JP3772281B2 - 作業機の制振制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧ショベルや油圧クレーン車等の建設機械の作業機停止時に発生する振動の抑制およびショックを軽減する作業機の制振制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は油圧ショベルの側面図であり、下部走行体1に旋回自在に搭載した上部旋回体2にはブーム3がブームアクチュエータ4により起伏自在に取着され、ブーム3にはアーム5がアームアクチュエータ6により揺動自在に取着され、アーム5にはバケット7がバケットアクチュエータ8によりチルト、ダンプ自在に取着されている。
これらブーム、アーム、バケット等の作業機は長大なリンク機構を構成しているため、作業中にこれら作業機を急停止すると作業機の慣性によって大きな振動・ショックが発生する。
【0003】
これらの問題を解決するために、本特許出願人は、実開平7−10065号、および実開平7−14204号を出願している。
実開平7−10065号には、建設機械の作業機をアクチュエータにて昇降自在に支持し、油圧源が該アクチュエータへ圧油の供給を制御する方向切換弁と、該方向切換弁を制御する操作弁を備えた油圧回路において、該操作弁と該方向切換弁を連絡する管路にパイロットチェック式スローリターン弁を設けた構成が記載されている。
この構成によれば、オペレータが作業機を停止するために操作レバーを中立に戻しても方向切換弁からの戻り油がパイロットチェック式スローリターン弁を介してタンクへドレーンするようにしてあり、一定時間方向切換弁は閉位置にならず、アクチュエータはタンクと連通する。
このため、作業機停止時に発生するアクチュエータの高圧力を一定時間タンクへ逃がすことにより、アクチュエータの振動を抑制することにより作業機の振動を抑制することができるものである。
しかしながら、油圧ショベルにおいては、掘削作業、ダンプ積込作業、整地作業等作業現場によって各種の作業を行う必要があり、作業によってはこの制振制御が常に必要とは限らず、ときには作業機の作動が操作レバーの操作に応じて速く動いて作業効率を高める必要がある。
【0004】
上記の問題点を解決するために、実開平7−14204号においては、実願平7−10065号に記載のものと同様のパイロットチェックスローリターン弁をパイロット回路上に設けて作業機の振動を抑制するとともに、オペレータのスイッチ操作、あるいは作動油温が所定温度以上になったときは、パイロットチェックスローリターン弁を介さない、すなわち、作業機の振動抑制機能を働かせない場合のパイロット回路を併設したものである。図7は実開平7−14204号に開示された油圧ショベルのブームアクチュエータ駆動油圧回路図である。
パイロット弁21と、方向切換弁11の上げ側、下げ側パイロットポート12,13とを接続するパイロット油圧回路74,84上に、パイロットチェック弁71,81と、絞り弁72,82とを並列に設け、パイロット油圧回路とパイロットチェック弁とを接続する回路73,83を有するパイロットチェックスローリターン弁70,80を介装している。
また、パイロットチェックスローリターン弁70,80のバイパス回路90,91を設け、電磁切換弁93を介装する。電磁切換弁93でバイパス回路90,91を閉じ、方向切換弁11を下げDから中立Nに戻すと、下げ側パイロットポート13の油は絞り弁82を通ってオイルタンク18に戻るため戻り速度が遅くなり、ブームアクチュエータ4のボトム側油室15の高圧油はオイルタンク18に逃げ、ピーク圧を下げて振動を抑制する。
電磁切換弁93でバイパス回路90,91を開くとパイロットチェックスローリターン弁70,80の機能はキャンセルされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述の如く、油圧ショベルの作業中に作業機を停止する度に発生する振動・ショックのために、作業機に過大応力が発生し、作業機の亀裂や油圧配管が破損する場合もある。
また、アクチュエータに過大応力が発生しピストンロッドの変形や筒体の破損に至ることもあり耐久性に問題があった。
さらに、アクチュエータがいつまでも振動が続くとバケットの刃先が揺れるため掘削作業や整地作業がしづらいとの問題がある。
さらにまた、この振動により油圧ショベルの車体および運転室が振動し、運転者の乗り心地が悪いとの問題がある。
上記の実開平7−10065号、および実開平7−14204号に記載されている技術では、油圧ショベルが大型となって作業機の重量が重くなり、特にブーム下げのように質量が大きく、慣性力が大きい場合には、いままでのパイロットチェックスローリターン弁のみでは限界があり、充分に作業機の制振効果が得られないという問題がある。
【0006】
本発明は上記従来の問題点に着目し、作業機の下げ停止時のショックが発生せず、振動を抑制するとともに、その機能をキャンセルすることも可能な作業機の制振制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用効果】
上記目的を達成するため、本発明に係る作業機の制振制御装置の第1発明は、油圧ポンプおよびパイロットポンプと、油圧ポンプからの吐出油を作業機のアクチュエータへ供給する方向切換弁と、パイロットポンプからのパイロット圧により方向切換弁を切換えるパイロット弁と、方向切換弁とパイロット弁との間のパイロット管路上に介装したパイロットチェックスローリターン弁とからなる作業機の制振制御装置において、パイロット弁から方向切換弁に至るパイロット管路、パイロット弁からのパイロット圧を制限して作業機のアクチュエータ速度を最大速度より遅い所定の速度に制限するアクチュエータ速度制限手段を介装した構成としたものである。
上記構成によれば、従来のブーム、アーム、バケット等の作業機は長大なリンク機構を構成しているため、作業中にこれら作業機を急停止すると作業機の慣性によって大きな振動・ショックが発生するという問題に対して、作業機の下げ側に操作して、操作レバーを中立にもどした時に、パイロット弁からのパイロット圧は、アクチュエータ速度制限手段を通って方向切換弁のスプールを作動せしめるので、スプールの開口量は制限され、アクチュエータ速度が最大速度より遅い所定の速度に制限される。
このため、作業機のアクチュエータ速度が減速するときの運動エネルギが小さいのでショックは発生せず、作業機の振動は抑制される。
したがって、大型の油圧ショベルの作業機であっても下げ作動中にレバーを中立に戻した時に振動は発生せず、作業性および車体の振動もないので乗り心地が向上する。
【0008】
第2発明は、第1発明の構成において、パイロットチェックスローリターンは、パイロット圧力により開くパイロットチェックと、このパイロットチェックに並列に配設する絞り部とで構成し、一方のパイロットチェックを押し開くパイロット圧を導くパイロット管路と他方のパイロットチェックを接続した構成としたものである。
上記構成によれば、パイロット圧が一方のパイロットチェック弁に加わって開くと、他方のパイロットチェック弁も同時に開き、方向切換弁の作動を速くしてアクチュエータを通常の速度で作動させることができる。
また操作レバーを中立にして、パイロット弁からのパイロット圧が出力されない時は、両方のパイロットチェック弁は閉じる。
このため、方向切換弁に作用してパイロット圧はパイロットチェック弁に並列に配設する絞り部を通ってパイロット管路からタンクへドレーンされる。
これにより、方向切換弁31の中立へ戻る動作が遅くなり、アクチュエータからの戻り油は徐々にタンクへドレーンされる。
したがって、作業機のアクチュエータ速度は減速されるのでショックは発生せず、作業機の振動は抑制される。
【0009】
第3発明は、第1発明または第2発明の構成において、アクチュエータ速度制限手段は、パイロットからのパイロット圧を入力し、該入力したパイロット圧がアクチュエータ速度の最大指令に相当する最大パイロット圧より小さい所定制限圧よりも大きいときには所定制限圧を超えないように入力パイロット圧を減圧して方向切換を切換える減圧である構成としたものである。
上記構成によれば、減圧弁により方向切換弁のパイロットポートに供給されるパイロット圧は減圧される。
この減圧されたパイロット圧により方向切換弁のスプールは徐々に動いてポートを絞るので、作業機のアクチュエータ速度は減速され、ショックは発生せず、作業機の振動は抑制される。
したがって、作業機の振動は発生せず、作業性および車体の振動もないので乗り心地が向上する。
【0010】
第4発明は、第1発明乃至第3発明のうちのいずれかに記載の構成において、アクチュエータ速度制限手段は、アクチュエータを下げ操作する方向切換弁のパイロット管路に介装した構成としたものである。
上記構成によれば、減圧弁によりアクチュエータを下げ操作する方向切換弁のパイロットポートに供給されるパイロット圧は減圧される。
この減圧されたパイロット圧により方向切換弁のスプールは徐々に動いて下げ側ポートを絞るので、作業機のアクチュエータ速度は減速され、ショックは発生せず、作業機の振動は抑制される。
したがって、作業機の振動は発生せず、作業性および車体の振動もないので乗り心地が向上する。
【0011】
第5発明は、第1発明乃至第4発明のうちのいずれかに記載の構成において、前記パイロットチェックスローリターン弁から方向切換弁に至るパイロット管路上に、外部信号によりパイロットチェックスローリターンからのパイロット圧を連通、あるいは遮断する切換手段を介装した構成としたものである。
上記構成によれば、油圧ショベルの各種の作業の中で、微操作が必要な整地作業等においては、切換手段を切換えてパイロットチェックスローリターン弁および減圧弁を作動することにより作業機のアクチュエータ速度を遅くすることができるので、作業機の下げ速度を減速してショックが発生せず、作業機の振動を抑制することができる。
また、掘削作業等の速い作業速度が必要な時は、切換手段を切換えてパイロットチェックスローリターン弁および減圧弁のパイロット管路を遮断して、通常のパイロット圧により方向切換弁を切換えて、アクチュエータからの戻り油をリターンさせることにより作業機アクチュエータの速度を速くして作業を迅速にすることができる。
【0012】
第6発明は、第5発明の構成において、前記切換手段は、前記パイロット回路上に介装されたパイロットチェックスローリターンおよびアクチュエータ速度制限手段をバイパスするバイパス管路と、前記パイロット管路と前記バイパス管路のいずれかを連通、あるいは遮断せしめる電磁切換と、この電磁切換を切換える切換スイッチとからなる構成としたものである。
上記構成によれば、切換スイッチのON−OFF操作により、電磁切換を切り換えることにより、パイロットチェックスローリターン弁を遮断、あるいは連通する、また、アクチュエータ速度制限手段を遮断、あるいは連通することにより、作業機のアクチュエータの速度を遅くしたり、速くすることができる。オペレータは作業形態に応じて自由に切換手段により作業機アクチュエータ速度の選択が可能であり、パイロットチェックスローリターン弁および減圧弁を作動することにより、作業機の下げ速度を減速してショックが発生せず、作業機の振動を抑制することができる。
また、切換手段を切換えてパイロットチェックスローリターン弁および減圧弁のパイロット管路を遮断して、通常のパイロット圧により方向切換弁を切換えて、アクチュエータからの戻り油をリターンさせることにより作業機アクチュエータの速度を速くして作業を迅速にすることができる。
したがって、作業機のショックも発生せず、振動も抑制されるので作業性、乗り心地が向上する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る作業機の制振制御装置の実施例について、図1乃至図5により説明する。
先ず、図1に示す、油圧ポンプ10はブームアクチュエータ用方向切換弁31(以下、第1方向切換弁31と言う)と接続している。この第1方向切換弁31はブームアクチュエータ4のヘッド側油室4bおよびボトム側油室4aと接続している。
また、油圧ポンプ10はアームアクチュエータ用方向切換弁32(以下、第2方向切換弁32と言う)と接続している。この第2方向切換弁32はアームアクチュエータ6のヘッド側油室6bおよびボトム側油室6aと接続している。
さらに、油圧ポンプ10はバケットアクチュエータ用方向切換弁33(以下、第3方向切換弁33と言う)と接続している。この第3方向切換弁33はバケットアクチュエータ8のヘッド側油室8bおよびボトム側油室8aと接続している。
【0014】
操作レバー22の操作に連動してパイロット弁21が作動して、そのレバーの操作量に応じたパイロット圧が発生するようになっている。
このパイロット弁21から接続する上げ側パイロット管路23は、詳しくは後述するパイロットチェックスローリターン弁40を介して第1方向切換弁31の上げ側パイロットポート34と接続している。
また、パイロット弁21から接続する下げ側パイロット管路24は、詳しくは後述するパイロットチェックスローリターン弁40、減圧弁50(以下、アクチュエータ速度制限手段50と言う)および電磁切換弁60を介して第1方向切換弁31の下げ側パイロットポート35と接続している。
第2方向切換弁32および第3方向切換弁33は、図示しない操作レバーの操作に連動してパイロット弁が作動して、そのレバーの操作量に応じたパイロット圧が発生して、そのパイロット圧で切換わるようになっている。
【0015】
上げ側パイロット管路23および下げ側パイロット管路24上にはパイロットチェックスローリターン弁40が介装されており、下げ側パイロット管路24のパイロットチェックスローリターン弁40の下流の下げ側パイロット管路24aにはアクチュエータ速度制限手段50および電磁切換弁60が順次介装されている。アクチュエータ速度制限手段50はパイロット油圧の最大圧力より所定の値だけ低い圧力に設定されている。下げ側パイロット管路24と電磁切換弁60とはバイパス管路25により接続され、電磁切換弁60とブームアクチュエータ用方向切換弁31の下げ側パイロットポート35とは下げ側管路26により接続している。
電磁切換弁60はA位置とB位置とを有しており、A位置ではバイパス管路25とブームアクチュエータ用方向切換弁31とが連通し、B位置の場合には下げ側パイロット管路24とブームアクチュエータ用方向切換弁31とが連通するようになっている。電磁切換弁60は切換スイッチ61によりA位置かB位置かに切り換えられる。パイロット弁21はドレーン管路27によりタンク18と接続している。
【0016】
パイロットチェックスローリターン弁40は、上げ側パイロット管路23に接続する上げ側パイロットチェック弁41と、このパイロットチェック弁41に並設された絞り弁43と、下げ側パイロット管路24に接続する下げ側パイロットチェック弁42と、このパイロットチェック弁42に並設された絞り弁44とから構成されている。
この上げ側パイロットチェック弁41と下げ側パイロット管路24とは管路45により接続されている。下げ側パイロットチェック弁42と上げ側パイロット管路23とは管路46により接続されている。
【0017】
次に、ブーム上げの作動について説明する。
操作レバー21をブーム上げ位置にすると上げ側パイロット管路23のパイロット圧はパイロットチェックスローリターン弁40の上げ側パイロットチェック弁41を開き、第1方向切換弁31の上げ側パイロットポート34にパイロット圧を供給する。
このとき、下げ側パイロットチェック弁42は管路46からの圧力を受けて同時に開き、第1方向切換弁31の下げ側パイロットポート35の油は下げ側パイロットチェック弁42を通ってドレーン管路27からタンク18に戻る。
このため、第1方向切換弁31のスプールは操作レバー21の操作量に応じて作動して、油圧ポンプ10からの圧油は同弁31からブームアクチュエータ4のボトム側油室4aに流入する。
これにより、ブームアクチュエータ4を伸長駆動してブーム3を上げ作動させる。
【0018】
次に、操作レバー21を中立位置に戻すと、ブーム3は慣性により上げ作動しようとし、ブームアクチュエータ4のヘッド側油室4bの油は高圧となり、作業機のショックが発生し、振動を起こそうとする。
このとき、上げ側パイロット管路23、下げ側パイロット管路24および下げ側管路26はドレーン管路27を介してタンク18に連通し、パイロット圧は低下する。
これにより、上げ側パイロットチェック弁41、下げ側パイロットチェック弁42はともに管路を閉じ、パイロット圧は絞り部43,44を通って流れるため、第1方向切換弁31の戻り速度は遅くなり、ブームアクチュエータ4のヘッド側油室4bの高圧油はタンク18に逃げるので、ピーク圧を下げてショックを低減し、振動を抑制する。
【0019】
次に、ブーム下げの作動について説明する。
切換スイッチ61を操作して電磁切換弁60をB位置にするとバイパス管路25は閉じられ、下げ側パイロット管路24は開く。
操作レバー21をブーム下げ位置に操作すると下げ側パイロット管路24のパイロット圧はパイロットチェックスローリターン弁40の下げ側パイロットチェック弁42を開き、アクチュエータ速度制限手段50を介して第1方向切換弁31の下げ側パイロットポート35にパイロット圧を供給する。
このとき、上げ側パイロットチェック弁41は管路45からの圧力を受けて同時に開き、第1方向切換弁31の上げ側パイロットポート34の油は上げ側パイロットチェック弁41を通ってドレーン管路27からタンク18に戻る。
前記の第1方向切換弁31の下げ側パイロットポート35に供給されるパイロット圧力はアクチュエータ速度制限手段50により減圧されている。この減圧されたパイロット圧に応じて、第1方向切換弁31のスプールが作動して供給ポートの開口量が調整され、ブームアクチュエータ4のヘッド側油室へ流入する圧油量が調整されるので、ブームアクチュエータ4の短縮駆動するブーム下げ速度は遅くなる。
【0020】
次に、操作レバー21を中立位置に戻すと、ブーム3は慣性によりなおブーム下げ作動しようとし、ブームシリンタ4のボトム側油室4aの油は高圧となり、ショックが発生して作業機の振動を起こそうとする。
このとき、ブーム上げ操作時と同様に、上げ側パイロットチェック弁41および下げ側パイロットチェック弁42はともに閉じ、パイロット圧は絞り部43,44を通って流れるため、
第1方向切換弁31の切換え速度は遅くなり、ショックを低減する。しかも、前述のとおりブーム3の下げ速度は遅いため、より一層ショックは低減され、大型油圧ショベルの質量の大きい作業機においても振動は充分に抑制される。
【0021】
本発明に係るパイロットチェックスローリターン弁およびアクチュエータ速度制限手段を作動させる、あるいは非作動にする切換えは、パイロット管路24上に介装されたパイロットチェックスローリターン弁40およびアクチュエータ速度制限手段50をバイパスするバイパス管路25と、前記パイロット管路24と前記バイパス管路25のいずれかを連通、あるいは遮断せしめる電磁切換弁60と、この電磁切換弁60を切換える切換スイッチ61とから構成される切換手段により行うことができる。
この切換手段により、切換スイッチ61のON−OFF操作により、電磁切換弁60を切り換えることにより、パイロットチェックスローリターン弁40を遮断、あるいは連通する、また、アクチュエータ速度制限手段50を遮断、あるいは連通することにより、作業機のアクチュエータの速度を遅くしたり、速くすることができる。オペレータは作業形態に応じて自由に切換手段により作業機アクチュエータ速度の選択が可能であり、パイロットチェックスローリターン弁およびアクチュエータ速度制限手段50を作動することにより、作業機の下げ速度を減速してショックが発生せず、作業機の振動を抑制することができる。
また、切換手段を切換えてパイロットチェックスローリターン弁40およびアクチュエータ速度制限手段50のパイロット管路24aを遮断して、通常のパイロット圧により方向切換弁31を切換えて、アクチュエータからの戻り油をリターンさせることにより作業機アクチュエータの速度を速くして作業を迅速にすることができる。
これにより、作業機のショックも発生せず、振動も抑制されるので作業性、乗り心地が向上する。
【0022】
上記の作動状況について、図2乃至図5のグラフに基づいて詳細説明する。
先ず、操作レバー21の操作パターンを図2に示す時間−操作レバー入力信号(%)のグラフのように設定する。図2の横軸は時間、縦軸はレバー入力を示している。
図2に示すように、操作レバー21を中立位置から最大(100%)操作位置まで移動するのに要する時間Aを0.1sec とし、最大操作位置から中立位置までに要する時間Bを0.1sec とする。Cは保持時間である。
【0023】
次に、時間−パイロット管路油圧の関係を図3のグラフに示す。図3のグラフの横軸は時間、縦軸はパイロット管路油圧を示している。
操作レバー21を図2に示した操作パターンに従って操作すると、操作レバー21の操作に対してパイロット管路油圧は0.1sec 遅れて昇圧または減圧するので、パイロット管路油圧が最大に達するまでの時間Dは0.2sec となる。
また、パイロット管路油圧が最大から最低の0に達する時間Eも0.2sec となる(細い実線aに示す)が、パイロットチェックスローリターン弁40が作動すると更に遅れて時間Fは0.3sec になる(太い実線bに示す)。
これにより、操作レバーをゆっくり操作した時と同様のパイロット圧変化となる。この結果、パイロットチェックスローリターン弁40による制振効果が生じる。図3のパターンは前述のブーム上げ作動の場合に相当する。
【0024】
次に、時間−作業機速度の関係を図4のグラフに示す。図4のグラフの横軸は時間、縦軸は作業機速度(%)を示している。
通常はパイロット管路油圧が上昇してから作業機の起動までに遅れがあるため、起動時に作業機速度が100%に達するまでに要する時間Hは0.3sec となり、停止時に要する時間Kは0.3sec となる。ここで前述のアクチュエータ速度制限手段50が作動し、速度制限80%とするとグラフの太い実線Gに示すように作業機速度は低下する。そのため起動時、停止時ともに時間Lは0.25sec に低下するとともに、起動時には20%のエネルギ減となった分だけ停止時に制振効果をもたらす。 図4のパターンは前述のブーム下げ作動の場合に相当する。
【0025】
図5はパイロットチェックスローリターン弁40およびアクチュエータ速度制限手段50の制振効果を表したグラフであり、横軸はアクチュエータ速度制限手段50のセット圧(右方ほど高圧)、縦軸は振動レベル(上方ほど振動レベル大)である。
曲線Mはブーム下げの時の振動レベルを示し、曲線Nはバケットダンプ時の振動レベルを示している。図5に示すように、アクチュエータ速度制限手段50のセット圧を従来のパイロット管路圧に等しくしたP点よりも、低圧にセットしたQ点における振動レベルは大幅に低下しており、質量の大きいブームの方が質量の小さいバケットよりも効果の大きいことがわかる。
これにより、大型の油圧ショベルであっても作業機の振動を抑制することが可能である。
【0026】
本発明の作業機制振制御装置は、前述の如く、油圧ショベルにおいては、掘削作業、ダンプ積込作業、整地作業等の各種の作業があり、作業によってはこの制振制御が常に必要とは限らず、操作レバーの操作に応じて作業機を速く動かして作業効率を高める必要があるときは、図1に示す、切換スイッチ61を操作して電磁切換弁60をA位置にすると、パイロット圧は下げ側パイロット管路24からパイロットチェックスローリターン弁40を介してアクチュエータ速度制限手段50に流れても電磁切換弁60で遮断されるので減圧弁50は機能しなくなる。このため、操作レバー22をブーム下げ側に操作した時は、パイロット弁21からのパイロット圧はパイロット管路24からバイパス管路25を介して、電磁切換弁60をA位置を通って第1方向切換弁31のパイロットポート35に流入する。これにより、通常の操作レバー22の操作量に応じたパイロット圧により第1方向切換弁31のスプールが作動して供給ポードが開口するので、ブームシリンタ4のヘッド側油室4bには通常の油量が流入するので、ブーム速度は操作レバーの操作量に応じて速くすることができる。
油圧ショベルの各種作業に対応して、前記切換スイッチ61の切換えにより、ブームの下げ速度を遅くして作業機の制振効果を得るか、ブームの下げ速度を速くして作業を迅速に行うかは、オペレータの判断によりワンタッチで、行うことが可能となるので油圧ショベル等の建設機械の振動を抑制することにより作業性、乗り心地性を向上することに有用である。
【0027】
以上の通り、本発明を油圧ショベルのブーム下げ速度を遅くする制振制御装置について説明したが、ブーム以外のアーム、またはバケツトにも適用可能であるとともに、油圧ショベル以外の長大な作業機に作業する油圧クレーン車等にも適用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る作業機制振制御装置を説明する図である。
【図2】同、作業機制振制御装置の効果を説明するための時間−レバー入力信号のグラフである。
【図3】同、時間−パイロット管路油圧のグラフである。
【図4】同、時間−作業機速度のグラフである。
【図5】同、アクチュエータ速度制限手段−振動レベルのグラフである。
【図6】油圧ショベルの全体側面図である。
【図7】従来の作業機の振動抑制装置を説明する図である。
【符号の説明】
4 ブームアクチュエータ
4a ボトム側油室
21 パイロット弁
23 上げ側パイロット管路
24 下げ側パイロット管路
25 バイパス管路
26 下げ側管路
31 第1方向切換弁
40 パイロットチェックスローリターン弁
41 上げ側パイロットチェック弁
42 下げ側パイロットチェック弁
43,44 絞り部
45,46 管路
50 アクチュエータ速度制限手段(減圧弁)
60 電磁切換弁
61 切換スイッチ

Claims (6)

  1. 油圧ポンプおよびパイロットポンプと、油圧ポンプからの吐出油を作業機のアクチュエータへ供給する方向切換弁と、パイロットポンプからのパイロット圧により方向切換弁を切換えるパイロット弁と、方向切換弁とパイロット弁との間のパイロット管路上に介装したパイロットチェックスローリターン弁とからなる作業機の制振制御装置において、
    パイロット弁 (21) から方向切換弁 (31) に至るパイロット管路(24)上に、パイロット弁 (21) からのパイロット圧を制限して作業機のアクチュエータ速度を最大速度より遅い所定の速度に制限するアクチュエータ速度制限手段を介装した
    ことを特徴とする作業機の制振制御装置。
  2. 請求項1記載の作業機の制振制御装置において、
    パイロットチェックスローリターン弁(40)は、パイロット圧力により開くパイロットチェック弁(41,42)
    と、このパイロットチェック弁(41,42) に並列に配設する絞り部(43,44) とで構成し、
    一方のパイロットチェック弁(41)を押し開くパイロット圧を導くパイロット管路(46)と他方のパイロットチェック弁(42)を接続した
    ことを特徴とする作業機の制振制御装置。
  3. 請求項1または2記載の作業機の制振制御装置において、
    アクチュエータ速度制限手段は、パイロット弁(21)からのパイロット圧を入力し、該入力したパイロット圧がアクチュエータ速度の最大指令に相当する最大パイロット圧より小さい所定制限圧よりも大きいときには所定制限圧を超えないように入力パイロット圧を減圧して方向切換弁(31)を切換える減圧弁(50)である
    ことを特徴とする作業機の制振制御装置。
  4. 請求項1乃至3のうちのいずれかに記載の作業機の制振制御装置において、
    アクチュエータ速度制限手段は、アクチュエータを下げ操作する方向切換弁(31)のパイロット管路(24)に介装した
    ことを特徴とする作業機の制振制御装置。
  5. 請求項1乃至4のうちのいずれかに記載の作業機の制振制御装置において、
    前記パイロットチェックスローリターン弁 (40) から方向切換弁 (31) に至るパイロット管路(24)上に、外部信号によりパイロットチェックスローリターン弁(40)からのパイロット圧を連通、あるいは遮断する切換手段を介装した
    ことを特徴とする作業機の制振制御装置。
  6. 請求項5記載の作業機の制振制御装置において、
    前記切換手段は、前記パイロット回路(24)上に介装されたパイロットチェックスローリターン弁(40)およびアクチュエータ速度制限手段をバイパスするバイパス管路(25)と、
    前記パイロット管路(24)と前記バイパス管路(25)のいずれかを連通、あるいは遮断せしめる電磁切換弁(60)と、
    この電磁切換弁(60)を切換える切換スイッチ(61)とからなる
    ことを特徴とする作業機の制振制御装置。
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