JP3774105B2 - 包装材とその製造方法、および包装袋 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、風合いが柔軟で、内容物が容易にずれたりすることのない、あるいは包装作業中に滑ったり、包装後の包装物自体が滑ったりすることのない生理用ナプキン、パンティシールド、紙おむつなどの衛生材料、贈答品、使い捨てカイロ、乾燥剤、脱臭剤などに好適な包装材および包装袋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より包装材として、不織布、あるいは不織布とフィルムの積層物が利用されており、風合いの柔らかいものとして、例えば、特開平7−243200号公報には、鞘芯型複合繊維にて形成された不織布とパルプ等からなる紙材の2層構造の包装紙が提案され、特開平8−52843号公報には、スパンボンド不織布とパルプ繊維からなる紙シートを交絡、一体化した複合不織布の片面にポリオレフィン系合成樹脂フィルムを接合した包装資材が提案され、特開平10−156986号公報には、パルプ繊維を主体とする湿式スパンレース不織布を不織布などのシート体と貼合積層した包装材が提案されている。また、包装袋として、例えば、特公平5−56912号公報には、不織布厚さ、繊維体積分率を規定したスパンボンド不織布からなる使い捨てカイロが提案され、特開平2−251652号公報には、ポリエチレンテレフタレートなどのエステル系重合体/ポリエチレンなどのオレフィン系重合体からなる芯/鞘型複合繊維を含有する部分的融着処理した使い捨てカイロや乾燥剤などの通気性包装袋に好適なヒートシール性に優れた不織布が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の包装材には、以下の問題点がある。例えば、特開平8−52843号公報や特開平10−156986号公報では、スパンレース処理により三次元的絡合を施しているので、パルプ繊維のみからなる紙に比べて風合いは改善されるものの、角立ちは解消されず、ボリューム感がなく高級感にも欠ける。また、特開平7−243200号公報、特公平5−56912号公報、あるいは特開平2−251652号公報では、芯鞘型複合繊維あるいは熱可塑性長繊維を熱接着させただけなので、風合い自体が硬くなり、角立ちを生じる。さらに、上記の包装材は、通常のパルプ繊維、あるいは合成繊維を使用しているため、内容物が容易にずれたり、包装作業中に内容物や不織布自体が滑ったり、使い捨てカイロや乾燥剤のようにある場所に固定して使用する場合に包装物自体が容易に滑って固定できなかったりするという問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる実情を鑑みてなされたものであり、不織布の少なくとも片面において、JIS−P−8147(紙及び板紙の摩擦係数試験方法)により測定される静摩擦係数が0.35以上とすることより、風合いが柔軟で、内容物が容易にずれたりすることのない、あるいは包装作業中に不織布が滑ったり、包装後の包装物自体が滑ったりすることのない包装材を得ることを見い出し本発明に至った。
【0005】
本発明において、前記不織布は、構成繊維が三次元的絡合していることが望ましい。また、熱接着性繊維を含有し、繊維相互が熱接着していることが望ましい。
【0006】
本発明において、前記不織布は、(メタ)アクリル酸エステルを5〜30mass%、アクリル酸、メタクリル酸およびマレイン酸から選ばれた少なくとも1種類のエチレンカルボン酸を0〜10mass%を含有し、それらの合計が5〜30mass%のエチレンカルボン酸系モノマーと、エチレン95〜70mass%とからなるエチレン系共重合体成分が繊維表面の少なくとも50%を占めてなる高摩擦性合成繊維を30mass%以上含有することが望ましい。さらに、前記高摩擦性合成繊維は、エチレン系共重合体成分を第1成分とし、融点が第1成分の融点より20℃以上高い熱可塑性重合体成分を第2成分とし、第1成分が繊維表面の少なくとも50%を占めてなる複合繊維であることが望ましい。
【0007】
また、前記不織布は、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、及びポリオレフィン系エラストマーから選ばれた少なくとも1種類からなるエラストマー成分が繊維表面の少なくとも50%を占めてなる高摩擦性合成繊維を30mass%以上含有することが望ましい。さらに、前記高摩擦性合成繊維は、エラストマー成分を第1成分とし、非エラストマー成分を第2成分とし、第1成分が繊維表面の少なくとも50%を占めてなる複合繊維であることが望ましい。
【0008】
そして、前記不織布は、高摩擦性合成繊維を溶融させて構成繊維相互を熱接着していることが望ましい。
【0009】
本発明の包装材は、高摩擦性合成繊維を30mass%以上含有する繊維ウェブの少なくとも片面に高速流体流を噴射し、構成繊維を三次元的絡合させることにより製造できる。
【0010】
本発明において、前記不織布の少なくとも一部がシーリング処理されて袋状物を形成させることにより、内容物が容易にずれたりすることのない、あるいはある場所に固定して使用する場合に包装物が容易に滑らない包装袋を得ることができる。
以下、本発明の内容を具体的に説明する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の包装材は、不織布の少なくとも片面において、JIS−P−8147(紙及び板紙の摩擦係数試験方法)により測定される静摩擦係数が0.35以上となるように設定される。上記範囲を満たす不織布としては、例えば、アクリル系接着剤やウレタン系接着剤などのようにゴム的弾性を有する接着剤により繊維相互を接着した不織布、あるいは高摩擦性合成繊維を含有する不織布などが挙げられが、なかでも、柔軟な風合いを得るには、高摩擦性合成繊維を少なくとも30mass%含有する不織布を用いるのが好ましい。より好ましい高摩擦性合成繊維の含有量は少なくとも50mass%である。高摩擦性合成繊維の含有量が30mass%未満であると、滑り止め性能が十分でなく、使用時に十分な滑り止め効果が得られないからである。
【0012】
前記高摩擦性合成繊維としては、(メタ)アクリル酸エステルを5〜30mass%、アクリル酸、メタクリル酸およびマレイン酸から選ばれた少なくとも1種類のエチレンカルボン酸を0〜10mass%を含有し、それらの合計が5〜30mass%のエチレンカルボン酸系モノマーと、エチレン95〜70mass%とからなるエチレン系共重合体成分、具体的には、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル−アクリル酸共重合体、あるいはエチレン−酢酸ビニル共重合体成分、エラストマー成分としては、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマーなどが挙げられる。上記成分のうち、エチレンカルボン酸系モノマーとエチレンとからなるエチレン系共重合体成分が、低融点であり、繊維自体の摩擦抵抗が大きく、不織布加工工程性に優れ、好ましい。エチレン共重合体成分において、エチレンカルボン酸系モノマーの含有量は、5〜30mass%であることが好ましい。より好ましくは、10〜25mass%である。共重合体成分中のエチレンカルボン酸系モノマーの割合が多いほど、摩擦抵抗が大きくなるが、含有量が30mass%を超えると、ゴム的性質が強くなり、カード通過性などの工程性に劣る。また、含有量が5mass%未満であると、摩擦抵抗が小さくなり、不織布にしたときに所望の静摩擦係数を得ることが困難となるからである。
【0013】
また、高摩擦性合成繊維の繊維形態としては特に限定はされず、単一繊維、上記成分を少なくとも1成分とする並列型、鞘芯型、偏心鞘芯型、分割型、海島型などの断面を有する複合繊維、異形断面繊維、中空繊維などいずれであってもよく、繊維表面の少なくとも50%を占めるように配置するとよい。特に、前記エチレン系共重合体成分を第1成分とし、融点が第1成分の融点より20℃以上高い熱可塑性重合体成分を第2成分とし、第1成分が繊維表面の少なくとも50%を占めてなる複合繊維は、紡糸性、延伸性などの繊維製造工程性や不織布製造工程性に優れるとともに、エチレン共重合体成分を熱接着成分として用いることができ、好ましい。エチレン共重合体成分を熱接着させると、不織布強力は向上するが、摩擦抵抗は低下する傾向にあるので、繊維の含有量や熱接着条件を目的に応じて調整するとよい。
【0014】
また、エラストマー成分を第1成分とし、非エラストマー成分を第2成分とし、第1成分が繊維表面の少なくとも50%を占めてなる複合繊維としても、紡糸性、延伸性などの繊維製造工程性や不織布製造工程性に優れるので、好ましい。この場合でも、融点が第1成分の融点より20℃以上高い非エラストマー成分を第2成分に使用すると、エラストマー成分を熱接着成分として利用することができる。上記を満たす非エラストマー成分としては、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系成分、ナイロン6やナイロン6.6などのポリアミド系成分、ポリプロピレンやポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系成分などが挙げられ、特にエラストマー成分と非エラストマー成分は同族系成分の組み合わせの方が生産性に優れるので好ましい。
【0015】
本発明の不織布における高摩擦性合成繊維以外に混合される他の素材としては、特に限定はされず、コットン、ウール、シルクなどの天然繊維、レーヨン、リヨセルなどの再生繊維、アクリル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維などの合成繊維、あるいは抗菌性繊維や消臭性繊維などの機能性繊維が挙げられる。例えば、レーヨンやコットンなど吸水性のある繊維を20mass%以上混合すると、余分な水や汗を吸う点で効果的である。また抗菌性繊維等の機能性繊維を20mass%以上混合すると、抗菌や防臭等の機能も付与することができる。それ以外にも混合する繊維によって嵩を上げたり、風合いを良くしたり、染色する等使用部位に必要な機能を付与することができる。また、混合する繊維が、例えば、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、共重合ポリエステルなどの低融点成分を有する熱接着性繊維であると、不織布における構成繊維の繊維相互を熱接着することができ、高強力の不織布となし、使用時や加工時に取り扱い性に優れる点で好ましい。熱接着性繊維の繊維形態としては、上記低融点成分が繊維表面の少なくとも50%を占める単一繊維あるいは複合繊維形態を採ればよい。
【0016】
次に、本発明の包装材の好ましい製造方法について説明する。まず、高摩擦性合成繊維を30mass%以上含有する繊維ウェブを準備する。繊維ウェブの形態としては、湿式抄紙ウェブ、エアレイウェブからなる短繊維ウェブ、パラレルウェブ、クロスウェブ、セミランダムウェブ、ランダムウェブからなるステープル繊維ウェブ、あるいはメルトブローウェブ、スパンボンドウェブからなる長繊維ウェブなどいずれであってもよいが、後述する高速流体流加工性からステープル繊維ウェブが好ましい。また、包装材の加工性を考慮し、縦方向の不織布強力を向上させるのであれば、パラレルウェブ、セミランダムウェブ、あるいはスパンボンドウェブを採用するとよい。さらに、必要であれば前記他の素材を混綿しておくとよい。また、本発明においては、少なくとも片面に高度な摩擦抵抗を有していればよいので、上記繊維ウェブの片面に、他の繊維ウェブ、発泡体、通気性フィルム、非通気性フィルムなどの他のシートを後述する結合方法の前および/または後に積層してもよい。
【0017】
そして、前記繊維ウェブは、公知の結合方法、例えば、ケミカルボンド結合処理、サーマルボンド結合処理、機械的結合処理などを用いて処理するとよいが、機械的結合処理が、構成繊維が三次元的に絡合され、風合いが柔らかく、角立ちがしない点で好ましい。機械的結合処理としては、ニードルパンチ法や気体、液体を用いた高速流体流処理法などが挙げられるが、高速水流処理が工程性、性能面において最も効果的である。その条件は最終的に得ようとする包装材の目付や風合いなどに応じて設定すればよく、例えば、目付20〜80g/m2の包装材を得ようとする場合は、孔径0.05〜0.5mmのオリフィスが0.3〜1.5mm の間隔で設けられたノズルから、水圧1〜5MPaの柱状水流を繊維ウェブの少なくとも片面から、好ましくは両面からそれぞれ1〜4回ずつ噴射するとよい。
【0018】
三次元的に絡合させた後は、水分を除去するために乾燥させる。このとき、繊維ウェブにおける高摩擦性合成繊維が前記エチレン系共重合体成分を第1成分とし、融点が第1成分の融点より20℃以上高い熱可塑性重合体成分を第2成分とし、第1成分が繊維表面の少なくとも50%を占めてなる複合繊維、あるいはエラストマー成分を第1成分とし、融点が第1成分の融点より20℃以上高い非エラストマー成分を第2成分とし、第1成分が繊維表面の少なくとも50%を占めてなる複合繊維である場合、乾燥後または乾燥と同時に、複合繊維の第1成分の融点以上、複合繊維の第2成分の融点未満の温度で熱処理するとよい。そして、熱処理温度を上記の範囲内で変化させることによって、得られる包装材の摩擦抵抗、風合い、強力などを調節することができる。また、他の素材として熱接着性繊維を含有させた場合も同様に、乾燥後または乾燥と同時に、前記熱接着性繊維によって構成繊維を熱接着させるため、熱接着性繊維のみ溶融する温度で熱処理を行うとよい。本発明においては、縦方向の不織布強力が高いほど包装材の加工性が向上するが、ただしあまり熱接着させ過ぎると、風合いが硬く角立ちするため、不織布強力は、強力の高い方向で10〜50N/50mmの範囲に調整することが好ましい。
【0019】
このようにして得られた包装材は、不織布の少なくとも片面において、JIS−P−8147(紙及び板紙の摩擦係数試験方法)により測定される静摩擦係数が0.35以上となるように調整される。より好ましい静摩擦係数は、0.6〜0.9の範囲である。静摩擦係数が0.35未満であると、内容物が容易にずれたり、包装作業中に不織布が滑ったり、包装後の包装物が容易に滑ったりし、静摩擦係数があまり大きすぎると、包装材としての加工性があまりよくないからである。
【0020】
そして、前記包装材は、そのまま対象物を包む込む包装シートとして用いてもよいし、包装材を折り畳んだり、2枚以上重ね合わせたり、あるいは他のシートと重ね合わせたりした後、袋状の形態になるように、前記包装材の少なくとも一部をシーリング処理して包装袋としてもよい。シーリング処理としては、熱接合処理(ヒートシール処理)、超音波接合処理、あるいは高周波接合処理などが挙げられ、例えば、熱接合処理であれば、繊維ウェブ層に含有される高摩擦性合成繊維、あるいは熱接着性繊維の軟化点以上、好ましくは融点以上で処理するとよい。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の内容を実施例を挙げて説明する。なお、不織布の引張強力、破断伸度、および静摩擦係数は以下の方法で測定した。
【0022】
[引張強力、破断伸度]
JIS−L−1096に準じ、幅5cm、長さ15cmの試料片をつかみ間隔10cmで把持し、定速伸長型引張試験機を用いて引張速度30m/minで伸長し、切断時の荷重値および伸長率をそれぞれ引張強力、破断伸度とした。
【0023】
[静摩擦係数]
JIS−P−8147(紙及び板紙の摩擦係数試験方法)準じ、幅120mm、長さ200mmの試験片を用いて測定した。
【0024】
[実施例1〜3]
高摩擦性合成繊維として、鞘成分(第1成分)が融点84℃(JIS−K−7172、DSC法)のエチレン−アクリル酸メチル共重合体、芯成分(第2成分)が融点165℃のポリプロピレンからなる繊度2.2dtex、繊維長45mmの変性ポリオレフィン系複合繊維(大和紡績(株)製、商品名NBF(XG))を用いた。そして、高摩擦性合成繊維と繊度1.7dtex、繊維長40mmのレーヨン繊維(ダイワボウレーヨン(株)製)を表1の混合率でセミランダムカード機により繊維ウェブとなして、孔径0.1mmのオリフィスが0.6mm間隔で設けられているノズルから繊維ウェブの表面側に水圧3MPaの柱状水流を2回、裏面側に水圧3MPaの柱状水流を2回噴射して、構成繊維を三次元的に絡合させた。次いで、絡合ウェブを熱風貫通型乾燥機を用いて85℃で乾燥させながら高摩擦性合成繊維の鞘成分を溶融させて熱接着加工を行い、目付約30g/m2の包装材を得た。
【0025】
[比較例1]
市販のポリプロピレンスパンボンド不織布(三井化学(株)製、商品名シンテックス、目付30g/m2)を包装材とした。
実施例1〜3、比較例1の物性を表1に示す。
【0026】
【表1】
Figure 0003774105
【0027】
実施例1〜3の包装材は、静摩擦係数が高く、摩擦抵抗に優れているので、包装作業中に滑ったり、包装後の包装物が容易に滑ったりすることはなく、使い易いものであった。また、風合いも柔軟なものであった。一方、比較例1の包装材は、静摩擦係数が低く、内容物が軽いときなどは内容物が容易にずれたりした。
また、得られた包装材をカットして、その中に粒状の脱臭剤を入れ、両サイドをヒートシール機でシーリングして脱臭袋を完成させた。シーリング強力は、実用的に何ら問題のないレベルであった。そして、実施例1〜3の包装袋は、少々振動を与えても微動だにしなかったが、比較例1では軽い振動により移動してしまい、固定性に劣っていた。
【0028】
【発明の効果】
本発明の包装材は、高摩擦性合成繊維を用い、不織布の少なくとも片面における静摩擦係数を所定の範囲とすることにより、風合いが柔軟で、内容物が容易にずれたりすることのない、あるいは包装作業中に不織布が滑ったり、包装後の包装物が容易に滑ったりすることのないものが得られる。そして、高摩擦性合成繊維として、特定のエチレン系共重合体あるいはエラストマー成分を含有する繊維を用い、構成繊維を三次元的絡合すると滑り止め性能と柔軟な風合いを兼ね備えるので効果的である。また、本発明の不織布の少なくとも一部がシーリング処理されて袋状物を形成させることにより、内容物が容易にずれたりすることのない、あるいはある場所に固定して使用する場合に包装物が容易に滑らない包装袋を得ることができる。
そして、本発明の包装材は、生理用ナプキン、パンティシールド、紙おむつなどの衛生材料、贈答品、使い捨てカイロ、乾燥剤、脱臭剤などの包装に好適である。

Claims (5)

  1. (メタ)アクリル酸エステルを5〜30 mass %、アクリル酸、メタクリル酸およびマレイン酸から選ばれた少なくとも1種類のエチレンカルボン酸を0〜10 mass %を含有し、それらの合計が5〜30 mass %のエチレンカルボン酸系モノマーと、エチレン95〜70 mass %とからなるエチレン系共重合体成分が繊維表面の少なくとも50%を占めてなる高摩擦性合成繊維を30 mass %以上含有し、他の素材が20 mass %以上混合されている不織布であって、前記不織布は構成繊維が高速水流処理により三次元的に絡合し、繊維相互が熱接着しており、不織布の少なくとも片面において、JIS−P−8147(紙及び板紙の摩擦係数試験方法)により測定される静摩擦係数が0.6〜0.9であることを特徴とする包装材。
  2. 高摩擦性合成繊維がエチレン系共重合体成分を第1成分とし、融点が第1成分の融点より20℃以上高い熱可塑性重合体成分を第2成分とし、第1成分が繊維表面の少なくとも50%を占めてなる複合繊維であることを特徴とする請求項1に記載の包装材。
  3. 前記不織布が高摩擦性合成繊維を溶融させて構成繊維相互を熱接着していることを特徴とする請求項1または2に記載の包装材。
  4. 前記不織布が強力の高い方向で10〜50N/50mmの範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の包装材。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の不織布の少なくとも一部がシーリング処理されて袋状物を形成していることを特徴とする包装袋。
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