JP3775064B2 - スタータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関を始動するスタータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術として、電磁スイッチの可動接点にモータのブラシリード線を直接接続したスタータがある(特開平8−158993号公報参照)。このスタータでは、固定接点をバッテリ端子側に配設するだけで良いため、モータ側とバッテリ端子側とにそれぞれ固定接点を配設し、両固定接点間を可動接点により短絡する構成のスタータと比較して、接点当接数を2→1に減少できる。その結果、接点電圧降下による出力損失を低減できるとともに、モータ側の固定接点が不要となることで、部品点数が減り、コスト低減を図ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
リード線は、通常0.08〜0.1mmの細い銅線を複数束ねた撚線で構成されている。このリード線を銅板等より成る可動接点に接続するには、リード線の先端部を溶接等により固めた後、この固めた先端部を溶接またはろう付け等により電気的かつ機械的に接続している。
また、スタータに使用される電磁スイッチは、モータの電気回路を開閉するだけでなく、ピニオン噛合機構を駆動するために比較的大きなストローク(数mm〜十数mm)を要するため、必然的に可動接点の移動距離が大きくなり、可動接点に接続されたリード線の曲げ撓み量も大きくなる。この結果、可動接点の移動に伴ってリード線が撓められると、リード線の固められている先端部と固められていない撚線部との境界部(断面係数の急変部)に応力が集中して疲労がすすみ耐久性が確保できないという問題があった。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、可動接点に接続されるリード線の疲労強度を向上することにより、耐久性に優れたスタータを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
(請求項1の手段)
本発明のスタータは、プランジャロッドの端部に絶縁部材を介して支持される可動接点にリード線の一端部が溶接等により電気的かつ機械的に接続されている。また、絶縁部材は、プランジャロッドと可動接点との間を絶縁するだけでなく、可動接点に接続されたリード線の一端部の近傍を可動接点との間に挟み込んで保持するリード線保持機能を有している。この構成によれば、可動接点の移動に伴ってリード線が撓められても、そのリード線の固められている一端部と固められていない撚線部との境界部(断面係数の急変部)に応力が集中することを防止できる。
また、絶縁部材にリード線保持機能を持たせているので、両者を別体で構成する場合と比較して、部品点数を削減でき、且つ組付け工数を低減できるメリットがある。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の参考例を図面に基づいて説明する。
図1はスタータ後部の内部構造を示す軸方向断面図である。
この参考例は、本発明に係る絶縁部材(以下、絶縁ブッシング24と呼ぶ)と、リード線保持機能を持つ部材(以下、リード線保持部材25と呼ぶ)とを別体にて構成した場合の一例であり、後述する実施例の参考として記載する。
スタータは、回転力を発生する始動モータ1と、この始動モータ1の電気回路(図4参照)を開閉するとともに、図示しないピニオンをエンジンのリングギヤに噛み合わせるための周知の噛合機構(図示しない)を駆動する電磁スイッチ2とを備える。
【0007】
始動モータ1は、後端部(図1の右端部)に整流子3を具備するアーマチャ4、このアーマチャ4の外周に配される磁極5(例えば複数個の磁石)、この磁極5を内周面に固定する円筒状のヨーク6、このヨーク6の後端側開口面を塞ぐエンドフレーム7、及びアーマチャ4の整流子3に摺接するブラシ8、9(図2参照)等より構成されている。
ブラシ8、9は、図2に示すように、2組の正極ブラシ8と負極ブラシ9とから成り、それぞれ筒状のブラシホルダ10に収容され、スプリング11により整流子3に押圧されている。正極ブラシ8は、リード線12を介して下述の可動接点13と電気的に接続され、負極ブラシ9は、リード線14の端部が例えば鋼板から成るエンドフレーム7に電気的かつ機械的に接続されている。
ブラシホルダ10は、絶縁性を有する例えば樹脂製の保持体15に保持され、その保持体15はエンドフレーム7にクリップ等により一体的に固定されている。
【0008】
電磁スイッチ2は、スタータの軸方向後部(エンドフレーム7より後方側)に配され、上記の保持体15に保持されて樹脂製のスイッチカバー16により覆われている。スイッチカバー16は、エンドフレーム7と共に複数本のスルーボルト(図示しない)によってスタータのハウジング(図示しない)に締付け固定されている。
この電磁スイッチ2は、周知のソレノイド17とプランジャ18(図2参照)を有し、プランジャ18の移動に伴ってモータ接点を開閉する。モータ接点は、図4にも示すように、始動モータ1の電気回路に設けられる固定接点19と上記の可動接点13とから成る。
固定接点19は、図2に示すように、スイッチカバー16の内側で電源端子20に固定されている。電源端子20は、スイッチカバー16の外側へ突出して設けられ、ケーブル21を通じてバッテリ22に接続されている(図4参照)。
【0009】
可動接点13は、例えば銅板等を矩形状に形成したもので、銅板の中央部に丸穴13a(図5参照)を開け、その丸穴13aに挿通されるプランジャロッド23の端部に絶縁ブッシング24を介して固定されている(図2参照)。
この可動接点13は、正極ブラシ8のリード線12を通じて正極ブラシ8と電気的に接続されている。正極ブラシ8のリード線12は、複数本の銅線(線径φ:0.08〜0.1mm)を束ねた撚線で構成され、その端部(以下接続部12aと呼ぶ)が溶接等により固められて、可動接点13の裏面(固定接点19に当接する面と反対側の面)に溶接やろう付け等により電気的かつ機械的に接続されている。また、このリード線12は、図3(図2のA視図)に示すように、可動接点13との接続部12a(溶接等により固められている端部)の近傍がリード線保持部材25により保持されている。
【0010】
リード線保持部材25は、薄鋼板等をプレス加工して製作されたもので、図5に示すように、丸穴25aを有する円環部25bと一対の腕部25cとを有し、丸穴25aにプランジャロッド23を通して、円環部25bが絶縁ブッシング24と可動接点13との間に挟持され、各腕部25cの端部25dがそれぞれリード線12の接続部12a近傍(溶接等により固められていない撚線部)を抱え込む様に折り曲げられてリード線12を保持している(図3参照)。従って、このリード線保持部材25は、プランジャ18の移動に伴って可動接点13と共に可動する。
【0011】
次に、スタータの作動を説明する。
スタータスイッチ26(図4参照)がON操作されて電磁スイッチ2のソレノイド17に通電されると、ソレノイド17の電磁力によりプランジャ18が吸引されて図2の上方へ移動し、そのプランジャ18の移動と共に、プランジャロッド23に固定された可動接点13がリード線12を撓ませながら移動して固定接点19に当接する。これにより、バッテリ22から供給される電流がアーマチャ4に流れてアーマチャ4が回転するとともに、プランジャ18の端部に係合された伝達部材27(図2参照)を介してピニオンの噛合機構が駆動されることにより、ピニオンがエンジンのリングギヤに噛み合ってアーマチャ4の回転力がリングギヤに伝達される。
【0012】
(本参考例の効果)
本参考例では、可動接点13に接続されるリード線12の接続部12a近傍をリード線保持部材25により保持し、且つリード線保持部材25が可動接点13と一体に可動する構成であるため、可動接点13がリード線12を撓ませながら移動しても、そのリード線12の溶接等により固められている部分(接続部12a)と固められていない撚線部との境界部(断面係数の急変部)に応力が集中することを防止できる。その結果、リード線12の耐久性が損なわれることがなく、長寿命化を図ることができる。具体的には、本願発明者のテスト結果によると、リード線保持部材25を用いない場合に1.0〜1.5万回の作動耐久性であったものが、リード線保持部材25を用いることにより、10万回以上に向上するという優れた効果が認められた。
【0013】
(本発明に係る実施例)
続いて、本発明の一実施例を説明する。
図6は可動接点13とリード線12との接続状態を示す正面図である。
本実施例は、リード線保持部材25を絶縁部材で形成した場合の一例であり、それ以外のスタータの構成は、上記の参考例と同じである。
このリード線保持部材25は、図6に示すように、プランジャロッド23を挿通する丸穴25eの両側に溝25fが形成され、この溝25f内にリード線12の接続部12aを配設し、溝25fと可動接点13の裏面との間にリード線12の接続部12a近傍を挟み込んで保持している(図7参照)。
この実施例では、リード線保持部材25に絶縁性を持たせることで、可動接点13とプランジャロッド23とを絶縁するための絶縁ブッシング24が不要となる。言い換えれば、絶縁ブッシング24(本発明の絶縁部材)にリード線保持部材25の機能(本発明のリード線保持機能)を持たせている。これにより、絶縁ブッシング24とリード線保持部材25とを一部品で構成できるため、上記の参考例に記載した効果(可動接点13がリード線12を撓ませながら移動した時に、リード線12の溶接等により固められている部分と固められていない撚線部との境界部に応力が集中することを防止でき、リード線12の耐久性を向上できること)に加えて、部品点数を削減でき、且つ組付け工数を低減できることから、コストダウンを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 スタータ後部の内部構造を示す軸方向断面図である(参考例)。
【図2】 スタータ後部の内部構造を示す径方向断面図である(参考例)。
【図3】 可動接点とリード線との接続状態を示す側面図である(参考例)。
【図4】 始動モータの電気回路図である(参考例)。
【図5】 可動接点とリード線保持部材の斜視図である(参考例)。
【図6】 可動接点とリード線との接続状態を示す正面図である(本発明に係る実施例)。
【図7】 図6のB−B断面図である(本発明に係る実施例)。
【符号の説明】
1 始動モータ
2 電磁スイッチ
8 正極ブラシ
9 負極ブラシ
12 正極ブラシのリード線
12a リード線の接続部(一端部)
13 可動接点
19 固定接点
24 絶縁ブッシング(絶縁部材)
25 リード線保持部材
Claims (1)
- ブラシを通じて電流が供給される始動モータと、
この始動モータの電気回路に接続される固定接点と、プランジャロッドの端部に絶縁部材を介して支持される可動接点とを有し、電磁力を発生して前記プランジャロッドを駆動することにより、前記可動接点が前記固定接点に当接して前記電気回路を閉成する電磁スイッチと、
複数本の素線を束ねた撚線で構成され、その一端部が溶接等により固められて前記可動接点に電気的かつ機械的に接続され、他端部が前記ブラシに電気的かつ機械的に接続されたリード線とを備えるスタータにおいて、
前記絶縁部材は、前記プランジャロッドと前記可動接点との間を絶縁すると共に、前記可動接点に接続された前記リード線の一端部の近傍を前記可動接点との間に挟み込んで保持するリード線保持機能を有していることを特徴とするスタータ。
Priority Applications (1)
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JP21722198A JP3775064B2 (ja) | 1998-07-31 | 1998-07-31 | スタータ |
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Family Applications (1)
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1998
- 1998-07-31 JP JP21722198A patent/JP3775064B2/ja not_active Expired - Fee Related
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