JP3775439B2 - 二重チューブ、二重チューブ製造装置、二重チューブを用いたバルーンカテーテル及びバルーンカテーテルの製造方法 - Google Patents

二重チューブ、二重チューブ製造装置、二重チューブを用いたバルーンカテーテル及びバルーンカテーテルの製造方法 Download PDF

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は二重チューブ、二重チューブ製造装置、二重チューブを用いたバルーンカテーテル及びバルーンカテーテルの製造方法に関し、さらに詳しくは、剛性が高いバルーンカテーテルを容易に作製するのに好適な二重チューブ、これを製造するのに好適な二重チューブ製造装置、二重チューブを用いたバルーンカテーテル及びバルーンカテーテルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
心機能補助(いわゆるIABP)バルーンカテーテルや、血管拡張(いわゆるPTCA)バルーンカテーテルは、それを構成するチューブがアウターチューブと、アウターチューブのルーメン内に設けられたインナーチューブとからなる医用二重チューブになっている。また、バルーンを折り畳み収納する空間を確保し、カテーテルの生体への挿入を容易にするために、該チューブの遠位端においてアウターチューブはインナーチューブより短くなっていて、バルーンフィルムはアウターチューブの遠位端とインナーチューブの遠位端とで固定され、インナーチューブに巻き付けて畳めるようになっている。
これらバルーンカテーテルに用いる医用二重チューブはインナーチューブがアウターチューブのルーメン内で自由に移動するのでインナーチューブがよじれやすく、アウターチューブのルーメンを流れる流体の抵抗が高くなるのでバルーンの膨張収縮動作の応答性が低くなる。また、ルーメンの断面積を広くするためには、チューブの壁厚を小さくする必要があるが、その場合にはチューブ全体の剛性が低下しあるいはキンクしやすくなるので生体管への挿入が困難になるという問題があった。
そこで、別の医用二重チューブとして一のルーメンを有するアウターチューブの内面の一部にインナーチューブの外面の一部を密着固定した医用二重チューブが提案されている。このチューブでは、流体の抵抗が小さくなり、インナーチューブのよじれがなくなる。しかし、アウターチューブ内面とインナーチューブ外面とが密着しているため、インナーチューブのみを長くし、アウターチューブを短くするように切り出すのは困難であるため工業的大量生産には適さない。
【0003】
単チューブまたは多層チューブは押出成形機などにより大量に生産されている。単チューブは環状の孔を有するダイを用いて樹脂を押し出すことにより得られる。また多層チューブは環状の孔を1個有するダイを用いて、内層側を形成する樹脂をダイの軸方向から押し出し、同時に外層側を形成する樹脂をダイの軸方向に対して所定角度ずれた方向から押し出し、ダイの中で二層構造を形成し、その二層構造のままダイ出口から押し出すことにより得られる。単チューブまたは二層チューブの押出成形ではルーメンの領域を確保するために押出成形機のダイの出口から気体を吹き出してルーメンが潰れて閉塞するのを防いでいる。しかし、医用二重チューブは、該吹き出し空気の圧力変動によってインナーチューブまたはアウターチューブのルーメンが容易に潰れて閉塞しやすい。そのため医用二重チューブを押出成形で大量生産することはできなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、剛性が高く、流体抵抗が小さいバルーンカテーテルを押出機等によって容易に作製することができる二重チューブ、二重チューブ製造装置、二重チューブを用いたバルーンカテーテル及びバルーンカテーテルの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、この目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、アウターチューブの内面とインナーチューブの外面とを遠位端から近位端まで連なる帯形状の長手状体で連設した二重チューブを用いることによって、前記目的を達成できることを見いだし、この知見に基いて本発明を完成するに到った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かくして本発明によれば、(1) 遠位端から近位端に貫通するルーメンを有するアウターチューブ及びアウターチューブのルーメン内に設けられ、遠位端から近位端に貫通するルーメンを有するインナーチューブを備える医用二重チューブであって、
アウターチューブの内面の一部とインナーチューブの外面の一部とが、遠位端から近位端まで連なる接続部を介して連設されてなり、
接続部はアウターチューブの内面とインナーチューブの外面とを所望の距離で隔てることができる形状をなすものであることを特徴とする二重チューブが提供され、好適な態様として、
(2)接続部が遠位端から近位端まで連なる長手状体であることを特徴とする前記(1)の二重チューブ、
(3) 長手状体がその長軸方向に沿って連続した切り欠き部を有するものであることを特徴とする前記(1)の二重チューブ、
(4) 切り欠き部がアウターチューブの内面又はインナーチューブの外面に近接した部分にあることを特徴とする前記(3)の二重チューブ及び
(5) 前記(1)〜(4)のいずれかの特徴を有するバルーンカテーテル用二重チューブが提供される。
【0006】
本発明によれば、(6) 二重チューブのアウターチューブ部分を形成する樹脂を押し出す第一押出手段、
二重チューブのインナーチューブ部分を形成する樹脂を押し出す第二押出手段及び第一押出手段並びに第二押出手段で押し出された各樹脂をそれぞれ管状に形成するためのダイを有する押出成形装置であって、
ダイは第一押出手段により押し出される樹脂がダイ後方から前方へ通過する第一環状孔と、第二押出手段により押し出される樹脂がダイ後方から前方へ通過する第二環状孔とを有し、第一環状孔の内側に第二環状孔が設けられ、
第一環状孔または第二環状孔の前方出口から後方に向かって、該第一環状孔の内側孔壁または第二環状孔の外側孔壁にスリットが形成され、該スリットによりインナーチューブ部分を形成する樹脂とアウターチューブ部分を形成する樹脂とを連接させる接続部を形成するようになっており、
第一押出手段は第一押出手段から押し出された樹脂がダイの第一環状孔を後方から前方へ通過できるようにダイに接続され、第二押出手段は第二押出手段から押し出された樹脂がダイの第二環状孔を後方から前方へ通過できるようにダイに接続されていることを特徴とする二重チューブ製造装置が提供され、好適な態様として、
【0007】
(7) 第一環状孔又は第二環状孔の前方出口から後方に向かって10mm以内の範囲に第一環状孔の内側孔壁又は第二環状孔の外側孔壁にスリットを形成してなること特徴とする前記(6)の二重チューブ製造装置及び
(8) スリットが第二環状孔の上方に位置するように形成されてなることを特徴とする前記(6)又は(7)の二重チューブ製造装置が提供される。
【0008】
本発明によれば、アウターチューブの長さがインナーチューブの長さよりも短く、インナーチューブ遠位端がアウターチューブの遠位端よりも遠位方向へ伸長している前記(1)、(2)、(3)、(4)または(5)の二重チューブとバルーンとを有するバルーンカテーテルであって、
バルーンは円筒状のフィルムで形成され、
該フィルムの一端はインナーチューブ遠位端に、他端はアウターチューブ遠位端に固定されてなることを特徴とするバルーンカテーテルが提供される。
【0009】
また、本発明によれば、前記(1)、(2)、(3)、(4)又は(5)の二重チューブのアウターチューブ遠位端から所望の長さだけ離れた位置でアウターチューブを輪切りする工程、接続部の遠位端から前記輪切りした部分までとアウターチューブの遠位端から前記輪切りした部分までとを分離する工程、アウターチューブの遠位端から前記輪切りした部分までを除去する工程及び円筒状フィルムの一端をアウターチューブ輪切り部に他端をインナーチューブ遠位端に固定する工程とを有することを特徴とするバルーンカテーテルの製造方法が提供される。
【0010】
本発明の二重チューブは、アウターチューブ及びインナーチューブを備える二重チューブであり、アウターチューブの内面とインナーチューブの外面とが、遠位端から近位端まで連なる接続部を介して連設されている。
接続部はアウターチューブの内面とインナーチューブの外面とを所望の距離で隔てることができる形状をなすものである。接続部は、通常、遠位端から近位端まで連なる長手状体である。長手状体は、その断面によって限定されず、長方形、正方形、ひし形、台形、三角形、五角形などの多角形;真円、楕円などの円形等が挙げられる。長手状体はチューブの長手方向に伸長する形状をなすものであり、棒状や帯状の形態をなしている。
【0011】
長手状体はアウターチューブまたはインナーチューブを形成する材料と同じ材料を通常用いるが、アウターチューブまたはインナーチューブとの分離を容易にするためにアウターチューブまたはインナーチューブを形成する材料と異なるものを用いることが好ましい。
接続部はインナーチューブ外面とアウターチューブ内面との距離が、通常0.05〜3mm、好ましくは0.1〜2mmになる高さを有する。
接続部の厚みは、アウターチューブまたはインナーチューブとの分離を容易にするためにできるだけ小さい方が好ましく、通常、0.03〜0.8mm、好ましくは0.05〜0.6mmである。
【0012】
アウターチューブまたはインナーチューブとの分離を容易にするために接続部に、長軸方向に沿って連続した切り欠き部6を有する長手状体を用いることが好ましい。切り欠き部の大きさは特に限定されない。切り欠き部はインナーチューブ外面とアウターチューブ内面との間の位置に設ける。アウターチューブの分離を容易にするためにインナーチューブ外面またはアウターチューブ内面に近接した位置に設けること(図3(A)、(B)、(D)または(E))が好ましい。
【0013】
【作用】
本発明の二重チューブにおいて、アウターチューブとインナーチューブとで囲まれる空間はバルーンカテーテルのバルーンを膨張させるための液体または気体を通過させるために使用する。本発明の二重チューブはアウターチューブとインナーチューブとが接続部を介して連設されているから、二重チューブを捻ったり、巻いたりしてもインナーチューブがアウターチューブ内で蛇行しない。そのため、バルーンを膨張させるための液体または気体の通過抵抗が小さくなる。
また、本発明の二重チューブはアウターチューブとインナーチューブとが接続部を介して連設されているから、接続部が骨格部材として機能してチューブ全体の剛性を高める。
【0014】
バルーンカテーテルは、通常、インナーチューブがアウターチューブよりも長く、インナーチューブがアウターチューブの遠位端から遠位方向に伸長している二重チューブが用いられる。
本発明の二重チューブは接続部を切り放すことによってアウターチューブとインナーチューブとの連設を容易に解くことができるので、アウターチューブを輪切りする工程、遠位端からアウターチューブ輪切り部までのアウターチューブを接続部から分離する工程及び遠位端からアウターチューブ輪切り部までの接続部とインナーチューブとを分離する工程、アウターチューブを取り除くことによって、インナーチューブを傷つけることなく、インナーチューブがアウターチューブよりも長く且つアウターチューブ遠位端(輪切り部)から遠位方向へ伸長している二重チューブを容易に得ることができる。
【0015】
さらに、本発明の二重チューブにおいて、接続部にその長軸方向に沿って連続した切り欠き部を有するものは、該切り欠き部において容易に分離可能であるのでアウターチューブの切除がさらに容易に行なうことができる。
【0016】
本発明の二重チューブ製造装置は、第一押出手段により押し出される樹脂が第一環状孔13を通過してアウターチューブ部分を形成し、第二押出手段により押し出される樹脂が第二環状孔14を通過しインナーチューブ部分を形成するので、吹き出し空気の圧力変動によるインナーチューブまたはアウターチューブのルーメンの潰れや変形が効果的に防止できる。また、第一環状孔13または第二環状孔14の前方出口から後方に向かってスリットが形成してあるので、第一環状孔13及び第二環状孔14の前方出口において、両環状孔を通過した樹脂が接触して、インナーチューブ外面の一部とアウターチューブ1内面の一部とが接続部で連設された二重チューブが大量に生産可能である。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の実施例に係る二重チューブについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例に係る二重チューブの一部破壊図、図2は図1に示すチューブのI−I’断面図、図3は本発明二重チューブの接続部の態様例を表わした図、図4は本発明の二重チューブ製造装置の一態様の断面を示す図、図5、図6及び図7は本発明の二重チューブ製造装置に用いるダイの態様を示す図、図8は図1に示すチューブを用いてバルーンカテーテルを製造する過程を表わした概略図である。
【0018】
図1に示すように、本発明の一実施例に係る二重チューブは、遠位端から近位端に貫通するルーメンを有するアウターチューブ1及びアウターチューブ1のルーメン内に設けられ、遠位端から近位端に貫通するルーメンを有するインナーチューブ2からなる二重チューブである。
アウターチューブ1の内径は、通常、0.4〜6mm、好ましくは0.5〜4mmであり、アウターチューブ1の肉厚は、通常、0.03〜0.8mm、好ましくは0.05〜0.6mmである。
【0019】
アウターチューブ1は生体管の中に挿入され生体組織と接触する部分であるので、アウターチューブ1の材料として用いられるものは、通常、生体適合性材料である。
生体適合性材料としては、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げられる。なお、生体適合性材料には、造影剤、抗菌剤などが配合されていてもよい。
【0020】
インナーチューブ2の内径は、通常、0.2〜3mm、好ましくは0.3〜2mmであり、インナーチューブ2の肉厚は、通常、0.03〜0.8mm、好ましくは0.05〜0.6mmである。
インナーチューブ2は生体組織と直接には触れないが、生体液がインナーチューブ2のルーメンに侵入してくるのでアウターチューブ1と同様に生体適合性材料で形成する。
【0021】
アウターチューブ1内面とインナーチューブ2外面とを連設する接続部3は長手状体である。
長手状体は、その断面によって限定されず、長方形、正方形、ひし形、台形、三角形、五角形などの多角形;真円、楕円などの円形等が挙げられる(図3)。二重チューブをバルーンカテーテルに加工する際にインナーチューブ2とアウターチューブ1との分離を容易にするために、三角形、五角形、ひし形が好ましい。
長手状体はアウターチューブ1またはインナーチューブ2を形成する材料と同じ材料を通常、用いる。アウターチューブ1またはインナーチューブ2との分離を容易にするためにアウターチューブ1またはインナーチューブ2を形成する材料と異なるものを用いることが好ましい。
接続部3はインナーチューブ2外面とアウターチューブ1内面との距離が、通常0.05〜3mm、好ましくは0.1〜2mmになる高さを有する。
接続部3の厚みは、アウターチューブ1またはインナーチューブ2との分離を容易にするためにできるだけ小さい方が好ましく、通常、0.03〜0.8mm、好ましくは0.05〜0.6mmである。
【0022】
アウターチューブ1またはインナーチューブ2との分離を容易にするために接続部3に、長軸方向に沿って連続した切り欠き部6を有する長手状体を用いることが好ましい。
切り欠き部の大きさは特に限定されない。切り欠き部は、通常、インナーチューブ2外面とアウターチューブ1内面との間の位置に設けるが、アウターチューブ1の分離を容易にするためにインナーチューブ2外面またはアウターチューブ1内面に近接した位置に設けることが好ましい。
【0023】
本発明の二重チューブは、通常、押出成形法によって製造される。具体的には、一つの押出機に材料を仕込み、この押出機を用いて口金から材料を押し出し成形するか、一つの押出機にアウターチューブ用の材料を仕込み、他の一つの押出機にインナーチューブ用の材料を仕込み、該二つの押出機を用いてそれぞれの材料を同時に口金から押し出し成形するかなどする。後者の二つの押出機を用いて成形する方法を採用すると、接続部3の部分にアウターチューブ用材料及びインナーチューブ用材料が押し込まれて界面が生じアウターチューブ1の分離が容易になる。
なお、口金の形状は、インナーチューブ2、アウターチューブ1及び接続部3が同時に押し出し成形されるものであればよい。口金にはインナーチューブ2及びアウターチューブ1のルーメンを確保するために空気吹き出し口を設けることもできる。
【0024】
本発明の二重チューブを工業的大量生産するために好適な製造装置は、二重チューブのアウターチューブ部分を形成する樹脂を押し出す第一押出手段11、二重チューブのインナーチューブ部分を形成する樹脂を押し出す第二押出手段12及び第一押出手段11並びに第二押出手段12で押し出された各樹脂をそれぞれ管状に形成するためのダイを有する押出成形装置である。
【0025】
第一押出手段11及び第二押出手段12は、ダイの後方から樹脂を圧入し、ダイの前方の出口から樹脂を吐き出させるものである。第一押出手段11及び第二押出手段12は各々から押し出された樹脂がダイに在る環状孔を通過できるように接続され得るようになっている。
【0026】
第一押出手段11及び第二押出手段12としては、通常、スクリュ、歯車(ギア)、遊星ネジ、回転円板のごとき押出機構を有する押出機が挙げられる。押出機の具体例としては、単軸押出機、二軸押出機、ベント型押出機、混練押出機、二段押出機、多軸押出機、斜交多軸押出機、遊星ネジ押出機、歯車型押出機、ラム式押出機、回転円板式押出機などが挙げられる。
【0027】
ダイは前記第一押出手段11及び第二押出手段12により押し出された樹脂を所望の形状に成形するための型である。
図5(1−A)並びに(2−A)、図6(1−A)並びに(2−A)及び図7(1−A)は本発明の二重チューブ製造装置に用いるダイの態様を示す断面図、図5(1−B)並びに(2−B)、図6(1−B)並びに(2−B)及び図7(1−B)はそれぞれ図5(1−A)並びに(2−A)、図6(1−A)並びに(2−A)及び図7(1−A)に示すダイを前方から見たときの正面図である。
【0028】
本発明の製造装置において、ダイは第一押出手段11により押し出される樹脂が通過する第一環状孔13と、第二押出手段12により押し出される樹脂が通過する第二環状孔14とを有し、第一環状孔13の内側(環の内側)に第二環状孔14が設けられている。ダイの第一環状孔13と第二環状孔14とは、通常、実質的に連通していない。第一環状孔13と第二環状孔14とが実質的に連通していないので、第一押出手段11で樹脂を押し出すと第一環状孔13から樹脂が吐き出されてアウターチューブ1部分を形成でき、第二押出手段12で樹脂を押し出すと第二環状孔14から樹脂が吐き出されてインナーチューブ2部分を形成できる。ここで、実質的に連通していないとは後記のスリットを設けた僅かな部分だけが連通していることができることをいう。
【0029】
本発明の製造装置におけるダイには、その第一環状孔13または第二環状孔14にアウターチューブ1の内面の一部とインナーチューブ2の外面の一部とを連設する接続部3を形成するためのスリット15が連接されている。該スリットの長さはダイ前方の出口から後方に向かって、通常、約10mm以下の範囲、好ましくは5mm以下の範囲であることがインナーチューブ2またはアウターチューブ1のルーメンの潰れや閉塞を防ぐのに好ましい。スリット15は、通常、第一環状孔13または第二環状孔14と連通している。スリット15が第一環状孔13または第二環状孔14のどちらか一方に設けられている場合(図5(2−A)又は図6(1−A))には、スリット15の底が第二環状孔14または第一環状孔13に近接するように、通常、1mm以下、好ましくは0.5mm以下の距離になるように、またスリット15が第一環状孔13及び第二環状孔14の両方に設けられている場合(図7(1−A))には、スリット15の底同士が近接するように、通常、1mm以下、好ましくは0.5mm以下の距離になるように、スリット15を設けることがアウターチューブ1の内面の一部とインナーチューブ2の外面の一部とを連設するために好ましい。なお、スリット15が第一環状孔13及び第二環状孔14の両方に設けられ、第一環状孔13及び第二環状孔14が連通するようになっている方が、接続部とインナーチューブ及びアウターチューブとが確実に連接されるので好適である。
【0030】
第一環状孔13または第二環状孔14の大きさは、二重チューブのアウターチューブ1とインナーチューブ2の外径及び内径に適合させて適宜選択できる。
スリット15の形状は、第一環状孔13または第二環状孔14と連通するできる形状で、アウターチューブ1内面の一部とインナーチューブ2外面の一部とを連設する接続部3を形成できるものである。例えば、ダイを軸方向正面から観察したときに、図5(1−B)のごとく四角形であってもよいし、図5(2−B)や図6(1−B)のごとく三角形、図6(2−B)のごとく五角形またはひし形であってもよい。二重チューブをバルーンカテーテルに加工する際にインナーチューブ2とアウターチューブ1との分離を容易にするために、図3に示したような断面の二重チューブを得るために三角形、五角形、ひし形が好ましい。
スリット15の幅及び深さは、アウターチューブ1とインナーチューブ2とを連設する接続部3の大きさに従って設計すればよい。
【0031】
なお、ダイには、チューブのルーメンを確保するために空気吹き出し口(図示せず)を第二環状孔14の内側(環の内側)及び第二環状孔14の外側(環の外側)で第一環状孔13の内側(環の内側)に設けることができる。
【0032】
本発明の製造装置においては、通常、第一押出手段11及び第二押出手段12にダイの第一環状孔13及び第二環状孔14が概ね水平になるように取り付ける。なお、本発明の製造装置においては、二重チューブのインナーチューブ2及びアウターチューブ1のルーメンの寸法安定性を高めるためにスリット15が第二環状孔14の上方になるようにダイを第一押出手段11及び第二押出手段12に取り付けたものが好ましい。
【0033】
本発明の二重チューブを用いてバルーンカテーテルを製造する方法は、図8に示すように、前記二重チューブのアウターチューブ1遠位端から所望の長さだけ離れた位置でアウターチューブ1を輪切りする工程、接続部3の遠位端から前記輪切りした部分までとアウターチューブ1の遠位端から前記輪切りした部分までとを分離する工程、アウターチューブ1の遠位端から前記輪切りした部分までを除去する工程及び円筒状フィルムで前記輪切り部からインナーチューブ2遠位端部までを覆い、該フィルムの一端をアウターチューブ1輪切り部に他端をインナーチューブ2遠位端に固定する工程を有するものである。
【0034】
アウターチューブ1を輪切りする工程において輪切りする位置は目的とするバルーンカテーテルごとに異なるが、遠位端から、通常、10〜500mm、好ましくは50〜400mmである。
輪切りの手段は特に限定されず、例えば、パイプカッター、ナイフ等でアウターチューブ1の壁を切断する手段などを採用できる。
【0035】
接続部3の遠位端から前記輪切りした部分までとアウターチューブ1の遠位端から前記輪切りした部分までとを分離する工程において、分離する手段は、特に限定されず、例えば引き裂き分離する手段、ナイフ等で切断分離する手段などがある。
これら工程を経ることによりアウターチューブ1の遠位端から前記輪切りした部分までを除去できる。
なお、アウターチューブ1遠位端より遠位方向に伸長して突き出ているインナーチューブ2の外面を滑らかにするために、接続部3の遠位端から前記輪切りした部分までとインナーチューブ2の遠位端から前記輪切りした部分までとを分離する工程を加えて、接続部3の遠位端から前記輪切りした部分までをインナーチューブ2から除去してもよい。
【0036】
アウターチューブ1の遠位端から前記輪切り部までを除去した後、円筒状のフィルムでアウターチューブ1輪切り部(以下、アウターチューブ1遠位端ともいう。)からインナーチューブ2遠位端部までを覆い、該フィルムの一端をアウターチューブ1遠位端に他端をインナーチューブ2遠位端に固定する。
円筒状のフィルムは、バルーンを形成するためのものである。フィルムの膜厚は、通常、80〜150μmであり、フィルムの面積は、このフィルムを固定しバルーンを形成した後、膨張させた状態において、その容量が、通常、10〜80cm3になり、バルーンの外径が、通常、10〜20mmになり、バルーンの長軸方向の長さが、通常、10〜500mmになるようになる範囲である。
フィルムとしては屈曲疲労耐性及び抗血栓性に優れた材質のものを使用する。例えば、ポリウレタン、天然ゴムなどが挙げられる。
フィルムはアウターチューブ1遠位端及びインナーチューブ2遠位端に、熱融着または接着などの手段で固定される。
【0037】
【発明の効果】
本発明の二重チューブはアウターチューブとインナーチューブとが接続部を介して連設されているから、二重チューブを捻ったり、巻いたりしても、インナーチューブがアウターチューブ内で蛇行しない。そのため、バルーンを膨張させるための液体または気体の通過抵抗が小さくなる。アウターチューブとインナーチューブとが接続部を介して連設されているから、接続部が骨格部材として機能しチューブ全体の剛性を高める。
【0038】
本発明の二重チューブはアウターチューブとインナーチューブとを連設する接続部を切り放すことによって、アウターチューブとインナーチューブとの連設を容易に解くことができるので、アウターチューブを輪切りする工程、遠位端からアウターチューブ輪切り部までのアウターチューブを接続部と分離する工程及び遠位端からアウターチューブ輪切り部までの接続部とインナーチューブとを分離する工程を任意の順で行ない、アウターチューブだけを取り除くことによって、インナーチューブに傷を付けることなく、インナーチューブがアウターチューブよりも長く且つアウターチューブ遠位端から露出しているものを容易に得ることができるものである。
【0039】
さらに、本発明の二重チューブにおいて、接続部がその長軸方向に沿って連続した切り欠き部を有するものは、該切り欠き部において容易に分離可能であるので、アウターチューブの切除がさらに容易に行なうことができる。
【0040】
本発明の二重チューブは医療用途に好適であり、特にバルーンカテーテル用として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る二重チューブの一部破壊図。
【図2】 図1に示す二重チューブのI−I’断面図
【図3】 本発明の二重チューブの接続部の断面形状の態様例を表わした図。
【図4】 本発明の二重チューブ製造装置の一態様の断面を示す図。
【図5】 本発明の二重チューブ製造装置に用いるダイの態様を示す図。
【図6】 本発明の二重チューブ製造装置に用いるダイの別の態様を示す図。
【図7】 本発明の二重チューブ製造装置に用いるダイの別の態様を示す図。
【図8】 図1に示す二重チューブを用いてバルーンカテーテルを製造する過程を表わした概略図
【符号の説明】
1・・・アウターチューブ
2・・・インナーチューブ
3・・・接続部
4・・・輪切り部(アウターチューブ遠位端)
5・・・バルーン
6・・・切り欠き部
10・・・ダイ
11・・・第一押出手段
12・・・第二押出手段
13・・・第一環状孔
14・・・第二環状孔
15・・・スリット

Claims (4)

  1. 遠位端から近位端に貫通するルーメンを有するアウターチューブ及びアウターチューブのルーメン内に設けられ、遠位端から近位端に貫通するルーメンを有するインナーチューブを備える医用二重チューブであって、
    アウターチューブの内面の一部とインナーチューブの外面の一部とが、遠位端から近位端まで連なる接続部を介して連設されてなり、
    接続部はアウターチューブの内面とインナーチューブの外面とを所望の距離で隔てることができる形状をなすものであり、且つ接続部は長手状体であり、該長手状体は、断面が三角形、五角形又はひし形であることを特徴とする二重チューブ。
  2. 二重チューブのアウターチューブ部分を形成する樹脂を押し出す第一押出手段、
    二重チューブのインナーチューブ部分を形成する樹脂を押し出す第二押出手段及び第一押出手段並びに第二押出手段で押し出された各樹脂をそれぞれ管状に形成するためのダイを有する押出成形装置であって、
    ダイは第一押出手段により押し出される樹脂がダイ後方から前方へ通過する第一環状孔と、第二押出手段により押し出される樹脂がダイ後方から前方へ通過する第二環状孔とを有し、第一環状孔の内側に第二環状孔が設けられ、
    第一環状孔または第二環状孔の前方出口から後方に向かって、該第一環状孔の内側孔壁または第二環状孔の外側孔壁にスリットが形成され、該スリットの形状は三角形、五角形又はひし形であり、該スリットによりインナーチューブ部分を形成する樹脂とアウターチューブ部分を形成する樹脂とを連接させる接続部を形成するようになっており、
    第一押出手段は第一押出手段から押し出された樹脂がダイの第一環状孔を後方から前方へ通過できるようにダイに接続され、第二押出手段は第二押出手段から押し出された樹脂がダイの第二環状孔を後方から前方へ通過できるようにダイに接続されていることを特徴とする二重チューブ製造装置。
  3. アウターチューブの長さがインナーチューブの長さよりも短く、インナーチューブ遠位端がアウターチューブの遠位端よりも遠位方向へ伸長している請求項1記載の二重チューブとバルーンとを有するバルーンカテーテルであって、
    バルーンは円筒状のフィルムで形成され、
    該フィルムの一端はインナーチューブ遠位端に、他端はアウターチューブ遠位端に固定されてなることを特徴とするバルーンカテーテル。
  4. 請求項1記載の二重チューブのアウターチューブ遠位端から所望の長さだけ離れた位置でアウターチューブを輪切りする工程、接続部の遠位端から前記輪切りした部分までとアウターチューブの遠位端から前記輪切りした部分までとを分離する工程、アウターチューブの遠位端から前記輪切りした部分までを除去する工程及び円筒状フィルムの一端をアウターチューブ輪切り部に他端をインナーチューブ遠位端に固定する工程とを有することを特徴とするバルーンカテーテルの製造方法。
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