JP3772558B2 - レジスタコネクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ディーゼル噴射システム(コモンレールシステム)などに使用されるレジスタコネクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ディーゼルエンジンの燃費向上及び排ガス対策としてコモンレールシステムなどがある。このシステムでは、各気筒間の噴射を制御するために各気筒を識別する必要があり、各気筒に設置のインジェクタに固有の抵抗値を与えて行う。
【0003】
その固有の抵抗値を設定する電子部品に、図7に示すレジスタコネクタCがある。このレジスタコネクタCは、並列した対のリードフレーム1、1間に抵抗器10を跨がって固着し、そのリードフレーム1の一部を突出させて前記抵抗器10を樹脂モールド被覆2したものである。抵抗器10は、一般に、基板11に抵抗体12を設け、その抵抗体12をガラス製保護膜13で被うとともに電極14、14を保護膜13から導出したものであり、その電極14を半田15により前記リードフレーム1に電気的に接続するとともに、その半田15でもって抵抗器10をリードフレーム1に固着する(図1参照)。
【0004】
一方、上記コモンレールシステムにおけるレジスタコネクタCの設置個所はエンジンルーム内となり、温度変化が大である。このため、上記レジスタコネクタCにはその温度変化によっても抵抗値が変動し、その変化が許容範囲内である必要があり、その変化は少なければ少ない程好ましい。
【0005】
ところで、一般に、この種のレジスタコネクタCにおいては、抵抗体12にクラックが生じると、抵抗値の変化が生じ、従来品の多くは、ガラス製保護膜13にクラックが生じている。これは、モールド時の成形圧及び成形後の残留歪によるものと考える。このようなレジスタコネクタCが、過酷な温度変化に晒されると、モールド被覆2と抵抗器10の熱膨張率の差により、熱応力(熱衝撃)が生じ、この熱応力により、クラックが成長して抵抗体12に至ってクラックを生じさせたり、抵抗体12のクラックをさらに大きくする。クラックの成長は抵抗値の大きな変動を招く。これらのことから、樹脂モールド時に、保護膜13を含めて、抵抗体12にクラックを生じさせないことが重要であり、かつ、冷熱サイクル時(使用時)にもクラックを生じさせないことが重要となる。
【0006】
この発明は、温度変化の激しい環境下においても、抵抗値変化の小さいレジスタコネクタを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明は、抵抗器とモールド樹脂の間に緩衝層を介在することとしたのである。樹脂モールド時には、成形圧及び樹脂収縮圧が抵抗器に加わるが、緩衝層がその成形圧及び収縮圧を吸収して抵抗器への圧力を軽減する。このため、モールド時の抵抗器内のクラックの発生は極力抑制される。また、過酷な温度変化が生じても、モールド樹脂と抵抗器の熱膨張率の差により、抵抗器に熱応力が生じようとするが、緩衝層により、その熱応力が吸収される。このため、冷熱変化時の抵抗器内のクラックの発生は極力抑制される。
【0008】
【発明の実施の形態】
この発明の実施形態としては、並列した対のリードフレームに抵抗器の両電極を接続し、そのリードフレームの一部を突出させて前記抵抗器を緩衝層を介在して樹脂モールド被覆した構成を採用できる。
【0009】
上記緩衝層としては、空気、ガス、特に不活性ガスなどの気体の他、ウレタン樹脂、シリコン樹脂などの柔軟な樹脂等の介在により形成することが考えられ、緩衝層の形成し易さ、耐熱性、接着性などから、シリコン樹脂が好ましい。このシリコン樹脂の場合、上記抵抗体12の上面側を被う層厚を最も厚いところで0.5mm以上とすることが好ましく、また、材料硬度は低い程好ましい。
【0010】
上記緩衝層は、抵抗器上面のみの形成で、その抵抗体への圧力を緩和できるが、半田などのクラックも考慮すれば、その半田部分も被うのが好ましく、さらに、抵抗体及び半田のクラックをより抑制するために、半田部分も含めて抵抗器全面を被うのがより好ましい(後述の図4参照)。
【0011】
これらの構成から成るレジスタコネクタは、コモンレールシステムにおけるインジェクタに各種の抵抗値を設定する場合のように、過酷な使用環境となるエンジンルーム内などに使用すれば、より効果を得ることができる。
【0012】
【実施例】
図1及び図2に一実施例を示し、この実施例は、従来と同様に、リードフレーム1、1間に抵抗器10を跨がって固着するとともに、その抵抗器10をシリコン樹脂20を介在してガラス入りエポキシ樹脂によりモールド被覆2したものである。
【0013】
抵抗器10は、アルミナ系基板11にルテニウム系メタルグレーズからなる抵抗体12を設け、この抵抗体12を特殊鉛ガラスから成る保護膜13で被うとともに、Niメッキ及びその上に半田メッキした銀系電極を抵抗体12から導出したものであり、その電極14を半田15によりリードフレーム1に電気的に接続する。
【0014】
このレジスタコネクタCの一製造例は、図3に示すように、リード帯30に各リードフレーム1を所要間隔に連続して設け、このリード帯30を一定ピッチで間欠的に矢印の方向に移動させ(同図(a))、その停止時に、抵抗器10を対のリードフレーム1、1間に載置するとともに半田付け15により固着し(同図(b))、その抵抗器10の上面にシリコン樹脂20を塗布した後(同図(c))、樹脂モールド2をし(同図(d))、その後、切断線tで、リード帯30から切り離すことにより、図1、2に示す、レジスタコネクタCを得る。
【0015】
シリコン樹脂(緩衝層)20の形成態様としては、図2に示す、半田15まで被う以外に、図4に示すように、抵抗器10の上面のみ(同図(a))、リードフレーム1を含めた抵抗器10全体(同図(b))、抵抗器10の下面一部を除いたもの(同図(c))などが考えられる。
【0016】
つぎに、この実施例の性能試験について説明すると、上記実施例において、抵抗器10に、縦:3.2、横:4.5、厚さ:1.0(mm)のものを採用し、シリコン樹脂20を抵抗器10の上面に0.5〜1.0mm厚で半田15まで塗布し、それを、縦:7.0、横:8.8、厚さ:4.8(mm)でモールド被覆2したものを得た。一方、シリコン樹脂20を介在しない以外はこの実施例と同一構成の比較例も製作した。この樹脂モールド時の樹脂収縮時(180℃から20℃)における実施例での抵抗体12に生じた応力を計算すると、3.2gf/mm2 であったのに対し、比較例では19.2kgf/mm2 となった。
【0017】
この実施例と比較例を、−40℃〜120℃の冷熱サイクル試験(各温度保持時間:30分)をした結果を図5に示す。図中、丸、三角などは、各サンプルを示す。この試験によると、同図(a)で示す実施例では、温度変化が生じても、抵抗値が殆ど変化しないが、比較例では、サイクル数の増加とともに抵抗値の劣化が生じることが確認できる。これは、実施例では、モールド成形時において、その成形圧をシリコンゴム樹脂20が吸収し、保護層13及び抵抗体12におけるクラックの発生が極力抑えられ、温度変化の繰り返しに対しても、シリコン樹脂20により、熱応力の緩和がなされたのに対し、比較例では、それらの圧力(応力)を吸収するものがなく、抵抗体12にその圧力が働いてクラックが発生・成長したことによるものと考える。
【0018】
なお、上記実施例において、冷熱サイクル1000回に対するシリコン樹脂20の塗布量と抵抗値の変化率の関係は、図6に示すようになり、これによると、シリコンゴム量:0.005g以上は殆ど変化が認められない。このため、塗布量:0.005gすなわちシリコン樹脂20の最大層厚:0.5mm以上であれば、成形圧及び熱応力による抵抗値変化を十分に抑制し得ることがわかる。
【0019】
因みに、比較例において、図8に示すように、冷熱サイクルと抵抗値の変動率を見ると、サイクル数が200回を越えると、急上昇する。
【0020】
【発明の効果】
この発明は、以上のように緩衝層の介在により、モールド成形圧及び熱応力から抵抗体を保護するようにしたので、抵抗値の変動幅が小さい信頼性の高いレジスタコネクタを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の斜視図
【図2】同実施例の断面図
【図3】同実施例の製作説明図
【図4】他の各実施例の断面図
【図5】実施例及び比較例の冷熱サイクル数と抵抗値の関係図
【図6】シリコンゴム塗布量と抵抗変化率の関係図
【図7】従来例の断面図
【図8】従来例における冷熱サイクル数と抵抗値変化率の関係図
【符号の説明】
C レジスタコネクタ
1 リードフレーム
2 樹脂モールド被覆
10 抵抗器
11 抵抗器の基板
12 抵抗体
13 ガラス製保護層
14 電極
15 半田
20 シリコン樹脂(緩衝層)
Claims (2)
- 並列した対のリードフレーム1、1の上面に抵抗器10をその両リードフレーム1、1間を跨ぐように載置し、その抵抗器10は、前記リードフレーム1、1の上面に接する基板11上に抵抗体12を設けてその抵抗体12をガラス製保護膜13で被ったものであり、前記両リードフレーム1、1に前記抵抗器10の両電極14、14を電気的に接続するとともに固着し、前記抵抗器10上面側をシリコン樹脂から成る温度変化の繰り返しによる熱応力の緩和を図る緩衝層20で塗布により丘状に被うとともに、その緩衝層20の厚みを前記丘状の最も厚い所で0.5mm以上とし、前記リードフレーム1、1の一部を突出させて前記抵抗器10全周面を樹脂モールド被覆2した自動車エンジン用レジスタコネクタ。
- 請求項1に記載の自動車エンジン用レジスタコネクタを製造する方法であって、リード帯30に上記リードフレーム1を所要間隔に連続して設け、上記抵抗器10を対のリードフレーム1、1間に載置して半田付け15により抵抗器10の両電極14、14を電気的に接続するとともに固着し、その抵抗器10の上面にシリコン樹脂をその厚みが最も厚い所で0.5mm以上となるように丘状に塗布して上記温度変化の繰り返しによる熱応力の緩和を図る緩衝層20を形成した後、前記リードフレーム1、1の一部を突出させて前記抵抗器10全周面を樹脂モールド被覆2し、前記抵抗器10の対のリードフレーム1、1をリード帯30から切り離すことを特徴とする自動車エンジン用レジスタコネクタの製造方法。
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- 1998-12-01 JP JP34210798A patent/JP3772558B2/ja not_active Expired - Fee Related
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