JP3770612B2 - 外観検査装置 - Google Patents

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Description

本発明は、検査対象物の外観を検査する外観検査装置に関するものであり、特に、略円筒状形状を少なくとも一部に有する物品の外周面を検査する装置であって、生産ラインや品質検査の場所に半固定的に設置する装置も、必要な場所に携帯して使用する装置も含むものである。
物品の表面に現れる欠陥を検査する方法として、従来は主に作業員による目視検査が行われてきた。しかしながら、目視検査では検査員によるバラツキが生じやすく、また小さな欠陥をも見落とさないような熟練した検査員を多数育成し配置することは費用もかかり、困難である。そのため、外観検査を自動化するために各種の技術が導入されている。
検査対象となる物品が平面状のものであれば画像の取り込みや画像処理は比較的容易であるが、円筒形状を少なくとも一部に有する物品の側面外周が検査の対象であると自動化は容易ではない。
従来において、円筒状物を回転させながら画像を取り込む技術が知られているが、この場合、円筒状物を保持しつつ回転する手段が必要になり、さらに、その回転手段に円筒状物を着脱する手段も必要となり、装置は大型かつ複雑となって高価であり、取り扱いも簡単ではない。また、従来において、円筒状の物品や画像取り込み手段を回転させることなく、円筒状の物品の側面外周を検査する技術も提案されている。例えば特許文献1には、紙巻たばこのような円筒状物品の円筒表面を撮像するのに、リング状の円錐ミラーを用い、円錐ミラーに映し出される像を撮像手段で撮影する技術が記載されている。また、特許文献2や特許文献3にも、同様のミラーを用いて電解コンデンサー等の円筒形状を検査する技術が記載されている。
従来の検査方法のうち、目視検査ではバラツキが起こりやすく、また、多数の熟練検査員を要するという問題があり、円筒状物品を回転させながら表面を撮像する方法では装置が大型かつ複雑になるという問題がある。一方、円錐ミラーを用いて撮像する方法では、装置がコンパクトで扱いやすいものになるという利点がある。しかし、円錐ミラー上に写ったリング状の画像をそのまま表示したのでは検査しにくいので、画像処理を行って円筒表面を長方形状に平面展開した画像に変換して表示することが必要となる。ここで、円錐ミラーと円筒状物の中心軸が正確にあっているときは、円筒表面を平面展開した画像が表示されるが、円筒状物の中心軸が円錐ミラーの中心軸に対して傾いていたり、あるいは傾きはなくても中心が平行にずれている場合は、画像は変形して表示される。特許文献1、特許文献2、特許文献3に記載された技術は、この中心軸の不一致による画像の変形について何ら考慮していない。
特公平6−79327号公報 特許第2942487号公報 特許第2726808号公報
本発明の目的は、小型かつ簡素な構成で、円筒形状を少なくとも一部に有する物品の外観検査が正確かつ容易にでき、円筒の中心軸と円錐ミラーの中心軸の不一致による画像表示の変形がない外観検査装置を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために、本発明に係る外観検査装置は、筒状の形状を少なくとも一部に有する検査対象物の外観を検査する装置であって、上記検査対象物を照明するための光源と、上記検査対象物を挿入する穴を有する円錐面状反射鏡と、上記円錐面状反射鏡上の像を画像として取り込む画像取り込み手段と、上記画像取り込み手段で取り込まれた画像を処理する画像処理手段と、上記検査対象物の上記筒状の部分の中心軸と上記円錐面状反射鏡の中心軸との不一致を補正する補正手段とを有し、上記補正手段は、上記画像処理手段により検査対象物の特徴部分を抽出し、検査対象物の上記筒状の部分の中心軸と円錐面状反射鏡の中心軸との不一致を検出し、その不一致の情報に従い上記画像処理手段で画像を補正することを特徴としている。
また、本発明に係る外観検査装置は、筒状の形状を少なくとも一部に有する検査対象物の外観を検査する装置であって、上記検査対象物を照明するための光源と、上記検査対象物を挿入する穴を有する円錐面状反射鏡と、上記円錐面状反射鏡上の像を画像として取り込む画像取り込み手段と、上記画像取り込み手段で取り込まれた画像を処理する画像処理手段と、上記検査対象物の上記筒状の部分の中心軸と上記円錐面状反射鏡の中心軸との不一致を補正する補正手段とを有し、上記補正手段は、上記検査対象物の筒状の部分の中心軸の傾きを検出する傾き検出センサを備え、上記傾き検出センサの傾き情報に従い上記画像処理手段で画像を補正することを特徴としている。
また、本発明に係る外観検査装置は、筒状の形状を少なくとも一部に有する検査対象物の外観を検査する装置であって、上記検査対象物を照明するための光源と、上記検査対象物を挿入する穴を有する円錐面状反射鏡と、上記円錐面状反射鏡上の像を画像として取り込む画像取り込み手段と、上記画像取り込み手段で取り込まれた画像を処理する画像処理手段と、上記円錐面状反射鏡の上記穴の入り口に、上記検査対象物の上記筒状の部分の中心軸を強制的に上記円錐面状反射鏡の中心軸に合わせるように、外部に向いて開いた導入部と、上記筒状の部分の外径とほぼ同一の径を有し円錐面状反射鏡の中心軸と同軸である通路部とを有する案内部材と、検査対象物の通過を検知するセンサにより、上記検査対象物の上記筒状の部分の中心軸と上記円錐面状反射鏡の中心軸との不一致を補正する補正手段と、上記円錐面状反射鏡からの反射光の進路を変更する光路変更反射鏡とを有し、上記光路変更反射鏡の中心部には検査を終えた検査対象物が通過するための貫通孔が設けられ、上記貫通孔の側面は、入射光に対し平行な部分と反射光に対し平行な部分とを有し、つや消し黒色塗料が塗布されていることを特徴としている。
また、本発明に係る外観検査装置は、筒状の形状を少なくとも一部に有する検査対象物の外観を検査する装置であって、上記検査対象物を照明するための第1の光源と、上記検査対象物を挿入する穴を有する第1の円錐面状反射鏡と、上記第1の円錐面状反射鏡からの反射光の進路を変更する第1の光路変更反射鏡と、上記第1の光路変更反射鏡を介し上記第1の円錐面状反射鏡上の像を画像として取り込む第1の画像取り込み手段と、上記検査対象物の上記第1の光源と対向する方向から照明するための第2の光源と、上記検査対象物を挿入する穴を有する第2の円錐面状反射鏡と、上記第2の円錐面状反射鏡からの反射光の進路を変更する第2の光路変更反射鏡と、上記第2の光路変更反射鏡を介し上記第2の円錐面状反射鏡上の像を画像として取り込む第2の画像取り込み手段と、上記第1及び第2の画像取り込み手段で取り込まれた画像を処理する画像処理手段と、上記検査対象物の上記筒状の部分の中心軸と上記第1及び第2の円錐面状反射鏡の中心軸との不一致を補正する補正手段とを有することを特徴としている。
本発明においては、検査対象物は、円筒形状または円柱形状のみからなるものでもよく、径の異なる複数の円筒形状の組み合わせや円筒形状とそれ以外の形状の組み合わせでもよく、さらには、ほぼ完全な円筒形状または円柱形状でなくても検査上円柱等と同一視できるような多角形柱等の形状も含む。これらの形状の物品を総じて、以下、「円筒状物」という。
ここで、補正手段とは、機械的手段で検査対象物の姿勢を制御して傾きをなくす手段でもよく、検査対象物の円筒の中心軸と円錐面状反射鏡の中心軸との傾きを検出して、その傾きを画像処理により補正して変形のない画像を得る手段であってもよい。補正手段として、円錐面状反射鏡の穴の入り口に検査対象物の円筒の中心軸を強制的に円錐面状反射鏡の中心軸に合わせるように、外部に向いて開いた導入部と、円筒状物とほぼ同一の径を有し円錐面状反射鏡の中心軸と同軸である通路と、円錐面状の通過を検知するセンサを備えることができ、円錐面状反射鏡からの反射光の進路を変更する光路変更反射鏡を備え、当該光路変更反射鏡の中心部には検査を終えた円筒状物が通過するための穴が設けられているものとすることもできる。補正手段としてはまた、円筒状物の軸の傾きを検出する傾き検出センサを備え、傾き検出センサの傾き情報に従い画像処理手段で画像を補正するものとすることもできる。円錐面状反射鏡の中心軸にそって2箇所にそれぞれ3個以上の距離センサを設けて補正手段を構成したものでもよい。さらにまた、画像処理手段により検査対象物の特徴部分を抽出し、検査対象物の円筒の中心軸と円錐面状反射鏡の中心軸との不一致を検出し、その不一致の情報に従い画像処理手段で画像を補正するように上記補正手段を構成したものであってもよい。検査対象物が通過するための貫通穴が設けられている光路変更反射鏡を備えていない場合は、画像取り込み手段により検査対象物の天面を撮像し、天面の画像情報より画像処理手段にて検査対象物の円筒の中心軸の位置を特定し、円筒の中心軸の円錐面状反射鏡の中心軸に対する距離を求め、円筒の中心軸と円錐面状反射鏡の中心軸とのずれによる検査対象物の側面の画像の変形を補正してもよい。円錐面状反射鏡から画像取り込み手段までの光路上にハーフミラーを設け、当該光路の側面より照明光を導入するように光路を構成してもよい。
本発明に係る外観検査装置は、中心部に穴を有する円錐面状反射鏡によって、中心を通る円筒状物の側面外周を写し出し、画像取り込み手段により円錐面状反射鏡上の像を画像として取り込むことにより、簡易な装置で外観を検査することができる。円筒状物の中心軸と円錐面状反射鏡の中心軸との不一致を補正する補正手段を備えることにより、円筒状物の中心軸と円錐面状反射鏡の中心軸との不一致による表示画像の歪み・変形をなくし、円筒状物の側面外周を展開した状態を示す正確な画像が画像表示手段によって表示されるので、正確な外観検査が実現できる。
また、検査対象物が通過するための貫通穴が設けられている光路変更反射鏡を備えていない場合は、天面の画像も同一カメラで同時に撮像できることから、検査工程の削減と検査時間の短縮に貢献でき、2次元の展開画像とすることで、画像処理における特徴抽出や判定処理に関する数学的処理が今までよりも容易に実現できる。
次に、本発明に係る外観検査装置の実施の形態について、実施例に基づいて説明する。以下に説明する実施例では、検査対象物として、円筒形状または円柱形状のみからなるものを例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、径の異なる複数の円筒形状の組み合わせや円筒形状とそれ以外の形状の組み合わせでもよく、さらには、ほぼ完全な円筒形状または円柱形状でなくても検査上円柱等と同一視できるような多角形柱等の形状も含むものである。
図1は、本発明に係る外観検査装置の第1の実施例を示すブロック図である。
この図1に示す外観検査装置1は、検査対象物となる円筒状物2を照明するための光源3と、円筒状物2の側面外周の画像を取り込むためのCCD等の撮像カメラを有する画像取り込み手段4とを備える。画像取り込み手段4への光路に対して側面に設けられた光源3からの照明光は、画像取り込み手段4の前に設けられたハーフミラー5により進路を変更されて、画像取り込み手段4の軸線に沿って入射される。本実施例においては、円錐面状反射鏡6の下に設けられた反射鏡9により再度進路を変更され、円錐面状反射鏡6へ入射される。円錐面状反射鏡6の反射面の角度θは45°である。円錐面状反射鏡6の中心部には中心穴6aが形成されており、この中心穴6aを通って検査対象物である円筒状物2が導入される。照明光は円錐面状反射鏡6の反射面で反射され円筒状物2を照射する。円筒状物2の側面外周で反射された反射光は、円錐面状反射鏡6の反射面で反射され、反射鏡9で進路変更させられて、ハーフミラー5を透過して画像取り込み手段4へ到達する。画像取り込み手段4は円錐面状反射鏡6に映った像を撮像するように配置されている。このように円筒状物2の側面外周を円錐面状反射鏡6に映して撮像することにより、円筒状物2や画像取り込み手段4を回転させることなく、円筒状物2の側面を全周に亘って撮像することができる。
ここで、円錐面状反射鏡6と反射鏡9との距離を検査対象物である円筒状物2の長さに応じて構成するようにする。円錐面状反射鏡6と反射鏡9との距離が適当でない場合、円筒状物2自身が照明光及び像を遮ってしまうため、円筒状物2の側面を完全に映し出すことができないからである。このように、検査対象物である円筒状物2の長さに応じて構成するようにすることにより、様々な長さの検査対象物にも適用させることができる。
図2は、反射鏡9を示しており、(a)は断面図、(b)及び(c)はそれぞれ検査対象物通過方向側(鏡面)及びその反対側(裏面)から見た図である。図2に示すように反射鏡9は検査対象物が通過する穴を有しており、その穴は検査対象通過方向及びカメラ撮像方向からドリル等で開けるようにして形成される。すなわち、45°に傾けて設置されている反射鏡9の貫通孔9aの側面は、カメラの撮像方向からも検査対象物通過方向からも見えないようになっている。なお、貫通孔9aの表面には乱反射防止のためにつや消し黒色塗料などの処理が施されている。このように、光が反射しないような通過穴を設けた反射鏡9を用いることにより、円錐面状反射鏡6に映し出された円筒状物2の側面外周の像を乱反射させることなく画像取り込み手段4に送ることができる。
しかし、図2(b)の鏡面9bに映し出され、画像取り込み手段4によって取り込まれる円筒状物2の側面外周の画像はリング状であり、円筒状物2を側面から観察した場合の画像に比べて変形されており、このまま表示しても検査が行いにくい。従って、画像処理手段7によって画像処理を行い、円筒状物2の側面外周を展開した状態を示す画像に変換して画像表示装置8に表示させる。このように表示することにより、表示された画像は円筒状物2を側面から観察して把握されるものと類似しており、検査するものは欠陥や異常を発見しやすく、しかも欠陥の位置や大きさを、目視や定量的にすぐに把握できる。表示画像上で示される欠陥の面積は実際の欠陥の面積と比例しており、画像処理により欠陥の評価も行うことができる。
以上、円筒状物2の中心軸と円錐面状反射鏡6の中心軸とが一致しているときには、画像取り込み手段4によって取り込まれる画像から円筒状物2の側面外周を展開した状態を示す画像への変換は正確に行われるが、傾いている場合には変換は正確に行われず、変形して表示される。従って、現実には直線であっても曲線として表れ、検査する者はこれを傾きによる画面の変形であるか検査対象物である円筒状物2に変形が生じたことによる異常であるかが区別できない。
この問題を解決するために、本発明に係る外観検査装置は、傾きによって表示画像が変形されることを防止する補正手段が設けられている。本第1の実施例においては、機械的手段により円筒状物の姿勢を矯正して、円筒状物2の中心軸と円錐面状反射鏡6の中心軸とを一致させることにより正確な画像表示が行えるようにしてある。
図3に補正手段の詳細図を示し、この補正手段は、検査対象物である円筒状物2の姿勢を矯正しながら円錐面状反射鏡6の位置に案内する案内部材10と、この案内部材10内を検査対象物である円筒状物2が通過したことを検出するためのセンサ11とを備えて成り、案内部材10は、外部に向いて開いた導入部10aと、円筒外径とほぼ同一の径で円錐面状反射鏡の中心軸と同軸である通路部10bとを有している。
すなわち、案内部材10の上部の導入部10aは外部に向かって開いた形状となり、図の下へ向かって開口は徐々に狭くなり、通路部10bに達したところにおいて円筒状物2の直径とほぼ同じ径となる。続く通路部10bは円筒状物2の直径とほぼ同じ一定の直径の円形の通路となっている。また案内部材10の通路部10bの中心軸は円錐面状反射鏡6の中心軸に一致している。案内部材10の導入部10aより投入された円筒状物2は、導入部10aを下に向かって進みながらその姿勢を整え、次いで通路部10bを通るときには円筒状物2の中心軸と円錐面状反射鏡6の中心軸とが一致した状態になる。この状態で円筒状物2は円錐面状反射鏡6を通るため、円錐面状反射鏡6を通して撮像された画像は正確に変換され、円筒状物2の側面外周を展開した状態を示す画像となって画像表示手段によって表示される。ここで、通路部10bは円筒状物2の長さの3分の1以上の長さを有することが確実な姿勢制御を行う上で好ましい。また、通路部10bの出口はできるだけ円錐面状反射鏡6に近いことが、通路部10bを出た後に円筒状物2の姿勢が変わることを防止する上で好ましい。
また、案内部材10の通路部10bの途中には円筒状物2の通過を検知するセンサ11が設けられている。センサ11の出力信号により円筒状物2が投入されたことを察知して画像の取り込みを開始することができるようになっている。センサ11としては光源とフォトセンサの組み合わせや、音波、電磁誘導を利用した非接触式によるものや接触式のセンサ等を使用することができる。本実施例では、反射鏡9を設けることにより、画像取り込み手段4は円錐面状反射鏡6の真下でない場所におかれており、円錐面状反射鏡6を通過した円筒状物2が当たらないようになっている。円錐面状反射鏡6を通過し、撮像を終えた円筒状物2は反射鏡9の中心の乱反射を防止された貫通孔9aを通り、搬送手段12(容器やコンベヤ等)で回収される。本実施例においては、検査対象物である円筒状物2を投入して落下させるだけで、連続的に外観検査を行うことができる。
上記実施形態における外観検査装置において、検査対象物が長い場合、円錐面状反射鏡6と反射鏡9との距離を長くとることにより、検査対象物により遮られる部分を防ぐことができるが、検査対象物により遮られる部分を撮像する手段をさらに設けることで、装置を大型化することなく外観検査を行うことができる。
すなわち、図4に示すようにCCD等の撮像カメラを有する画像取り込み手段4、4を備え、上部円錐面状反射鏡6の反射面に映し出された検査対象物の側面は、画像取り込み手段4で撮像し、下部円錐面状反射鏡6の反射面に映し出された検査対象物の側面は、画像取り込み手段4で撮像するようにして、検査対象物により遮られる部分を他方の画像取り込み手段で取り込む。こうすることにより、検査対象物をスライドすることで長さ方向には関係なく撮像することができることとなる。
次に、この画像取り込み手段を2つ有する外観検査装置について図4を参照にして説明する。画像取り込み手段4への光路に対して側面に設けられた光源3からの照明光は、画像取り込み手段4の前に設けられたハーフミラー5により進路を変更されて、画像取り込み手段4の軸線に沿って上部反射鏡9に入射される。上部反射鏡9により進路を変更された入射光は、上部円錐面状反射鏡6へ入射され、検査対象物の側面を照射する。また、画像取り込み手段4への光路に対して側面に設けられた光源3からの照明光は、画像取り込み手段4の前に設けられたハーフミラー5により進路を変更されて、画像取り込み手段4の軸線に沿って下部反射鏡9に入射される。下部反射鏡9により進路を変更された入射光は、上部円錐面状反射鏡6へ入射され、検査対象物の側面を照射する。ここで円錐面状反射鏡6、6及び反射鏡9、9の反射面の角度は円錐面状反射鏡の中心軸に直交する平面に対して45°である。
検査対象物は、姿勢を矯正しながら円錐面状反射鏡6、6の位置に案内する案内部材10、センサ部13、上部円錐面状反射鏡6、上部反射鏡9、下部反射鏡9、円錐面状反射鏡6を通過する。ここで、センサ部13と上部円錐面状反射鏡6との距離はできるだけ短いことが好ましい。また、センサ検知から円錐面状反射鏡6、6に至るまでの時間は、自由落下の法則などにより計算され、そのタイミングで反射鏡9、9に映し出された検査対象物のリング状の側面画像を取り込む。
上部円錐面状反射鏡6の反射面に映し出された検査対象物の側面は、反射鏡9にリング状の像として映し出され、その像はハーフミラー5を通過し画像取り込み手段4で撮像される。また、下部円錐面状反射鏡6の反射面に映し出された検査対象物の側面は、反射鏡9にリング状の像として映し出され、その像はハーフミラー5を通過し画像取り込み手段4で撮像される。この円錐面状反射鏡6、6及び反射鏡9、9の中心部には検査対象物が通過する穴が設けられており、検査対象物はその穴を通過して検査される。このように、円錐面反射鏡と反射鏡とを2組備えることにより、検査対象物の影となる部分を撮像することができる。
画像取り込み手段4、4によって取り込まれる検査対象物の側面外周のリング状画像は、検査対象物自身によって遮られた側面画像を補間する画像処理や側面外周を展開した状態を示す画像に変換する処理が行われ、検査される。
なお、図4に示す外観検査装置は外観写像部の入口に中心軸をあわせる補正手段を設ける構成としたが、外観写像部の入口と出口とに補正手段を設けるようにしてもよい。
このように、上下2つの円錐面状反射鏡からの像を反射鏡に映し出し、検査対象物により遮られる部分をもう一方の反射鏡で映し出すことにより、検査対象物のすべての側面を検査することができる。また、図4に示す外観検査装置は、検査対象物の長さに関係なく構成されているので、ケーブルや配管などのような長いものにも適用させることができる。
なお、本実施例では、円筒状物2を投入して落下させているが、装置を水平に構成して円筒状物2を水平方向に通過させることで、連続的に外観検査を行うことにも適用できる。
図5は、本発明に係る外観検査装置の第2の実施例を示すブロック図である。
この第2の実施例における光路は上記第1の実施例と類似しているが、反射鏡は設けられておらず、画像取り込み手段4、ハーフミラー5、円錐面状反射鏡6が一直線上に配列してある。この一直線上の光路に対して側面側に照明3は設けられている。側面側から照射された照明光はハーフミラー5で進路を変更され円錐面状反射鏡6に入り、その反射面で反射されて円筒状物2の側面外周を照射する。円筒状物2の側面外周で反射された反射光は、円錐面状反射鏡6の反射面で反射され、ハーフミラー5を透過して画像取り込み手段4へ到達する。画像取り込み手段4により取り込まれた画像は画像処理手段7によって変換され、円筒状物2の側面外周を展開した状態を示す画像となって画像表示手段8によって表示される。本実施例においても光路中にハーフミラー5を設け、照明光を側面から導入するようにしたが、このように光路を構成することにより光路をコンパクトにし、ひいては装置を小型化することができる。
本第2の実施例における傾き補正手段においては、2組の距離センサ14,15により円筒状物2の傾きを検出し、この検出された傾きを用いて、画像取り込み手段4により取り込まれた画像を画像処理手段7で画像処理することにより、円筒状物2の側面外周を展開した状態を示す正確な画像に補正するようにしている。
図6を参照しながら、本第2の実施例における傾き補正手段の詳細を説明する。図6において、円錐面状反射鏡6の軸線に沿って互いに異なる位置に、2組の距離センサ14,15が設けられており、それぞれの組は3個の距離センサを有する。1つの組のセンサ14a、14b、14cは、円錐面状反射鏡6の中心軸に垂直な同一平面上に配置されている。各センサは、円筒状物2の側面までの距離L1a、L1b、L1cに対応した信号を出力する。従って、円錐面状反射鏡6の中心軸上のこの位置における垂直平面によって切断される円筒状物2の外周上の3点の位置が判明する。
図7に示すように同一平面上で3点の位置が決まれば、この3点を通る唯一の円を決定することができる。この円の中心C1の位置を円筒状物2の中心の位置とする。同様に、円錐面状反射鏡6の中心軸に沿って一定距離だけ離れた位置にも1つの組のセンサ15a、15b、15cが設けられており、円錐面状反射鏡6の中心軸上のこの位置における円筒状物2の中心C2の位置を求めることができる。そして、2箇所における円筒状物2の中心C1、C2の位置のずれより傾きの大きさおよび傾いている方向が得られる。実際には、円筒状物2が傾いている場合、断面形状は真円ではなく楕円であるが、それぞれの位置における楕円は同一形状であり、その主軸も同一方向を向いている。すなわち、楕円を真円で近似しても、楕円の重心と近似した円の中心のずれは2箇所で同一であり、結局、求められる傾きは正確なものである。また、傾きが小さい場合は、円の中心を楕円の重心、すなわち円筒状物2の中心軸の位置としても問題はないので、傾きだけでなく、円筒状物2が円錐面状反射鏡6の中心軸からどれだけ平行にずれているかも検出できる。傾きが検出されたら、画像処理手段7により補正を行って画像を変換すれば、円筒状物2の側面外周を展開した状態を示す正確な画像が画像表示手段8によって表示される。
上記第2の実施例においては、中心軸上のある位置における平面における円筒状物の中心を求めるのに、各平面での円筒側面が描く形状を楕円でなく真円で近似したが、本第3の実施例ではより正確を期し、楕円を楕円のまま取り扱う。この第3の実施例の傾き補正手段も、円錐面状反射鏡の軸線に沿って互いに異なる位置に設けられた2組の距離センサにより円筒状物の傾きを検出するものであるが、この第3の実施例においては、1組の距離センサとして、平行な向きの距離計測センサ2個を対として4対のセンサを用い、これらを2組(計8対のセンサを)用いている。検出された傾きを用いて、画像取り込み手段により取り込まれた画像を画像処理手段により補正することは、上記第2の実施例と同様である。
すなわち、第3の実施例の補正手段は、図8に示すように、円錐面状反射鏡6の最小直径で形成される円形の穴6aに被測定物である円形状物2が位置している場合、平行な向きの距離計測センサ2個を1組(1対)として、穴内壁の円周上に90°ごとに4箇所かつ異なる高さの2箇所に設けている。断面Aにある距離計測センサ14a,14a',14b,14b',14c,14c',14d,14d'および断面Bにある距離計測センサ15a,15a',15b,15b',15c,15c',15d,15d'を用いて、円形状物2の傾き検出を行う。画像処理手段7は、画像取り込み手段4により取り込まれた画像に対して、距離計測センサにより検出された傾きのデータを用いて補正計算ソフトウェアで補正計算することにより、穴の中心に垂直に位置する状態の像として画像再構成するものとする。図8の断面A,Bは、それぞれ、上下のセンサの位置で水平に切断した楕円形断面であり、これらの断面を、図9、図10に示す。
図9に示すように、検出する楕円形断面Aの周上点A1〜A8の3次元座標(x,y,z)を、それぞれA1(x1,y1,z1),A2(x2,y2,z2),A3(x3,y3,z3),A4(x4,y4,z4),A5(x5,y5,z5),A6(x6,y6,z6),A7(x7,y7,z7),A8(x8,y8,z8)とする。センサから得られるこれらの点はそれぞれ、線分A1A4、A2A3、A6A7、A5A8を形成し楕円の弦を表す。そして、A1A4とA2A3は平行であり、A6A7とA5A8が平行である。
ここで、線分A1A4の中点P2とA2A3の中点P1、およびこれに平行な弦の中点の軌跡は、これら線分に平行な楕円直径に対する共役直径となる。すなわち、線分A1A4とA2A3の中点P2,P1を通る直線lは共役直径に重なる直線となる。同様に、線分A6A7,A5A8上の中点P3,P4を通る直線mは、これらの線分に平行な楕円直径に対する共役直径に重なる。したがって、直線l,mの交点は共役直径の交点と等しく、楕円の中心o1を示すことになる。中心o1を求めるためにはこの楕円形断面を含む平面内を考えればよく,円錐面状反射鏡の中心をo(0,0)とし、1組(1対)のセンサ中心距離を2hとすれば、各点の座標は、A1(x1,h),A2(x2,-h),A3(x3,-h),A4(x4,h),A5(h,y5),A6(-h,y6),A7(-h,y7),A8(h,y8)である。各中点はP1((x2+x3)/2,-h),P2((x1+x4)/2,h),P3(-h,(y6+y7)/2),P4(h,(y5+y8)/2)となり、直線lは、
Figure 0003770612
となり、また、直線mは、
Figure 0003770612
となる。したがって、数式1、数式2を連立させて解くことにより、楕円体断面Aの中心o1(xo1,yo1)は、
Figure 0003770612
Figure 0003770612
により求められる。
また、図10の楕円形断面Bの中心o2(x02,y02)も同様にして求めることができる。検出する楕円形断面Bの周上点をそれぞれB1(x9,y9,z9),B2(x10,y10,z10),B3(x11,y11,z11),B4(x12,y12,z12),B5(x13,y13,z13),B6(x14,y14,z14),B7(x15,y15,z15),B8(x16,y16,z16)とする。楕円形断面Bを含むxy平面に平行な平面として考えれば、各点はB1(x9,h),B2(x10,-h),B3(x11,-h),B4(x12,h),B5(h,y13),B6(-h,y14),B7(-h,y15),B8(h,y16)となり、計算から中心o2(xo2,yo2)は次のようになる。
Figure 0003770612
Figure 0003770612
このようにして断面A、Bにおける中心位置を求めると、図11に示すように円筒状物の傾きの状態が把握される。ここで原点o(0,0,0)とすれば、センサ14のz座標およびセンサ15のz座標はそれぞれH1、H1+H2である。これら楕円形断面A,Bの中心o1,o2を通る直線を求めれば、被測定物の中心線が求まる。従って、図12に示すような傾き角度γ,αも容易に計算できる。
本発明に係る外観検査装置の第4の実施例は、画像処理手段により検査対象物である円筒状物2の外観の特徴部分を抽出し、特徴部分の変形により円筒状物2の中心軸と円錐面状反射鏡6の中心軸との不一致を検出し、その不一致の情報に従い画像処理手段で画像を補正するように補正手段を構成したものである。円筒状物2の中心軸と円錐面状反射鏡の中心軸との不一致を評価するために抽出される特徴部分は、円筒状物2の側面状に現れる図形のうち単純なものであることが好ましい。例えば、図13に示すように、円筒状物2の中心軸に平行な直線2aや、円筒状物2を一周する帯状の線2bなどが、上記不一致検出に適している図形である。これらの図形が円筒状物2の側面上に現れている場合は、これらを特徴部分として抽出し、本来あるべき形状からの変形具合から中心軸の不一致を算出することができる。また、円筒状物2の先端部が通過する際に、先端部の外周2cをエッジとして検出し、特徴部分としてもよい。また、予め特徴となる図形を印刷等により表示しておいてもよい。中心軸の不一致が把握されたら、画像処理手段により補正を行って画像を変換すれば、円筒状物2の側面外周を展開した状態を示す正確な画像が画像表示手段8によって表示される。
本第4の実施例においては、画像処理手段における画像処理ソフトウェアにより傾き検出および補正を行うので、傾き検出センサ等特別なハードウェアを設ける必要がなく、装置を簡素にすることができ、コストを下げることができるという利点がある。
本第4の実施例の原理を図14を用いて説明する。図14は本発明に係る検査装置の光路を模式的に示したものである。図14に示すように、水平より45°の傾きを有する円錐面状反射鏡16に円筒状物2を機械的に垂直に挿入し、例えばCCDカメラのような撮像機器4により円筒状物2の外周を撮影し、カメラに取り付けられた例えばコンピュータのような記憶・演算ができる画像処理手段により画像処理し、外周検査する。また、本検査装置は、円筒状物2の中心位置が垂直ではあるがxy方向にシフトしている場合においても、それを画像処理のみにより補正する手段を有する新規なものであり、1つの撮像機器4によって円筒状物2の側面外周と天面17を同時に撮影し、一度に検査できる画期的なものである。
傾き45°の円錐面状反射鏡16に映る像は図15に示すように、円筒状物2の点p0は円錐の中心o1からp0を通り、真っ直ぐ円錐面状反射鏡16上の点pmに写像される。点p0の高さが円錐面状反射鏡16の最下部からz0であるとし、中心o1を通る中心軸から点pmまでの半径をrmとすれば、z0=rm−r1として表すことができる。したがって、円錐面状反射鏡16の像をカメラに正射影しても円筒状物外周上のある点の高さは1対1で写像され、高さの情報が損なわれることはない。したがって、図15のように中心位置がずれた状態においても円筒状物2の高さは保持される。垂直であるがxy平面内で中心位置がずれている場合、円筒状物2上で高さz0の位置にある全周の点は、円錐面状反射鏡16上において半径rmの円を描くことになる。半径rmは、rm=r1+z0であり、円筒状物2の高さz0にのみ依存する。しかし、中心位置がずれているために、円錐面状反射鏡16上に射影される円において、周上の点は疎密を生じる。この疎密を補正すればよいことになる。
図16は円錐面状反射鏡6と円筒状物2を上面から見た図である。円筒状物上の同じ高さにある点p1〜p4はこれらを含むxy平面に平行で中心o0を有する円形断面内において、それぞれ0°、90°、180°、270°の位置にある。また、これらの点は、円錐面状反射鏡6の中心o1からそれぞれの点を通り、点pm1〜pm4にそれぞれ射影される。
本実施例においては、円錐面状反射鏡16を通して得られる円筒状物2の側面の情報のみならず、円筒状物2の天面17の画像も利用する。予め、円筒状物2の天面17の画像を記憶装置に記憶させておき、この記憶させた画像と実際に映る円筒状物2の天面17の画像を、例えば画像処理におけるマッチング等の処理により比較・計算することで、中心位置o0(x0,y0)を求めることができる。円筒状物の半径r0は予め分かっているとすると、座標はそれぞれp1(x0+r0,y0),p2(x0,y0-r0),p3(x0-r0,y0),p4(x0,y0+r0)となる。これらの点はそれぞれpm1〜pm4に写像されるが、円筒状物が円錐面状反射鏡中心にあるように像を補正するために、点pm1〜pm4はそれぞれ点pm11〜pm41に戻らなければならない。なお、これらの点がしかるべき点に戻る場合、これら点にはさまれる円弧上の点も一緒に動く。
ここで、中心o1を通り、各点pm1〜pm4を通る動径をそれぞれj1〜j4とする。まずpm1がpm11へ戻るように動径j1を角度γ2だけ動かす。このとき、動径j1とj4の間の画像は拡大され、動径j1とj2の間の画像は縮小される。同様に、次にpm2をpm21まで動径j2を角度γ3だけ動かす。順次、pm3をpm31まで、pm4をpm41へ戻すようにする。最終的に、円筒状物2が円錐面状反射鏡16の中心にあるときの画像へ補正されることとなる。ここで、
Figure 0003770612
である。これらの角度γ2〜γ5は、それぞれpm11〜pm41に対して反時計方向ならば正、時計方向なら負で表している。補正はそれぞれの角度が0になる方向へ動径を動かせばよい。ただし、2r0>r1を満たしていなければならない。
本実施例の原理を図17に基づいて説明する。図17は本実施例の検査装置の光路を模式的に示したものである。本実施例においては、水平に対して75°や60°のように45°よりも大きい傾きを有する円錐面状反射鏡20を用いる。これにより、測定対象物である円筒状物2を円錐面状反射鏡20の内部にまで挿入しなくても、その天面と側面を検査することができる。すなわち、円錐面状反射鏡20の外部に円筒状物2、例えば電子部品のコイルを巻くボビンのフランジ検査において、ボビンを機械的に垂直に配置し、例えば1台のCCDカメラのような画像取り込み手段4でもって円筒状物2の外周を撮影し、カメラに取り付けられた例えばコンピュータのような記憶・演算ができる画像処理手段でもって画像処理し、円筒状物2の側面外周を検査する。本例においても前実施例と同様に、側面および天面の検査ができる。生産ラインにおいて、円筒状物2の中心軸を垂直に固定することは比較的容易であるが、生産ラインでx軸方向に流れている円筒状物2を正確に円錐面状反射鏡20の中心で停止させることは難しい。本実施例の検査装置は円筒状物2の中心位置がずれた場合においても、容易にそれを画像処理で補正する手段を有する新規なものである。
図18は角度が75度である円錐面状反射鏡20の下側に円筒状物2(以下ボビンという)を配置し、ボビンの天面19とフランジ18の側面を同時に検査する概念図を示している。この図は、ボビンは円錐面状反射鏡20の中心に位置し、高さhであるボビンのフランジ18の最下部の稜線は、円錐面状反射鏡20の最下部に写像されている状態である。ボビンのフランジ18の側面は、図18上図の灰色で塗りつぶした部分のように幅h/2のリング状の写像になる。図19はボビンの中心位置がx方向に少しずれることで、鏡の端に歪んで映る状態を示している。この状態からさらにx方向へずれると、範囲外に写像されることになり映らなくなる。したがって、反射鏡表面の入射・反射角度をφ、反射鏡の角度をθとすれば、
Figure 0003770612
を満たさなければならない。ただし、2r0>r1である。例えば、カメラで捕らえる範囲が非常に狭い場合は、r1を大きくすることはあまり得策ではないということと、ボビンと円錐面状反射鏡20が遠くなることは像をぼやけさせることになりあまり良くない。したがって、dをできるだけ小さくする方がよい。
ボビンがx方向にδだけずれたとすると、図19のように、上面図においてリング状の像は歪む。これは、図19のように、円錐面状反射鏡20に近づいた側は円錐面状反射鏡20の下部に射影され、遠ざかった側は円錐面状反射鏡20の上部に写像されるからである。上面図において、中心o0(δ,0,z0)を有するボビンのフランジ18の側面外周上のある点をp0(r0,γ0,z0)として円柱座標で表示し、さらにその写像点をpm(rm,γ1,zm)として円柱座標で表示することとする。pm(rm,γ1,zm)から円錐面状反射鏡20の中心軸上へ垂線を下ろしたところの交点o1(0,0,zm)までの半径rmは円錐面状反射鏡20の角度をθ、反射鏡面上での入射・反射角をφとすれば図19と図20を用いて次式のように表される。
Figure 0003770612
ただし、図20より、
Figure 0003770612
である。このリング状の像の歪みを補正することが目的である。
まず、前実施例と同様に、画像処理、例えばパターンマッチング等を用いて、ボビンの天面19より中心点o0を検出する。これより、x方向へのずれδを検出する。リング状の像の外径をrm1,内径をrm0とすると、ボビンのフランジ18の最下部の稜線は図19上面図において半径rm0に写像されているので、これより小さい半径の像は必要ないのでマスクする。既知の値、r0,r1,δ,h,d,θ=75°,φ=15°,z0=0を数式9へ代入すれば、rm0は以下の式より求まる。
Figure 0003770612
Figure 0003770612
(0≦γ1<360°)
また、ボビンのフランジ18の最上部の稜線は図19上面図において半径rm1に写像されているので、これより大きい半径の像は必要ないのでマスクする。上記と同様に、r0,r1,δ,h,d,θ=75°,φ=15°,z0=hを数式9へ代入すれば、rm1は以下のようになる。
Figure 0003770612
Figure 0003770612
(0≦γ1<360°)
必要なリング状の像を抽出し、その後、このリング状の像は図19上面図の中心o1(0,0)に対して円に補正されなければならない。ずれ量δをなくした(0にした)rmは、
Figure 0003770612
である。したがって、rm0は、
Figure 0003770612
となるように、また、rm1は、
Figure 0003770612
となるように中心o1を基準に圧縮・拡大を施すと補正画像を得ることができる。
なお、本実施例および実施例4においては、完全な円筒形状を含むもの以外でも比較的広く適用でき、六角柱状の頭を有するボルトやネジ等にも適用することができる。
本発明に係る外観検査装置の第1の実施例を示すブロック図である。 本発明を適用した反射鏡を説明する図である。 補正手段の拡大断面図である。 示すブロック図である。 本発明に係る外観検査装置の第2の実施例を示すブロック図である。 補正手段の詳細を示す斜視図である。 同縦断面図である。 補正手段を示す斜視図である。 円筒状物の平面Aでの断面図である。 円筒状物の平面Bでの断面図である。 円筒状物の傾きを示す斜視図である。 円筒状物の中心軸を示す斜視図である。 円筒状物の斜視図である。 外観検査装置の光路を示す説明図である。 円筒状物の中心ずれを示す説明図である。 円筒状物と円錐面状反射鏡の上面図である。 外観検査装置の光路を示す説明図である。 中心が一致している場合の画像を示す説明図である。 中心がずれている場合の画像を示す説明図である。 円筒状物と円錐面状反射鏡の一部拡大断面図である。
符号の説明
1 外観検査装置、 2 円筒状物(検査対象物)、 3 光源(照明)、 4 画像取り込み手段、 5 ハーフミラー、 6 円錐面状反射鏡、 7 画像処理手段、 8 画像表示手段、 9 反射鏡、 10 案内部材、 11 通過センサ、 12 搬送手段、 13 センサ部、 14、15 距離センサ、 16 円錐面状反射鏡、 17 円筒状物の天面(検査対象物の天面)、 18 ボビンのフランジ(検査対象部分)、 19 ボビンの天面、 20 円錐面状反射鏡

Claims (10)

  1. 筒状の形状を少なくとも一部に有する検査対象物の外観を検査する装置であって、
    上記検査対象物を照明するための光源と、
    上記検査対象物を挿入する穴を有する円錐面状反射鏡と、
    上記円錐面状反射鏡上の像を画像として取り込む画像取り込み手段と、
    上記画像取り込み手段で取り込まれた画像を処理する画像処理手段と、
    上記検査対象物の上記筒状の部分の中心軸と上記円錐面状反射鏡の中心軸との不一致を補正する補正手段とを有し、
    上記補正手段は、上記画像処理手段により検査対象物の特徴部分を抽出し、検査対象物の上記筒状の部分の中心軸と円錐面状反射鏡の中心軸との不一致を検出し、その不一致の情報に従い上記画像処理手段で画像を補正することを特徴とする外観検査装置。
  2. 上記補正手段は、上記画像取り込み手段により検査対象物の天面を撮像し、天面の画像情報より画像処理手段にて検査対象物の上記筒状の部分の中心軸の位置を特定し、上記筒状の部分の中心軸の円錐面状反射鏡の中心軸に対する距離を求め、上記筒状の部分の中心軸と円錐面状反射鏡の中心軸とのずれによる検査対象物の側面の画像の変形を補正することを特徴とする請求項記載の外観検査装置。
  3. 上記円錐面状反射鏡から上記画像取り込み手段までの光路上に設けられたハーフミラーをさらに有し、
    上記光源は、上記ハーフミラーを介し上記円錐面状反射鏡から上記画像取り込み手段までの光路の側面より照明することを特徴とする請求項1記載の外観検査装置。
  4. 筒状の形状を少なくとも一部に有する検査対象物の外観を検査する装置であって、
    上記検査対象物を照明するための光源と、
    上記検査対象物を挿入する穴を有する円錐面状反射鏡と、
    上記円錐面状反射鏡上の像を画像として取り込む画像取り込み手段と、
    上記画像取り込み手段で取り込まれた画像を処理する画像処理手段と、
    上記検査対象物の上記筒状の部分の中心軸と上記円錐面状反射鏡の中心軸との不一致を補正する補正手段とを有し、
    上記補正手段は、上記検査対象物の筒状の部分の中心軸の傾きを検出する傾き検出センサを備え、上記傾き検出センサの傾き情報に従い上記画像処理手段で画像を補正することを特徴とする外観検査装置。
  5. 上記補正手段は、上記円錐面状反射鏡の中心軸にそって2箇所にそれぞれ3個以上の距離センサを設けることを特徴とする請求項記載の外観検査装置。
  6. 上記円錐面状反射鏡から上記画像取り込み手段までの光路上に設けられたハーフミラーをさらに有し、
    上記光源は、上記ハーフミラーを介し上記円錐面状反射鏡から上記画像取り込み手段までの光路の側面より照明することを特徴とする請求項4記載の外観検査装置。
  7. 筒状の形状を少なくとも一部に有する検査対象物の外観を検査する装置であって、
    上記検査対象物を照明するための光源と、
    上記検査対象物を挿入する穴を有する円錐面状反射鏡と、
    上記円錐面状反射鏡上の像を画像として取り込む画像取り込み手段と、
    上記画像取り込み手段で取り込まれた画像を処理する画像処理手段と、
    上記円錐面状反射鏡の上記穴の入り口に、上記検査対象物の上記筒状の部分の中心軸を強制的に上記円錐面状反射鏡の中心軸に合わせるように、外部に向いて開いた導入部と、上記筒状の部分の外径とほぼ同一の径を有し円錐面状反射鏡の中心軸と同軸である通路部とを有する案内部材と、検査対象物の通過を検知するセンサにより、上記検査対象物の上記筒状の部分の中心軸と上記円錐面状反射鏡の中心軸との不一致を補正する補正手段と、
    上記円錐面状反射鏡からの反射光の進路を変更する光路変更反射鏡とを有し、
    上記光路変更反射鏡の中心部には検査を終えた検査対象物が通過するための貫通孔が設けられ、
    上記貫通孔の側面は、入射光に対し平行な部分と反射光に対し平行な部分とを有し、つや消し黒色塗料が塗布されていることを特徴とする外観検査装置。
  8. 上記円錐面状反射鏡から上記画像取り込み手段までの光路上に設けられたハーフミラーをさらに有し、
    上記光源は、上記ハーフミラーを介し上記円錐面状反射鏡から上記画像取り込み手段までの光路の側面より照明することを特徴とする請求項7記載の外観検査装置。
  9. 筒状の形状を少なくとも一部に有する検査対象物の外観を検査する装置であって、
    上記検査対象物を照明するための第1の光源と、
    上記検査対象物を挿入する穴を有する第1の円錐面状反射鏡と、
    上記第1の円錐面状反射鏡からの反射光の進路を変更する第1の光路変更反射鏡と、
    上記第1の光路変更反射鏡を介し上記第1の円錐面状反射鏡上の像を画像として取り込む第1の画像取り込み手段と、
    上記検査対象物の上記第1の光源と対向する方向から照明するための第2の光源と、
    上記検査対象物を挿入する穴を有する第2の円錐面状反射鏡と、
    上記第2の円錐面状反射鏡からの反射光の進路を変更する第2の光路変更反射鏡と、
    上記第2の光路変更反射鏡を介し上記第2の円錐面状反射鏡上の像を画像として取り込む第2の画像取り込み手段と、
    上記第1及び第2の画像取り込み手段で取り込まれた画像を処理する画像処理手段と、
    上記検査対象物の上記筒状の部分の中心軸と上記第1及び第2の円錐面状反射鏡の中心軸との不一致を補正する補正手段と
    を有することを特徴とする外観検査装置。
  10. 上記第1及び第2の光路変更反射鏡は、一方の光路変更反射鏡上で上記検査対象物により遮られる部分を他方の光路変更反射鏡上で画像として取り込むことを特徴とする請求項記載の外観検査装置。
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