JP3775247B2 - 光検出装置及び受発光装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は光通信に用いられる受発光ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、複数のコンピュータを構内において相互に接続するLANシステムとして光無線LANが提案されている。この光無線LANにおいては、光信号を受発信あるいは受発光することができる受発信装置(或いは受発光装置)を、例えば親機コンピュータ及び子機コンピュータにそれぞれ接続し、この受発光装置の間で光信号の送受信を行う。より詳細には前記受発光装置は、情報信号により変調された可視光ビーム射出し受光する。
【0003】
このような受発光装置あるいは受発光ユニットは入射光を受光するために受光素子を有する。この受光素子は、前記入射光を正しく受光するために、当該入射光に対して正しい方向へ方向調整されなければならない。より詳細には、例えば受光素子の光軸(受光素子に直交し且つ受光素子の中心を通る直線)が入射光の光軸と一致するように受光素子の向きが調整されなければならない。
【0004】
また、光ビームを射出する場合は、相手方の受発光ユニットに対して光ビームの向きを正しく調整しなければならない。
【0005】
この場合、例えば、前記受光素子上における入射光の入射角或いは光スポット位置を検出し、この検出結果に基づいて受光素子の向きを調整すると共に、光ビームの射出方向を調整する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、小径の平行光ビーム(小径平行光束)による双方向光通信では、前記光ビームの入射角等の検出において、光ビーム内の光強度分布の偏り或いはアパーチャによる「ケラレ」により誤差が生ずると、前記受光素子および射出方向の制御が困難となる、と言う問題があった。
【0007】
この発明の目的は、前記問題点を解決することであり、受光素子の向き及び射出光の射出方向を、相手方の発光ユニットの位置に応じて正しく調整することができる光検出装置及び受発光装置を提供することである。
【0008】
あるいは、相手方の発光ユニットからの光ビームが光強度分布の偏りを有し或いは、アパーチャにより「ケラレ」が生じても、前記受光素子および射出方向を適正に調整することができる光検出装置及び受発光装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明の光検出装置は、入射光束の入射位置又は入射スポット形状に基づいて、前記入射光束の入射位置又は入射角度を検出する光検出装置であって、
前記入射光束を集光する集光手段と、
前記集光手段により集光された前記入射光束から±1次回折光を生成し、前記±1次回折光に対してほぼ等しい回折効率を有し、且つ、前記±1次回折光がともに前記集光手段の光軸と同一の光軸上に集光するように前記±1次回折光へそれぞれ凸レンズパワー及び凹レンズパワーを付与するほぼ軸対称のレンズの性質を有する回折手段と、
前記±1次回折光の集光点の中間において、前記±1次回折光の光束径がほぼ一致する前記光軸上の所定位置に配置される受光素子と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、この発明の受発光装置は、光情報信号を送受信するとともに、他の受発光装置からの入射光束の入射位置および入射角度を検出する受発光装置であって、
前記入射光束を射出する発光素子と、
前記発光素子から射出された入射光束を前記他の受発光装置に射出する一方、前記他の受発光装置からの入射光束を透過させる光分岐素子と、
前記光分岐素子を透過した前記入射光束を集光する集光手段と、
前記集光手段により集光された前記入射光束から±1次回折光を生成し、前記±1次回折光に対してほぼ等しい回折効率を有し、且つ、前記±1次回折光がともに前記集光手段の光軸と同一の光軸上に集光するように前記±1次回折光へそれぞれ凸レンズパワー及び凹レンズパワーを付与するほぼ軸対称のレンズの性質を有する回折手段と、
前記±1次回折光の集光点の中間において、前記±1次回折光の光束径がほぼ一致する前記光軸上の所定位置に配置される受光素子と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図13を参照してこの発明の実施の形態を説明する。図において同一又は類似の部材あるいは要素には同一又は類似の参照番号が付される。
【0012】
図1は、構内光無線LAN等の光通信に用いられる受発光装置としての受発光光ユニットの例を示す。
【0013】
図1に示すように、この受発光ユニットは、親機側コンピュータに接続された親機側受発光ユニット21と子機コンピュータに接続された子機側受発光ユニット23とを有する。図1に示す例では、親機側受発光ユニット21は例えば天井に設置され、子機側受発光ユニット23は、子機側コンピュータの使用者であるユーザのテーブル等に設置される。
【0014】
図1(a)は、双方向通信における初期状態を示し、親機側ユニット21からの変調光ビームL’が子機側ユニット23へ送信される。
【0015】
図1(b)に示すように、子機側ユニット23は、光ビームL’の入射方向或いは入射位置を検出すると、この検出結果に基づいて親機側ユニット21への射出光L”の向きを調整する。
【0016】
かくして受発光ユニット21と受発光ユニット23とが相互に変調光ビームを送受信することにより、親機コンピュータ及び子機コンピュータが相互に光通信あるいは光情報伝送することができる。
【0017】
図2は、例えば子機側受発光ユニット23の構成を概略的に示す。
【0018】
同図に示すように、前記受発光ユニット23は、魚眼レンズ25及び、2軸回動フレーム27、受光素子29、集光用凸レンズ31、発光レーザ33、コリメータ凸レンズ35、ハーフミラー37及び、遮光部39を有する。
【0019】
魚眼レンズ25は、受発光ユニット23に対して大きな画角にわたって広がる天井の任意の位置へ配置される親機側ユニット21との光ビームの送受信を可能とする。より詳細には、例えば大きな入射角で入射する親機側ユニット21からの入射光を、適宜の範囲内の入射角へ変換し前記受光素子29に対して射出する。また、発光レーザ33からの所定範囲内の射出角を有する射出光を、任意の角度を有する親機側ユニット方向へ向けて射出する。
【0020】
前記2軸回動フレーム27は、回転中心o1を中心に2軸に沿って回動自在に固定フレーム41に対して設けてある。また、前記受光素子29、集光凸レンズ31、発光レーザ33、コリメータ凸レンズ35、ハーフミラー37、遮光部39は前記回動フレーム27に実質的に固定されている。従って、前記フレーム27の回動により、例えば受光素子29の向きを入射光L’の向きに応じて適宜に調整することができる。
【0021】
集光用凸レンズ31は、例えば親機側ユニット21からの入射光L’を受光素子29上へ集光する。
【0022】
発光レーザ33は、親機側ユニット21との交信のために、変調された光ビームを射出する。
【0023】
コリメータ凸レンズ35は、発光レーザ33からの光ビームを平行光へ変換する。
【0024】
ハーフミラー37は、コリメータレンズ35からの光ビームを(魚眼レンズ25を介して)親機側ユニット21の方へ射出すると共に、親機側ユニット21からの入射光L’を受光素子29の方へ透過する。
【0025】
遮光部39は、所定径のアパーチャ39aを有し、親機側ユニット21からの入射光L’を絞って径の小さい光ビームLを生成する。
【0026】
ここに、前記アパーチャ39aは、受光素子29の受光領域に対して以下のような所定位置に配置される。すなわち、前記入射光L’に対して受光素子29が正しい向きを向いているとき(例えば、入射光L’が受光素子29へ垂直に入射するとき)、前記光ビームLにより受光素子上に形成される光スポットの中心が受光領域a1−d1の中心o(図4)と一致するように配置される。
【0027】
前記構成により、後述するように、2軸回動フレーム27が正しい方向を向いておらず入射光L’が受光素子29に対して傾斜して入射するとき、この傾斜した入射状態を容易に検出することができる。なお、受光素子29に対して入射光L’が垂直に入射する限り、アパーチャ39aに対する入射光L’の入射位置は問題とならない。すなわち、前記入射位置がアパーチャ39aに対して横方向へずれても前記小径光ビームLの位置及び形状は変化せず、前記検出動作は影響を受けない。
【0028】
図3は受光素子29の詳細構成を示す。
【0029】
同図に示すように受光素子29は、入射する光ビームが所定位置へ照射されているか否かを検出する誤差検出用領域a1,a2,b1,b2,c1,c2,d1,d2と、入射光ビームが前記所定位置へ入射される場合のその入射光ビームの照射位置に設けられ且つ当該入射光ビームの照射領域とほぼ同じ広がりを有する情報信号検出用領域a2,b2,c2,d2とを有する。
【0030】
より詳細には、前記情報信号検出用領域a2,b2,c2,d2は、誤差検出用領域a1,a2,b1,b2,c1,c2,d1,d2より小さい面積を有し、当該誤差検出用領域の内部に形成される。ここに、前記情報信号検出用領域としての受光領域a2,b2,c2,d2は、情報信号検出用領域及び誤差検出用領域として共用されるのが好ましい。
【0031】
また、前記誤差検出用領域は、前記情報信号検出用領域を取り囲む複数の受光領域a1,b1,c1,d1を有する。より詳細には、前記誤差検出用領域は、前記情報信号検出用領域を四方から取り囲む複数の受光領域a1,b1,c1,d1を有する。
【0032】
前記誤差検出用領域としての受光領域a1,a2,b1,b2,c1,c2,d1,d2は、8個の分割領域a1,a2,b1,b2,c1,c2,d1,d2から成る。この8個の受光領域は、例えば半導体基板上に形成された矩形の受光領域291を、直交する2本の分割軸43,45で十字に分割し、且つ前記分割軸43,45の交点oを中心とする円Cで分割することにより形成される。
【0033】
また、前記受発光ユニット23には、受光領域a1,a2,b1,b2,c1、c2,d1,d2からの出力に基づいてX方向(水平方向)角度ずれ誤差信号、
TLEx=(a1+a2+d1+d2)−(b1+b2+c1+c2)
を生成するX方向角度ずれ誤差信号検出回路(図示せず)及び、Y方向(垂直方向)の角度ずれ誤差信号、
TLEy=(a1+a2+b1+b2)−(c1+c2+d1+d2)
を出力するY方向角度ずれ誤差信号検出回路(図示せず)が設けてある。ここに、a1,a2,b1,b2,c1,c2,d1,d2は、各受光領域a1,a2,b1,b2,c1,c2,d1,d2の出力を表す。
【0034】
この受発光ユニット23にはまた、前記受光領域a2,b2,c2,d2からの出力に基づいて情報信号(或いは変調信号、主信号)、
SIG=a2+b2+c2+d2
を出力する情報信号検出回路(図示せず)が設けてある。
【0035】
この受発光ユニット23には更に、前記各誤差検出回路からの出力に基づいて前記回動フレーム27をサーボ駆動するサーボ駆動回路が設けてある(図示せず)。
【0036】
次に、前記受発光ユニット23の動作を説明する。
【0037】
図4は受発光ユニット23の通常動作を示す説明図である。
【0038】
図4(a)に示すように、入射光Lが受発光ユニット23へ入射されるが、その入射方向が受光素子29及びアパーチャ39aの光軸nに対して傾斜しているとき、入射光Lの光スポットS1は受光素子の中心oからずれた位置に形成される。
【0039】
図4(b)は、前記受光素子29上の光スポットS1の位置を詳細に示す。 同図に示すように、入射光Lの光軸あるいは前記光スポットS1の重心SWは受光素子の中心oからずれた位置に位置する。
【0040】
このとき、前記誤差検出回路から、前記ずれ量に応じた零と異なる誤差信号TLEx、TLEyが出力される。この誤差信号TLEx、TLEyに基づいて前記回動フレーム27をサーボ駆動するサーボ駆動回路が動作し、前記光スポットS1の中心SWが前記受光素子29の中心oと一致するように前記回動フレーム27が2軸に沿って回動される(図4(c))。
【0041】
このとき、既に述べたように光スポットS1の外周は前記領域a2〜d2の外周縁Cと一致する。従って前記受光領域a2〜d2からの出力に基づいて光ビームL’に付加された情報信号あるいは変調信号、
SIG=a2+b2+c2+d2
が前記情報信号検出回路から出力される。
【0042】
また、図1(b)に示したように、前記発光レーザ33からの射出光L”が、レンズ35,ミラー37、魚眼レンズ25を介して、親機側ユニット21へ向けて射出される。
【0043】
これにより、受発光ユニット21と受発光ユニット23とが相互に光ビームを受発光し、親機コンピュータ及び子機コンピュータが光通信することができる。
【0044】
図5(a)は、親機側ユニット21から子機側ユニット23へ射出される光ビームL’の角度制御に誤差が生じ、親機側ユニット21からの光ビームL´輪郭F´が遮光部39のアパーチャ39aの全体に入射しない場合を示す。
【0045】
この場合、受光素子29上においてアパーチャ像39bの中の斜線部のみに光スポットS2が形成される。
【0046】
図5(b)は、前記アパーチャ像39bおよび光スポットS2と、受光素子29の中心oとの位置関係を示す。同図に示すように、この場合、アパーチャ像39bの中心と前記受光素子29の中心oは相互に離間しており、受発光ユニット23は正しい方向を向いていない。換言すれば、アパーチャ39a及び受光素子29の光軸は入射光L’の光軸と一致していない(或いは親機側ユニット21の方向に正しく向いていない)。
【0047】
しかし、この場合、前記アパーチャ像39b内の光スポットS2のみが照射されるため受発光ユニット23は正しく姿勢制御されない。より詳細には、前記誤差検出回路から出力TLEx、TLEyは、前記アパーチャ39a及び受光素子29の光軸と入射光L’の光軸との誤差を反映しない。従って、この誤差検出回路からの出力TLEx、TLEyに基づいて受発光ユニット23を姿勢制御することは出来なくなる。
【0048】
従って、この場合図5(c)に示すように、子機側ユニット23からの光ビームL”は角度誤差を生じ親機側ユニット21に到達せず子機側ユニット23から親機側ユニット21への通信は行われない。
【0049】
図6は、この発明の受発光ユニットの一実施形態を示す。
【0050】
この受発光ユニット123は、図5の現象が生じた場合にもその姿勢を制御することができる。
【0051】
この受発光ユニット123は、光情報信号を送受信するとともに、他の受発光装置からの入射光束の入射位置又は入射角度を検出するものであって、
発光素子133と、光分岐素子137と、集光手段131と、回折手段147と、受光素子129と、を備え、
該集光手段131および回折手段147および受光素子129は第1光軸上に配置され、
該発光素子133により定められる第2光軸は、該光分岐素子137によって該第1光軸から分岐され、
該回折手段147は、回折によって生じる±1次回折光に対してほぼ等しい回折効率を有し、且つ、該±1次回折光がともに前記第1光軸上に集光するように該±1次回折光へレンズパワーを付与するほぼ軸対称のレンズの性質を有し、
該受光素子129は、該±1次回折光の光束径がほぼ一致する前記光軸上の所定位置に配置されるものである。
【0052】
より詳細には、以下の通りである。
【0053】
図6に示すように、この受発光ユニット123は、魚眼レンズ125と、2軸回動フレーム127と、受光素子129と、集光用凸レンズ131と、回折レンズ147と、発光レーザ133と、コリメータ用凸レンズ135と、ハーフミラー137と、遮光部139と、を有する。
【0054】
ここに魚眼レンズ125、2軸回動フレーム127、受光素子129、集光レンズ131、発光レーザ133、コリメータ用凸レンズ135、ハーフミラー137、遮光部139は、それぞれ図2に示した魚眼レンズ25、2軸回動フレーム27、受光素子29、集光凸レンズ31、発光レーザ33、コリメータ用凸レンズ35、ハーフミラー37、遮光部39と同様の構造及び機能を有する。なお遮光部139は、アパーチャ39aと同様のアパーチャ139aを有する。
【0055】
前記回折レンズ147は、回折格子あるいはホログラムレンズから構成される。そして、回折レンズ147は、回折によって生じる±1次回折光に対してほぼ等しい回折効率を有し、且つ、該±1次回折光がともに前記第1光軸上に集光するように該±1次回折光へレンズパワーを付与するほぼ軸対称のレンズの性質を有する。また、回折レンズ147は、その0次光回折光の強度がほぼ0と成るように設計される。
【0056】
図7は、前記集光用凸レンズ131及び、回折レンズ147及び、受光素子129の構成及び作用を示す。
【0057】
図7(a)に示すように、集光用凸レンズ131、回折レンズ147、受光素子129は、ほぼ同一光軸上に直列状に配置される。そして、受光素子129は、集光レンズ131の光軸上の概略焦点位置に当該光軸に垂直に配置される。なお図において遮光部139及びアパーチャ139aは機能的に記載され、実際には、それらはレンズ131の上方に位置する。
【0058】
ここに、集光レンズ131に入射された入射光L´は、集光レンズ131により集光されて回折レンズ147へ入射し、当該回折レンズ147により凸レンズパワーを付与された例えば+1次回折光L+及び、凹レンズパワーを付与された例えば−1次回折光L−を生成する。
【0059】
前記+1次回折光L+は、受光素子129の前方(あるいは図7(a)において上方)で焦点を結ぶ。従って、前記回折レンズ147への入射光が強度分布を有する場合、受光素子129上には、前記入射光の強度分布と反対方向の強度分布を有する光スポット(倒立像)が形成される。
【0060】
また、前記−1次回折光L−は、受光素子129の後方(あるいは図7(a)において下方)で焦点を結ぶ。従って、前記回折レンズ147への入射光が強度分布を有する場合、受光素子129上には、前記入射光の強度分布と同じ方向の強度分布を有する光スポット(正立像)が形成される。
【0061】
図7(b)は、前記+1次回折光L+の3次元ビーム形状及び、これにより受光素子129上に生成される光スポットS3を示す。
【0062】
一方、図7(c)は、前記−1次回折光L−の3次元ビーム形状及び、これにより受光素子129上に生成される光スポットS4の形状を示す。
【0063】
既に述べたように、前記光スポットS3には、回折レンズ147への入射光の強度分布の倒立像が形成され、光スポットS4には、前記入射光の強度分布の正立像が形成される。
【0064】
なお前記倒立像、正立像は、前記回折レンズ147への入射光の強度分布と同一強度を有し、且つ、同一縮尺を有する。
【0065】
図8は、図5に示したような、アパーチャ139aに対して位置ずれした光ビームL´が受発光ユニット123へ入射する場合を示す。
【0066】
より詳細には、図8(a)は、前記位置ずれした光ビームL´が受発光ユニット123へ入射する場合の+1次回折光L+による受光素子129上の光スポットS5を示す。
【0067】
また図8(b)は、前記の場合における−1次回折光L−による光スポットS6を示す。
【0068】
なお、図において139bは、アパーチャ139aのレンズ131,147による像を示す。
【0069】
図9(a)(b)は、前記受光素子129上の光スポットS5、S6の平面図を示す。
【0070】
既に述べたように、前記+1次回折光の光スポットS5は、回折レンズ147への入射光の強度分布の倒立像から成る。従って、入射光L´がアパーチャ139aの(図において)右上部分にのみ入射する場合(図8(a))、光スポットS5は前記アパーチャ139aの像139bの左下部分に形成される。
【0071】
また前記−1次回折光の光スポットS6は、回折レンズ147への入射光の強度分布の正立像から成る。従って、アパーチャ139aの右上部分にのみ入射光L’が入射する場合(図8(b))、光スポットS6は、当該アパーチャ139aの像139bの右上部分に形成される。
【0072】
図10に示すように、受光素子129上には前記光スポットS5、S6が同時に重ね合わされた状態で形成される。そしてこれにより、前記アパーチャ139aの像139b全体が照射される。
【0073】
従って、前記アパーチャ139aの像139bの中心と受光素子129の中心oとの位置ずれに比例する(換言すれば、アパーチャ139a及び受光素子129の光軸と、入射光L’の光軸との位置ずれに比例する)誤差信号TLEx、TLEyが前記誤差信号検出回路から出力される。
【0074】
従って、この誤差信号の出力に基づいて、前記回動フレーム127をサーボ駆動することにより受発光ユニット123を正しく姿勢制御することができる。より詳細には、前記アパーチャ139a及び受光素子129の光軸と、入射光L’の光軸とを一致させることができる。
【0075】
またこれにより受発光ユニット123からの射出光を親機側ユニット121へ到達させることができる(図1(b))。
【0076】
以上説明したように、この実施形態によれば、入射光ビームが小さなビーム径を有し受光素子の前方に配置されたアパーチャ139aにより光束の一部が蹴られる場合であっても入射光に基づいてその姿勢を適切に制御する事ができる。 換言すれば小径平行光ビームによる双方向通信において、受発光ユニット123間の位置に応じて光ビームの射出方向の制御を行う場合に、入射光の入射角の検出において光ビーム内の光強度分布の偏りや光ビームの蹴られにより生ずる検出誤差を除去することができ、安定な双方向通信を実現することができる。
【0077】
図11は、前記第1実施形態の変型例を示す。
【0078】
同図に示すようにこの変型例では、前記集光レンズ131及び回折レンズ147の代わりに、集光レンズ面231及び回折格子面247を有する複合レンズ249が使用される。ここに回折格子面247は、回折レンズ147について前記した機能を有する。
【0079】
図12は、前記第1実施形態の他の変型例を示す。
【0080】
図12(a)に示すようにこの変型例では、前記発光レーザ133に対応する発光レーザ233が受光素子229の面内に設けてある。より詳細には、図12(b)に示すように、面発光レーザ233は受光素子229の中心に設けてある。
【0081】
上記構成により、図6に示したコリメータレンズ135及びハーフミラー137を省略することができる。
【0082】
図13は、この発明の受発光ユニットの第2実施形態を示す。
【0083】
この実施形態においては、子機側受発光ユニット323は、魚眼レンズ325と、2軸回動ミラー351と、複合レンズ349と、遮光部339と、発光レーザ333を備えた受発光素子329と、を備える。前記遮光部339は、アパーチャ39a、139aと同様の構造及び機能を有するアパーチャ339aを備える。
【0084】
ここに魚眼レンズ325は図6における魚眼レンズ125と同様の構成を有し、複合レンズ349は図11における複合レンズ249と同様の構成を有し、受発光素子329は図12における受発光素子229,233と同様の構成を有する。
【0085】
前記2軸回動ミラー351は2軸に沿って回動することにより、(例えば親機側ユニットから)子機側ユニット323へ任意の方向から入射する入射光を前記受発光素子329の方向へ反射する。
【0086】
この受発光ユニット323は又、分割領域a1,a2,b1,b2,c1、c2,d1,d2からの出力に基づいてX方向(水平方向)角度ずれ誤差信号、
TLEx=(a1+a2+d1+d2)−(b1+b2+c1+c2)
を生成するX方向角度ずれ誤差信号検出回路(図示せず)及び、Y方向(垂直方向)の角度ずれ誤差信号、
TLEy=(a1+a2+b1+b2)−(c1+c2+d1+d2)
を出力するY方向角度ずれ誤差信号検出回路(図示せず)を有する。ここに、a2,b1,b2,c1,c2,d1,d2は、各受光領域a1,a2,b1,b2,c1,c2,d1,d2の出力を表す。
【0087】
さらにこの受発光ユニット323は、前記受光領域a2,b2,c2,d2からの出力に基づいて情報信号(或いは変調信号、主信号)、
SIG=a2+b2+c2+d2
を出力する情報信号検出回路(図示せず)を有する。
【0088】
さらにこの受発光ユニット323は、前記各誤差信号検出回路からの出力に基づいて前記2軸回動ミラー351をサーボ駆動するサーボ駆動回路を有する(図示せず)。
【0089】
従って、この第2実施形態も前記第1実施形態と同様の作用効果を奏する。すなわち、入射光ビームが小さなビーム径を有し受光素子の前方に配置されたアパーチャ339aにより光束の一部が蹴られる場合であっても受光素子の向きを入射光に対して調整することができる。
【0090】
【発明の効果】
本発明によれば、特に小径平行光束による双方向通信で、受発光素子間の位置に応じて光束の出射方向制御を行なう際に、入射光束の入射角度検出において、光束内の光強度分布偏りや、光束のケラレによって生ずる検出誤差を除去でき、安定な双方向通信を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、構内光無線LAN等の光通信に用いられる受発光装置としての受発光光ユニットの例を示す。
【図2】図2は、子機側受発光ユニット23の構成を概略的に示す。
【図3】図3は受光素子29の詳細構成を示す。
【図4】図4は受発光ユニット23の動作を示す説明図である。
【図5】図5(a)(b)は、親機側ユニット21から子機側ユニット23へ射出される光ビームL’の角度制御に誤差が生じ、親機側ユニット21からの光ビームL´輪郭F´が遮光部39のアパーチャ39aの全体に入射しない場合の光スポット等を示す。
【図6】図6は、この発明の受発光ユニットの第1実施形態を示す。
【図7】図7は、この発明の第1実施形態に設けた回折レンズ147の作用を示す。
【図8】図8(a)(b)は、受発光ユニット123の入射アパーチャ139aに対して位置ずれした光ビームL´が入射する場合の±1次回折光による光スポットを示す。
【図9】図9(a)(b)は、受光素子129の受光領域a1〜d1とスポットS5、S6との位置関係を示す。
【図10】図10は、光スポットS5とS6を重ね合わせた状態を示す。
【図11】図11は、第1実施形態の変型例を示す。
【図12】図12は、前記第1実施形態の他の変型例を示す。
【図13】図13は、この発明の受発光ユニットの第2実施形態を示す。
Claims (6)
- 入射光束の入射位置又は入射スポット形状に基づいて、前記入射光束の入射位置又は入射角度を検出する光検出装置であって、
前記入射光束を集光する集光手段と、
前記集光手段により集光された前記入射光束から±1次回折光を生成し、前記±1次回折光に対してほぼ等しい回折効率を有し、且つ、前記±1次回折光がともに前記集光手段の光軸と同一の光軸上に集光するように前記±1次回折光へそれぞれ凸レンズパワー及び凹レンズパワーを付与するほぼ軸対称のレンズの性質を有する回折手段と、
前記±1次回折光の集光点の中間において、前記±1次回折光の光束径がほぼ一致する前記光軸上の所定位置に配置される受光素子と、
を備えたことを特徴とする光検出装置。 - 請求項1記載の光検出装置であって、前記回折手段の0次光回折光の強度をほぼ0とした光検出装置。
- 請求項1記載の光検出装置であって、
前記受光素子は、光束が所定位置へ照射されているか否かを検出する誤差信号検出用領域と、前記光束が前記所定位置へ入射される場合のその光束の照射位置に設けられ且つ前記入射光束の照射領域とほぼ同じ広がりを有する情報信号検出用領域と、を有する光検出装置。 - 光情報信号を送受信するとともに、他の受発光装置からの入射光束の入射位置および入射角度を検出する受発光装置であって、
前記入射光束を射出する発光素子と、
前記発光素子から射出された入射光束を前記他の受発光装置に射出する一方、前記他の受発光装置からの入射光束を透過させる光分岐素子と、
前記光分岐素子を透過した前記入射光束を集光する集光手段と、
前記集光手段により集光された前記入射光束から±1次回折光を生成し、前記±1次回折光に対してほぼ等しい回折効率を有し、且つ、前記±1次回折光がともに前記集光手段の光軸と同一の光軸上に集光するように前記±1次回折光へそれぞれ凸レンズパワー及び凹レンズパワーを付与するほぼ軸対称のレンズの性質を有する回折手段と、
前記±1次回折光の集光点の中間において、前記±1次回折光の光束径がほぼ一致する前記光軸上の所定位置に配置される受光素子と、
を備えたことを特徴とする受発光装置。 - 請求項4記載の受発光装置であって、前記回折手段の0次光回折光をほぼ0としたことを特徴とする受発光装置。
- 請求項4記載の受発光装置であって、
前記受光素子は、光束が所定位置へ照射されているか否かを検出する誤差信号検出用領域と、前記光束が前記所定位置へ入射される場合のその光束の照射位置に設けられ且つ前記入射光束の照射領域とほぼ同じ広がりを有する情報信号検出用領域と、を有する受発光装置。
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