JP3772201B2 - 排気ガス浄化用触媒の製造方法および製造装置 - Google Patents

排気ガス浄化用触媒の製造方法および製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は排気ガス浄化用触媒の製造方法および製造装置に関し、更に詳しくは、自動車等の排気ガス浄化に用いるハニカム構造の触媒管の排気ガス浄化用触媒を製造する方法、およびこの触媒管に用いる排気ガス浄化用触媒の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の自動車等排気ガス触媒管構造としては、担持内部が平板状のメタル基体と、波形状のメタル基体とを交互に重ね合わせ、これを円周状に幾重にも積み重ねたハニカム構造の触媒管が用いられている。
そして平板状のメタル基体並びに波形状のメタル基体の表面には湿式法または乾式法によりセラミック層と触媒金属被膜が担持されている。
【0003】
湿式法においては、メタル基体への触媒金属被膜の担持は、あらかじめハニカム構造の触媒管を作製し、その後、触媒管に溶液処理によって行なわれる。
その湿式法による触媒金属被膜の担持方法としては、例えば特公昭43-10049号公報で、ジニトロジアミノ白金[Pt(NH3)2(NO2)2]水溶液を用いて白金を担持する方法、また、特公昭61-33620号公報で、ジニトロジアミノ白金を硝酸水溶液に溶解し、熟成して得られる白金薬液を用いて白金を担持させる方法、が夫々提案されている。
【0004】
また、乾式法においては、あらかじめハニカム構造に作製された触媒管の内部へのセラミック層と触媒金属被膜の担持は不可能であることから、ハニカム構造に組み立てる前の平板状のメタル基体および波形状(フイン形状)のメタル基体の夫々にセラミック層と触媒金属被膜を担持してから、これを図4に示すように平板状のメタル基体aおよび波形状(フイン形状)のメタル基体bとを互いに重ね合わせ、これらを多重に巻き付け組み立てた後、両メタル基体の接合部分(接線部)cを線条に溶接加工して触媒管dを作製する方法が一般的である。
その乾式法による触媒金属被膜の担持方法としては、例えば特開平2-207842号公報で、フッ化白金およびフッ化ロジウムの混合気体を用いて、活性アルミナをコートした担体に、白金およびロジウムを担持させる方法、また、特開平4-187247号公報で、活性アルミナをコートしたメタル担体を1000℃以上に加熱し、物理的蒸着法(PVD法)または化学的蒸着法(CVD法)によりメタル担体に触媒金属を担持させる方法、また、特開平5-154381号公報で、金属帯基体の表面に、真空成膜法により0.2μm以上、2μm以下の貴金属触媒の混合層を設ける方法、が夫々提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記乾式法による表面にセラミック層と触媒金属の被膜を担持したメタル基体をハニカム構造の触媒管dの排気ガス浄化用触媒を製造する場合、溶接個所は平板状のメタル基体aと波形状のメタル基体bの接合部分cにおいて線状で行なわれるが、以下の3点が問題点として挙げられる。
▲1▼ 溶接個所が広面積にわたり、触媒被膜の担持面積が低下し、これに伴い浄化率性能が劣化する、
▲2▼ メタル基体にセラミック被膜(層)が形成されているので、接合部での溶接不良が生じる、
▲3▼ 溶接加熱による接合部分近傍の触媒金属被膜へのダメージが発生する。
【0006】
また、上記に述べたように自動車等排気ガス浄化のための触媒被膜の形成技術が現在では湿式法から乾式法に移行する中で、乾式法においては触媒金属被膜の担持に関し、メタル基体の両面への担持という必要性からスパッタリング法が広く使用されている。
【0007】
ところで従来のスパッタリング法においては、被膜の担持分布の向上を図るためには、通常、ターゲットと基体の距離は長い程良いとされていた。
しかるにこの場合、メタル基体以外の真空容器内の部分にも多量のターゲット(金属)材料が被膜され、ターゲット材料の実質的消費が大きくなる。
【0008】
本発明は前記問題点を解消する排気ガス浄化用触媒の製造方法および製造装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
▲1▼ 本発明は平板状のメタル基体と波形状のメタル基体との溶接による接合において、メタル基体の両端側のみに点溶接を実施することで、接合面積を極力縮小し、従来技術で述べた▲1▼、▲2▼、▲3▼の問題点を回避する。
▲2▼ 本発明は通常のスパッタリング法において、メタル基体以外の真空容器内の部分にも被膜形成がなされることによるターゲット材料の無駄な消費を極力減少させる。
【0010】
上記課題を解決するための具体的な手段を以下に記述する。
【0011】
本発明はメタル基体に触媒作用にかかわる触媒金属被膜を形成(担持)させることにおいて、メタル基体の両端側のおよそ5mm以下の部分を未担持部とし、両メタル基体の接合部分の溶接個所を図1のような平板状のメタル基体および波形状のメタル基体の双方の未被膜部分、即ち被膜の未担持部での接点で行い、ハニカム構造の触媒管から成る排気ガス浄化用触媒を製造するものである。
【0012】
また、スパッタリング法による触媒金属被膜の形成担持において、ターゲット径を2インチ以下とし、メタル基体と触媒金属のターゲット間の距離を極力短小にし、触媒金属被膜の担持を行なうものである。
【0013】
更に詳しくは、本発明の排気ガス浄化用触媒の製造方法は、表面にセラミック層と触媒金属被膜を担持した平板状のメタル基体と、表面にセラミック層と触媒金属被膜を担持した波形状のメタル基体とを交互に重ね合わせ、これらを多重に巻き付けたハニカム構造の触媒管から成る排気ガス浄化用触媒を製造する方法において、平板状並びに波形状のメタル基体の表面にセラミック層と触媒金属の被膜を担持する際、メタル基体の両端側に夫々5mm以内の部分をこれらの未担持部として、セラミック層と触媒金属被膜を担持し、各メタル基体の未担持部のみを接合してハニカム構造の触媒管に形成することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の排気ガス浄化用触媒の製造装置は、表面にセラミック層と触媒金属被膜を担持したメタル基体を製造する装置において、真空容器内に連続したメタル基体を保持する1対のローラーを配置し、両ローラー間のメタル基体の両面の夫々に対向した位置に触媒金属のターゲットを備えたスパッタリングカソードを設け、該ターゲットとメタル基体との間であってメタル基体の前方にメタル基体の両端側の夫々に触媒金属被膜の未担持部を形成するマスキング板を配置したことを特徴とする。
【0015】
上記構成とすることにより、従来の図4に示すハニカム構造の触媒管における平板状のメタル基体と波形状メタル基体との線条による接合(溶接)を回避出来て、触媒金属被膜の担持の表面積の低下、セラミック層によるメタル基体間の接合(溶接)不良、触媒金属被膜のダメージが回避される。
【0016】
また、ハニカム構造の触媒管を作製する際、接合を未担持部分(点接合)のみで行なうようにしたから両メタル基体の接合が簡素化される。
【0017】
更に、触媒金属のターゲットの径を比較的小径化し、メタル基体と触媒金属のターゲット間の距離を極力短小化することで、メタル基体以外の部分における触媒金属被膜の形成を防止し、触媒金属被膜の担持における触媒金属である貴金属のターゲット材料の消費を減少させる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面により説明する。
【0019】
図1は例えばステンレス板の表面に例えばα型アルミナのセラミック層1と、例えば白金・ロジウムから成る合金の触媒金属被膜2を担持したメタル基体3を示し、そして、メタル基体3は、その両端側に夫々幅5mm程度のセラミック層1と触媒金属被膜2が担持されていない未担持部4を有する。
【0020】
図2は本発明の排気ガス浄化用触媒の製造装置の1実施例を示すものであり、図中、11は真空容器を示す。該真空容器11内を真空ポンプ等の真空排気系12にバルブ13を介して接続し、真空容器11内を所定の圧力に設定出来るようにすると共に、該真空容器11内にガス導入系14を介してガス供給源15を接続し、該ガス導入系14より希ガス、例えばアルゴンガスを導入出来るようにした。
【0021】
また、真空容器11内に触媒金属被膜2を担持すべき連続したメタル基体3の送出ローラー16と、表面に触媒金属被膜2が担持されたメタル基体3の巻取ローラー17から成る1対のローラー(16、17)を配置した。
【0022】
また、送出ローラー16と、巻取ローラー17間のメタル基体3の両面側の夫々に対向した位置に触媒金属のターゲットを備えたスパッタリングカソード18、19を配置した。
尚、図示例ではスパッタリングカソード18、19の配置位置を上下とした。
【0023】
また、上方のスパッタリングカソード18に所定の高周波電力を印加してスパッタリングを行なうためのRF電源20を配置すると共に、下方のスパッタリングカソード19に所定の高周波電力を印加してスパッタリングを行なうためのRF電源21を配置した。
【0024】
また、各スパッタリングカソード18、19の各触媒金属のターゲット面にメタル基体3が近接するようにガイドローラー22、23を配置した。
そして、上方のスパッタリングカソード18の触媒金属のターゲットとメタル基体3との間であって、メタル基体3の前方にメタル基体3の両端側の夫々に触媒金属被膜の未担持部4を形成するマスキング板24を配置すると共に、下方のスパッタリングカソード19の触媒金属のターゲットとメタル基体3の間であって、メタル基体3の前方にメタル基体3の両端側の夫々に触媒金属被膜の未担持部4を形成するマスキング25板を配置した。
【0025】
【実施例】
本発明の具体的実施例を比較例と共に説明する。
【0026】
実施例1
本実施例は前記図2に示す製造装置を用いて、図1に示す表面にセラミック層1と金属触媒被膜2を担持したメタル基体3を製造する1例である。
【0027】
スパッタリングカソード18、19には大きさ直径50mm、厚さ5mmの白金・ロジウム(組成5:1wt%)の合金が、夫々触媒金属のターゲットとして備えられており、夫々のターゲット面とメタル基体3との間隔(距離)は20mmとした。
また、メタル基体3の両端側に夫々幅5mmの未担持部を形成するマスキング板24、25をメタル基体3の夫々の面に近接させて配置した。
【0028】
先ず、メタル基体3として市販の幅100mm、厚さ0.05〜0.1mmの巻状のステンレス板R20-5SRを用い、これを大気雰囲気炉内に設置し、温度1000℃で、1時間加熱し、メタル基体3の表面にα型アルミナの針状結晶から成るセラミック層1を形成したものを触媒金属被膜の担持用のメタル基体3とした。
【0029】
次に、この熱処理を施した巻状のメタル基体3(セラミック層を備えるステンレス板)を真空容器1内の送出ローラー16に取り付けると共に、該メタル基体3をガイドローラー22、23を経て巻取ローラー17側に搬送出来るようにした。
【0030】
続いて、真空容器11内を真空排気系12により真空排気した後、ガス供給源15よりガス導入系14を介して真空容器11内にアルゴンガスを導入し、圧力を0.13Pa(1.0mTorr)に設定した。
【0031】
そして、メタル基体3を送出ローラー16よりガイドローラー22、23を経て巻取ローラー17側に搬送させながら、各スパッタリングカソード18、19にRF電源20、21より出力10W/cm2以下を印加してスパッタリング法により各ターゲットをスパッタリングして、メタル基体3の両面のセラミック層1面に膜厚0.01μm(100Å)の触媒金属被膜2を形成すると共に、メタル基体3の両端側に夫々幅5mmの未担持部4を有する図1に示すメタル基体3を作製し、これを巻取ローラー17に巻き取るようにした。
【0032】
次に、真空容器11内の巻取ローラー17に巻き取られたメタル基体3を該ローラー17より取り外し、真空容器11外に取出した。
【0033】
メタル基体3を真空容器11外に取り出した後、真空容器11内を調べたところ、マスキング板24、25を除いた真空容器11内の内壁等にはターゲット材料の被膜付着が認められず、ターゲット材料の実質的な消費効率が向上していることが分かる。
【0034】
実施例2
本実施例は前記実施例1にて作製された表面にセラミック層1と触媒金属被膜2を担持したメタル基体3を用い、図3に示すハニカム構造の触媒管から成る排気ガス浄化用触媒Aを製造する1実施例である。
【0035】
先ず、真空容器11内より取り出された連続状のメタル基体3のうち一部をそのままにして平板状のメタル基体5とし、他の一部をフィン加工器により加工して波形状のメタル基体6とした。
【0036】
次に、平板状のメタル基体5と波形状のメタル基体6とを交互に重ね合わせ、これらを多重に巻き付け、組み合わせて図3に示すように両メタル基体3の両端側の未担持部4のみに溶接を行なって接合(点状接合)7し、図3に示す外径60mm、長さ100mmのハニカム構造の触媒管8を作製した。
【0037】
このハニカム構造の触媒管8の排気ガス(炭化水素:CH、一酸化炭素:CO、酸化窒素:NOx)の浄化率を浄化前後の各ガスの赤外線吸収スペクトル強度差から換算し、求めた。その結果を表1に示す。
【0038】
比較例1
従来の乾式法により表面全面に亘ってセラミック層(セラミック層は前記実施例1と同じ)と、触媒金属被膜(被膜材料、膜厚は前記実施例1と同じ)を担持した平板状のメタル基体aと波形状のメタル基体b(メタル基体は未担持部を有しない以外は前記実施例1と同じ)を用いて、平板状のメタル基体aと波形状のメタル基体bとを交互に重ね合わせ、これらを多重に巻き付け組合せて、両メタル基体a、bの接合部分cを線条による溶接を行なって接合し、図4に示す外径60mm、長さ100mmのハニカム構造の触媒管dを作製した。
【0039】
このハニカム構造の触媒管dの排気ガス(炭化水素:CH、一酸化炭素:CO、酸化窒素:NOx)の浄化率を前記実施例2と同様の方法で調べ、その結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
Figure 0003772201
【0041】
表1から明らかなように、実施例2(本発明)は比較例1(従来法)に比して浄化率が向上していることが分かる。
【0042】
【発明の効果】
本発明の製造方法によるときは、メタル基体のセラミック層と触媒金属の被膜の未担持部のみを接合するようにしたので、排気ガスに接する触媒金属被膜の担持面積が増加するため、従来の乾式法により作製されたハニカム構造の触媒管よりも優れた触媒性能を有する自動車等のハニカム構造の触媒管から成る排気ガス浄化用触媒を容易に製造することが出来る効果がある。
【0043】
また、本発明の製造装置によるときは、表面にセラミック層と触媒金属被膜の未担持部を有するメタル基体からなり、優れた触媒性能を有する排気ガス浄化用触媒を極めて容易に製造することが出来る製造装置を提供することが出来る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の排気ガス浄化用触媒の1実施例の平面図、
【図2】 本発明の排気ガス浄化用触媒の製造装置の1実施例の概略截断面図、
【図3】 本発明のハニカム構造の触媒管から成る排気ガス浄化用触媒の1実施例の斜視図、
【図4】 従来のハニカム構造の触媒管から成る排気ガス浄化用触媒の斜視図。
【符号の説明】
1 セラミック層、 2 触媒金属被膜、 3 メタル基体、
4 未担持部、 5 平板状のメタル基体、
6 波形条のメタル基体、 8 触媒管、 11 真空容器、
12 真空排気系、 14 ガス導入系、
16、17 ローラー、 18、19 スパッタリングカソード、
24、25 マスキング板。

Claims (2)

  1. 表面にセラミック層と触媒金属被膜を担持した平板状のメタル基体と、表面にセラミック層と触媒金属被膜を担持した波形状のメタル基体とを交互に重ね合わせ、これらを多重に巻き付けたハニカム構造の触媒管から成る排気ガス浄化用触媒を製造する方法において、平板状並びに波形状のメタル基体の表面にセラミック層と触媒金属被膜を形成担持する際、メタル基体の両端側に夫々5mm以内の部分をこれらの未担持部として、セラミック層と触媒金属被膜を形成担持し、各メタル基体の未担持部のみを接合してハニカム構造の触媒管に形成することを特徴とする排気ガス浄化用触媒の製造方法。
  2. 表面にセラミック層と触媒金属被膜を形成担持したメタル基体を製造する装置において、真空容器内に連続したメタル基体を保持する1対のローラーを配置し、両ローラー間のメタル基体の両面の夫々に対向した位置に触媒金属のターゲットを備えたスパッタリングカソードを設け、該ターゲットとメタル基体との間であってメタル基体の前方にメタル基体の両端側の夫々に触媒金属被膜の未担持部を形成するマスキング板を配置したことを特徴とする排気ガス浄化用触媒の製造装置。
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