JP3775579B2 - レンズメータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、メガネ(眼鏡)の左右の眼鏡レンズの屈折特性を2つの測定光学系で個々に測定できるようにしたレンズメータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のレンズメータは、本体ケースの前面の上部及び下部に上下に間隔を置いて突設された上収納突部及び下収納突部と、この下収納突部の上面に設けられた一つのレンズ受と、左右に延び且つレンズ受に対して前後に移動操作可能に本体ケースに装着されたレンズテーブルと、レンズテーブルに左右動可能且つ上下動可能に装着された鼻当支持部材と、レンズ受に載置されるレンズの屈折特性を測定する測定光学系を有するものが知られている。このレンズメータにおいて測定光学系は、本体ケース及び上収納突部内に設けられた照明光学系と、下収納突部及び本体ケース内に設けられた受光光学系を備えている。
【0003】
そして、このレンズメータにおいては、メガネの鼻当を鼻当支持部材に支持させると共にメガネフレームの左右のレンズ枠をレンズテーブルの前面に当接させて、鼻当支持部材を左右及び上下に移動操作すると共にレンズテーブルを前後に移動操作して、左右の眼鏡レンズの一方をレンズ受に当接させ、測定光学系により一方の眼鏡レンズの屈折特性を測定するようにしている。また、他方の眼鏡レンズを測定する場合には、他方の眼鏡レンズをレンズ受に当接するようにメガネフレームを上述と同様に移動操作していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のレンズメータでは、左右の眼鏡レンズを測定する場合、一つのレンズ受に対して眼鏡レンズを入れ替えて当接支持させる必要があり、面倒であった。
【0005】
これを解消するものとしては、メガネの左右の眼鏡レンズを測定する光学系を一対設けることが考えられる。この場合、各受光光学系の測定光軸上においては、眼鏡レンズの正確な屈折特性を測定するために、眼鏡レンズの下面と受光光学系の受光手段までの距離を一定にする必要がある。
【0006】
そこで、この発明は、メガネの左右の眼鏡レンズを測定する光学系を一対設けても、各受光光学系の測定光軸上において眼鏡レンズの下面と受光光学系の受光手段までの距離を簡易な構成で一定にして、眼鏡レンズの正確な屈折特性を測定することができるレンズメータを提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、請求項1の発明のレンズメータは、メガネの左右の眼鏡レンズがそれぞれ載置可能に設けられた左右一対のレンズ受と、前記一対のレンズ受に載置される眼鏡レンズの屈折特性をそれぞれ測定可能な左右一対の測定光学系を備えるレンズメータであって、前記左右の測定光学系の光路途中には前記レンズ受がそれぞれ配設され、且つ前記各レンズ受は前記眼鏡レンズを点で支持可能な先端部を有することにより、前記左右の眼鏡レンズが左右一対のレンズ受により2点で支持可能に設けられていると共に、前記左右のレンズ受間には左右方向の中央に位置させて前記メガネの鼻当を支持する鼻当支持部材が配設され、前記メガネの鼻当を前記鼻当支持部材に支持させ且つ前記メガネの左右の眼鏡レンズを前記左右のレンズ受に支持させた状態で、前記左右一対の測定光学系の光軸に対して互いに接近する方向に移動して、前記メガネの左右の眼鏡レンズを前後から挟持可能な保持部材が設けられていることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2の発明のレンズメータは、請求項1に記載のレンズメータにおいて、前記保持部材は前記左右一対の測定光学系の光軸に対して互いに接近する方向に同量移動可能に一対設けられていることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態1】
以下、この発明の実施の形態1を図面に基づいて説明する。
[構成]
<装置本体>
図1は本発明に係わるレンズメーターの外観図である。その図1において、1は装置本体(本体ケース)である。この装置本体1は、上部筐体部2と下部筐体部3及びこれらを連設している連設筐体部4から側面形状が略コ字状に形成されている。この上部筐体部2と下部筐体部3との間は、メガネ(眼鏡)5のセット空間6とされている。
<メガネ>
このメガネ5は、本実施例では、メガネフレームMF、メガネフレームMFの左右のレンズ枠LF,RFに枠入れされた眼鏡レンズLL,RLと、左右のレンズ枠LF,RFを連設しているブリッジBと、左右のレンズ枠LF,RF等に設けられる鼻当(図示せず)と、左右のレンズ枠LF,RFに設けられたテンプルLT,RTを有する。
【0011】
また、下部筐体部3の上壁7には左右両端部まで延びる開口8が図1,図3に示したように形成されている。この上壁7は、開口8により前側上壁部7aと後側上壁7bに分けられている。この開口8の左右の下方には、図3に示したレンズ受機構80が配設されている。
<レンズ受機構80>
このレンズ受機構80は、左側レンズ受機構80Lと右側レンズ受機構80Rを有する。このレンズ受機構80は、上述の下筐体部3内に収容される。また、左側レンズ受機構80Lと右側レンズ受機構80Rは構成が同一であるので、同じ符号を付して、一方の構成についてのみ説明する。
【0012】
この左側レンズ受機構80Lは、回転出力軸81aが鉛直(上下)に向けられた駆動モータやロータリーソレノイド等の駆動装置(駆動手段)81と、出力軸81aの上端部に設けられた回転台82と、回転台82上に鉛直方向(上下方向)に向けて取り付けられた昇降手段83と、昇降手段83により昇降駆動される支持軸84と、支持軸84の上端部に水平方向に向けて取り付けられたアーム85と、アーム85の先端部に上方に向けて鉛直に取り付けられた棒状のレンズ受軸(レンズ受)86を有する。このレンズ受軸86の上端部には半球状のレンズ受部86aが形成されている。
【0013】
このレンズ受機構80L,80Rのレンズ受軸86,86の上端の高さは同じに設定されている。即ち、レンズ受機構80L,80Rの半球状のレンズ受部86a,86aの上端の高さは同じに設定されている。
【0014】
尚、昇降手段83としては、油圧シリンダやソレノイド或いは駆動モータとネジを用いた送り機構等を用いることができる。
<レンズ押さえ機構>
このレンズ受軸86,86上に支持された眼鏡レンズLL,RLは、図1,図2,図5に示したレンズ押さえ機構13により押さえられる様になっている。
【0015】
このレンズ押さえ機構13は、図2に示したように下筐体部3の側壁3a,3aの内壁面に前後に向けて水平に固定されたガイドレール14,14と、ガイドレール14,14上に両端部が前後動自在に保持されたカム部材15を有する。また、レンズ押さえ機構(レンズ保持手段)13は、図5に示したように、一方のカム部材14の後部に一体に設けられたラック16と、ラック16に噛合させられたギヤ17と、ギヤ17と一体に設けられ且つ図1に示したように側壁3aに回転自在に保持された支持軸18と、支持軸18に取り付けられた操作レバー19を有する。
【0016】
更に、レンズ押さえ機構13は、図5に示したように、後上壁7bに取り付けられたブラケット20と、ブラケット20の下端部に保持された軸保持部材21と、軸保持部材21に上下動自在保持され且つ後上壁7bを上下に貫通する支持軸22と、軸保持部材21と後上壁7bとの間に位置して支持軸22に一体に形成されたフランジ22aと、フランジ22aと後上壁7bとの間に介装されて支持軸22を下方にバネ付勢しているコイルスプリング(付勢手段)23を有する。また、レンズ押さえ機構13は、支持軸13の上端部に前後に延びる水平軸線を中心に回転自在に保持された回動支持軸24と、回動支持軸24の前端部に一体に設けられたコ字状の支持部材25と、支持部材25の両側の支持軸部25a,25aに下方に向けて保持されたレンズ押さえ軸(レンズ押さえ部材)26,26を有する。このレンズ押さえ軸26,26は、ゴム・合成樹脂等の眼鏡レンズが傷つかない材料から形成されている。
【0017】
操作レバー19が図1の如く起立している状態では、カム部材15が図5の位置にあって、レンズ押さえ軸26,26が図3の如く上方に大きく離反させられている。そして、操作レバー9を図1の矢印27の如く手前側に倒すことにより、ギヤ17がラック16を図5中右方に移動変位させ、カム部材15がラック16と一体に右方に変位して、支持軸22,支持部材25及びレンズ押さえ軸26,26がコイルスプリング23のバネ力により下方に変位させられる。
<メガネフレーム保持機構>
また、装置本体1には、レンズ受9L,9Rに眼鏡レンズLL,RLがそれぞれ支持されたメガネ5のメガネフレームMFを保持するフレーム保持機構が設けられている。
【0018】
このフレーム保持機構は、フレーム前後方向位置決機構(レンズ枠前後方向位置決機構)と、フレーム保持部材29の左右方向中間部に取り付けられた鼻当支持機構30(図8参照)を有する。
(フレーム前後方向位置決機構)
このレンズ枠位置決機構は、左右に延び且つ前側上壁部7aと後側上壁7b上に配設された一対のフレーム保持部材(レンズ保持部材、レンズ枠保持部材)28,29を有する。
【0019】
また、前側上壁部7aの左右の部分には、図1に示したように前後方向に延びるスリット31,31が形成されている。このスリット31には図6,図7に示したようにフレーム保持部材28と一体の可動部材32が挿通されている。同様に後側上壁7bにも図6,図7に示したようにスリット33が形成され、スリット33には図6,図7に示したようにフレーム保持部材29と一体の可動部材34が挿通されている。
【0020】
また、下筐体部3内の両側には、前後に延び且つ可動部材32,34を貫通するガイド軸35,35が配設されている。このガイド軸35,35は下筐体部3に図示しない位置で固定されている。しかも、可動部材32,34は、これらの間に介装した引張りコイルスプリング36により、互いに接近する方向にバネ付勢されている。この一方のガイド軸35には、可動部材32,34間に位置して一対のスライド部材37,38が軸線方向に進退移動可能に保持されている。
【0021】
また、側壁3aには、駆動モータ(駆動手段)39が固定され、この駆動モータ39により回転駆動される駆動軸40には軸線方向に間隔をおいて左ネジ部40a及び右ネジ部40bが形成され、左ネジ部40aはスライド部材37を貫通した状態で螺着され、右ネジ部40bはスライド部材38を貫通した状態で螺着されている。
【0022】
この左ネジ部40a及び右ネジ部40bの作用により、駆動軸40が正回転するとスライド部材37,38は互いに同量接近し、駆動軸40が逆回転するとスライド部材37,38は互いに同量離反するようになっている。
(鼻当支持機構30)
鼻当支持機構30は、図9の如くフレーム保持部材29の左右方向中央に取り付けられた支持軸41と、支持軸41に上下回動可能に保持された回動板42と、図9,図10の如く支持軸41に捲回され且つ回動板42を上方に回動付勢しているネジリコイルバネ43と、図11の如く回動板42の先端部に保持された支持軸44と、図11,図12の如く支持軸44に回動自在に保持された鼻当支持部材45と、支持軸44に捲回され且つ鼻当支持部材45を上方に回動付勢しているネジリコイルバネ46を有する。
【0023】
鼻当支持部材45は、図12(b)に示したように左右の側面45a,45aが下方に向かうに従って拡開するようなテーパ状のもの、或いは図12(c)に示したような蒲鉾状のものを用いることができる。この鼻当当接部材45に、メガネ5の左右のレンズ枠LF,RFの鼻当NP,NPが当接支持される。そして、この鼻当支持部材45にメガネ5の鼻当NP,NPを支持させることにより、メガネ5のブリッジBを装置本体1の左右方向の中央に位置させて、このメガネ5の眼鏡レンズLL,LRを装置本体1の左右に位置する左右一対の測定光学系SL,SR(図13参照)の光路に正確に臨ませることができる。
【0024】
投光光学系47Lは、LED49,50、コリメートレンズ51,52、ダイクロイックミラー53からなっている。LED49は赤外光を発し、LED50は赤色光(波長630nm)を発する。ダイクロイックミラー53は赤外光を反射し、赤色光を透過する。コリメートレンズ51,52はLED49,50から発生した発散光束を測定光束としての平行光束に変換する役割を果たす。
【0025】
また、受光光学系48Lは、ハルトマンのパターン板54、フィールドレンズ55、反射ミラー56,57、光路合成プリズム58、結像レンズ59、CCD(受光素子、受光手段)60を有する。パターン板54には多数の光透過部(図示せず)がマトリックス状に設けられている。
【0026】
尚、上述したレンズ受機構80Lのレンズ受軸86の軸線は測定光学系SLの測定光軸と平行に設けられている。
(右の測定光学系SR)
測定光学系SRは、上部筐体部2内に内蔵された投光光学系(照明光学系)47Rと、下部筐体部3に内蔵された受光光学系48Rを有する。
【0027】
投光光学系47Rは、LED61,62、コリメートレンズ63,64、ダイクロイックミラー65からなっている。LED61は赤外光を発し、LED62は赤色光(波長630nm)を発する。ダイクロイックミラー65は赤外光を反射し、赤色光を透過する。コリメートレンズ63,64はLED61,62から発生した発散光束を測定光束としての平行光束に変換する役割を果たす。
【0028】
また、受光光学系48Rは、ハルトマンのパターン板66、フィールドレンズ67、反射ミラー68、光路合成プリズム58、結像レンズ59、CCD(左の測定光学系SLと共通)60を有する。パターン板66には多数の光透過部(図示せず)がマトリックス状に設けられている。
【0029】
尚、上述したレンズ受機構80Rのレンズ受軸86の軸線は測定光学系SLの測定光軸と平行に設けられている。また、左の測定光学系SLと右の測定光学系SRの受光素子を共通のCCD60とすることにより、少ない光学部品で左右の眼鏡レンズLL,LRの屈折特性を略同時に測定できる。更に、本実施例では、左の測定光学系SLと右の測定光学系SRの受光素子を共通のCCD60としたが、このCCD60は左の測定光学系SLと右の測定光学系SRのそれぞれに個別に設けてもよい。この場合には、左右の眼鏡レンズLL,LRの屈折特性を完全に同時に測定できる。
<制御回路>
そして、CCD60からの出力は演算制御回路69に入力される。この演算制御回路69からの出力はパソコンPCに入力される。また、側壁3aには操作レバー19が水平に倒されるのを検出するセンサ70が設けられていて、このセンサ70からの出力は演算制御回路69に入力される。そして、演算制御回路69は、センサ70からの検出信号がなくなると、駆動モータ39を所定時間だけ正転させて、駆動軸40を正転させるようになっている。しかも、演算制御回路69は、センサ70からの検出信号が検出されると、駆動モータ39を所定時間だけ逆転させて、駆動軸40を逆転させるようになっている。
[作用]
次に、この様な構成のレンズメータの作用を説明する。
【0030】
この様な構成において、眼鏡レンズLL,LRを図1の空間6に配置する前は、図3,図4に実線で示したようにレンズ受機構80L,80Rのアーム85,85の先端同士を互いに対向させておくと共に、レンズ受機構80L,80Rのレンズ受軸86,86を実線で示した位置まで上昇させて、図3に実線で示したようにレンズ受軸86,86の上端部を開口8から上方に突出させておく。また、このレンズ受軸86,86の半球状のレンズ受部86a,86aの上端の高さは同じに設定される。この位置では、レンズ受軸86,86の軸線が左右の測定光学系の光軸OL,ORと一致するようにしておく。尚、図3中、レンズ押さえ棒26,26は、破線で示したようにレンズ受軸86より上方に離間させられている。そして、実質的には、このレンズ押さえ棒26,26とレンズ受軸86との間にセット空間6が形成されている。
【0031】
この状態からメガネ5をセット空間6内に入れて、メガネ5の左眼鏡レンズLLを左のレンズ受軸86とレンズ押さえ棒26,26との間に配設し、メガネ5の右の眼鏡レンズLRを右のレンズ受軸86とレンズ押さえ棒26,26との間に配設する。この際、テンプルLT,RTは下部筐体部3の左右側方に配設される。
【0032】
そして、メガネ5の左右のレンズ枠LF,RFの鼻当NP,NPを鼻当当接部材45に当接支持させる。これにより、メガネ5の左右の眼鏡レンズLL,LRを左右の測定光学系SL,SRに対して左右に正確に振り分けることができる。この状態で、この鼻当当接部材45ネジリコイルバネ43,46のバネ力に抗して下方に移動させることにより、図3の如くメガネ5の眼鏡レンズLL,LRの下面(後側屈折面)がレンズ受軸86,86の半球状のレンズ受部86a,86a上に点で当接支持させられる。
【0033】
この状態から、操作レバー9を手前側に倒すと、倒し始めに演算制御回路69に入力されていたセンサ70からのレバー検出信号がなくなり、演算制御回路69は駆動モータ39を所定時間だけ正転させる。これにより、駆動軸40が正転させられて、スライド部材37,38が駆動軸40の左ネジ部40a及び右ネジ部40bの作用により互いに接近する方向に移動させられる。
【0034】
この際、可動枠32,34がコイルスプリング36のバネ力によりスライド部材37,38にそれぞれ追従し、フレーム保持部材28,29が互いに接近する方向に移動させられる。このフレーム保持部材28,29は、左右の測定光学系SL,SRの光軸OL,ORに対して同量移動して、光軸OL,ORまでの距離が等しくなるようになっている。また、この移動に伴い、フレーム保持部材28,29が、コイルスプリング36のバネ力によりメガネ5のメガネフレームMF(レンズ枠LF,RF)に当接して、メガネ5のメガネフレームMFを前後から保持(挟持)する。
【0035】
しかも、スライド部材37,38は、フレーム保持部材28,29がメガネ5のメガネフレームMF(レンズ枠LF,RF)に当接した後も、スライド部材37,38が駆動軸40の左ネジ部40a及び右ネジ部40bの作用により図7の位置まで移動させられる。
【0036】
この位置までの移動は駆動モータ39の正転時間を設定することで得られる。尚、この位置をスイッチ又はセンサ等の検出手段で検出して、駆動モータ39を停止させるようにしても良い。
【0037】
一方、操作レバー9を手前側に倒すと、この操作レバー9の回転がギヤ17に伝達され、ラック16が図5中右方に移動させられ、カム部材15がラック16と一体に右方に移動させられる。これにより、支持軸22がコイルスプリング23のバネ力によりカム部材15の傾斜面15aに沿って降下し、支持軸22,支持部材25及びレンズ押さえ軸26,26がコイルスプリング23のバネ力により下方に変位させられる。この際、フレーム保持部材28,29がメガネ5のメガネフレームMF(レンズ枠LF,RF)に当接して保持するまでは、左右のレンズ押さえ棒26,26及び26,26が眼鏡レンズLL,LRに当接しないように操作レバー19を保持している。
【0038】
そして、フレーム保持部材28,29がメガネ5のメガネフレームMF(レンズ枠LF,RF)に当接した後、操作レバー19を水平位置まで手前側に倒して、左右のレンズ押さえ棒26,26及び26,26を眼鏡レンズLL,LRにそれぞれ上方から当接させて保持する。
【0039】
この様に操作レバー9を図1の矢印27の如く手前側に水平に倒すと、ギヤ17がラック16を図5中右方に移動変位させ、カム部材15がラック16と一体に右方に変位して、支持軸22,支持部材25及びレンズ押さえ軸26,26がコイルスプリング23のバネ力によりカム部材15の上面のカム面に沿って下方に変位させられる。この変位に伴い、左右の各支持部材25に設けたンズ押さえ機構13,13は、レンズ押さえ棒26,26のうち一方が先に眼鏡レンズLL(LR)に当接する。
【0040】
しかし、回動支持軸24,支持部材25及び支持軸22はコイルスプリング23で下方にバネ付勢されていると共に、支持部材25は前後方向に水平な回動支持軸24を中心に回動可能に支持軸22に保持されているので、コイルスプリング23の下方へのバネ付勢力により支持部材25の左右の部分が回動支持軸24を中心に上下に回動して、支持部材25のレンズ押さえ軸26,26の他方も眼鏡レンズLL(LR)に当接して、一対のレンズ押さえ軸26,26により眼鏡レンズLL(LR)の左右の部分をそれぞれ上方から押さえることになる。
【0041】
次に、レンズ受機構80L,80Rの昇降手段83,83を作動させて、支持軸84,84、アーム85,85及びレンズ受軸86,86を図3の破線で示した位置まで降下させる。
【0042】
この状態では、メガネ5のメガネフレームMFのブリッジBが鼻当支持部材25により下方から支持され、眼鏡レンズLL,LRがレンズ押さえ棒26,26及び26,26により上方から押さえられていると共に、メガネフレームMFがフレーム保持部材28,29で前後から保持(挟持)されているので、レンズ受軸86,86が降下しても、メガネフレームMFの前後方向の位置及び眼鏡レンズLL,LRの上下方向の高さ(位置)がずれることはない。
【0043】
そして、レンズ受機構80L,80Rの駆動装置81,81を駆動して回転台82を回転駆動し、支持軸84,84、アーム85,85及びレンズ受軸86,86を図4の矢印87,87で示したように破線の位置まで回動させ、アーム85,85及びレンズ受軸86,86を測定光学系の光路からそれぞれ退避させる。
【0044】
この後、演算制御回路69は、測定光学系SLのLED49,50を順番に点灯させて、眼鏡レンズLLの測定を行う。この際、LED49からの測定光束は、コリメートレンズ51により平行光束にされて、ダイクロイックミラー53により反射して、眼鏡レンズLLに投光される。
【0045】
これに伴い、眼鏡レンズLLを透過した測定光束は、パターン板54を透過して、フィールドレンズ55、反射ミラー56,57、光路合成プリズム58、結像レンズ59を介してCCD60に案内され、CCD60上にパター板54のパターン像を結像させる。また、LED50からの測定光束は、コリメートレンズ51により平行光束にされて、ダイクロイックミラー53を透過し、眼鏡レンズLLに投光される。これに伴い、眼鏡レンズLLを透過した測定光束は、パターン板54を透過して、フィールドレンズ55、反射ミラー56,57、光路合成プリズム58、結像レンズ59を介してCCD60に案内され、CCD60上にパター板54のパターン像を結像させる。そして、演算制御回路69は、CCD60に結像されたパター像の状態から眼鏡レンズLLの各部の屈折特性を測定して、屈折特性のマッピングデータを求める。
【0046】
この後、演算制御回路69は、測定光学系SRのLED61,62を順番に点灯させて、眼鏡レンズLRの測定を行う。この際、LED61からの測定光束は、コリメートレンズ63により平行光束にされて、ダイクロイックミラー65により反射して、眼鏡レンズLRに投光される。
【0047】
これに伴い、眼鏡レンズLRを透過した測定光束は、パターン板66を透過して、フィールドレンズ67、反射ミラー68、光路合成プリズム58、結像レンズ59を介してCCD60に案内され、CCD60上にパター板66のパターン像を結像させる。また、LED62からの測定光束は、コリメートレンズ64により平行光束にされて、ダイクロイックミラー65を透過し、眼鏡レンズLRに投光される。これに伴い、眼鏡レンズLRを透過した測定光束は、パターン板66を透過して、フィールドレンズ67、反射ミラー68、光路合成プリズム58、結像レンズ59を介してCCD60に案内され、CCD60上にパター板54のパターン像を結像させる。そして、演算制御回路69は、CCD60に結像されたパター像の状態から眼鏡レンズLRの各部の屈折特性を測定して、屈折特性のマッピングデータを求める。
【0048】
この様にして求められた眼鏡レンズLL,LRの屈折特性のマッピングデータはパソコンPCに送られて、パソコンPCの図示しないモニターに画像表示される。
【0049】
この様にして、眼鏡レンズLL,LRの屈折特性(光学特性)の測定を行う。尚、上述の様な駆動装置81や昇降手段83の作動制御は演算制御回路69により行わせる。また、アーム85の回動位置や昇降位置はセンサにより検出して位置決するようにしても良い。
【0050】
この様にすることで、眼鏡レンズLL,LRの下面の高さをより正確に特定して、左右の各受光光学系の測定光軸上において眼鏡レンズLL,LRの下面と受光光学系の受光手段までの距離をより正確に一定にして、眼鏡レンズの正確な屈折特性を測定することができる。即ち、本実施例の構成により、眼鏡レンズLL,LRの測定光軸上における下面は、眼鏡レンズLL,LRの厚さや、レンズ裏面(下面)のカーブ、フレームの湾曲形状等に左右されることなく、常に同じ高さの位置に配置できるので、左右の各受光光学系の測定光軸上において眼鏡レンズLL,LRの下面と受光光学系の受光手段までの距離をより正確に一定にして、眼鏡レンズの正確な屈折特性を測定することができる。
【0051】
しかも、眼鏡レンズLL(LR)の屈折特性(光学特性)を測定する際には測定光学系の光路中に測定光束を遮る部材がなく、正確な測定ができる。また、構成が簡単である。
【0052】
尚、上述した例では、レンズ受軸86の昇降手段83を駆動装置81で回転させてアーム84を水平回動させることにより、レンズ受軸86を回動するアーム84でレンズ支持位置と退避位置との2箇所に移動するようにしたが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、レンズ受軸86の昇降手段83を直線的に進退駆動させることにより、レンズ受軸86をレンズ支持位置と退避位置との2箇所で直線的に進退移動するようにしてもい。
【0053】
【発明の実施の形態2】
[構成]
図14〜図29は、この発明の実施の形態2を示したものである。尚、発明の実施の形態2において、発明の実施の形態1と同じか又は類似する部分には発明の実施の形態1で用いた符号と同じ符号を付して説明する。
【0054】
図14において、装置本体1は、上部筐体部2,下部筐体部3及び筐体部2,3を連設している連設筐体部4を有する。この連設筐体部4は、下部筐体部3より幅広に形成されていて、連設筐体部4の前壁4aから前側に突出する様に設けられている。この前壁4aの左右の部分には、上下に延びるスリット4S,4Sが形成されている。また、連設筐体部4は、図19,図27に示したように、左右の側壁4b,4bと、側壁4b,4bを覆うカバー板4c,4cを有する。
<レンズ受構造>
下部筐体3の上壁7の左右の部分には、図16,図19に示すように、左右に延びる開口8が形成されている。この開口8の左右の部分には、前後に延び且つパターン板54と同じに形成されたハルトマンのパターン板54,66が取り付けられている。
【0055】
このパターン板54,66の上面の略中央部には、レンズ受構造としての棒状のレンズ受軸100L,100Rが上方に向けて突設されている。このレンズ受軸100L,100Rは、パターン板54,66の中心(測定光軸OL,OR)より左右に僅かに位置をずらして設けられている。尚、上壁7は、開口8により前側上壁部7aと後側上壁7bに分けられている。
【0056】
また、レンズ受軸100L,100Rの上端部は半球状に形成されてレンズ受部100La,100Raとなっている。これにより、メガネ5の眼鏡レンズLL,LRがレンズ受軸100L,100R上に図30の如く上方から支持させられたとき、眼鏡レンズLL,LRの後側屈折面のいずれの位置でも点で支持(点接触)できるようになっている。しかも、レンズ受部100La,100Raの上端の高さは同じに設定されている。
【0057】
このレンズ受軸100L,100Rで支持される眼鏡レンズLL,LRは、次のレンズ押さえ機構で上方から押さえ付けられるようになっている。
<レンズ押さえ機構>
このレンズ押さえ機構は、連設筐体部4内の左右両側部に上下に向けて配設されたガイドロッド(ガイド部材)101,102と、ガイドロッド101の上下端部を側壁4b,4bの一方に取り付けているブラケット103,103と、ガイドロッド102の上下端部を側壁4b,4bの他方に取り付けているブラケット104,104を有する。このブラケット103,104は図示しないビスで側壁4b,4bに着脱可能に取り付けられている。
【0058】
また、レンズ押さえ機構は、ガイドロッド101,102間に配設されたスライドプレート(昇降部材)105と、スライドプレート105の一側部をガイドロッド101に上下動自在に支持している軸受106,106を有する。このスライドプレート105の他側部には、ガイドロッド102に係合するコ字状のガイド部(係合部)107が形成されている。
【0059】
更に、レンズ押さえ機構は、前壁4aの下部に突設され且つスライドプレート105の下方に位置するバネ受108と、スライドプレート105とバネ受108との間に介装されてスライドプレート105を下方にバネ付勢しているコイルスプリング(付勢手段)109と、一端部(後端部)がスライドプレート105の両側部にそれぞれ固定された一対のアーム110,110を有する。この一対のアーム110,110は、前側に延びていて、他端部(前端部)がスリット4S,4Sから突出させられている。また、図14,図16,図19に示したように、一対のアーム部110,110の前端部下縁には互いに接近する方向に突出する軸取付板部110a,110aがそれぞれ一体に形成され、一対のアーム部110,110の前端部上縁には互いに離反する方向突出する操作部(操作ツマミ)110b,110bが一体に形成されている。
【0060】
また、レンズ押さえ機構は、軸取付板部110a,110a上に左右に向けてそれぞれ着脱可能に取り付けられた支持部材111,111と、支持部材111,111間に着脱可能に介装された軸取付部材112と、軸取付板部110a,110aの下面にそれぞれ下方に向けて取り付けられたレンズ押さえ軸(レンズ押さえ部材)113L,113Rと、軸取付部材112の下面の左右両側部にそれぞれ下方に向けて取り付けられたレンズ押さえ軸(レンズ押さえ部材)114L,114Rを有する。このレンズ押さえ軸113L,113R,114L,114Rの下端部は半球状に形成されている。また、このレンズ押さえ軸113L,113Rの中心線を含む平面Scには、レンズ受軸100L,100Rの中心線が含まれる。更に、レンズ押さえ軸114L,114Rは、それぞれ前後方向に間隔をおいて一対設けられている。しかも、レンズ押さえ軸114L,114Lは平面Scを中心に対称に配置され、レンズ押さえ軸114R,114Rも平面Scを中心に対称に配置されている。従って、図19に示したようにレンズ受軸100Lはレンズ押さえ軸113L,114L,114Lの三点で形成される三角形内に入り、レンズ受軸100Rはレンズ押さえ軸113R,114R,114Rの三点で形成される三角形内に入ることになるので、眼鏡レンズLL,LRを上方からそれぞれ3点支持して安定させることができる。
【0061】
尚、図示は省略したが、操作部(操作ツマミ)110b,110bを掴んでアーム110,110を上部筐体部2の近傍まで移動させたときに、アーム部110,110が上部筐体部2又は連設筐体部4に例えば係止爪等の係止手段(図示せず)で係止されるようになっている。この係止手段としては周知のものが採用できるので、その図示及び詳細な説明は省略する。
<メガネフレーム保持機構>
また、下部筐体部3内には、左右方向中央に位置させて下部筐体部3内に配設された仕切壁115が取り付けられている。この下部筐体部3にはメガネフレーム保持機構が設けられている。このメガネフレーム保持機構は、下部筐体3に設けられたフレーム前後方向位置決機構及び鼻当支持機構を有する。 尚、上壁部7a,7bの左右方向中央部には、図19に示したように前後方向に延びるスリット116,117が形成されている。
<フレーム前後方向位置決機構>
このレンズ枠位置決機構は、図19に示した様な左右に延び且つ前側上壁部7aと後側上壁7b上に配設された一対のフレーム保持部材(レンズ保持部材、レンズ枠保持部材)28,29(図14〜図16参照)と、図20,図25に示したように下部筐体部3内に配設された一対のリンク板(移動部材)118,119(図21〜図24参照)を有する。このリンク板118,119は、仕切壁115の一側面115aの上部に沿って前後に向けて配設されている。
【0062】
リンク板118は、図20,図24に示したように一端部に上方に向けて突設された取付片118aと、図20,図22,図24に示したように左右に間隔をおいて形成されたスリット118b,118cと、他端部に下方に向けて突設された係合片118dと、係合片118dに下方に向けて形成された係合切欠118eを有する。そして、取付片118aは、スリット116を介して上壁部7aの上方に突出すると共に、フレーム保持部材28に取り付けられている。
【0063】
また、リンク板119は、長手方向の中間部に上方に向けて突設された取付片119aと、一端部及び中間部に形成されたネジ穴119b,119cと、他端部に上方に向けて突設された係合片119dと、係合片119dに上方に向けて形成された係合切欠119eを有する。そして、取付片119aは、スリット117を介して上壁部7bの上方に突出すると共に、フレーム保持部材29に取り付けられている。
【0064】
しかも、ガイドネジ120,121は、リンク板118のスリット118b,118cにそれぞれ挿通された後、先端部がリンク板119のネジ穴119b,119cにそれぞれ螺着されていて、リンク板118,119を長手方向に相対的にスライド変位可能に結合(係合)させている。
【0065】
更に、レンズ枠位置決機構は、図20,図21,図27に示したように下部筐体部3の上部及び仕切壁115に対応して連設筐体部4の前壁4aに形成された開口122と、開口122の側縁に後方(下部筐体部3内)に向けて突設された支持片123と、支持片123に取り付けられた支持ネジ124と、支持ネジ124を介して支持片123に取り付けられた回転板(連結部材)125を有する。この回転板125には180°の間隔をおいて係合ピン126,127が取り付けられ、係合ピン126,127にはリンク板118,119の係合切欠118e,119eが係合している。しかも、リンク板118,119の取付片118a,119aの基部間にはコイルスプリング128(図20参照)が介装されていて、コイルスプリング128はフレーム保持部材28,29が互いに接近する方向にリンク板118,119をバネ付勢している。
<鼻当支持機構>
また、鼻当支持機構は、図25,図26に示したように、仕切壁115の他側面115bに沿って上下に向けて配設されたスライドプレート(鼻当支持片)129と、スライドプレート129に上下に向けて形成された一対のガイドスリット130,131と、ガイドスリット130,131に挿通され且つ仕切壁115に螺着されたガイドネジ132,133を有する。このガイドネジ132,133は、スライドプレート129を上下にガイドするようになっている。
【0066】
更に、鼻当支持機構は、ガイドネジ133の下方に位置させてスライドプレート129に突設されたバネ受け129aと、ガイドネジ133とバネ受け129a間に介装されてスライドプレート129を下方にバネ付勢しているコイルスプリング(付勢手段)134と、スライドプレート129の下部に一体に設けられ且つ下部筐体部3の前壁3bの内面に沿って上下に摺動移動するガイド板部129bと、スライドプレート129の上端部に取り付けられた鼻当支持部材135を有する。この鼻当支持部材135は、図25に示したように、スライドプレート129の上端部に固定された芯材135aと、芯材135aの上面及び側面を覆っているゴム,合成樹脂等からなる鼻当支持部135bを有する。
【0067】
しかも、鼻当支持部材135は、図19,図26に示したように前後に向けて延びていると共に、左右の側面135c,135dが下方に向かうに従って拡開するようなテーパ状のもの、或いは蒲鉾状のものを用いることができる。
【0068】
この鼻当支持部材135に、メガネ5の左右のレンズ枠LF,RFの鼻当NP,NPが当接支持される。そして、この鼻当支持部材135にメガネ5の鼻当NP,NPを支持させることにより、メガネ5のブリッジBを装置本体1の左右方向の中央に位置させて、このメガネ5の眼鏡レンズLL,LRを装置本体1の左右に位置する右一対の測定光学系SL,SR(図28参照)の光路に正確に臨ませることができる。
<測定光学系>
(左の測定光学系SL)
測定光学系SLは、上部筐体部2内に内蔵された投光光学系(照明光学系)47Lと、下部筐体部3に内蔵された受光光学系48Lを有する。
【0069】
投光光学系47Lは、LED49,50(図15,図17参照)、コリメートレンズ52、ダイクロイックミラー53、全反射ミラーMからなっている。LED49は赤外光を発し、LED50は赤色光(波長630nm)を発する。ダイクロイックミラー53は赤外光を反射し、赤色光を透過する。コリメートレンズ52はLED49,50から発生した発散光束を測定光束としての平行光束に変換する役割を果たす。
【0070】
また、受光光学系48Lは、ハルトマンのパターン板54、フィールドレンズ55、反射ミラー56,57,57a、光路合成プリズム58、結像レンズ59、CCD60を有する(図15,図18参照)。パターン板54には多数の光透過部(図示せず)がマトリックス状に設けられている。
【0071】
尚、レンズ受軸100Lの軸線(中心線)は、測定光学系SLの測定光軸と平行に設けられている。
(右の測定光学系SR)
測定光学系SRは、上部筐体部2内に内蔵された投光光学系(照明光学系)47Rと、下部筐体部3に内蔵された受光光学系48Rを有する。
【0072】
投光光学系47Rは、LED61,62(図15,図17参照)、コリメートレンズ64、ダイクロイックミラー65、全反射ミラーMからなっている。LED61は赤外光を発し、LED62は赤色光(波長630nm)を発する。ダイクロイックミラー65は赤外光を反射し、赤色光を透過する。コリメートレンズ64はLED61,62から発生した発散光束を測定光束としての平行光束に変換する役割を果たす。
【0073】
また、受光光学系48Rは、ハルトマンのパターン板66、フィールドレンズ67、反射ミラー68,68a、光路合成プリズム58、結像レンズ59、CCD60を有する(図15,図18参照)。パターン板66には多数の光透過部(図示せず)がマトリックス状に設けられている。
【0074】
尚、レンズ受軸100Rの軸線(中心線)は、測定光学系SLの測定光軸と平行に設けられている。本実施例でも、左の測定光学系SLと右の測定光学系SRの受光素子を共通のCCD60としたが、このCCD60は左の測定光学系SLと右の測定光学系SRのそれぞれに個別に設けてもよい。この場合には、左右の眼鏡レンズLL,LRの屈折特性を完全に同時に測定できる。
<制御回路>
そして、CCD60からの出力は演算制御回路69に入力される。この演算制御回路69は、CCD60からの検出信号に基づいてメガネ5の左右の眼鏡レンズLL,LRの多数の点の屈折特性を求めて、屈折特性のマッピングデータを得るようになっている。しかも、演算制御回路69は、この求めた屈折特性のマッピングデータから眼鏡レンズLL,LRの光軸間距離や球面度数S,円柱度数C,円柱軸角度A等の屈折特性,遠用部や近用部の屈折度数或いは累進レンズの加入度数等の屈折特性を求めることができるようになっている。また、演算制御回路69は、この様にした求めた光軸間距離や屈折特性を図示しない他の眼科装置に送信手段(ネットワークやケーブル,無線)を介して送信できる様になっている。
[作用]
次に、この様な構成のレンズメータの作用を説明する。
(1)メガネの保持
この様な構成においては、上部筐体部2の近傍の位置でアーム110,110を図示しない係止手段で上部筐体部2又は連設筐体部4に係止させることにより、レンズ押さえ軸113L,114L及び113R,114Rを左右のハルトマンのパターン板54及び66から上方に大きく離間させた退避位置に保持させておくことができる。また、係止手段によるアーム110,110の下方への移動規制を解除することで、スライドプレート105が軸受106,106及びガイド部107を介してガイドロッド101,102に沿って下方に移動可能となる。しかも、スライドプレート105はコイルスプリング109で下方にバネ付勢されているので、操作部(操作ツマミ)110b,110bを掴んだ状態で係止手段によるアーム110,110の下方への移動規制を解除した後、操作部(操作ツマミ)110b,110bを下方に移動させることで、アーム110,110及びレンズ押さえ軸113L,114L及び113R,114Rを下方に緩やかに移動させることができる。
【0075】
また、フレーム保持部材28,29の対向面は、パターン板54,66の中心(左右の測定光学系SL,SRの測定光軸OL,OR)までの距離が等しく設けられている。しかも、フレーム保持部材28をコイルスプリング128のバネ力に抗して手前側(図20中、右側)に引くことで、リンク板118が図20中右側に移動させられる。これに伴い、回転板125が支持ネジ124を中心に反時計回り方向に回動させられ、リンク板119が図20中左側に移動させられ、フレーム保持部材28,29の間隔が広げられることになる。この際、フレーム保持部材28,29の間隔は同量だけ間隔が広がる方向に移動させられる。
【0076】
逆に、この引張り力を解除することで、リンク板118,119及び回転板125はコイルスプリング128のバネ力により上述とは逆に作動して、フレーム保持部材28,29の間隔が狭められることになる。この際、フレーム保持部材28,29の間隔は同量だけ間隔が狭まる方向に移動させられる。
【0077】
尚、フレーム保持部材28,29の対向面は、パターン板54,66の中心(左右の測定光学系SL,SRの測定光軸OL,OR)までの距離が等しく設けられている。
【0078】
従って、フレーム保持部材28,29の間隔を広げたり狭めたりしても、フレーム保持部材28からパターン板54,66の中心(左右の測定光学系SL,SRの測定光軸OL,OR)までの距離と、フレーム保持部材29からパターン板54,66の中心(左右の測定光学系SL,SRの測定光軸OL,OR)までの距離とが常時等しい状態となっている。
【0079】
ところで、メガネ5の左右の眼鏡レンズLL,LRの屈折特性等を測定するには、左右の眼鏡レンズLL,LRをレンズ受軸100L,100R上に当接させると共に、左右の眼鏡レンズLL,LRを上方からレンズ押さえ軸113L,114L及び113R,114Rで押さえる必要がある。
【0080】
このためには、先ずレンズ押さえ軸113L,114L及び113R,114Rを上述の退避位置に保持させた状態で、フレーム保持部材28を手前側に引くことによりフレーム保持部材28,29の間隔を上述したように広げて、メガネ5のメガネフレームMFをフレーム保持部材28,29間に配設することができるようにする。この状態で、メガネ5のメガネフレームMFをフレーム保持部材28,29間に配設すると共に、メガネ5の鼻当NP,NPを鼻当支持部材135の左右の側面135c,135dに当接支持させることにより、メガネ5のブリッジBを装置本体1の左右方向の中央に位置させて、このメガネ5の眼鏡レンズLL,LRを装置本体1の左右に位置する右一対の測定光学系SL,SR(図13と同じ)の光路に臨ませる。この際、テンプルLT,RTは下部筐体部3の左右側方に配設される。
【0081】
次に、メガネ5のブリッジBを押圧して、鼻当支持部材135をコイルスプリング134のバネ力に抗して押し下げることにより、メガネ5の左右の眼鏡レンズLL,LRの後側屈折面(下面)をハルトマンプレートであるパターン板54,66上に図30の如く当接支持させる。一方、フレーム保持部材28から引張り力を徐々に解除して、フレーム保持部材28,29の間隔を狭め、フレーム保持部材28,29でメガネ5のメガネフレームMFを挟持させる。この際、フレーム保持部材28からパターン板54,66の中心までの距離とフレーム保持部材29からパターン板54,66の中心までの距離が常時等しい状態で、フレーム保持部材28,29の間隔が狭まる。このため、メガネフレームMFが手前側或いは後側に偏った状態で配置されていても、メガネフレームMFが偏っている側とは反対側にフレーム保持部材28又は29で押圧変位させられて、鼻当NP,NPが鼻当支持部材135の長手方向に移動させられる。そして、最終的には、メガネ5の左右の眼鏡レンズLL,LRの前後方向の中心線が略パターン板54,66の中心(左右の測定光学系SL,SRの測定光軸OL,OR)と一致した状態で、メガネフレームMFがフレーム保持部材28,29間に挟持されることになる。
【0082】
この後、操作部(操作ツマミ)110b,110bを掴んだ状態で係止手段によるアーム110,110の下方への移動規制を解除し、操作部(操作ツマミ)110b,110bを下方に移動させることで、アーム110,110及びレンズ押さえ軸113L,114L及び113R,114Rを下方に緩やかに移動させて、レンズ押さえ軸113L,114L及び113R,114Rを左右の眼鏡レンズLL,LRの上面(前側屈折面)上にコイルスプリング109のバネ力で圧接させる。この状態では、図29の如くアーム110,110及びレンズ押さえ軸113L,114L及び113R,114Rが下方のレンズ押さえ位置に位置している。
【0083】
尚、レンズ押さえ軸114L,114Rはそれぞれ2つ設けられていて、レンズ押さえ軸114L,114Lは平面Scを中心に対称に配置され、レンズ押さえ軸114R,114Rも平面Scを中心に対称に配置されているいる。従って、眼鏡レンズLLの上面はレンズ受軸100Lに対してレンズ押さえ軸113L,114L,114Lの三点で押さえ付けられ、眼鏡レンズLRの上面はレンズ受軸100Rに対してレンズ押さえ軸113R,114R,114Rの三点で押さえ付けられることになる。これにより、眼鏡レンズLL,LRは前後方向がコイルスプリング109のバネ力で水平となる方向に保持されることになる。
(2)屈折特性測定
一方、演算制御回路69は、測定光学系SLのLED49,50を順番に点灯させて、眼鏡レンズLLの測定を行う。この際、LED49からの測定光束は、ダイクロイックミラー53及び全反射ミラーMで反射した後、コリメートレンズ52により平行光束とされて眼鏡レンズLLに投光される。これに伴い、眼鏡レンズLLを透過した測定光束は、パターン板54を透過して、フィールドレンズ55、反射ミラー56,57、光路合成プリズム58、結像レンズ59を介してCCD60に案内され、CCD60上にパター板54のパターン像を結像させる。
【0084】
また、LED50からの測定光束は、ダイクロイックミラー53を透過して全反射ミラーMで反射した後、コリメートレンズ52で平行光束にされて眼鏡レンズLLに投光される。これに伴い、眼鏡レンズLLを透過した測定光束は、パターン板54を透過して、フィールドレンズ55、反射ミラー56,57,57a、光路合成プリズム58、結像レンズ59を介してCCD60に案内され、CCD60上にパター板54のパターン像を結像させる。
【0085】
そして、演算制御回路69は、CCD60に結像されたパター像の状態から眼鏡レンズLLの各部の屈折特性を測定して、屈折特性のマッピングデータを求める。
【0086】
この後、演算制御回路69は、測定光学系SRのLED61,62を順番に点灯させて、眼鏡レンズLRの測定を行う。この際、LED61からの測定光束は、ダイクロイックミラー65及び全反射ミラーMで反射した後、コリメートレンズ64で平行光束にされて眼鏡レンズLRに投光される。これに伴い、眼鏡レンズLRを透過した測定光束は、パターン板66を透過して、フィールドレンズ67、反射ミラー68,68a、光路合成プリズム58、結像レンズ59を介してCCD60に案内され、CCD60上にパター板66のパターン像を結像させる。
【0087】
また、LED62からの測定光束は、ダイクロイックミラー65を透過して全反射ミラーMで反射した後、コリメートレンズ64で平行光束にされて眼鏡レンズLRに投光される。これに伴い、眼鏡レンズLRを透過した測定光束は、パターン板66を透過して、フィールドレンズ67、反射ミラー68、光路合成プリズム58、結像レンズ59を介してCCD60に案内され、CCD60上にパター板54のパターン像を結像させる。
【0088】
そして、演算制御回路69は、CCD60に結像されたパターン像の状態から眼鏡レンズLRの各部の屈折特性を測定して、屈折特性のマッピングデータを求める。また、演算制御回路69は、この様にした求めた光軸間距離や屈折特性を図示しない他の眼科装置に送信手段(ネットワークやケーブル,無線)を介して送信できる様になっている。
【0089】
本実施例では、レンズ受に棒状のレンズ受軸100L,100Rを用いて、レンズ受による眼鏡レンズの支持面積を最小にしているので、レンズ受が屈折測定に際して測定光束の邪魔となる面積を最小にして、眼鏡レンズの屈折特性の分布を測定できる。尚、以上説明した実勢例では、レンズ受を棒状(ピン状)に成しているが、必ずしもこの構成に限定されるものではない。例えば、レンズ受を円錐状に形成して、眼鏡レンズを円錐状のレンズ受で点で支持することができるようにしても良い。
【0090】
また、眼鏡レンズの下面(後側屈折面)の曲率半径は眼鏡レンズの屈折度数や眼鏡レンズのレンズ材質によって異なるため、眼鏡レンズの支持高さを正確に出すことにより、眼鏡レンズの屈折特性を正確に求めることが可能となる。
【0091】
ところが、メガネの左右の眼鏡レンズLL,LRを同時に支持させる構成であるため、必ずしも左右の眼鏡レンズLL,LRの光軸とレンズ受とを一致させることができず、円筒状のレンズ受や多数のレンズ支持軸からなるレンズ受等により眼鏡レンズを支持させるようにした場合、眼鏡レンズの支持状態が一定しない状態も考えられる。しかし、本実施例に小池る様に、眼鏡レンズを一つのレンズ受で点で支持させることにより、円筒状のレンズ受や多数のレンズ支持軸からなるレンズ受等により眼鏡レンズを支持させるようにしたものに比べて、左右の眼鏡レンズを安定支持できる。
【0092】
更に、発明の実施の形態2では、左右の眼鏡レンズLL,LRのレンズ押さえ軸113L,113Rをそれぞれ一つにしているが、レンズ押さえ軸113L,113Rをレンズ押さえ軸114L,114Rと同様に2つずつ設けることができる。
【0093】
【発明の実施の形態3】
上述した発明の実施の形態2では、鼻当支持部材やレンズ押さえ部材を設けた構成としているが、これらは必ずしも必要ではない。例えば、図32に示したように、パターン板54,66上に棒状のレンズ受軸100L,100Rをそれぞれ設けた構成としても良い。尚、他の構成及び作用は発明の実施の形態2と同じであるので、その説明は省略する。
【0094】
この構成によれば、単にメガネ5の眼鏡レンズLL,LRの後側屈折面をレンズ受軸100L,100Rの上端に当接させるのみで、左右の眼鏡レンズLL,LRの屈折特性を測定できる。この場合、メガネ5のテンプルRT,LTを掴むか左右の眼鏡レンズLL,LRのメガネフレームMFを手で保持しているのみで、眼鏡レンズLL,LRの屈折特性を同時に簡易に測定できる。このメガネフレームMFはレンズ枠LF,RFを有し、レンズ枠LF,RFには眼鏡レンズLL,LRが枠入れされている。
【0095】
【発明の実施の形態4】
この発明の実施の形態4は、発明の実施の形態3の構成において、図33,図34に示したようなフレーム支持装置300を下部筐体部3に設けた構成としたものである。このフレーム支持装置300は、メガネ5の左右のレンズ枠LF,RFを支持して、メガネ5の自重で降下して眼鏡レンズLL,LRをレンズ受軸100L,100Rの上端に当接させるために用いられる。このフレーム支持装置300は、左支持装置300Lと右支持装置300Rを有する。
【0096】
この左支持装置300Lと右支持装置300Rは、下部筐体部3の側壁3a内面に上下に間隔をおいて一体に設けられたブラケット301,302と、上壁7の側部及びブラケット301,302を貫通して上下に延びる支持軸303と、支持軸303の上端部に一体に設けられ且つ前後方向に延びるフレーム支持用のアーム304と、ブラケット301,302間に位置して支持軸303の中間部に設けられたフランジ305と、支持軸303が挿通され且つブラケット302とフランジ305との間に介装されたコイルスプリング(付勢手段)306を有する。
【0097】
このコイルスプリング306は、支持軸303を上方にバネ付勢して、アーム304をレンズ受軸100L,100Rの上端より上方に位置させている。また、コイルスプリング306のバネ力(付勢力)は、非常に弱く設定されていて、メガネ5の重量で撓んで圧縮される様になっている。
【0098】
この構成によれば、メガネ5の左右のレンズ枠LF,RFを左支持装置300Lと右支持装置300Rのアーム304,304上に載置すると、コイルスプリング306,306がメガネ5の自重で圧縮されて左右の支持軸303,303及びアーム304,304が下方に変位させられ、レンズ枠LF,RFの眼鏡レンズLL,LRの後側屈折面がレンズ受軸100L,100Rの上端に点で支持される。この際、レンズ枠LF,RFの前後方向における下方への倒れはアーム304,304により阻止されることになる。
【0099】
この様な状態で左右の眼鏡レンズLL,LRの屈折特性が上述と同様にして測定される。
【0100】
この構成によれば、単にアーム304,304にメガネ5の左右のレンズ枠LF,RFを載せるのみで、メガネ5を手で支えることなしに、眼鏡レンズLL,LRの屈折特性を同時に測定することができる。
(その他1)
尚、この発明の実施の形態では表示装置を設けていない例を図示したが、例えばカラーの液晶表示器200を装置本体1の上部筐体部2の前面に設けて、この液晶表示器(表示手段)200にマッピングデータを用いた眼鏡レンズLL,LRの屈折特性のマッピング表示を行うこともできる。また、この液晶表示器200には、眼鏡レンズLL,LRの光軸間距離や上述の屈折特性等を表示させることもできる。
【0101】
また、鼻当支持部材135は連設筐体部4の前壁4aに上下動自在に保持させることもできる。尚、鼻当支持部材135は必ずしもなくても測定は可能である。
(その他2)
更に、上述した発明の実施の形態1において、鼻当支持部材45はフレーム保持部材29に上下に変位できるように保持されているが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、鼻当支持部材45を左右のレンズ受機構80L,80R間に位置して上壁7上に固定して、この鼻当支持部材45にメガネを支持させると共に、このメガネの眼鏡レンズLL,LRの下面(後側屈折面)までの高さをレンズ受機構80L,80Rのレンズ受軸86,86により測定できるようにしても良い。
【0102】
この場合、レンズ受機構80L,80Rの昇降手段83,83に駆動モータにより回転駆動される送りネジ機構を用い、この送りネジ機構でレンズ受軸86を昇降駆動させるようにする。そして、この駆動モータにパルスモータを用いて、この駆動モータの駆動パルス数をカウントして、このカウント数からレンズ受軸86の上端の昇降量を求めることにより、レンズ受軸86の上端の高さを求めて、メガネの眼鏡レンズLL,LRの下面(後側屈折面)までの高さを求めるようにすることができる。このようにすることで、メガネの眼鏡レンズLL,LRの下面(後側屈折面)までの高さを正確に求めて、眼鏡レンズLL,LRの屈折特性を正確に測定することができる。
【0103】
尚、発明の実施の形態1において、下方に延びるリニアスケール又はマグネスケールのスケール本体(図示せず)の上端部をアーム85に保持させると共に、回転台82又は昇降手段83の側面にスケール本体の移動量を光学的又は磁気的に読み取るリニアスケール又はマグネスケールの読取ヘッドを取り付けた構成として、このリニアスケール又はマグネスケール等の測定手段によりレンズ受軸86の先端(上端)の高さを測定するようにしても良い。
【0104】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明のレンズメータは、メガネの左右の眼鏡レンズがそれぞれ載置可能に設けられた左右一対のレンズ受と、前記一対のレンズ受に載置される眼鏡レンズの屈折特性をそれぞれ測定可能な左右一対の測定光学系を備えるレンズメータであって、前記左右の測定光学系の光路途中には前記レンズ受がそれぞれ配設され、且つ前記各レンズ受は前記眼鏡レンズを点で支持可能な先端部を有することにより、前記左右の眼鏡レンズが左右一対のレンズ受により2点で支持可能に設けられていると共に、前記左右のレンズ受間には左右方向の中央に位置させて前記メガネの鼻当を支持する鼻当支持部材が配設され、前記メガネの鼻当を前記鼻当支持部材に支持させ且つ前記メガネの左右の眼鏡レンズを前記左右のレンズ受に支持させた状態で、前記左右一対の測定光学系の光軸に対して互いに接近する方向に移動して、前記メガネの左右の眼鏡レンズを前後から挟持可能な保持部材が設けられている構成としたので、メガネの左右の眼鏡レンズを測定する光学系を一対設けても、各受光光学系の測定光軸上において眼鏡レンズの下面と受光光学系の受光手段までの距離を簡易な構成で正確に一定にして、眼鏡レンズの正確な屈折特性を測定することができる。しかも、レンズ受は測定光路中に配置されているが、各一つのレンズ受が各眼鏡レンズを点で支持するので、レンズ受の支持面積を最小にして、レンズ受が屈折測定の邪魔になる面積を最小限にできる。この構成は、左右の眼鏡レンズを左右一対のレンズ受により2点で支持する構成としているので実現できる。また、この構成により、左右一対のレンズ受の高さを同じにして、左右の眼鏡レンズの屈折特性を同じ条件で測定できる。更に、鼻当支持部材にメガネの鼻当を支持させることにより、メガネのブリッジを装置本体の左右方向の中央に位置させて、このメガネの左右の眼鏡レンズを装置本体の左右に位置する左右一対の測定光学系の光路に正確に臨ませることができる。
【0106】
更に、前記左右のレンズ受間には前記メガネの鼻当を支持する鼻当支持部材が配設されている構成としたので、前記メガネを前記レンズ受に安定支持させて、前記メガネの眼鏡レンズの屈折特性を正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るレンズメータの斜視図である。
【図2】図1のレンズメータの開口部分におけるレンズ受機構を取り外した状態の断面図である。
【図3】図2の開口とレンズ受機構の関係を示す概略説明図である。
【図4】図3レンズ受委機構とメガネとの関係を示す平面図である。
【図5】図1に示したレンズ押さえ機構の部分の断面図である。
【図6】図3のC−C線に沿う断面図である。
【図7】図6の作用説明図である。
【図8】図1の鼻当支持機構の取付部の断面図である。
【図9】図8のフレーム保持部材への鼻当支持機構の取付部の拡大図である。
【図10】図9のD−D線に沿う断面図である。
【図11】図8の鼻当支持機構を矢印E方向から見た説明図である。
【図12】(a)は図11のF−F線に沿う断面図、(b)は鼻当支持部材の概略斜視図、(c)は鼻当支持部材の変形例を示す概略斜視図である。
【図13】図1〜図12に示したレンズメータの測定光学系の説明図である。
【図14】この発明の実施の形態2に係るレンズメータの斜視図である。
【図15】図14のレンズメータの側面図である。
【図16】図14のレンズメータのメガネをセットしていない状態の正面図である。
【図17】図14のレンズメータの平面図である。
【図18】図15のA−A線に沿う断面図である。
【図19】図15のB−B線に沿う断面図である。
【図20】図16のG−G線に沿う断面図である。
【図21】図20のH−H線に沿う断面図である。
【図22】図20のI−I線に沿う断面図である。
【図23】図20の一方のリンク板の正面図である。
【図24】図20の他方のリンク板の正面図である。
【図25】図16に示した鼻当支持機構の断面図である。
【図26】図25の矢印J方向から見た断面図である。
【図27】図15のK−K線に沿う断面図である。
【図28】図14〜図27に示したレンズメータの光学系を示す説明図である。
【図29】図29の手前側のフレーム保持部材の図示を省略した状態で、図16のレンズメータに図14の如くメガネをセットした状態の正面図である。
【図30】図29のメガネの眼鏡レンズの支持状態を示す要部拡大断面図である。
【図31】図14〜図29にレンズメータに表示装置を設けた例を示す斜視図である。
【図32】この発明のレンズメータの他の例を示す斜視図である。
【図33】この発明のレンズメータの更に他の例を示す斜視図である。
【図34】図33の要部断面図である。
【符号の説明】
1・・・装置本体(本体ケース)
5・・・メガネ
26・・・レンズ押さえ軸(レンズ押さえ部材)
86・・・レンズ受軸(レンズ受)
86a・・・レンズ受部
100L,100R・・・レンズ受軸(レンズ受)
100La,100Ra・・・レンズ受部
113L,113R・・・レンズ押さえ軸(レンズ押さえ部材)
114L,114Rレンズ押さえ軸(レンズ押さえ部材)
LL,LR・・・眼鏡レンズ
SL,SR・・・測定光学系

Claims (1)

  1. メガネの左右の眼鏡レンズがそれぞれ載置可能に設けられた左右一対のレンズ受と、前記一対のレンズ受に載置される眼鏡レンズの屈折特性をそれぞれ測定可能な左右一対の測定光学系を備えるレンズメータであって、
    前記左右の測定光学系の光路途中には前記レンズ受がそれぞれ配設され、且つ前記各レンズ受は前記眼鏡レンズを点で支持可能な先端部を有することにより、前記左右の眼鏡レンズが左右一対のレンズ受により2点で支持可能に設けられていると共に、前記左右のレンズ受間には左右方向の中央に位置させて前記メガネの鼻当を支持する鼻当支持部材が配設され、前記メガネの鼻当を前記鼻当支持部材に支持させ且つ前記メガネの左右の眼鏡レンズを前記左右のレンズ受に支持させた状態で、前記左右一対の測定光学系の光軸に対して互いに接近する方向に移動して、前記メガネの左右の眼鏡レンズを前後から挟持可能な保持部材が設けられていることを特徴とするレンズメータ。
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