JP3776303B2 - アイロン台に付設されるプレス装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アイロン台本体の側部にキリンと呼ばれる回動アームによって支持される馬と呼ばれる仕上げ台によって構成される補助仕上げ台を設けた既存のアイロン台に、仕上げ台或いは回動アームを取外してその着装部にプレス装置機構を取付け、その機能を活用しながらアイロン台の側部に付設するようにしたプレス装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、婦人被服の縫製仕上げやクリーニングの仕上げセット作業は、大部分をアイロンによって行い、一部分をプレス作業によって行なうのみであった。
【0003】
プレス機による仕上げは、比較的技術力のない作業員でも迅速且つ画一的に処理できるのに対し、アイロン仕上げの場合は作業員の技術力によって仕上げに差が生じるため熟練を要するが、そこに技術力が発揮されるので微妙な細部の最終仕上げはアイロンによるべきものとされている。
【0004】
このようなアイロン仕上げを、より完全なものにするためには平台のみのアイロン台では、袖、肩、衿などの曲面仕上げができないため、アイロン台本体の側部にキリンと呼ばれる回動アームによって支持される馬と呼ばれる補助仕上げ用サクションボードを設けたアイロン台が用いられるようになってきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アイロンのみの仕上げでは、作業員の体力の消耗が激しく能率面でも問題があり、プレス機による仕上げのみでは仕上がりが粗雑になり、需要者の要求に適応できないという問題があった。
【0006】
また、プレス機による仕上げとアイロン仕上げを適宜組み合わせて行なうことは、プレス機が比較的大型なものである関係上、作業スペース、作業員の移動関係から適切な対応が不可能であり、プレス機かアイロンかどちらかに偏らざるを得ないこととなっている。
【0007】
更に、クリーニング業界においては、ドライクリーニング溶剤(フロン系、塩素系、石油系)が環境規制により、その使用が厳しく制限されて水洗いに主眼が置かれることになり、アイロン仕上げだけでは対応できずプレス仕上げを重視せざるを得ないこととなって、プレス機による仕上げとアイロン仕上げを適宜組み合わせる必要が大きくなっている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上の課題に対応するもので、アイロン台の側部に設けられる補助仕上げ台の機能を利用して、この既存のアイロン台に簡易に着脱できるプレス装置を提供することにより、プレス機による仕上げとアイロン仕上げを適宜組み合わせて行なうことができるようにしたものである。
【0009】
すなわち、既存のアイロン台の側部に設けられている既存の回動アームEから補助仕上げ台Bを取外し、取外した補助仕上げ台Bの着装部E1に補助仕上げ台Bに代えて下ゴテ3を装着し、既存の回動アームEの基部E2に先端に上ゴテ2を装着し上下垂直駆動による開閉加圧駆動機構(図示しない。)を備えた駆動アーム1を取付けて付設するようにして既存の回動アームEの機能を利用するようにした。
【0010】
更に、回動アームEを取外して、取外した回動アームEの着装部に回動アームEに代えて着装可能に構成した着装部を有する着装支持体4をプレス装置に対応して構成し、その基部側に回動駆動若しくは上下垂直駆動による開閉加圧駆動機構を備え、先端部に上ゴテを装着した駆動アーム、着装支持体4の先端側に前記着装支持体を介して前記既存の回動アームのバキューム機構に連通する下ゴテを設けることによってアイロン台の側部に着脱可能にプレス装置を構成したものである。
【0011】
本発明によるプレス装置は、補助仕上げ台の着装部に取付けられることにより、補助仕上げ台のキリンによる回動、バキュウム等の機能をそのままプレス装置に利用して、作業スペースの有効利用をはかるようにしたものである。
【0012】
【発明の実施の態様】
以下、図面に従って本発明の図2の実施例を説明する。1は駆動アーム本体で、その基部に設けられた取付部13によって既存アイロン台の回動アームEの着装基部に取付けられ、該取付部13に設けた支軸15によって回動可能に支持されて、これを支点としての回動によって、上ゴテ取付機構11によって先端部に取付られた上ゴテ2が、補助仕上げ台Bを取外した既存の回動アームEの補助仕上げ台着脱部E1に着合して取付けられた下ゴテ3に対して開閉するように構成されている。また、駆動アーム1の後部側には、駆動アーム1を上下に回動駆動するシリンダー機構12が設けられている。
【0013】
なお、駆動アーム1の後部を屈曲させることなく下部を取付部13に設けたシリンダー機構によって上下動可能に支持し、これによって上ゴテ2が下ゴテ3に対して上下開閉するように構成しても良い。
【0014】
上ゴテ2は、図示では直方体に形成されているが、作業環境に対応した適宜形状により内部を空洞に構成するもので、上半部はスチームが直接充填される加熱チャンバー21、下半部はスチーム噴射室22となっており、スチーム噴射室22の底面には複数の通孔23、23、・・が設けられ、この通孔23、23、・・を通じてスチーム噴射が行なわれるようになっている。
【0015】
加熱チャンバー21の側部には、高圧蒸気スチーム供給管24が配設され、このスチーム供給管24に供給されるスチームはチーズ25によって二分されて一方は電磁弁26を介して支管27が加熱チャンバー21を貫通してスチーム噴射室22に連絡し、他方が加熱チャンバー21に供給されるようになっている。
【0016】
シリンダー機構12による駆動アーム1の開閉作動、スチーム供給管24の作動、電磁弁26の操作等は、アイロン台本体Aに設けられた操作パネルGに予め組み込んでフットペダルFの踏込み操作によって行なえるようにする。
【0017】
下ゴテ3は、上ゴテ2の形状に対応した形状により内部が空洞に構成され、上面に複数の通孔31、31、・・が設けられ、この通孔31、31、・・を通じてバキューム作動が行なわれるようになっており、下部は回動アームEの先端部に着合する取付部32となっている。
【0018】
回動アームEを取外し、これに代えてプレス装置に対応する独自の構造に構成した着装支持体4を用いる場合には、下ゴテ3は着装支持体4に設定され、着装支持体4の回動アームEの着装部E2に着装可能に構成した着装部41が直接アイロン台Aに内蔵されるバキューム経路に連結され、着装支持体に設けられたバキューム経路を通じてバキューム作動が行なわれるようになっている。
【0019】
回動アームEを利用する場合、回動アームEのバキューム経路が着装部E2を通じて本体Aのバキューム経路に連通しており、アイロン台本体Aに内蔵されるファンCの駆動により通孔31、31、・・に吸気バキューム作動或いはファンCの切替え作動によりエアーの吹き上げ作動を与える。
【0020】
図1は、本発明によるプレス装置を付設する既存のアイロン台を示すもので、本体Aの上部にはメーンの作業を行なう平台Dとなっており、その側部に補助仕上げ台Bが設けられている。
【0021】
補助仕上げ台B(馬)は、回動アーム(キリン)Eの連結回動部E1、E2により平台Dの上部で任意の位置に回動できるようになっており、メーンの作業を行なう場合には、邪魔にならない位置に回動しておき、必要な場合に引き寄せて使用するものである。
【0022】
補助仕上げ台B(馬)は、袖部用、肩部用など多くの種類が用意され、回動アーム(キリン)Eに対して着脱可能に構成されているので、本発明によるプレス装置を付設する場合には、補助仕上げ台B(馬)を取外し、その着装部E1に下ゴテ3を取付け、回動アーム(キリン)Eの基部に上ゴテ2の駆動アーム1を着装するようにする。
【0023】
着装支持体4を用いる場合には、回動アーム(キリン)Eを取外し、その着装部E2に着装支持体4が着装されるので、着装支持体4のバキューム経路がアイロン平台Dのバキューム経路E2と連通するようになる。
【0024】
これにより、着装支持体4はアイロン台の平台D上における補助仕上げ台B(馬)と同一の回動運動を行なうことができ、アイロン加工作業を行なう場合には、プレス装置を回動させておき、必要な場合に引き寄せて使用することができるようにしたものである。
【0025】
アイロン平台DやボードBによって作業する場合には、ファンCの駆動によりボード面にエアー作動を用いることはできるが、スチームブローは全て手作業によるアイロンによって行なわれることになるので、アイロン台Aのみによって作業する場合には、手作業による作業スピードしか得ることができない。
【0026】
そこで、本発明によるプレス装置を付設することにより、適合部分についてスチームブローとバキューム作動を上下のコテによって一挙に行なって作業スピードを挙げ、必要な部分についてのみ、同一アイロン台において手作業によるアイロン加工を行なうことができるものである。
【0027】
以上のように構成された本発明によるプレス装置を使用する場合には、電源スイッチを入れるとエアー電磁弁が開いてシリンダー12により駆動アーム1を開き、下ゴテ3にプレス加工品Wのプレス加工パーツ部を被着し、アイロン台AのフットペダルFを操作してバキュームファンCを作動させると着装支持体4に連結するバキューム経路に負圧が発生し、その吸引力によってプレス加工品Wは通孔31、31、・・を通じて下ゴテ3上に吸着固定される。
【0028】
次いで、フットペダルFを操作してシリンダー12により上ゴテ2を駆動アーム1の操作によって下降させて上ゴテ2と下ゴテ3を圧着させ、電磁弁26を操作して通孔23、23・・を通じてスチーム噴射を行ない、一挙に加工品Wのスチームブローと加圧を行なう。
【0029】
下ゴテ3上にプレス加工品Wが圧着されると、電磁弁26が働いてスチーム噴射が自動的に行なわれ、タイムアップにより停止し、フットペダルFを操作してバキュームファンCをエアー吹き上げに切替えて、プレス加工部のスチームを抜くとともに加工部の冷却が行われ、上ゴテ2が上昇してプレス加工品を取り出して工程を終わる。
【0030】
なお、実施例では、プレス加工の蒸気噴射を上ゴテから行っているが、プレス加工の蒸気噴射は下ゴテから行っても良い。
【0031】
【図面の簡単な説明】
【図1】既存のアイロン台と補助仕上げ台の例を示す全体斜視図
【図2】本発明の実施例によるアイロン台付設プレス装置の部分拡大側面図
【図3】本発明の他の実施例によるアイロン台付設プレス装置の部分拡大側面図
【図4】同じく、上ゴテの内部構造を示す側部を断面とした上ゴテの全体拡大斜視図
【図5】同じく、下ゴテの機構構造を示す、構造部の全体側断面図
【符号の説明】
1 駆動アーム本体
11 上ゴテ取付機構
12 シリンダー機構
13 駆動アームの取付部
14 駆動アームの下端
15 駆動アームの支軸
16 取付機構への上ゴテ取付部
2 上ゴテ
21 加熱チャンバー
22 スチーム噴射室
23 スチーム噴射室底面の複数の通孔
24 スチーム供給管
25 チーズ
26 スチーム供給電磁弁
27 スチーム供給支管
28 排出管
3 下ゴテ
31 下ゴテ上面の複数の通孔
32 着装支持体への下ゴテ取付部
4 着装支持体
41 着装支持体の回動アーム装着部への着装部
A アイロン台
B 補助仕上げ台
C バキュームファン
D アイロン台の平台
E 補助仕上げ台の回動アーム
E1 回動アームの補助仕上げ台着装部
E2 アイロン台の回動アーム着装部
F フットペダル
G アイロン台の操作パネル
W プレス加工品

Claims (2)

  1. アイロン台上の側部に水平方向に回動する回動アームが設けられ、その回動アームの先端に補助仕上げ台を着脱可能に着装した既存のアイロン台において、補助仕上げ台を取外した既存の回動アームの補助仕上げ台着脱部に下ゴテを取付けて、下ゴテが回動アームを介してアイロン台のバキューム機構に連通するようにすると共に、既存の回動アームのアイロン台への着装基部に、スチーム噴射機構を備えた上ゴテを先端部に装着した駆動アームの基部を取付け、駆動アームを開閉駆動する開閉加圧駆動機構を駆動アームに設けて成るアイロン台に付設されるプレス装置
  2. アイロン台上の側部に水平方向に回動する回動アームが設けられ、その回動アームの先端に補助仕上げ台を着脱可能に着装した既存のアイロン台において、前記既存の回動アームを取外した既存のアイロン台の回動アーム着装部に着装支持体の基部を嵌着して、着装支持体の基部上に基部を開閉可能に枢支され、スチーム噴射機構を備えた上ゴテを先端部に装着した駆動アームと、駆動アームを開閉駆動する開閉加圧駆動機構を装着すると共に、該着装支持体の先端部に下ゴテを設けて該下ゴテが着装支持体を介してアイロン台のバキューム機構に連通するように構成したアイロン台に付設されるプレス装置
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