JP3774356B2 - 絶縁体合体方法及び絶縁体合体装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁体を互いに積層してワイヤハーネスなどに用いられるコネクタを組み立てる絶縁体合体方法及び絶縁体合体装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
移動体としての自動車には、搭載される種々のランプや種々のモータなどの電子機器にバッテリなどの電源から電力を供給するためにワイヤハーネスが配索されている。前記ワイヤハーネスは、複数の電線と、これらの電線それぞれの端部に取り付けられた複数の端子と、前記端子を収容するコネクタハウジングなどを備えている。前記コネクタハウジングと複数の端子とはコネクタを構成している。なお、ワイヤハーネスは、一般に、前記コネクタを複数備えている。
【０００３】
近年、前述したワイヤハーネスは前記自動車に搭載される電子機器の増加に伴い、前記電子機器の機能毎などに分けられた複数のサブハーネスとして一旦構成され、これらのサブハーネスを互いに組み付けられて得られるようになっている。このため、前記サブハーネス間の電線相互の接続が煩雑となり、組立時の作業性が悪化する傾向となり最悪の場合には品質が安定しない恐れも生じてきた。
【０００４】
このため、前述した電線相互の接続を容易とするために、端子として圧接端子とこの圧接端子を複数並設した状態で保持・装着する絶縁体とを用い、前記絶縁体を互いに積層することによって、前記コネクタを形成することが提案されている。前記コネクタとして形成されると、前記圧接端子は、互いに重ねられる絶縁体同士に装着されたもの同士が電気的に接続されたり、互いに隣合うもの同士が電気的に接続されたりする。前記絶縁体は、略矩形状のプレート本体と、このプレート本体の表面から凹に形成されかつ圧接端子を保持する複数の端子挿入溝と、を備えている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
互いに積層されて前記コネクタを構成する前述した絶縁体を用いて、前記ワイヤハーネスを構成する際には、前記絶縁体の所定の端子挿入溝内に装着された圧接端子に電線を圧接して得られるサブハーネスを一旦構成する。そして、前記サブハーネスの前記絶縁体を互いに積層して前述したコネクタを形成するとともにワイヤハーネスを組み立てる。
【０００６】
このため、前述した絶縁体を用いてワイヤハーネスを構成する際には、前述した絶縁体を積層するためにかかる手間や労力を抑制することが望まれている。
【０００７】
したがって、本発明の目的は、複数が積層されてワイヤハーネスなどに用いられるコネクタを構成する複数の絶縁体を積層する際にかかる手間を抑制できる絶縁体合体方法及び絶縁体合体装置を提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項１に記載の本発明の絶縁体合体方法は、複数の圧接端子を互いに並設して保持する絶縁体を互いに積層してジョイントコネクタを組み立てる合体方法であって、前記絶縁体は前記圧接端子を載置する第１の面を有する壁を備えており、前記壁が互いに間隔を存した状態で前記絶縁体を装着するとともに互いに接離自在に設けられた複数のホルダを備えた保持治具を用いるとともに、互いに離れた状態の前記ホルダに前記絶縁体を装着して、前記壁が互いに間隔を存した状態で前記絶縁体を並設し、前記絶縁体を互いに近づける方向に押圧して、前記ホルダを互いに近づけて絶縁体を互いに積層してジョイントコネクタを組み立てることを特徴としている。
【０００９】
請求項２に記載の本発明の絶縁体合体方法は、請求項１に記載の絶縁体合体方法において、前記絶縁体が、前記ジョイントコネクタに組み立てられる際に積層させる順番に基いて並設されているか否かを確認することを特徴としている。
【００１０】
請求項３に記載の本発明の絶縁体合体方法は、請求項１または請求項２に記載の絶縁体合体方法において、前記圧接端子それぞれには電線が圧接されており、前記絶縁体は、互いに隣り合うものの前記第１の面とこの第１の面の反対側に位置する第２の面とが互いに相対する状態で並設されるとともに、前記圧接端子から電線が前記壁に沿ってまたは前記第２の面側に向かって延在した状態で並設され、前記絶縁体を互いに近づける方向に押圧する際に、一つの絶縁体の前記第２の面を、この第２の面に相対する他の絶縁体の第１の面に向かって近づけることを特徴としている。
【００１１】
請求項４に記載の本発明の絶縁体合体方法は、請求項１ないし請求項３のうちいずれか一項に記載の絶縁体合体方法において、前記絶縁体は互いに係合可能な係合部と係合受け部とを備えており前記係合部と係合受け部とが互いに係合して前記ジョイントコネクタに組立られ、前記絶縁体を互いに近づける方向に押圧する際に、前記係合部と係合受け部とが互いに係合していないとともに前記絶縁体同士が互いに接触するまで押圧する第１の押圧工程と、前記係合部と係合受け部とが互いに係合するまで押圧する第２の押圧工程と、を含んだことを特徴としている。
【００１２】
請求項５に記載の本発明の絶縁体合体方法は、請求項４に記載の絶縁体合体方法において、前記第１の押圧工程において互いに接触するまで押圧された際に前記押圧する方向に沿った前記複数の絶縁体の幅と、組み立てるジョイントコネクタを構成する絶縁体の個数と、に基いて、組み立てるジョイントコネクタを構成する個数の絶縁体が並設されているか否かを判定する第１の判定工程を含んでいることを特徴としている。
【００１３】
請求項６に記載の本発明の絶縁体合体方法は、請求項４または請求項５に記載の絶縁体合体方法において、前記第２の押圧工程において前記係合部と係合受け部とが互いに係合するまで押圧された際に前記押圧する方向に沿った前記複数の絶縁体の幅と、組み立てるジョイントコネクタを構成する絶縁体の個数と、に基いて、組み立てられたジョイントコネクタの良否を判定する第２の判定工程を含んでいることを特徴としている。
【００１４】
請求項７に記載の本発明の絶縁体合体装置は、複数の圧接端子を互いに並設して保持する絶縁体を互いに積層してジョイントコネクタを組み立てる合体装置であって、前記絶縁体は前記圧接端子を載置する第１の面を有する壁を備えており、前記壁が互いに間隔を存した状態で前記絶縁体を装着するとともに互いに接離自在に設けられた複数のホルダを備えて、互いに離れた状態の前記ホルダに前記絶縁体を装着して、前記壁が互いに間隔を存しかつ前記壁が互いに接離自在に前記絶縁体を保持する保持治具と、前記保持治具に保持された絶縁体を互いに近づける方向に押圧する加圧装置と、を備えたことを特徴としている。
【００１５】
請求項８に記載の本発明の絶縁体合体装置は、請求項７に記載の絶縁体合体装置において、前記保持治具に保持された絶縁体が、前記ジョイントコネクタに組み立てられる際の積層させる順番に基いて並設されているか否かを確認する確認手段を備えたことを特徴としている。
【００１６】
請求項９に記載の本発明の絶縁体合体装置は、請求項７または請求項８に記載の絶縁体合体装置において、前記絶縁体を互いに近づける方向に押圧する際に、前記保持治具に対し前記加圧装置を位置決めする位置決め手段を備えたことを特徴としている。
【００１７】
請求項１０に記載の本発明の絶縁体合体装置は、請求項９に記載の絶縁体合体装置において、前記位置決め手段が前記保持治具に対し前記加圧装置を所定の位置に位置決めした場合には前記加圧装置が絶縁体を互いに近づける方向に押圧することを許容するとともに、前記位置決め手段が前記保持治具に対し前記加圧装置を所定の位置に位置決めしていない場合には前記加圧装置が絶縁体を互いに近づける方向に押圧することを規制する制御手段を備えたことを特徴としている。
【００１８】
請求項１１に記載の本発明の絶縁体合体装置は、請求項７ないし請求項１０のうちいずれか一項に記載の絶縁体合体装置において、前記圧接端子それぞれには電線が圧接されており、前記絶縁体は、互いに隣り合うものの前記第１の面とこの第１の面の反対側に位置する第２の面とが互いに相対する状態で並設されるとともに、前記圧接端子から電線が前記壁に沿ってまたは前記第２の面側に向かって延在した状態で並設され、前記絶縁体を互いに近づける方向に押圧する際に、一つの絶縁体の前記第２の面を、この第２の面に相対する他の絶縁体の第１の面に向かって近づけることを許容するとともに、前記一つ絶縁体の前記第１の面を、この第１の面に相対する他の絶縁体の第２の面に向かって近づけることを規制する押圧方向規制手段を備えたことを特徴としている。
【００１９】
請求項１２に記載の本発明の絶縁体合体装置は、請求項７ないし請求項１１のうちいずれか一項に記載の絶縁体合体装置において、前記絶縁体は互いに係合可能な係合部と係合受け部とを備えており前記係合部と係合受け部とが互いに係合して前記ジョイントコネクタに組立られ、前記絶縁体を互いに近づける方向に押圧する際に、前記係合部と係合受け部とが互いに係合していないとともに前記絶縁体同士が互いに接触するまで押圧する第１の押圧工程と、前記係合部と係合受け部とが互いに係合するまで押圧する第２の押圧工程と、に分けて前記加圧装置を段階的に制御するとともに、前記第１の押圧工程と前記第２の押圧工程との間に前記保持治具に組み立てるジョイントコネクタを構成する個数の絶縁体が並設されているか否かを判定する第１の判定工程を行う制御手段を備えたことを特徴としている。
【００２０】
請求項１３に記載の本発明の絶縁体合体装置は、請求項１２に記載の絶縁体合体装置において、前記加圧装置は、互いに接離自在に設けられかつ前記絶縁体を互いに近づける方向に押圧する一対の押圧片と、前記絶縁体を互いに近づける方向に押圧する際に前記一対の押圧片相互間の間隔の変化を測定可能な測定手段と、を備えており、前記制御手段は、前記第１の押圧工程において互いに接触するまで押圧された際に前記測定手段が測定した間隔の変化に基いて得られる前記押圧する方向に沿った前記複数の絶縁体の幅と、組み立てるジョイントコネクタを構成する絶縁体の個数と、に基いて、前記保持治具に組み立てるジョイントコネクタを構成する個数の絶縁体が並設されているか否かを判定することを特徴としている。
【００２１】
請求項１４に記載の本発明の絶縁体合体装置は、請求項１３に記載の絶縁体合体装置において、前記制御手段は、前記第１の押圧工程において前記保持治具に組み立てるジョイントコネクタを構成する個数の絶縁体が並設されていると判定した場合には前記第２の押圧工程に進むとともに、前記第１の押圧工程において前記保持治具に組み立てるジョイントコネクタを構成する個数の絶縁体が並設されていないと判定した場合には前記第２の押圧工程に進むことを規制することを特徴としている。
【００２２】
請求項１５に記載の本発明の絶縁体合体装置は、請求項１４に記載の絶縁体合体装置において、前記制御手段は、前記第２の押圧工程において係合部と係合受け部とが互いに係合するまで押圧された際に前記測定手段が測定した間隔の変化に基いて得られる前記押圧する方向に沿った前記複数の絶縁体の幅と、組み立てるジョイントコネクタを構成する絶縁体の個数と、に基いて、組み立てられたジョイントコネクタの良否を判定することを特徴としている。
【００２３】
請求項１に記載された本発明によれば、絶縁体を壁が互いに間隔を存した状態で並設し、これら並設した絶縁体を互いに近づける方向に押圧するので、確実に絶縁体を積層することができる。絶縁体を並設し押圧するので、絶縁体を積層する際にかかる手間を抑制できる。
【００２４】
請求項２に記載された本発明によれば、絶縁体がジョイントコネクタに組立てられる際の順番に基いて並設されているか否かを確認するので、絶縁体をジョイントコネクタに組立られる際の積層する順番通りに積層することができる。
【００２５】
請求項３に記載された本発明によれば、電線が壁または第２の面側に向かって延在しているとともに、一つの絶縁体の第２の面をこの第２の面に相対する他の絶縁体の第１の面に向かって押圧する。このため、絶縁体を互いに近づける方向に押圧する際に、圧接端子から剥離する方向の応力が電線に加わることを防止できる。
【００２６】
請求項４に記載された本発明によれば、第１の押圧工程で絶縁体が互いに近づく方向に変位した変位量に基づくことによって、ジョイントコネクタを組み立てる際に必要な個数の絶縁体が並設されているか否かを判定できる。さらに、第２の押圧工程で前記第１の押圧工程から絶縁体が互いに近づく方向に変位した変位量に基づくことによって、ジョイントコネクタの前記絶縁体を押圧する方向に沿った幅を推定できる。
【００２７】
請求項５に記載された本発明によれば、第１の判定工程が第１の押圧工程において押圧する方向に沿った絶縁体の幅と、ジョイントコネクタを構成する絶縁体の個数と、に基いてジョイントコネクタを組み立てる際に必要な個数の絶縁体が並設されているか否かを判定する。このため、ジョイントコネクタを組み立てる際に必要な個数の絶縁体を確実に並設することができる。
【００２８】
請求項６に記載された本発明によれば、第２の判定工程が係合部と係合受け部とが互いに係合した状態の絶縁体の幅と、ジョイントコネクタを構成する絶縁体の個数と、に基いてジョイントコネクタの良否を判定する。このため、組立られたジョイントコネクタが、確実に必要な個数の絶縁体を有しているか否かを判定することができる。
【００２９】
請求項７に記載された本発明によれば、保持治具が絶縁体を壁が互いに間隔を存した状態で並設し、加圧装置がこれら並設した絶縁体を互いに近づける方向に押圧するので、確実に絶縁体を積層することができる。
【００３０】
請求項８に記載された本発明によれば、絶縁体がジョイントコネクタに組立てられる際の順番に基いて並設されているか否かを確認手段が確認するので、絶縁体をジョイントコネクタに組立られる際の積層する順番通りに積層することができる。
【００３１】
請求項９に記載された本発明によれば、位置決め手段が加圧装置を保持治具に対し位置決めするので、加圧装置が保持治具に保持された絶縁体を確実に積層することができる。
【００３２】
請求項１０に記載された本発明によれば、制御手段が、位置決め手段が加圧装置を保持治具に対し所定の位置に位置決めしていない場合には加圧装置が絶縁体を互いに近づける方向に押圧することを規制する。このため、加圧装置が保持治具と離間した位置に配されたまま加圧装置が駆動することを防止できる。
【００３３】
請求項１１に記載された本発明によれば、電線が壁または第２の面側に向かって延在しているとともに、加圧装置が一つの絶縁体の第１の面をこの第１の面に相対する他の絶縁体の第２の面に向かって押圧することを押圧方向規制手段が規制する。このため、絶縁体を互いに近づける方向に押圧する際に、圧接端子から剥離する方向の応力が電線に加わることを防止できる。
【００３４】
請求項１２に記載された本発明によれば、制御手段が、第１の押圧工程と第２の押圧工程とに分けて段階的に加圧装置を制御する。第１の押圧工程で絶縁体が互いに近づく方向に変位した変位量に基づくことによって、ジョイントコネクタを組み立てる際に必要な個数の絶縁体が並設されているか否かを判定できる。さらに、第２の押圧工程で前記第１の押圧工程から絶縁体が互いに近づく方向に変位した変位量に基づくことによって、ジョイントコネクタの前記絶縁体を押圧する方向に沿った幅を推定できる。
【００３５】
請求項１３に記載された本発明によれば、制御手段が、第１の押圧工程において押圧する方向に沿った絶縁体の幅と、ジョイントコネクタを構成する絶縁体の個数と、に基いてジョイントコネクタを組み立てる際に必要な個数の絶縁体が保持されているか否かを判定する。このため、ジョイントコネクタを組み立てる際に必要な個数の絶縁体を確実に並設することができる。
【００３６】
請求項１４に記載された本発明によれば、制御手段が、第１の押圧工程において、保持治具にジョイントコネクタを組み立てる際に必要な個数の絶縁体が保持されていないと判定すると、第２の押圧工程に進むことを規制する。このため、保持治具に所定の個数の絶縁体を保持させるまで、第２の押圧工程に進むことができない。
【００３７】
請求項１５に記載された本発明によれば、制御手段が、係合部と係合受け部とが互いに係合した状態の絶縁体の幅と、ジョイントコネクタを構成する絶縁体の個数と、に基いてジョイントコネクタの良否を判定する。このため、組立られたジョイントコネクタが、確実に必要な個数の絶縁体を有しているか否かを判定することができる。
【００３８】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態にかかる絶縁体合体装置としてのハウジング合体装置１を、図１ないし図２６を参照して説明する。ハウジング合体装置１は、図２８などに示す圧接端子としてのＪＣ（joint connector）用圧接端子３０を装着した図３１などに示す絶縁体としての圧接ハウジング４０を複数積層して、図３６に示すコネクタとしてのジョイントコネクタ（Joint Connector）５を組み立てる。
【００３９】
なお、ジョイントコネクタとは、一般にコネクタハウジング内に収容された複数の端子相互を所定のパターンにしたがって電気的に接続したものをいう。この場合、複数積層される圧接ハウジング４０が前記コネクタハウジングに相当する。
【００４０】
ＪＣ用圧接端子３０は、導電性の板金などを折り曲げるなどして形成されている。ＪＣ用圧接端子３０は、図２８及び図２９などに示すように、電線４（図３４などに示す）が載置される平坦な連結壁３５ａと、一対の側壁３５ｂと、電線接続部３１と、電気接触部３２とを備えている。
【００４１】
連結壁３５ａは、帯板状に形成されている。一対の側壁３５ｂは、それぞれ帯板状に形成されている。一対の側壁３５ｂは、幅方向に沿った連結壁３５ａの両縁に連なっている。一対の側壁３５ｂは、それぞれ連結壁３５ａに対し立設している。
【００４２】
電線接続部３１は、互いに対向する一対の折曲げ片３３と、圧接部３１ａと、切欠部３８とを備えている。折曲げ片３３は、連結壁３５ａに対し立設している。折曲げ片３３は、折り曲げられることにより連結壁３５ａに載置された電線４（図３４などに示す）を保持する。
【００４３】
圧接部３１ａは、それぞれ互いに対向する三対の圧入刃３４ａ，３４ｂ，３４ｃを備えている。圧入刃３４ａ，３４ｂ，３４ｃは、それぞれ、連結壁３５ａに対し立設している。三対の圧入刃３４ａ，３４ｂ，３４ｃは、それぞれ、側壁３５ｂの内面からこれら一対の側壁３５ｂが互いに近づく方向に向かって突出している。
【００４４】
圧入刃３４ａ，３４ｂ，３４ｃは、それぞれの間に電線４を圧入することにより、電線４の被覆部を切り込んで芯線に接触して、前記電線４との間の電気的な接続を確保する。即ち、電線４と圧接する。
【００４５】
切欠部３８は、一対の側壁３５ｂそれぞれが切り欠かれて形成されている。切欠部３８は、側壁３５ｂの前記連結壁３５ａから離れた側に位置する縁部から連結壁３５ａに向かって凹となるように、側壁３５ｂを切り欠いている。切欠部３８は、それぞれ、折曲げ片３３と圧接部３１ａとの間に配されている。
【００４６】
電気接触部３２は、連結壁３５ａに開口した開口孔３６（図２９に示す）と、連結壁３５ａから立設可能な接続部としての接触片３７とを備えている。接触片３７は、帯状に形成されている。接触片３７は、一端が連結壁３５ａと一体に形成されて、電気接触部３２に連なっている。
【００４７】
接触片３７は、折り曲げられることによって、前記連結壁３５ａに対し立設した状態と、図２８中の二点鎖線で示すように連結壁３５ａと平行な状態と、に亘って変位自在となっている。接触片３７は、折り曲げられて一旦連結壁３５ａに対し立設した状態にされるとこの状態を維持し、連結壁３５ａに平行な状態にされるとこの状態を維持する。
【００４８】
なお、接触片３７が連結壁３５ａに対し立設した状態は接続状態をなしており、接触片３７が連結壁３５ａに沿った状態は絶縁状態をなしている。開口孔３６には、図２９に示すように、連結壁３５ａの端部と接触片３７とを圧接するための接触ばね片３６ａが設けられている。
【００４９】
前述した構成のＪＣ用圧接端子３０は、連結壁３５ａが互いに平行でかつ間隔存した状態で積み重ねられる。そして、電気接触部３２は、図２９中下方に位置するＪＣ用圧接端子３０の接触片３７が図２９中上方に位置する他のＪＣ用圧接端子３０の開口孔３６内に挿入されることによって、互いに積み重ねられたＪＣ用圧接端子３０を互いに電気的に接続する。
【００５０】
このとき、下方に位置するＪＣ用圧接端子３０の接触片３７は、上方に位置する他のＪＣ用圧接端子３０の連結壁３５ａの端部と接触ばね片３６ａとによって挟まれている。
【００５１】
ＪＣ用圧接端子３０は、圧接ハウジング４０の端子収容溝４１内に圧入される。ＪＣ用圧接端子３０ａは、端子収容溝４１内に圧入されることで、圧接ハウジング４０に収容・保持される。
【００５２】
前記端子挿入溝４１内に圧入された際に、互いに隣り合うＪＣ用圧接端子３０を相互に電気的に接続する際には、図３０に示すように、電線接続部３１寄りの連結壁３５ａの端部を相互に連結する連結部３９が除去されずに残される。互いに隣り合うＪＣ用圧接端子３０を相互に電気的に絶縁状態に保つ際には前記連結部３９を連結壁３５ａから除去する。
【００５３】
圧接ハウジング４０は絶縁性の合成樹脂などからなり、図３１から図３６に示すように、矩形状のプレート本体４２と、複数の端子収容溝４１と、を備えている。プレート本体４２は、壁としての底壁４２ａと、一対の側壁４２ｂと、縁壁４２ｃと、底壁４２ａからそれぞれ立設した複数の隔壁４３と、識別部４６と、を備えている。
【００５４】
底壁４２ａは、平面形状が略矩形状に形成されている。底壁４２ａは、略平坦に形成されている。一対の側壁４２ｂは、互いに相対向して配されている。一対の側壁４２ｂは、互いに平行な状態で配されている。側壁４２ｂは、それぞれ底壁４２ａの縁に連なって形成されている。側壁４２ｂは、底壁４２ａに対し立設している。
【００５５】
縁壁４２ｃは、底壁４２ａと一対の側壁４２ｂとの双方の縁に連なっている。縁壁４２ｃは、底壁４２ａに対し立設している。縁壁４２ｃは、底壁４２ａの図３１前側に位置する縁に連なっている。なお、縁壁４２ｃは、本明細書に記した一つの縁をなしている。隔壁４３は、互いに平行でかつ間隔を存した状態で配されている。隔壁４３は、一対の側壁４２ｂ相互間に配されている。隔壁４３は、それぞれ一対の側壁４２ｂと平行な状態で配されている。
【００５６】
識別部４６は、縁壁４２ｃに設けられている。識別部４６は、複数の突起４６ａを備えている。突起４６ａは、縁壁４２ｃの外表面から外方向に向かって突出している。突起４６ａは、複数の隔壁４３が互いに並設する方向に沿って、互いに並設されている。突起４６ａは、平面形状が矩形状に形成されている。突起４６ａは、図示例では、１０個設けられている。
【００５７】
識別部４６は、互いに並設された複数の突起４６ａが、縁壁４２ｃから除去されて縁壁４２ｃの外表面と面一の状態にされるか、または、前記縁壁４２ｃから突出した状態を保たれることによって、圧接ハウジング４０の品番を示す。識別部４６は、前記突起４６ａの凹凸の有無によって、圧接ハウジング４０の品番を示す。識別部４６は、圧接ハウジング４０の品番として、ジョイントコネクタ５として構成される際の積層される順番を示す。
【００５８】
また、一対の側壁４２ｂのうち一方の側壁４２ｂには第１の凹溝４８ａが形成されており、他方の側壁４２ｂには第２の凹溝４８ｂが形成されている。図３１）中右側に位置する一方の側壁４２ｂに設けられた第１の凹溝４８ａは、端子挿入溝４１に沿って延在しているとともに、前記一方の側壁４２ｂの表面から凹に形成されている。第１の凹溝４８ａは、前記縁壁４２ｃ寄りの端部と、前記縁壁４２ｃから離れた側の端部とに亘って連通している。
【００５９】
図３１（Ｂ）中左側に位置する他方の側壁４２ｂに設けられた第２の凹溝４８ｂは、端子挿入溝４１に沿って延在しているとともに、前記他方の側壁４２ｂの表面から凹に形成されている。第２の凹溝４８ｂは、前記縁壁４２ｃ寄りの端部には連通しているとともに、前記縁壁４２ｃから離れた側の端部には連通していない。即ち、第２の凹溝４８ｂは、縁壁４２ｃから端子挿入溝４１に沿ってプレート本体４２の中央部まで延在している。
【００６０】
互いに隣り合う隔壁４３と底壁４２ａとで囲まれる部分は、端子収容溝４１をなしている。端子収容溝４１は、複数が並設されている。端子収容溝４１は、それぞれ、ＪＣ用圧接端子３０を収容可能である。端子収容溝４１がＪＣ用圧接端子３０を収容するので、図３１などに示す底壁４２ａの一つの表面４７ａ（以下第１の面と呼ぶ）上にＪＣ用圧接端子３０を載置する。また、第１の面４７ａと反対側に位置する底壁４２ａの他の表面４７ｂ（以下第２の面と呼ぶ）上には、ＪＣ用圧接端子３０は載置されない。
【００６１】
圧接ハウジング４０は、図３３に示すように、複数の端子収容溝４１のうち任意に選択される端子収容溝４１内にＪＣ用圧接端子３０を収容する。圧接ハウジング４０はＪＣ用圧接端子３０を収容する際には、図３２に示すようにそれぞれの端子挿入溝４１の一端部４１ａから挿入される。
【００６２】
圧接ハウジング４０はＪＣ用圧接端子３０を収容された状態で、プレート本体４２が互いに平行でかつ間隔を存した状態に積層されることによって、図３６に示すように、コネクタ（Joint Connector：ジョイントコネクタ）５を構成する。
【００６３】
このとき、図３４に示すように、圧接ハウジング４０ａに収容・保持したＪＣ用圧接端子３０ａに電線４が圧接して取り付けている。そして、図３５に示すように、電線４を取り付けた状態の圧接ハウジング４０を互いに積み重ねる。また、圧接ハウジング４０が互いに積層されてジョイントコネクタ５を構成する際には、図３５などに示すように最上方にカバーハウジング４９が重ねられる。
【００６４】
カバーハウジング４９は、その構成が圧接ハウジング４０と略同等であるため、構成が圧接ハウジング４０と同一箇所には同一符号を付して説明を省略する。カバーハウジング４９には、隔壁４３が設けられておらず、端子収容溝４１が形成されていない。また、カバーハウジング４９には、識別部４６即ち突起４６ａが形成されておらず、縁壁４２ｃが略面一の状態となっている。
【００６５】
なお、図３３ないし図３６に示した例では、全ての端子挿入溝４１にＪＣ用圧接端子３０が収容された状態を示しているが、前記圧接ハウジング４０は必ずしも全ての端子挿入溝４１にＪＣ用圧接端子３０が収容するわけではない。即ち、圧接ハウジング４０は、複数の端子挿入溝４１のうち任意に選択されるコネクタ５として形成された際に必要とされる端子挿入溝４１にＪＣ用圧接端子３０を収容する。
【００６６】
また、前記圧接ハウジング４０及びカバーハウジング４９は、互いに積層された際に互いを固定する突起４４と係合受け部４５とをそれぞれ複数備えている。さらに、圧接ハウジング４０は、下方に位置するＪＣ用圧接端子３０の接続部３７の上方に位置するＪＣ用圧接端子３０ａの開口孔３６内への侵入を妨げない図示しない孔を複数備えている。
【００６７】
ハウジング合体装置１は、図１などに示すように、保持治具としてのハウジングセット治具２と、確認手段としてのＦＰ検知治具３と、加圧装置としての加圧ユニット６と、制御手段としての制御装置７と、を備えている。
【００６８】
ハウジングセット治具２は、図１ないし図４などに示すように、フレーム５０と、複数のホルダ５１と、案内手段としての一対のガイド部材５２，５３と、カム機構５４と、規制手段としての規制部材５５（図６に示す）と、付勢手段としての帯状ゴム５６（図５に示す）と、係止手段としての係止部５７と、係止解除手段として解除機構５８と、を備えている。
【００６９】
フレーム５０は、図８などに示すベース板６１と、一対の端板６２と、図８などに示す奥板６０と、を備えている。ベース板６１は、金属などからなりかつ帯板状に形成されている。
【００７０】
端板６２は、それぞれ金属からなりかつ板状に形成されている。端板６２は、それぞれベース板６１の長手方向に沿った両縁それぞれに取り付けられている。端板６２は、それぞれ、ベース板６１に対し立設している。端板６２は、それぞれ位置決め凹部８８を備えている。位置決め凹部８８は、端板６２のフレーム５０の外方に位置する外表面から凹に形成されている。位置決め凹部８８は、背面形状が略矩形状に形成されている。
【００７１】
奥板６０は、平板状に形成されている。奥板６０は、ベース板６１と、一対の端板６２との双方に連なっている。奥板６０は、ベース板６１に対し立設している。
【００７２】
ホルダ５１は、互いに間隔を存して並設されている。ホルダ５１は、前記端板６２の相互間に配されている。ホルダ５１は、図示例では１４個設けられている。ホルダ５１は、後述する支持片６６が互いに間隔を存しかつ平行となる状態で並設されている。ホルダ５１は、後述する側片６７が互いに間隔を存しかつ平行となる状態で並設されている。ホルダ５１は、それぞれ圧接ハウジング４０を一つ保持する。
【００７３】
ホルダ５１は、図７及び図８に示すように、それぞれ、ホルダ本体６３と、レバー部材６４と、コイルばね６５などを備えている。ホルダ本体６３は、支持部としての支持片６６と、一対の側片６７と、誤装着防止手段としての誤装着防止部６８と、誤向き阻止手段としての誤向き阻止部６９と、を備えている。
【００７４】
支持片６６は、帯板状に形成されている。支持片６６は、その長手方向がベース板６１の表面とベース板６１の幅方向との双方に沿っている。側片６７は、それぞれ、帯板状に形成されている。側片６７は、それぞれ支持片６６の長手方向に沿った両端に連なっている。
【００７５】
側片６７は、支持片６６に対し立設した格好となっている。一対の側片６７は、互いに平行に配されている。一対の側片６７は、相互間の間隔が圧接ハウジング４０の一対の側壁４２ｂ相互間の幅と略等しくされている。支持片６６と、この支持片６６の両端に連なる一対の側片６７とで、ホルダ本体６３は、コ字状に形成されている。
【００７６】
誤装着防止部６８は、支持片６６の内面から凹に形成された凹部７１を、一つまたは複数備えている。凹部７１は、その内側に前記突起４６ａが侵入する。凹部７１内に突起４６ａが侵入すると、支持片６６の内面と縁壁４２ｃとが互いに重なる。
【００７７】
一つまたは複数の凹部７１は、ホルダ５１毎に互いに異なる箇所に形成されている。凹部７１は、ジョイントコネクタ５を形成する際に圧接ハウジング４０を積層する順番に応じてホルダ５１それぞれに保持される圧接ハウジング４０の識別部４６の突起４６ａと合致する箇所に形成されている。
【００７８】
即ち、凹部７１は、ジョイントコネクタ５を形成する際に積層される順番に対応する圧接ハウジング４０の突起４６ａが侵入する。そして、縁壁４２が支持片６６の内面と重なることを許容する。凹部７１は、ジョイントコネクタ５を形成する際に積層される順番に対応する圧接ハウジング４０のホルダ５１への装着を妨げない。
【００７９】
凹部７１は、ジョイントコネクタ５を形成する際に積層される順番に対応しない圧接ハウジング４０の突起４６ａの少なくとも一部が前記支持片６６の内面と当接して、縁壁４２ｃと支持片６６の内面とが互いに重なることを阻止するとともに前記縁壁４２ｃと支持片６６の内面とを互いに間隔を存して相対させる。凹部７１は、ジョイントコネクタ５を形成する際に積層される順番に対応しない圧接ハウジング４０のホルダ５１への装着を阻止する。
【００８０】
前述した構成によって、誤装着防止部６８は、複数のホルダ５１それぞれに、ジョイントコネクタ５を形成する際に積層される順番に応じて圧接ハウジング４０を保持させる。
【００８１】
誤向き阻止部６９は、一対の側片６７のうち一方の側片６７の内縁部に形成された第１の凸部７０ａと、前記他方の側片６７の内縁部に形成された第２の凸部７０ｂと、を備えている。第１の凸部７０ａは、側片６７の内縁部の表面から凸に形成され、かつ側片６７の長手方向に沿って延在している。第１の凸部７０ａは、側片６７の支持片６６寄りの端部から側片６７の支持片６６から離れた側の端部に亘って形成されている。
【００８２】
第２の凸部７０ｂは、側片６７の内縁部の表面から凸に形成され、かつ側片６７の長手方向に沿って延在している。第２の凸部７０ｂは、側片６７の支持片６６寄りの端部から側片６７の長手方向に沿った中央部に亘って形成されている。
【００８３】
第１の凸部７０ａは第１の凹溝４８ａ内に侵入する大きさに形成されているとともに、第２の凸部７０ｂは第２の凹溝４８ｂ内に侵入する大きさに形成されている。
【００８４】
また、第１の凸部７０ａが側片６７の支持片６６寄りの端部から側片６７の支持片６６から離れた側の端部に亘って凸に形成されており、第２の凹溝４８ｂが縁壁４２ｃから圧接ハウジング４０の中央部まで形成されているので、第１の凸部７０ａを第２の凹溝４８ｂ内に挿入しても、縁壁４２ｃと支持片６６の内面とが互いに重ならない。
【００８５】
前述した構成によって、誤向き阻止部６９は、第１の凹溝４８ａ内に第１の凸部７０ａが侵入しかつ第２の凹溝４８ｂ内に第２の凸部７０ｂが侵入し、縁壁４２ｃと支持片６６とを互いに重ねた格好で、圧接ハウジング４０それぞれをホルダ５１に装着させる。
【００８６】
即ち、誤向き阻止部６９は、第１の凹溝４８ａ内に第１の凸部７０ａが侵入しかつ第２の凹溝４８ｂ内に第２の凸部７０ｂが侵入した状態で圧接ハウジング４０がホルダ５１に装着されることを許容することによって、互いに隣接する圧接ハウジング４０の第１の面４７ａと第２の面４７ｂとが互いに相対向した格好で、ホルダ５１それぞれが圧接ハウジング４０を装着することを許容する。
【００８７】
誤向き阻止部６９は、第１の凹溝４８ａ内に第２の凸部７０ｂが侵入しかつ第２の凹溝４８ｂ内に第１の凸部７０ａが侵入した状態で圧接ハウジング４０がホルダ５１に装着されることを阻止する。このため、互いに隣接する圧接ハウジング４０の第１の面４７ａ同士または第２の面４７ｂ同士が互いに相対向した格好で、ホルダ５１それぞれが圧接ハウジング４０を装着することを阻止する。
【００８８】
前述した構成のホルダ本体６３は、図示例では、三つの板材が互いに重ねられかつ互いに貼り合わされて構成されている。ホルダ本体６３を構成する三つの板材は、それぞれ、前述した支持片６６と一対の側片６７とに相当する部分を一体に備えている。また、前記三つの板材のうち中央に位置する板材に、前述した凹部７１と、凸部７１ａ，７１ｂと、が形成されている。
【００８９】
レバー部材６４は、一方向に沿って延在した柱状に形成されている。レバー部材６４は、前述したホルダ本体６３を構成する三つの板材の相互間に挟まれた格好で設けられている。レバー部材６４は、その長手が、側片６７の長手方向に沿った状態で配されている。レバー部材６４は、その長手方向に沿った中央部に取り付けられた枢軸７２を中心として、ホルダ本体６３に対し回動自在に支持されている。
【００９０】
レバー部材６４は、前述したようにホルダ本体６３に取り付けられた際に、側片６７の支持片６６から離れた側の端部寄りに位置する一端部６４ａに、係止爪７３を設けている。
【００９１】
係止爪７３は、前記誤装着防止部６８に合致した識別部４６を有する圧接ハウジング４０が誤向き阻止部６９によって所望の向きで装着された際に、圧接ハウジング４０の縁壁４２ｃの反対側に位置する他の縁４２ｄに係止可能である。即ち、係止爪７３は、所望の品番の圧接ハウジング４０が所望の向きでホルダ５１に装着される際に、圧接ハウジング４０の縁４２ｄに係止可能である。
【００９２】
係止爪７３は、前記所望の品番以外の圧接ハウジング４０がホルダ５１に装着されようとした場合や、圧接ハウジング４０が所望の向きとは逆向きでホルダ５１に装着されようとした場合、即ち、支持片６６の内面と縁壁４２ｃとが重ならずに互いに間隔を存して相対する場合には、前記縁４２ｄに係止しない。
【００９３】
コイルばね６５は、図８に示すように、レバー部材６４の他端部６４ｂとホルダ本体６３との間に設けられ、前記他端部６４ｂをホルダ５１に装着される圧接ハウジング４０から離れる方向に付勢している。コイルばね６５は、レバー部材６４を係止爪７３が縁４２ｄを係止する方向に付勢している。このため、レバー部材６４は、圧接ハウジング４０の縁４２ｄに係止すると、圧接ハウジング４０即ち底壁４２ａを支持片６６に向かって付勢する。
【００９４】
前述した構成のホルダ５１は、それぞれ、ホルダ本体６３の支持片６６が前記ベース板６１と間隔を存しかつ一対の側片６７が支持片６６の両縁からベース板６１から離れる方向に向かって延在した格好で配されている。ホルダ５１が互いに並設される方向即ち互いに並設する方向に沿った厚みが、圧接ハウジング４０を保持した際に前記ホルダ５１が互いに接離する方向に沿った厚みより薄く形成されている。
【００９５】
また、前述した構成の複数のホルダ５１のうち少なくとも一つには、係止凹部８０が設けられている。係止凹部８０は、側片６７の外縁側に位置する外表面から凹に形成されている。係止凹部８０は、図示例では、全てのホルダ５１に形成されている。
【００９６】
さらに、前述したホルダ５１は、図２に示す複数の軸７６とスライダ７７とによって、互いに接離自在に設けられている。軸７６は、一方の端板６２から他方の端板６２に亘って掛け渡されている。軸７６は、互いに平行でかつベース板６１の長手方向に沿って配されている。軸７６は、それぞれ、両端が端板６２に固定されている。
【００９７】
軸７６は、図示例では、ベース板６１の幅方向に沿った両縁それぞれの近傍に三つずつ配されている。ベース板６１の一方の縁の近傍配された三つの軸７６は、ベース板６１に対し接離する方向に沿って互いに間隔を存して配されている。
【００９８】
スライダ７７は、それぞれの軸７６に沿って移動自在に、これらの軸７６に取り付けられている。スライダ７７は、外観視が円柱状に形成されている。スライダ７７は軸７６に取り付けられた際に、前記軸７６の長手方向即ちホルダ５１が互いに接離する方向に沿った長さが、前記ホルダ５１の前記接離する方向に沿った厚みより長く形成されている。
【００９９】
ベース板６１の一方の縁の近傍配された三つの軸７６に取り付けられたスライダ７７は、ホルダ５１それぞれに対し一つずつ固定されている。即ち一つのホルダ５１には、ベース板６１の両縁の近傍それぞれに一つずつ合計２個のスライダ７７が取り付けられている。
【０１００】
また、ホルダ５１は、側片６７それぞれに、前記軸７６を通すことのできる孔１１１を三つ設けている。前記孔１１１のうち一つの孔１１１ａは、前記スライダ７７の外周に嵌合するなどして固定されるために比較的小径に形成されている。前記孔１１１のうち他の二つの孔１１１ｂは、前記スライダ７７が遊びを有して侵入するために比較的大径に形成されている。
【０１０１】
図示例では、図２中に最も左端に位置するホルダ５１では最も支持片６６から離れた孔１１１ａにスライダ７７が固定されている。前記最も左端に位置するホルダ５１の右隣に位置するホルダ５１では支持片６６に対し接離する方向に沿って中央に位置する孔１１１ａにスライダ７７が固定されている。
【０１０２】
また、右隣に位置するホルダ５１では最も支持片６６に近い孔１１１ａにスライダ７７が固定されている。さらに、右隣に位置するホルダ５１では最も支持片６６から離れた孔１１１ａにスライダ７７が固定されている。
【０１０３】
このように、前記スライダ７７と固定される孔１１１ａ及びスライダ７７は、ハウジングセット治具２の側方から見てあたかも千鳥状に配されている。互いに隣り合うホルダ５１同士では互いに異なる位置に配された孔１１１ａに前記スライダ７７が固定される。このため、ホルダ５１が互いに近づくと、スライダ７７は孔１１１ｂ内に侵入する。なお、孔１１１ｂは、本明細書に記した逃げ部をなしている。
【０１０４】
一対のガイド部材５２，５３は、図１ないし図４及び図６に示すように、それぞれ、帯板状に形成されたガイド部７４と、一対の回動支持部７５と、を一体に備えている。ガイド部７４は、それぞれベース板６１と略等しいかまたは若干長く形成されている。回動支持部７５は、それぞれ、板状に形成されておりガイド部７４の両縁に連なっている。
【０１０５】
ガイド部材５２は、ガイド部７４がベース板６１と間隔を存して相対するとともに、回動支持部７５が端板６２に重ねられた格好で配される。ガイド部７４は、端板６２間に配されるホルダ５１の一方の側片６７の縁と相対している。ガイド部７４は、前記一方の側片６７の縁をベース板６１とともに挟み込む位置に配されている。
【０１０６】
ガイド部材５３は、ガイド部７４がベース板６１と間隔を存して相対するとともに、回動支持部７５が端板６２に重ねられた格好で配される。ガイド部７４は、端板６２間に配されるホルダ５１の他方の側片６７の縁と相対している。ガイド部７４は、前記他方の側片６７の縁をベース板６１とともに挟み込む位置に配されている。
【０１０７】
ガイド部材５２，５３は、それぞれ、前記回動支持部７５それぞれのガイド部７４から離れた端部に設けられた枢軸７８（図４などに示す）を中心として、端板６２に対し回動自在に支持されている。ガイド部材５２，５３は、枢軸７８を中心として回動自在に支持されることによって、ガイド部７４が互いに接離可能である。
【０１０８】
ガイド部材５２，５３は、図３などに示すように、それぞれのガイド部７４に複数のガイド凹部７９を設けている。ガイド凹部７９は、ガイド部７４が互いに相対する内縁より前記ガイド部７４が互いに離れる方向に向かって凹に形成されている。ガイド凹部７９は、誤向き阻止部６９によって所望の向きでホルダ５１に装着された圧接ハウジング４０の側壁４２ｂの外形に沿って形成されている。
【０１０９】
複数のガイド凹部７９は、係止部５７の後述する係止玉９２が係止凹部８０に係止した際に、ホルダ５１の側片６７の内縁と合致する位置に配されている。ガイド凹部７９は、ガイド部７４の長手方向に沿って等間隔に配されている。
【０１１０】
前述した構成によって、ガイド部材５２，５３は、係止玉９２が係止凹部８０に係止しかつカム機構５４によって後述するようにガイド部７４の互いに相対する内縁がホルダ５１の側片６７の内縁と略面一となった状態で位置決めされた際に、前記ガイド凹部７９がホルダ５１の側片６７の内縁部と合致する。
【０１１１】
そして、ガイド凹部７９は、圧接ハウジング４０の側壁４２ｄの外形に沿って形成されているので、圧接ハウジング４０をそれぞれのホルダ５１に装着する際に、凹溝４８ａ，４８ｂ内に凸部７０ａ，７０ｂが侵入するように圧接ハウジング４０を案内する。
【０１１２】
ガイド部材５２，５３は、ホルダ５１に装着された圧接ハウジング４０の側壁４２ｂ及び側壁４２ｂの近傍がガイド凹部７９内に侵入する。このため、圧接ハウジング４０を位置決めする。ガイド部材５２，５３は、圧接ハウジング４０が前記接離する方向に沿って移動すること即ちホルダ５１が互いに接離することを規制する。
【０１１３】
一方、ガイド部材５２，５３は、カム機構５４によって後述するようにガイド部７４が互いに離れる方向に回動されると、ホルダ５１に装着された圧接ハウジング４０の側壁４２ｂなどが前記ガイド凹部７９内から抜け出る。ガイド部材５２，５３は、圧接ハウジング４０の位置決めを解除して、圧接ハウジング４０即ちホルダ５１が互いに接離することを許容する。
【０１１４】
また、ガイド部材５２，５３のうち一方は凹部８６と、一対の突起８７と、を備えている。図示例では、ガイド部材５２が、前記凹部８６と、一対の突起８７と、を備えている。凹部８６は、ガイド部材５２のガイド部７４の外縁から他方のガイド部材５３のガイド部７４に向かって凹に形成されている。
【０１１５】
凹部８６は、ＦＰ検知治具３を用いて、後述するようにホルダ５１に積層する順番にしたがって圧接ハウジング４０が保持されているか否かを確認する際に、前記ＦＰ検知治具３の後述する一対の内側接触センサ９８のうち一方の接触子９８ｂと合致する位置に配されている。図示例では、凹部８６は、図１１中の右側に位置する内側接触センサ９８の接触子９８ｂと合致する位置に配されている。
【０１１６】
一対の突起８７は、ガイド部材５２のガイド部７４の外表面からフレーム５０のベース板６１から離れる方向に凸に形成されている。一対の突起８７は、それぞれ円柱状に形成されている。一対の突起８７は、フレーム５０に一体に形成されている。突起８７は、それぞれ、加圧ユニット６の後述する一対の孔１３６内に侵入できる位置に配されている。一対の突起８７のうち一方は他方より、ガイド部７４からの突出量が大きく形成されている。
【０１１７】
前記一方の突起８７は、前記孔１３６内に侵入すると、端部が加圧ユニット６の後述する位置決め板１３５のベース板６１の離れた側の表面から突出する。即ち、一方の突起８７は、前記孔１３６内に侵入すると端部が位置決め板１３５の外表面から突出する。また、前記他方の突起８７は、前記孔１３６内に侵入しても、端部が加圧ユニット６の位置決め板１３５の外表面から突出しない。
【０１１８】
なお、図示例では、一対の突起８７のうちガイド部７４からの突出量が大きい一方の突起８７が図２及び図３中の右側に位置しているとともに、前記他方の突起８７が図２及び図３中の左側に位置している。
【０１１９】
カム機構５４は、圧接ハウジング４０即ちホルダ５１の移動を規制する位置決め位置と、圧接ハウジング４０即ちホルダ５１の移動を許容する位置決め解除位置とに亘って、ガイド部材５２，５３を回動させる。カム機構５４は、前記位置決め位置及び位置決め解除位置双方において、フレーム５０に対しガイド部材５２，５３を位置決めする。
【０１２０】
カム機構５４は、図４などに示すように、端板６２に回動自在に設けられたカム８１と、操作レバー８２と、コイルばね８３と、を備えている。カム８１は、ガイド部材５２の回動支持部７５とガイド部材５３の回動支持部７５との間に設けられている。カム８１は、円弧状の一対の円弧部８４と、前記円弧部８４を互いに連ねる一対の平坦部８５と、を備えている。平坦部８５の表面はそれぞれ平坦に形成されている。平坦部８５の表面は互いに平行に配されている。
【０１２１】
カム８１は、前記位置決め位置では、平坦部８５がガイド部材５２，５３の回動支持部７５と当接した状態となる。カム８１は、前述した位置決め解除位置では、図９に示すように、円弧部８４がガイド部材５２，５３の回動支持部７５と当接した状態となる。
【０１２２】
操作レバー８２は、一方向に向かって延在した棒状に形成されている。操作レバー８２は、一端部がカム８１と一体に形成されている。操作レバー８２は、カム８１からこのカム８１の外方向に向かって延在している。コイルばね８３は、ガイド部材５２，５３の回動支持部７５相互間に掛け渡されている。コイルばね８３は、前記枢軸７８よりガイド部７４寄りの回動支持部７５の箇所を互いに近づく方向に付勢している。
【０１２３】
前述した構成で、カム機構５４は、前述した位置決め位置では、カム８１の平坦８５が双方の回動支持部７５と当接した状態となっている。このとき、コイルばね８３が回動支持部７５を互いに近づける方向に付勢しているので、ガイド部材５２，５３は前記位置決め位置に位置決めされている。
【０１２４】
前記コイルばね８３の付勢力に抗して操作レバー８２を図４中の矢印Ｒ１に沿って回動させると、円弧部８４が回動支持部７５と当接するようにカム８１が回転する。平坦部８５の表面相互の間の間隔よりカム８１の回転中心を挟んだ円弧部８４の表面相互の間の間隔の方が大きいため、枢軸７８を中心として相互間の間隔を拡げる方向にそれぞれの回動支持部７５が回動する。
【０１２５】
ガイド部７４が互いに離れる方向に変位して、ガイド部材５２，５３は図９に示す位置決め解除位置に位置決めされる。さらに、矢印Ｒ１の逆向きの図９に示す矢印Ｒ２に沿って操作レバー８２を回動させると、ガイド部材５２，５３は前記位置決め解除位置から前記位置決め位置に変位して位置決めされる。
【０１２６】
規制部材５５は、ガイド部材５３に重ねられている。規制部材５５は、図４などの示すように、ガイド部材５３のベース板６１寄りの表面に重ねられている。規制部材５５は、帯板状に形成されている。規制部材５５は、図６に示すように、複数の凹部９０と、ガイド面９１と、を備えている。
【０１２７】
凹部９０は、それぞれ、規制部材５５がガイド部材５３に重ねられた際に、ガイド部材５２即ちホルダ５１に装着される圧接ハウジング４０に相対する縁５５ａから凹に形成されている。
【０１２８】
凹部９０は、規制部材５５の長手方向に沿って互いに間隔を存して配されている。凹部９０は、規制部材５５の長手方向に沿って等間隔に配されている。凹部９０は、係止玉９２が係止凹部８０に係止し、かつガイド部材５２，５３がホルダ５１の側片６７の内縁と略面一となった状態で、ホルダ５１の外縁に係止する。凹部９０は、外縁に係止してホルダ５１を、前記ガイド部７４が圧接ハウジング４０をホルダ５１に案内できる位置に位置決めする。
【０１２９】
ガイド面９１は、前記凹部８２と縁５５ａとに亘って形成されている。ガイド面９１は、ガイド部材５２，５３が互いに接離する方向に対し傾いている。ガイド面９１は、縁５５ａ向かうにしたがって凹部８２の幅を徐々に広げる方向に傾いている。ガイド面９１は、前記凹部９０がホルダ５１の外縁に係止する際に、ホルダ５１の外縁を凹部９０の底に向かって案内する。
【０１３０】
帯状ゴム５６は、図５などに示すように、ゴムなどの弾性体からなりかつ帯状に形成されている。帯状ゴム５６は、ホルダ５１に固定されており、それぞれのホルダ５１を相互間の間隔が、係止玉９２が係止凹部８０に係止されかつ規制部材５５の凹部９０がホルダ５１に係止して位置決めされた状態の間隔となるように付勢している。
【０１３１】
即ち、帯状ゴム５６は、等間隔に位置するようにホルダ５１を付勢している。帯状ゴム５６は、図示例では二本設けられている。帯状ゴム５６は、図５に示すように、それぞれ一つ置きにホルダ５１に取り付けられている。
【０１３２】
一方の帯状ゴム５６即ち一つのホルダ５１には、操作ひも９５が取り付けられている。操作ひも９５は、作業員が引っ張ることで、前記ホルダ５１を前述した位置決め位置に変位させる即ち互いに離れる方向に移動させるために用いられる。なお、図示例では、操作ひも９５は、図２中の左端に位置するホルダ５１に取り付けられている。
【０１３３】
係止部５７は、図４に示すように、係止玉９２と、図示しないコイルばねと、を備えている。係止玉９２は、略球状に形成されている。係止玉９２は、その一部がフレーム５０の表面からホルダ５１に向かって突没自在に設けられている。
【０１３４】
係止玉９２は、前記ホルダ５１のうち一つのホルダ５１の係止凹部８０内に係止可能な位置に設けられている。係止玉９２は、図示例では、図２中の左端に位置するホルダ５１の係止凹部８０に係止可能な位置に設けられている。コイルばねは、係止玉９２が前記フレーム５０の表面からホルダ５１に向かって突出するように付勢している。
【０１３５】
前述した構成によって、係止部５７は、操作ひも９５が引っ張られて、ホルダ５１が互いに離れる方向に移動されると、係止玉９２が図２中の左端に位置するホルダ５１の係止凹部８０に係止する。係止玉９２がコイルばねによってフレームの表面から突出する方向即ちホルダ５１に近づく方向に付勢されているので、ホルダ５１を位置決めする。
【０１３６】
また、ホルダ５１を互いに近づく方向に移動すると、前記係止玉９２がコイルばねの付勢力に抗してフレーム５０内に没して、係止凹部８０に対する係止を解除する。
【０１３７】
解除機構５８は、レバー部材６４の係止爪７４の圧接ハウジング４０に対する係止を解除するために用いられる。解除機構５８は、図１０に示すように、操作レバー部１００と、連動ワイヤ１０１と、摺動部材１０２と、復帰ばね１１０と、を備えている。操作レバー部１００は、フレーム部１０３と、このフレーム部１０３に回動自在に取り付けられたレバー１０４と、を備えている。
【０１３８】
ワイヤ１０１は、一端が前記レバー１０４の回転中心から若干離れた箇所に取り付けられている。摺動部材１０２には、ワイヤ１０１の他端が取り付けられている。
【０１３９】
摺動部材１０２は、図１０に示すように、ベース板６１に沿ったベース部１０５と、このベース部１０５に対し立設した立設部１０６とを一体に備えている。立設部１０６は、レバー部材６４の他端部６４ｂとフレーム５０の奥板６０との間に設けられている。立設部１０６は、レバー部材６４の他端部６４ｂが当接している。
【０１４０】
復帰ばね１１０は、摺動部材１０２を前記奥板６０に向かって即ちホルダ５１及びレバー部材６４の他端部６４ｂから離れる方向に付勢している。
【０１４１】
前述した構成によって、解除機構５８は、前記レバー１０４を、図１０中の矢印Ｐ１に沿って回動させると、ワイヤ１０１がハウジングセット治具２から離れる方向に移動する。
【０１４２】
すると、摺動部材１０２が復帰ばね１１０の付勢力に抗して、係止爪７３の圧接ハウジング４０に対する係止を解除する方向にレバー部材６４を回動させる。レバー１０４を矢印Ｐ１とは逆向きの矢印Ｐ２に沿って回動させると、復帰ばね１１０の付勢力によって摺動部材１０２が奥板６０に近づく方向に変位して、係止爪７３が圧接ハウジング４０に係止する方向にコイルばね６５の付勢力によってレバー部材６４が回動する。
【０１４３】
前述した構成のハウジングセット治具２の各ホルダ５１に装着された圧接ハウジング５０は、圧接端子３０に圧接された電線４が図２に示すように底壁４２ａに沿った状態または前記第２の面４７ａ側に向かって延在している。
【０１４４】
図示例では、図２中右端に位置する圧接ハウジング４０に取り付けられた電線４が底壁４２ａに沿っている。図２中右端に位置する圧接ハウジング４０以外の圧接ハウジング４０に取り付けられた電線４が第２の面４７ｂ側に向かって延在している。
【０１４５】
ＦＰ検知治具３は、誤装着防止部６８に対応した識別部４６を有する圧接ハウジング４０が、各ホルダ５１に装着されているか否かを確認するための治具である。ＦＰ検知治具３は、図１１ないし図１５に示すように、治具本体９６と、一対の外側接触センサ９７と、一対の内側接触センサ９８と、治具本体９６に取り付けられた表示ランプ１４０と、を備えている。
【０１４６】
治具本体９６は、図１１に示すように、平面形状が略矩形状に形成されている。治具本体９６は、図１２ないし図１５に示すように、互いの間にガイド部材５２のガイド部７４を挟むことのできる一対の狭持部９６ａ，９６ａと、鉤部９６ｂと、を備えている。
【０１４７】
狭持部９６ａ，９６ａは、それぞれ、治具本体９６の長手方向の全長に亘って設けられている。狭持部９６ａ，９６ａは、互いに相対しかつ互いの間にガイド部７４を挟む表面がガイド部７４の表面に沿って略平坦に形成されている。狭持部９６ａ，９６ａは、互いの間にガイド部７４を挟むと、前記表面がガイド部７４の表面と当接する。
【０１４８】
鉤部９６ｂは、前記一対の狭持部９６ａ，９６ａのうち一方の狭持部９６ａの先端部に一体に形成されている。鉤部９６ｂは、前記ガイド部７４を互いの間に挟んだ一対の狭持部９６ａ，９６ａのうち前記支持片６６から離れた側に位置する狭持部９６ａの先端部に一体に形成されている。
【０１４９】
鉤部９６ｂは、前記狭持部９６ａの先端部から一旦支持片６６から離れる方向に延在した後、前記支持片６６に沿って延在している。鉤部９６ｂは、支持片６６から離れる方向に延在した後ホルダ５１に装着される圧接ハウジング４０の上方に向かって延在している。このように、鉤部９６ｂは、断面形状があたかも鉤状に形成されている。
【０１５０】
鉤部９６ｂは、前記誤装着防止部６８に対応した識別部４６を有する圧接ハウジング４０がホルダ５１に装着された際、即ち縁壁４２ｃと支持片６６の表面とが互いに重なった際に、図１３に示すように、前記圧接ハウジング４０の他の縁４２ｄ上に乗り上がることができるようになっている。即ち、鉤部９６ｂは、前記誤装着防止部６８に対応した識別部４６を有する圧接ハウジング４０がホルダ５１に装着された際に、前記圧接ハウジング４０の他の縁４２ｄと相対する。
【０１５１】
また、鉤部９６ｂは、前記誤装着防止部６８に対応していない識別部４６を有する圧接ハウジング４０がホルダ５１に装着された際、即ち、縁壁４２ｃと支持片６６の表面とが互いに間隔を存して相対する際に、図１５に示すように、前記圧接ハウジング４０の側壁４２ｂの端部と接触して、他の縁４２ｄ上に乗り上がることができないようになっている。
【０１５２】
一対の外側接触センサ９７は、ぞれぞれ、センサ本体９７ａと、これらのセンサ本体９７ａに対し変位自在な接触子９７ｂと、を備えている。一対の外側接触センサ９７は、それぞれ、制御装置７に接続している。一対の外側接触センサ９７は、治具本体９６の長手方向に沿って互いに間隔を存して配されている。
【０１５３】
一対の外側接触センサ９７は、接触子９７ｂが狭持部９６ａ，９６ａ間からこれらの狭持部９６ａ，９６ａの先端側に向かって突出した状態で配されている。接触子９７ｂは、センサ本体９７ａに対し狭持部９６ａ，９６ａの先端側に向かって付勢されている。接触子９７ｂは、センサ本体９７ａに対し変位する方向が狭持部９６ａ，９６ａに沿っている。
【０１５４】
外側接触センサ９７は、狭持部９６ａ，９６ａ間にガイド部７４を挟みかつ鉤部９６ｂが縁４２ｂ上に乗り上げた状態になると、図１３に示すように、ガイド部７４の外縁に当接して狭持部９６ａ，９６ａ間に没する方向に接触子９７ｂがセンサ本体９７ａに対し変位する。外側接触センサ９７は、接触子９７ｂがセンサ本体９７ａに対し変位すると、この変位したことを示す情報を制御装置７に向かって出力する。
【０１５５】
外側接触センサ９７は、鉤部９６ｂが側壁４２ｂの端部に接触して縁４２ｂ上に乗り上げられない状態になると、図１５に示すように、接触子９７ｂがガイド部７４の外縁に当接しない。この場合、もちろん接触子９７ｂはセンサ本体９７ａに対し変位しないとともに、変位したことを示す情報を制御装置７に向かって出力しない。
【０１５６】
一対の内側接触センサ９８は、ぞれぞれ、センサ本体９８ａと、これらのセンサ本体９８ａに対し変位自在な接触子９８ｂと、を備えている。一対の内側接触センサ９８は、それぞれ、制御装置７に接続している。
【０１５７】
一対の内側接触センサ９８は、治具本体９６の長手方向に沿って互いに間隔を存して配されている。一対の内側接触センサ９８は、それぞれ、一対の外側接触センサ９７相互間に配されている。即ち、内側接触センサ９８は、一対の外側接触センサ９７の内側に配されている。
【０１５８】
一対の内側接触センサ９８は、接触子９８ｂが狭持部９６ａ，９６ａ間からこれらの狭持部９６ａ，９６ａの先端側に向かって突出した状態で配されている。接触子９８ｂは、センサ本体９８ａに対し狭持部９６ａ，９６ａの先端側に向かって付勢されている。接触子９８ｂは、センサ本体９７ａに対し変位する方向が狭持部９６ａ，９６ａに沿っている。
【０１５９】
一方の内側接触センサ９８は、その接触子９８ｂが前記ガイド部７４の外縁に設けられた凹部８６に合致する位置に配されている。一方の内側接触センサ９８は、鉤部９６ｂが縁４２ｂ上に乗り上げた状態では、図１４に示すように、接触子９８ｂが凹部８６内に侵入する。この場合、接触子９８ｂはセンサ本体９８ａに対し変位しない。
【０１６０】
このため、前記一方の内側接触センサ９８は、鉤部９６ｂが縁４２ｂ上に乗り上げた状態になっても、側壁４２ｂの端部に接触して縁４２ｂ上に乗り上げられない状態となっても、接触子９８ｂがガイド部７４の外縁に当接せずにセンサ本体９８ａに対し変位したことを示す情報を制御装置７に向かって出力しない。
【０１６１】
前記他方の内側接触センサ９８は、狭持部９６ａ，９６ａ間にガイド部７４を挟みかつ鉤部９６ｂが縁４２ｂ上に乗り上げた状態になると、接触子９８ｂがガイド部７４の外縁に当接して狭持部９６ａ，９６ａ間に没する方向に前記センサ本体９８ａに対し変位する。前記他方の内側接触センサ９８は、接触子９８ｂがセンサ本体９８ａに対し変位すると、この変位したことを示す情報を制御装置７に向かって出力する。
【０１６２】
前記他方の内側接触センサ９８は、鉤部９６ｂが側壁４２ｂの端部に接触して縁４２ｂ上に乗り上げられない状態になると、接触子９８ｂがガイド部７４の外縁に当接しない。この場合、もちろん接触子９８ｂはセンサ本体９８ａに対し変位しないとともに、変位したことを示す情報を制御装置７に向かって出力しない。図示例では、図１１中右側に位置する内側接触センサ９８が凹部８６と合致する。
【０１６３】
前述した構成のＦＰ検知治具３は、狭持部９６ａ，９６ａ間にガイド部７４を挟むことによって、誤装着防止部６８に対応した識別部４６を有する圧接ハウジング４０がホルダ５１に装着されているか否かを確認するために用いられる。ＦＰ検知治具３は、誤装着防止部６８に対応した識別部４６を有する圧接ハウジング４０がホルダ５１に装着されているか否かを表示ランプ１４０の点灯によって作業者に対し示す。
【０１６４】
積層される順番に応じて圧接ハウジング４０が並設されている場合には、一対の外側接触センサ９７の接触子９７ｂそれぞれがセンサ本体９７ａに対し変位したことを示す情報を制御装置７に向かって出力する。圧接ハウジング４０が前述した順番とは異なった順番で並設されている場合には、一対の外側接触センサ９７の接触子９７ｂそれぞれがセンサ本体９７ａに対し変位したことを示す情報を制御装置７に向かって出力しない。
【０１６５】
また、ＦＰ検知治具３は、加圧ユニット６が圧接ハウジング４０を互いに近づける方向に押圧する際に、後述する一対の押圧片１２１，１２１のうち主に変位する一方を確認するために用いられる。
【０１６６】
狭持部９６ａ，９６ａ間にガイド部７４を挟みかつ一対の外側接触センサ９７の接触子９７ｂそれぞれが変位した場合、一対の内側接触センサ９８のうち前記他方の内側接触センサ９８の接触子９８ｂが変位する。変位した内側接触センサ９８の近傍に位置する押圧片１２１が主に変位することを示す。図示例では、図１１中左側に位置する内側接触センサ９８の接触子９８ｂが変位するので、加圧ユニット６の図１６中左側に位置する押圧片が主に変位する。
【０１６７】
加圧ユニット６は、図１６ないし図１８に示すように、ユニット本体１２０と、一対の押圧片１２１，１２１と、押圧シリンダ１２２と、一対の位置決めシリンダ１２３と、測定手段としての変位測定ユニット１２４と、一対のプランジャ１４１と、を備えている。加圧ユニット６は、制御装置７に接続している。
【０１６８】
ユニット本体１２０は、互いに相対しかつ間隔を存して配された一対の端板１２５，１２５と、これらの端板１２５，１２５を互いに連ねる周板１２６と、位置決め板１３５と、を備えている。端板１２５，１２５はそれぞれ平板状に形成されている。
【０１６９】
一方の端板１２５には、ロックスイッチ１３９が設けられている。ロックスイッチ１３９は、押圧式のスイッチである。ロックスイッチ１３９は、後述する取手１２７を掴んだ作業員が押圧出来る位置に配されている。ロックスイッチ１３９は、押圧されると、位置決めシリンダ１２３の後述する伸縮ロッド１２３ｂが伸縮する。
【０１７０】
周板１２６は、平坦に形成された操作板部１２６ａを備えている。操作板部１２６ａは、平面形状が、矩形状に形成されている。操作板部１２６ａの外表面には、一対の取手１２７，１２７と、スイッチ群１２８とが設けられている。
【０１７１】
取手１２７，１２７は、操作板部１２６ａの長手方向に沿って互いに間隔を存して配されている。取手１２７，１２７は、それぞれ、操作板部１２６ａの外表面から突出している。取手１２７，１２７は、それぞれ、両端が操作板部１２６ａの外表面に固定されたコ字状に形成されている。取手１２７，１２７は、それぞれ作業員が掴むことができるようになっている。
【０１７２】
スイッチ群１２８は、一対の作業開始スイッチ１２９と、第１の表示ボタン１３０と、第２の表示ボタン１３１と、リセットスイッチ１３２と、を備えている。一対の作業開始スイッチ１２９と、第１の表示ボタン１３０と、第２の表示ボタン１３１と、リセットスイッチ１３２と、は、一対の取手１２７，１２７が並設する方向に沿って並設されている。
【０１７３】
一対の作業開始スイッチ１２９は、それぞれ、押圧式のスイッチであって、操作板部１２６ａの長手方向に沿って互いに間隔を存して配されている。一対の作業開始スイッチ１２９は、それぞれ取手１２７，１２７の近傍に設けられている。一対の作業開始スイッチ１２９は、それぞれ、取手１２７，１２７を掴んだ作業者が押圧できる位置に配されている。
【０１７４】
第１の表示ボタン１３０は、後述するように加圧ユニット６が一次加圧を行って、制御装置７が後述する第１の判定工程を行った際の良否を表示する。
【０１７５】
第１の表示ボタン１３０は、圧接ハウジング４０が装着されるべきホルダ５１に圧接ハウジング４０が装着されていない場合に、組立中のジョイントコネクタ５が不良であることを作業者に表示する。第１の表示ボタン１３０は、所望のホルダ５１全てに圧接ハウジング４０が装着されている場合には、組立中のジョイントコネクタ５が良であることを作業者に表示する。
【０１７６】
第２の表示ボタン１３１は、前述した一次加圧の後に加圧ユニット６が後述する二次加圧を行って、制御装置７が後述する第２の判定工程を行った際の良否を表示する。第２の表示ボタン１３１は、前記第２の判定工程において、組み立てられたジョイントコネクタ５が良であるか不良であるかを作業者に表示する。
【０１７７】
リセットスイッチ１３２は、押圧式のスイッチであって、一方の作業開始スイッチ１２９の近傍に配されている。リセットスイッチ１３２は、第１及び第２の表示ボタン１３０，１３１のうち一方がジョイントコネクタ５などの不良を表示した場合に、作業員が押圧するために用いられる。
【０１７８】
リセットスイッチ１３２が押圧されると、加圧ユニット６は、押圧片１２１，１２１を互いに近づける方向に移動することを中止する。そして、加圧ユニット６は、押圧片１２１，１２１を互いに離れる方向に移動させる。
【０１７９】
位置決め板１３５は、図１６などに示すように、帯板状に形成されている。位置決め板１３５は、周板１２６の外表面から外方向に突出している。位置決め板１３５は、その長手方向が、操作板部１２６ａの長手方向に沿っている。位置決め板１３５は、その表面が操作板部１２６ａの表面に沿っている。位置決め板１３５には、一対の孔１３６が形成されている。
【０１８０】
一対の孔１３６は、それぞれ位置決め板１３５を貫通している。孔１３６は、それぞれ平面形状が丸形に形成されている。孔１３６は、位置決め板１３５がガイド部７４上に重ねられると、それぞれ、突起８７と合致する位置に配されている。孔１３６内には、それぞれ突起８７が侵入する。
【０１８１】
一対の押圧片１２１，１２１は、ユニット本体１２０に取り付けられたレール１３３と、このレール１３３に移動自在に取付られた一対のスライダ１３４，１３４と、一対のアーム部１３７，１３７と、によって支持されている。
【０１８２】
レール１３３は、操作板部１２６ａの長手方向に沿って配されている。スライダ１３４は、それぞれ、レール１３３に沿って移動自在となっている。スライダ１３４には、それぞれアーム部１３７が取り付けられている。
【０１８３】
アーム部１３７は、ぞれぞれ、スライダ１３４から位置決め板１３５に沿って周板１２６の外方向に向かって延在している。アーム部１３７は、位置決め板１３５がガイド部７４に重ねられると、ガイド部７４とともに位置決め板１３５を挟む位置に配されている。
【０１８４】
一対のアーム部１３７，１３７は、互いの間に孔１３６，１３６を挟む位置に配されている。アーム部１３７の内一方は、後述するように押圧片１２１，１２１が互いに近づけられる際に、孔１３６から突出した一方の突起８７を接触する。なお、図示例では、図１６中右側に位置するアーム部１３７が突起８７を接触する。なお、一対のアーム部１３７，１３７と突起８７，８７とは、本明細書に記した押圧方向規制手段をなしている。
【０１８５】
押圧片１２１，１２１は、それぞれアーム部１３７の先端部に取り付けられている。押圧片１２１，１２１は、ぞれぞれ平板状に形成されている。押圧片１２１，１２１は、互いに平行な状態で配されている。押圧片１２１，１２１は、レール１３３とスライダ１３４とによって互いに接離自在となっている。
【０１８６】
押圧片１２１，１２１は、位置決め板１３５がガイド部７４に重ねられかつ孔１３６内に突起８７が侵入すると、互いの間にホルダ５１及び圧接ハウジング４０を位置させる。このとき、押圧片１２１，１２１は、圧接ハウジング４０の底壁４２ａに沿う。
【０１８７】
押圧シリンダ１２２は、シリンダ本体１２２ａと、このシリンダ本体１２２ａに対し伸縮自在な伸縮ロッド１２２ｂと、を備えている。シリンダ本体１２２ａは、一方の押圧片１２１及びスライダ１３４に固定されている。伸縮ロッド１２２ｂは、他方の押圧片１２１及びスライダ１３４に固定されている。押圧シリンダ１２２は、伸縮ロッド１２２ｂをシリンダ本体１２２ａに対し伸縮させることによって、押圧片１２１，１２１を互いに接離させる。
【０１８８】
一対の位置決めシリンダ１２３は、それぞれ、シリンダ本体１２３ａと、シリンダ本体１２３ａに対し伸縮自在な伸縮ロッド１２３ｂと、を備えている。シリンダ本体１２３ａは、端板１２５に取り付けられている。シリンダ本体１２３ａは、伸縮ロッド１２３ｂの伸縮方向がレール１３３に沿った状態で、端板１２５に取り付けられている。
【０１８９】
伸縮ロッド１２３ｂの先端部には、位置決め凸部１２３ｃが取り付けられている。位置決め凸部１２３ｃは、平面形状が矩形状の柱状に形成されている。位置決め凸部１２３ｃは、位置決め凹部８８内に侵入する。位置決め凸部１２３ｃは、位置決め凹部８８内に侵入すると合致する。
【０１９０】
位置決めシリンダ１２３は、伸縮ロッド１２３ｂがシリンダ本体１２３ａに対し伸長すると、位置決め凸部１２３ｃが互いに近づくように配されている。位置決めシリンダ１２３は、位置決め板１３５がガイド部７４に重ねられかつ孔１３６内に突起８７が侵入すると、位置決め凸部１２３ｃが位置決め凹部８８と相対する位置に配されている。なお、位置決め凹部８８と位置決め凸部１２３ｃとは、本明細書に記した位置決め手段をなしている。
【０１９１】
変位測定ユニット１２４は、押圧シリンダ１２２の伸縮ロッド１２２ａの伸縮に伴って、押圧片１２１が接離した際の変位量に応じた情報を制御装置７に向かって出力する。
【０１９２】
一対のプランジャ１４１は、図１７に示すように、端板１２５またはアーム部１３７にそれぞれ取り付けられている。プランジャ１４１は、それぞれアーム部即ち押圧片１２１を互いに近づく方向に付勢している。
【０１９３】
制御装置７は、周知のＲＡＭ、ＲＯＭ及びＣＰＵなどを備えた演算装置である。制御装置７は、ＦＰ検知治具３及び加圧ユニット６と接続している。制御装置７は、ハウジング合体装置１全体の制御をつかさどる。
【０１９４】
制御装置７は、ＦＰ検知治具３の狭持部９６ａ，９６ａ間にガイド部７４を挟んだ際に、一対の外側接触センサ９７双方から接触子９７ｂが変位したことを示す情報が入力した場合には、押圧シリンダ１２２の伸縮ロッド１２２ｂが縮小することを許容する。制御装置７は、一対の外側接触センサ９７のうち少なくとも一方から接触子９７ｂが変位したことを示す情報が入力しない場合には、押圧シリンダ１２２の伸縮ロッド１２２ｂが縮小することを規制する。
【０１９５】
制御装置７は、ＦＰ検知治具３の表示ランプ１４０を点灯させるなどして、一対の外側接触センサ９７双方から接触子９７ｂが変位したことを示す情報が入力したか否かを作業員に示す。即ち、誤装着防止部６８に応じた識別部４６を有する圧接ハウジング４０がホルダ５１に装着されているか否かを示す。
【０１９６】
制御装置７は、一対の外側接触センサ９７双方から接触子９７ｂが変位したことを示す情報が入力した場合には、前記一対の内側接触センサ９８のうち接触子９８ｂが変位したことを示す情報が入力した方の内側接触センサ９８を一旦記憶しておく。
【０１９７】
制御装置７は、ロックスイッチ１３９が押圧されて、位置決めシリンダ１２３双方のシリンダ本体１２３ａに対する伸縮ロッド１２３ｂの伸長量が、前記位置決め凸部１２３ｃが位置決め凹部８８に合致した場合の量に相当するか否かを確認する。
【０１９８】
制御装置７は、位置決めシリンダ１２３双方のシリンダ本体１２３ａに対する伸縮ロッド１２３ｂの伸長量が位置決め凸部１２３ｃが位置決め凹部８８に合致した量に相当すると判定した場合には、後述する一次加圧及び二次加圧に移行することを許容する。
【０１９９】
制御装置７は、位置決めシリンダ１２３双方のシリンダ本体１２３ａに対する伸縮ロッド１２３ｂの伸長量が位置決め凸部１２３ｃが位置決め凹部８８に合致した量に相当しないと判定した場合には、一次加圧及び二次加圧に移行することを規制する。
【０２００】
即ち、制御装置７は、位置決め凸部１２３ｃが位置決め凹部８８に合致して加圧ユニット６がハウジングセット治具２に対し所定の位置関係で位置決めされた場合には、圧接ハウジング４０を押圧することを許容する。制御装置７は、位置決め凸部１２３ｃが位置決め凹部８８に合致しないで加圧ユニット６がハウジングセット治具２に対し所定の位置関係で位置決めされていない場合には、圧接ハウジング４０を押圧することを規制する。
【０２０１】
制御装置７は、予め、組み立てるジョイントコネクタ５の圧接ハウジング４０及びカバーハウジング４９の数を記憶しておく。制御装置７は、第１の押圧工程としての一次加圧と、第２の押圧工程としての二次加圧と、に分けて段階的に、伸縮ロッド１２２ｂを縮小させて、圧接ハウジング４０を互いに近づける方向に押圧する。
【０２０２】
制御装置７は、変位測定ユニット１２４から入力した押圧片１２１の変位量に基いて、押圧片１２１相互間の間隔を算出する。
【０２０３】
制御装置７は、一次加圧では、伸縮ロッド１２２ｂを縮小させて押圧片１２１，１２１を介して圧接ハウジング４０を、比較的弱い押圧力で互いに近づける方向に押圧する。一次加圧では、係合部４４と係合受け部４５とが互いに係合しないとともに、圧接ハウジング４０が互いに接触するまで押圧する。
【０２０４】
制御装置７は、係合部４４と係合受け部４５とが互いに係合していない状態での、組み立てるジョイントコネクタ５を構成する圧接ハウジング４０及びカバーハウジング４９全てがホルダ５１に装着された場合の前記押圧片１２１相互間の間隔を、予め記憶している。制御装置７は、正常な状態でのジョイントコネクタ５の、圧接ハウジング４０が並設される方向に沿った幅を、予め記憶している。
【０２０５】
制御装置７は、一次加圧で、圧接ハウジング４０を互いに近づける方向に押圧した際に、押圧片１２１相互間の間隔の変化に基いて、圧接ハウジング４０が並設する方向即ち押圧片１２１が圧接ハウジング４０を押圧する方向に沿った、複数並設された圧接ハウジング４０の幅を算出する。
【０２０６】
制御装置７は、一次加圧終了後に、予め記憶した複数の圧接ハウジング４０の幅と、変位測定ユニット１２４から入力した情報に基いて得られた複数の圧接ハウジング４０の幅と、の差が予め定められる範囲を超えた場合、第１の表示ボタン１３０を用いて組み立て中のジョイントコネクタ５が不良である旨を示す。
【０２０７】
ホルダ５１の厚みが圧接ハウジング４０の厚みより薄いので、圧接ハウジング４０を装着されていないホルダ５１は、圧接ハウジング４０が装着された場合に比べて、隣のホルダ５１により近づく。即ち、制御装置７は、予め記憶した複数の圧接ハウジング４０の幅と、変位測定ユニット１２４から入力した情報に基いて得られた複数の圧接ハウジング４０の幅と、に基いて、組み立てるジョイントコネクタ５に必要な個数の圧接ハウジング４０がホルダ５１に装着されているか否かを判定する。
【０２０８】
制御装置７は、一次加圧終了後に、組み立てるジョイントコネクタ５に必要な個数の圧接ハウジング４０がホルダ５１に装着されていないと判定した場合には、二次加圧に進むことを規制する。制御装置７は、一次加圧終了後に、組み立てるジョイントコネクタ５に必要な個数の圧接ハウジング４０がホルダ５１に装着されていると判定した場合には、二次加圧に進むことを許容する。
【０２０９】
制御装置７は、二次加圧終了後に、予め記憶した複数の圧接ハウジング４０の幅と、変位測定ユニット１２４から入力した情報に基いて得られた複数の圧接ハウジング４０の幅と、の差が予め定められる範囲を超えた場合、第２の表示ボタン１３１を用いて組み立てられたジョイントコネクタ５が不良である旨を示す。
【０２１０】
即ち、制御装置７は、予め記憶したジョイントコネクタ５の幅と、変位測定ユニット１２４から入力した情報に基いて得られた幅と、に基いて、組み立てられたジョイントコネクタ５の良否を判定する。
【０２１１】
また、制御装置７は、圧接ハウジング４０を互いに近づける方向に押圧する際に、ユニット本体１２０に対し大きく変位する一方の押圧片１２１と、ＦＰ検知治具３の一対の内側接触センサ９８のうち接触子９８ｂが変位する一方の内側接触センサ９８とが対応するか、否かを確認する。
【０２１２】
制御装置７は、対応する場合には、一次加圧及び二次加圧とに亘って圧接ハウジング４０を互いに近づける方向に押圧することを許容する。対応しない場合には、一次加圧及び二次加圧を中止して、圧接ハウジング４０を互いに近づけることを規制する。
【０２１３】
図示例では、図１１中左側に位置する内側接触センサ９８の接触子９８ｂが変位する。図１６中右側に位置するアーム部１３７が突起８７と接触して右側に位置する押圧片１２１が殆ど移動しないとともに、図１６中左側に位置する押圧片１２１がユニット本体１２０に対し大きく変位する。
【０２１４】
図１１中左側に位置する内側接触センサ９８から接触子９８ｂが変位することが入力し、図１６中左側に位置する押圧片１２１がユニット本体１２０に対し大きく変位する場合が、対応する場合である。また、図１１中右側に位置する内側接触センサ９８から接触子９８ｂが変位することが入力し、図１６中右側に位置する押圧片１２１がユニット本体１２０に対し大きく変位する場合が、対応する場合である。
【０２１５】
一方、図１１中左側に位置する内側接触センサ９８から接触子９８ｂが変位することが入力し、図１６中右側に位置する押圧片１２１がユニット本体１２０に対し大きく変位する場合が、対応しない場合である。また、図１１中左側に位置する内側接触センサ９８から接触子９８ｂが変位することが入力し、図１６中右側に位置する押圧片１２１がユニット本体１２０に対し大きく変位する場合が、対応しない場合である。
【０２１６】
前述した構成のハウジング合体装置１を用いて圧接ハウジング４０を互いに積層してジョイントコネクタ５を構成する際には、まず、図２６中のステップＳ１においてハウジングセット治具２の各ホルダ５１に圧接ハウジング４０を装着させて、ステップＳ２に進む。
【０２１７】
圧接ハウジング４０を、各ホルダ５１に装着する場合には、まず、作業員が操作ひも９５を引っ張って、係止玉９２を係止凹部８０に係止させて、ホルダ５１を位置決めする。そして、カム機構５４の操作レバー８２を操作して、ガイド部材５２，５３を前述した位置決め位置に位置決めする。なお、このとき、規制部材５５の凹部９０がホルダ５１それぞれの外縁に係止して、それぞれのホルダ５１を位置決めしている。
【０２１８】
誤装着防止部６８に応じた識別部４６を有する圧接ハウジング４０を、それぞれ、ホルダ５１に装着する。このとき、ガイド凹部７９によって圧接ハウジング４０を挿入方向が案内される。品番に応じた圧接ハウジング４０が所望の向きでホルダ５１に装着されると圧接ハウジング４０にレバー部材６４の係止爪７３が係止する。さらに、ジョイントコネクタ５に構成された際に最も上方に位置する圧接ハウジング４０の更に上方側には、カバーハウジング４９を装着する。
【０２１９】
なお、前述したホルダ５１のうち全てのホルダ５１に圧接ハウジング４０及びカバーハウジング４９を装着しないで、ジョイントコネクタ５を構成する際には、図１、図２及び図１９などに示すダミーハウジング４９ａをホルダ５１に装着する。
【０２２０】
ダミーハウジング４９ａをホルダ５１に装着する場合には、図２中の右側に位置するホルダ５１から順に圧接ハウジング４０及びカバーハウジング４９を装着し、カバーハウジング４９の図２中左側にダミーハウジング４９ａを装着する。このように、ダミーハウジング４９ａは、図２中の左側に位置することとなる。
【０２２１】
そして、各ホルダ５１に圧接ハウジング４０、カバーハウジング４９及びダミーハウジング４９ａが装着された状態となる。
【０２２２】
そして、図２６中のステップＳ２において、ＦＰ検知治具３を用いて、誤装着防止部６８に対応した識別部４６を有する圧接ハウジング４０がホルダ５１に装着されているか否かを確認する。一対の外側接触センサ９７双方と一方の内側接触センサ９８の接触子９７ｂ，９８ｂがセンサ本体９７ａ，９８ａに対し変位したことを示す情報が制御装置７に入力した場合には、ステップＳ３に進む。
【０２２３】
一対の外側接触センサ９７双方と一方の内側接触センサ９８の接触子９７ｂ，９８ｂがセンサ本体９７ａ，９８ａに対し変位したことを示す情報が制御装置７に入力しない場合には、前記情報が入力するまで、作業員が、圧接ハウジング４０を各ホルダ５１に装着し直す。
【０２２４】
そして、カム機構５４の操作レバー８２を図４中の矢印Ｒ１に沿って回動させて、ガイド部７４相互間の間隔を拡げる方向にガイド部材５２，５３を回動させる。このとき、ハウジングセット治具２は、図１９及び図２０に示すように、ガイド部材５２，５３が位置決め解除位置に位置決めされているとともに、各ホルダ５１に圧接ハウジング４０、カバーハウジング４９及びダミーハウジング４９ａが装着された状態となっている。
【０２２５】
ステップＳ３では、位置決め板１３５をガイド部７４に重ねかつ突起８７を孔１３６内に通す。図２１及び図２２に示すように、加圧ユニット６をハウジングセット治具２に対しセットして、ステップＳ４に進む。なお、作業員が加圧ユニット６をハウジングセット治具２にセットする際には、取手１２７，１２７を掴んで行う。
【０２２６】
ステップＳ４では、ロックスイッチ１３９を押圧して、位置決めシリンダ１２３の伸縮ロッド１２３ｂを伸長させる。作業員は取手１２７を掴んで、加圧ユニット６のハウジングセット治具２に対する相対的な位置を微調整して、位置決め凸部１２３ｃを位置決め凹部８８内に侵入させて合致させる。位置決め凸部１２３ｃが位置決め凹部８８内に侵入して合致すると、加圧ユニット６がハウジングセット治具２に対して位置決めされたとみなして、ステップＳ５に進む。
【０２２７】
ステップＳ５では、制御装置７が、押圧シリンダ１２２の伸縮ロッド１２２ｂを縮小させて、比較的弱い押圧力で押圧片１２１，１２１を互いに近づけて、前述した一次加圧を行う。このとき、プランジャ１４１によってアーム部１３７が互いに近づく方向に付勢されているので、図２３に示すように、一方のアーム部１３７が位置決め板１３５から突出した突起８７に瞬く間に接触する。
【０２２８】
一方のアーム部１３７が位置決め板１３５から突出した突起８７に接触すると、前記一方のアーム部１３７に固定された押圧片１２１のユニット本体１２０に対する変位が規制される。即ち、前記突起８７と接触しないアーム部１３７に支持された押圧片１２１のみが、ユニット本体１２０に対し変位する。このため、図２４及び図２５に示すように、図中右側に位置する押圧片１２１が移動しないとともに、図中左側に位置する押圧片１２１が図中右側に向かって移動する。
【０２２９】
一次加圧が終了すると、図２４に示すように、係合部４４と係合受け部４５とが互いに係合していないとともに、圧接ハウジング４０とカバーハウジング４９などが互いに接触した状態となっている。一次加圧が終了すると、ステップＳ６に進む。
【０２３０】
ステップＳ６では、制御装置７が、予め記憶した複数の圧接ハウジング４０の幅と、変位測定ユニット１２４から入力した情報に基いて得られた複数の圧接ハウジング４０の幅と、に基いて、組み立てるジョイントコネクタ５に必要な個数の圧接ハウジング４０がホルダ５１に装着されているか否かを判定する。
【０２３１】
制御装置７が、必要な個数の圧接ハウジング４０がホルダ５１に装着されていないと判定した場合には、その旨を第１の表示ボタン１３０を用いて作業員に表示する。この場合、作業員が、リセットスイッチ１３２を押すとともに、加圧ユニット６をハウジングセット治具２から取り外す。作業員が、ホルダ５１に圧接ハウジング４０、カバーハウジング４９及びダミーハウジング４９ａのうちいずれかを装着しなおして、前述したステップＳ１に戻る。
【０２３２】
ステップＳ６において、制御装置７が、必要な個数の圧接ハウジング４０がホルダ５１に装着されていると判定した場合には、その旨を第１の表示ボタン１３０を用いて作業員に表示するとともに、ステップＳ７に進む。なお、このステップＳ６は、本明細書に記した第１の判定工程をなしている。
【０２３３】
ステップＳ７では、制御装置７が、押圧シリンダ１２２の伸縮ロッド１２２ｂを縮小させて、比較的強い押圧力で押圧片１２１，１２１を互いに近づけて、前述した二次加圧を行う。係合部４４と係合受け部４５とが互いに係合して、図２５に示すように、圧接ハウジング４０とカバーハウジング４９とを互いに固定する。圧接ハウジング４０とカバーハウジング４９とは互いに積層されて、ジョイントコネクタ５が組み立てられる。二次加圧が終了すると、ステップＳ８に進む。
【０２３４】
なお、前述した一次加圧及び二次加圧双方で、図２４及び図２５中右側に位置する押圧片１２１の移動が規制されているので、圧接ハウジング４０は互いに第１の面４７ａが第２の面４７ｂに近づくように押圧される。
【０２３５】
ステップＳ８では、予め記憶したジョイントコネクタ５の前記押圧片１２１が押圧する方向に沿った幅と、変位測定ユニット１２４から入力した情報に基いて得られた幅と、に基いて、組み立てられたジョイントコネクタ５の良否を判定する。
【０２３６】
位置決め板１３５をガイド部７４上から離すとともに、突起８７を孔１３６内から離脱させて、ハウジングセット治具２から加圧ユニット６を取り外す。
【０２３７】
解除機構５８のレバー１０４を、図１０中の矢印Ｐ２に沿って回動させて、係止爪７３の圧接ハウジング４０に対する係止を解除する方向にレバー部材６４を回動させる。レバー部材６４の係止が解除された圧接ハウジング４０及びカバーハウジング４９をホルダ５１から取り外して、前述したジョイントコネクタ５を得る。
【０２３８】
その後、レバー１０４を矢印Ｐ１に沿って回動させてレバー部材６４が圧接ハウジング４０を係止可能な位置に変位させるとともに、操作ひも９５を引っ張って、係止玉９２を係止凹部８０に係止させる。そして、カム機構５４を操作してガイド部材５２，５３を前述した位置決め位置に変位させる。次のジョイントコネクタ５の組立を前述した工程にしたがって行う。
【０２３９】
本実施形態によれば、圧接ハウジング４０を底壁４２ａが互いに間隔を存した状態で複数並設し、これら並設した絶縁体を互いに近づける方向に押圧するので、確実に圧接ハウジング４０を積層することができる。
【０２４０】
圧接ハウジング４０がジョイントコネクタ５に組立てられる際の順番に基いて並設されているか否かを、ＦＰ検知治具３が確認する。ＦＰ検知治具３が圧接ハウジング４０がジョイントコネクタ５に組立てられる際の順番に基いて並設されていることを確認しないと、加圧ユニット６が圧接ハウジング４０を互いに近づける方向に押圧することがない。
【０２４１】
このため、圧接ハウジング４０をジョイントコネクタ５に組立られる際の積層する順番通りに積層することができる。したがって、圧接ハウジング４０をジョイントコネクタ５に組立てられる際の順番に通りに積層できるので、ジョイントコネクタ５を組み立てる際の歩留まりを低下させることがない。
【０２４２】
また、誤装着防止部６８と識別部４６とを合致させることによって、圧接ハウジング４０を積層する順番通りに並設できるので、圧接ハウジング４０を積層する際にかかる手間などを抑制できる。
【０２４３】
圧接端子３０に圧接される電線４が底壁４２ａに沿っているか第２の面４７ａ側に向かって延在しているとともに、互いに隣り合う圧接ハウジング４０の第２の面４７ｂを第１の面４７ａに近づける方向に押圧する。このため、圧接ハウジング４０を互いに近づける方向に押圧する際に、圧接端子３０から剥離する方向の応力が電線４に加わることを防止できる。したがって、電線４が圧接端子３０から剥離することを防止でき、歩留まりを低下させることなくジョイントコネクタ５を組み立てることができる。
【０２４４】
ステップＳ６で、一次加圧終了後に圧接ハウジング４０の幅に基づくことによって、ジョイントコネクタ５を組み立てる際に必要な個数の圧接ハウジング４０が並設されているか否かを判定する。
【０２４５】
ステップＳ６で、必要な個数の圧接ハウジング４０が並設されていると判定しないと、二次加圧に進むことが出来ないので、確実に必要な個数の圧接ハウジング４０を備えたジョイントコネクタ５を組み立てることができる。したがって、歩留まりを低下させることなくジョイントコネクタ５を組み立てることができる。
【０２４６】
さらに、二次加圧終了後にジョイントコネクタ５の押圧片１２１が押圧する方向に沿った幅に基づくことによって、ジョイントコネクタ５の良否を判定する。このため、係合部４４と係合受け部４５とを互いに係合させる際に、例えば厚みが薄く成る方向に圧接ハウジング４０が塑性変形するなどの不具合が生じたことを確実に把握することができる。
【０２４７】
また、位置決め凸部１２３ｃと位置決め凹部８８とが互いに係合合致して、加圧ユニット６をハウジングセット治具２に対し位置決めするので、ハウジングセット治具２に保持された圧接ハウジング４０を確実に積層することができる。
【０２４８】
また、位置決め凸部１２３ｃと位置決め凹部８８とが係合合致しないと加圧ユニット６が一次加圧及び二次加圧を行うことがない。このため、加圧ユニット６がハウジングセット治具２にセットされていない状態で、作業員が誤って作業開始ボタン１２９を押圧しても、押圧片１２１，１２１が互いに近づく方向に変位することがない。
【０２４９】
さらに、位置決め凸部１２３ｃと位置決め凹部８８とが係合合致しないと加圧ユニット６が一次加圧及び二次加圧を行わない。このため、ジョイントコネクタ５の歩留まりを低下させることなく圧接ハウジング４０を積層することができる。
【０２５０】
また、ハウジングセット治具２は、図２７に示すように、一対の突起８７のうち図２７（Ａ）中左側に位置する突起８７が、ガイド部７４からの突出量を大きく形成されても良い。この場合、誤向き阻止部６９は、第１の面４７ａが図中右側に位置しかつ第２の面４７ｂが図中左側に位置した状態で、圧接ハウジング４０をホルダ５１に保持させる。
【０２５１】
さらに、この場合、圧接ハウジング４０を互いに近づける方向に押圧する際には、図１６中左側に位置する押圧片１２１の移動が規制されるとともに、図１６中右側に位置する押圧片１２１が主に移動する。
【０２５２】
また、加圧ユニット６が圧接ハウジング４０を互いに近づける際には、図１６中左側に位置するアーム部１３７が突起８７と接触して移動しないとともに、図１６中右側に位置する押圧片１２１がユニット本体１２０に対し変位する。
【０２５３】
さらに、前述したハウジングセット治具２は、例えば工場のフロア上を予め定められる経路にしたがって走行しかつワイヤハーネスを結くことのできる布線ボードに取り付けられる。例えば、図２などに示すハウジングセット治具２と、図２７に示すハウジングセット治具２とが、各一つずつ布線ボードに取付られる。前記ＦＰ検知治具３と加圧ユニット６と制御装置７などは、前記経路の近傍でかつ、前記経路の終盤即ちワイヤハーネス組立ラインの終盤に配されている。
【０２５４】
前記布線ボードが前述した経路にしたがって走行する間に、作業員が所定の手順にしたがって、前述した圧接ハウジング４０と圧接ハウジング４０が装着した圧接端子３０に圧接した電線４とを有するサブハーネスを前記布線ボードに結く。さらに、前記圧接ハウジング４０を、識別部４６が合致する誤装着防止部６８を有するホルダ５１に装着しておく。
【０２５５】
前記経路の終盤即ちワイヤハーネスの組立ラインの終盤に布線ボードが位置すると、各ホルダ５１に圧接ハウジング４０が装着された状態となっている。作業員が、ＦＰ検知治具３及び加圧ユニット６を用いて、ハウジングセット治具２の保持された圧接ハウジング４０を互いに近づく方向に押圧してジョイントコネクタ５を組み立てる。
【０２５６】
【発明の効果】
以上説明したように請求項１に記載の本発明は、絶縁体を壁が互いに間隔を存した状態で並設し、これら並設した絶縁体を互いに近づける方向に押圧するので、確実に絶縁体を積層することができる。並設した絶縁体を互いに近づけて絶縁体を積層するので、絶縁体を積層する際にかかる手間などを抑制できる。
【０２５７】
請求項２に記載の本発明は、絶縁体をジョイントコネクタに組立てられる際の順番に基いて並設することができるので、絶縁体を積層する際にかかる手間などを抑制できる。絶縁体をジョイントコネクタに組立てられる際の順番に基いて並設することができるので、ジョイントコネクタを歩留まりを低下させることなく確実に組み立てることができる。
【０２５８】
請求項３に記載の本発明は、電絶縁体を互いに近づける方向に押圧する際に、圧接端子から剥離する方向の応力が電線に加わることを防止できる。したがって、絶縁体を互いに近づける方向に押圧する際に、電線が圧接端子から剥離することを防止でき、歩留まりを低下させることなくジョイントコネクタを組み立てることができる。
【０２５９】
請求項４に記載の本発明は、ジョイントコネクタを組み立てる際に必要な個数の絶縁体が並設されているか否かを判定することができる。したがって、絶縁体を積層する際にかかる手間などを抑制できることにくわえ、歩留まりを低下させることなくジョイントコネクタを組み立てることができる。
【０２６０】
請求項５に記載の本発明は、第１の判定工程が第１の押圧工程において押圧する方向に沿った絶縁体の幅と、ジョイントコネクタを構成する絶縁体の個数と、に基いてジョイントコネクタを組み立てる際に必要な個数の絶縁体が並設されているか否かを判定する。このため、ジョイントコネクタを組み立てる際に必要な個数の絶縁体を確実に並設することができる。したがって、歩留まりを低下させることなくジョイントコネクタを組み立てることができる。
【０２６１】
請求項６に記載の本発明は、第２の判定工程が係合部と係合受け部とが互いに係合した状態の絶縁体の幅と、ジョイントコネクタを構成する絶縁体の個数と、に基いてジョイントコネクタの良否を判定する。このため、組立られたジョイントコネクタが、確実に必要な個数の絶縁体を有しているか否かを判定することができる。したがって、歩留まりを低下させることなくジョイントコネクタを組み立てることができる。
【０２６２】
請求項７に記載の本発明は、保持治具が絶縁体を壁が互いに間隔を存した状態で並設し、加圧装置がこれら並設した絶縁体を互いに近づける方向に押圧するので、確実に絶縁体を積層することができる。このため、絶縁体を積層する際にかかる手間などを抑制できる。
【０２６３】
請求項８に記載の本発明は、絶縁体がジョイントコネクタに組立てられる際の順番に基いて並設されているか否かを確認手段が確認するので、絶縁体をジョイントコネクタに組立られる際の積層する順番通りに積層することができる。したがって、絶縁体をジョイントコネクタに組立てられる際の順番に基いて並設することができるので、絶縁体を積層する際にかかる手間などを抑制でき、かつ歩留まりを低下させることなくジョイントコネクタを組み立てることができる。
【０２６４】
請求項９に記載の本発明は、位置決め手段が加圧装置を保持治具に対し位置決めするので、加圧装置が保持治具に保持された絶縁体を確実に積層することができる。したがって、歩留まりを低下させることなくジョイントコネクタを組み立てることができる。
【０２６５】
請求項１０に記載の本発明は、制御手段が、位置決め手段が加圧装置を保持治具に対し所定の位置に位置決めしていない場合には加圧装置が絶縁体を互いに近づける方向に押圧することを規制する。このため、加圧装置が保持治具に装着されていない状態で駆動することを防止できる。さらに、加圧装置が確実に圧接ハウジングを押圧することができる。したがって、歩留まりを低下させることなくジョイントコネクタを組み立てることができる。
【０２６６】
請求項１１に記載の本発明は、絶縁体を互いに近づける方向に押圧する際に、圧接端子から剥離する方向の応力が電線に加わることを押圧方向規制手段が防止する。したがって、絶縁体を互いに近づける方向に押圧する際に、電線が圧接端子から剥離することを防止でき、歩留まりを低下させることなくジョイントコネクタを組み立てることができる。
【０２６７】
請求項１２に記載の本発明は、制御手段が、第１の押圧工程と第２の押圧工程とに分けて段階的に加圧装置を制御する。第１の判定工程でジョイントコネクタを組み立てる際に必要な個数の絶縁体が並設されているか否かを判定する。したがって、絶縁体を積層する際にかかる手間などを抑制できることにくわえ、歩留まりを低下させることなくジョイントコネクタを組み立てることができる。
【０２６８】
請求項１３に記載の本発明は、制御手段が、第１の押圧工程において押圧する方向に沿った絶縁体の幅と、ジョイントコネクタを構成する絶縁体の個数と、に基いてジョイントコネクタを組み立てる際に必要な個数の絶縁体が保持されているか否かを判定する。このため、ジョイントコネクタを組み立てる際に必要な個数の絶縁体を確実に並設することができる。したがって、歩留まりを低下させることなくジョイントコネクタを組み立てることができる。
【０２６９】
請求項１４に記載の本発明は、保持治具に所定の個数の絶縁体を保持させるまで、第２の押圧工程に進まないので、必要な個数の絶縁体を確実に積層することができる。したがって、絶縁体を積層する際にかかる手間などを抑制できることにくわえ、歩留まりを低下させることなくジョイントコネクタを組み立てることができる。
【０２７０】
請求項１５に記載の本発明は、制御手段が、係合部と係合受け部とが互いに係合した状態の絶縁体の幅と、ジョイントコネクタを構成する絶縁体の個数と、に基いてジョイントコネクタの良否を判定する。このため、組立られたジョイントコネクタが、確実に必要な個数の絶縁体を有しているか否かを判定することができる。したがって、歩留まりを低下させることなくジョイントコネクタを組み立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態にかかるハウジング合体装置の構成を示す斜視図である。
【図２】同実施形態のハウジング合体装置のハウジングセット治具を図１中の矢印ＩＩ方向から見た図である。
【図３】同実施形態のハウジング合体装置のハウジングセット治具を図１中の矢印ＩＩＩ方向から見た図である。
【図４】同実施形態のハウジング合体装置のハウジングセット治具を図１中の矢印ＩＶ方向から見た図である。
【図５】図２に示されたハウジングセット治具の帯状ゴムを図２中の矢印Ｖ方向から見た図である。
【図６】図２に示されたハウジングセット治具のガイド部材の一部を切り欠いた平面図である。
【図７】図２に示されたハウジングセット治具のホルダを示す側面図である。
【図８】図３中のＶＩＩＩ−ＶＩＩＩ線に沿った断面図である。
【図９】図２に示されたハウジングセット治具のガイド部材を位置決め解除位置に変位させた状態を示す図である。
【図１０】図２に示されたハウジングセット治具のホルダのレバー部材の係止を解除させた状態を示す図である。
【図１１】同実施形態のハウジング合体装置のＦＰ検知治具を示す平面図である。
【図１２】図１１中のＸＩＩ−ＸＩＩ線に沿った断面図である。
【図１３】図１１に示されたＦＰ検知治具が図２に示すハウジングセット治具に取り付けられた状態を示す側断面図である。
【図１４】図１１に示されたＦＰ検知治具が図２に示すハウジングセット治具に取り付けられた状態の要部を拡大して示す側断面図である。
【図１５】誤装着防止部に対応しない圧接ハウジングを装着した図２に示すハウジングセット治具に図１１に示されたＦＰ検知治具が取り付けられる状態を示す側断面図である。
【図１６】同実施形態のハウジング合体装置の加圧ユニットを示す平面図である。
【図１７】図１６中のＸＶＩＩ−ＸＶＩＩ線に沿った断面図である。
【図１８】図１６中の矢印ＸＶＩＩＩ方向からみた図である。
【図１９】図２に示されたハウジングセット治具に圧接ハウジングが装着された状態を示す平面図である。
【図２０】図２に示されたハウジングセット治具に圧接ハウジングが装着された状態を示す側面図である。
【図２１】図１９に示された状態のハウジングセット治具に図１６に示された加圧ユニットが装着された状態を示す平面図である。
【図２２】図１９に示された状態のハウジングセット治具に図１６に示された加圧ユニットが装着された状態を示す側面図である。
【図２３】図２１に示された加圧ユニットが加圧を開始した直後を示す平面図である。
【図２４】図２１に示された加圧ユニットが一次加圧を行った後を示す平面図である。
【図２５】図２１に示された加圧ユニットが二次加圧を行った後を示す平面図である。
【図２６】同実施形態のハウジング合体装置を用いてジョイントコネクタを組み立てる工程の一部を示すフローチャートである。
【図２７】（Ａ）は図２に示されたハウジングセット治具の変形例を示す図である。
（Ｂ）は図２７（Ａ）中の矢印ＸＸＶＩＩ方向から見た図である。
【図２８】同実施形態のハウジングセット治具に保持される圧接ハウジングに装着されるＪＣ用圧接端子を示す斜視図である。
【図２９】図２８に示されたＪＣ用圧接端子が互いに重ねられて相互に電気的に接続する状態を示す説明図である。
【図３０】図２８に示されたＪＣ用圧接端子が互いに並設されて相互に電気的に接続する状態を示す説明図である。
【図３１】図２８に示されたＪＣ用圧接端子が装着される圧接ハウジングを示す斜視図である。
【図３２】図３１に示された圧接ハウジングにＪＣ用圧接端子が圧入される状態を示す斜視図である。
【図３３】図３１に示された圧接ハウジングにＪＣ用圧接端子が保持された状態を示す斜視図である。
【図３４】図３３に示された圧接ハウジングに保持されたＪＣ用圧接端子に電線が圧接される状態を示す斜視図である。
【図３５】図３４に示された圧接ハウジングが互いに間隔を存して重ねられた状態を示す斜視図である。
【図３６】図３４に示された圧接ハウジングが互いに積層されて得られるジョイントコネクタを示す斜視図である。
【符号の説明】
１ ハウジング合体装置１（絶縁体合体装置）
２ ハウジングセット治具（保持治具）
３ ＦＰ検知治具（確認手段）
４ 電線
５ ジョイントコネクタ
６ 加圧ユニット（加圧装置）
７ 制御装置（制御手段）
３０ ＪＣ用圧接端子（圧接端子）
４０ 圧接ハウジング（絶縁体）
４２ａ 底壁（壁）
４４ 係合部
４５ 係合受け部
４７ａ 第１の面
４７ｂ 第２の面
８７ 突起（押圧方向規制手段）
８８ 位置決め凹部（位置決め手段）
１２１ 押圧片
１２３ｃ 位置決め凸部（位置決め手段）
１２４ 変位測定ユニット（測定手段）
１３７ アーム部（押圧方向規制手段）
Ｓ５ 一次加圧（第１の押圧工程）
Ｓ６ 第１の判定工程
Ｓ７ 二次加圧（第２の押圧工程）
Ｓ８ 第２の判定工程
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁体を互いに積層してワイヤハーネスなどに用いられるコネクタを組み立てる絶縁体合体方法及び絶縁体合体装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
移動体としての自動車には、搭載される種々のランプや種々のモータなどの電子機器にバッテリなどの電源から電力を供給するためにワイヤハーネスが配索されている。前記ワイヤハーネスは、複数の電線と、これらの電線それぞれの端部に取り付けられた複数の端子と、前記端子を収容するコネクタハウジングなどを備えている。前記コネクタハウジングと複数の端子とはコネクタを構成している。なお、ワイヤハーネスは、一般に、前記コネクタを複数備えている。
【０００３】
近年、前述したワイヤハーネスは前記自動車に搭載される電子機器の増加に伴い、前記電子機器の機能毎などに分けられた複数のサブハーネスとして一旦構成され、これらのサブハーネスを互いに組み付けられて得られるようになっている。このため、前記サブハーネス間の電線相互の接続が煩雑となり、組立時の作業性が悪化する傾向となり最悪の場合には品質が安定しない恐れも生じてきた。
【０００４】
このため、前述した電線相互の接続を容易とするために、端子として圧接端子とこの圧接端子を複数並設した状態で保持・装着する絶縁体とを用い、前記絶縁体を互いに積層することによって、前記コネクタを形成することが提案されている。前記コネクタとして形成されると、前記圧接端子は、互いに重ねられる絶縁体同士に装着されたもの同士が電気的に接続されたり、互いに隣合うもの同士が電気的に接続されたりする。前記絶縁体は、略矩形状のプレート本体と、このプレート本体の表面から凹に形成されかつ圧接端子を保持する複数の端子挿入溝と、を備えている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
互いに積層されて前記コネクタを構成する前述した絶縁体を用いて、前記ワイヤハーネスを構成する際には、前記絶縁体の所定の端子挿入溝内に装着された圧接端子に電線を圧接して得られるサブハーネスを一旦構成する。そして、前記サブハーネスの前記絶縁体を互いに積層して前述したコネクタを形成するとともにワイヤハーネスを組み立てる。
【０００６】
このため、前述した絶縁体を用いてワイヤハーネスを構成する際には、前述した絶縁体を積層するためにかかる手間や労力を抑制することが望まれている。
【０００７】
したがって、本発明の目的は、複数が積層されてワイヤハーネスなどに用いられるコネクタを構成する複数の絶縁体を積層する際にかかる手間を抑制できる絶縁体合体方法及び絶縁体合体装置を提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項１に記載の本発明の絶縁体合体方法は、複数の圧接端子を互いに並設して保持する絶縁体を互いに積層してジョイントコネクタを組み立てる合体方法であって、前記絶縁体は前記圧接端子を載置する第１の面を有する壁を備えており、前記壁が互いに間隔を存した状態で前記絶縁体を装着するとともに互いに接離自在に設けられた複数のホルダを備えた保持治具を用いるとともに、互いに離れた状態の前記ホルダに前記絶縁体を装着して、前記壁が互いに間隔を存した状態で前記絶縁体を並設し、前記絶縁体を互いに近づける方向に押圧して、前記ホルダを互いに近づけて絶縁体を互いに積層してジョイントコネクタを組み立てることを特徴としている。
【０００９】
請求項２に記載の本発明の絶縁体合体方法は、請求項１に記載の絶縁体合体方法において、前記絶縁体が、前記ジョイントコネクタに組み立てられる際に積層させる順番に基いて並設されているか否かを確認することを特徴としている。
【００１０】
請求項３に記載の本発明の絶縁体合体方法は、請求項１または請求項２に記載の絶縁体合体方法において、前記圧接端子それぞれには電線が圧接されており、前記絶縁体は、互いに隣り合うものの前記第１の面とこの第１の面の反対側に位置する第２の面とが互いに相対する状態で並設されるとともに、前記圧接端子から電線が前記壁に沿ってまたは前記第２の面側に向かって延在した状態で並設され、前記絶縁体を互いに近づける方向に押圧する際に、一つの絶縁体の前記第２の面を、この第２の面に相対する他の絶縁体の第１の面に向かって近づけることを特徴としている。
【００１１】
請求項４に記載の本発明の絶縁体合体方法は、請求項１ないし請求項３のうちいずれか一項に記載の絶縁体合体方法において、前記絶縁体は互いに係合可能な係合部と係合受け部とを備えており前記係合部と係合受け部とが互いに係合して前記ジョイントコネクタに組立られ、前記絶縁体を互いに近づける方向に押圧する際に、前記係合部と係合受け部とが互いに係合していないとともに前記絶縁体同士が互いに接触するまで押圧する第１の押圧工程と、前記係合部と係合受け部とが互いに係合するまで押圧する第２の押圧工程と、を含んだことを特徴としている。
【００１２】
請求項５に記載の本発明の絶縁体合体方法は、請求項４に記載の絶縁体合体方法において、前記第１の押圧工程において互いに接触するまで押圧された際に前記押圧する方向に沿った前記複数の絶縁体の幅と、組み立てるジョイントコネクタを構成する絶縁体の個数と、に基いて、組み立てるジョイントコネクタを構成する個数の絶縁体が並設されているか否かを判定する第１の判定工程を含んでいることを特徴としている。
【００１３】
請求項６に記載の本発明の絶縁体合体方法は、請求項４または請求項５に記載の絶縁体合体方法において、前記第２の押圧工程において前記係合部と係合受け部とが互いに係合するまで押圧された際に前記押圧する方向に沿った前記複数の絶縁体の幅と、組み立てるジョイントコネクタを構成する絶縁体の個数と、に基いて、組み立てられたジョイントコネクタの良否を判定する第２の判定工程を含んでいることを特徴としている。
【００１４】
請求項７に記載の本発明の絶縁体合体装置は、複数の圧接端子を互いに並設して保持する絶縁体を互いに積層してジョイントコネクタを組み立てる合体装置であって、前記絶縁体は前記圧接端子を載置する第１の面を有する壁を備えており、前記壁が互いに間隔を存した状態で前記絶縁体を装着するとともに互いに接離自在に設けられた複数のホルダを備えて、互いに離れた状態の前記ホルダに前記絶縁体を装着して、前記壁が互いに間隔を存しかつ前記壁が互いに接離自在に前記絶縁体を保持する保持治具と、前記保持治具に保持された絶縁体を互いに近づける方向に押圧する加圧装置と、を備えたことを特徴としている。
【００１５】
請求項８に記載の本発明の絶縁体合体装置は、請求項７に記載の絶縁体合体装置において、前記保持治具に保持された絶縁体が、前記ジョイントコネクタに組み立てられる際の積層させる順番に基いて並設されているか否かを確認する確認手段を備えたことを特徴としている。
【００１６】
請求項９に記載の本発明の絶縁体合体装置は、請求項７または請求項８に記載の絶縁体合体装置において、前記絶縁体を互いに近づける方向に押圧する際に、前記保持治具に対し前記加圧装置を位置決めする位置決め手段を備えたことを特徴としている。
【００１７】
請求項１０に記載の本発明の絶縁体合体装置は、請求項９に記載の絶縁体合体装置において、前記位置決め手段が前記保持治具に対し前記加圧装置を所定の位置に位置決めした場合には前記加圧装置が絶縁体を互いに近づける方向に押圧することを許容するとともに、前記位置決め手段が前記保持治具に対し前記加圧装置を所定の位置に位置決めしていない場合には前記加圧装置が絶縁体を互いに近づける方向に押圧することを規制する制御手段を備えたことを特徴としている。
【００１８】
請求項１１に記載の本発明の絶縁体合体装置は、請求項７ないし請求項１０のうちいずれか一項に記載の絶縁体合体装置において、前記圧接端子それぞれには電線が圧接されており、前記絶縁体は、互いに隣り合うものの前記第１の面とこの第１の面の反対側に位置する第２の面とが互いに相対する状態で並設されるとともに、前記圧接端子から電線が前記壁に沿ってまたは前記第２の面側に向かって延在した状態で並設され、前記絶縁体を互いに近づける方向に押圧する際に、一つの絶縁体の前記第２の面を、この第２の面に相対する他の絶縁体の第１の面に向かって近づけることを許容するとともに、前記一つ絶縁体の前記第１の面を、この第１の面に相対する他の絶縁体の第２の面に向かって近づけることを規制する押圧方向規制手段を備えたことを特徴としている。
【００１９】
請求項１２に記載の本発明の絶縁体合体装置は、請求項７ないし請求項１１のうちいずれか一項に記載の絶縁体合体装置において、前記絶縁体は互いに係合可能な係合部と係合受け部とを備えており前記係合部と係合受け部とが互いに係合して前記ジョイントコネクタに組立られ、前記絶縁体を互いに近づける方向に押圧する際に、前記係合部と係合受け部とが互いに係合していないとともに前記絶縁体同士が互いに接触するまで押圧する第１の押圧工程と、前記係合部と係合受け部とが互いに係合するまで押圧する第２の押圧工程と、に分けて前記加圧装置を段階的に制御するとともに、前記第１の押圧工程と前記第２の押圧工程との間に前記保持治具に組み立てるジョイントコネクタを構成する個数の絶縁体が並設されているか否かを判定する第１の判定工程を行う制御手段を備えたことを特徴としている。
【００２０】
請求項１３に記載の本発明の絶縁体合体装置は、請求項１２に記載の絶縁体合体装置において、前記加圧装置は、互いに接離自在に設けられかつ前記絶縁体を互いに近づける方向に押圧する一対の押圧片と、前記絶縁体を互いに近づける方向に押圧する際に前記一対の押圧片相互間の間隔の変化を測定可能な測定手段と、を備えており、前記制御手段は、前記第１の押圧工程において互いに接触するまで押圧された際に前記測定手段が測定した間隔の変化に基いて得られる前記押圧する方向に沿った前記複数の絶縁体の幅と、組み立てるジョイントコネクタを構成する絶縁体の個数と、に基いて、前記保持治具に組み立てるジョイントコネクタを構成する個数の絶縁体が並設されているか否かを判定することを特徴としている。
【００２１】
請求項１４に記載の本発明の絶縁体合体装置は、請求項１３に記載の絶縁体合体装置において、前記制御手段は、前記第１の押圧工程において前記保持治具に組み立てるジョイントコネクタを構成する個数の絶縁体が並設されていると判定した場合には前記第２の押圧工程に進むとともに、前記第１の押圧工程において前記保持治具に組み立てるジョイントコネクタを構成する個数の絶縁体が並設されていないと判定した場合には前記第２の押圧工程に進むことを規制することを特徴としている。
【００２２】
請求項１５に記載の本発明の絶縁体合体装置は、請求項１４に記載の絶縁体合体装置において、前記制御手段は、前記第２の押圧工程において係合部と係合受け部とが互いに係合するまで押圧された際に前記測定手段が測定した間隔の変化に基いて得られる前記押圧する方向に沿った前記複数の絶縁体の幅と、組み立てるジョイントコネクタを構成する絶縁体の個数と、に基いて、組み立てられたジョイントコネクタの良否を判定することを特徴としている。
【００２３】
請求項１に記載された本発明によれば、絶縁体を壁が互いに間隔を存した状態で並設し、これら並設した絶縁体を互いに近づける方向に押圧するので、確実に絶縁体を積層することができる。絶縁体を並設し押圧するので、絶縁体を積層する際にかかる手間を抑制できる。
【００２４】
請求項２に記載された本発明によれば、絶縁体がジョイントコネクタに組立てられる際の順番に基いて並設されているか否かを確認するので、絶縁体をジョイントコネクタに組立られる際の積層する順番通りに積層することができる。
【００２５】
請求項３に記載された本発明によれば、電線が壁または第２の面側に向かって延在しているとともに、一つの絶縁体の第２の面をこの第２の面に相対する他の絶縁体の第１の面に向かって押圧する。このため、絶縁体を互いに近づける方向に押圧する際に、圧接端子から剥離する方向の応力が電線に加わることを防止できる。
【００２６】
請求項４に記載された本発明によれば、第１の押圧工程で絶縁体が互いに近づく方向に変位した変位量に基づくことによって、ジョイントコネクタを組み立てる際に必要な個数の絶縁体が並設されているか否かを判定できる。さらに、第２の押圧工程で前記第１の押圧工程から絶縁体が互いに近づく方向に変位した変位量に基づくことによって、ジョイントコネクタの前記絶縁体を押圧する方向に沿った幅を推定できる。
【００２７】
請求項５に記載された本発明によれば、第１の判定工程が第１の押圧工程において押圧する方向に沿った絶縁体の幅と、ジョイントコネクタを構成する絶縁体の個数と、に基いてジョイントコネクタを組み立てる際に必要な個数の絶縁体が並設されているか否かを判定する。このため、ジョイントコネクタを組み立てる際に必要な個数の絶縁体を確実に並設することができる。
【００２８】
請求項６に記載された本発明によれば、第２の判定工程が係合部と係合受け部とが互いに係合した状態の絶縁体の幅と、ジョイントコネクタを構成する絶縁体の個数と、に基いてジョイントコネクタの良否を判定する。このため、組立られたジョイントコネクタが、確実に必要な個数の絶縁体を有しているか否かを判定することができる。
【００２９】
請求項７に記載された本発明によれば、保持治具が絶縁体を壁が互いに間隔を存した状態で並設し、加圧装置がこれら並設した絶縁体を互いに近づける方向に押圧するので、確実に絶縁体を積層することができる。
【００３０】
請求項８に記載された本発明によれば、絶縁体がジョイントコネクタに組立てられる際の順番に基いて並設されているか否かを確認手段が確認するので、絶縁体をジョイントコネクタに組立られる際の積層する順番通りに積層することができる。
【００３１】
請求項９に記載された本発明によれば、位置決め手段が加圧装置を保持治具に対し位置決めするので、加圧装置が保持治具に保持された絶縁体を確実に積層することができる。
【００３２】
請求項１０に記載された本発明によれば、制御手段が、位置決め手段が加圧装置を保持治具に対し所定の位置に位置決めしていない場合には加圧装置が絶縁体を互いに近づける方向に押圧することを規制する。このため、加圧装置が保持治具と離間した位置に配されたまま加圧装置が駆動することを防止できる。
【００３３】
請求項１１に記載された本発明によれば、電線が壁または第２の面側に向かって延在しているとともに、加圧装置が一つの絶縁体の第１の面をこの第１の面に相対する他の絶縁体の第２の面に向かって押圧することを押圧方向規制手段が規制する。このため、絶縁体を互いに近づける方向に押圧する際に、圧接端子から剥離する方向の応力が電線に加わることを防止できる。
【００３４】
請求項１２に記載された本発明によれば、制御手段が、第１の押圧工程と第２の押圧工程とに分けて段階的に加圧装置を制御する。第１の押圧工程で絶縁体が互いに近づく方向に変位した変位量に基づくことによって、ジョイントコネクタを組み立てる際に必要な個数の絶縁体が並設されているか否かを判定できる。さらに、第２の押圧工程で前記第１の押圧工程から絶縁体が互いに近づく方向に変位した変位量に基づくことによって、ジョイントコネクタの前記絶縁体を押圧する方向に沿った幅を推定できる。
【００３５】
請求項１３に記載された本発明によれば、制御手段が、第１の押圧工程において押圧する方向に沿った絶縁体の幅と、ジョイントコネクタを構成する絶縁体の個数と、に基いてジョイントコネクタを組み立てる際に必要な個数の絶縁体が保持されているか否かを判定する。このため、ジョイントコネクタを組み立てる際に必要な個数の絶縁体を確実に並設することができる。
【００３６】
請求項１４に記載された本発明によれば、制御手段が、第１の押圧工程において、保持治具にジョイントコネクタを組み立てる際に必要な個数の絶縁体が保持されていないと判定すると、第２の押圧工程に進むことを規制する。このため、保持治具に所定の個数の絶縁体を保持させるまで、第２の押圧工程に進むことができない。
【００３７】
請求項１５に記載された本発明によれば、制御手段が、係合部と係合受け部とが互いに係合した状態の絶縁体の幅と、ジョイントコネクタを構成する絶縁体の個数と、に基いてジョイントコネクタの良否を判定する。このため、組立られたジョイントコネクタが、確実に必要な個数の絶縁体を有しているか否かを判定することができる。
【００３８】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態にかかる絶縁体合体装置としてのハウジング合体装置１を、図１ないし図２６を参照して説明する。ハウジング合体装置１は、図２８などに示す圧接端子としてのＪＣ（joint connector）用圧接端子３０を装着した図３１などに示す絶縁体としての圧接ハウジング４０を複数積層して、図３６に示すコネクタとしてのジョイントコネクタ（Joint Connector）５を組み立てる。
【００３９】
なお、ジョイントコネクタとは、一般にコネクタハウジング内に収容された複数の端子相互を所定のパターンにしたがって電気的に接続したものをいう。この場合、複数積層される圧接ハウジング４０が前記コネクタハウジングに相当する。
【００４０】
ＪＣ用圧接端子３０は、導電性の板金などを折り曲げるなどして形成されている。ＪＣ用圧接端子３０は、図２８及び図２９などに示すように、電線４（図３４などに示す）が載置される平坦な連結壁３５ａと、一対の側壁３５ｂと、電線接続部３１と、電気接触部３２とを備えている。
【００４１】
連結壁３５ａは、帯板状に形成されている。一対の側壁３５ｂは、それぞれ帯板状に形成されている。一対の側壁３５ｂは、幅方向に沿った連結壁３５ａの両縁に連なっている。一対の側壁３５ｂは、それぞれ連結壁３５ａに対し立設している。
【００４２】
電線接続部３１は、互いに対向する一対の折曲げ片３３と、圧接部３１ａと、切欠部３８とを備えている。折曲げ片３３は、連結壁３５ａに対し立設している。折曲げ片３３は、折り曲げられることにより連結壁３５ａに載置された電線４（図３４などに示す）を保持する。
【００４３】
圧接部３１ａは、それぞれ互いに対向する三対の圧入刃３４ａ，３４ｂ，３４ｃを備えている。圧入刃３４ａ，３４ｂ，３４ｃは、それぞれ、連結壁３５ａに対し立設している。三対の圧入刃３４ａ，３４ｂ，３４ｃは、それぞれ、側壁３５ｂの内面からこれら一対の側壁３５ｂが互いに近づく方向に向かって突出している。
【００４４】
圧入刃３４ａ，３４ｂ，３４ｃは、それぞれの間に電線４を圧入することにより、電線４の被覆部を切り込んで芯線に接触して、前記電線４との間の電気的な接続を確保する。即ち、電線４と圧接する。
【００４５】
切欠部３８は、一対の側壁３５ｂそれぞれが切り欠かれて形成されている。切欠部３８は、側壁３５ｂの前記連結壁３５ａから離れた側に位置する縁部から連結壁３５ａに向かって凹となるように、側壁３５ｂを切り欠いている。切欠部３８は、それぞれ、折曲げ片３３と圧接部３１ａとの間に配されている。
【００４６】
電気接触部３２は、連結壁３５ａに開口した開口孔３６（図２９に示す）と、連結壁３５ａから立設可能な接続部としての接触片３７とを備えている。接触片３７は、帯状に形成されている。接触片３７は、一端が連結壁３５ａと一体に形成されて、電気接触部３２に連なっている。
【００４７】
接触片３７は、折り曲げられることによって、前記連結壁３５ａに対し立設した状態と、図２８中の二点鎖線で示すように連結壁３５ａと平行な状態と、に亘って変位自在となっている。接触片３７は、折り曲げられて一旦連結壁３５ａに対し立設した状態にされるとこの状態を維持し、連結壁３５ａに平行な状態にされるとこの状態を維持する。
【００４８】
なお、接触片３７が連結壁３５ａに対し立設した状態は接続状態をなしており、接触片３７が連結壁３５ａに沿った状態は絶縁状態をなしている。開口孔３６には、図２９に示すように、連結壁３５ａの端部と接触片３７とを圧接するための接触ばね片３６ａが設けられている。
【００４９】
前述した構成のＪＣ用圧接端子３０は、連結壁３５ａが互いに平行でかつ間隔存した状態で積み重ねられる。そして、電気接触部３２は、図２９中下方に位置するＪＣ用圧接端子３０の接触片３７が図２９中上方に位置する他のＪＣ用圧接端子３０の開口孔３６内に挿入されることによって、互いに積み重ねられたＪＣ用圧接端子３０を互いに電気的に接続する。
【００５０】
このとき、下方に位置するＪＣ用圧接端子３０の接触片３７は、上方に位置する他のＪＣ用圧接端子３０の連結壁３５ａの端部と接触ばね片３６ａとによって挟まれている。
【００５１】
ＪＣ用圧接端子３０は、圧接ハウジング４０の端子収容溝４１内に圧入される。ＪＣ用圧接端子３０ａは、端子収容溝４１内に圧入されることで、圧接ハウジング４０に収容・保持される。
【００５２】
前記端子挿入溝４１内に圧入された際に、互いに隣り合うＪＣ用圧接端子３０を相互に電気的に接続する際には、図３０に示すように、電線接続部３１寄りの連結壁３５ａの端部を相互に連結する連結部３９が除去されずに残される。互いに隣り合うＪＣ用圧接端子３０を相互に電気的に絶縁状態に保つ際には前記連結部３９を連結壁３５ａから除去する。
【００５３】
圧接ハウジング４０は絶縁性の合成樹脂などからなり、図３１から図３６に示すように、矩形状のプレート本体４２と、複数の端子収容溝４１と、を備えている。プレート本体４２は、壁としての底壁４２ａと、一対の側壁４２ｂと、縁壁４２ｃと、底壁４２ａからそれぞれ立設した複数の隔壁４３と、識別部４６と、を備えている。
【００５４】
底壁４２ａは、平面形状が略矩形状に形成されている。底壁４２ａは、略平坦に形成されている。一対の側壁４２ｂは、互いに相対向して配されている。一対の側壁４２ｂは、互いに平行な状態で配されている。側壁４２ｂは、それぞれ底壁４２ａの縁に連なって形成されている。側壁４２ｂは、底壁４２ａに対し立設している。
【００５５】
縁壁４２ｃは、底壁４２ａと一対の側壁４２ｂとの双方の縁に連なっている。縁壁４２ｃは、底壁４２ａに対し立設している。縁壁４２ｃは、底壁４２ａの図３１前側に位置する縁に連なっている。なお、縁壁４２ｃは、本明細書に記した一つの縁をなしている。隔壁４３は、互いに平行でかつ間隔を存した状態で配されている。隔壁４３は、一対の側壁４２ｂ相互間に配されている。隔壁４３は、それぞれ一対の側壁４２ｂと平行な状態で配されている。
【００５６】
識別部４６は、縁壁４２ｃに設けられている。識別部４６は、複数の突起４６ａを備えている。突起４６ａは、縁壁４２ｃの外表面から外方向に向かって突出している。突起４６ａは、複数の隔壁４３が互いに並設する方向に沿って、互いに並設されている。突起４６ａは、平面形状が矩形状に形成されている。突起４６ａは、図示例では、１０個設けられている。
【００５７】
識別部４６は、互いに並設された複数の突起４６ａが、縁壁４２ｃから除去されて縁壁４２ｃの外表面と面一の状態にされるか、または、前記縁壁４２ｃから突出した状態を保たれることによって、圧接ハウジング４０の品番を示す。識別部４６は、前記突起４６ａの凹凸の有無によって、圧接ハウジング４０の品番を示す。識別部４６は、圧接ハウジング４０の品番として、ジョイントコネクタ５として構成される際の積層される順番を示す。
【００５８】
また、一対の側壁４２ｂのうち一方の側壁４２ｂには第１の凹溝４８ａが形成されており、他方の側壁４２ｂには第２の凹溝４８ｂが形成されている。図３１）中右側に位置する一方の側壁４２ｂに設けられた第１の凹溝４８ａは、端子挿入溝４１に沿って延在しているとともに、前記一方の側壁４２ｂの表面から凹に形成されている。第１の凹溝４８ａは、前記縁壁４２ｃ寄りの端部と、前記縁壁４２ｃから離れた側の端部とに亘って連通している。
【００５９】
図３１（Ｂ）中左側に位置する他方の側壁４２ｂに設けられた第２の凹溝４８ｂは、端子挿入溝４１に沿って延在しているとともに、前記他方の側壁４２ｂの表面から凹に形成されている。第２の凹溝４８ｂは、前記縁壁４２ｃ寄りの端部には連通しているとともに、前記縁壁４２ｃから離れた側の端部には連通していない。即ち、第２の凹溝４８ｂは、縁壁４２ｃから端子挿入溝４１に沿ってプレート本体４２の中央部まで延在している。
【００６０】
互いに隣り合う隔壁４３と底壁４２ａとで囲まれる部分は、端子収容溝４１をなしている。端子収容溝４１は、複数が並設されている。端子収容溝４１は、それぞれ、ＪＣ用圧接端子３０を収容可能である。端子収容溝４１がＪＣ用圧接端子３０を収容するので、図３１などに示す底壁４２ａの一つの表面４７ａ（以下第１の面と呼ぶ）上にＪＣ用圧接端子３０を載置する。また、第１の面４７ａと反対側に位置する底壁４２ａの他の表面４７ｂ（以下第２の面と呼ぶ）上には、ＪＣ用圧接端子３０は載置されない。
【００６１】
圧接ハウジング４０は、図３３に示すように、複数の端子収容溝４１のうち任意に選択される端子収容溝４１内にＪＣ用圧接端子３０を収容する。圧接ハウジング４０はＪＣ用圧接端子３０を収容する際には、図３２に示すようにそれぞれの端子挿入溝４１の一端部４１ａから挿入される。
【００６２】
圧接ハウジング４０はＪＣ用圧接端子３０を収容された状態で、プレート本体４２が互いに平行でかつ間隔を存した状態に積層されることによって、図３６に示すように、コネクタ（Joint Connector：ジョイントコネクタ）５を構成する。
【００６３】
このとき、図３４に示すように、圧接ハウジング４０ａに収容・保持したＪＣ用圧接端子３０ａに電線４が圧接して取り付けている。そして、図３５に示すように、電線４を取り付けた状態の圧接ハウジング４０を互いに積み重ねる。また、圧接ハウジング４０が互いに積層されてジョイントコネクタ５を構成する際には、図３５などに示すように最上方にカバーハウジング４９が重ねられる。
【００６４】
カバーハウジング４９は、その構成が圧接ハウジング４０と略同等であるため、構成が圧接ハウジング４０と同一箇所には同一符号を付して説明を省略する。カバーハウジング４９には、隔壁４３が設けられておらず、端子収容溝４１が形成されていない。また、カバーハウジング４９には、識別部４６即ち突起４６ａが形成されておらず、縁壁４２ｃが略面一の状態となっている。
【００６５】
なお、図３３ないし図３６に示した例では、全ての端子挿入溝４１にＪＣ用圧接端子３０が収容された状態を示しているが、前記圧接ハウジング４０は必ずしも全ての端子挿入溝４１にＪＣ用圧接端子３０が収容するわけではない。即ち、圧接ハウジング４０は、複数の端子挿入溝４１のうち任意に選択されるコネクタ５として形成された際に必要とされる端子挿入溝４１にＪＣ用圧接端子３０を収容する。
【００６６】
また、前記圧接ハウジング４０及びカバーハウジング４９は、互いに積層された際に互いを固定する突起４４と係合受け部４５とをそれぞれ複数備えている。さらに、圧接ハウジング４０は、下方に位置するＪＣ用圧接端子３０の接続部３７の上方に位置するＪＣ用圧接端子３０ａの開口孔３６内への侵入を妨げない図示しない孔を複数備えている。
【００６７】
ハウジング合体装置１は、図１などに示すように、保持治具としてのハウジングセット治具２と、確認手段としてのＦＰ検知治具３と、加圧装置としての加圧ユニット６と、制御手段としての制御装置７と、を備えている。
【００６８】
ハウジングセット治具２は、図１ないし図４などに示すように、フレーム５０と、複数のホルダ５１と、案内手段としての一対のガイド部材５２，５３と、カム機構５４と、規制手段としての規制部材５５（図６に示す）と、付勢手段としての帯状ゴム５６（図５に示す）と、係止手段としての係止部５７と、係止解除手段として解除機構５８と、を備えている。
【００６９】
フレーム５０は、図８などに示すベース板６１と、一対の端板６２と、図８などに示す奥板６０と、を備えている。ベース板６１は、金属などからなりかつ帯板状に形成されている。
【００７０】
端板６２は、それぞれ金属からなりかつ板状に形成されている。端板６２は、それぞれベース板６１の長手方向に沿った両縁それぞれに取り付けられている。端板６２は、それぞれ、ベース板６１に対し立設している。端板６２は、それぞれ位置決め凹部８８を備えている。位置決め凹部８８は、端板６２のフレーム５０の外方に位置する外表面から凹に形成されている。位置決め凹部８８は、背面形状が略矩形状に形成されている。
【００７１】
奥板６０は、平板状に形成されている。奥板６０は、ベース板６１と、一対の端板６２との双方に連なっている。奥板６０は、ベース板６１に対し立設している。
【００７２】
ホルダ５１は、互いに間隔を存して並設されている。ホルダ５１は、前記端板６２の相互間に配されている。ホルダ５１は、図示例では１４個設けられている。ホルダ５１は、後述する支持片６６が互いに間隔を存しかつ平行となる状態で並設されている。ホルダ５１は、後述する側片６７が互いに間隔を存しかつ平行となる状態で並設されている。ホルダ５１は、それぞれ圧接ハウジング４０を一つ保持する。
【００７３】
ホルダ５１は、図７及び図８に示すように、それぞれ、ホルダ本体６３と、レバー部材６４と、コイルばね６５などを備えている。ホルダ本体６３は、支持部としての支持片６６と、一対の側片６７と、誤装着防止手段としての誤装着防止部６８と、誤向き阻止手段としての誤向き阻止部６９と、を備えている。
【００７４】
支持片６６は、帯板状に形成されている。支持片６６は、その長手方向がベース板６１の表面とベース板６１の幅方向との双方に沿っている。側片６７は、それぞれ、帯板状に形成されている。側片６７は、それぞれ支持片６６の長手方向に沿った両端に連なっている。
【００７５】
側片６７は、支持片６６に対し立設した格好となっている。一対の側片６７は、互いに平行に配されている。一対の側片６７は、相互間の間隔が圧接ハウジング４０の一対の側壁４２ｂ相互間の幅と略等しくされている。支持片６６と、この支持片６６の両端に連なる一対の側片６７とで、ホルダ本体６３は、コ字状に形成されている。
【００７６】
誤装着防止部６８は、支持片６６の内面から凹に形成された凹部７１を、一つまたは複数備えている。凹部７１は、その内側に前記突起４６ａが侵入する。凹部７１内に突起４６ａが侵入すると、支持片６６の内面と縁壁４２ｃとが互いに重なる。
【００７７】
一つまたは複数の凹部７１は、ホルダ５１毎に互いに異なる箇所に形成されている。凹部７１は、ジョイントコネクタ５を形成する際に圧接ハウジング４０を積層する順番に応じてホルダ５１それぞれに保持される圧接ハウジング４０の識別部４６の突起４６ａと合致する箇所に形成されている。
【００７８】
即ち、凹部７１は、ジョイントコネクタ５を形成する際に積層される順番に対応する圧接ハウジング４０の突起４６ａが侵入する。そして、縁壁４２が支持片６６の内面と重なることを許容する。凹部７１は、ジョイントコネクタ５を形成する際に積層される順番に対応する圧接ハウジング４０のホルダ５１への装着を妨げない。
【００７９】
凹部７１は、ジョイントコネクタ５を形成する際に積層される順番に対応しない圧接ハウジング４０の突起４６ａの少なくとも一部が前記支持片６６の内面と当接して、縁壁４２ｃと支持片６６の内面とが互いに重なることを阻止するとともに前記縁壁４２ｃと支持片６６の内面とを互いに間隔を存して相対させる。凹部７１は、ジョイントコネクタ５を形成する際に積層される順番に対応しない圧接ハウジング４０のホルダ５１への装着を阻止する。
【００８０】
前述した構成によって、誤装着防止部６８は、複数のホルダ５１それぞれに、ジョイントコネクタ５を形成する際に積層される順番に応じて圧接ハウジング４０を保持させる。
【００８１】
誤向き阻止部６９は、一対の側片６７のうち一方の側片６７の内縁部に形成された第１の凸部７０ａと、前記他方の側片６７の内縁部に形成された第２の凸部７０ｂと、を備えている。第１の凸部７０ａは、側片６７の内縁部の表面から凸に形成され、かつ側片６７の長手方向に沿って延在している。第１の凸部７０ａは、側片６７の支持片６６寄りの端部から側片６７の支持片６６から離れた側の端部に亘って形成されている。
【００８２】
第２の凸部７０ｂは、側片６７の内縁部の表面から凸に形成され、かつ側片６７の長手方向に沿って延在している。第２の凸部７０ｂは、側片６７の支持片６６寄りの端部から側片６７の長手方向に沿った中央部に亘って形成されている。
【００８３】
第１の凸部７０ａは第１の凹溝４８ａ内に侵入する大きさに形成されているとともに、第２の凸部７０ｂは第２の凹溝４８ｂ内に侵入する大きさに形成されている。
【００８４】
また、第１の凸部７０ａが側片６７の支持片６６寄りの端部から側片６７の支持片６６から離れた側の端部に亘って凸に形成されており、第２の凹溝４８ｂが縁壁４２ｃから圧接ハウジング４０の中央部まで形成されているので、第１の凸部７０ａを第２の凹溝４８ｂ内に挿入しても、縁壁４２ｃと支持片６６の内面とが互いに重ならない。
【００８５】
前述した構成によって、誤向き阻止部６９は、第１の凹溝４８ａ内に第１の凸部７０ａが侵入しかつ第２の凹溝４８ｂ内に第２の凸部７０ｂが侵入し、縁壁４２ｃと支持片６６とを互いに重ねた格好で、圧接ハウジング４０それぞれをホルダ５１に装着させる。
【００８６】
即ち、誤向き阻止部６９は、第１の凹溝４８ａ内に第１の凸部７０ａが侵入しかつ第２の凹溝４８ｂ内に第２の凸部７０ｂが侵入した状態で圧接ハウジング４０がホルダ５１に装着されることを許容することによって、互いに隣接する圧接ハウジング４０の第１の面４７ａと第２の面４７ｂとが互いに相対向した格好で、ホルダ５１それぞれが圧接ハウジング４０を装着することを許容する。
【００８７】
誤向き阻止部６９は、第１の凹溝４８ａ内に第２の凸部７０ｂが侵入しかつ第２の凹溝４８ｂ内に第１の凸部７０ａが侵入した状態で圧接ハウジング４０がホルダ５１に装着されることを阻止する。このため、互いに隣接する圧接ハウジング４０の第１の面４７ａ同士または第２の面４７ｂ同士が互いに相対向した格好で、ホルダ５１それぞれが圧接ハウジング４０を装着することを阻止する。
【００８８】
前述した構成のホルダ本体６３は、図示例では、三つの板材が互いに重ねられかつ互いに貼り合わされて構成されている。ホルダ本体６３を構成する三つの板材は、それぞれ、前述した支持片６６と一対の側片６７とに相当する部分を一体に備えている。また、前記三つの板材のうち中央に位置する板材に、前述した凹部７１と、凸部７１ａ，７１ｂと、が形成されている。
【００８９】
レバー部材６４は、一方向に沿って延在した柱状に形成されている。レバー部材６４は、前述したホルダ本体６３を構成する三つの板材の相互間に挟まれた格好で設けられている。レバー部材６４は、その長手が、側片６７の長手方向に沿った状態で配されている。レバー部材６４は、その長手方向に沿った中央部に取り付けられた枢軸７２を中心として、ホルダ本体６３に対し回動自在に支持されている。
【００９０】
レバー部材６４は、前述したようにホルダ本体６３に取り付けられた際に、側片６７の支持片６６から離れた側の端部寄りに位置する一端部６４ａに、係止爪７３を設けている。
【００９１】
係止爪７３は、前記誤装着防止部６８に合致した識別部４６を有する圧接ハウジング４０が誤向き阻止部６９によって所望の向きで装着された際に、圧接ハウジング４０の縁壁４２ｃの反対側に位置する他の縁４２ｄに係止可能である。即ち、係止爪７３は、所望の品番の圧接ハウジング４０が所望の向きでホルダ５１に装着される際に、圧接ハウジング４０の縁４２ｄに係止可能である。
【００９２】
係止爪７３は、前記所望の品番以外の圧接ハウジング４０がホルダ５１に装着されようとした場合や、圧接ハウジング４０が所望の向きとは逆向きでホルダ５１に装着されようとした場合、即ち、支持片６６の内面と縁壁４２ｃとが重ならずに互いに間隔を存して相対する場合には、前記縁４２ｄに係止しない。
【００９３】
コイルばね６５は、図８に示すように、レバー部材６４の他端部６４ｂとホルダ本体６３との間に設けられ、前記他端部６４ｂをホルダ５１に装着される圧接ハウジング４０から離れる方向に付勢している。コイルばね６５は、レバー部材６４を係止爪７３が縁４２ｄを係止する方向に付勢している。このため、レバー部材６４は、圧接ハウジング４０の縁４２ｄに係止すると、圧接ハウジング４０即ち底壁４２ａを支持片６６に向かって付勢する。
【００９４】
前述した構成のホルダ５１は、それぞれ、ホルダ本体６３の支持片６６が前記ベース板６１と間隔を存しかつ一対の側片６７が支持片６６の両縁からベース板６１から離れる方向に向かって延在した格好で配されている。ホルダ５１が互いに並設される方向即ち互いに並設する方向に沿った厚みが、圧接ハウジング４０を保持した際に前記ホルダ５１が互いに接離する方向に沿った厚みより薄く形成されている。
【００９５】
また、前述した構成の複数のホルダ５１のうち少なくとも一つには、係止凹部８０が設けられている。係止凹部８０は、側片６７の外縁側に位置する外表面から凹に形成されている。係止凹部８０は、図示例では、全てのホルダ５１に形成されている。
【００９６】
さらに、前述したホルダ５１は、図２に示す複数の軸７６とスライダ７７とによって、互いに接離自在に設けられている。軸７６は、一方の端板６２から他方の端板６２に亘って掛け渡されている。軸７６は、互いに平行でかつベース板６１の長手方向に沿って配されている。軸７６は、それぞれ、両端が端板６２に固定されている。
【００９７】
軸７６は、図示例では、ベース板６１の幅方向に沿った両縁それぞれの近傍に三つずつ配されている。ベース板６１の一方の縁の近傍配された三つの軸７６は、ベース板６１に対し接離する方向に沿って互いに間隔を存して配されている。
【００９８】
スライダ７７は、それぞれの軸７６に沿って移動自在に、これらの軸７６に取り付けられている。スライダ７７は、外観視が円柱状に形成されている。スライダ７７は軸７６に取り付けられた際に、前記軸７６の長手方向即ちホルダ５１が互いに接離する方向に沿った長さが、前記ホルダ５１の前記接離する方向に沿った厚みより長く形成されている。
【００９９】
ベース板６１の一方の縁の近傍配された三つの軸７６に取り付けられたスライダ７７は、ホルダ５１それぞれに対し一つずつ固定されている。即ち一つのホルダ５１には、ベース板６１の両縁の近傍それぞれに一つずつ合計２個のスライダ７７が取り付けられている。
【０１００】
また、ホルダ５１は、側片６７それぞれに、前記軸７６を通すことのできる孔１１１を三つ設けている。前記孔１１１のうち一つの孔１１１ａは、前記スライダ７７の外周に嵌合するなどして固定されるために比較的小径に形成されている。前記孔１１１のうち他の二つの孔１１１ｂは、前記スライダ７７が遊びを有して侵入するために比較的大径に形成されている。
【０１０１】
図示例では、図２中に最も左端に位置するホルダ５１では最も支持片６６から離れた孔１１１ａにスライダ７７が固定されている。前記最も左端に位置するホルダ５１の右隣に位置するホルダ５１では支持片６６に対し接離する方向に沿って中央に位置する孔１１１ａにスライダ７７が固定されている。
【０１０２】
また、右隣に位置するホルダ５１では最も支持片６６に近い孔１１１ａにスライダ７７が固定されている。さらに、右隣に位置するホルダ５１では最も支持片６６から離れた孔１１１ａにスライダ７７が固定されている。
【０１０３】
このように、前記スライダ７７と固定される孔１１１ａ及びスライダ７７は、ハウジングセット治具２の側方から見てあたかも千鳥状に配されている。互いに隣り合うホルダ５１同士では互いに異なる位置に配された孔１１１ａに前記スライダ７７が固定される。このため、ホルダ５１が互いに近づくと、スライダ７７は孔１１１ｂ内に侵入する。なお、孔１１１ｂは、本明細書に記した逃げ部をなしている。
【０１０４】
一対のガイド部材５２，５３は、図１ないし図４及び図６に示すように、それぞれ、帯板状に形成されたガイド部７４と、一対の回動支持部７５と、を一体に備えている。ガイド部７４は、それぞれベース板６１と略等しいかまたは若干長く形成されている。回動支持部７５は、それぞれ、板状に形成されておりガイド部７４の両縁に連なっている。
【０１０５】
ガイド部材５２は、ガイド部７４がベース板６１と間隔を存して相対するとともに、回動支持部７５が端板６２に重ねられた格好で配される。ガイド部７４は、端板６２間に配されるホルダ５１の一方の側片６７の縁と相対している。ガイド部７４は、前記一方の側片６７の縁をベース板６１とともに挟み込む位置に配されている。
【０１０６】
ガイド部材５３は、ガイド部７４がベース板６１と間隔を存して相対するとともに、回動支持部７５が端板６２に重ねられた格好で配される。ガイド部７４は、端板６２間に配されるホルダ５１の他方の側片６７の縁と相対している。ガイド部７４は、前記他方の側片６７の縁をベース板６１とともに挟み込む位置に配されている。
【０１０７】
ガイド部材５２，５３は、それぞれ、前記回動支持部７５それぞれのガイド部７４から離れた端部に設けられた枢軸７８（図４などに示す）を中心として、端板６２に対し回動自在に支持されている。ガイド部材５２，５３は、枢軸７８を中心として回動自在に支持されることによって、ガイド部７４が互いに接離可能である。
【０１０８】
ガイド部材５２，５３は、図３などに示すように、それぞれのガイド部７４に複数のガイド凹部７９を設けている。ガイド凹部７９は、ガイド部７４が互いに相対する内縁より前記ガイド部７４が互いに離れる方向に向かって凹に形成されている。ガイド凹部７９は、誤向き阻止部６９によって所望の向きでホルダ５１に装着された圧接ハウジング４０の側壁４２ｂの外形に沿って形成されている。
【０１０９】
複数のガイド凹部７９は、係止部５７の後述する係止玉９２が係止凹部８０に係止した際に、ホルダ５１の側片６７の内縁と合致する位置に配されている。ガイド凹部７９は、ガイド部７４の長手方向に沿って等間隔に配されている。
【０１１０】
前述した構成によって、ガイド部材５２，５３は、係止玉９２が係止凹部８０に係止しかつカム機構５４によって後述するようにガイド部７４の互いに相対する内縁がホルダ５１の側片６７の内縁と略面一となった状態で位置決めされた際に、前記ガイド凹部７９がホルダ５１の側片６７の内縁部と合致する。
【０１１１】
そして、ガイド凹部７９は、圧接ハウジング４０の側壁４２ｄの外形に沿って形成されているので、圧接ハウジング４０をそれぞれのホルダ５１に装着する際に、凹溝４８ａ，４８ｂ内に凸部７０ａ，７０ｂが侵入するように圧接ハウジング４０を案内する。
【０１１２】
ガイド部材５２，５３は、ホルダ５１に装着された圧接ハウジング４０の側壁４２ｂ及び側壁４２ｂの近傍がガイド凹部７９内に侵入する。このため、圧接ハウジング４０を位置決めする。ガイド部材５２，５３は、圧接ハウジング４０が前記接離する方向に沿って移動すること即ちホルダ５１が互いに接離することを規制する。
【０１１３】
一方、ガイド部材５２，５３は、カム機構５４によって後述するようにガイド部７４が互いに離れる方向に回動されると、ホルダ５１に装着された圧接ハウジング４０の側壁４２ｂなどが前記ガイド凹部７９内から抜け出る。ガイド部材５２，５３は、圧接ハウジング４０の位置決めを解除して、圧接ハウジング４０即ちホルダ５１が互いに接離することを許容する。
【０１１４】
また、ガイド部材５２，５３のうち一方は凹部８６と、一対の突起８７と、を備えている。図示例では、ガイド部材５２が、前記凹部８６と、一対の突起８７と、を備えている。凹部８６は、ガイド部材５２のガイド部７４の外縁から他方のガイド部材５３のガイド部７４に向かって凹に形成されている。
【０１１５】
凹部８６は、ＦＰ検知治具３を用いて、後述するようにホルダ５１に積層する順番にしたがって圧接ハウジング４０が保持されているか否かを確認する際に、前記ＦＰ検知治具３の後述する一対の内側接触センサ９８のうち一方の接触子９８ｂと合致する位置に配されている。図示例では、凹部８６は、図１１中の右側に位置する内側接触センサ９８の接触子９８ｂと合致する位置に配されている。
【０１１６】
一対の突起８７は、ガイド部材５２のガイド部７４の外表面からフレーム５０のベース板６１から離れる方向に凸に形成されている。一対の突起８７は、それぞれ円柱状に形成されている。一対の突起８７は、フレーム５０に一体に形成されている。突起８７は、それぞれ、加圧ユニット６の後述する一対の孔１３６内に侵入できる位置に配されている。一対の突起８７のうち一方は他方より、ガイド部７４からの突出量が大きく形成されている。
【０１１７】
前記一方の突起８７は、前記孔１３６内に侵入すると、端部が加圧ユニット６の後述する位置決め板１３５のベース板６１の離れた側の表面から突出する。即ち、一方の突起８７は、前記孔１３６内に侵入すると端部が位置決め板１３５の外表面から突出する。また、前記他方の突起８７は、前記孔１３６内に侵入しても、端部が加圧ユニット６の位置決め板１３５の外表面から突出しない。
【０１１８】
なお、図示例では、一対の突起８７のうちガイド部７４からの突出量が大きい一方の突起８７が図２及び図３中の右側に位置しているとともに、前記他方の突起８７が図２及び図３中の左側に位置している。
【０１１９】
カム機構５４は、圧接ハウジング４０即ちホルダ５１の移動を規制する位置決め位置と、圧接ハウジング４０即ちホルダ５１の移動を許容する位置決め解除位置とに亘って、ガイド部材５２，５３を回動させる。カム機構５４は、前記位置決め位置及び位置決め解除位置双方において、フレーム５０に対しガイド部材５２，５３を位置決めする。
【０１２０】
カム機構５４は、図４などに示すように、端板６２に回動自在に設けられたカム８１と、操作レバー８２と、コイルばね８３と、を備えている。カム８１は、ガイド部材５２の回動支持部７５とガイド部材５３の回動支持部７５との間に設けられている。カム８１は、円弧状の一対の円弧部８４と、前記円弧部８４を互いに連ねる一対の平坦部８５と、を備えている。平坦部８５の表面はそれぞれ平坦に形成されている。平坦部８５の表面は互いに平行に配されている。
【０１２１】
カム８１は、前記位置決め位置では、平坦部８５がガイド部材５２，５３の回動支持部７５と当接した状態となる。カム８１は、前述した位置決め解除位置では、図９に示すように、円弧部８４がガイド部材５２，５３の回動支持部７５と当接した状態となる。
【０１２２】
操作レバー８２は、一方向に向かって延在した棒状に形成されている。操作レバー８２は、一端部がカム８１と一体に形成されている。操作レバー８２は、カム８１からこのカム８１の外方向に向かって延在している。コイルばね８３は、ガイド部材５２，５３の回動支持部７５相互間に掛け渡されている。コイルばね８３は、前記枢軸７８よりガイド部７４寄りの回動支持部７５の箇所を互いに近づく方向に付勢している。
【０１２３】
前述した構成で、カム機構５４は、前述した位置決め位置では、カム８１の平坦８５が双方の回動支持部７５と当接した状態となっている。このとき、コイルばね８３が回動支持部７５を互いに近づける方向に付勢しているので、ガイド部材５２，５３は前記位置決め位置に位置決めされている。
【０１２４】
前記コイルばね８３の付勢力に抗して操作レバー８２を図４中の矢印Ｒ１に沿って回動させると、円弧部８４が回動支持部７５と当接するようにカム８１が回転する。平坦部８５の表面相互の間の間隔よりカム８１の回転中心を挟んだ円弧部８４の表面相互の間の間隔の方が大きいため、枢軸７８を中心として相互間の間隔を拡げる方向にそれぞれの回動支持部７５が回動する。
【０１２５】
ガイド部７４が互いに離れる方向に変位して、ガイド部材５２，５３は図９に示す位置決め解除位置に位置決めされる。さらに、矢印Ｒ１の逆向きの図９に示す矢印Ｒ２に沿って操作レバー８２を回動させると、ガイド部材５２，５３は前記位置決め解除位置から前記位置決め位置に変位して位置決めされる。
【０１２６】
規制部材５５は、ガイド部材５３に重ねられている。規制部材５５は、図４などの示すように、ガイド部材５３のベース板６１寄りの表面に重ねられている。規制部材５５は、帯板状に形成されている。規制部材５５は、図６に示すように、複数の凹部９０と、ガイド面９１と、を備えている。
【０１２７】
凹部９０は、それぞれ、規制部材５５がガイド部材５３に重ねられた際に、ガイド部材５２即ちホルダ５１に装着される圧接ハウジング４０に相対する縁５５ａから凹に形成されている。
【０１２８】
凹部９０は、規制部材５５の長手方向に沿って互いに間隔を存して配されている。凹部９０は、規制部材５５の長手方向に沿って等間隔に配されている。凹部９０は、係止玉９２が係止凹部８０に係止し、かつガイド部材５２，５３がホルダ５１の側片６７の内縁と略面一となった状態で、ホルダ５１の外縁に係止する。凹部９０は、外縁に係止してホルダ５１を、前記ガイド部７４が圧接ハウジング４０をホルダ５１に案内できる位置に位置決めする。
【０１２９】
ガイド面９１は、前記凹部８２と縁５５ａとに亘って形成されている。ガイド面９１は、ガイド部材５２，５３が互いに接離する方向に対し傾いている。ガイド面９１は、縁５５ａ向かうにしたがって凹部８２の幅を徐々に広げる方向に傾いている。ガイド面９１は、前記凹部９０がホルダ５１の外縁に係止する際に、ホルダ５１の外縁を凹部９０の底に向かって案内する。
【０１３０】
帯状ゴム５６は、図５などに示すように、ゴムなどの弾性体からなりかつ帯状に形成されている。帯状ゴム５６は、ホルダ５１に固定されており、それぞれのホルダ５１を相互間の間隔が、係止玉９２が係止凹部８０に係止されかつ規制部材５５の凹部９０がホルダ５１に係止して位置決めされた状態の間隔となるように付勢している。
【０１３１】
即ち、帯状ゴム５６は、等間隔に位置するようにホルダ５１を付勢している。帯状ゴム５６は、図示例では二本設けられている。帯状ゴム５６は、図５に示すように、それぞれ一つ置きにホルダ５１に取り付けられている。
【０１３２】
一方の帯状ゴム５６即ち一つのホルダ５１には、操作ひも９５が取り付けられている。操作ひも９５は、作業員が引っ張ることで、前記ホルダ５１を前述した位置決め位置に変位させる即ち互いに離れる方向に移動させるために用いられる。なお、図示例では、操作ひも９５は、図２中の左端に位置するホルダ５１に取り付けられている。
【０１３３】
係止部５７は、図４に示すように、係止玉９２と、図示しないコイルばねと、を備えている。係止玉９２は、略球状に形成されている。係止玉９２は、その一部がフレーム５０の表面からホルダ５１に向かって突没自在に設けられている。
【０１３４】
係止玉９２は、前記ホルダ５１のうち一つのホルダ５１の係止凹部８０内に係止可能な位置に設けられている。係止玉９２は、図示例では、図２中の左端に位置するホルダ５１の係止凹部８０に係止可能な位置に設けられている。コイルばねは、係止玉９２が前記フレーム５０の表面からホルダ５１に向かって突出するように付勢している。
【０１３５】
前述した構成によって、係止部５７は、操作ひも９５が引っ張られて、ホルダ５１が互いに離れる方向に移動されると、係止玉９２が図２中の左端に位置するホルダ５１の係止凹部８０に係止する。係止玉９２がコイルばねによってフレームの表面から突出する方向即ちホルダ５１に近づく方向に付勢されているので、ホルダ５１を位置決めする。
【０１３６】
また、ホルダ５１を互いに近づく方向に移動すると、前記係止玉９２がコイルばねの付勢力に抗してフレーム５０内に没して、係止凹部８０に対する係止を解除する。
【０１３７】
解除機構５８は、レバー部材６４の係止爪７４の圧接ハウジング４０に対する係止を解除するために用いられる。解除機構５８は、図１０に示すように、操作レバー部１００と、連動ワイヤ１０１と、摺動部材１０２と、復帰ばね１１０と、を備えている。操作レバー部１００は、フレーム部１０３と、このフレーム部１０３に回動自在に取り付けられたレバー１０４と、を備えている。
【０１３８】
ワイヤ１０１は、一端が前記レバー１０４の回転中心から若干離れた箇所に取り付けられている。摺動部材１０２には、ワイヤ１０１の他端が取り付けられている。
【０１３９】
摺動部材１０２は、図１０に示すように、ベース板６１に沿ったベース部１０５と、このベース部１０５に対し立設した立設部１０６とを一体に備えている。立設部１０６は、レバー部材６４の他端部６４ｂとフレーム５０の奥板６０との間に設けられている。立設部１０６は、レバー部材６４の他端部６４ｂが当接している。
【０１４０】
復帰ばね１１０は、摺動部材１０２を前記奥板６０に向かって即ちホルダ５１及びレバー部材６４の他端部６４ｂから離れる方向に付勢している。
【０１４１】
前述した構成によって、解除機構５８は、前記レバー１０４を、図１０中の矢印Ｐ１に沿って回動させると、ワイヤ１０１がハウジングセット治具２から離れる方向に移動する。
【０１４２】
すると、摺動部材１０２が復帰ばね１１０の付勢力に抗して、係止爪７３の圧接ハウジング４０に対する係止を解除する方向にレバー部材６４を回動させる。レバー１０４を矢印Ｐ１とは逆向きの矢印Ｐ２に沿って回動させると、復帰ばね１１０の付勢力によって摺動部材１０２が奥板６０に近づく方向に変位して、係止爪７３が圧接ハウジング４０に係止する方向にコイルばね６５の付勢力によってレバー部材６４が回動する。
【０１４３】
前述した構成のハウジングセット治具２の各ホルダ５１に装着された圧接ハウジング５０は、圧接端子３０に圧接された電線４が図２に示すように底壁４２ａに沿った状態または前記第２の面４７ａ側に向かって延在している。
【０１４４】
図示例では、図２中右端に位置する圧接ハウジング４０に取り付けられた電線４が底壁４２ａに沿っている。図２中右端に位置する圧接ハウジング４０以外の圧接ハウジング４０に取り付けられた電線４が第２の面４７ｂ側に向かって延在している。
【０１４５】
ＦＰ検知治具３は、誤装着防止部６８に対応した識別部４６を有する圧接ハウジング４０が、各ホルダ５１に装着されているか否かを確認するための治具である。ＦＰ検知治具３は、図１１ないし図１５に示すように、治具本体９６と、一対の外側接触センサ９７と、一対の内側接触センサ９８と、治具本体９６に取り付けられた表示ランプ１４０と、を備えている。
【０１４６】
治具本体９６は、図１１に示すように、平面形状が略矩形状に形成されている。治具本体９６は、図１２ないし図１５に示すように、互いの間にガイド部材５２のガイド部７４を挟むことのできる一対の狭持部９６ａ，９６ａと、鉤部９６ｂと、を備えている。
【０１４７】
狭持部９６ａ，９６ａは、それぞれ、治具本体９６の長手方向の全長に亘って設けられている。狭持部９６ａ，９６ａは、互いに相対しかつ互いの間にガイド部７４を挟む表面がガイド部７４の表面に沿って略平坦に形成されている。狭持部９６ａ，９６ａは、互いの間にガイド部７４を挟むと、前記表面がガイド部７４の表面と当接する。
【０１４８】
鉤部９６ｂは、前記一対の狭持部９６ａ，９６ａのうち一方の狭持部９６ａの先端部に一体に形成されている。鉤部９６ｂは、前記ガイド部７４を互いの間に挟んだ一対の狭持部９６ａ，９６ａのうち前記支持片６６から離れた側に位置する狭持部９６ａの先端部に一体に形成されている。
【０１４９】
鉤部９６ｂは、前記狭持部９６ａの先端部から一旦支持片６６から離れる方向に延在した後、前記支持片６６に沿って延在している。鉤部９６ｂは、支持片６６から離れる方向に延在した後ホルダ５１に装着される圧接ハウジング４０の上方に向かって延在している。このように、鉤部９６ｂは、断面形状があたかも鉤状に形成されている。
【０１５０】
鉤部９６ｂは、前記誤装着防止部６８に対応した識別部４６を有する圧接ハウジング４０がホルダ５１に装着された際、即ち縁壁４２ｃと支持片６６の表面とが互いに重なった際に、図１３に示すように、前記圧接ハウジング４０の他の縁４２ｄ上に乗り上がることができるようになっている。即ち、鉤部９６ｂは、前記誤装着防止部６８に対応した識別部４６を有する圧接ハウジング４０がホルダ５１に装着された際に、前記圧接ハウジング４０の他の縁４２ｄと相対する。
【０１５１】
また、鉤部９６ｂは、前記誤装着防止部６８に対応していない識別部４６を有する圧接ハウジング４０がホルダ５１に装着された際、即ち、縁壁４２ｃと支持片６６の表面とが互いに間隔を存して相対する際に、図１５に示すように、前記圧接ハウジング４０の側壁４２ｂの端部と接触して、他の縁４２ｄ上に乗り上がることができないようになっている。
【０１５２】
一対の外側接触センサ９７は、ぞれぞれ、センサ本体９７ａと、これらのセンサ本体９７ａに対し変位自在な接触子９７ｂと、を備えている。一対の外側接触センサ９７は、それぞれ、制御装置７に接続している。一対の外側接触センサ９７は、治具本体９６の長手方向に沿って互いに間隔を存して配されている。
【０１５３】
一対の外側接触センサ９７は、接触子９７ｂが狭持部９６ａ，９６ａ間からこれらの狭持部９６ａ，９６ａの先端側に向かって突出した状態で配されている。接触子９７ｂは、センサ本体９７ａに対し狭持部９６ａ，９６ａの先端側に向かって付勢されている。接触子９７ｂは、センサ本体９７ａに対し変位する方向が狭持部９６ａ，９６ａに沿っている。
【０１５４】
外側接触センサ９７は、狭持部９６ａ，９６ａ間にガイド部７４を挟みかつ鉤部９６ｂが縁４２ｂ上に乗り上げた状態になると、図１３に示すように、ガイド部７４の外縁に当接して狭持部９６ａ，９６ａ間に没する方向に接触子９７ｂがセンサ本体９７ａに対し変位する。外側接触センサ９７は、接触子９７ｂがセンサ本体９７ａに対し変位すると、この変位したことを示す情報を制御装置７に向かって出力する。
【０１５５】
外側接触センサ９７は、鉤部９６ｂが側壁４２ｂの端部に接触して縁４２ｂ上に乗り上げられない状態になると、図１５に示すように、接触子９７ｂがガイド部７４の外縁に当接しない。この場合、もちろん接触子９７ｂはセンサ本体９７ａに対し変位しないとともに、変位したことを示す情報を制御装置７に向かって出力しない。
【０１５６】
一対の内側接触センサ９８は、ぞれぞれ、センサ本体９８ａと、これらのセンサ本体９８ａに対し変位自在な接触子９８ｂと、を備えている。一対の内側接触センサ９８は、それぞれ、制御装置７に接続している。
【０１５７】
一対の内側接触センサ９８は、治具本体９６の長手方向に沿って互いに間隔を存して配されている。一対の内側接触センサ９８は、それぞれ、一対の外側接触センサ９７相互間に配されている。即ち、内側接触センサ９８は、一対の外側接触センサ９７の内側に配されている。
【０１５８】
一対の内側接触センサ９８は、接触子９８ｂが狭持部９６ａ，９６ａ間からこれらの狭持部９６ａ，９６ａの先端側に向かって突出した状態で配されている。接触子９８ｂは、センサ本体９８ａに対し狭持部９６ａ，９６ａの先端側に向かって付勢されている。接触子９８ｂは、センサ本体９７ａに対し変位する方向が狭持部９６ａ，９６ａに沿っている。
【０１５９】
一方の内側接触センサ９８は、その接触子９８ｂが前記ガイド部７４の外縁に設けられた凹部８６に合致する位置に配されている。一方の内側接触センサ９８は、鉤部９６ｂが縁４２ｂ上に乗り上げた状態では、図１４に示すように、接触子９８ｂが凹部８６内に侵入する。この場合、接触子９８ｂはセンサ本体９８ａに対し変位しない。
【０１６０】
このため、前記一方の内側接触センサ９８は、鉤部９６ｂが縁４２ｂ上に乗り上げた状態になっても、側壁４２ｂの端部に接触して縁４２ｂ上に乗り上げられない状態となっても、接触子９８ｂがガイド部７４の外縁に当接せずにセンサ本体９８ａに対し変位したことを示す情報を制御装置７に向かって出力しない。
【０１６１】
前記他方の内側接触センサ９８は、狭持部９６ａ，９６ａ間にガイド部７４を挟みかつ鉤部９６ｂが縁４２ｂ上に乗り上げた状態になると、接触子９８ｂがガイド部７４の外縁に当接して狭持部９６ａ，９６ａ間に没する方向に前記センサ本体９８ａに対し変位する。前記他方の内側接触センサ９８は、接触子９８ｂがセンサ本体９８ａに対し変位すると、この変位したことを示す情報を制御装置７に向かって出力する。
【０１６２】
前記他方の内側接触センサ９８は、鉤部９６ｂが側壁４２ｂの端部に接触して縁４２ｂ上に乗り上げられない状態になると、接触子９８ｂがガイド部７４の外縁に当接しない。この場合、もちろん接触子９８ｂはセンサ本体９８ａに対し変位しないとともに、変位したことを示す情報を制御装置７に向かって出力しない。図示例では、図１１中右側に位置する内側接触センサ９８が凹部８６と合致する。
【０１６３】
前述した構成のＦＰ検知治具３は、狭持部９６ａ，９６ａ間にガイド部７４を挟むことによって、誤装着防止部６８に対応した識別部４６を有する圧接ハウジング４０がホルダ５１に装着されているか否かを確認するために用いられる。ＦＰ検知治具３は、誤装着防止部６８に対応した識別部４６を有する圧接ハウジング４０がホルダ５１に装着されているか否かを表示ランプ１４０の点灯によって作業者に対し示す。
【０１６４】
積層される順番に応じて圧接ハウジング４０が並設されている場合には、一対の外側接触センサ９７の接触子９７ｂそれぞれがセンサ本体９７ａに対し変位したことを示す情報を制御装置７に向かって出力する。圧接ハウジング４０が前述した順番とは異なった順番で並設されている場合には、一対の外側接触センサ９７の接触子９７ｂそれぞれがセンサ本体９７ａに対し変位したことを示す情報を制御装置７に向かって出力しない。
【０１６５】
また、ＦＰ検知治具３は、加圧ユニット６が圧接ハウジング４０を互いに近づける方向に押圧する際に、後述する一対の押圧片１２１，１２１のうち主に変位する一方を確認するために用いられる。
【０１６６】
狭持部９６ａ，９６ａ間にガイド部７４を挟みかつ一対の外側接触センサ９７の接触子９７ｂそれぞれが変位した場合、一対の内側接触センサ９８のうち前記他方の内側接触センサ９８の接触子９８ｂが変位する。変位した内側接触センサ９８の近傍に位置する押圧片１２１が主に変位することを示す。図示例では、図１１中左側に位置する内側接触センサ９８の接触子９８ｂが変位するので、加圧ユニット６の図１６中左側に位置する押圧片が主に変位する。
【０１６７】
加圧ユニット６は、図１６ないし図１８に示すように、ユニット本体１２０と、一対の押圧片１２１，１２１と、押圧シリンダ１２２と、一対の位置決めシリンダ１２３と、測定手段としての変位測定ユニット１２４と、一対のプランジャ１４１と、を備えている。加圧ユニット６は、制御装置７に接続している。
【０１６８】
ユニット本体１２０は、互いに相対しかつ間隔を存して配された一対の端板１２５，１２５と、これらの端板１２５，１２５を互いに連ねる周板１２６と、位置決め板１３５と、を備えている。端板１２５，１２５はそれぞれ平板状に形成されている。
【０１６９】
一方の端板１２５には、ロックスイッチ１３９が設けられている。ロックスイッチ１３９は、押圧式のスイッチである。ロックスイッチ１３９は、後述する取手１２７を掴んだ作業員が押圧出来る位置に配されている。ロックスイッチ１３９は、押圧されると、位置決めシリンダ１２３の後述する伸縮ロッド１２３ｂが伸縮する。
【０１７０】
周板１２６は、平坦に形成された操作板部１２６ａを備えている。操作板部１２６ａは、平面形状が、矩形状に形成されている。操作板部１２６ａの外表面には、一対の取手１２７，１２７と、スイッチ群１２８とが設けられている。
【０１７１】
取手１２７，１２７は、操作板部１２６ａの長手方向に沿って互いに間隔を存して配されている。取手１２７，１２７は、それぞれ、操作板部１２６ａの外表面から突出している。取手１２７，１２７は、それぞれ、両端が操作板部１２６ａの外表面に固定されたコ字状に形成されている。取手１２７，１２７は、それぞれ作業員が掴むことができるようになっている。
【０１７２】
スイッチ群１２８は、一対の作業開始スイッチ１２９と、第１の表示ボタン１３０と、第２の表示ボタン１３１と、リセットスイッチ１３２と、を備えている。一対の作業開始スイッチ１２９と、第１の表示ボタン１３０と、第２の表示ボタン１３１と、リセットスイッチ１３２と、は、一対の取手１２７，１２７が並設する方向に沿って並設されている。
【０１７３】
一対の作業開始スイッチ１２９は、それぞれ、押圧式のスイッチであって、操作板部１２６ａの長手方向に沿って互いに間隔を存して配されている。一対の作業開始スイッチ１２９は、それぞれ取手１２７，１２７の近傍に設けられている。一対の作業開始スイッチ１２９は、それぞれ、取手１２７，１２７を掴んだ作業者が押圧できる位置に配されている。
【０１７４】
第１の表示ボタン１３０は、後述するように加圧ユニット６が一次加圧を行って、制御装置７が後述する第１の判定工程を行った際の良否を表示する。
【０１７５】
第１の表示ボタン１３０は、圧接ハウジング４０が装着されるべきホルダ５１に圧接ハウジング４０が装着されていない場合に、組立中のジョイントコネクタ５が不良であることを作業者に表示する。第１の表示ボタン１３０は、所望のホルダ５１全てに圧接ハウジング４０が装着されている場合には、組立中のジョイントコネクタ５が良であることを作業者に表示する。
【０１７６】
第２の表示ボタン１３１は、前述した一次加圧の後に加圧ユニット６が後述する二次加圧を行って、制御装置７が後述する第２の判定工程を行った際の良否を表示する。第２の表示ボタン１３１は、前記第２の判定工程において、組み立てられたジョイントコネクタ５が良であるか不良であるかを作業者に表示する。
【０１７７】
リセットスイッチ１３２は、押圧式のスイッチであって、一方の作業開始スイッチ１２９の近傍に配されている。リセットスイッチ１３２は、第１及び第２の表示ボタン１３０，１３１のうち一方がジョイントコネクタ５などの不良を表示した場合に、作業員が押圧するために用いられる。
【０１７８】
リセットスイッチ１３２が押圧されると、加圧ユニット６は、押圧片１２１，１２１を互いに近づける方向に移動することを中止する。そして、加圧ユニット６は、押圧片１２１，１２１を互いに離れる方向に移動させる。
【０１７９】
位置決め板１３５は、図１６などに示すように、帯板状に形成されている。位置決め板１３５は、周板１２６の外表面から外方向に突出している。位置決め板１３５は、その長手方向が、操作板部１２６ａの長手方向に沿っている。位置決め板１３５は、その表面が操作板部１２６ａの表面に沿っている。位置決め板１３５には、一対の孔１３６が形成されている。
【０１８０】
一対の孔１３６は、それぞれ位置決め板１３５を貫通している。孔１３６は、それぞれ平面形状が丸形に形成されている。孔１３６は、位置決め板１３５がガイド部７４上に重ねられると、それぞれ、突起８７と合致する位置に配されている。孔１３６内には、それぞれ突起８７が侵入する。
【０１８１】
一対の押圧片１２１，１２１は、ユニット本体１２０に取り付けられたレール１３３と、このレール１３３に移動自在に取付られた一対のスライダ１３４，１３４と、一対のアーム部１３７，１３７と、によって支持されている。
【０１８２】
レール１３３は、操作板部１２６ａの長手方向に沿って配されている。スライダ１３４は、それぞれ、レール１３３に沿って移動自在となっている。スライダ１３４には、それぞれアーム部１３７が取り付けられている。
【０１８３】
アーム部１３７は、ぞれぞれ、スライダ１３４から位置決め板１３５に沿って周板１２６の外方向に向かって延在している。アーム部１３７は、位置決め板１３５がガイド部７４に重ねられると、ガイド部７４とともに位置決め板１３５を挟む位置に配されている。
【０１８４】
一対のアーム部１３７，１３７は、互いの間に孔１３６，１３６を挟む位置に配されている。アーム部１３７の内一方は、後述するように押圧片１２１，１２１が互いに近づけられる際に、孔１３６から突出した一方の突起８７を接触する。なお、図示例では、図１６中右側に位置するアーム部１３７が突起８７を接触する。なお、一対のアーム部１３７，１３７と突起８７，８７とは、本明細書に記した押圧方向規制手段をなしている。
【０１８５】
押圧片１２１，１２１は、それぞれアーム部１３７の先端部に取り付けられている。押圧片１２１，１２１は、ぞれぞれ平板状に形成されている。押圧片１２１，１２１は、互いに平行な状態で配されている。押圧片１２１，１２１は、レール１３３とスライダ１３４とによって互いに接離自在となっている。
【０１８６】
押圧片１２１，１２１は、位置決め板１３５がガイド部７４に重ねられかつ孔１３６内に突起８７が侵入すると、互いの間にホルダ５１及び圧接ハウジング４０を位置させる。このとき、押圧片１２１，１２１は、圧接ハウジング４０の底壁４２ａに沿う。
【０１８７】
押圧シリンダ１２２は、シリンダ本体１２２ａと、このシリンダ本体１２２ａに対し伸縮自在な伸縮ロッド１２２ｂと、を備えている。シリンダ本体１２２ａは、一方の押圧片１２１及びスライダ１３４に固定されている。伸縮ロッド１２２ｂは、他方の押圧片１２１及びスライダ１３４に固定されている。押圧シリンダ１２２は、伸縮ロッド１２２ｂをシリンダ本体１２２ａに対し伸縮させることによって、押圧片１２１，１２１を互いに接離させる。
【０１８８】
一対の位置決めシリンダ１２３は、それぞれ、シリンダ本体１２３ａと、シリンダ本体１２３ａに対し伸縮自在な伸縮ロッド１２３ｂと、を備えている。シリンダ本体１２３ａは、端板１２５に取り付けられている。シリンダ本体１２３ａは、伸縮ロッド１２３ｂの伸縮方向がレール１３３に沿った状態で、端板１２５に取り付けられている。
【０１８９】
伸縮ロッド１２３ｂの先端部には、位置決め凸部１２３ｃが取り付けられている。位置決め凸部１２３ｃは、平面形状が矩形状の柱状に形成されている。位置決め凸部１２３ｃは、位置決め凹部８８内に侵入する。位置決め凸部１２３ｃは、位置決め凹部８８内に侵入すると合致する。
【０１９０】
位置決めシリンダ１２３は、伸縮ロッド１２３ｂがシリンダ本体１２３ａに対し伸長すると、位置決め凸部１２３ｃが互いに近づくように配されている。位置決めシリンダ１２３は、位置決め板１３５がガイド部７４に重ねられかつ孔１３６内に突起８７が侵入すると、位置決め凸部１２３ｃが位置決め凹部８８と相対する位置に配されている。なお、位置決め凹部８８と位置決め凸部１２３ｃとは、本明細書に記した位置決め手段をなしている。
【０１９１】
変位測定ユニット１２４は、押圧シリンダ１２２の伸縮ロッド１２２ａの伸縮に伴って、押圧片１２１が接離した際の変位量に応じた情報を制御装置７に向かって出力する。
【０１９２】
一対のプランジャ１４１は、図１７に示すように、端板１２５またはアーム部１３７にそれぞれ取り付けられている。プランジャ１４１は、それぞれアーム部即ち押圧片１２１を互いに近づく方向に付勢している。
【０１９３】
制御装置７は、周知のＲＡＭ、ＲＯＭ及びＣＰＵなどを備えた演算装置である。制御装置７は、ＦＰ検知治具３及び加圧ユニット６と接続している。制御装置７は、ハウジング合体装置１全体の制御をつかさどる。
【０１９４】
制御装置７は、ＦＰ検知治具３の狭持部９６ａ，９６ａ間にガイド部７４を挟んだ際に、一対の外側接触センサ９７双方から接触子９７ｂが変位したことを示す情報が入力した場合には、押圧シリンダ１２２の伸縮ロッド１２２ｂが縮小することを許容する。制御装置７は、一対の外側接触センサ９７のうち少なくとも一方から接触子９７ｂが変位したことを示す情報が入力しない場合には、押圧シリンダ１２２の伸縮ロッド１２２ｂが縮小することを規制する。
【０１９５】
制御装置７は、ＦＰ検知治具３の表示ランプ１４０を点灯させるなどして、一対の外側接触センサ９７双方から接触子９７ｂが変位したことを示す情報が入力したか否かを作業員に示す。即ち、誤装着防止部６８に応じた識別部４６を有する圧接ハウジング４０がホルダ５１に装着されているか否かを示す。
【０１９６】
制御装置７は、一対の外側接触センサ９７双方から接触子９７ｂが変位したことを示す情報が入力した場合には、前記一対の内側接触センサ９８のうち接触子９８ｂが変位したことを示す情報が入力した方の内側接触センサ９８を一旦記憶しておく。
【０１９７】
制御装置７は、ロックスイッチ１３９が押圧されて、位置決めシリンダ１２３双方のシリンダ本体１２３ａに対する伸縮ロッド１２３ｂの伸長量が、前記位置決め凸部１２３ｃが位置決め凹部８８に合致した場合の量に相当するか否かを確認する。
【０１９８】
制御装置７は、位置決めシリンダ１２３双方のシリンダ本体１２３ａに対する伸縮ロッド１２３ｂの伸長量が位置決め凸部１２３ｃが位置決め凹部８８に合致した量に相当すると判定した場合には、後述する一次加圧及び二次加圧に移行することを許容する。
【０１９９】
制御装置７は、位置決めシリンダ１２３双方のシリンダ本体１２３ａに対する伸縮ロッド１２３ｂの伸長量が位置決め凸部１２３ｃが位置決め凹部８８に合致した量に相当しないと判定した場合には、一次加圧及び二次加圧に移行することを規制する。
【０２００】
即ち、制御装置７は、位置決め凸部１２３ｃが位置決め凹部８８に合致して加圧ユニット６がハウジングセット治具２に対し所定の位置関係で位置決めされた場合には、圧接ハウジング４０を押圧することを許容する。制御装置７は、位置決め凸部１２３ｃが位置決め凹部８８に合致しないで加圧ユニット６がハウジングセット治具２に対し所定の位置関係で位置決めされていない場合には、圧接ハウジング４０を押圧することを規制する。
【０２０１】
制御装置７は、予め、組み立てるジョイントコネクタ５の圧接ハウジング４０及びカバーハウジング４９の数を記憶しておく。制御装置７は、第１の押圧工程としての一次加圧と、第２の押圧工程としての二次加圧と、に分けて段階的に、伸縮ロッド１２２ｂを縮小させて、圧接ハウジング４０を互いに近づける方向に押圧する。
【０２０２】
制御装置７は、変位測定ユニット１２４から入力した押圧片１２１の変位量に基いて、押圧片１２１相互間の間隔を算出する。
【０２０３】
制御装置７は、一次加圧では、伸縮ロッド１２２ｂを縮小させて押圧片１２１，１２１を介して圧接ハウジング４０を、比較的弱い押圧力で互いに近づける方向に押圧する。一次加圧では、係合部４４と係合受け部４５とが互いに係合しないとともに、圧接ハウジング４０が互いに接触するまで押圧する。
【０２０４】
制御装置７は、係合部４４と係合受け部４５とが互いに係合していない状態での、組み立てるジョイントコネクタ５を構成する圧接ハウジング４０及びカバーハウジング４９全てがホルダ５１に装着された場合の前記押圧片１２１相互間の間隔を、予め記憶している。制御装置７は、正常な状態でのジョイントコネクタ５の、圧接ハウジング４０が並設される方向に沿った幅を、予め記憶している。
【０２０５】
制御装置７は、一次加圧で、圧接ハウジング４０を互いに近づける方向に押圧した際に、押圧片１２１相互間の間隔の変化に基いて、圧接ハウジング４０が並設する方向即ち押圧片１２１が圧接ハウジング４０を押圧する方向に沿った、複数並設された圧接ハウジング４０の幅を算出する。
【０２０６】
制御装置７は、一次加圧終了後に、予め記憶した複数の圧接ハウジング４０の幅と、変位測定ユニット１２４から入力した情報に基いて得られた複数の圧接ハウジング４０の幅と、の差が予め定められる範囲を超えた場合、第１の表示ボタン１３０を用いて組み立て中のジョイントコネクタ５が不良である旨を示す。
【０２０７】
ホルダ５１の厚みが圧接ハウジング４０の厚みより薄いので、圧接ハウジング４０を装着されていないホルダ５１は、圧接ハウジング４０が装着された場合に比べて、隣のホルダ５１により近づく。即ち、制御装置７は、予め記憶した複数の圧接ハウジング４０の幅と、変位測定ユニット１２４から入力した情報に基いて得られた複数の圧接ハウジング４０の幅と、に基いて、組み立てるジョイントコネクタ５に必要な個数の圧接ハウジング４０がホルダ５１に装着されているか否かを判定する。
【０２０８】
制御装置７は、一次加圧終了後に、組み立てるジョイントコネクタ５に必要な個数の圧接ハウジング４０がホルダ５１に装着されていないと判定した場合には、二次加圧に進むことを規制する。制御装置７は、一次加圧終了後に、組み立てるジョイントコネクタ５に必要な個数の圧接ハウジング４０がホルダ５１に装着されていると判定した場合には、二次加圧に進むことを許容する。
【０２０９】
制御装置７は、二次加圧終了後に、予め記憶した複数の圧接ハウジング４０の幅と、変位測定ユニット１２４から入力した情報に基いて得られた複数の圧接ハウジング４０の幅と、の差が予め定められる範囲を超えた場合、第２の表示ボタン１３１を用いて組み立てられたジョイントコネクタ５が不良である旨を示す。
【０２１０】
即ち、制御装置７は、予め記憶したジョイントコネクタ５の幅と、変位測定ユニット１２４から入力した情報に基いて得られた幅と、に基いて、組み立てられたジョイントコネクタ５の良否を判定する。
【０２１１】
また、制御装置７は、圧接ハウジング４０を互いに近づける方向に押圧する際に、ユニット本体１２０に対し大きく変位する一方の押圧片１２１と、ＦＰ検知治具３の一対の内側接触センサ９８のうち接触子９８ｂが変位する一方の内側接触センサ９８とが対応するか、否かを確認する。
【０２１２】
制御装置７は、対応する場合には、一次加圧及び二次加圧とに亘って圧接ハウジング４０を互いに近づける方向に押圧することを許容する。対応しない場合には、一次加圧及び二次加圧を中止して、圧接ハウジング４０を互いに近づけることを規制する。
【０２１３】
図示例では、図１１中左側に位置する内側接触センサ９８の接触子９８ｂが変位する。図１６中右側に位置するアーム部１３７が突起８７と接触して右側に位置する押圧片１２１が殆ど移動しないとともに、図１６中左側に位置する押圧片１２１がユニット本体１２０に対し大きく変位する。
【０２１４】
図１１中左側に位置する内側接触センサ９８から接触子９８ｂが変位することが入力し、図１６中左側に位置する押圧片１２１がユニット本体１２０に対し大きく変位する場合が、対応する場合である。また、図１１中右側に位置する内側接触センサ９８から接触子９８ｂが変位することが入力し、図１６中右側に位置する押圧片１２１がユニット本体１２０に対し大きく変位する場合が、対応する場合である。
【０２１５】
一方、図１１中左側に位置する内側接触センサ９８から接触子９８ｂが変位することが入力し、図１６中右側に位置する押圧片１２１がユニット本体１２０に対し大きく変位する場合が、対応しない場合である。また、図１１中左側に位置する内側接触センサ９８から接触子９８ｂが変位することが入力し、図１６中右側に位置する押圧片１２１がユニット本体１２０に対し大きく変位する場合が、対応しない場合である。
【０２１６】
前述した構成のハウジング合体装置１を用いて圧接ハウジング４０を互いに積層してジョイントコネクタ５を構成する際には、まず、図２６中のステップＳ１においてハウジングセット治具２の各ホルダ５１に圧接ハウジング４０を装着させて、ステップＳ２に進む。
【０２１７】
圧接ハウジング４０を、各ホルダ５１に装着する場合には、まず、作業員が操作ひも９５を引っ張って、係止玉９２を係止凹部８０に係止させて、ホルダ５１を位置決めする。そして、カム機構５４の操作レバー８２を操作して、ガイド部材５２，５３を前述した位置決め位置に位置決めする。なお、このとき、規制部材５５の凹部９０がホルダ５１それぞれの外縁に係止して、それぞれのホルダ５１を位置決めしている。
【０２１８】
誤装着防止部６８に応じた識別部４６を有する圧接ハウジング４０を、それぞれ、ホルダ５１に装着する。このとき、ガイド凹部７９によって圧接ハウジング４０を挿入方向が案内される。品番に応じた圧接ハウジング４０が所望の向きでホルダ５１に装着されると圧接ハウジング４０にレバー部材６４の係止爪７３が係止する。さらに、ジョイントコネクタ５に構成された際に最も上方に位置する圧接ハウジング４０の更に上方側には、カバーハウジング４９を装着する。
【０２１９】
なお、前述したホルダ５１のうち全てのホルダ５１に圧接ハウジング４０及びカバーハウジング４９を装着しないで、ジョイントコネクタ５を構成する際には、図１、図２及び図１９などに示すダミーハウジング４９ａをホルダ５１に装着する。
【０２２０】
ダミーハウジング４９ａをホルダ５１に装着する場合には、図２中の右側に位置するホルダ５１から順に圧接ハウジング４０及びカバーハウジング４９を装着し、カバーハウジング４９の図２中左側にダミーハウジング４９ａを装着する。このように、ダミーハウジング４９ａは、図２中の左側に位置することとなる。
【０２２１】
そして、各ホルダ５１に圧接ハウジング４０、カバーハウジング４９及びダミーハウジング４９ａが装着された状態となる。
【０２２２】
そして、図２６中のステップＳ２において、ＦＰ検知治具３を用いて、誤装着防止部６８に対応した識別部４６を有する圧接ハウジング４０がホルダ５１に装着されているか否かを確認する。一対の外側接触センサ９７双方と一方の内側接触センサ９８の接触子９７ｂ，９８ｂがセンサ本体９７ａ，９８ａに対し変位したことを示す情報が制御装置７に入力した場合には、ステップＳ３に進む。
【０２２３】
一対の外側接触センサ９７双方と一方の内側接触センサ９８の接触子９７ｂ，９８ｂがセンサ本体９７ａ，９８ａに対し変位したことを示す情報が制御装置７に入力しない場合には、前記情報が入力するまで、作業員が、圧接ハウジング４０を各ホルダ５１に装着し直す。
【０２２４】
そして、カム機構５４の操作レバー８２を図４中の矢印Ｒ１に沿って回動させて、ガイド部７４相互間の間隔を拡げる方向にガイド部材５２，５３を回動させる。このとき、ハウジングセット治具２は、図１９及び図２０に示すように、ガイド部材５２，５３が位置決め解除位置に位置決めされているとともに、各ホルダ５１に圧接ハウジング４０、カバーハウジング４９及びダミーハウジング４９ａが装着された状態となっている。
【０２２５】
ステップＳ３では、位置決め板１３５をガイド部７４に重ねかつ突起８７を孔１３６内に通す。図２１及び図２２に示すように、加圧ユニット６をハウジングセット治具２に対しセットして、ステップＳ４に進む。なお、作業員が加圧ユニット６をハウジングセット治具２にセットする際には、取手１２７，１２７を掴んで行う。
【０２２６】
ステップＳ４では、ロックスイッチ１３９を押圧して、位置決めシリンダ１２３の伸縮ロッド１２３ｂを伸長させる。作業員は取手１２７を掴んで、加圧ユニット６のハウジングセット治具２に対する相対的な位置を微調整して、位置決め凸部１２３ｃを位置決め凹部８８内に侵入させて合致させる。位置決め凸部１２３ｃが位置決め凹部８８内に侵入して合致すると、加圧ユニット６がハウジングセット治具２に対して位置決めされたとみなして、ステップＳ５に進む。
【０２２７】
ステップＳ５では、制御装置７が、押圧シリンダ１２２の伸縮ロッド１２２ｂを縮小させて、比較的弱い押圧力で押圧片１２１，１２１を互いに近づけて、前述した一次加圧を行う。このとき、プランジャ１４１によってアーム部１３７が互いに近づく方向に付勢されているので、図２３に示すように、一方のアーム部１３７が位置決め板１３５から突出した突起８７に瞬く間に接触する。
【０２２８】
一方のアーム部１３７が位置決め板１３５から突出した突起８７に接触すると、前記一方のアーム部１３７に固定された押圧片１２１のユニット本体１２０に対する変位が規制される。即ち、前記突起８７と接触しないアーム部１３７に支持された押圧片１２１のみが、ユニット本体１２０に対し変位する。このため、図２４及び図２５に示すように、図中右側に位置する押圧片１２１が移動しないとともに、図中左側に位置する押圧片１２１が図中右側に向かって移動する。
【０２２９】
一次加圧が終了すると、図２４に示すように、係合部４４と係合受け部４５とが互いに係合していないとともに、圧接ハウジング４０とカバーハウジング４９などが互いに接触した状態となっている。一次加圧が終了すると、ステップＳ６に進む。
【０２３０】
ステップＳ６では、制御装置７が、予め記憶した複数の圧接ハウジング４０の幅と、変位測定ユニット１２４から入力した情報に基いて得られた複数の圧接ハウジング４０の幅と、に基いて、組み立てるジョイントコネクタ５に必要な個数の圧接ハウジング４０がホルダ５１に装着されているか否かを判定する。
【０２３１】
制御装置７が、必要な個数の圧接ハウジング４０がホルダ５１に装着されていないと判定した場合には、その旨を第１の表示ボタン１３０を用いて作業員に表示する。この場合、作業員が、リセットスイッチ１３２を押すとともに、加圧ユニット６をハウジングセット治具２から取り外す。作業員が、ホルダ５１に圧接ハウジング４０、カバーハウジング４９及びダミーハウジング４９ａのうちいずれかを装着しなおして、前述したステップＳ１に戻る。
【０２３２】
ステップＳ６において、制御装置７が、必要な個数の圧接ハウジング４０がホルダ５１に装着されていると判定した場合には、その旨を第１の表示ボタン１３０を用いて作業員に表示するとともに、ステップＳ７に進む。なお、このステップＳ６は、本明細書に記した第１の判定工程をなしている。
【０２３３】
ステップＳ７では、制御装置７が、押圧シリンダ１２２の伸縮ロッド１２２ｂを縮小させて、比較的強い押圧力で押圧片１２１，１２１を互いに近づけて、前述した二次加圧を行う。係合部４４と係合受け部４５とが互いに係合して、図２５に示すように、圧接ハウジング４０とカバーハウジング４９とを互いに固定する。圧接ハウジング４０とカバーハウジング４９とは互いに積層されて、ジョイントコネクタ５が組み立てられる。二次加圧が終了すると、ステップＳ８に進む。
【０２３４】
なお、前述した一次加圧及び二次加圧双方で、図２４及び図２５中右側に位置する押圧片１２１の移動が規制されているので、圧接ハウジング４０は互いに第１の面４７ａが第２の面４７ｂに近づくように押圧される。
【０２３５】
ステップＳ８では、予め記憶したジョイントコネクタ５の前記押圧片１２１が押圧する方向に沿った幅と、変位測定ユニット１２４から入力した情報に基いて得られた幅と、に基いて、組み立てられたジョイントコネクタ５の良否を判定する。
【０２３６】
位置決め板１３５をガイド部７４上から離すとともに、突起８７を孔１３６内から離脱させて、ハウジングセット治具２から加圧ユニット６を取り外す。
【０２３７】
解除機構５８のレバー１０４を、図１０中の矢印Ｐ２に沿って回動させて、係止爪７３の圧接ハウジング４０に対する係止を解除する方向にレバー部材６４を回動させる。レバー部材６４の係止が解除された圧接ハウジング４０及びカバーハウジング４９をホルダ５１から取り外して、前述したジョイントコネクタ５を得る。
【０２３８】
その後、レバー１０４を矢印Ｐ１に沿って回動させてレバー部材６４が圧接ハウジング４０を係止可能な位置に変位させるとともに、操作ひも９５を引っ張って、係止玉９２を係止凹部８０に係止させる。そして、カム機構５４を操作してガイド部材５２，５３を前述した位置決め位置に変位させる。次のジョイントコネクタ５の組立を前述した工程にしたがって行う。
【０２３９】
本実施形態によれば、圧接ハウジング４０を底壁４２ａが互いに間隔を存した状態で複数並設し、これら並設した絶縁体を互いに近づける方向に押圧するので、確実に圧接ハウジング４０を積層することができる。
【０２４０】
圧接ハウジング４０がジョイントコネクタ５に組立てられる際の順番に基いて並設されているか否かを、ＦＰ検知治具３が確認する。ＦＰ検知治具３が圧接ハウジング４０がジョイントコネクタ５に組立てられる際の順番に基いて並設されていることを確認しないと、加圧ユニット６が圧接ハウジング４０を互いに近づける方向に押圧することがない。
【０２４１】
このため、圧接ハウジング４０をジョイントコネクタ５に組立られる際の積層する順番通りに積層することができる。したがって、圧接ハウジング４０をジョイントコネクタ５に組立てられる際の順番に通りに積層できるので、ジョイントコネクタ５を組み立てる際の歩留まりを低下させることがない。
【０２４２】
また、誤装着防止部６８と識別部４６とを合致させることによって、圧接ハウジング４０を積層する順番通りに並設できるので、圧接ハウジング４０を積層する際にかかる手間などを抑制できる。
【０２４３】
圧接端子３０に圧接される電線４が底壁４２ａに沿っているか第２の面４７ａ側に向かって延在しているとともに、互いに隣り合う圧接ハウジング４０の第２の面４７ｂを第１の面４７ａに近づける方向に押圧する。このため、圧接ハウジング４０を互いに近づける方向に押圧する際に、圧接端子３０から剥離する方向の応力が電線４に加わることを防止できる。したがって、電線４が圧接端子３０から剥離することを防止でき、歩留まりを低下させることなくジョイントコネクタ５を組み立てることができる。
【０２４４】
ステップＳ６で、一次加圧終了後に圧接ハウジング４０の幅に基づくことによって、ジョイントコネクタ５を組み立てる際に必要な個数の圧接ハウジング４０が並設されているか否かを判定する。
【０２４５】
ステップＳ６で、必要な個数の圧接ハウジング４０が並設されていると判定しないと、二次加圧に進むことが出来ないので、確実に必要な個数の圧接ハウジング４０を備えたジョイントコネクタ５を組み立てることができる。したがって、歩留まりを低下させることなくジョイントコネクタ５を組み立てることができる。
【０２４６】
さらに、二次加圧終了後にジョイントコネクタ５の押圧片１２１が押圧する方向に沿った幅に基づくことによって、ジョイントコネクタ５の良否を判定する。このため、係合部４４と係合受け部４５とを互いに係合させる際に、例えば厚みが薄く成る方向に圧接ハウジング４０が塑性変形するなどの不具合が生じたことを確実に把握することができる。
【０２４７】
また、位置決め凸部１２３ｃと位置決め凹部８８とが互いに係合合致して、加圧ユニット６をハウジングセット治具２に対し位置決めするので、ハウジングセット治具２に保持された圧接ハウジング４０を確実に積層することができる。
【０２４８】
また、位置決め凸部１２３ｃと位置決め凹部８８とが係合合致しないと加圧ユニット６が一次加圧及び二次加圧を行うことがない。このため、加圧ユニット６がハウジングセット治具２にセットされていない状態で、作業員が誤って作業開始ボタン１２９を押圧しても、押圧片１２１，１２１が互いに近づく方向に変位することがない。
【０２４９】
さらに、位置決め凸部１２３ｃと位置決め凹部８８とが係合合致しないと加圧ユニット６が一次加圧及び二次加圧を行わない。このため、ジョイントコネクタ５の歩留まりを低下させることなく圧接ハウジング４０を積層することができる。
【０２５０】
また、ハウジングセット治具２は、図２７に示すように、一対の突起８７のうち図２７（Ａ）中左側に位置する突起８７が、ガイド部７４からの突出量を大きく形成されても良い。この場合、誤向き阻止部６９は、第１の面４７ａが図中右側に位置しかつ第２の面４７ｂが図中左側に位置した状態で、圧接ハウジング４０をホルダ５１に保持させる。
【０２５１】
さらに、この場合、圧接ハウジング４０を互いに近づける方向に押圧する際には、図１６中左側に位置する押圧片１２１の移動が規制されるとともに、図１６中右側に位置する押圧片１２１が主に移動する。
【０２５２】
また、加圧ユニット６が圧接ハウジング４０を互いに近づける際には、図１６中左側に位置するアーム部１３７が突起８７と接触して移動しないとともに、図１６中右側に位置する押圧片１２１がユニット本体１２０に対し変位する。
【０２５３】
さらに、前述したハウジングセット治具２は、例えば工場のフロア上を予め定められる経路にしたがって走行しかつワイヤハーネスを結くことのできる布線ボードに取り付けられる。例えば、図２などに示すハウジングセット治具２と、図２７に示すハウジングセット治具２とが、各一つずつ布線ボードに取付られる。前記ＦＰ検知治具３と加圧ユニット６と制御装置７などは、前記経路の近傍でかつ、前記経路の終盤即ちワイヤハーネス組立ラインの終盤に配されている。
【０２５４】
前記布線ボードが前述した経路にしたがって走行する間に、作業員が所定の手順にしたがって、前述した圧接ハウジング４０と圧接ハウジング４０が装着した圧接端子３０に圧接した電線４とを有するサブハーネスを前記布線ボードに結く。さらに、前記圧接ハウジング４０を、識別部４６が合致する誤装着防止部６８を有するホルダ５１に装着しておく。
【０２５５】
前記経路の終盤即ちワイヤハーネスの組立ラインの終盤に布線ボードが位置すると、各ホルダ５１に圧接ハウジング４０が装着された状態となっている。作業員が、ＦＰ検知治具３及び加圧ユニット６を用いて、ハウジングセット治具２の保持された圧接ハウジング４０を互いに近づく方向に押圧してジョイントコネクタ５を組み立てる。
【０２５６】
【発明の効果】
以上説明したように請求項１に記載の本発明は、絶縁体を壁が互いに間隔を存した状態で並設し、これら並設した絶縁体を互いに近づける方向に押圧するので、確実に絶縁体を積層することができる。並設した絶縁体を互いに近づけて絶縁体を積層するので、絶縁体を積層する際にかかる手間などを抑制できる。
【０２５７】
請求項２に記載の本発明は、絶縁体をジョイントコネクタに組立てられる際の順番に基いて並設することができるので、絶縁体を積層する際にかかる手間などを抑制できる。絶縁体をジョイントコネクタに組立てられる際の順番に基いて並設することができるので、ジョイントコネクタを歩留まりを低下させることなく確実に組み立てることができる。
【０２５８】
請求項３に記載の本発明は、電絶縁体を互いに近づける方向に押圧する際に、圧接端子から剥離する方向の応力が電線に加わることを防止できる。したがって、絶縁体を互いに近づける方向に押圧する際に、電線が圧接端子から剥離することを防止でき、歩留まりを低下させることなくジョイントコネクタを組み立てることができる。
【０２５９】
請求項４に記載の本発明は、ジョイントコネクタを組み立てる際に必要な個数の絶縁体が並設されているか否かを判定することができる。したがって、絶縁体を積層する際にかかる手間などを抑制できることにくわえ、歩留まりを低下させることなくジョイントコネクタを組み立てることができる。
【０２６０】
請求項５に記載の本発明は、第１の判定工程が第１の押圧工程において押圧する方向に沿った絶縁体の幅と、ジョイントコネクタを構成する絶縁体の個数と、に基いてジョイントコネクタを組み立てる際に必要な個数の絶縁体が並設されているか否かを判定する。このため、ジョイントコネクタを組み立てる際に必要な個数の絶縁体を確実に並設することができる。したがって、歩留まりを低下させることなくジョイントコネクタを組み立てることができる。
【０２６１】
請求項６に記載の本発明は、第２の判定工程が係合部と係合受け部とが互いに係合した状態の絶縁体の幅と、ジョイントコネクタを構成する絶縁体の個数と、に基いてジョイントコネクタの良否を判定する。このため、組立られたジョイントコネクタが、確実に必要な個数の絶縁体を有しているか否かを判定することができる。したがって、歩留まりを低下させることなくジョイントコネクタを組み立てることができる。
【０２６２】
請求項７に記載の本発明は、保持治具が絶縁体を壁が互いに間隔を存した状態で並設し、加圧装置がこれら並設した絶縁体を互いに近づける方向に押圧するので、確実に絶縁体を積層することができる。このため、絶縁体を積層する際にかかる手間などを抑制できる。
【０２６３】
請求項８に記載の本発明は、絶縁体がジョイントコネクタに組立てられる際の順番に基いて並設されているか否かを確認手段が確認するので、絶縁体をジョイントコネクタに組立られる際の積層する順番通りに積層することができる。したがって、絶縁体をジョイントコネクタに組立てられる際の順番に基いて並設することができるので、絶縁体を積層する際にかかる手間などを抑制でき、かつ歩留まりを低下させることなくジョイントコネクタを組み立てることができる。
【０２６４】
請求項９に記載の本発明は、位置決め手段が加圧装置を保持治具に対し位置決めするので、加圧装置が保持治具に保持された絶縁体を確実に積層することができる。したがって、歩留まりを低下させることなくジョイントコネクタを組み立てることができる。
【０２６５】
請求項１０に記載の本発明は、制御手段が、位置決め手段が加圧装置を保持治具に対し所定の位置に位置決めしていない場合には加圧装置が絶縁体を互いに近づける方向に押圧することを規制する。このため、加圧装置が保持治具に装着されていない状態で駆動することを防止できる。さらに、加圧装置が確実に圧接ハウジングを押圧することができる。したがって、歩留まりを低下させることなくジョイントコネクタを組み立てることができる。
【０２６６】
請求項１１に記載の本発明は、絶縁体を互いに近づける方向に押圧する際に、圧接端子から剥離する方向の応力が電線に加わることを押圧方向規制手段が防止する。したがって、絶縁体を互いに近づける方向に押圧する際に、電線が圧接端子から剥離することを防止でき、歩留まりを低下させることなくジョイントコネクタを組み立てることができる。
【０２６７】
請求項１２に記載の本発明は、制御手段が、第１の押圧工程と第２の押圧工程とに分けて段階的に加圧装置を制御する。第１の判定工程でジョイントコネクタを組み立てる際に必要な個数の絶縁体が並設されているか否かを判定する。したがって、絶縁体を積層する際にかかる手間などを抑制できることにくわえ、歩留まりを低下させることなくジョイントコネクタを組み立てることができる。
【０２６８】
請求項１３に記載の本発明は、制御手段が、第１の押圧工程において押圧する方向に沿った絶縁体の幅と、ジョイントコネクタを構成する絶縁体の個数と、に基いてジョイントコネクタを組み立てる際に必要な個数の絶縁体が保持されているか否かを判定する。このため、ジョイントコネクタを組み立てる際に必要な個数の絶縁体を確実に並設することができる。したがって、歩留まりを低下させることなくジョイントコネクタを組み立てることができる。
【０２６９】
請求項１４に記載の本発明は、保持治具に所定の個数の絶縁体を保持させるまで、第２の押圧工程に進まないので、必要な個数の絶縁体を確実に積層することができる。したがって、絶縁体を積層する際にかかる手間などを抑制できることにくわえ、歩留まりを低下させることなくジョイントコネクタを組み立てることができる。
【０２７０】
請求項１５に記載の本発明は、制御手段が、係合部と係合受け部とが互いに係合した状態の絶縁体の幅と、ジョイントコネクタを構成する絶縁体の個数と、に基いてジョイントコネクタの良否を判定する。このため、組立られたジョイントコネクタが、確実に必要な個数の絶縁体を有しているか否かを判定することができる。したがって、歩留まりを低下させることなくジョイントコネクタを組み立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態にかかるハウジング合体装置の構成を示す斜視図である。
【図２】同実施形態のハウジング合体装置のハウジングセット治具を図１中の矢印ＩＩ方向から見た図である。
【図３】同実施形態のハウジング合体装置のハウジングセット治具を図１中の矢印ＩＩＩ方向から見た図である。
【図４】同実施形態のハウジング合体装置のハウジングセット治具を図１中の矢印ＩＶ方向から見た図である。
【図５】図２に示されたハウジングセット治具の帯状ゴムを図２中の矢印Ｖ方向から見た図である。
【図６】図２に示されたハウジングセット治具のガイド部材の一部を切り欠いた平面図である。
【図７】図２に示されたハウジングセット治具のホルダを示す側面図である。
【図８】図３中のＶＩＩＩ−ＶＩＩＩ線に沿った断面図である。
【図９】図２に示されたハウジングセット治具のガイド部材を位置決め解除位置に変位させた状態を示す図である。
【図１０】図２に示されたハウジングセット治具のホルダのレバー部材の係止を解除させた状態を示す図である。
【図１１】同実施形態のハウジング合体装置のＦＰ検知治具を示す平面図である。
【図１２】図１１中のＸＩＩ−ＸＩＩ線に沿った断面図である。
【図１３】図１１に示されたＦＰ検知治具が図２に示すハウジングセット治具に取り付けられた状態を示す側断面図である。
【図１４】図１１に示されたＦＰ検知治具が図２に示すハウジングセット治具に取り付けられた状態の要部を拡大して示す側断面図である。
【図１５】誤装着防止部に対応しない圧接ハウジングを装着した図２に示すハウジングセット治具に図１１に示されたＦＰ検知治具が取り付けられる状態を示す側断面図である。
【図１６】同実施形態のハウジング合体装置の加圧ユニットを示す平面図である。
【図１７】図１６中のＸＶＩＩ−ＸＶＩＩ線に沿った断面図である。
【図１８】図１６中の矢印ＸＶＩＩＩ方向からみた図である。
【図１９】図２に示されたハウジングセット治具に圧接ハウジングが装着された状態を示す平面図である。
【図２０】図２に示されたハウジングセット治具に圧接ハウジングが装着された状態を示す側面図である。
【図２１】図１９に示された状態のハウジングセット治具に図１６に示された加圧ユニットが装着された状態を示す平面図である。
【図２２】図１９に示された状態のハウジングセット治具に図１６に示された加圧ユニットが装着された状態を示す側面図である。
【図２３】図２１に示された加圧ユニットが加圧を開始した直後を示す平面図である。
【図２４】図２１に示された加圧ユニットが一次加圧を行った後を示す平面図である。
【図２５】図２１に示された加圧ユニットが二次加圧を行った後を示す平面図である。
【図２６】同実施形態のハウジング合体装置を用いてジョイントコネクタを組み立てる工程の一部を示すフローチャートである。
【図２７】（Ａ）は図２に示されたハウジングセット治具の変形例を示す図である。
（Ｂ）は図２７（Ａ）中の矢印ＸＸＶＩＩ方向から見た図である。
【図２８】同実施形態のハウジングセット治具に保持される圧接ハウジングに装着されるＪＣ用圧接端子を示す斜視図である。
【図２９】図２８に示されたＪＣ用圧接端子が互いに重ねられて相互に電気的に接続する状態を示す説明図である。
【図３０】図２８に示されたＪＣ用圧接端子が互いに並設されて相互に電気的に接続する状態を示す説明図である。
【図３１】図２８に示されたＪＣ用圧接端子が装着される圧接ハウジングを示す斜視図である。
【図３２】図３１に示された圧接ハウジングにＪＣ用圧接端子が圧入される状態を示す斜視図である。
【図３３】図３１に示された圧接ハウジングにＪＣ用圧接端子が保持された状態を示す斜視図である。
【図３４】図３３に示された圧接ハウジングに保持されたＪＣ用圧接端子に電線が圧接される状態を示す斜視図である。
【図３５】図３４に示された圧接ハウジングが互いに間隔を存して重ねられた状態を示す斜視図である。
【図３６】図３４に示された圧接ハウジングが互いに積層されて得られるジョイントコネクタを示す斜視図である。
【符号の説明】
１ ハウジング合体装置１（絶縁体合体装置）
２ ハウジングセット治具（保持治具）
３ ＦＰ検知治具（確認手段）
４ 電線
５ ジョイントコネクタ
６ 加圧ユニット（加圧装置）
７ 制御装置（制御手段）
３０ ＪＣ用圧接端子（圧接端子）
４０ 圧接ハウジング（絶縁体）
４２ａ 底壁（壁）
４４ 係合部
４５ 係合受け部
４７ａ 第１の面
４７ｂ 第２の面
８７ 突起（押圧方向規制手段）
８８ 位置決め凹部（位置決め手段）
１２１ 押圧片
１２３ｃ 位置決め凸部（位置決め手段）
１２４ 変位測定ユニット（測定手段）
１３７ アーム部（押圧方向規制手段）
Ｓ５ 一次加圧（第１の押圧工程）
Ｓ６ 第１の判定工程
Ｓ７ 二次加圧（第２の押圧工程）
Ｓ８ 第２の判定工程
Claims (15)
- 複数の圧接端子を互いに並設して保持する絶縁体を互いに積層してジョイントコネクタを組み立てる合体方法であって、
前記絶縁体は前記圧接端子を載置する第１の面を有する壁を備えており、
前記壁が互いに間隔を存した状態で前記絶縁体を装着するとともに互いに接離自在に設けられた複数のホルダを備えた保持治具を用いるとともに、
互いに離れた状態の前記ホルダに前記絶縁体を装着して、前記壁が互いに間隔を存した状態で前記絶縁体を並設し、
前記絶縁体を互いに近づける方向に押圧して、前記ホルダを互いに近づけて絶縁体を互いに積層してジョイントコネクタを組み立てることを特徴とする絶縁体合体方法。 - 前記絶縁体が、前記ジョイントコネクタに組み立てられる際に積層させる順番に基いて並設されているか否かを確認することを特徴とする請求項１記載の絶縁体合体方法。
- 前記圧接端子それぞれには電線が圧接されており、
前記絶縁体は、互いに隣り合うものの前記第１の面とこの第１の面の反対側に位置する第２の面とが互いに相対する状態で並設されるとともに、前記圧接端子から電線が前記壁に沿ってまたは前記第２の面側に向かって延在した状態で並設され、
前記絶縁体を互いに近づける方向に押圧する際に、一つの絶縁体の前記第２の面を、この第２の面に相対する他の絶縁体の第１の面に向かって近づけることを特徴とする請求項１または請求項２記載の絶縁体合体方法。 - 前記絶縁体は互いに係合可能な係合部と係合受け部とを備えており前記係合部と係合受け部とが互いに係合して前記ジョイントコネクタに組立られ、
前記絶縁体を互いに近づける方向に押圧する際に、前記係合部と係合受け部とが互いに係合していないとともに前記絶縁体同士が互いに接触するまで押圧する第１の押圧工程と、
前記係合部と係合受け部とが互いに係合するまで押圧する第２の押圧工程と、を含んだことを特徴とする請求項１ないし請求項３のうちいずれか一項に記載の絶縁体合体方法。 - 前記第１の押圧工程において、互いに接触するまで押圧された際に前記押圧する方向に沿った前記複数の絶縁体の幅と、組み立てるジョイントコネクタを構成する絶縁体の個数と、に基いて、組み立てるジョイントコネクタを構成する個数の絶縁体が並設されているか否かを判定する第１の判定工程を含んでいることを特徴とする請求項４記載の絶縁体合体方法。
- 前記第２の押圧工程において、係合部と係合受け部とが互いに係合するまで押圧された際に前記押圧する方向に沿った前記複数の絶縁体の幅と、組み立てるジョイントコネクタを構成する絶縁体の個数と、に基いて、組み立てられたジョイントコネクタの良否を判定する第２の判定工程を含んでいることを特徴とする請求項４または請求項５に記載の絶縁体合体方法。
- 複数の圧接端子を互いに並設して保持する絶縁体を互いに積層してジョイントコネクタを組み立てる合体装置であって、
前記絶縁体は前記圧接端子を載置する第１の面を有する壁を備えており、
前記壁が互いに間隔を存した状態で前記絶縁体を装着するとともに互いに接離自在に設けられた複数のホルダを備えて、互いに離れた状態の前記ホルダに前記絶縁体を装着して、前記壁が互いに間隔を存しかつ前記壁が互いに接離自在に前記絶縁体を保持する保持治具と、
前記保持治具に保持された絶縁体を互いに近づける方向に押圧する加圧装置と、を備えたことを特徴とする絶縁体合体装置。 - 前記保持治具に保持された絶縁体が、前記ジョイントコネクタに組み立てられる際の積層させる順番に基いて並設されているか否かを確認する確認手段を備えたことを特徴とする請求項７記載の絶縁体合体装置。
- 前記絶縁体を互いに近づける方向に押圧する際に、前記保持治具に対し前記加圧装置を位置決めする位置決め手段を備えたことを特徴とする請求項７または請求項８記載の絶縁体合体装置。
- 前記位置決め手段が前記保持治具に対し前記加圧装置を所定の位置に位置決めした場合には前記加圧装置が絶縁体を互いに近づける方向に押圧することを許容するとともに、前記位置決め手段が前記保持治具に対し前記加圧装置を所定の位置に位置決めしていない場合には前記加圧装置が絶縁体を互いに近づける方向に押圧することを規制する制御手段を備えたことを特徴とする請求項９記載の絶縁体合体装置。
- 前記圧接端子それぞれには電線が圧接されており、
前記絶縁体は、互いに隣り合うものの前記第１の面とこの第１の面の反対側に位置する第２の面とが互いに相対する状態で並設されるとともに、前記圧接端子から電線が前記壁に沿ってまたは前記第２の面側に向かって延在した状態で並設され、
前記絶縁体を互いに近づける方向に押圧する際に、一つの絶縁体の前記第２の面を、この第２の面に相対する他の絶縁体の第１の面に向かって近づけることを許容するとともに、前記一つ絶縁体の前記第１の面を、この第１の面に相対する他の絶縁体の第２の面に向かって近づけることを規制する押圧方向規制手段を備えたことを特徴とする請求項７ないし請求項１０のうちいずれか一項に記載の絶縁体合体装置。 - 前記絶縁体は互いに係合可能な係合部と係合受け部とを備えており前記係合部と係合受け部とが互いに係合して前記ジョイントコネクタに組立られ、
前記絶縁体を互いに近づける方向に押圧する際に、前記係合部と係合受け部とが互いに係合していないとともに前記絶縁体同士が互いに接触するまで押圧する第１の押圧工程と、前記係合部と係合受け部とが互いに係合するまで押圧する第２の押圧工程と、に分けて前記加圧装置を段階的に制御するとともに、前記第１の押圧工程と前記第２の押圧工程との間に前記保持治具に組み立てるジョイントコネクタを構成する個数の絶縁体が並設されているか否かを判定する第１の判定工程を行う制御手段を備えたことを特徴とする請求項７ないし請求項１１のうちいずれか一項に記載の絶縁体合体装置。 - 前記加圧装置は、互いに接離自在に設けられかつ前記絶縁体を互いに近づける方向に押圧する一対の押圧片と、前記絶縁体を互いに近づける方向に押圧する際に前記一対の押圧片相互間の間隔の変化を測定可能な測定手段と、を備えており、
前記制御手段は、前記第１の押圧工程において互いに接触するまで押圧された際に前記測定手段が測定した間隔の変化に基いて得られる前記押圧する方向に沿った前記複数の絶縁体の幅と、組み立てるジョイントコネクタを構成する絶縁体の個数と、に基いて、前記保持治具に組み立てるジョイントコネクタを構成する個数の絶縁体が並設されているか否かを判定することを特徴とする請求項１２に記載の絶縁体合体装置。 - 前記制御手段は、前記第１の押圧工程において前記保持治具に組み立てるジョイントコネクタを構成する個数の絶縁体が並設されていると判定した場合には前記第２の押圧工程に進むとともに、前記第１の押圧工程において前記保持治具に組み立てるジョイントコネクタを構成する個数の絶縁体が並設されていないと判定した場合には前記第２の押圧工程に進むことを規制することを特徴とする請求項１３に記載の絶縁体合体装置。
- 前記制御手段は、前記第２の押圧工程において係合部と係合受け部とが互いに係合するまで押圧された際に前記測定手段が測定した間隔の変化に基いて得られる前記押圧する方向に沿った前記複数の絶縁体の幅と、組み立てるジョイントコネクタを構成する絶縁体の個数と、に基いて、組み立てられたジョイントコネクタの良否を判定することを特徴とする請求項１４に記載の絶縁体合体装置。
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