着パッド161で基板7を裏面側から受けて保持する受入手段としての基板載置部材162と、ボールねじ163とモータ(図示せず)よりなり、この基板載置部材162を昇降させる昇降ユニット164と、これらの基板載置部材162および昇降ユニット164を載置して回動させる回動駆動アクチュエータ165と、この回動駆動アクチュエータ165を基板載置部材162および昇降ユニット164と共に水平移動させるXYテーブル駆動部材166と、基板載置部材162上の基板7の位置を検知し、その検知結果に基づいて回動駆動アクチュエータ165およびXYテーブル駆動部材166を駆動制御して基板7をセンタリングするセンタリング部材(図9)とを有している。
【0065】
図9は、図8の基板回動手段160で採用されているセンタリング部材を示す図である。このセンタリング部材は、同図に示すように、対角方向の2つの基板7のコーナ部分とそれぞれ対向して配設された各CCDカメラ170と、CCDカメラ170からの基板コーナ部分の画像に基づいて、その基板コーナ部分の画像の位置と基準位置との画像ずれを認識する映像認識手段171と、映像認識手段171からの画像ずれ情報に基づいて回動駆動アクチュエータ165およびXYテーブル駆動部材166を駆動制御して基板7をセンタリングするように制御する駆動制御手段172とを有している。
【0066】
A-2-7.エッジリンス処理装置190
「A-1.本実施形態の概要」で説明したように、この実施形態1では、エッジリンス処理装置190が受渡位置9aの近傍に配置されている。このエッジリンス処理装置190は、図2に示すように、基板7の端縁部分を収容かつ通過可能なエッジリンス溝191が設けられ、基板7の端縁部分に対してエッジリンス処理を行うエッジリンス部192と、このエッジリンス部192を基板7の端縁処理辺に沿って案内するレールよりなる案内部材193と、エッジリンス部192をレールにそって移動させるモータなどの移動手段(図示せず)と、このエッジリンス部192を案内部材193と共に、基板7の端縁部分に対して接近または離間させるボールねじおよびモータなどの接離手段(図示せず)とを有している。
【0067】
また、このエッジリンス部192のエッジリンス溝191内には、図示しないが、塗布膜などを溶かす処理液を基板7の塗布面側の端縁部分に噴出させるノズルと、その処理液で溶かされた塗布膜を処理液と共に吸引して取り除く吸引口とが配設されており、ノズルから基板7の塗布面側の端縁部分に所定の処理液が供給され吸引口から不要な塗布膜が取り除かれるようになっている。また、この場合、対向配設された2台の塗布装置2a,2bで1台のエッジリンス処理装置190を共用でき、システムとして小型化、低コスト化できるようになっている。
【0068】
A-3.実施形態1の動作
次に、上記のように構成された基板処理システム1の動作について図10〜図12を参照しながら説明する。なお、これらの図において、基板7に「A」なる符号を付しているが、これは基板7の上下左右関係を視覚的に明らかにし、発明の理解を助けるための便宜であり、基板7の塗布処理とは一切関係ない。また、この実施形態1(および後で説明する他の実施形態2〜4)では、最初、いずれの塗布装置2a,2bにも基板7は搬送されていないものとして説明する。
【0069】
(1) 未処理基板7の搬入および基板待機位置への移動
まず、図10(a)に示すように、前工程の装置から処理前基板搬送経路6の取
込位置6aに塗布処理前の基板7が水平搬送され、基板回動手段160(図8)に載置される。そして、搬送されてきたままの状態の基板7をセンタリングした後、当該基板7を基板移載手段8aが受取り、基板待機位置6xまで移動させる。具体的には、基板移載手段8aはその中心位置が取込位置6aのセンターポジションP3の位置となるように、各回動載置部材55と平面部材54が一列状態で移動した後に、処理前基板搬送経路6の取込位置6aにおいて、各駆動手段57によって各回動載置部材55を平面部材54に対して直角方向(図7に示す状態)となるように回動させる。このとき、処理前の基板7は取込位置6aの基板載置台(図示せず)上に外周縁部がはみ出すようにして載置されており、各回動載置部材55および平面部材54は、基板7の載置位置よりも下方に位置している。この状態で、垂直移動部材52による基板セッティング部材50の上移動をして基板7の外周縁部を下方から受けて載置し、複数のバキュームパッド56による真空吸着で基板7を吸着保持することで基板7を取り込む。このように、一対の基板セッティング部材50上に基板7を載置して所定位置に吸着保持した状態で、基板移載手段8aの基板セッティング部材50はその中心位置が基板待機位置6xのセンターポジションP2まで移動して待機している。
【0070】
また、旋回手段4aはその基板保持ステージ3aの基板保持面がセッティング位置10aで水平姿勢の状態で止まっている。このとき、基板保持ステージ3aの下方にはリフトピンユニット33が重なるように位置しており、その基板保持面上に複数のリフトピン34が突出した状態で基板7を受け得る状態になっている。また、この時、基板保持ステージ3bは塗布装置2b側に起き上がっている。
【0071】
(2) リフトピン34への基板7の移載
次に、基板移載手段8aの基板セッティング部材50はその中心位置が基板待機位置6xのセンターポジションP2から基板保持ステージ3aが位置するセッティング位置10aのセンターポジションP1まで水平移動部材51で基板7と共に移動する(図10(b))。このとき、基板移載手段8aの基板セッティング部材50は、各回動載置部材55と平面部材54のコ字状部分の開放部が対向した状態になっており、その対向した一対のコ字状部分上に基板7が載置されている。この状態で、各回動載置部材55と平面部材54の複数のバキュームパッド56による真空吸着を解除すると共に、垂直移動部材52によって基板セッティング部材50を下方向に移動させて、基板保持ステージ3aの基板保持面から突出しているリフトピン34上に基板7を載置して受け渡す。この場合、対向した一対のコ字状部分の開口エリア内にリフトピン34および基板保持ステージ3aの配設エリアが内在している。
【0072】
このようにして、処理前基板搬送経路6の取込位置6a上の塗布処理前の基板7を基板セッティング部材50上に載置して取り込んで、セッティング位置10aにおいて、旋回手段4aにおける水平姿勢の基板保持ステージ3aの基板保持面上に突出した複数のリフトピン34上に載置するように移送する。さらに、各基板移載部材53は、回動載置部材55を駆動手段57によって回動させて回動載置部材55の長手方向を基板セッティング部材50の長手方向と平行となるようにする。これは、基板移載部材53の移動時に回動載置部材55が基板保持ステージ3a等と干渉するのを防止するためである。かかる回動の後、基板移載部材53はセンターポジションP2に戻る。
【0073】
(3) 塗布装置2aでの塗布処理
続いて、このリフトピンユニット33は基板7が載置された複数のリフトピン34をゆっくりと下降させて基板保持ステージ3aの基板保持面上に基板7を載置すると共に、この基板保持面において、基板7のサイズに応じた基板外周縁部に対応した位置に沿って配設された複数のバキュームパッド(図示せず)による真空吸引処理を行って、基板7を水平姿勢のままで保持ステージ3aの所定位置にセッティングして保持状態とする。
【0074】
その後、旋回手段4aは、基板保持ステージ3a上に基板7を保持した状態で、基板7と共に基板保持ステージ3aおよびステージ取付部材14aを、2枚のアーム部材15aを介して、軸支部16aを回動中心として基板保持面が水平姿勢から垂直姿勢になるように、サーボモータ24aやカウンタシリンダ32などの駆動手段によって回転駆動させる。特に、水平姿勢から起き上がるときにゆっくりと回動し始めることで、その下部のパーティクルの巻き上げを防止する。
【0075】
このように、基板7を基板保持ステージ3a上に保持した垂直姿勢の状態で、ステージ移動手段5aは、その駆動手段(図示せず)の駆動によって、ベース部材19a上の旋回手段4aと共に基板7を、リニアガイド部材35およびレール部材36で案内されて塗布装置2a側の開口部38に接近させ、基板7および基板保持ステージ3aがその開口部38の裏側から覗くようになるまで水平移動させる。さらに、その開口部38の周囲縁部の基準面に対してステージ取付部材14aの表側の外周縁部を当接させることで、基板保持ステージ3aの基板保持面上の基板7の被塗布面が塗布基準面に設定される(同図(c))。
【0076】
さらに、ステージ固定手段39によって、ステージ取付部材14aの裏側からクランプして押圧することで、ステージ取付部材14aの表側と開口部38の周囲縁部とを当接させて、基板保持ステージ3aと共に基板7を塗布装置2aの開口部38に固定し、基板7が塗布基準位置で動かないようにする。
【0077】
さらに、このように、基板7が基板保持ステージ3aと共に開口部38の裏側から固定されるまでの一連の処理の間に、塗布装置2aは、その表側にあるノズル手段11を載置したノズルユニット12を待機位置(下方位置)から塗布開始位置(上方位置)まで移動させると共に、その塗布開始位置において、ノズル手段11を基板7の被塗布面側に接近させ、基板7の幅方向に細長く開口したノズル手段11のノズル口を基板7の被塗布面に近接させ、ノズル手段11内部の塗布液槽から流路の毛管現象により汲み上げられた塗布液によりノズル口と基板7との間に液だまりを形成する。
【0078】
その後、ノズル手段11のノズル口と各基板7とをその被塗布面に沿って相対移動させつつ、毛管現象でノズル手段11内部の塗布液槽(図示せず)から汲み上げられた塗布液を各ノズル手段11のノズル口からそれぞれ供給して各基板7の被塗布面にそれぞれ塗布する。
【0079】
このとき、塗布装置2aの内部は密閉状態であり、乾燥促進機構47aによってダウンフローの均一気流を発生させて内部を陽圧化させてパーティクルの排除と、塗布液のレベリングを行ないながらの乾燥によってより均一な膜厚になるようにしている。塗布終了後、例えば乾燥促進機構47aから乾燥促進機構47bに切り換えて、基板7の塗布面に対して垂直な方向の気流を発生させてその乾燥を均一にすると共に促進させる。
【0080】
なお、このように、基板保持ステージ3aが起き上がって塗布装置2aによる塗布処理が行われている間に、基板保持ステージ3bがセッティング位置10bに位置して次なる基板を塗布装置2bへセットする作業が為される。それと同時に、次の未処理基板7が前工程の装置から処理前基板搬送経路6の取込位置6aに水平搬送され、基板回動手段160(図8)に載置される。
【0081】
(4) 基板7の180゜回転および基板待機位置への移動
上記のようにして取込位置6aに搬送された次なる基板7については、塗布装置2bによって処理することとなるため、図11(a)に示すように、基板回動手
段160によって180゜回転される。すなわち、基板回動手段160の基板載置部材162を、昇降ユニット164を駆動することで上昇させて吸着パッド161上に基板7を保持すると共に、吸着パッド161で基板7を真空吸着する。その後、基板載置部材162上の基板7の位置を検知し、その検知結果に基づいて回動駆動アクチュエータ165およびXYテーブル駆動部材166を駆動制御して基板7をセンタリングし位置決めする。そして、基板7を180度方向転換させるように回動させる。さらに、その基板載置部材162を、昇降ユニット164を駆動することで下降させると共に、吸着パッド161の真空吸着を解除して基板移載手段8aに載置する。
【0082】
これに続いて、上記 (1) の工程と同様にして、基板7は基板待機位置6xに搬送され、待機される。
【0083】
(5) リフトピン34への基板7の載置
次に、上記 (2) の工程と同様にして、基板待機位置6xの基板7をリフトピン34の上に載置する(同図(b))。
【0084】
(6) 塗布装置2bでの塗布処理および処理済み基板7の搬出
そして、 (3) の工程と同様にして、塗布装置2bによる基板7への塗布処理を開始する(同図(c))。このとき、この実施形態1では、工程(4)で塗布装置2bによる処理を施すべき基板7については、取込位置6aで予め180゜回転させており、塗布装置2a,2bに供給されセッティングされる基板7の方向は常に同一になる。
【0085】
一方、塗布装置2bへの基板7のセッティング後に、塗布装置2aにおける乾燥処理が終了すると、 (3) の工程での動作とは逆に、ステージ固定手段39によるステージ取付部材14aと開口部38との固定を解除して、基板7を基板保持ステージ3a上に保持した垂直姿勢の状態で、ステージ移動手段5aは、その駆動手段の駆動によって、その開口部38の周囲縁部の基準面に対してステージ取付部材14aの表側の外周縁部が離間するように所定位置まで退進させる。
【0086】
その後、旋回手段4aは、基板保持ステージ3a上に基板7を保持した状態で、基板7と共に基板保持ステージ3aおよびステージ取付部材14aを、2枚のアーム部材15aを介して、軸支部16aを回動中心として基板保持面が垂直姿勢から水平姿勢になるように、サーボモータ24aやカウンタシリンダ32などの駆動手段によって回転駆動させる。特に、水平姿勢になる前にブレーキを徐々にきかせてゆっくりと水平姿勢で止めることで、その下部のパーティクルの巻き上げを防止する。なお、このときには基板保持ステージ3bはすでに基板のセットを終了して起立し、塗布装置2bによる塗布が開始されており、基板保持ステージ3aがセッティング位置10aへ回動下降しても問題はない。
【0087】
そして、水平姿勢の基板保持ステージ3aの基板保持面において、複数のバキュームパッドによる吸引を解除すると共に、リフトピンユニット33は基板7が載置された基板保持ステージ3aの基板保持面に対して複数のリフトピン34をゆっくりと上昇させて基板保持ステージ3aの基板保持面から、真空吸引解除後に張り付いた基板7を剥離させつつ上昇させる。
【0088】
その後、こんどは、基板移載手段8bは各回動載置部材55と平面部材54が一列の状態で、その中心位置が、基板保持ステージ3aの位置するセッティング位置10aのセンターポジションP1まで水平移動部材51によって移動した後に、セッティング位置10aにおいて、各駆動手段57によって各回動載置部材55を平面部材54に対して直角方向となるように回動させる。このとき、処理済みの基板7は複数のリフトピン34上に外周縁部がはみ出すようにして載置されており、各回動載置部材55および平面部材54は、基板7の載置位置よりも下方に位置している。この状態で、垂直移動部材52による基板セッティング部材50の上方向の移動をして基板7の外周縁部を下方から受けて載置し、複数のバキュームパッド56による真空吸着で基板7を吸着保持することで基板7を取り込む。
【0089】
このように、一対の基板セッティング部材50上に基板7を載置して所定位置に吸着保持した状態で、基板移載手段8bの基板セッティング部材50はその中心位置が基板待機位置のセンターポジションまで移動した後に、その中心位置が基板搬送経路9の受渡位置9aのセンターポジションまで水平移動部材51で基板7と共に移動する。このとき、基板移載手段8bの基板セッティング部材50は、各回動載置部材55と平面部材54のコ字状部分の開放部が対向した状態になっており、その対向した一対のコ字状部分上に基板7が載置されている。この状態で、各回動載置部材55と平面部材54の複数のバキュームパッド56による真空吸着を解除すると共に、垂直移動部材52によって一対の基板セッティング部材50を下方向に移動させて、基板搬送経路9の受渡位置9aにおける基板回動手段160上に基板7を載置して受け渡す。その後、基板移載手段8bの基板セッティング部材50はその中心位置が待機位置9xのセンターポジションまで水平移動部材51によって、各回動載置部材55と平面部材54が一列状態のままで移動させておく。
【0090】
このようにして、セッティング位置10aにおいて、基板移載手段8bは、旋回手段4aにおける水平姿勢の基板保持ステージ3aの基板保持面上に突出した複数のリフトピン34上の塗布処理済み基板7を基板セッティング部材50上に載置して取り込んで、基板搬送経路9の受渡位置9aにおける基板回動手段160上に載置するように移送する。
【0091】
このようにした受渡位置9aへの処理済み基板7の移送と並行して、 (1) の工程と同様にして次の未処理基板7が基板待機位置6xに搬送されて塗布装置2aでの塗布処理に備える。
【0092】
(7) 基板7のエッジリンス処理
受渡位置9aに搬送されてきた基板7については、接離手段(図示せず)で、エッジリンス処理装置190のエッジリンス部192を基板7の下端縁7a側、即ち、塗布装置2aの塗布位置で下側に位置していた辺側に接近させると共に、さらにエッジリンス部192のエッジリンス溝191内にその下端縁7aが収容されるまで接近させる。さらに、エッジリンス部192をレールにそって移動手段(図示せず)で移動させると共に、エッジリンス溝191内のノズル(図示せず)から基板7の塗布面側の端縁部分に所定の処理液を供給し、エッジリンス溝191内の吸引口(図示せず)から不要な塗布膜が取り除かれてエッジリンス処理が行われる。
【0093】
こうして、塗布処理およびエッジリンス処理を受けた基板7は、基板搬送経路9に沿って次の処理工程に搬送される。
【0094】
(8) 塗布装置2bからの処理済み基板7の搬出
そして、(2) の工程と同様にして基板待機位置6xの基板7をリフトピン34の上に載置した後、さらに(3) の工程と同様にして当該基板7を塗布装置2aにセットする。
【0095】
この塗布装置2aへの基板7のセッティング後に、塗布装置2bにおける乾燥処理が終了すると、(6) の工程と同様にして、塗布装置2bから処理済み基板7を
搬出し、基板搬送経路9の受渡位置9aにおける基板回動手段160上に載置するように移送する(図12(a))。
【0096】
なお、これと並行して、次の未処理基板7が前工程の装置から処理前基板搬送経路6の取込位置6aに水平搬送され、基板回動手段160(図8)に載置される。
【0097】
(9) 基板7のエッジリンス処理と、基板7の基板待機位置への移動
同図(b)に示すように、基板搬送経路9の受渡位置9aに設けられた基板回動
手段160に搬送されてきた処理済み基板7(同図中の下方側の基板)については、 (4) の工程と同様にして、基板回動手段160によって180゜回転される。これによって、この受渡位置9aでは、常に基板7の方向が同一、つまり基板7の下端縁、即ち、塗布装置2bの塗布位置で下側に位置していた辺側がエッジリンス部192側を向いている。
【0098】
そして、これに続いて、上記 (7) の工程と同様に、基板7の塗布面側の端縁部分に所定の処理液を供給し、エッジリンス溝191内の吸引口(図示せず)から不要な塗布膜が取り除かれてエッジリンス処理が行われる。
【0099】
こうして、塗布処理およびエッジリンス処理を受けた基板7は、基板搬送経路9に沿って次の処理工程に搬送される。
【0100】
また、このような動作と並行して、 (4) の工程と同様に、塗布装置2bで処理すべき基板7は、基板回動手段160によって180゜回転された後、基板待機位置6xに搬送され、待機される。
【0101】
本実施形態では、上記一連の処理ステップが繰り返されて基板7が順次処理(塗布処理+エッジリンス処理)を受ける。
【0102】
A-4.実施形態1による効果
以上のように、基板処理装置としての塗布装置2a,2bが対向して配置されるとともに、各々に対応して設けられた旋回手段4a,4bの基板保持ステージ3a,3bが所定角度姿勢となる基板セッティングエリアであるセッティング位置10a,10bを共用するように対称的にそれぞれ配置されるため、設置スペースを共用することができて省スペースとすことができると共に、システム全長の短縮化が可能でフットプリントの悪化や、システム全長によるレイアウト上の制約を解消することができる。また、基板処理装置である塗布装置2a,2bが複数台直列に隣接配置した場合に比べて、基板搬送における基板の持ち変え回数を少なくできて、その分、基板の搬送安定性を図ることができる。
【0103】
また、リフトピンユニット33の複数のリフトピン34で基板保持ステージ3a,3bにそれぞれ吸引解除後に貼り付いた基板7を容易に剥がすことができる。特に、本実施形態1のように対向して配設された塗布装置2a,2bの場合には、共用の一つのリフトピンユニット33で済み、部品点数が少なくなって故障の確率が低下すると共に低コストとすることができる。
【0104】
また、旋回手段4a,4bの各回動動作で基板保持ステージ3a,3bをそれぞれ所定の搬送角度姿勢の水平姿勢から塗布姿勢の垂直姿勢にし、この状態が基板処理装置としての塗布装置2a,2bの垂直方向における基板処理位置である塗布基準位置になっている。つまり、基板7の水平な搬送姿勢と垂直な塗布姿勢の姿勢変換を旋回手段4a,4bによるステージ旋回動作で行うため、基板7の基板保持ステージ3a,3b上への各セッティングを水平姿勢のままで行うことができる。また、従来のロボットハンドと垂直なステージ間での基板7の受渡しのような吸引タイミングおよび吸引解除タイミングの乱れなどによる基板7の落下の危険性もない。このため、動作速度(ハンドリング速度)を遅くする必要もないばかりかむしろ早くなり、より安定な基板移載を行うことができる。
【0105】
また、基板移載手段8a,8bの基板搬送機構を水平姿勢のみとすることができるため、多関節ロボット81の構成に比べてその搬送構造を大幅に簡易化することができると共に、その搬送部への負担を大幅に軽減することができて、搬送の安定性を向上することができる。また、従来の基板搬送用の多関節ロボット81はその動作やその制御系が複雑であり、基板移載手段8a,8bによる移載制御および旋回手段4a,4bの回動制御は、多関節ロボット81の搬送制御に比べてより単純であってトラブルもより少ない。
【0106】
また、旋回手段4a,4bの各回動動作で基板保持ステージ3a,3bをそれぞれ水平姿勢から垂直姿勢にして、基板処理装置の裏側から基板保持ステージ3a,3bを基板処理位置にセットし、その表面側で基板処理をそれぞれ行うため、基板処理エリアと搬送エリアとを効率よく分離することが可能となり、搬送エリア側の、動作による風圧に起因した浮遊パーティクルが基板処理エリア側の基板7の表面上に付着することを抑制することができる。また、基板処理エリアである塗布エリア側に基板搬送機構がなく、塗布処理が、基板保持ステージ3a,3bを挟んで搬送エリアの反対側で行われるため、ノズル手段11などのメンテナンス時などに人が搬送エリア側に入る必要がなくて塗布エリア側に入りやすくかつその塗布状態が見やすくメンテナンス性のよい基板処理システムを得ることができる。このように、塗布エリアと搬送エリアとが分離されるので、ステージ塗布面側には基板搬送関係の機構がなく、基板保持ステージ3a,3bの各基板保持面側の基板処理空間をそれぞれ覆って密閉する各外郭部材46や、風乾促進ユニットおよびその駆動機構を容易にそれぞれ配置することができて、風圧や気圧変化、パーティクルなどの周囲からの悪影響を防止することができて、より安定した基板処理としての塗布処理を行うことができる。
【0107】
つまり、基板保持ステージ3a,3bの各基板保持面側の処理空間をそれぞれ各外郭部材46でそれぞれ覆って密閉すれば、図30の多関節ロボット81によって基板搬送すると風圧が生じて塗布処理に悪影響が生じたが、このような風圧による塗布処理への塗布ムラなどの悪影響を防止すると共に、例えば設置ルーム(クリーンルーム)の扉の開閉などによる気圧変動で塗布処理に対して塗布膜厚変動など悪影響が生じたが、このような気圧変動による塗布処理への影響を防止することができる。したがって、例えば一方の塗布装置2aで塗布中に他方の塗布装置2bで基板7のセッティングを行っても風圧の干渉がなく塗布性能に悪影響がない。また、例えば設置ルーム(クリーンルーム)の扉の開閉による塗布性能への悪影響も排除されて塗布不良を発生させない。
【0108】
また、このような外郭部材46で塗布エリアを密閉することで、排気効率(特に下部からの)を向上でき、溶剤雰囲気漏れを防止することができる。また、密閉した外郭部材46内に均一気流を発生させる乾燥促進機構47a,47bで、外郭部材46内の基板処理部である塗布エリア内に層流を流すと共にその内部を陽圧化すれば、浮遊パーティクルの発生を防止すると共に、基板処理部へのパーティクルの侵入を防止することができて、塗布エリア内の清浄度を保証することができる。また、この乾燥促進機構47a,47bで基板処理および乾燥処理をより安定的に行うことができる。
【0109】
また、旋回手段4a,4bの各回動動作で基板保持ステージ3a,3bをそれぞれ所定の搬送角度姿勢である水平姿勢から垂直姿勢にし、この垂直姿勢に変換後に塗布装置2a,2bの各基板処理位置である塗布基準面までそれぞれ、ステージ移動手段5a,5bのサーボ系によるねじ送り機構などの駆動源がそれぞれ基板保持ステージ3a,3bをそれぞれパーティクル制御(ソフトスタートおよびソフトストップ)しつつ水平移動(スライド)させるため、浮遊パーティクルを発生させるようなことなく、塗布装置2a,2bの各基板処理位置にそれぞれ基板保持ステージ3a,3bをより正確にそれぞれ移動させ位置させることができる。
【0110】
また、垂直姿勢の基板7および基板保持ステージ3a,3bを基板処理装置(塗布装置2a,2b)の基板処理位置(塗布基準位置)である開口部38に位置決めした状態でステージ固定手段39でこれをガタなく固定するため、より安定した基板処理(塗布処理)を行うことができる。
【0111】
また、上記旋回手段4a,4bを用いた本発明の基板7の基板保持ステージ3a,3b上へのセッティングや、基板保持ステージ3a,3b上の基板7の基板処理位置へのスライド移動が、縦型の塗布装置2a,2bに効率よく適応させることができる。これらの塗布装置2a,2bには、その下部にノズル洗浄および待機位置があり、ステージ旋回動作(基板セット動作)とノズル手段11の塗布開始位置(上方位置)への移動タイミングをオーバーラップ可能であり処理タクトを短縮することができる。また、本実施形態とは逆に、例えばノズル待機位置が上方の場合には、ステージ旋回動作(基板セット動作)とノズル手段11の塗布後の待機位置(上方位置)への移動タイミングをオーバーラップ可能であり、やはりこの場合にも処理タクトを短縮することができる。
【0112】
また、以上のように、処理前基板搬送経路6の取込位置6aにおいて、対向配置された各塗布装置2a,2bのうち一方の塗布装置2bに供給される基板7のみ基板回動手段(第1基板回動手段)160で180度方向転換させた後に基板保持ステージ3bの基板保持面上に基板移載手段8aで移送するため、対向配置された各塗布装置2a,2bへの基板セッティング方向は同一方向となって、基板回動手段を設けない場合と比べて多面取りやタイトル表示などで生じる基板上下が逆になるという不都合を解消することができる。また、処理済み基板搬送経路9の受渡位置9aにおいて、受渡位置9a上に移送される180度方向転換した基板7のみ基板回動手段(第2基板回動手段)160でさらに180度方向転換させて元に戻すようにするため、各塗布装置2a,2bから処理済み基板搬送経路9を経て次工程に供給する基板方向が同一方向となって、次工程におけるエッジリンス処理または各種露光などの基板処理を容易なものとすることができる。
【0113】
さらに、この場合、次工程のエッジリンス処理などの基板処理工程を、受渡位置9aに設けることができて、設置スペースを共用することができると共に、システム全長の短縮化が可能でフットプリントの悪化や、システム全長によるレイアウト上の制約を解消することができる。
【0114】
A-5.本実施形態1における変形例
なお、上記実施形態1では、処理前基板搬送経路6および処理済み基板搬送経路9の基板搬送姿勢は水平姿勢としたが、これに限らず、この水平姿勢から多少傾いた傾斜搬送姿勢であってもよい。この場合、傾斜搬送姿勢で搬送されてきた基板7は、処理前基板移載手段8aや処理済み基板移載手段8bで、一旦水平姿勢にするかまたは直に、水平姿勢の基板保持ステージ3a,3b上に移送するようにしてもよい。また、上記実施形態1では、塗布装置2a,2bの塗布基準位置に対してそれぞれ、基板保持ステージ3a,3bがそれぞれ垂直姿勢でセッティングされるように構成したが、垂直姿勢から多少傾いた傾斜姿勢で基板保持が為されて塗布処理が行われるように構成してもよい。この場合、旋回手段4a,4bもそれぞれ、その傾斜姿勢まで基板保持ステージ3a,3bをそれぞれ旋回させ、その状態のままで塗布装置2a,2b側にそれぞれスライドさせて塗布基準位置とする。
【0115】
また、上記実施形態1では、処理前基板搬送経路6側においては取込位置6aに図8に示す基板回動手段160を配置するとともに、処理済み基板搬送経路9側においては受渡位置9aに図8に示す基板回動手段160を配置しているが、基板回動手段の配設位置および構成はこれらに限定されるものではなく、以下のように変形することができる。なお、この点に関しては、後で説明する他の実施形態においても同様である。
【0116】
すなわち、基板回動手段の配設位置については、処理前基板搬送経路6側、および処理済み基板搬送経路9側ともに、それぞれ任意の位置に配設することができる。また、取込位置6aに搬送される際、すでに塗布装置2a,2bに対応して基板7の方向が制御されている場合には、処理前基板搬送経路6側に基板回動手段160を設ける必要はない。また、エッジリンス処理が必要でなく、しかも処理済み基板搬送経路9から処理済み基板7が搬送される次の工程において基板方向が一定でなくとも支障がない場合に、処理済み基板搬送経路9側に基板回動手段を設ける必要はない。さらに、塗布処理の際、基板7の方向を全く考慮する必要がない場合には、処理前基板搬送経路6側、および処理済み基板搬送経路9側ともに基板回動手段160を設けなくともよい。
【0117】
また、上記実施形態1では、基板回動手段の一例として、図8および図9に示すものを示したが、その構成はこれに限定されるものではなく、処理前基板搬送経路6側および処理済み基板搬送経路9側の少なくとも一方の基板回動手段160を以下のように構成してもよい。
【0118】
上記基板回動手段160では、センタリング部材として図9に示す構成のものを採用しているが、センタリング部材を、基板7のエッジを検出する複数のエッジ検出手段およびその駆動制御手段で構成してもよい。このエッジ検出手段は、図13(a)に示すように、基板7の面に対する検出部分173a〜173fを備えている。これらの検出部分173a〜173fの各々は、光ファイバーの一端を基板7の端縁部分(エッジ部分)に対向配設する一方、その他端側にそれぞれ反射型光センサ(図示せず)を配設したものであり、これらによって基板7のセンタリング位置を検出する反射型光検出ユニットが構成されている。また、この駆動制御手段(図示せず)は、これらのエッジ検出手段の検出部分173a〜173fからの端縁検出情報(オンかオフか)に基づいて、全てのエッジ検出手段の検出部分173a〜173fが基板端縁を検出(オン)するように、図8の回動駆動アクチュエータ165およびXYテーブル駆動部材166を駆動制御して基板7をセンタリングするようになっている。
【0119】
より具体的に説明すれば、駆動制御手段は、図13(b)に示すように、エッジ
検出手段の検出部分173a,173bがオフで、検出部分173a,173bがオンの場合には、XYテーブル駆動部材166を駆動制御して基板7を検出部分173a,173bがオンするまで−X方向に移動するようになっている。
【0120】
また、このようなX方向のアライメント時に1つだけオフとなる場合、例えば図13(c)に示すように、エッジ検出手段の検出部分173a,173bおよび
検出部分173c,173dのうち検出部分173aだけがオフで、検出部分173b〜173dがオンの場合には、駆動制御手段は、回動駆動アクチュエータ165を駆動制御して基板7を検出部分173a,173bおよび検出部分173c,173dがオン状態となるまで基板7を矢印方向の反時計回りに回動するようになっている。また同様に、例えば検出部分173bだけがオフで、検出部分173a,173c,173dがオンの場合には、駆動制御手段は、回動駆動アクチュエータ165を駆動制御して基板7を検出部分173a,173bおよび検出部分173c,173dが全てオン状態となるまで基板7を矢印方向とは反対側の時計回りに回動させるようになっている。これらの検出部分173a,173bおよび検出部分173c,173dが全てオン状態とならない場合には、さらに引き続いて、検出部分173a,173bおよび検出部分173c,173dが全てオン状態となるまで上記X方向や回動方向のアライメント動作を行うように、駆動制御手段は、XYテーブル駆動部材166や回動駆動アクチュエータ165を駆動制御するようになっている。
【0121】
さらに、検出部分173a,173bおよび検出部分173c,173dが全てオン状態となった後に、検出部分173e,173fも共にオン状態となるまで、駆動制御手段は、XYテーブル駆動部材166を駆動制御して基板7をY方向(オフしている検出部分173eまたは検出部分173f側)に移動させてアライメント動作をするようになっている。以上のようにして、センタリング手段は、検出部分173a〜173fを全てオン状態とするように基板7を移動させることによってセンタリングするようになっている。
【0122】
また、このように、センタリング部材(図示せず)として、基板7のエッジを検出する6個のエッジ検出手段(図示せず)およびその駆動制御手段で構成したが、これに限らず、エッジ検出手段をその検出部分173e,173c,173dの3点としてもよい。この場合には、図13(d)の実線に示すように、基板7が明らかに正位置から予め左下側に外れた位置に載置され、検出部分173c,173dが共にオン状態となるまで、駆動制御手段は、XYテーブル駆動部材166を駆動制御して基板7をX方向に移動させてX方向のアライメント動作をするようになっている。このとき、検出部分173c,173dの直前位置に減速ポイントを設ければ、その減速ポイントからは微動にて基板7を移動させ、検出部分173c,173dをより正確にオン状態の正位置とすることができると共に、素早く正位置に基板7を位置させることができるようになっている。これらの検出部分173c,173dのうち何れか一方がオン状態で他方がオフ状態の場合には、上記と同様に回動補正を行うようになっている。つまり、検出部分173c,173dが共にオン状態となるまで、駆動制御手段は、回動駆動アクチュエータ165を駆動制御して基板7を所定回動方向(オフしている検出部分173cまたは検出部分173d側の回動方向)に回動させてθ方向のアライメント動作をするようになっている。さらに、この回動補正の後に、検出部分173eがオン状態となるまで、駆動制御手段は、XYテーブル駆動部材166を駆動制御して基板7をY方向に移動させてY方向のアライメント動作をするようになっている。
【0123】
さらに、上記に限らず、センタリング部材(図示せず)として、図14に示すように、基板載置部材162a上にメカニカルセンタリング機構174を設ける構成であってもよい。この基板載置部材162aは、ベース板175上の適所に複数立設された各仮置ピン176の先端部上に基板7をその裏面側から受けて支持するようになっている。また、メカニカルセンタリング機構174は、2組のラックとピニオン177よりなっており、基板7の長辺と短辺の両側端面をそれぞれ挟持するように当接させて基板7をセンタリングするべく、相対向する2組みのセンタリングローラ178a,178bを同時に接近または離間自在に構成している。これらのセンタリングローラ178aの接近または離間動作は、センタリングシリンダ179により為されるようになっており、このセンタリングシリンダ179のロッドが伸長すれば、ラックとピニオン177により連動して基板7の短辺に沿って位置する一対のセンタリングローラ178aが同時に互いに離間する方向に移動する。また、基板7の長辺にそって位置する一対のセンタリングローラ178bも同時に、図示しない別のラックとピニオン及びセンタリングシリンダにより、離間及び接近するように構成されている。そして、各仮置ピン176の先端部上に基板7が載置された後に、上述の2つのセンタリングシリンダのロッドを収縮させれば、一対のセンタリングローラ178aと、一対のセンタリングローラ178bとが同時に接近する方向に移動して基板7を、相対向する基板辺をそれぞれ挟持することでセンタリングして位置決めするようになっている。
【0124】
また、上記実施形態1では、処理前基板搬送経路6側の基板回動手段160は、塗布装置2a,2bでの基板7の方向を揃えるための基板回転調整と、センタリング機能とを兼ね備えたものであるが、図15に示すように、基板回転調整に基板冷却機能を付加してもよい。すなわち、基板回動手段には、図15に示すような冷却プレート180を設けて基板7を冷却する構成とすることもできる。この冷却プレート180は内部を恒温水が流れるように構成されていてもよく、また、この冷却プレート180を昇降および回動可能に構成することもできる。つまり、この基板処理システムに搬送されてくる基板は、その前工程において密着強化剤の塗布または洗浄の処理が施され、その際に加熱処理を受けて比較的高温とされていることがある。このような場合においては、処理前基板搬送経路6の途中の例えば基板待機位置6xにおいて冷却プレート180を配置し、セッティング位置10a,10bへ搬送するまでの間、当該基板待機位置6xにおいて冷却処理を施すようにすることができる。かかる構成により、冷却プレートを別に配置する場合と比べて装置を小型化しつつ、基板を充分に冷却した後に塗布装置2a,2bへ搬入して塗布処理を行うことができる。
【0125】
B.実施形態2
図16は、本発明の実施形態2の基板処理システムの概略要部構成を模式的に示す平面図であり、図17は図16の基板処理システムの概略要部構成を模式的に示す斜視図であり、上記実施形態1と同様の作用効果を奏する部材には同一の符号を付すことにする。
【0126】
B-1.構成
この実施形態2が先に説明した実施形態1と大きく相違する点は、上記実施形態1では取込位置6a及び受渡位置9aとセッティング位置10a,10bとの間で搬送姿勢を変えることなく基板7を直線的に移送するのに対し、本実施形態2では基板7の搬送姿勢の方向と、基板保持ステージ3a,3b上への基板7のセッティング方向とが角度90度だけ異なっている点であり、その他の基本的構成は同一である。
【0127】
すなわち、この実施形態2にかかる基板処理システム109では、処理前基板搬送経路6側に搬送旋回アーム110aが配設され、処理前基板搬送経路6の取込位置6a上の処理前の基板7を基板保持ステージ3a,3bの各基板保持面上に移送する一方、処理済み基板搬送経路9側に搬送旋回アーム110bが配設され、基板保持ステージ3a,3bの各基板保持面上の処理済みの基板7を処理済み基板搬送経路9の受渡位置9a上に移送するように構成されている。
【0128】
これらの受入手段としての搬送旋回アーム110a,110bは、アーム部材111a,111bの各根本部分が水平旋回自在に軸支部112a,112bで軸支されていると共に、各先端部分は基板保持用にコ字状部113a,113bに形成されており、そのコ字状に囲まれる上面部分には、そのコ字状に対応した基板7の裏面外周部分を真空吸引可能な吸着部材としての複数のバキュームパッド(図示せず)が細長い凹部(図示せず)内に配設されている。また、搬送旋回アーム110a,110bの軸支部112a,112bは、主柱部材114a,114bで支持されていると共に、アーム部材111a,111bは主柱部材114a,114bによって基板取込みまたは基板受渡しのために上下に昇降移動自在に構成されている。
【0129】
また、コ字状部113a,113bはそれぞれ、各軸支部112a,112bをそれぞれ回動中心として水平姿勢の基板保持ステージ3a,3b側に回動する場合の回動側の突出部材115a,115bが、図中実線で示すコ字状を形成する位置と、図中仮想線で示すコ字状を開放したL字状をなす位置との間で回動自在(本実施形態2では回動角度90度)に構成されている。また、これらの各突出部材115a,115の回動駆動は、ロータリーソレノイドやロータリーシリンダさらにはステッピングモータなどの駆動手段116a,116bによって搬送旋回アーム110a,110bの回動動作の所定のタイミングに連動して行われるようになっている。
【0130】
B-2.実施形態2の動作
次に、上記のように構成された基板処理システムの動作について説明するが、この実施形態2の基本動作は実施形態1のそれと同一であり、両者が相違するのは取込位置6a及び受渡位置9aとセッティング位置10a,10bとの間で搬送態様のみである。したがって、この相違点を中心に動作を説明する。
【0131】
(1) 未処理基板7の搬入
まず、前工程の装置から処理前基板搬送経路6の取込位置6aに塗布処理前の基板7が水平搬送され、基板回動手段160(図8)に載置される。そして、搬送されてきたままの状態の基板7をセンタリングした後、当該基板7を搬送旋回アーム110aが受取る。すなわち、予め処理前基板搬送経路6の取込位置6aの上方からコ字状部113aを主柱部材114aによって下降させて取込位置6aの載置部側面部分をコ字状部113aで囲む状態で待機しておき、その取込位置6a(基板回動手段160)上に基板7が搬送され、センタリングされる。それに続いて、このコ字状部113aを主柱部材114aによって上昇させて、そのコ字状部113aの内側平面上に基板7の裏面外周縁部を下方から受けて載置すると共に、その基板7の裏面外周縁部を複数のバキュームパッド(図示せず)で真空吸引して保持する。
【0132】
また、旋回手段4aはその基板保持ステージ3aの基板保持面がセッティング位置10aで水平姿勢の状態で止まっている。このとき、基板保持ステージ3aの下方にはリフトピンユニット33が重なるように位置しており、その基板保持面上に複数のリフトピン34が突出した状態で基板7を受け得る状態になっている。また、この時、基板保持ステージ3bは塗布装置2b側に起き上がっている。
【0133】
(2) リフトピン34への基板7の移載
次に、基板7をコ字状部113aの表面上に載置した状態で、搬送旋回アーム110aは、軸支部112aを回動中心としてアーム部材111aおよびそのコ字状部113aを所定角度(本実施形態2では回動角度90度)回動させて、セッティング位置10aにおいて、水平姿勢になっている基板保持ステージ3aの上方位置まで回動する。このとき、コ字状部113aの表面上に載置された基板7は、搬送方向から所定角度(本実施形態2では回動角度90度)だけ回動した方向に向いている。基板7をコ字状部113aの表面上に載置した搬送旋回アーム110aは、基板保持ステージ3aの上方位置からコ字状部113aを基板7と一緒に主柱部材114aによって下降させると共に、基板7の裏面外周縁部に対する複数のバキュームパッドによる真空吸引を解除して、リフトピン34上に載置する。
【0134】
こうしてリフトピン34への基板7の移載が完了すると、コ字状部113aの突出部材115aは、駆動手段116aによって回動させてコ字状の一方を開放させる。そして、この状態で、搬送旋回アーム110aは、先ほどとは逆方向の処理前基板搬送経路6の取込位置6a側の上方位置まで、軸支部112aを回動中心としてアーム部材111aおよびそのコ字状部113aを所定角度(本実施形態2では回動角度90度)回動させる。さらに、その取込位置6aの上方位置からコ字状部113aを主柱部材114aによって下降させて取込位置6aの側面部分をコ字状部113aで囲んで、取込位置6a上に次の処理前の基板7が搬送されて載置されるのを待つことになる。
【0135】
(3) 塗布装置2aでの塗布処理
続いて、このリフトピンユニット33は基板7が載置された複数のリフトピン34をゆっくりと下降させて基板保持ステージ3aの基板保持面上に基板7を載置すると共に、この基板保持面において、基板7のサイズに応じた基板外周縁部に対応した位置に沿って配設された複数のバキュームパッド(図示せず)による真空吸引処理を行って、基板7を水平姿勢のままで保持ステージ3aの所定位置にセッティングして保持状態とする。そして、基板保持ステージ3aが起き上がって塗布装置2aによる塗布処理が開始される。
【0136】
なお、塗布装置2aによる塗布処理が行われている間に、基板保持ステージ3bがセッティング位置10bに位置して次なる基板を塗布装置2bへセットする作業が為される。それと同時に、次の未処理基板7が前工程の装置から処理前基板搬送経路6の取込位置6aに水平搬送され、基板回動手段160(図8)に載置される。
【0137】
(4) 基板7の180゜回転
上記のようにして取込位置6aに搬送された基板7については、塗布装置2bによって処理することとなるため、基板回動手段160によって180゜回転される。
【0138】
(5) リフトピン34への基板7の載置
次に、上記 (2) の工程と同様にして、取込位置6aの基板7をリフトピン34の上に載置する。
【0139】
(6) 塗布装置2bでの塗布処理および処理済み基板7の搬出
そして、(3) の工程と同様にして、塗布装置2bによる基板7への塗布処理を開始する。このとき、この実施形態2では、(4) の工程で塗布装置2bによる処理を施すべき基板7については、取込位置6aで予め180゜回転させており、塗布装置2a,2bに供給されセッティングされる基板7の方向は常に同一になる。
【0140】
一方、塗布装置2bへの基板7のセッティング後に、塗布装置2aにおける乾燥処理が終了すると、基板保持ステージ3aを水平姿勢に移動させた後、複数のバキュームパッドによる吸引を解除すると共に、リフトピンユニット33は基板7が載置された基板保持ステージ3aの基板保持面に対して複数のリフトピン34をゆっくりと上昇させて基板保持ステージ3aの基板保持面から、真空吸引解除後に張り付いた基板7を剥離させつつ上昇させる。
【0141】
この状態で、搬送旋回アーム110bは、(2) の工程での搬送旋回アーム110aと同様の動作で、リフトピン34上の処理済みの基板7を処理済み基板搬送経路9の受渡位置9aに配設された基板回動手段160上に移送する。
【0142】
つまり、コ字状部113bの突出部材115bは、駆動手段116bによって回動させてコ字状部113bの一方を開放させると共に、コ字状部113bを主柱部材114bによって下降させてリフトピン34の先端部よりも低位置にする。この状態で、搬送旋回アーム110bは、軸支部112bを回動中心としてアーム部材111bおよびそのコ字状部113bを所定角度(本実施形態2では回動角度90度)回動させて、水平姿勢になっているリフトピン34上の基板7の下方位置まで回動する。ここで、コ字状部113bの突出部材115bは、駆動手段116bによって回動させてコ字状にする。
【0143】
さらに、搬送旋回アーム110bは、主柱部材114bによってコ字状部113bを上昇させて、そのコ字状部113bの平面上に基板7の裏面外周縁部を下方から受けて載置すると共に、その基板7の裏面外周縁部を複数のバキュームパッドで真空吸引して保持する。
【0144】
このように、基板7をコ字状部113bの表面上に載置した状態で、搬送旋回アーム110bは、軸支部112bを回動中心としてアーム部材111bおよびそのコ字状部113bを所定角度(本実施形態2では回動角度90度)回動させて、水平姿勢の処理済み基板搬送経路9の受渡位置9aの上方位置まで回動する。このとき、コ字状部113bの表面上に載置された基板7は、所定角度(本実施形態2では回動角度90度)回動して所定の搬送方向に向くことになる。
【0145】
このように、受渡位置9aの上方位置で、基板7をコ字状部113bの表面上に載置した搬送旋回アーム110bは、コ字状部113bを基板7と一緒に主柱部材114bによって下降させると共に、基板7の裏面外周縁部に対する複数のバキュームパッドによる真空吸引を解除して、受渡位置9aに配設された基板回動手段160上に基板7を載置させる。
【0146】
このようにした受渡位置9aへの処理済み基板7の移送と並行して、(1) の工程と同様にして次の未処理基板7が搬入されて塗布装置2aでの塗布処理に備える。
【0147】
(7) 基板7のエッジリンス処理
受渡位置9aに搬送されてきた基板7については、受渡位置9aの近傍に配置されたエッジリンス処理装置190によって不要な塗布膜が取り除かれてエッジリンス処理が行われる。こうして、塗布処理およびエッジリンス処理を受けた基板7は、基板搬送経路9に沿って次の処理工程に搬送される。
【0148】
(8) 塗布装置2bからの処理済み基板7の搬出
そして、(2) の工程と同様にして取込位置6aの基板7をリフトピン34の上に載置した後、さらに(3) の工程と同様にして当該基板7を塗布装置2aにセットする。
【0149】
塗布装置2aへの基板7のセッティング後に、塗布装置2bにおける乾燥処理が終了すると、 (6) の工程と同様にして、塗布装置2bから処理済み基板7を搬出し、基板搬送経路9の受渡位置9aにおける基板回動手段160上に載置するように移送する。
【0150】
なお、これと並行して、次の未処理基板7が前工程の装置から処理前基板搬送経路6の取込位置6aに水平搬送され、基板回動手段160(図8)に載置される。
【0151】
(9) 基板7のエッジリンス処理
基板搬送経路9の受渡位置9aに設けられた基板回動手段160に搬送されてきた処理済み基板7については、 (4) の工程と同様にして、基板回動手段160によって180゜回転される。これによって、この受渡位置9aでは、常に基板7の方向が同一、つまり基板7の下端縁7aがエッジリンス部192側を向いている。そして、これに続いて、上記 (7) の工程と同様に、基板7の塗布面側の端縁部分に所定の処理液を供給し、不要な塗布膜が取り除かれてエッジリンス処理が行われる。
【0152】
こうして、塗布処理およびエッジリンス処理を受けた基板7は、基板搬送経路9に沿って次の処理工程に搬送される。
【0153】
本実施形態では、上記一連の処理ステップが繰り返されて基板7が順次処理(塗布処理+エッジリンス処理)を受ける。
【0154】
B-3.実施形態2による効果
上記のように、本実施形態2では基板7の搬送姿勢の方向と、基板保持ステージ3a,3b上への基板7のセッティング方向とが角度90度だけ異なっている点を除き、基本的構成および動作は実施形態1と同一であるため、実施形態1と同様の効果が得られる。
【0155】
なお、搬送旋回アーム110aによって、処理前の基板7の搬送姿勢を塗布装置2a,2bの基板セッティング方向に所定角度(本実施形態2では回動角度90度)だけ回動させてセッティングするとともに、搬送旋回アーム110bによって、処理済みの基板7を塗布装置2a,2bの基板セッティング方向から搬送方向に所定角度(本実施形態2では回動角度90度)だけ回動させて基板搬送するようにしている。このため、基板処理システム全体をコンパクトにすることができる。
【0156】
B-4.本実施形態2における変形例
なお、基板搬送経路6,9については、以下のように構成することもできる。すなわち、図18および図19には、処理前基板搬送経路6に、搬送旋回アーム110a上に処理前の基板7を搬送するシャトルアーム117aが設けられ、処理済み基板搬送経路9に、搬送旋回アーム110b上から処理済みの基板7を搬送するシャトルアーム117bが設けられている。
【0157】
図18および図19に示すように、これらのシャトルアーム117a,117bはそれぞれ、基板7の中央部分の裏面端縁を下方から受けて保持したりその保持を開放するべく、基板7の幅方向(基板搬送方向とは直交する方向)に接近または離間自在な基板保持爪118a,118bを有している。また、シャトルアーム117a,117bはそれぞれ、搬送方向に延びるレール119a,119bにそれぞれ沿って所定の搬送距離だけタクト送り可能に構成されている。さらに、シャトルアーム117a,117bはそれぞれ、基板7を取り込みまたは受渡し可能なように、基板7を保持可能な基板保持爪118a,118bを上下に昇降移動自在に構成されている。この場合、搬送旋回アーム110a,110bはそれぞれ、シャトルアーム117a,117bの先端部分の基板保持爪118a,118bが逃げるように、図示していないが、切欠き部を設けるか段差部を設けて、シャトルアーム117aから搬送旋回アーム110aのコ字状部113a上に直に、また、搬送旋回アーム110bのコ字状部113bからシャトルアーム117bに直に基板7の受渡しが行われ得るように構成することができる。
【0158】
C.実施形態3
図20は、本発明の実施形態3の基板処理システムの概略要部構成を模式的に示す平面図であり、図21は図20の基板処理システムの概略要部構成を模式的に示す斜視図であり、上記実施形態1と同様の作用効果を奏する部材には同一の符号を付すことにする。
【0159】
C-1.構成
この実施形態3が先に説明した実施形態1と大きく相違する点は、実施形態1では塗布装置2a,2bを対向配置としているのに対したが、本実施形態3では塗布装置2a,2bをその処理中における基板面が直角または鈍角をなす角度に隣接配置している点である。また、この実施形態3では、処理前基板搬送経路6側において取込位置6aに基板回動手段を設けずに、処理前基板移載手段に基板回動機能を付加するとともに、処理済み基板搬送経路9側においても受渡位置9aに基板回動手段を設けずに、処理済み基板移載手段に基板回動機能を付加しており、この点で実施形態1と相違する。なお、その他の基本的構成は同一である。
【0160】
すなわち、これらの図に示すように、この実施形態にかかる基板処理システム120では、基板処理装置としての塗布装置2a,2bが、処理前基板搬送経路6と処理済み基板搬送経路9とがなす直線の片側に、上から見て折れ曲がった状態で隣設配置(本実施形態3では直角に隣接配置)されている。また、この隣設された塗布装置2a,2bに対して旋回手段4a,4bがそれぞれ設けられており、基板7を保持する基板保持ステージ3a,3bの各基板保持面が軸支部を回動中心として所定角度姿勢(本実施形態3では水平姿勢)と垂直または傾斜姿勢(本実施形態3では垂直姿勢)の何れかになるように基板保持ステージ3a,3bを回動自在となっている。しかも、旋回手段4a,4bは、上記実施形態1,2と同様に、基板保持ステージ3a,3bが水平姿勢となるセッティング位置10a,10bを基板セッティングエリアとして共用するように隣設されている。
【0161】
また、基板保持ステージ3a,3bへの基板搬送機構として水平姿勢の基板保持ステージ3a,3bの各基板保持面上にそれぞれ交互に移送する処理前基板移載手段121aが配設されるとともに、基板保持ステージ3a,3bからの基板搬送機構として塗布装置2a,2bでそれぞれ塗布された処理済み基板7を水平姿勢の基板保持ステージ3a,3bからそれぞれ受入手段としての基板載置部121bb上に移送する処理済み基板移載手段121bが配設されている。なお、これら処理前基板移載手段121aおよび処理済み基板移載手段121bは、いずれも同一構成を有しているため、ここでは、処理前基板移載手段121aの構成のみを詳述し、処理済み基板移載手段121bの各部については同一または相当符合を付して説明を省略する。
【0162】
この処理前基板移載手段121aは、図21に示すように、基板7を基板載置部121aaで下方から受けて支持すると共に基板7を時計回りに角度45度回動させるかまたは反時計回りに角度45度回動させる基板回動手段121aaaと、この基板回動手段の受入手段としての基板載置部121aa上の基板7を基板載置部122a上に保持して、基板載置部122a上から基板保持ステージ3a,3bの各基板保持面上に交互に受け渡すべく移送する基板搬送手段123aとを有している。かかる構成において、塗布装置2bの基板保持ステージ3bに対して基板7を搬入搬出する際には、処理前基板移載手段121aは基板載置部121aaで支持した基板7を反時計回りに45度回動させて基板保持ステージ3b上へ搬入し、処理済み基板移載手段121bは、基板載置部122bbで支持した基板7を時計回りに45度回動させて処理済み基板搬送経路9へ引き渡す(図20参照)。また、塗布装置2aの基板保持ステージ3aへ基板7を搬入搬出する際には、それぞれの回動向きを逆にする。これは、塗布装置2a,2bにおける基板7の長辺と短辺の向きをそろえるためである。
【0163】
この処理前基板搬送用の基板搬送手段123aは、基板7の裏面外周縁部に対する複数のバキュームパッド124による真空吸引で基板7を保持する基板載置部122aと、この基板載置部122aを、ラックおよびピニオンと駆動モータ125aによる駆動手段によって基板保持ステージ3a,3bの各基板保持面に対応した位置と取込位置との間でアーム126aを介して水平に伸縮可能な水平送り手段127aと、この基板載置部122aをアーム126aと共に上下に移動させる上下移動手段(図示せず)とを有している。
【0164】
また、基板載置部122aには、角部材128が互いに平行に配設されている。この角部材128の段落ちした中央平面部分では基板7を載置可能となっているのに対し、その中央平面部分以外の両側には、基板7の長辺ピッチ位置に対応し、その基板長辺に沿った方向とその方向に対して直角な基板短辺方向とに回動自在でその上面が中央平面部分と面一な各回動載置部材129が配設されている。また、各回動載置部材129の内側に、基板7の短辺ピッチ位置にも、その基板短辺に沿った方向とその方向に対して直角な基板長辺方向とに回動自在でその上面が中央平面部分および各回動載置部材129と面一な各回動載置部材130が配設されている。これらの各回動載置部材129,130および角部材128の中央平面部分上には、真空吸引可能な吸着部材としての複数のバキュームパッド124が細長い凹部(図示せず)内に配設されている。このバキュームパッド124内には、図示していないが、その内部を減圧可能な減圧用チューブの先端部が開口しており、基板7の裏面側外周縁部への複数のバキュームパッド124による真空吸着で基板7を保持するようになっている。これらの各回動載置部材129,130の回動駆動は、ロータリーソレノイドやロータリーシリンダさらにはステッピングモータなどの駆動手段(図示せず)によって行われるようになっている。
【0165】
また、互いに平行に配設された角部材128は、駆動モータ131によって駆動機構を介して接近または離間自在に構成されており、各角部材128間の距離が基板7の短辺寸法の場合には、基板短辺方向に回動した各回動載置部材129と、基板長辺に沿った方向に回動した各回動載置部材130および角部材128の中央平面部分とによってコ字状に囲まれる各上面部分が対向して配設され、これらの各上面部分がそれぞれ基板7の裏側の各長辺側にそれぞれ対応するようになっている。また、各角部材128間の距離が基板7の長辺寸法の場合には、基板長辺方向に回動した各回動載置部材130と、角部材128の中央平面部分とによってコ字状に囲まれる各上面部分が対向して配設され、これらの各上面部分がそれぞれ基板7の裏側の各短辺側にそれぞれ対応するようになっている。このような塗布装置2a,2bに対応した場合の角部材128の距離調整と各回動載置部材129,130の回動タイミングはそれぞれ交互に行われて、その対向位置した各コ字状部が、回動された基板7の裏側外周縁部に対応するようになっている。
【0166】
さらに、基板7の上下受渡し動作、水平送り動作、角部材128の距離調整および各回動載置部材129,130の回動動作、さらには、複数のバキュームパッド124による真空吸引または真空吸引解除動作における駆動タイミングは各駆動手段がシーケンサやマイクロコンピュータからの指示に従って各動作を順次実行するようになっている。
【0167】
C-2.実施形態3の動作
次に、上記のように構成された基板処理システムの動作について説明する。
【0168】
(1) 未処理基板7の搬入および基板待機位置への移動
まず、前工程の装置から処理前基板搬送経路6の取込位置6aに塗布処理前の基板7が水平搬送されると、当該基板7を基板回動手段121aaaはその基板載置部121aaで受取り、基板7と共に搬送方向から反時計回りに角度45度だけ回動し、このとき、基板7の長辺側が基板載置部122aの角部材128に対して平行な状態となる。また、各角部材128間の距離が基板7の短辺寸法になるように駆動モータ131による駆動で角部材128の距離を調整し、各回動載置部材129を基板短辺方向に回動させ、各回動載置部材130を基板長辺に沿った方向に回動させておくことで、基板載置部122aは、各回動載置部材129,130および角部材128の中央平面部分によってコ字状に囲まれる各上面部分が対向して、これらの各上面部分がそれぞれ基板7の裏側の各長辺側外周縁部にそれぞれ対応した位置になる。この状態で、基板載置部122aを上方に移動させると共に、複数のバキュームパッド124による真空吸着を駆動させて、基板載置部121aa上から基板載置部122a上に基板7を取り込んで保持する。その後で、基板7を基板待機位置6xに搬送する。
【0169】
また、図20および図21に示すように、旋回手段4bはその基板保持ステージ3bの基板保持面がセッティング位置10bで水平姿勢の状態で止まっている。このとき、基板保持ステージ3bの下方にはリフトピンユニット33が重なるように位置しており、その基板保持面上に複数のリフトピン34が突出した状態で基板7を受け得る状態になっている。また、この時、基板保持ステージ3aは塗布装置2a側に起き上がっている。
【0170】
(2) リフトピン34への基板7の移載
次に、基板載置部122aを基板7と共に、基板保持ステージ3bの基板保持面の上方まで水平送り手段127aでアーム126aを介して水平に移動させる。さらに、上下移動手段(図示せず)によって基板載置部122aをアーム126aと一緒に下降させると共に、複数のバキュームパッド124による基板7の真空吸着を解除させ、リフトピン34の上に基板7を受け渡す。このとき、対向した一対のコ字状部分の開口エリア内に基板保持ステージ3bが内在した状態となっている。
【0171】
さらに、一対のコ字状部分を構成する基板載置部122aの各角部材128は、駆動モータ131によって駆動機構を介して離間させられた後に、水平送り手段127aでアーム126aを水平に短縮させて、その基板載置部122aの一対のコ字状部分を、基板載置部121aaを下方で挟み込む元の位置まで戻す。その基板載置部121aaを下方位置において、次に、基板搬送手段123aは基板7を塗布装置2aに移送するように、各角部材128間の距離が基板7の長辺寸法になるように駆動モータ131による駆動で角部材128の距離を調整し、各回動載置部材130を基板長辺方向に回動させ、各回動載置部材129は基板短辺に沿った方向に回動させることで、基板載置部122aは、各回動載置部材130および角部材128の中央平面部分によってコ字状に囲まれる各上面部分が対向し、これらの各上面部分がそれぞれ基板7の裏側の各短辺側外周縁部にそれぞれ対応した位置になる。
【0172】
(3) 塗布装置2bでの塗布処理
続いて、リフトピンユニット33は、基板7が載置された複数のリフトピン34をゆっくりと下降させて基板保持ステージ3bの基板保持面上に基板7を載置すると共に、この基板保持面において、基板7のサイズに応じた基板外周縁部に対応した位置に沿って配設された複数のバキュームパッド(図示せず)による真空吸引処理を行って、基板7を水平姿勢のままで基板保持ステージ3bの所定位置にセッティングして保持状態とする。そして、基板保持ステージ3bが起き上がって塗布装置2bによる塗布処理が開始される。
【0173】
なお、塗布装置2bによる塗布処理が行われている間に、基板保持ステージ3aがセッティング位置10aに位置して次なる基板を塗布装置2aへセットする作業が為される。それと同時に、次の未処理基板7が前工程の装置から処理前基板搬送経路6の取込位置6aに水平搬送され、基板載置部121aa上に載置される。
【0174】
(4) 基板待機位置への移動および基板7の回転
上記のようにして基板載置部121aa上に載置された基板7については、基板載置部121aaとともに基板待機位置6xに移動する。そして、処理前基板搬送経路6の基板待機位置6xにおいて、基板回動手段121aaaの基板載置部121aa上で基板7を反時計回りに角度135度だけ回動させる。このように、予め基板待機位置6xにおいて回転させておくことで、塗布装置2a,2bに供給されセッティングされる基板7の方向が同一になる。
【0175】
(5) リフトピン34への基板7の載置
次に、上記 (2) の工程と同様にして、基板待機位置6xの基板7をリフトピン34の上に載置する。
【0176】
(6) 塗布装置2aでの塗布処理および処理済み基板7の搬出
そして、 (3) の工程と同様にして、塗布装置2aによる基板7への塗布処理を開始する。このとき、この実施形態3では、(4) の工程で塗布装置2aによる処理を施すべき基板7については、基板待機位置6xで予め回転調整しており、塗布装置2a,2bに供給されセッティングされる基板7の方向は常に同一になる。
【0177】
一方、塗布装置2aへの基板7のセッティング後に、塗布装置2bにおける乾燥処理が終了すると、 (3) の工程での動作とは逆に、基板保持ステージ3bを水平姿勢に戻す。なお、このときには基板保持ステージ3aはすでに基板のセットを終了して起立し、塗布装置2aによる塗布が開始されており、基板保持ステージ3bがセッティング位置10bへ回動下降しても問題はない。
【0178】
そして、水平姿勢の基板保持ステージ3bの基板保持面において、複数のバキュームパッドによる吸引を解除すると共に、リフトピンユニット33は基板7が載置された基板保持ステージ3bの基板保持面に対して複数のリフトピン34をゆっくりと上昇させて基板保持ステージ3bの基板保持面から、真空吸引解除後に張り付いた基板7を剥離させつつ上昇させる。
【0179】
その後、こんどは、リフトピン34に載置されている処理済みの基板7を基板載置部121bbで受取り、基板待機位置9xに移動する。
【0180】
(7) 基板7のエッジリンス処理
基板待機位置9xに搬送されてきた基板7については、接離手段(図示せず)で、エッジリンス処理装置190のエッジリンス部192を基板7の下端縁7a側に接近させると共に、さらにエッジリンス部192のエッジリンス溝191内にその下端縁7aが収容されるまで接近させる。さらに、エッジリンス部192をレールにそって移動手段(図示せず)で移動させると共に、エッジリンス溝191内のノズル(図示せず)から基板7の塗布面側の端縁部分に所定の処理液を供給し、エッジリンス溝191内の吸引口(図示せず)から不要な塗布膜が取り除かれてエッジリンス処理が行われる。
【0181】
こうして、塗布処理およびエッジリンス処理を受けた基板7は、基板搬送経路9に沿って次の処理工程に搬送される。
【0182】
(8) 塗布装置2aからの処理済み基板7の搬出
そして、 (2) の工程と同様にして基板待機位置6xの基板7をリフトピン34の上に載置した後、さらに工程(3)と同様にして当該基板7を塗布装置2bにセットする。
【0183】
この塗布装置2bへの基板7のセッティング後に、塗布装置2aにおける乾燥処理が終了すると、 (6) の工程と同様にして、塗布装置2aから処理済み基板7を搬出し、基板搬送経路9の基板待機位置9xまで移送する。
【0184】
なお、これと並行して、次の未処理基板7が前工程の装置から処理前基板搬送経路6の取込位置6aに水平搬送され、基板載置部121aa上に載置される。
【0185】
(9) 基板7のエッジリンス処理
基板搬送経路9の基板待機位置9xに搬送されてきた処理済み基板7については、(4) の工程と同様にして、基板回動手段121aaaによって元の回転状態に戻される。これによって、この基板待機位置9xでは、常に基板7の方向が同一、つまり基板7の下端縁7aがエッジリンス部192側を向いている。
【0186】
そして、これに続いて、上記 (7) の工程と同様に、基板7の塗布面側の端縁部分に所定の処理液を供給し、エッジリンス溝191内の吸引口(図示せず)から不要な塗布膜が取り除かれてエッジリンス処理が行われる。
【0187】
こうして、塗布処理およびエッジリンス処理を受けた基板7は、基板搬送経路9に沿って次の処理工程に搬送される。
【0188】
また、このような動作と並行して、(4) の工程と同様に、塗布装置2aで処理すべき基板7は、処理前基板搬送経路6の基板待機位置6xにおいて、基板回動手段121aaaの基板載置部121aa上で基板7を反時計回りに角度135度だけ回動される。
【0189】
本実施形態では、上記一連の処理ステップが繰り返されて基板7が順次処理(塗布処理+エッジリンス処理)を受ける。
【0190】
C-3.実施形態3による効果
上記のように、本実施形態3では塗布装置2a,2bの配列形態と、その配列形態の相違に基づく搬送姿勢が異なっている点を除き、基本的構成および動作は実施形態1と同一であるため、実施形態1と同様の効果が得られる。
【0191】
なお、この実施形態3では、各塗布装置2a,2bが共に搬送経路に対して一方側に隣設してクラスター的配置となっているため、塗布側の反対側にある搬送経路を介さずに片側だけから両塗布装置2a,2bに対するメンテナンスをそれぞれより容易に素早く行うことができるという特有の効果を有している。
【0192】
C-4.本実施形態3における変形例
なお、上記実施形態3では、基板保持ステージ3a,3bへの基板搬送機構として処理前基板移載手段121aを用い、基板保持ステージ3a,3bからの基板搬送機構として処理済み基板移載手段121bを用いているが、上記実施形態2の変形例で用いたシャトルアーム117a、117bなどの搬送アームを用いてもよい。
【0193】
また、本実施形態3では、基板7を基板載置部(図示せず)で支持して基板7を時計回りに角度45度回動させるかまたは反時計回りに角度45度回動させる基板回動手段と、基板7を基板載置部122aまたは基板載置部122b上に保持して基板回動手段の基板載置部と基板保持ステージ3a,3bとの間で受け渡しを行うべく移送する基板搬送手段123a,123bとを有する基板移載手段121a,121bを設けたが、これらの基板搬送手段123a,123bの代りに、図22および図23に示すように、複数のリフトピン143を用い、処理前基板搬送経路と処理済み基板搬送経路側の両基板回動手段132の基板載置部と基板保持ステージ3a,3bの複数のリフトピン34上との間で基板7を移送する1台の基板水平搬送ロボット133を設けるようにしてもよい。この基板水平搬送ロボット133は、複数のリフトピン143で支持されて浮いた基板7の下方に侵入可能な厚みの板状平面(その上面に複数のバキュームパッド124を設けてもよい)で受けて載置可能なアクチュエータ部材134と、このアクチュエータ部材134を伸縮自在に支持すると共に、アクチュエータ部材134を回動自在なアーム部材135と、このアーム部材135を回動自在に軸支すると共に、アーム部材135をアクチュエータ部材134と共に昇降可能に構成した支柱部材136と、この支柱部材136内に設けられアーム部材135を回動させる回動駆動手段(図示せず)と、支柱部材136内に設けられアーム部材135を昇降させる昇降駆動手段(図示せず)とを有するようにしてもよい。
【0194】
また、この基板水平搬送ロボット133の平板状のアクチュエータ部材134の代りに、図24および図25に示すように、複数のリフトピン143を用いない場合にも適応可能なL字状のアクチュエータ部材137を有する基板水平搬送ロボット133aとしてもよい。この基板水平搬送ロボット133aのアクチュエータ部材137は、基板7の短辺と長辺を下方から受けて支持する基板載置部138と、この基板載置部138上の適所に複数配設された基板裏面外周縁部保持用のバキュームパッド139とを有するようにしてもよい。
【0195】
これらの実施形態3の変形例(図22〜図25)では、塗布装置2bに基板7を供給する場合は、処理前基板搬送経路の基板回動手段132で基板7を時計回りに角度45度回動させた後に基板水平搬送ロボット133,133aで基板保持ステージ3bに基板7を移送し、また、塗布装置2aに基板7を供給する場合は、処理前基板搬送経路の基板回動手段132で基板7を反時計回りに角度45度回動させた後に基板水平搬送ロボット133,133aで基板保持ステージ3aに基板7を移送するようにすれば、基板7の基板処理時のセッティング方向は同一方向となる。また、塗布装置2bの基板保持ステージ3bから基板水平搬送ロボット133,133aで基板7を取り出した場合は、処理済み基板搬送経路側の基板回動手段132で基板7をエッジリンス処理用に反時計回りに角度90度回動させた後に時計回りに角度45度回動させて処理済み基板搬送経路9に基板搬送し、また、塗布装置2aの基板保持ステージ3bから基板水平搬送ロボット133,133aで基板7を取り出した場合は、処理済み基板搬送経路側の基板回動手段132で基板7をエッジリンス処理用に回動させる必要はなく、エッジリンス処理後に時計回りに角度45度回動させて処理済み基板搬送経路9に基板搬送するようにすればよい。
【0196】
このように、図8に示すもの(基板回動手段160)と同様の基板回動手段132を、処理前基板搬送経路6の基板待機位置6xと処理済み基板搬送経路9の基板待機位置9xに設けて、塗布機構裏側が直角または鈍角に隣設された塗布装置2a,2bに対する基板供給側と基板取出側においてそれぞれ、塗布装置2a,2bの一方に対する基板7を所定の回動処理(基板7を時計回りに角度45度回動させるかまたは反時計回りに角度45度回動させる基板供給側の処理、基板7を反時計回りに角度90度回動させた後に時計回りに角度45度回動させるかまたは、時計回りに角度45度回動させる基板取出側の処理)を行うようにすれば、塗布装置2a,2bに対して基板7の上下セッティング方向を揃えて塗布処理できると共に、基板取出側で基板方向を揃えてエッジリンス処理装置190でエッジリンス処理を行うことができる。
【0197】
D.実施形態4
図26は、本発明の実施形態4の基板処理システムの概略要部構成を模式的に示す平面図であり、図27は図26の基板処理システムの概略要部構成を模式的に示す斜視図であり、上記実施形態1と同様の作用効果を奏する部材には同一の符号を付すことにする。
【0198】
D-1.構成
この実施形態4が先に説明した実施形態1と大きく相違する点は、実施形態13の場合と同様に、塗布装置2a,2bをその処理中における基板面が直角または鈍角をなす角度に隣接配置している点である。また、この実施形態4における最大の特徴は、取込位置6a、塗布装置2a,2bおよび受渡位置9aの間での基板搬送を多関節水平ロボットで行っている点であり、その他の構成は実施形態3の基本構成と同一である。以下、この相違点を中心に実施形態4にかかる基板処理システムの構成について説明する。
【0199】
図26に示すように、この基板処理システム140では、塗布装置2a,2b、処理前基板搬送経路6および処理済み基板搬送経路9が実施形態3と同様に配置されている。これらの塗布装置2a,2bの間はセッティング位置となっており、基板保持ステージ3a,3bが水平姿勢となるセッティング位置10a,10bとして共用されている。また、このセッティング位置10a,10bに、複数のリフトピン34を昇降可能に配置したリフトピンユニット33が設けられている。さらに、このリフトピンユニット33と同一構成のリフトピンユニット142が処理前基板搬送経路6の取込位置6aおよび処理済み基板搬送経路9の受渡位置9aにも配設されており、各リフトピンユニット142において複数のリフトピン143が基板保持面や基板載置面に対して出退自在となっている。
【0200】
また、この実施形態4では、基板移載手段として機能する多関節水平ロボット141が各塗布装置2a,2bの水平姿勢の基板保持ステージ3a,3bに対して等距離に配置されている。この多関節水平ロボット141は、図27に示すように、一方端が回動自在に支柱部材144の上面中央部に軸支された第1アーム部材145と、この第1アーム部材145の他端に一方端が回動自在に軸支された第2アーム部材146と、この第2アーム部材146の他端に一方端が回動自在に軸支され、その他端部が、複数のリフトピン143で支持されて浮いた基板7の下方に侵入可能な厚みの板状平面で基板7を受けて載置可能なアクチュエータ部材147と、支柱部材144内に設けられ第1アーム部材145の一方端を昇降することで、これらの第1アーム部材145、第2アーム部材146およびアクチュエータ部材147を上下に移動可能な基板受渡用の上下移動部材(図示せず)とを有している。そして、基板保持ステージ3a,3bの各基板保持面に対してそれぞれ出退自在な複数のリフトピン143上と、処理前基板搬送経路6の取込位置6aまたは処理済み基板搬送経路9の受渡位置9aにおける複数のリフトピン143上との間で基板7を移送して載置可能なようになっている。また、このアクチュエータ部材147の表面側には、基板7を強固に保持するために、基板7の裏面側を真空吸着可能な複数のバキュームパッド(図示せず)が配設されていてもよい。
【0201】
また、この多関節水平ロボット141は、処理前基板搬送経路6から基板保持ステージ3aまたは基板保持ステージ3bの基板保持面上に、隣設配置された各塗布装置2a,2bにそれぞれ供給される基板方向(本実施形態では、基板塗布処理時の垂直姿勢の基板7の上下方向)が各塗布装置2a,2bで同一となるように処理前基板7を移送すると共に、各塗布装置2a,2bでそれぞれ基板処理された処理済み基板7を基板保持ステージ3aまたは基板保持ステージ3bの基板保持面上から処理済み基板搬送経路9上に移送するようになっている。これによって、各塗布装置2a,2bに対する基板7のセティング方向および基板取出側の基板搬送方向が揃うようになる。
【0202】
D-2.実施形態4の動作
次に、上記のように構成された基板処理システム140の動作について説明する。
【0203】
(1) 未処理基板7の搬入
まず、前工程の装置から処理前基板搬送経路6の取込位置6aに設けられた複数のリフトピン143上に載置される。なお、ここでは説明の便宜から、図26および図27に示すように、旋回手段4bはその基板保持ステージ3bの基板保持面がセッティング位置10bで水平姿勢の状態で止まっており、しかも基板保持ステージ3bの下方にはリフトピンユニット33が重なるように位置しており、その基板保持面上に複数のリフトピン34が突出した状態で基板7を受け得る状態になっているものとする。なお、この状態においては、基板保持ステージ3aは塗布装置2a側に起き上がっている。
【0204】
(2) リフトピン34への基板7の移載
次に、複数のリフトピン143上に位置する処理前の基板7を、多関節水平ロボット141が、アクチュエータ部材147を基板7の中央部下方に侵入させ、上下移動部材でアクチュエータ部材147を上昇させて基板7をアクチュエータ部材147上に載置する。この状態で、アクチュエータ部材145を基板保持ステージ3bの上方位置で止めた後に、上下移動部材でアクチュエータ部材145を基板7と共に下降させて基板保持ステージ3bの複数のリフトピン34上に載置する。
【0205】
このとき、この多関節水平ロボット141は、処理前基板搬送経路6から基板保持ステージ3bの基板保持面上に、隣設配置された各塗布装置2a,2bにそれぞれ供給される基板方向(本実施形態では、基板塗布処理時の垂直姿勢の基板7の上下方向)が各塗布装置2a,2bで同一となるように処理前基板7を移送する。
【0206】
(3) 塗布装置2bでの塗布処理
続いて、リフトピンユニット33は、基板7が載置された複数のリフトピン34をゆっくりと下降させて基板保持ステージ3bの基板保持面上に基板7を載置すると共に、この基板保持面において、基板7のサイズに応じた基板外周縁部に対応した位置に沿って配設された複数のバキュームパッド(図示せず)による真空吸引処理を行って、基板7を水平姿勢のままで基板保持ステージ3bの所定位置にセッティングして保持状態とする。そして、基板保持ステージ3bが起き上がって塗布装置2bによる塗布処理が開始される。
【0207】
なお、塗布装置2bによる塗布処理が行われている間に、基板保持ステージ3aがセッティング位置10aに位置して次なる基板を塗布装置2aへセットする作業が為される。それと同時に、次の未処理基板7が前工程の装置から処理前基板搬送経路6の取込位置6aに水平搬送され、リフトピン143上に載置される。
【0208】
(4) リフトピン34への基板7の載置
次に、上記(2) の工程と同様にして、多関節水平ロボット141がリフトピン143上の基板7をリフトピン34の上に載置する。なお、この時にも、多関節水平ロボット141は、処理前基板搬送経路6から基板保持ステージ3aの基板保持面上に、隣設配置された各塗布装置2a,2bにそれぞれ供給される基板方向(本実施形態では、基板塗布処理時の垂直姿勢の基板7の上下方向)が各塗布装置2a,2bで同一となるように処理前基板7を移送する。
【0209】
(5) 塗布装置2aでの塗布処理および処理済み基板7の搬出
そして、(3) の工程と同様にして、塗布装置2aによる基板7への塗布処理を開始する。このとき、この実施形態4では、(4) の工程で多関節水平ロボット141による基板7の移載制御を行っているので、塗布装置2a,2bに供給されセッティングされる基板7の方向は常に同一になる。
【0210】
一方、塗布装置2aへの基板7のセッティング後に、塗布装置2bにおける乾燥処理が終了すると、基板保持ステージ3bがセッティング位置10bへ回動して処理済み基板7がリフトピン34上に載置される。なお、このときには基板保持ステージ3aはすでに基板のセットを終了して起立し、塗布装置2aによる塗布が開始されており、基板保持ステージ3bがセッティング位置10bへ回動下降しても問題はない。
【0211】
これに続いて、多関節水平ロボット141は受渡位置9aに設けられた複数のリフトピン143上に移載する。すなわち、この多関節水平ロボット141は、アクチュエータ部材147を基板7の中央部下方に侵入させ、上下移動部材でアクチュエータ部材147を上昇させて基板7をアクチュエータ部材147上に載置する。この状態で、第1アーム部材145および第2アーム部材146を基板保持ステージ3b側から処理済み基板搬送経路9の受渡位置9a側に、回動および伸縮させてアクチュエータ部材147を受渡位置9aの上方位置で止めた後に、上下移動部材でアクチュエータ部材147を基板7と共に下降させて受渡位置9aの複数のリフトピン143上に載置する。
【0212】
(6) 基板7のエッジリンス処理
受渡位置9aに搬送されてきた基板7については、上記実施形態1〜3と同様に、図26には示していないが、受渡位置9aに近接配置されたエッジリンス処理装置190によって基板7の塗布面側の端縁部分に所定の処理液を供給し、不要な塗布膜を取り除く。
【0213】
こうして、塗布処理およびエッジリンス処理を受けた基板7は、基板搬送経路9に沿って次の処理工程に搬送される。
【0214】
(7) 塗布装置2aからの処理済み基板7の搬出
そして、(2) の工程と同様にして取込位置6aに設けられたリフトピン143上の基板7をリフトピン34の上に載置した後、さらに(3) の工程と同様にして当該基板7を塗布装置2bにセットする。
【0215】
この塗布装置2bへの基板7のセッティング後に、塗布装置2aにおける乾燥処理が終了すると、(5) の工程と同様にして、塗布装置2aから処理済み基板7を搬出し、基板搬送経路9の受渡位置9aに設けられたリフトピン143上に移送する。
【0216】
なお、これと並行して、次の未処理基板7が前工程の装置から処理前基板搬送経路6の取込位置6aに水平搬送され、当該取込位置6aのリフトピン143上に載置される。
【0217】
(8) 基板7のエッジリンス処理
(7) の工程によって基板搬送経路9の受渡位置9aに設けられたリフトピン143に処理済み基板7については、上記実施形態1〜3と同様に、図26には示していないが、受渡位置9aに近接配置されたエッジリンス処理装置190によって基板7の塗布面側の端縁部分に所定の処理液を供給し、不要な塗布膜を取り除く。なお、この多関節水平ロボット141は、塗布装置2aで基板処理された基板7の下端縁部分が同一の方向を向くように搬送するため、塗布装置2a,2bのいずれから搬送されたのかを問わず、その下端縁部分をエッジリンス処理装置190によって同一箇所をエッジリンス処理することができる。
【0218】
こうして、塗布処理およびエッジリンス処理を受けた基板7は、基板搬送経路9に沿って次の処理工程に搬送される。
【0219】
本実施形態では、上記一連の処理ステップが繰り返されて基板7が順次処理(塗布処理+エッジリンス処理)を受ける。
【0220】
D-3.実施形態4による効果
上記のように、本実施形態4では塗布装置2a,2bの配列形態と、その配列形態の相違に基づく搬送姿勢が異なっている点を除き、基本的構成および動作は実施形態1と同一であるため、実施形態1と同様の効果が得られる。
【0221】
また、本実施形態4では、多関節水平ロボット141を用いてリフトピン143,34,143を搬送しているため、次のような特有の効果が得られる。すなわち、基板7を基板保持ステージ3a,3b上に移載する基板移載手段と、基板7と共に所定角度だけ回動させる基板回動手段と、この基板回動手段の基板載置部上と処理前基板搬送経路6の取込位置6aまたは処理済み基板搬送経路9の受渡位置9aに基板7を移送する上記シャトルアーム(図示せず)とに代えて、上記多関節水平ロボット141を配設するだけで、構成が大幅に簡単なものとなる。この場合にも上記実施形態3と同様に、設置スペースが一部共用化されて省スペースとすることができると共に、共用の一つのリフトピンユニット142で済み、また、片側だけから両塗布装置2a,2bに対するメンテナンスをそれぞれより容易に素早く行うこともできる。
【0222】
D-4.本実施形態4における変形例
なお、本実施形態4では、多関節水平ロボット141は、そのアクチュエータ部材147を、複数のリフトピン143で支持して浮せた状態の基板7の下側に侵入可能な所定厚みの板状平面で基板7を受けて載置可能な構成としたが、図28の平面図および図29の斜視図に示すように、複数のリフトピン143を用いない場合にも適応可能なL字状のアクチュエータ部材148を有する多関節水平ロボット141aとした場合である。この多関節水平ロボット141aのアクチュエータ部材148は、基板7の短辺と長辺を下方から受けて支持する基板載置部149と、この基板載置部149上の適所に複数配設された基板裏面外周縁部保持用のバキュームパッド150とを有している。
【0223】
E.その他
なお、上記実施形態1〜4では、基板回動手段160や、基板回動手段121aaa,121bbb、基板回動手段132を設けて、各塗布装置2a,2bへの基板セッティング方向を同一とするように構成することで、従来のように多面取りやタイトル表示などで生じる基板7の上下方向が逆になるという不都合やエッジリンス部分が異なってしまうという不都合などを解消している。しかしながら、これらの点が問題とならない場合には、これらの基板回動手段160や、基板回動手段121aaa,121bbb、基板回動手段132を設ける必要はなく、言うまでもないが、この場合にも、基板保持ステージ3a,3bが所定角度姿勢となる基板セッティングエリアであるセッティング位置を共用することで、設置スペースを共用することができると共に、システム全長の短縮化が可能でフットプリントの悪化や、システム全長によるレイアウト上の制約を解消することができる効果や、共用の一つのリフトピンユニットで済む効果は得られる。
【0224】
さらに、上記実施形態1〜4では、塗布装置2a,2bは基板搬送経路を介して対向配置されるか、または直角または鈍角をなす角度を有するように隣設配置するように構成したが、これらの対向配置は必ずしも正対している必要はなく、例えば互いに若干斜めを向いた状態で対向しているものでもよい。また、例えば対向配置した塗布装置2a,2bと、これとは別に直角または鈍角を有するように隣設配置した塗布装置2a,2bとを共に設けるようにすることもできるし、直角または鈍角を有するように隣設配置した塗布装置2a,2bに基板搬送経路を介して別の塗布装置を対向配設することもできて、上記実施形態1〜4の一部をそれぞれ組み合わせることができる。例えば図26に示す実施形態4の構成に対して、基板搬送方向をはさんで向い側に1台または2台の塗布装置を設けることより、1台の多関節水平ロボット141による基板搬送で塗布装置が3台または4台の運用も可能である。
【0225】
【発明の効果】
以上のように、請求項1乃至請求項4に記載の発明によれば、各基板処理装置が対向配置され、この対向配置された各基板処理装置に対してそれぞれ各旋回手段がそれぞれ、基板保持ステージが所定角度姿勢となる基板セッティングエリアを共用するようにそれぞれ配置されるため、設置スペースの共用化で省スペースとすることができると共に、システム全長の短縮化も可能でフットプリントの悪化や、システム全長によるレイアウト上の制約をも解消することができる。
【0226】
また、請求項5乃至請求項10に記載の発明によれば、各基板処理装置が所定角度をなすように隣設され、この隣接配置された各基板処理装置に対してそれぞれ各旋回手段がそれぞれ、基板保持ステージが所定角度姿勢となる基板セッティングエリアを共用するようにそれぞれ配置されるため、設置スペースの共用化で省スペースとすることができると共に、基板処理装置を鈍角または直角に隣接配置した分だけ、システム全長の短縮化が可能でフットプリントの悪化や、システム全長によるレイアウト上の制約をも解消することができる。また、各基板処理装置が鈍角または直角に隣設させてクラスター的配置となっているため、搬送経路を介さずに片側だけから各基板処理装置に対するメンテナンスをそれぞれ容易に素早く行うことができる。
【0227】
さらに、請求項13に記載の発明によれば、各基板処理装置が対向配置された場合や、各基板処理装置が鈍角または直角に隣設した場合において、基板保持ステージの基板セッティングエリアが共用であるため、基板処理ステージに貼りついた基板を容易に剥がすことができる共用の一つのリフトピンユニットで済み、部品点数が少なくなって故障の確率も低下すると共に低コストとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1の基板処理システムの概略要部構成を示す一部断面図である。
【図2】 図1の基板処理システムの概略要部構成を模式的に示す平面図である。
【図3】 図1の旋回手段の基板保持ステージを塗布装置にセッティングした状態を模式的に示す基板処理システムの一部側面図である。
【図4】 トグルクランプ機構が取付られた状態を示す図3のE部の拡大図である。
【図5】 図1の旋回手段の旋回駆動手段およびステージ移動手段の動作を説明するための概略要部構成を模式的に示す斜視図である。
【図6】 図1の旋回手段における回動制御の一例を模式的に示す制御構成図である。
【図7】 図2の基板移載手段8の概略要部構成を模式的に示す一部斜視図である。
【図8】 本発明の基板回動手段の概略要部構成を模式的に示す斜視図である。
【図9】 図8における基板センタリング制御の構成を示すブロック図である。
【図10】 (a)〜(c)は図1の基板処理システムの動作を示す図である。
【図11】 (a)〜(c)は図1の基板処理システムの動作を示す図である。
【図12】 (a),(b)は図1の基板処理システムの動作を示す図である。
【図13】 図9に対する変形例であって、(a)は基板に対するエッジ検知位置を示す図、(b)は基板とエッジ検知位置とが左側で全て外れた場合の図、(c)は基板とエッジ検知位置とが左側で1つ外れた場合の図、(d)は図13(a)〜図13(c)に対する変形例で、エッジ検知位置に対する基板の移動制御を示す図ある。
【図14】 図8の基板回動手段におけるセンタリング機構がメカニカル機構の場合を示す斜視図である。
【図15】 図8および図14に対する変形例であって、クールプレートを用いる場合の概略構成を模式的に示す斜視図である。
【図16】 本発明の実施形態2の基板処理システムの概略要部構成を模式的に示す平面図である。
【図17】 図16の基板処理システムの概略要部構成を模式的に示す斜視図である。
【図18】 図16の変形例を模式的に示す平面図である。
【図19】 図18の変形例の斜視図である。
【図20】 本発明の実施形態3の基板処理システムの概略要部構成を模式的に示す平面図である。
【図21】 図20の基板処理システムの概略要部構成を模式的に示す斜視図である。
【図22】 図20の第1変形例を模式的に示す平面図である。
【図23】 図22の変形例の斜視図である。
【図24】 図20の第2変形例を模式的に示す図であって、塗布装置2bに基板受渡しする場合の平面図である。
【図25】 図24の変形例の斜視図である。
【図26】 本発明の実施形態4の基板処理システムの概略要部構成を模式的に示す平面図である。
【図27】 図26の基板処理システムの概略要部構成を模式的に示す斜視図である。
【図28】 図26の変形例を模式的に示す平面図である。
【図29】 図28の変形例の斜視図である。
【図30】 仮想の従来技術における塗布システムの要部構成を模式的に示す正面図である。
【符号の説明】
1 基板処理システム
2a,2b 塗布装置
3a,3b 基板保持ステージ
4a,4b 旋回手段
6 処理前基板搬送経路
6a 取込位置
6x 入口側基板待機位置
7 基板
8a 処理前基板移載手段
8b 処理済み基板移載手段
9 処理済み基板搬送経路
9a 受渡位置
9x 出口側基板待機位置
10a,10b セッティング位置
109,120,140 基板処理システム
110a,110b 搬送旋回アーム
121a 処理前基板移載手段
121b 処理済み基板移載手段
121aa,121bb 基板載置部
133,133a 基板水平搬送ロボット
141,141a 多関節水平ロボット
142 リフトピンユニット
143 リフトピン
160,121aaa,121bbb,132 基板回動手段
190 エッジリンス処理装置

Claims (13)

  1. 処理前基板搬送経路を所定搬送角度姿勢で搬送されてきた処理前基板を基板処理装置の基板処理位置上に移送して垂直または傾斜姿勢で基板処理すると共に、この基板処理装置で基板処理された処理済み基板を前記基板処理装置の基板処理位置から処理済み基板搬送経路に移送する基板処理システムにおいて、
    前記基板処理装置が対向配置され、
    この対向配置された各基板処理装置に対して、基板を保持する基板保持ステージの基板保持面が軸支部を回動中心として所定角度姿勢と垂直または傾斜姿勢の何れかになるように前記基板保持ステージを回動自在な各旋回手段が、前記基板保持ステージが前記所定角度姿勢となる基板セッティングエリアを共用するように配置され、
    前記処理前基板搬送経路上の基板を前記所定角度姿勢の基板保持ステージの基板保持面上に移送すると共に、前記基板処理装置で基板処理された処理済み基板を前記所定角度姿勢の基板保持ステージから前記処理済み基板搬送経路上に移送する基板移載手段が配置された基板処理システム。
  2. 前記処理前基板搬送経路から移載され、前記対向配置された各基板処理装置のうち一方に供給される基板のみ180度方向転換させる第1基板回動手段を更に備え、
    前記基板移載手段は、この第1基板回動手段を介して前記処理前基板搬送経路上の基板を前記所定角度姿勢の基板保持ステージの基板保持面上に基板を移送すると共に、前記基板処理装置で基板処理された処理済み基板を前記所定角度姿勢の基板保持ステージから前記処理済み基板搬送経路上に移送する請求項1に記載の基板処理システム。
  3. 前記処理済み基板搬送経路上に移送される基板であって、前記第1基板回動手段によって180度方向転換された基板のみを、さらに180度方向転換させて元に戻す第2基板回動手段を更に備え、
    前記基板移載手段は、前記第1基板回動手段から前記所定角度姿勢の基板保持ステージの基板保持面上に処理前基板を移送すると共に、前記基板処理装置で基板処理された処理済み基板を前記所定角度姿勢の基板保持ステージから前記第2基板回動手段を介して前記処理済み基板搬送経路上に移送する請求項2に記載の基板処理システム。
  4. 前記対向配置された各基板処理装置のいずれかから前記所定姿勢の基板を受け入れて保持する第1の受入手段と、
    該第1の受入手段から基板を受け入れて保持する第2の受入手段と、
    前記第2の受入手段に保持される基板のうち、前記対向配置された各基板処理装置のうち一方の基板保持ステージから移載される基板のみを、前記第2の受入手段を回動させることにより180度方向転換させる基板回動手段を更に備え、
    前記第1及び第2の受入手段は、前記基板移載手段として、前記処理前基板搬送経路から前記所定角度姿勢の基板保持ステージの基板保持面上に基板を移送すると共に、前記基板処理装置で基板処理された処理済み基板を前記所定角度姿勢の基板保持ステージから前記基板回動手段を介して前記処理済み基板搬送経路上に移送する請求項1に記載の基板処理システム。
  5. 処理前基板搬送経路を所定搬送角度姿勢で搬送されてきた処理前基板を基板処理装置の基板処理位置上に移送して垂直または傾斜姿勢で基板処理すると共に、この基板処理装置で基板処理された処理済み基板を前記基板処理装置の基板処理位置から処理済み基板搬送経路に移送する基板処理システムにおいて、
    前記基板処理装置が所定角度をなすように隣設され、
    この隣設された各基板処理装置に対して、基板を保持する基板保持ステージの基板保持面が軸支部を回動中心として所定角度姿勢と垂直または傾斜姿勢の何れかになるように前記基板保持ステージを回動自在な各旋回手段が、前記基板保持ステージが前記所定角度姿勢となる基板セッティングエリアを共用するように隣設され、
    前記処理前基板搬送経路上の基板を前記所定角度姿勢の基板保持ステージの基板保持面上に移送すると共に、前記基板処理装置で基板処理された処理済み基板を前記所定角度姿勢の基板保持ステージから前記処理済み基板搬送経路上に移送する基板移載手段が配置された基板処理システム。
  6. 前記各基板処理装置がなす所定角度は、鈍角又は直角である請求項5に記載の基板処理システム。
  7. 所定姿勢で搬送された基板を受け入れて保持する第3の受入手段と、
    該第3の受入手段を回動させることにより該第3の受入手段により保持した基板を当該基板面内において回動可能な基板回動手段と、
    該第3の受入手段から基板を受け入れて保持する第4の受入手段とを更に備え、
    前記各旋回手段のうち一方の旋回手段は、前記第4の受入手段から基板を受け取り、前記各基板処理装置のうちの一方の基板処理装置に対して、当該受け取った基板が垂直または傾斜姿勢の何れかになるように前記基板保持ステージを回動させ、前記各旋回手段のうち他方の旋回手段は、前記第4の受入手段から基板を受け取り、前記各基板処理装置のうちの他方の基板処理装置に対して、当該受け取った基板が垂直または傾斜姿勢の何れかになるように前記基板保持ステージを回動させるものであり、
    前記基板回動手段は、前記第3の受入手段により保持した基板の搬送先が、前記一方又は他方の旋回手段のいずれであるかに応じて、当該基板の搬送先である旋回手段の配置に応じた回動角度だけ、当該基板を回動させる請求項5又は請求項6に記載の基板処理システム。
  8. 前記処理前基板搬送経路から移載され、前記隣設配置された各基板処理装置にそれぞれ供給される基板方向が同一となるように回動させる基板回動手段を更に備え、
    前記基板移載手段は、この基板回動手段を介して前記処理前基板搬送経路上の基板を前記所定角度姿勢の基板保持ステージの基板保持面上に移送すると共に、前記基板処理装置で基板処理された処理済み基板を前記所定角度姿勢の基板保持ステージから前記処理済み基板搬送経路上に移送する請求項5又は請求項6に記載の基板処理システム。
  9. 前記処理前基板搬送経路から移載され、前記隣設配置された各基板処理装置にそれぞれ供給される基板方向が同一となるように回動させる第1基板回動手段と、
    前記隣設された各基板処理装置の前記基板保持ステージから移載される基板の方向が同一となるように回動させる第2基板回動手段とを更に備え、
    前記基板移載手段は、前記第1基板回動手段を介して前記所定角度姿勢の基板保持ステージの基板保持面上に前記処理前基板搬送経路上の処理前基板を移送すると共に、前記基板処理装置で基板処理された処理済み基板を前記所定角度姿勢の基板保持ステージから前記第2基板回動手段を介して前記処理済み基板搬送経路上に移送する請求項5又は請求項6に基板処理システム。
  10. 前記隣接された各基板処理装置のいずれかから前記所定姿勢の基板を受け入れて保持する第1の受入手段と、
    該第1の受入手段から基板を受け入れて保持する第2の受入手段と、
    前記第2の受入手段により保持した基板の搬送元が、前記隣接された各基板処理装置のいずれであるかに応じて、当該基板の搬送元である基板処理装置の位置関係に応じた回動角度だけ、前記第2の受入手段を回動させることで、前記第2の受入手段によって保持された基板を回動させる基板回動手段とを更に備え、
    前記第1及び第2の受入手段は、前記基板移載手段として、前記処理前基板搬送経路上の基板を前記所定角度姿勢の基板保持ステージの基板保持面上に移送すると共に、前記基板処理装置で基板処理された処理済み基板を前記所定角度姿勢の基板保持ステージから前記基板回動手段を介して前記処理済み基板搬送経路上に移送する請求項5又は請求項6に記載の基板処理システム。
  11. 前記処理済み基板搬送路上に移送された基板に対して後処理を施す 後処理手段を更に備えた請求項3、請求項4、請求項9又は請求項10のいずれかに記載の基板処理システム。
  12. 前記後処理手段は、前記処理済み基板搬送路上に移送された基板に対して基板端縁処理を行う基板端縁処理手段である請求項11に記載の基板処理システム。
  13. 前記基板移載手段は、前記基板保持ステージの基板保持面に対して出退自在な複数のリフトピンが設けられたリフトピンユニットと、これらの複数のリフトピン上と処理前基板搬送経路上または処理済み基板搬送経路上との間で基板を移送する基板移送手段とを有する請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の基板処理システム。
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