JP2012052583A - 油圧作業機 - Google Patents

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英男 柄澤
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Abstract

【課題】エンジン回転数が下げられたときに、自重により降下可能な作業要素の下げ速度を低下させることができる油圧作業機の提供。
【解決手段】本発明は、エンジン14と、エンジン14によって駆動される主油圧ポンプ21と、作業要素であるブーム5と、このブーム5を作動させるブーム用油圧シリンダ11と、このブーム用油圧シリンダ11を制御する方向制御弁22と、この方向制御弁22を切り替え操作する操作装置23とを備えるとともに、エンジン14の目標回転数を設定するダイヤルスイッチ17と、このダイヤルスイッチ17の操作によってエンジン14の目標回転数が低く設定された際に、操作装置23の操作によって生成されるパイロット圧を減圧させて、方向制御弁22を再生回路を含む切替位置22aに切り替えるパイロット圧として供給する、電磁弁28及びコントローラ16を含む減圧手段とを備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、自重による降下が可能なブーム等の作業要素を複動式の油圧シリンダで駆動する油圧ショベルなどの油圧作業機に関する。
この種の従来技術として、特許文献1に示されるものがある。この特許文献1に示される従来技術は、例えば油圧ショベルであり、主ポンプと、作業要素例えばブームと、主ポンプから吐出される圧油により伸縮され、作業要素例えばブームを駆動する複動式の油圧シリンダ、すなわちブーム用油圧シリンダと、主ポンプからブーム用油圧シリンダのボトム室及びロッド室に供給される圧油の流れを制御する方向制御弁と、当該方向制御弁の切替操作を行う操作装置とを備えている。また、この油圧ショベルは、ブーム用油圧シリンダのボトム圧に応じて切り替えられるジャッキアップ切替弁と、当該ジャッキアップ切替弁の切替操作に伴って主ポンプから方向制御弁のメータインに供給される圧油の流路を開路側又は閉路側に変更する流路変更手段とを備えている。前述した方向制御弁は、ブームの自重による降下時にブーム用油圧シリンダからの戻り油を当該ブーム用油圧シリンダに再生させる再生回路を含む切替位置を有している。
この油圧ショベルは、ブームの下げ動作時にブーム用油圧シリンダのボトム圧がジャッキアップ切替弁のばね力に相応する切替圧力よりも高いときには、すなわち所定圧以上であるときには、ジャッキアップ切替弁を第1の切替位置に切り替えて流路変更手段を閉路側に切り替え、主ポンプから吐出される圧油をブーム用油圧シリンダのロッド室に供給せず、ブームの下げ動作時にブーム用油圧シリンダのボトム圧がジャッキアップ切替弁のばね力に相応する切替圧力よりも低いときには、すなわち所定圧未満であるときには、ジャッキアップ切替弁を第2の切替位置に切り替えて流路変更手段を開路側に切り替え、主ポンプから吐出される圧油を方向制御弁を介してブーム用油圧シリンダのロッド室に供給するように構成されている。なお、特許文献1中には示されていないが、油圧ショベルにあっては一般に主ポンプがエンジンによって駆動されるように構成されている。
国際公開第2004/070211号パンフレット
油圧作業機が例えば前述のように油圧ショベルであって、作業要素がブームであり、ブーム用油圧シリンダを制御する方向制御弁が、再生回路を含む切替位置を有する場合、ブーム下げ操作時の空中におけるブーム下げ動作は、主ポンプからの圧油は使わずに、ブーム用油圧シリンダのボトム室からの戻り油を、方向制御弁の切替位置に含まれる再生回路を介してブーム用油圧シリンダのロッド室に再生供給することによって行なわれる。したがって、ブーム下げ速度は、再生回路を介してブーム用油圧シリンダのボトム室に供給される再生量に依存する。
ところで、当該油圧ショベルのブーム下げ動作に伴って実施される作業の中には、重いものを吊り下げて行なうクレーン作業とか、細かい動作を伴う作業がある。このような作業のときには、エンジン回転数を下げて主ポンプからの吐出量を少なくし、各油圧アクチュエータの作動速度を緩やかにして、ブームを含めた全体をゆっくりと動かしたい場合がある。しかし、前述した特許文献1に示される従来技術では、エンジン回転数を下げて主ポンプの吐出量を少なくしても、ブーム下げ速度は前述のようにブーム用油圧シリンダからの戻り油の再生量に依存することから、そのブーム下げ速度を低下させることができない。したがって、このようにエンジン回転数が下げられて、しかもブーム下げを伴う作業時の良好な作業性を確保できないことがあった。
本発明は、前述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、エンジン回転数が下げられたときに、自重により降下可能な作業要素の下げ速度を低下させることができる油圧作業機を提供することにある。
この目的を達成するために、本発明は、エンジンと、このエンジンにより駆動される主ポンプと、作業要素と、前記主ポンプから吐出される圧油により伸縮され、前記作業要素を駆動する複動式の油圧シリンダと、前記主ポンプから前記油圧シリンダのボトム室及びロッド室に供給される圧油の流れを制御する方向制御弁と、当該方向制御弁の切替操作を行う操作装置と、前記油圧シリンダのボトム圧が所定圧に達したときに切り替えられるジャッキアップ切替弁と、当該ジャッキアップ切替弁の切替操作に伴って前記主ポンプから前記方向制御弁のメータインに供給される圧油の流路を開路側又は閉路側に変更する流路変更手段とを備え、前記方向制御弁が、前記作業要素の自重による降下時に前記油圧シリンダからの戻り油を当該油圧シリンダに再生させる再生回路を含む切替位置を有し、前記作業要素の下げ動作時に前記油圧シリンダのボトム圧が前記所定圧以上であるときには、前記ジャッキアップ切替弁を第1の切替位置に切り替えて前記流路変更手段を閉路側に切り替え、前記主ポンプから吐出される圧油を前記油圧シリンダのロッド室に供給せず、前記作業要素の下げ動作時に前記油圧シリンダのボトム圧が前記所定圧以下であるときには、前記ジャッキアップ切替弁を第2の切替位置に切り替えて前記流路変更手段を開路側に切り替え、前記主ポンプから吐出される圧油を前記方向制御弁を介して前記油圧シリンダのロッド室に供給する油圧作業機において、前記エンジンの目標回転数を設定する目標回転数設定手段と、前記目標回転数設定手段の操作によって前記エンジンの目標回転数が低く設定された際に、前記操作装置の操作によって生成されるパイロット圧を減圧させて、前記方向制御弁を前記再生回路を含む切替位置に切り替えるパイロット圧として供給する減圧手段とを備えたことを特徴としている。
このように構成した本発明は、作業要素の自重による降下時に、目標回転数設定手段の操作でエンジンの目標回転数が低く設定された際には、減圧手段によって、操作装置の操作で生成されたパイロット圧を減圧させて、方向制御弁を再生回路を含む切替位置に切り替えるパイロット圧として供給されるので、方向制御弁のストローク量がエンジンの目標回転数を低く設定する前に比べて小さくなり、方向制御弁の開口量は小さくなるように変化する。したがって、この方向制御弁の切替位置に含まれる再生回路を介して油圧シリンダに供給される再生量が少なくなるように変化させることができる。これに伴って油圧シリンダの作動速度が遅くなり、作業要素の下げ速度をエンジンの目標回転数を低く設定する前に比べて遅くすることができる。すなわち、エンジン回転数が下げられたときに、そのエンジン回転数に応じて自重により降下可能な作業要素の下げ速度を低下させることができる。
また本発明は、前記発明において、前記減圧手段は、前記操作装置と前記方向制御弁の信号ポートとを連絡するパイロット管路に設けられ、このパイロット管路を流れるパイロット圧を減圧する電磁弁と、前記目標回転数設定手段で設定された前記エンジンの目標回転数に応じたパイロット圧となるように前記電磁弁を制御する制御信号を出力するコントローラとを含むことを特徴としている。
また本発明は、前記発明において、前記目標回転数設定手段は、操作される回転量に応じた前記エンジンの目標回転数を前記コントローラに出力するダイヤルスイッチから成り、このダイヤルスイッチで操作される回転量が小さく前記目標回転数が低いときに、記コントローラは、前記パイロット管路を流れるパイロット圧を減圧させる制御信号を前記電磁弁に出力する処理を行なうことを特徴としている。
また本発明は、前記発明において、燃費を向上させる操作モードの選択が可能で、この燃費を向上させる操作モードが選択されたときに低い前記エンジンの目標回転数を前記コントローラに出力可能なモードスイッチから成り、このモードスイッチで前記燃費を向上させる操作モードが選択されたとき、前記コントローラは、前記パイロット管路を流れるパイロット圧を減圧させる制御信号を前記電磁弁に出力する処理を行なうことを特徴としている。
また本発明は、前記発明において、当該作業機が油圧ショベルから成り、前記作業要素がブームから成り、前記油圧シリンダがブーム用油圧シリンダから成ることを特徴としている。
本発明は、エンジンの目標回転数を設定する目標回転数設定手段と、この目標回転数設定手段の操作でエンジンの目標回転数が低く設定された際に、油圧シリンダを操作する操作装置の操作によって生成されるパイロット圧を減圧させて、自重により降下可能な作業要素を作動させる油圧シリンダを制御する方向制御弁を再生回路を含む切替位置に切り替えるパイロット圧として供給する減圧手段とを備えた構成にしてある。したがって、作業要素の降下動作時に、目標回転数設定手段でエンジンの目標回転数が低く設定された際には、減圧手段によって方向制御弁のストローク量が小さくなるように制御され、これにより油圧シリンダの作動速度を遅くすることができる。すなわち、エンジン回転数が下げられたときに、自重により降下可能な作業要素の下げ速度を低下させることができ、このようにエンジン回転数を低下させ、作業要素の自重による降下動作を伴う作業の作業性を従来に比べて向上させることができる。
本発明に係る油圧作業機の一実施形態を構成する油圧ショベルを示す側面図である。 図1に示す油圧ショベルに備えられる油圧駆動装置を示す油圧回路図である。
以下、本発明に係る油圧作業機の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は本発明に係る油圧作業機の一実施形態を構成する油圧ショベルを示す側面図である。本実施形態に係る油圧ショベルは、図1に示すように、左右一対の走行装置1,2より成る走行体3と、当該走行体3上に旋回自在に取り付けられた旋回体4と、一端が旋回体4に回動自在にピン結合されたブーム5と、一端がブーム5に回動自在にピン結合されたアーム6と、一端がアーム6に回動自在にピン結合されたバケット7と、走行装置1,2を駆動する第1及び第2の走行用油圧モータ8,9と、旋回体4を駆動する旋回用油圧モータ10と、ブーム5を駆動するブーム用油圧シリンダ11と、アーム6を駆動するアーム用油圧シリンダ12と、バケット7を駆動するバケット用油圧シリンダ13とから主に構成されている。例えば前述したブーム5は、自重により降下可能な作業要素である。
図2は図1に示す油圧ショベルに備えられる油圧駆動装置を示す油圧回路図である。この図2に示すように、図1に示す油圧ショベルに備えられる油圧駆動装置は、エンジン14と、このエンジン14によって駆動される主ポンプ21と、主ポンプ21から吐出される圧油により伸縮され、ブーム5を駆動する前述した複動式のブーム用油圧シリンダ11と、主ポンプ21からブーム用油圧シリンダ11のボトム室11a及びロッド室11bに供給される圧油の流れを制御する方向制御弁22と、方向制御弁22の切替操作を行う操作装置23と、パイロットポンプ24と、パイロットポンプ24から吐出される圧油の流れを制御するジャッキアップ切替弁25と、方向制御弁22の上流側で方向制御弁22のメータインポートに接続され、ジャッキアップ切替弁25によって切替操作される流量制御弁26と、方向制御弁22の下流側で方向制御弁22のセンタバイパスポートに接続され、ジャッキアップ切替弁25によって切替操作されるセンタバイパス切替弁27と、タンク28とを備えている。
なお、流量制御弁26は、ポペット弁261と、このポペット弁261の背圧室と方向制御弁22のポンプポート側とを連通、遮断するパイロット式の切替弁262とから成る。前述した流量制御弁26とセンタバイパス切替弁27とによって、ジャッキアップ切替弁25の切替動作に伴って主ポンプ21から方向制御弁22のメータインに供給される圧油の流路を開路側または閉路側に変更する流路変更手段が構成されている。
方向制御弁22は、絞り29a,29bとチェック弁29cとからなる再生回路を含む切替位置22aを有している。また、前記操作装置23は、操作レバー23aを有している。
主ポンプ21と方向制御弁22との間には、主ポンプ21から方向制御弁22のセンタバイパスポートに直接通じる油道31と、主ポンプ21から流量制御弁26を介して方向制御弁22のメータインポートに通じる油道32,33とが設けられ、方向制御弁22とブーム用油圧シリンダ11との間には、ボトム室11aに通じる油道34とロッド室11bに通じる油道35とが設けられている。また、ブーム用油圧シリンダ11のボトム室11aとジャッキアップ切替弁25の信号ポートとの間には、ボトム圧信号供給用の油道36が設けられている。さらに、方向制御弁22とタンク28とをつなぐ油道は、センタバイパス切替弁27を介して方向制御弁22側の油道37とタンク28側の油道38とに分けられており、方向制御弁22とタンク28側の油道38との間には、ボトム室11aから排出された圧油の一部をタンク28に導くための油道39が設けられている。また、操作装置23と方向制御弁22の信号ポートとの間には、ブーム下げ信号供給用のパイロット管路40とブーム上げ信号供給用のパイロット管路41とが設けられ、さらにブーム下げ用のパイロット圧をジャッキアップ切替弁25を介してセンタバイパス切替弁27に導く切替信号供給用のパイロット管路42,43が設けられている。加えて、ジャッキアップ切替弁25と流量制御弁26を構成する切替弁262の信号ポートとの間には、ジャッキアップ切替弁25を介してパイロットポンプ24から切替信号供給用の圧油が導かれるパイロット管路45が設けられている。
また、本実施形態に係る油圧ショベルは、エンジン14の目標回転数を設定する目標回転数設定手段と、この目標回転数設定手段の操作によってエンジン14の目標回転数が低く設定された際に、操作装置23の操作によって生成されるパイロット圧を減圧させて、方向制御弁22を再生回路を含む切替位置22aに切り替えるパイロット圧として供給する減圧手段を備えている。
前述の減圧手段は例えば、操作装置23と方向制御弁22の図2の左側に位置する信号ポートとを連絡するパイロット管路40に設けられ、このパイロット管路40を流れるパイロット圧を減圧する電磁弁18と、前述の目標回転数設定手段で設定された目標回転数に応じたパイロット圧となるように電磁弁18を制御する制御信号を出力するコントローラ16を含んでいる。
また、前述の目標回転数設定手段は、操作される回転量に応じたエンジン14の目標回転数をコントローラ16に出力するダイヤルスイッチ17から成り、このダイヤルスイッチ17で操作される回転量が小さく目標回転数が低いときに、コントローラ16は、パイロット管路40を流れるパイロット圧を減圧させる制御信号を電磁弁18に出力する処理を行なう。
また、エンジン14には、このエンジン14の回転数を制御するエンジンコントローラ15を付設してあり、ダイヤルスイッチ17で設定されたエンジン14の目標回転数信号に相応する信号が、コントローラ16からエンジンコントローラ15に出力されるようになっている。
以下、前述のように構成された本実施形態に係る油圧作業機の動作について説明する。
操作レバー23aが中立位置にあり、ブーム用油圧シリンダ11に引張力が作用していない場合、図2に示すように、方向制御弁22は中立位置22bとなり、ブーム用油圧シリンダ11のボトム室11aがブーム等の自重分を支えるために高圧となり、ジャッキアップ切替弁25はばね25cの力に抗して切替位置25aに切り替えられ、パイロットポンプ24の圧油がジャッキアップ切替弁25の切替位置25aを介してパイロット管路45に導かれることによって、流量制御弁26の切替弁262は閉位置26aに切り替えられ、センタバイパス切替弁27は開位置27aを保持する。したがって、主ポンプ21から吐出された圧油は、油道31、方向制御弁22のセンタバイパスポート、油道37、センタバイパス切替弁27及び油道38を通ってタンク28に導かれる。
この状態から、操作レバー23aが図示右方向、即ち、ブーム上げ方向に操作された場合には、パイロットポンプ24から供給される圧油によってパイロット管路41にブーム上げ用のパイロット圧が導出し、方向制御弁22が切替位置22cに切り替えられる。これにより、ロッド室11bから排出された圧油が油道35、方向制御弁22、油道39を通ってタンク28に戻されるので、ボトム圧がジャッキアップ切替弁25のばね25cにより設定される切替圧力よりも低圧となり、すなわち所定圧未満となり、ジャッキアップ切替弁25が切替位置25bに切り替えられ、パイロットポンプ24とパイロット管路45との間が遮断され、流量制御弁26を構成する切替弁262がそのばねの力によって切替位置26bに切り替えられる。したがって、油道32、流量制御弁26、油道33を通って方向制御弁22のメータインポートに供給された主ポンプ21からの圧油が、油道34を通ってボトム室11aに供給され、ブーム用油圧シリンダ11が伸張されて、ブーム5が上げ方向に回動される。
一方、操作レバー23aを図示左方向、即ち、ブーム下げ方向に操作すると、パイロットポンプ24から供給される圧油が減圧され、この減圧されたパイロット圧がブーム下げ信号としてパイロット管路40に導出し、方向制御弁22の同図2の左側の信号ポートに与えられて、この方向制御弁22が切替位置22aに切り替えられる。そして、ボトム室11aからの戻り油の一部が絞り29b、チェック弁29c及び油道35を介してロッド室11bに再生されると共に、残りが絞り29a及び油道39を介してタンク28に戻される。
この場合において、ボトム圧がジャッキアップ切替弁25のばね25cにより設定される切替圧力よりも高いとき、すなわち所定圧以上のときには、ジャッキアップ切替弁25は切替位置25aに維持されるので、パイロットポンプ24の圧油がパイロット管路45に導かれることにより、流量制御弁26を構成する切替弁262も閉位置26aに維持され、また、センタバイパス切替弁27も開位置27aに維持される。したがって、主ポンプ21から吐出された圧油は、油道31、方向制御弁22のセンタバイパスポート、油道37、センタバイパス切替弁27及び油道38を通ってタンク28に導かれ、ブーム用油圧シリンダ11のボトム室11a及びロッド室11bには圧油が供給されないので、ロッド室11bへは再生油のみが導入され、ブーム5の自重によってブーム用油圧シリンダ11が縮小して、ブーム5が下げ方向に回動(いわゆる自重降下)される。
また、操作レバー23aがブーム下げ方向に操作された場合において、ボトム圧がジャッキアップ切替弁25のばね25cにより設定される切替圧力よりも低いときには、すなわち所定圧未満となったときには、ジャッキアップ切替弁25がばね25cの力により切替位置25bに切り替えられ、油道45を介して流量制御弁26の切替弁262の信号ポートに供給されていたパイロットポンプ24からの圧油が遮断されるので、切替弁262がそのばねの力により開位置26bに切り替えられ、ポペット弁261の背圧が油道33と同圧となり、主ポンプ21から吐出された圧油が、油道32、流量制御弁26のポペット弁261、油道33を通って方向制御弁22のメータインポートに供給される。また、ジャッキアップ切替弁25の切り替えに伴って、パイロットポンプ24から吐出された圧油が、パイロット管路40、パイロット管路42、ジャッキアップ切替弁25、パイロット管路43を通ってセンタバイパス切替弁27の信号ポートに供給されるので、センタバイパス切替弁27が閉位置27bに切り替えられ、方向制御弁22のセンタバイパスの下流が遮断される。したがって、油道33より方向制御弁22のメータインポートに供給された主ポンプ21からの圧油が、ボトム室11aから排出された再生油とともに油道35を通ってブーム用油圧シリンダ11のロッド室11bに供給され、車体のジャッキアップ力などの強い押し付け力を発生させることができる。
また、前述のようにブーム5を自重降下させる際に、ダイヤルスイッチ17の回転量を小さくしてエンジン14の目標回転数が低く設定されると、コントローラ16からエンジンコントローラ15に出力される目標回転数信号に応じてエンジン14の回転数が低くなるように制御される。これに応じて、主ポンプ21からの吐出量が小さくなるように制御される。これにより、図2では示していないアーム用油圧シリンダ12、バケット用油圧シリンダ13、旋回用油圧アクチュエータ10等の各油圧アクチュエータへの供給流量が少なくなり、該当する各油圧アクチュエータの作動速度が遅くなってこの油圧ショベルの全体の動作がゆっくりとしたものとなる。
このような動作が行なわれる間、戻り油の再生量で作動しているブーム用油圧シリンダ11には、主ポンプ21から吐出される圧油は供給されないものの、前述のようにダイヤルスイッチ17の操作でエンジン17の目標回転数が低く設定された際には、コントローラ16から電磁弁18に開口量を小さくする制御信号が出力される。これにより、電磁弁18が作動し、操作装置23の操作で生成されたパイロット管路40を流れるパイロット圧が減圧される。したがって、方向制御弁22のストローク量がエンジン14の目標回転数を低く設定する前に比べて小さくなり、方向制御弁22の開口量は小さくなるように変化し、方向制御弁22の切替位置22aに含まれる再生回路を介してブーム用油圧シリンダ11に供給される再生量が少なくなるように変化させることができる。これに伴って、ブーム用油圧シリンダ11の作動速度が遅くなり、ブーム5の下げ速度をエンジン14の目標回転数を低く設定する前に比べて遅くすることができる。
以上のように、本実施形態に係る油圧ショベルによれば、ブーム5の自重による降下に際して、エンジン回転数が下げられたときには、他の油圧アクチュエータと同様にブーム用油圧シリンダ11の作動速度を遅くさせ、自重により降下するブーム5の下げ速度を低下させることができる。これにより、エンジン回転数を低下させ、ブーム5の自重による降下動作を伴う作業の作業性を向上させることができる。
なお、上記実施形態にあっては、エンジン14の目標回転数を設定する目標回転数設定手段をダイヤルスイッチ17によって構成したが、本発明は、このように構成することには限られない。目標回転数設定手段を例えば、燃費を向上させる操作モード、いわゆるエコモードの選択が可能で、このエコモードが選択されたときにエンジン14の低い目標回転数をコントローラ16に出力可能なモードスイッチによって構成し、このモードスイッチでエコモードが選択されたとき、コントローラ16が、パイロット管路40を流れるパイロット圧を減圧させる制御信号を電磁弁18に出力する処理を行なうようにしてもよい。
3 走行体
4 旋回体
5 ブーム(作業要素)
11 ブーム用油圧シリンダ
11a ボトム室
11b ロッド室
14 エンジン
16 コントローラ
17 ダイヤルスイッチ(目標回転数設定手段)
18 電磁弁
21 主ポンプ
22 方向制御弁
23 操作装置
24 パイロットポンプ
25 ジャッキアップ切替弁
26 流量制御弁
261 ポペット弁
27 センタバイパス切替弁
28 タンク
29a 絞り
29b 絞り
29c チェック弁
31 油道
32 油道
33 油道
34 油道
35 油道
36 油道
37 油道
38 油道
40 パイロット管路
42 パイロット管路
43 パイロット管路
45 パイロット管路

Claims (5)

  1. エンジンと、このエンジンにより駆動される主ポンプと、作業要素と、前記主ポンプから吐出される圧油により伸縮され、前記作業要素を駆動する複動式の油圧シリンダと、前記主ポンプから前記油圧シリンダのボトム室及びロッド室に供給される圧油の流れを制御する方向制御弁と、当該方向制御弁の切替操作を行う操作装置と、
    前記油圧シリンダのボトム圧が所定圧に達したときに切り替えられるジャッキアップ切替弁と、当該ジャッキアップ切替弁の切替操作に伴って前記主ポンプから前記方向制御弁のメータインに供給される圧油の流路を開路側又は閉路側に変更する流路変更手段とを備え、
    前記方向制御弁が、前記作業要素の自重による降下時に前記油圧シリンダからの戻り油を当該油圧シリンダに再生させる再生回路を含む切替位置を有し、
    前記作業要素の下げ動作時に前記油圧シリンダのボトム圧が前記所定圧以上であるときには、前記ジャッキアップ切替弁を第1の切替位置に切り替えて前記流路変更手段を閉路側に切り替え、前記主ポンプから吐出される圧油を前記油圧シリンダのロッド室に供給せず、前記作業要素の下げ動作時に前記油圧シリンダのボトム圧が前記所定圧以下であるときには、前記ジャッキアップ切替弁を第2の切替位置に切り替えて前記流路変更手段を開路側に切り替え、前記主ポンプから吐出される圧油を前記方向制御弁を介して前記油圧シリンダのロッド室に供給する油圧作業機において、
    前記エンジンの目標回転数を設定する目標回転数設定手段と、
    前記目標回転数設定手段の操作によって前記エンジンの目標回転数が低く設定された際に、前記操作装置の操作によって生成されるパイロット圧を減圧させて、前記方向制御弁を前記再生回路を含む切替位置に切り替えるパイロット圧として供給する減圧手段とを備えたことを特徴とする油圧作業機。
  2. 請求項1に記載の油圧作業機において、
    前記減圧手段は、
    前記操作装置と前記方向制御弁の信号ポートとを連絡するパイロット管路に設けられ、このパイロット管路を流れるパイロット圧を減圧する電磁弁と、
    前記目標回転数設定手段で設定された前記エンジンの目標回転数に応じたパイロット圧となるように前記電磁弁を制御する制御信号を出力するコントローラとを含むことを特徴とする油圧作業機。
  3. 請求項2に記載の油圧作業機において、
    前記目標回転数設定手段は、操作される回転量に応じた前記エンジンの目標回転数を前記コントローラに出力するダイヤルスイッチから成り、このダイヤルスイッチで操作される回転量が少なく前記目標回転数が低いときに、記コントローラは、前記パイロット管路を流れるパイロット圧を減圧させる制御信号を前記電磁弁に出力する処理を行なうことを特徴とする油圧作業機。
  4. 請求項2に記載の油圧作業機において、
    燃費を向上させる操作モードの選択が可能で、この燃費を向上させる操作モードが選択されたときに低い前記エンジンの目標回転数を前記コントローラに出力可能なモードスイッチから成り、このモードスイッチで前記燃費を向上させる操作モードが選択されたとき、前記コントローラは、前記パイロット管路を流れるパイロット圧を減圧させる制御信号を前記電磁弁に出力する処理を行なうことを特徴とする油圧作業機。
  5. 請求項3または4に記載の油圧作業機において、
    当該作業機が油圧ショベルから成り、前記作業要素がブームから成り、前記油圧シリンダがブーム用油圧シリンダから成ることを特徴とする油圧作業機。
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