JP3775383B2 - マルチビームレーダ装置及びマルチビームレーダ送受信方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マルチビームレーダ装置及びマルチビームレーダ送受信方法に係り、より詳しくは、移動目標の検出を行う機械回転型のマルチビームレーダ装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のマルチビームレーダ装置としては、例えば、特許文献1に記載のものがある。この特許文献1に記載のレーダ装置は、目標からの反射電力を検出する受信電力検出手段、目標までの距離を検出する距離検出手段、及び目標のスピードを検出するスピード検出手段、これらの手段で検出された情報を所定の閾値と比較するビーム制御手段とを備え、比較の結果に基づいてDBF手段を制御してビームの本数及び間隔を制御するように構成される。
【0003】
また、レーダ信号処理におけるDBF(Digital Beamforming:デジタルビーム形成)手法及びMTI(Moving Target Indication:移動目標表示)処理については、例えば、非特許文献1に記載されている。
【0004】
また、レーダ装置におけるレーダ探知能力の評価に関するレーダ方程式については、例えば、非特許文献2に記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−171551号公報
【非特許文献1】
エム・スコルニック(M.Skolnik)著,「レーダ・ハンドブック・セカンド・エディション(Radar Handbook 2nd Edition)」,マグロウヒル(McGraw-Hill)社刊,1990年,図15.2,式15.5,p.7−8
【非特許文献2】
ディー・ケイ・バートン(D.K.Barton)著,「モダン・レーダ・システム・アナリシス(Modern radar system analysis)」,アーテック・ハウス(Artech House)社刊,1988年,式1.3.3
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
機械回転型のフェーズドアレイアンテナを有するレーダ装置としては、国内外において種々のものが実用化されている。その典型的なものとしては、3次元防空用レーダAN/FPS−117が知られている。このレーダ装置の主要諸元は、周波数D帯(1〜2GHz)、アンテナ開口寸法7.32m×7.32m、最大探知距離288km、アンテナ回転数6RPM/5RPM(切替)となっており、レーダ装置は、ペンシルビームを位相制御により仰角方向に電子走査しながら、回転駆動により方位方向に走査させている。この様にして、所望の空域(仰角方向及び方位方向からなる領域)が捜索され、目標の3次元位置情報(方位、距離及び高度)が得られる。
【0007】
一般に、捜索用レーダ装置の信号処理においては、大地、海面等からの不要反射信号(クラッタ)を抑圧することが重要である。クラッタを抑圧するために、レーダ信号についてのMTI処理が従来からよく行われている。このMTI処理により、送信パルスの繰返し周期ごとの受信信号の減算の原理に基づいて、クラッタが消去され移動目標が検出される。ここで、MTI処理を動作させるためには、原理的に同一方向について少なくとも2ヒット(2回のレーダ送信パルス照射に相当)が必要であり、効果的なMTI動作を確保するためには、通常、数ヒットとなるように構成する必要がある。
【0008】
一方、近年における目標のステルス化(レーダ反射断面積の小断面積化)及び目標の移動速度の高速化により、レーダ探知能力を増大させなければならず、そのためには、レーダアンテナを大型化し最大探知距離を延伸する必要がある。ここで、例えば、レーダ諸元が周波数3GHz、アンテナ開口寸法(横幅)10m、最大探知距離500km、アンテナ回転数5RPMであり、ペンシルビームを仰角方向に8段階で電子走査しながら回転駆動により方位方向にビーム走査する3次元捜索レーダ装置の場合、方位方向のビーム幅、送信パルスの繰返し周期、及び、仰角方向の走査段階ごとのヒット数(以下、単にヒット数という)は、概略、次式(1)〜(3)により算出される。
【0009】
【数1】
【0010】
従って、この様なレーダ装置では、ヒット数がほぼ1となってしまい、MTI動作に最低限必要な2ヒットですら確保できないので、クラッタを消去することができなかった。
【0011】
ところで、ヒット数を増やす方法としては、いくつかの方策が考えられる。例えば、アンテナ面を2面に増やし、各アンテナ面ごとの方位方向の捜索範囲を1/2にして1面当たりの捜索時間の割当てを2倍にすれば、ヒット数は2倍になる。しかし、この方法では、レーダ探知能力は平均送信電力とアンテナ実効開口面積との積で定められるとする捜索レーダについてのレーダ方程式により、所要レーダ資源(所要電力等)の増大という対価を強いられるという問題があった。
【0012】
具体的には、各アンテナの実効開口面積がもとのアンテナの実効開口面積と等しいとするならば、2倍の平均送信電力が必要である。一般に、レーダシステムの所要電力は送信電力(平均送信電力)が支配的に影響するので、この方法は、レーダ装置の所要電力の増大を招くという問題があった。
【0013】
また、他の方法としては、単に方位方向のビーム幅を増やす方法及び仰角方向のビーム幅を増やす(仰角方向の走査段階数を減らすことに相当)方法が考えられる。しかし、いずれの方法もアンテナ利得の低下を招き、探知距離の低下、及び、方位方向及び仰角方向についての角度分解能の低下をもたらすという問題があった。
【0014】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、所要レーダ資源を増大させることなく、クラッタを効果的に抑圧することができるマルチビームレーダ装置及びマルチビームレーダ送受信方法を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明によるマルチビームレーダ装置は、2以上の受信ビームを方位方向に配列させたマルチビームを送信ビーム内に形成するマルチビーム形成手段と、回転駆動により送受信ビームを方位方向に走査する方位方向走査手段と、位相制御により所定の走査周期で送受信ビームを仰角方向に走査する仰角方向走査手段と、送受信ビームを方位方向にずらす制御を行うビーム方位制御手段と、受信ビームに基づいて移動目標の検出を行う移動目標検出手段とを備え、上記仰角方向走査手段が、仰角方向の走査範囲を2以上に区分してビーム走査を行い、上記ビーム方位制御手段が、上記仰角方向走査手段によるビーム走査の区分ごとに、送受信ビームを方位方向についてビーム幅の1/2だけずらすように構成される。
【0016】
本発明によるマルチビームレーダ送受信方法は、2以上の受信ビームを方位方向に配列させたマルチビームを送信ビーム内に形成するマルチビーム形成ステップと、回転駆動により送受信ビームを方位方向に走査する方位方向走査ステップと、位相制御により所定の走査周期で送受信ビームを仰角方向に走査する仰角方向走査ステップと、送受信ビームを方位方向にずらすビーム方位制御ステップと、受信ビームに基づいて移動目標の検出を行う移動目標検出ステップとからなり、上記仰角方向走査ステップが、仰角方向の走査範囲を2以上に区分してビーム走査を行うステップであり、上記ビーム方位制御ステップが、上記ビーム走査の区分ごとに、送受信ビームを方位方向についてビーム幅の1/2だけずらすステップであるように構成される。
【0017】
この様な構成によれば、受信用に同時マルチビームを形成し、送信用に方位方向に広角度なビーム送信を行うことにより、ヒット数を確保することができる。このため、レーダ装置が大型化しても、所要レーダ資源を大幅に増大させることなく、クラッタを効果的に消去することが可能になる。
【0018】
MTI処理におけるヒット数を確保するには、ビーム幅を増やすことが考えられる。ここで、最大探知距離を確保するには、送信ビーム幅のみ増やし、受信ビームを僅かずつ指向方向がずれた複数の狭ビーム(高利得ビーム)から形成することが好ましい。この様にすれば、送信電力の増大を伴うことなく、送信アンテナの利得の低下部分をヒット数増(ヒット積分信号処理)で相殺することができ、最大探知距離を確保することが可能になる。
【0019】
送信ビーム幅を増やす場合、方位方向に増やすか、あるいは、仰角方向に増やすか、もしくは、その両方を行うかのいずれかが考えられる。一般に、航空機探知用の遠距離捜索レーダでは、探知距離に比べて航空機の飛行高度が小さいことから、仰角方向のビーム角の増加とともに最大探知距離が減少する。従って、仰角方向に送信ビーム幅を増やす場合は、最大探知距離が最も大きい低仰角方向に合わせて送信パルス繰返し周期を定めると、高仰角部分において送信パルス繰返し周期が過大となってしまい、この部分が無駄となってレーダ資源の使用効率が低下する。さらに、送信パルス繰返し周期が長いと、MTI処理によるクラッタ抑圧の効果も低下するので、不用意に送信パルス繰返し周期を長くすることは回避すべきである。
【0020】
また、方位方向及び仰角方向について送信ビーム幅を増やす場合は、送信ビームをカバーするため受信マルチビームを2次元(方位方向及び仰角方向)で形成しようとすると、ビーム形成の信号処理が複雑になってしまう。
【0021】
一方、方位方向について最大探知距離は一定であり、方位方向に送信ビーム幅を増やしても、仰角方向に増やす場合のような不都合は生じない。この様なことから、方位方向に送信ビーム幅を増やすことが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1によるマルチビームレーダ装置の一構成例を示したブロック図である。本実施の形態のマルチビームレーダ装置110は、航空機などの移動目標の検出を行う捜索用レーダであり、受信用に同時マルチビームを形成し、送信用に方位方向に広角度なビーム形成を行っている。
【0023】
マルチビームレーダ装置110は、複数の素子アンテナ1と、2以上の送受信モジュール列2と、2以上の垂直分配器3と、ビーム形成器4と、2以上の移動目標検出器5と、ビーム間相関処理器6と、表示器7と、励振器8と、水平分配器9と、ビーム制御器10と、送受信ビーム仰角走査信号発生器11と、送信ファンビーム形成信号発生器12と、機械回転駆動系13により構成される。
【0024】
送受信モジュール列(送受信MDL列)2は、垂直方向に配置された複数の送受信モジュール(不図示)により構成され、各送受信モジュールごとに素子アンテナ1が設けられている。従って、送受信モジュール列2には、素子アンテナ1が垂直方向(ビーム走査における仰角方向)に複数設置されている。各送受信モジュールは、送受信信号について増幅及び移相制御を行っており、この移相制御は、ビーム制御器10からの制御信号に基づいて行われる。
【0025】
垂直分配器3は、各送受信モジュール列2ごとに設けられ、送受信モジュール列2を構成する各送受信モジュールに対し、送受信信号の電力分配及び合成を行っている。複数の垂直分配器3を水平方向(ビーム走査における方位方向)に配置することによって、フェーズドアレイアンテナが構成され、機械回転駆動系13により一体となって水平方向に回転駆動される。
【0026】
水平分配器9からの送信信号は、各垂直分配器3によって送受信モジュールごとに分配される。分配された送信信号は、送受信モジュール列2の対応する送受信モジュールにおいて移相制御された後、電力増幅されて素子アンテナ1を介して空間へ放射される。
【0027】
一方、素子アンテナ1からの受信信号は、送受信モジュールにおいて低雑音増幅され、そして、送信信号の場合と同様に移相制御される。その後、送受信モジュール列2の各送受信モジュールごとの受信信号は、垂直分配器3へ出力され、垂直分配器3によって垂直方向に電力合成されてビーム形成器4へ出力される。
【0028】
ビーム形成器4は、DBF手法に基づいて受信信号から同時マルチビームを形成するマルチビーム形成手段である。ビーム形成器4は、各垂直分配器3の受信信号に基づいて、方位方向に配列された2以上の受信ビームを生成している。これらの受信ビームは同時に生成され、マルチビームを形成している。
【0029】
マルチビームを構成する各受信ビームは、方位方向及び仰角方向のビーム幅が狭くなっており、いわゆるペンシルビーム形状をしている。また、マルチビームは、送信ビーム内に形成される。形成されたマルチビームは、受信ビームごとに移動目標検出器5へ出力される。
【0030】
移動目標検出器5は、MTI処理を行うことにより、受信ビームから移動目標を検出する検出手段である。移動目標検出器5は、受信ビームごとに設けられ、各受信ビームは、それぞれ対応する移動目標検出器5においてMTI処理される。このMTI処理により受信ビームからクラッタが抑圧されて、移動目標の判別が行われる。この様な検出データは、ビーム間相関処理器6へ出力される。
【0031】
ビーム間相関処理器6は、移動目標検出器5からの受信ビームごとの検出データに基づいて、ビーム間の相関処理を行っている。この相関処理によってレーダ信号におけるノイズが除去され、高感度で目標検出が行われる。処理結果は表示器7へ出力される。
【0032】
水平分配器9は、励振器8により生成されたパルス状の送信信号を各垂直分配器3に分配し、送信信号を対応する垂直分配器3へ出力している。なお、励振器8は、所定のパルス繰返し周期で送信信号を生成し、所定の時間間隔で出力している。
【0033】
ビーム制御器10は、送受信ビーム仰角走査信号発生器11及び送信ファンビーム形成信号発生器12からの信号に基づいて、各送受信モジュール列2における移相制御のための制御信号を出力する位相制御手段である。この制御信号に基づいて、送受信モジュール列2の各送受信モジュールにおいて送受信信号の移相制御が行われる。
【0034】
送受信ビーム仰角走査信号発生器11は、送受信信号について仰角方向にビーム走査するための走査信号を生成している。走査信号はビーム制御器10へ出力され、この走査信号に基づく位相制御によりビーム走査が行われる。ビーム走査は、所定の走査周期ごとに行われ、仰角方向の所定の走査範囲について行われる。また、ビーム走査は、2以上に区分して行われ、各区分ごとに送受信ビームが形成される。
【0035】
送信ファンビーム形成信号発生器12は、方位方向にビーム幅の広いファンビームを形成するための形成信号を生成する送信ファンビーム形成手段である。形成信号はビーム制御器10へ出力され、この形成信号に基づく位相制御により送信ビームが形成される。
【0036】
機械回転駆動系13は、フェーズドアレイアンテナを回転駆動することにより、送受信ビームを方位方向にビーム走査する方位方向走査手段である。回転駆動は、所定の回転速度で行われる。従って、送受信ビームは、位相制御によって仰角方向に電子走査されるとともに、回転駆動によって方位方向に走査される。この様にして、所望の空域全体が隙間なく順次に捜索される。
【0037】
図2のステップS101〜S106は、図1のマルチビームレーダ装置における信号処理の動作例を示したフローチャートである。移動目標の捜索が開始されると、まず、励振器8によって生成された送信信号が各素子アンテナ1を介して放射され、送信ファンビーム形成信号発生器12からの形成信号に基づいて、方位方向にビーム幅の広い送信ビームが形成される(ステップS101)。
【0038】
送信ビームは移動目標などによって反射され、反射エコーとしてその一部が各素子アンテナ1を介して受信される。そして、受信信号からビーム形成器4によって2以上の受信ビームからなる同時マルチビームが送信ビーム内に形成される(ステップS102)。
【0039】
各受信ビームは、それぞれ移動目標検出器5によってMTI処理され、移動目標が検出される。検出データは、さらに、ビーム間相関処理器6によって相関処理され、移動目標の3次元位置情報が表示器7に表示される(ステップS103。
【0040】
送受信ビーム仰角走査信号発生器11からの走査信号に基づいて、ビーム制御器10は、送受信ビームを仰角方向に所定量だけシフトさせて、次のビーム形成に備える(ステップS104,S106)。仰角方向のビーム走査の各区分ごとにステップS101からステップS103までの処理手順を繰り返し、所定の走査区分における処理がすべて終了すると、次のビーム走査が開始される(ステップS105)。
【0041】
図3は、図1のマルチビームレーダ装置におけるビーム走査の一例を示した説明図であり、仰角方向の走査区分ごとに送信ビーム及び受信ビームの各断面を示している。ここでは、マルチビームが3つの受信ビーム14a〜14cからなり、仰角方向の電子走査が4つの走査区分A1〜A4に区分して行われる場合について説明する。
【0042】
各受信ビーム14a〜14cは送信ビーム15内に同時に形成され、送受信ビームはともに仰角方向に電子走査される。電子走査は、例えば、高仰角から低仰角に向かって所定の走査範囲内で行われ、所定量だけシフトさせながら走査区分A1から走査区分A4まで順次に送受信ビームが形成される。
【0043】
この様な電子走査に並行してフェーズドアレイアンテナが回転駆動されるので、送受信ビームは走査区分A1〜A4ごとに方位方向にシフトしている。所定の走査区分A1〜A4を電子走査し終わると、次の電子走査が開始され、走査区分A1〜A4と同様にして、走査区分A5〜A8が順次に走査される。この様にして、送受信ビームを方位方向にシフトさせながら仰角方向に電子走査することによって、隙間なく所望の空域が捜索される。
【0044】
本実施の形態によれば、受信用に同時マルチビームを形成し、送信用に方位方向にビーム幅の広いファンビームを形成することによって、所要レーダ資源を増大させることなく、ヒット数を増やすことができる。このため、効果的なMTI動作を確保することができ、クラッタが抑圧されて移動目標を高感度で検出することができる。
【0045】
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2によるマルチビームレーダ装置の構成例を示したブロック図である。図1のレーダ装置110(実施の形態1)と比較すれば、本実施の形態のマルチビームレーダ装置120は、回転速度補正用方位信号発生器16を備えている点で異なる。
【0046】
図1のレーダ装置110は、従来のレーダ装置に比べてヒット数が増加するのでクラッタ抑圧能力が大幅に向上しているが、送受信ビームの方位が回転駆動により変化するためクラッタのスペクトルに揺らぎが生じて、クラッタ抑圧能力に制約があった。本実施の形態では、この抑圧能力の制約を方位の変化を補正することによって解消している。
【0047】
回転速度補正用方位信号発生器16は、送受信ビームについて回転駆動による方位の変化を補正するための方位信号を生成するビーム回転補正手段である。方位信号は、予め定められた回転速度に基づいて生成され、ビーム形成器4及びビーム制御器10へ出力される。ビーム形成器4及びビーム制御器10においては、この方位信号に基づいて方位方向のずれを補正する位相制御が行われる。ずれの補正は、送受信ビームの仰角方向における走査区分ごとに行われ、補正により回転駆動による方位方向のずれが解消される。
【0048】
図5は、図4のマルチビームレーダ装置におけるビーム走査の一例を示した説明図である。3つの受信ビーム14a〜14cと、受信ビーム14a〜14cのビーム幅を覆う送信ビーム15について、仰角方向の各走査区分B1〜B4ごとに方位方向のずれが補正され、方位方向にずれることなくビーム走査が行われている。
【0049】
本実施の形態によれば、ヒット数の増加によりクラッタ抑圧能力が向上するとともに、回転駆動に伴うクラッタのスペクトルの揺らぎを低減させ、クラッタ抑圧の制約を回避することができるので、より高感度で移動目標を検出することが可能になる。
【0050】
実施の形態3.
図6は、本発明の実施の形態3によるマルチビームレーダ装置の構成例を示したブロック図である。図4のレーダ装置120(実施の形態2)と比較すれば、本実施の形態のマルチビームレーダ装置130は、仰角方向スタガ信号発生器17を備えている点で異なる。
【0051】
図4のレーダ装置120は、送受信ビームの仰角方向の走査範囲において、走査開始仰角及び走査終了仰角がそれぞれ走査周期ごとのビーム走査間で一定であるため、方位方向に隣接するビーム走査間の間隙が深かった。このため、この間隙部分に位置する目標の探知が不安定になる場合があった。本実施の形態では、仰角方向のビーム走査ごとに走査範囲を仰角方向にずらすことにより、間隙を少なくしている。
【0052】
仰角方向スタガ信号発生器17は、送受信ビームの仰角方向の走査範囲を仰角方向にずらすためのスタガ信号を生成するビーム走査間間隙除去手段である。スタガ信号は、送受信ビームの仰角方向のビーム幅に基づいて生成され、送受信ビーム仰角走査信号発生器11へ出力される。送受信ビーム仰角走査信号発生器11においては、このスタガ信号に基づいて位相制御のための走査信号が出力される。
【0053】
送受信ビームの仰角方向の走査範囲についての位相制御は、仰角方向のビーム走査ごとに行われ、走査開始位置及び走査終了位置をともに仰角方向についてビーム幅の1/2程度だけずらす制御が行われる。
【0054】
図7は、図6のマルチビームレーダ装置におけるビーム走査の一例を示した説明図である。受信ビーム14a〜14c及び送信ビーム15の仰角方向の走査範囲において、走査開始仰角及び走査終了仰角がともに走査周期ごとのビーム走査間でビーム幅の1/2だけ仰角方向にずれている。
【0055】
例えば、仰角方向のビーム走査C1に対して次のビーム走査C2は、走査開始位置が仰角方向のビーム幅の1/2だけ低仰角方向にシフトしており、これに伴って、走査終了位置もビーム幅の1/2だけ低仰角方向にシフトしている。一方、ビーム走査C2に対してビーム走査C3は、走査開始位置及び走査終了位置をビーム幅の1/2だけ高仰角方向にシフトさせて行われる。この様にして、低仰角方向へのシフトと、高仰角方向へのシフトを走査周期ごとに交互に繰り返しながらビーム走査が行われ、所望の空域が捜索される。
【0056】
本実施の形態によれば、送受信ビームの仰角方向のビーム走査において、走査周期ごとのビーム走査間の間隙を狭めて走査することができる。このため、空域全体を密に捜索することができ、安定して目標探知を行うことができる。
【0057】
上記実施の形態では、実施の形態2のレーダ装置120に仰角方向スタガ信号発生器17を付加することによりビーム走査間の間隙を浅くしているが、実施の形態1のレーダ装置110に仰角方向スタガ信号発生器17を付加する構成であっても良く、この場合でも、同様の効果を得ることができる。
【0058】
実施の形態4.
図8は、本発明の実施の形態4によるマルチビームレーダ装置の構成例を示したブロック図である。図4のレーダ装置120(実施の形態2)と比較すれば、本実施の形態のマルチビームレーダ装置140は、方位方向スタガ信号発生器18を備えている点で異なる。
【0059】
図4のレーダ装置120は、送受信ビームの仰角方向のビーム走査において、方位方向のビーム位置がビーム走査の各区分間で一定であるため、仰角方向に隣接する区分間のビーム間隙が深かった。このため、この間隙部分に位置する目標の探知が不安定になる場合があった。本実施の形態では、仰角方向のビーム走査の各区分ごとにビーム位置を方位方向にずらすことにより、間隙を少なくしている。
【0060】
方位方向スタガ信号発生器18は、送受信ビームの仰角方向のビーム走査において、ビーム位置をビーム走査の各区分ごとに方位方向にずらすためのスタガ信号を生成するビーム方位制御手段である。スタガ信号は、送受信ビームの方位方向のビーム幅に基づいて生成され、ビーム制御器10へ出力される。ビーム制御器10においては、このスタガ信号に基づいて送受信ビームについての位相制御が行われる。
【0061】
位相制御は、仰角方向のビーム走査の各区分ごとに行われ、受信ビーム及び送信ビームともにビーム位置を、受信ビームの方位方向のビーム幅の1/2程度だけずらす制御が行われる。
【0062】
図9は、図8のマルチビームレーダ装置におけるビーム走査の一例を示した説明図である。受信ビーム14a〜14c及び送信ビーム15の仰角方向のビーム走査において、ビーム位置が走査区分ごとに受信ビームの方位方向のビーム幅の1/2だけ方位方向にずれている。
【0063】
例えば、仰角方向の走査区分D1に対して次の走査区分D2は、送受信ビームのビーム位置が受信ビームの方位方向のビーム幅の1/2だけ右方(回転駆動方向)にシフトしている。一方、走査区分D2に対して走査区分D3は、ビーム位置をビーム幅の1/2だけ左方にシフトさせて行われる。この様にして、方位方向右方へのシフトと、左方へのシフトを走査区分ごとに交互に繰り返しながら仰角方向のビーム走査が行われ、所望の空域が捜索される。
【0064】
本実施の形態によれば、送受信ビームの仰角方向のビーム走査において、走査区分ごとのビーム間の間隙を狭めて走査することができる。このため、空域全体を密に捜索することができ、安定して目標探知を行うことができる。
【0065】
上記実施の形態では、実施の形態2のレーダ装置120に方位方向スタガ信号発生器18を付加することによりビーム走査間の間隙を浅くしているが、実施の形態1のレーダ装置110に方位方向スタガ信号発生器18を付加する構成であっても良く、この場合でも、同様の効果を得ることができる。
【0066】
実施の形態5.
図10は、本発明の実施の形態5によるマルチビームレーダ装置の構成例を示したブロック図である。図4のレーダ装置120(実施の形態2)と比較すれば、本実施の形態のマルチビームレーダ装置150は、角度検出器19を備えている点で異なる。
【0067】
図4のレーダ装置120は、機械回転駆動系13における回転速度のムラにより送受信ビームの方位指向方向にずれが生じ、このため、目標探知性能、及び、MTI処理によるクラッタ抑圧性能が不安定になる場合があった。本実施の形態では、回転速度のムラを補正することにより、送受信ビームの方位指向方向のずれを解消している。
【0068】
角度検出器19は、機械回転駆動系13におけるアンテナ回転角を検出することにより回転速度のムラを判別する回転ムラ検出手段である。検出結果は、回転速度補正用方位信号発生器16に出力され、回転速度のムラを補正する方位信号が回転速度補正用方位信号発生器16によって出力される。
【0069】
この様にして、回転駆動における回転ムラを補正する位相制御が行われ、ビーム走査において送受信ビームの方位指向方向のずれが解消される。
【0070】
本実施の形態によれば、安定したクラッタ抑圧性能を確保することができ、目標探知性能がより一層向上する。
【0071】
上記実施の形態では、実施の形態2のレーダ装置120に角度検出器19を付加することにより回転ムラを補正しているが、実施の形態3のレーダ装置130もしくは実施の形態4のレーダ装置140に角度検出器19を付加する構成であっても良い。
【0072】
実施の形態6.
図11は、本発明の実施の形態6によるマルチビームレーダ装置の構成例を示したブロック図である。図10のレーダ装置150(実施の形態5)と比較すれば、本実施の形態のマルチビームレーダ装置160は、方位走査粗密制御信号発生器20を備えている点で異なる。
【0073】
図10のレーダ装置150は、回転駆動によるアンテナ回転の全方位において均一な探知性能を実現しているが、本実施の形態では、重点捜索方位における探知性能を向上させている。
【0074】
方位走査粗密制御信号発生器20は、角度検出器19において検出されたアンテナ回転角に基づいて、方位方向のビーム走査における走査速度を制御するための制御信号を生成し、回転速度補正用方位信号発生器16へ出力している。この制御信号に基づいて、方位方向のビーム走査において所定の捜索方位について送受信ビームのビーム配列を密にする位相制御が行われる。所定の捜索方位のビーム配列を密にする制御に伴って、捜索方位以外の方位については、ビーム配列を粗にする制御も行われる。
【0075】
本実施の形態によれば、レーダ資源を増大させることなく、重点捜索方位についての探知性能をより一層向上させることができる。
【0076】
実施の形態7.
図12は、本発明の実施の形態7によるマルチビームレーダ装置の構成例を示したブロック図である。図1のレーダ装置110(実施の形態1)と比較すれば、本実施の形態のマルチビームレーダ装置170は、送信ファンビーム形成信号発生器12に代えて、送信ペンシルビーム走査信号発生器21を備えている点で異なる。
【0077】
図1のレーダ装置110は、送信用に方位方向に広角度なファンビームを形成することによりヒット数の増大を図っているが、クラッタが方位方向に広がって分布するような場合、受信用のペンシルビームのサイドローブ方向からのクラッタが送信ビーム内にあるため、クラッタ受信電力が増加し、クラッタ抑圧性能が低下する場合があった。本実施の形態では、パルス照射ごとに送信用ペンシルビームを方位方向に高速走査することにより、性能低下を抑制している。
【0078】
送信ペンシルビーム走査信号発生器21は、2以上の送信用ペンシルビームを方位方向に順次に形成するための走査信号を生成する送信ビーム形成手段である。走査信号は、ビーム制御器10へ出力され、走査信号に基づいて送信ビームについての位相制御が行われる。各送信用ペンシルビームは、パルス照射ごとに順次に高速走査され、受信マルチビームは、走査された送信ビームに対応して形成される。方位方向の高速走査は、仰角方向のビーム走査の各区分ごとに行われる。
【0079】
図13は、図12のマルチビームレーダ装置におけるビーム走査の一例を示した説明図である。各受信ビーム14a〜14cのそれぞれに対応して、受信ビーム14a〜14cとほぼ同形状の3つの送信用ペンシルビーム15a〜15cが、方位方向右方に順次に走査されている。
【0080】
本実施の形態によれば、クラッタが方位方向に広がって分布するような場合においても、良好なクラッタ抑圧性能を確保することができる。
【0081】
上記実施の形態では、実施の形態1のレーダ装置110の送信ファンビーム形成信号発生器12の代わりに送信ペンシルビーム走査信号発生器21を備えているが、実施の形態2〜6のレーダ装置における送信ファンビーム形成信号発生器12の代わりに送信ペンシルビーム走査信号発生器21を備える構成であっても良い。
【0082】
実施の形態8.
図14は、本発明の実施の形態8によるマルチビームレーダ装置の構成例を示したブロック図である。本実施の形態のマルチビームレーダ装置180は、仰角方向にビーム幅の広い送受信ビームを形成することにより、目標の2次元位置情報(方位及び距離)の検出を行っている。
【0083】
マルチビームレーダ装置180は、複数の素子アンテナ1と、送受信モジュール列2と、2以上の垂直分配器3と、ビーム形成器4と、2以上の移動目標検出器5と、ビーム間相関処理器6及び表示器7と、励振器8及び水平分配器9と、ビーム制御器10と、送信ブロードビーム形成信号発生器22と、機械回転駆動系13により構成される。
【0084】
垂直分配器3には、素子アンテナ1が垂直方向に複数設置されている。各垂直分配器3は、水平方向に配置されてフェーズドアレイアンテナを構成しており、機械回転駆動系13により一体となって水平方向に回転駆動される。
【0085】
送受信モジュール列2は、各垂直分配器3に対応して送受信モジュールが設けられており、各垂直分配器3からの受信信号をそれぞれビーム形成器4へ出力する。また、水平分配器9からの送信信号を各垂直分配器3へそれぞれ出力する。
【0086】
ビーム形成器4は、送受信モジュール列2からの受信信号に基づいて、マルチビームを形成する。ここで、マルチビームを構成する受信ビームは、仰角方向にビーム幅の広いファンビームとなっている。
【0087】
ビーム制御器10は、送信ブロードビーム形成信号発生器22からの信号に基づいて、送受信モジュール列2における移相制御のための制御信号を出力する。
【0088】
送信ブロードビーム形成信号発生器22は、仰角方向にビーム幅の広い送信ファンビーム(以下、送信ブロードビームという)を形成するための形成信号を生成する。形成信号はビーム制御器10へ出力され、この形成信号に基づく位相制御によって、仰角方向にビーム幅の広い送信ブロードビームが形成される。マルチビームは、送信ブロードビーム内に形成される。
【0089】
図15は、図14のマルチビームレーダ装置におけるビーム走査の一例を示した説明図である。送信ブロードビーム15d内に、受信ファンビーム14d〜14fからなるマルチビームが形成され、送受信ビームE1〜E3が順次に方位方向にビーム走査されている。
【0090】
本実施の形態によれば、探知性能及びクラッタ抑圧能力を向上させることができ、目標の2次元位置情報の検出を高感度で行うことができる。
【0091】
上記実施の形態では、仰角方向にビーム幅の広いファンビームを形成する手段として、垂直方向に素子アンテナ1を配置した垂直分配器3を備えているが、この垂直分配器3に代えて、1次放射器及び反射鏡によって仰角方向にビーム幅の広いファンビームを形成する構成であっても良い。
【0092】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によるマルチビームレーダ装置及びマルチビームレーダ送受信方法によれば、レーダ資源を増大させることなく、クラッタを効果的に抑圧することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1によるマルチビームレーダ装置の一構成例を示したブロック図である。
【図2】 図1のマルチビームレーダ装置における信号処理の動作例を示したフローチャートである。
【図3】 図1のマルチビームレーダ装置におけるビーム走査の一例を示した説明図である。
【図4】 本発明の実施の形態2によるマルチビームレーダ装置の構成例を示したブロック図である。
【図5】 図4のマルチビームレーダ装置におけるビーム走査の一例を示した説明図である。
【図6】 本発明の実施の形態3によるマルチビームレーダ装置の構成例を示したブロック図である。
【図7】 図6のマルチビームレーダ装置におけるビーム走査の一例を示した説明図である。
【図8】 本発明の実施の形態4によるマルチビームレーダ装置の構成例を示したブロック図である。
【図9】 図8のマルチビームレーダ装置におけるビーム走査の一例を示した説明図である。
【図10】 本発明の実施の形態5によるマルチビームレーダ装置の構成例を示したブロック図である。
【図11】 本発明の実施の形態6によるマルチビームレーダ装置の構成例を示したブロック図である。
【図12】 本発明の実施の形態7によるマルチビームレーダ装置の構成例を示したブロック図である。
【図13】 図12のマルチビームレーダ装置におけるビーム走査の一例を示した説明図である。
【図14】 本発明の実施の形態8によるマルチビームレーダ装置の構成例を示したブロック図である。
【図15】 図14のマルチビームレーダ装置におけるビーム走査の一例を示した説明図である。
【符号の説明】
1 素子アンテナ、2 送受信モジュール列、3 垂直分配器、
4 ビーム形成器、5 移動目標検出器、6 ビーム間相関処理器、
7 表示器、8 励振器、9 水平分配器、10 ビーム制御器、
11 送受信ビーム仰角走査信号発生器、
12 送信ファンビーム形成信号発生器、13 機械回転駆動系、
16 回転速度補正用方位信号発生器、17 仰角方向スタガ信号発生器、
18 方位方向スタガ信号発生器、19 角度検出器、
20 方位走査粗密制御信号発生器、
21 送信ペンシルビーム走査信号発生器、
22 送信ブロードビーム形成信号発生器、
110〜180 マルチビームレーダ装置
Claims (6)
- 2以上の受信ビームを方位方向に配列させたマルチビームを送信ビーム内に形成するマルチビーム形成手段と、回転駆動により送受信ビームを方位方向に走査する方位方向走査手段と、位相制御により所定の走査周期で送受信ビームを仰角方向に走査する仰角方向走査手段と、送受信ビームを方位方向にずらす制御を行うビーム方位制御手段と、受信ビームに基づいて移動目標の検出を行う移動目標検出手段とを備え、
上記仰角方向走査手段は、仰角方向の走査範囲を2以上に区分してビーム走査を行い、
上記ビーム方位制御手段は、上記仰角方向走査手段によるビーム走査の区分ごとに、送受信ビームを方位方向についてビーム幅の1/2だけずらすことを特徴とするマルチビームレーダ装置。 - 回転駆動における回転速度のムラを検出する回転ムラ検出手段を備え、
上記仰角方向走査手段は、ビーム走査において回転速度のムラを補正する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のマルチビームレーダ装置。 - 方位方向のビーム走査速度を制御する方位走査制御手段を備え、
上記方位走査制御手段は、所定の捜索方位についてビーム配列を密にする制御を行うことを特徴とする請求項1または2に記載のマルチビームレーダ装置。 - 2以上の送信ビームを方位方向に順次に形成する送信ビーム形成手段を備え、
上記マルチビーム形成手段は、形成された送信ビームに対応してマルチビームを形成することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のマルチビームレーダ装置。 - 仰角方向に広いビーム幅の送信ファンビームを形成する送信ファンビーム形成手段を備え、
上記マルチビーム形成手段は、形成された送信ファンビームに対応してマルチビームを形成することを特徴とする請求項1に記載のマルチビームレーダ装置。 - 2以上の受信ビームを方位方向に配列させたマルチビームを送信ビーム内に形成するマルチビーム形成ステップと、回転駆動により送受信ビームを方位方向に走査する方位方向走査ステップと、位相制御により所定の走査周期で送受信ビームを仰角方向に走査する仰角方向走査ステップと、送受信ビームを方位方向にずらすビーム方位制御ステップと、受信ビームに基づいて移動目標の検出を行う移動目標検出ステップとからなり、上記仰角方向走査ステップは、仰角方向の走査範囲を2以上に区分してビーム走査を行うステップであり、
上記ビーム方位制御ステップは、上記ビーム走査の区分ごとに、送受信ビームを方位方向についてビーム幅の1/2だけずらすステップであることを特徴とするマルチビームレーダ送受信方法。
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