JP3774304B2 - 陰極線管 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、カラー受像管などに適用される陰極線管に係り、特にダイナミックアスティグ補償を行う電子銃を搭載する陰極線管に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、カラー受像管は、図9に示すように、パネル101及びこのパネル101に一体に接合されたファンネル102からなる外囲器を有し、そのパネル101の内面に、青、緑、赤に発光するストライプ状あるいはドット状の3色蛍光体層からなる蛍光体スクリーン103(ターゲット)が形成され、この蛍光体スクリーン103に対向して、その内側に多数のアパーチャが形成されたシャドウマスク104が装着されている。一方、ファンネル102のネック105内に、3電子ビーム106B、106G、106Rを放出する電子銃107が配設されている。そして、この電子銃107から放出される3電子ビーム106B、106G、106Rを、ファンネル102の外側に装着された偏向ヨーク108の発生する水平偏向磁界及び垂直偏向磁界により偏向し、シャドウマスク104を介して蛍光体スクリーン103を水平走査、及び垂直走査することにより、カラー画像が表示される。
【0003】
このようなカラー受像管において、特に、電子銃107を同一水平面上を通るセンタービーム106G及びその両側の一対のサイドビーム106B、106Rからなる一列配置の3電子ビーム106B、106G、106Rを放出するインライン型電子銃とし、電子銃の主レンズ部分の低圧側と高圧側とのグリッドのサイドビーム通過孔の位置を偏心させることによって、スクリーン中央において3本の電子ビームを集中させ、偏向ヨーク108の発生する水平偏向磁界をピンクッション型、垂直偏向磁界をバレル型として、一列配置の3電子ビーム106B、106G、106Rを画面全域で自己集中するセルフコンバーゼンス方式インライン型カラー受像管が広く実用化されている。
【0004】
このような非斉一磁界中を通過した電子ビームは、非点収差を受け、例えば図10の(a)に示すように、ピンクッション型磁界10により電子ビーム106(106B、106G、106R)は、矢印11H、11V方向の力を受け、図10の(b)に示すように、蛍光体スクリーン周辺部上の電子ビームのビームスポット12は歪む。この電子ビームの受ける偏向収差は、電子ビームが垂直方向に過集束状態となるために起こるものであり、垂直方向に大きなハロー13(にじみ)が発生する。この電子ビームの受ける偏向収差は、管が大型になるほど、また広角偏向になるほど大きくなり、蛍光体スクリーン周辺部の解像度を著しく劣化する。
【0005】
このような偏向収差による解像度の劣化を解決する手段の一例が、特開昭61−99249号公報、特開昭61−250934号公報、さらに、特開平2−72546号公報に開示されている。これらの電子銃は、いずれも基本的に図11の(a)乃至(c)に示すように、第1〜第5グリッドG1〜G5からなり、電子ビームの進行方向に沿って電子ビーム発生部GE、4極子レンズQL、最終集束レンズELを形成するものである。各電子銃の4極子レンズQLは、それぞれ隣接電極G3、G4の対向面に、図11の(b)及び(c)に示すような各3個の非対称の電子ビーム通過孔14a、14b、14c、15a、15b、15cを設けることにより形成される。
【0006】
この4極子レンズQLと、最終集束レンズELが偏向ヨークの磁界の変化と同期して変化することによって、画面周辺に偏向される電子ビームが偏向磁界の偏向収差を受けて著しく歪むのを補正することができる。このようにして、画面全域における良好な形状のスポットが得られるというものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような補正手段を設けても、画面周辺での偏向ヨークによる偏向収差が強大で、電子ビームスポットの垂直方向のハロー部分を消すことができても、電子ビームスポットの横つぶれ現象までは補正することができない。
【0008】
この従来の電子銃のレンズ動作を図12に示す。ここで、実線は、画面中央に電子ビームが集束される時の電子ビームの軌道及びレンズ作用を示し、破線は、画面周辺に電子ビームが集束される時の電子ビームの軌道及びレンズ作用を示している。
【0009】
従来の電子銃では、図12に示すように、主電子レンズELのカソード側に4極子レンズQLが配置されており、電子ビームが画面中央にある時は、主電子レンズEL(実線)のみにより、電子ビームは画面上に集束される。一方、画面周辺に電子ビームが偏向されると、図中のDYLのように、偏向磁界によりDYレンズが発生する。一般に、カラー陰極線管の場合、セルフコンバーゼンス型の偏向磁界を持つので電子ビームの画面中央部及び画面周辺部での水平方向Hの集束状態は変わらず、垂直方向Vに発生する集束レンズのみを考慮すればよい。そのため、ここでは、セルフコンバーゼンス型の偏向磁界を考慮して図12には、水平方向の偏向磁界のレンズ作用は図示していない。また、主電子レンズELは、破線のように弱められ、その水平方向Hの集束作用を補うように4極子レンズQLが破線のように発生する。そして、図中の破線で示すような電子ビーム軌道を通り、画面周辺の画面上に集束される。
【0010】
この時、水平方向Hの電子ビームを集束させるレンズ主面すなわち仮想的なレンズ中心(出射ビーム軌道と画面入射ビーム軌道のクロス点)は、電子ビームが画面中央にある時には、主面Aの位置にあり、電子ビームが画面周辺に偏向されて4極子レンズQLが発生すると、水平方向Hの主面の位置は、主電子レンズELと、4極子レンズQLの間の位置Bに移動する。また、垂直方向Vの主面の位置は、主面Aから主面Cの位置に移動する。したがって、水平方向Hの主面位置は、主面Aから主面Bに後退し、倍率が大きくなる。すなわち、ビーム径を水平方向に拡大して太らせるように作用する。また、垂直方向Vの主面Aは、主面Cへと前進し、倍率が小さくなる。すなわち、ビーム径を垂直方向に縮小してつぶすように作用する。そのため、結果的に水平方向と垂直方向で倍率差が発生し、画面周辺での電子ビームスポットが水平方向に横長になってしまう。
【0011】
この発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、画面周辺に電子ビームを集束させた際に発生する水平方向と垂直方向とのレンズ倍率の差による電子ビームの横つぶれ現象を軽減することにより、画面全域における良好な画像特性を得ることが可能な陰極線管を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記問題点に基づきなされたもので、
少なくとも1本の電子ビームを形成、射出する電子ビーム形成部、及びこの電子ビームを加速集束させる主電子レンズ部を有する電子銃と、この電子銃から放出した電子ビームを画面上の水平方向及び垂直方向に偏向走査する偏向磁界を発生する偏向ヨークとを少なくとも備えた陰極線管において、
前記主電子レンズ部は、中位の電圧が供給されるフォーカス電極と、陽極電圧が供給される電極とを含む複数の電極からなり、これらの2つの電極の間に、略同電位の電圧が供給される少なくとも2つの中間電極が配置され、前記フォーカス電極と前記フォーカス電極側の中間電極との間の第1レンズ領域と、前記陽極電圧が供給される電極とこの電極側の中間電極との間の第3レンズ領域と、これら少なくとも2つの中間電極の間の第2レンズ領域と、からなり、前記第1レンズ領域及び前記第3レンズ領域からなる主電子レンズを含むとともに、第2レンズ領域内に、電子ビームの進行方向に直交した水平方向、及び垂直方向において、前記水平方向に対する前記垂直方向の集束力が相対的に異なる非対称レンズを形成するための非対称レンズ形成手段を具備し
前記主電子レンズは、前記偏向磁界に同期して電子ビームが画面中央部から画面周辺部に偏向されるに従い、前記フォーカス電極に供給される電圧を前記陽極電圧に近づけることで水平方向及び垂直方向の集束力が弱まるのに対して、
前記偏向磁界に同期して電子ビームが画面中央部から画面周辺部に偏向されるに従い、前記非対称レンズ形成手段により非対称レンズが発生し、そのレンズ作用が増大することを特徴とする陰極線管を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明に係る陰極線管の実施の形態について詳細に説明する。
この発明の陰極線管の一例としてのカラー受像管は、図9に示すように、パネル101及びこのパネル101に一体に接合されたファンネル102からなる外囲器を有している。このパネル101の内面には、青、緑、赤に発光するストライプ状あるいはドット状の3色蛍光体層からなる蛍光体スクリーン103(ターゲット)が形成され、この蛍光体スクリーン103に対向して、その内側に多数のアパーチャが形成されたシャドウマスク104が装着されている。一方、ファンネル102のネック105内に、3電子ビーム106B、106G、106Rを放出する電子銃107が配設されている。ファンネル102の外側には、電子ビームの進行方向に対して直交する水平方向に水平偏向磁界を形成し、電子ビームの進行方向に対して直交する垂直方向に垂直方向磁界を形成する偏向ヨーク108が装着されている。
【0014】
そして、この電子銃107から放出される3電子ビーム106B、106G、106Rを、偏向ヨーク108の発生する水平偏向磁界及び垂直偏向磁界により水平方向及び垂直方向に偏向し、シャドウマスク104を介して蛍光体スクリーン103を水平走査、及び垂直走査することにより、カラー画像が表示される。
【0015】
このカラー受像管においては、同一水平面上を通るセンタービーム106G及びその両側の一対のサイドビーム106B、106Rからなる一列配置の3電子ビーム106B、106G、106Rを放出するインライン型電子銃が適用されている。この電子銃107の主レンズ部分の低圧側と高圧側とのグリッドのサイドビーム通過孔の位置を偏心させることによって、スクリーン中央において3本の電子ビームを集中させ、偏向ヨーク108の発生する水平偏向磁界をピンクッション型、垂直偏向磁界をバレル型として、一列配置の3電子ビーム106B、106G、106Rを画面全域で自己集中している。
【0016】
図1の(a)及び(b)は、この発明の一実施の形態を示す陰極線管の電子銃部分の概略断面図である。
図1の(a)において、ヒータ(図示せず)を内装した電子ビームを発生する3個の陰極KB、KG、KR、第1グリッド1、第2グリッド2、第3グリッド3、第4グリッド4、第5グリッド5、第6グリッド6、第7グリッド7、第8グリッド8、及びコンバーゼンスカップCがこの順に配置され、絶縁支持体(図示せず)により支持固定されている。
【0017】
第1グリッド1は、薄い板状電極であり、径小の3個の電子ビーム通過孔が穿設されている。第2グリッド2も薄い板状電極であり、径小の3個の電子ビーム通過孔が穿設されている。第3グリッド3は、一個のカップ状電極31と厚板電極32とが組み合わされ、第2グリッド2側には、第2グリッド2の電子ビーム通過孔よりもやや径大の3個の電子ビーム通過孔が穿設され、第4グリッド4側には、径大の3個の電子ビーム通過孔が穿設されている。第4グリッド4は、2個のカップ状電極41、42の開放端を突き合わせてあり、それぞれ径大の3個の電子ビーム通過孔が穿設されている。
【0018】
第5グリッド5は、電子ビーム通過方向に長い2個のカップ状電極51a、51b、3個の電子ビーム通過孔が穿設された板状電極52、及び3電子ビームに共通の開口を持つ図3の(d)に示すような筒状電極53から構成され、第5グリッド5は、第6グリッド側から見ると図3の(a)に示すような形状に構成されている。
【0019】
第6グリッド6は、3電子ビームに共通の開口を持つ図3の(d)に示すような筒状電極61、3個の電子ビーム通過孔が穿設されている板状電極62の順で構成され、この板状電極62の第7グリッド側には、図3の(b)に示すような3個の電子ビーム通過孔の上下に電子ビーム進行方向に伸びたひさし状電極206a、206bが一体成形されている。
【0020】
第7グリッド7は、第6グリッド側に図3の(c)に示すような3個の電子ビーム通過孔の左右に、電子ビーム進行方向に伸びたひさし状電極207a、207b、207c、207d、207e、207fが一体成形された板状電極72、3電子ビームに共通の開口を持つ図3の(d)に示すような筒状電極71の順に配置されており、このような構造とすることにより、第6グリッド6と第7グリッド7との間に強力な4極子レンズを形成させている。
【0021】
第8グリッド8は、3電子ビームに共通の開口を持つ図3の(d)に示すような筒状電極81、3個の電子ビーム通過孔が穿設されている板状電極82の順で配置され、第8グリッドを第7グリッド側から見ると、図3の(a)に示したような第5グリッド5と略同様の形状となっている。
【0022】
そして、図1の(b)に示すように、3個の陰極KB、KG、KRには、約100乃至150V程度の電圧EKが印加され、、第1グリッド1は、接地されている。また、第2グリッド2及び第4グリッド4には、約600乃至800V程度の電圧EC2が印加され、第3グリッド3及び第5グリッド5には、偏向磁界に同期して変化する約6乃至9KV程度の集束電圧(Vf1+Vd1)が印加されている。第8グリッド8には、約25乃至30KV程度の陽極電圧Ebが印加され、第6グリッド6及び第7グリッド7には、第8グリッド8と第5グリッド5とのほぼ中間の電圧が印加されている。例えば、第6グリッド6には、約12乃至26KV程度の電圧(Vf2+Vd2)が印加され、第7グリッド7には、約12乃至26KV程度の電圧Vf2が印加される。
【0023】
このように、第5グリッド5と第8グリッド8との間で中間電極すなわち第6グリッド6及び第7グリッド7により電界拡張されたレンズ系は、主電子レンズを形成し、長焦点の大口径レンズとなる。これにより、スクリーン上でより小さい電子ビームスポットを再現することができる。
【0024】
図2の(a)には、第5グリッド5乃至第8グリッド8によって形成される主電子レンズ部の概略的な構成が示され、図2の(b)には、これらの各グリッドに印加される電圧の様子が示されている。ここで、実線は、電子ビームが画面中央にある場合の電圧配置を示し、破線は、電子ビームが画面周辺にある場合の電圧配置を示している。
【0025】
第5グリッド5には、電圧Vf1を基準として電子ビームを画面周辺に集束する際にパラボラ状のダイナミック電圧Vd1が印加されている。第6グリッド6には、電圧Vf2を基準として電子ビームを画面周辺に集束する際にパラボラ状のダイナミック電圧Vd2が印加されている。第7グリッド7には、電圧Vf2の電圧が印加され、第8グリッド8には、陽極電圧Ebが印加されている。
【0026】
図7は、この時の主電子レンズのレンズ作用と、このレンズ作用による電子ビーム軌道とを示す図である。ここで、実線は、画面中央に電子ビームが集束される時の電子ビーム軌道及びレンズ作用を示し、破線は、画面周辺に電子ビームが集束される時の電子ビーム軌道及びレンズ作用を示している。
【0027】
図7に示すように、この発明の陰極線管に適用される電子銃では、4極子レンズQL1は、主電子レンズELのほぼ中心に位置するように形成される。
すなわち、図2の(b)に示すように、電子ビームが画面中央から画面周辺に偏向されるにしたがい、第5グリッド5には、電圧Vf1にダイナミック電圧Vd1が重畳された電圧が印加され、第5乃至第8グリッド間の電位差が小さくなり、第5乃至第8グリッドで形成される電界拡張型の主電子レンズELは、実線から破線の如く弱められる。
【0028】
また、電子ビームが画面中央に集束される際、第6グリッド6及び第7グリッド7には、ともに同電位の直流電圧Vf2が印加されており、電位差が生じていないが、電子ビームが画面中央から画面周辺に偏向されるにしたがい、図2の(b)に示されるように、第6グリッド6のみに交流電圧Vd2が印加される。この交流電圧Vd2により、第6グリッド6と、第7グリッド7との間に電位差が生じ、4極子レンズQL1が動作される。この時、4極子レンズQL1は、図7に示すように、主電子レンズELの内部に形成される。
【0029】
すなわち、第6グリッド6と、第7グリッド7との間に配置された4極子レンズQL1は、第6グリッド6に印加される交流電圧Vd2によって生じた電位差により動作される。そして、4極子レンズQL1は、電子ビームが画面中央から画面周辺に偏向されるにしたがい、図7中の破線で示すように、水平方向Hに集束作用、また、垂直方向Vに発散作用が発生する。
【0030】
なお、図7においては、図12と同様に、カラー陰極線管の場合、セルフコンバージェンス型の偏向磁界を持つので電子ビームの画面中央部及び画面周辺部での水平方向Hの集束状態は変わらず、垂直方向Vに発生する集束レンズのみを考慮すればよい。ここでは、セルフコンバージェンス型の偏向磁界を考慮して水平方向の偏向磁界のレンズ作用は図示していない。
【0031】
そして、主電子レンズELと4極子レンズQL1との動作により水平方向の集束力を保存している。すなわち、この主電子レンズELは、画面周辺に電子ビームが偏向されると全体的に弱められ、水平方向において、4極子レンズQL1のレンズ動作を打ち消すように動作する。
【0032】
このとき、電子ビームの軌道は、図7に示すように、垂直方向には破線で示されるような軌道となるが、水平方向の電子ビーム軌道は、4極子レンズQL1の位置と主電子レンズELの位置とがほぼ一致しているため、画面中央に電子ビームが集束される場合と変わらない。
【0033】
したがって、水平方向Hにおける電子ビームを集束されるレンズ主面すなわち仮想的なレンズ中心(出射ビーム軌道と画面入射ビーム軌道とのクロス点)は、電子ビームが画面中央にある時と画面周辺に偏向された時とで変わらない。すなわち、画面周辺に電子ビームを集束させる時のレンズの主面B’の位置は、画面中央に電子ビームを集束させる時のレンズの主面A’の位置に等しい。
【0034】
このため、電子ビームを画面周辺に集束した際、主面の位置が実質的に移動しないので、水平方向の倍率は、大きくならない。これにより、4極子レンズQL1及び主電子レンズELを通過する電子ビームに対して、ビーム径を水平方向に極端に拡大して太らせるような作用を抑制できる。
【0035】
また、垂直方向Vにおいては、DYレンズが発生した分、主面の位置C’は、スクリーンSCN側に前進するが、図12に示したような従来の電子銃の場合と比較すると、従来の主面位置Cよりも手前側すなわちカソード側となる。すなわち、図12に示したような従来の電子銃では、4極子レンズQLが主電子レンズELよりもカソード側に位置し、その4極子レンズQLにより垂直方向Vは発散され、電子ビーム軌道は主電子レンズELより中心軸から離れた位置を通過するため、その分、主面の位置Cは、よりスクリーン側に前進していたが、図7に示したような電子銃では、主電子レンズELの内部に4極子レンズQL1を持っているため、主電子レンズELを通過する電子ビームの軌道は、4極子レンズQL1によって変化されず、その分、垂直方向における主面の移動後の位置すなわち主面C’の位置は、従来の電子銃の主面位置Cよりも手前側すなわちカソード側となる。
【0036】
このため、電子ビームを画面周辺に集束する際、主面の位置がスクリーン側に前進するが、4極子レンズQL1が主電子レンズELよりカソード側に配置された場合に比べて前進する移動量が小さいため、垂直方向の倍率は、従来の電子銃に比べて、小さくならない。これにより、4極子レンズQL1及び主電子レンズELを通過する電子ビームに対して、ビーム径を垂直方向に極端に縮小してつぶすような作用を抑制できる。すなわち、画面周辺での電子ビームの垂直方向の径は、あまりつぶされない。
【0037】
このように、4極子レンズを主電子レンズの内部に配置することにより、画面周辺に電子ビームを集束する際、水平方向Hにおけるレンズの主面が実質的に移動しないため、電子ビームのビーム径状を変形させる作用を抑制でき、また、垂直方向Vにおけるレンズの主面がスクリーン側に前進する移動量を抑えることができるため、電子ビームのビーム径状を垂直方向につぶすような作用を軽減できる。
【0038】
したがって、従来の電子銃に比べ、この発明による電子銃の画面周辺での水平方向及び垂直方向の主面位置の移動量が少なく、その分、画面周辺での電子ビームの水平方向への横つぶれ現象が軽減され、より丸い形状の電子ビームを得ることができる。
【0039】
よって、この電子銃を陰極線管に適用することにより、画面周辺での横つぶれを抑え、より画面全域で良好な解像度を有する陰極線管を提供することが可能となる。
【0040】
以上、この発明の一実施の形態について説明したが、上述した例に限定されるものではない。
例えば、この実施の形態では、第6グリッド6と第7グリッド7との間に配置される4極子レンズは、電子ビーム通過孔の上下、左右にひさし状の電極を設けた4極子レンズであったが、この形状に限定されず、例えば図4の(a)及び(b)に示されるような横長孔、縦長孔を有する板状電極301、302の組み合わせによる4極子レンズを用いてもよい。また、このような4極子レンズとして、図5の(a)及び(b)に示されるような電子ビーム通過孔の円弧に沿った上下のひさし電極303a、303b、303c、303d、303e、303fを有する板状電極303と、左右のひさし電極304a、304b、304c、304d、304e、304fを有する板状電極304とを組み合わせた4極子レンズであってもよい。すなわち、4極子レンズとしては、水平方向及び垂直方向のレンズ強度に差を生じさせることが可能な構造であればよい。また、そのレンズ強度も強ければ強いほどよい。
【0041】
また、第5グリッド5、及び第8グリッド8に配置された板状電極の開口形状も上述した実施の形態に限定されず、例えば図4の(c)に示されるようなセンター孔を縦長楕円形状とし、サイド孔を略三角形のおむすび形状とした板状電極305を適用し、筒状電極により発生するサイド電子ビームの受ける電子レンズのコマ収差を補正するような形状としてもよい。
【0042】
さらに、この電子銃に適用される筒状電極も、上述した実施の形態の形状に限定されず、図4の(d)に示すような断面が略四角形状の筒状電極306としてもよい。
【0043】
また、主電子レンズの各電極の対向面を形成する電極も、図1に示した電子銃に適用された形状に限定されず、図6に示したように、第5乃至第8グリッドにおいて、厚板電極に個別の電子ビーム通過孔が形成されたものであっても、図1に示したような電子銃と同様の効果を得ることが可能である。
【0044】
さらに、主電子レンズの構成も、図7に示したような構成に限定されず、例えば図8に示したように、内部に4極子レンズが配置された主電子レンズ(EL+QL1)の両側に、さらに4極子成分SQL1、SQL2を持たせた場合であっても図7に示したような構成の主電子レンズと同様の効果を得ることが可能である。
【0045】
またさらに、図1に示した構成の電子銃では、各グリッドには個別に電圧が与えられていたが、この点に関してもこの例に限定されるものではなく、例えば抵抗器により陽極電圧を分割した電圧を各グリッドに与えてもよく、また、第6グリッド及び第7グリッドに与えられている電圧を同電位としたが、これに限定されるものではない。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、少なくとも1本の電子ビームを形成、射出する電子ビーム形成部、及びこの電子ビームを加速集束させる主電子レンズ部を有する電子銃と、この電子銃から放出した電子ビームを画面上の水平方向及び垂直方向に偏向走査する偏向磁界を発生する偏向ヨークとを少なくとも備えた陰極線管において、
前記主電子レンズ部は、前記主電子レンズを形成する連続的な電位空間の中に、電子ビームの直進方向に直交した水平方向及び垂直方向にそれそれ集束力の異なる非対称レンズが形成され、この非対称レンズ、及び主電子レンズは、前記偏向磁界に同期して変化し、前記主電子レンズは、前記電子ビームが前記偏向磁界により、画面中央部から画面周辺部に向かうにしたがい、集束力が弱まるのに対して、前記非対称レンズは、水平方向に集束作用、垂直方向に発散作用を持つように働くように構成された陰極線管を提供することができる。
【0047】
このような構成とすることで、4極子レンズは、主電子レンズの略中心付近に位置するため、電子ビームが画面中央にある時と、画面周辺にある時とで、水平方向の電子ビーム軌道は、4極子レンズの位置と主電子レンズの位置が略一致していることにより変化しない。つまり、水平方向の電子ビームを集束させるレンズ主面すなわち仮想的なレンズ中心(出射ビーム軌道と画面入射ビーム軌道とのクロス点)は、電子ビームが画面中央にある時と画面周辺に偏向された時とで変わらず、従来の電子銃で発生した水平方向の主面の後退による画面周辺の電子ビームの水平方向の横つぶれ現象を軽減させることができ、より画面全域で良好な解像度を持つ陰極線管を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1の(a)は、この発明の陰極線管に適用される電子銃の水平方向の断面図であり、図1の(b)は、この電子銃の垂直方向の断面図である。
【図2】図2の(a)は、図1に示した電子銃の主電子レンズの構成を概略的に示す図であり、図2の(b)は、この電子銃の主電子レンズの各グリッドに印加される電圧レベルの様子を示す図である。
【図3】図3の(a)は、図1に示した電子銃に適用される筒状電極をスクリーン側から見た正面図であり、図3の(b)は、この電子銃に適用される板状電極をスクリーン側から見た正面図であり、図3の(c)は、この電子銃に適用される板状電極をカソード側から見た正面図であり、図3の(d)は、この電子銃に適用される筒状電極をカソード側から見た正面図である。
【図4】図4の(a)及び(b)は、横長孔、及び縦長孔の板状電極を組み合わせて形成される4極子レンズの他の例を示す図であり、図4の(c)は、この発明の電子銃に適用される板状電極の他の例を示す図であり、図4の(d)は、この発明の電子銃に適用される筒状電極の他の例を示す図である。
【図5】図5の(a)及び(b)は、円弧に沿った上下、左右にひさしを有する形状の電極を組み合わせて形成される4極子レンズの他の例を示す図である。
【図6】図6の(a)は、この発明の陰極線管に適用される他の電子銃の水平方向の断面図であり、図6の(b)は、この電子銃の垂直方向の断面図である。
【図7】図7は、図1に示した電子銃による電子ビームの軌道とレンズ動作を説明するための図である。
【図8】図8は、この発明に係る他の電子銃による電子ビームの軌道とレンズ動作を説明するための図である。
【図9】図9は、この発明の陰極線管の一例としてのセルフコンバーゼンス方式インライン型カラー受像管の概略的な構造を示す断面図である。
【図10】図10の(a)及び(b)は、ピンクッション型の偏向磁界による電子ビームの横つぶれ現象を説明するための図である。
【図11】図11の(a)は、従来の電子銃の構造を示す断面図であり、図11の(b)及び(c)は、この電子銃に適用される4極子レンズを構成する板状電極を示す正面図である。
【図12】図12は、従来の電子銃による電子ビームの軌道とレンズ動作を説明するための図である。
【符号の説明】
5…第5グリッド
6…第6グリッド
7…第7グリッド
8…第8グリッド
101…パネル
102…ファンネル
103…蛍光体スクリーン
104…シャドウマスク
105…ネック
106…電子ビーム
107…電子銃
108…偏向ヨーク

Claims (2)

  1. 少なくとも1本の電子ビームを形成、射出する電子ビーム形成部、及びこの電子ビームを加速集束させる主電子レンズ部を有する電子銃と、この電子銃から放出した電子ビームを画面上の水平方向及び垂直方向に偏向走査する偏向磁界を発生する偏向ヨークとを少なくとも備えた陰極線管において、
    前記主電子レンズ部は、中位の電圧が供給されるフォーカス電極と、陽極電圧が供給される電極とを含む複数の電極からなり、これらの2つの電極の間に、略同電位の電圧が供給される少なくとも2つの中間電極が配置され、前記フォーカス電極と前記フォーカス電極側の中間電極との間の第1レンズ領域と、前記陽極電圧が供給される電極とこの電極側の中間電極との間の第3レンズ領域と、これら少なくとも2つの中間電極の間の第2レンズ領域と、からなり、前記第1レンズ領域及び前記第3レンズ領域からなる主電子レンズを含むとともに、第2レンズ領域内に、電子ビームの進行方向に直交した水平方向、及び垂直方向において、前記水平方向に対する前記垂直方向の集束力が相対的に異なる非対称レンズを形成するための非対称レンズ形成手段を具備し
    前記主電子レンズは、前記偏向磁界に同期して電子ビームが画面中央部から画面周辺部に偏向されるに従い、前記フォーカス電極に供給される電圧を前記陽極電圧に近づけることで水平方向及び垂直方向の集束力が弱まるのに対して、
    前記偏向磁界に同期して電子ビームが画面中央部から画面周辺部に偏向されるに従い、前記非対称レンズ形成手段により非対称レンズが発生し、そのレンズ作用が増大することを特徴とする陰極線管。
  2. 少なくとも1本の電子ビームを形成、射出する電子ビーム形成部、及びこの電子ビームを加速集束させる主電子レンズ部を有する電子銃と、この電子銃から放出した電子ビームを画面上の水平方向及び垂直方向に偏向走査する偏向磁界を発生する偏向ヨークとを少なくとも備えた陰極線管において、
    前記主電子レンズ部は、中位の電圧が供給されるフォーカス電極と、陽極電圧が供給される電極とを含む複数の電極からなり、これらの2つの電極の間に、略同電位の電圧が供給される少なくとも2つの中間電極が配置され、前記フォーカス電極と前記フォーカス電極側の中間電極との間の第1レンズ領域と、前記陽極電圧が供給される電極とこの電極側の中間電極との間の第3レンズ領域と、これら少なくとも2つの中間電極の間の第2レンズ領域と、からなり、前記第1レンズ領域及び前記第3レンズ領域からなる主電子レンズを含むとともに、第2レンズ領域内に、電子ビームの進行方向に直交した水平方向、及び垂直方向において、前記水平方向に対する前記垂直方向の集束力が相対的に異なる非対称レンズを形成するための非対称レンズ形成手段を有し、
    前記非対称レンズと前記主電子レンズは前記偏向磁界に同期してレンズ作用が変化し、電子ビームが前記偏向磁界により画面中央部から画面周辺部に向かうに従い、前記フォーカス電極に供給される電圧を前記陽極電圧に近づけることで、前記主電子レンズは、水平方向及び垂直方向の集束力が弱まるのに対して、前記第2レンズ領域に非対称レンズが発生し、電子ビームが画面中央部から画面周辺部に偏向されるに従い、相対的に水平方向に集束作用、垂直方向に発散作用として働くレンズ作用が増大することを特徴とする陰極線管。
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