JP3770503B2 - 発泡樹脂溶解装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、包装材料等に利用されている発泡ポリスチレン等の発泡樹脂を破砕して溶解する発泡樹脂溶解装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
発泡ポリスチレン(いわゆる発泡スチロール)は、スチレンの重合の際に液化ガスなどの発泡剤を加えてビーズ状の成形ペレットにしたもので、加熱(約100℃)することにより、体積が50〜70倍に膨らむ性質を有している。そして、この発泡ポリスチレンのビーズ状成形ペレットは、圧縮加熱成形して包装材料等に加工して使用される。
【0003】
発泡ポリスチレン包装材は、フォームスチレン(FS)あるいは「型物」などと呼ばれているものと、ポリスチレンペーパ(PSP)と呼ばれているものとがある。FSは、その体積の2%程度が樹脂分であって、残りのおよそ98%が空気によって占められた発泡体で、空気を閉じ込めた発泡体構造が優れたクッション性、断熱性、防音性、防水性、衛生性等を示すとこらから、緩衝包装材、食品容器、魚箱等の包装材や断熱建材などに使用されている。一方、PSPは、体積のおよそ7%程度が樹脂分であって、残りの約93%を空気が占めるシート状の発泡体で、前者と同様の特性を有していて、主に食品包装トレー等に使用されている。
【0004】
このように、発泡ポリスチレンは、軽量で優れた特性を有しており、多量に使用されている。そして、従来、使用済みの発泡ポリスチレンは、ゴミとして処理され、地中に埋めたり焼却したりしていた。ところが、発泡ポリスチレンは、比重が極めて小さく、少ない重量であっても嵩ばるため、輸送コストが高くつくことや、環境問題あるいは資源の有効利用等の問題から、使用済みの発泡ポリスチレンを回収して再利用することが検討されている。
【0005】
従来、発泡ポリスチレンを再利用する場合、回収した発泡ポリスチレンを電気ヒータや高温の油によって加熱したり、摩擦熱によって加熱溶融して減容処理した後、専門業者によってペレット化するようにしている。しかし、加熱による減容処理は、電気や石油系の熱源が必要なために火災の危険がある。また、樹脂を加熱するために臭気が発生し、周囲に不快感を与えるばかりでなく、公害の問題が発生する。
【0006】
さらに、回収した発泡ポリスチレン中には、紙テープや接着剤ばかりでなく、発泡ポリスチレンとよく似た発泡ポリオレフィンの成形品やカット品が混在することが多い。そして、これらの異物が混入した状態で上記の熱減容を行うと、異物とポリスチレンとが一緒の塊となってしまい、再利用が困難となる。このため、回収した発泡ポリスチレンから紙テープや接着剤、発泡ポリオレフィンなどの異物を選別除去する必要があし、この分別は一般に人手によって行っており、多大の労力と時間とを必要としている。さらに、再利用する発泡ポリスチレンは、異物を除去したのちに水洗されるが、水分の混入した樹脂は再利用樹脂として適さないため、上記の熱減容を行う際に水分を除去する必要がある。
【0007】
一方、発泡ポリスチレンを溶媒に溶かして回収する装置が提案されている(例えば、特開平5−263065号公報)。この公報に記載の回収装置は、容器の下部がd−リモネンなどの溶媒を貯留した貯液槽となっており、容器の上部に発泡ポリスチレンのブロックを投入する投入口が形成してある。この投入口の直下には、ポリスチレンブロックを破砕する破砕機が配置してあって、破砕機によってポリスチレンブロックを破砕したのち、発泡ポリスチレンの破砕物をホッパを介して貯液槽に落下させる。そして、貯液槽に配置したノズルから溶媒を落下する破砕物に噴霧して溶解し、減容するようにしている。
【0008】
この特開平5−263065号公報に記載の装置によれば、発泡ポリスチレン以外の異物が溶媒に溶解することがなく、ゴミや水分が溶解したポリスチレン中に混入した場合でも容易に分離すことが可能であり、溶媒とポリスチレンとを分離することにより、溶解後の樹脂を高い回収率(約98%)で回収することができる。また、発泡ポリスチレンを溶媒に溶解することにより、体積を約1/50に減容することができ、再処理センタなどに輸送する場合に、輸送コストを低減することができる。さらに、加熱することなく溶解して減容することができるため、外熱を与える必要がなく安全で、悪臭を発生することがない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、発泡ポリスチレンのような弾性体の破砕は、剪断、切断もしくはこれらの組み合わせによる方法が一般的であり、前記公報に記載の回収装置も2軸を横に平行配置した破砕機を使用し、各軸に設けた刃を異速度で相互に反対方向に回転させて刃同士の連続剪断力を主な破砕力としている。そして、このような破砕機は、一般に反対方向に回転する刃同士が噛み合うようにしてあって、隣接する両方の刃の間隙が破砕された破砕物の大きさ程度にしてある。ところが、相互に逆方向に回転する刃が同じ高さに配置してある破砕機においては、軽い大きな発泡ポリスチレンの塊が両方の刃に跨がって乗ってしまい、刃の上で踊る状態となって破砕部に噛み込まれず、破砕が円滑に行えない場合が発生する。また、回転する刃の破砕部分に破砕能力を超えた異物が噛み込まれると刃の回転が阻止され、異物を取り除いて復旧させるのが困難である。そして、例えば金属片のような異物が混入した場合にも回転が阻止されることなく破砕できるような能力のモータを使用し、破砕機の強度を確保するようにすると、装置が大型化して不経済である。
【0010】
さらに、従来の装置では、発泡ポリスチレンが破砕される際に、刃と発泡ポリスチレンとの摩擦による軋んだような破砕音が発生して不快感を与える。また、破砕した発泡ポリスチレンの表面積を大きくして溶解速度を上げようとして発泡ポリスチレン細かく(例えば、数mm程度に)破砕すると帯電し、帯電した静電気によって危険物4類である溶媒が着火するおそれがある。そして、前記公報に記載の回収装置は、貯液槽の下部に攪拌子を有しているが、貯液槽に落下した発泡ポリスチレンが溶媒の上に浮いてしまい、ポリスチレンが溶解するのに時間がかかる欠点がある。そして、浮いたポリスチレンの溶解速度を大きくするためには、ノズルから常に溶媒を噴霧する必要があり、装置が複雑になるとともに、運転コストが高くなる。
【0011】
本発明は、前記従来技術の欠点を解消するためになされたもので、発泡樹脂を効率よく破砕できるようにすることを目的としている。
【0012】
また、本発明は、溶解速度を大きくできるとともに、破砕音の発生を低減することを目的としている。
【0013】
さらに、本発明は、異物の噛み込みによるトラブルの発生を低減できるようにすること等を目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る発泡樹脂溶解装置は、発泡樹脂を溶解する溶解液を貯留した溶解槽と、平行配置した相互に逆方向に回転する回転軸のそれぞれに設けた刃によって前記発泡樹脂を破砕する破砕機とを備えた発泡樹脂溶解装置において、前記破砕機は前記溶解槽内に配置されるとともに、破砕機の前記各回転軸を結ぶ線が水平面と斜交し、前記刃の一部を前記溶解液に浸している構成にしてある。
【0015】
また、破砕機は、相互に逆方向に回転する刃の先端回転軌跡の間に間隙が形成されることが望ましい。さらに、破砕機は、相互に逆方向に回転する刃の先端回転軌跡の溶解液に向う接線方向における先端回転軌跡間の間隙との対向位置に、発泡樹脂塊の落下を阻止する補助刃が設けるとよい。さらに、相互に逆方向に回転する刃を矩形板状に形成して回転軸の軸線方向に複数取り付けるとともに、各刃は、回転方向後側が回転方向前側より回転軸の軸線方向中央側となるように、回転軸の軸線に斜交させて取り付けるようにする。また、溶解槽には、発泡樹脂の溶解液への溶解量を検出して検出信号を警報発生手段に出力する溶解量検出手段を設けることができる。この溶解量検出手段は、溶解液を攪拌する攪拌機に設けたトルクセンサや攪拌機を駆動するモータの負荷電流を検出する電流計などによって構成できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明に係る発泡樹脂溶解装置の好ましい実施の形態を、添付図面に従って詳細に説明する。
【0017】
図2は、本発明の実施の形態に係る発泡樹脂溶解装置の全体を示す斜視図である。
【0018】
図2において、溶解装置10は、スーパーマーケットや魚市場、電気店等の発泡樹脂である発泡ポリスチレンの発生場所に設置できる比較的小型の装置であって、例えば幅1m、奥行0.8m、高さ1.5m程度の大きさに形成してあり、中央部に溶解槽12を有している。そして、溶解装置10は、溶解槽12の一側(図2の左側)に後述する駆動部が設けられ、他側に図示しないメインスイッチ、タイマ、破砕刃の正逆回転切替スイッチなどが設けてあって、駆動部を覆った左サイドカバー14とメインスイッチ等を覆った右サイドカバー16とが取り付けてあって、これら各サイドカバー14、16と溶解槽12の前面上部が後方側に傾斜している。また、下端部には、複数のキャスタ17が取り付けてあって、任意の位置に移動できるようにしてある。
【0019】
溶解槽12の上部の傾斜部には、発泡樹脂である発泡ポリスチレンを投入する投入口18が形成してあって(図1参照)、この投入口18が把手20を有する開閉蓋22によって覆われていて、開閉蓋22を矢印23のように開閉することにより、解放、閉止できるようになっている。そして、溶解装置10は、前面の下部に観音開きが可能な一対の扉24、26が設けてあって、これらの扉24、26を開けることにより、溶解槽12の下部に設けた後述する排出弁を解放して発泡ポリスチレンを溶解した溶解液を取り出すことができるようにしてある。また、左サイドカバー14の側面には、駆動部を保守、点検するための開閉扉28が取り付けてある。さらに、右サイドカバー16の前面には、溶解装置10を運転するための操作部30が設けてある。この操作部30には、装置を起動する運転開始ボタン32、装置の運転を止める運転停止ボタン34、および運転中であるか否かを表示する表示ランプ36を有している。また、右サイドカバー16の側部には、図示しない開閉扉が設けてあって、メインスイッチのオン、オフや後述する破砕刃の正転、逆転を切り替え切替えスイッチの操作等を行えるようにしてある。
【0020】
溶解槽12は、図1に示したように、前側底板37と後側底板39とが中央部が低くなるように傾斜しているとともに、前側の底部下端部が切り欠かれた形状をなし、鉛直部41が形成してある。そして、溶解槽12は、溝形鋼などによって形成したフレーム38に取り付けてある。このフレーム38は、前後の脚部40、42を有し、これらの脚部40、42に支持された上部の傾斜ビーム44が溶解槽12の後側から前側が低くなるように傾斜している。この傾斜ビーム44は、溶解槽12内に配置した破砕機を構成している回転破砕刃46、48を取り付けた回転軸50、52を支持する支持部材としたの役割をなしている。このため、傾斜ビーム44の傾斜角度は、回転軸50、52の配置関係によって定められる。そして、回転軸50、52の中心を結ぶ線の水平面に対する傾斜角度αは、これらの回転軸50、52に取り付けた破砕刃46、48によって発泡ポリスチレンを噛み込むのに適した角度であって、約10度から約30度の範囲が望ましく、実施例の場合約14.5度にしてある。
【0021】
フレーム38の後部脚部42には、破砕刃46、48を回転させるための駆動モータ54がモータベース56を介して固定してある。この駆動モータ54の出力軸には、スプロケット58が取り付けてある。また、傾斜ビーム44の後部側には、ブラケットを介してアイドルスプロケット60が回転自在に設けてある。そして、回転軸50には大スプロケット62が、回転軸52には小スプロケット64が固定してある。これらのスプロケット58、60、62、64間には、駆動チェーン66が巻き掛けてあって、スプロケット58とアイドルスプロケット60と小スプロケット64とが閉ループをなす駆動チェーン66の内側に位置し、大スプロケット62がチェーン66のなす閉ループの外側に位置している。従って、アイドルスプロケット60と大スプロケット62との間、および大スプロケット62と小スプロケット64との間は、駆動チェーン66がS字状に掛けてある。このため、駆動モータ54が正方向に回転した場合、駆動チェーン66が図1の反時計方向に回転し、破砕刃46が時計方向に、破砕刃48が反時計方向に回転する。すなわち、破砕刃46、48は、相互に反対方向に、かつ破砕刃48が破砕刃46より大きな速度で回転するようになっている。
【0022】
各破砕刃46、48は、それぞれ細長い矩形板状に形成してあって、回転軸50、52の軸線方向に複数設けてあるとともに、軸線方向の各刃の取り付け位置において回転軸50、52の周方向に、中心に対して90度間隔で4枚ずつ放射状に取り付けてある。そして、各破砕刃46、48の先端の、回転軸50、52の軸線方向への投影軌跡は、図1に示してあるように重ならないようにしてあって、両刃46、48の投影回転軌跡の間に間隙gが形成されるよう配置してある。この間隙gは、発泡ポリスチレンの破砕する大きさによって定められ、実施例の場合、発泡ポリスチレンを粒径30〜50mm程度の大きさに破砕するため、約30mmにしてある。
【0023】
破砕刃46、48の投影回転軌跡が形成する間隙gの下側、すなわち回転軌跡の接線の溶解液に向う側における間隙gとの対向位置には、間隙gを通った発泡ポリスチレンの大きな塊が落下するのを阻止し、破砕刃46、48による破砕性の向上を図るため、溶解槽12の両側部間に渡して設けた補助刃68が配置してある。この補助刃68は、破砕刃46、48とともに破砕機を構成しており、板状に形成してあって、回転軸50、52の中心を結ぶ線上における破砕刃46、48の回転軌跡の接線と平行に配設してある。
【0024】
板状の破砕刃46、48は、図4(1)に示したように、先端部の回転方向側が片面を削ぎ落とした楔状に形成してあって、破砕刃46、48が発泡ポリスチレン70と接触したときの接触面圧を高め、発泡ポリスチレン70を破断しやすくしてある。また、破砕刃46、48は、各回転軸50、52に図4(2)のように取り付けてある。すなわち、破砕刃46、48は、回転軸50、52の軸線方向中央部に位置する刃46a、48aの厚さ方向の軸線が回転軸50、52の軸線72、74と直交するように取り付けてあるが、その両側の刃46b、48b、46c、48cは、厚さ方向の軸線が回転軸50、52の軸線72、74に対して斜交するように取り付けてある。そして、刃46bと刃46cとの傾斜方向、および刃48bと刃48cとの傾斜方向が異なっていて、回転方向後側が回転方向前側より回転軸の軸線方向中央側となるように、回転軸の軸線に斜交させて取り付けてある。この回転軸の軸線72、74に対する破砕刃46、48の傾斜角θは、あまり小さいと発泡ポリスチレン70を回転軸50、52の軸方向に移動させる効果が小さく、また約30度を超えて大きくなると切断抵抗が大きくなってしまうため、10〜20度程度が望ましく、実施例の場合、約15度にしてある。さらに、破砕刃46と破砕刃48との取付け位相がずらせてあって、破砕刃46と破砕刃48とが回転軸の長手方向に交互に位置するようにしてある。そして、相隣接する破砕刃46と破砕刃48との回転軸線方向の間隔は、実施例の場合、約50mmにしてあり、発泡ポリスチレン70が粒径50mm以下の大きさに破砕できるようにしてある。
【0025】
溶解槽12の投入口18を開閉する開閉蓋22には、両側部にガイド板76が設けてあって(図1参照)、発泡ポリスチレン70を投入するときのホッパおよびシュートの役割をなすとともに、溶解槽12内に貯留した溶解液80や投入した発泡ポリスチレン70が飛散するのを防止している。そして、投入口18の下部には、シュート板82が設けてあって、投入口18から投入した発泡ポリスチレン70が確実に両破砕刃46、48の境界部に落下するようにしてあるとともに、破砕刃48の背後側(溶解槽12の前側)に回り込むのを防止している。また、溶解槽12の下端部前側となる鉛直部41の下部には、発泡ポリスチレン70を溶解した溶解液80を抜き出すための排出口84が設けてある。この排出口84には、排出口84を開閉する排出弁(図示せず)を操作するためのハンドル86が設けてある。さらに、溶解槽12の下端部一側には、ハンドル88によって開閉されるドレン口90が設けてある(図2参照)。そして、溶解槽12の中央部の底近くには、溶解されていない発泡ポリスチレンや金属片などの異物を取り除き、排出口80や弁などの詰りの防止等を図るためのフィルタ92が配設してある。このフィルタ92は、掃除をしやすくするために、溶解槽12の外から脱着できるようにしてもよい。
【0026】
なお、溶解槽12の後部側壁94と破砕刃46との間隙96、および前側底板37と破砕刃48との間隙98は、できるだけ小さくしてこれらの破砕刃46、48間に挟まって破砕刃46、48とともに回転する発泡ポリスチレン70が側板96や前側底板37によって除去できるようにすることが望ましい。また、溶解槽12に貯留する溶解液80の量は、投入した発泡ポリスチレン70が破砕刃46、48の上方に浮かなければ任意であるが、図1に示したように、少なくとも破砕刃48の一部が溶解液80に浸るようにすることが望ましい。そして、溶解装置10は接地し、溶解液80が溶解槽12に貯留されていない状態で発泡ポリスチレン70を破砕されても、静電気の発生による帯電を防止することが望ましい。
【0027】
上記のごとく構成した実施の形態においては、投入口18から溶解槽12内にリモネン等の溶解液80を注入したのち、運転スイッチ32を投入し、駆動モータ54を正方向に回転起動する。モータ54が正方向に回転すると、チェーン66が図1の反時計方向に回転し、破砕刃46が時計方向に、破砕刃48が反時計方向に異なる速度をもって回転する。そして、投入口18から溶解槽12内に投入された発泡ポリスチレン70の塊は、互に反対方向に回転している破砕刃46、48に噛み込まれ、異速度によって回転している破砕刃46、48から受ける連続剪断力によって粒径30〜50mmの大きさに破砕される。
【0028】
このとき、破砕刃46と破砕刃48とは、反対方向に異なる速度で回転するとともに、高さ方向の位置がずれているため、投入された発泡ポリスチレン70が斜となり、ポリスチレン70の角部が下側の矩形板状をなす破砕刃48に引っ掛かりやすく、破砕刃46、48間に容易に噛み込まれる。しかも、下側の破砕刃48が上側の破砕刃46より高速で回転しているため、発泡ポリスチレン70を破砕刃46側に押上げる役割をなし、発泡ポリスチレン70の噛み込み性を向上できる。また、両破砕刃46、48の回転軌跡の間隙gを通った発泡ポリスチレン70の大きな塊は、補助刃68によって溶解液80への落下が阻止され、この補助刃68と各破砕刃46、48とによって小さく破砕される。そして、破砕刃48の一部が溶解液80に浸っているため、破砕刃48の回転によって発泡ポリスチレン70が濡れて不快な破砕音を小さくする。
【0029】
さらに、破砕刃46、48の先端の、回転軸50、52の軸線方向の投影回転軌跡の間に間隙gが形成してあるため、小さな固形の異物が混入していたとしても、異物が破砕刃46と破砕刃48との間に挟まることがなく、刃の損傷を回避することができ、また破砕した発泡ポリスチレン70が容易に落下し、必要以上に細かく破砕されることがなく、破砕効率を向上することができる。しかも、各破砕刃46、48は、回転方向後側が回転方向前側より回転軸の軸線方向中央側となるように回転軸の軸線に対して傾斜させて取り付けてあるため、投入された発泡ポリスチレン70が回転する破砕刃46、48によって回転軸50、52の軸線方向中央部に寄せられ、破砕刃46、48が発泡ポリスチレンの同じ箇所を切断することがなく、破砕効率を向上することができる。また、実施例においては、発泡ポリスチレン70を粒径30〜50mmに破砕しているため、静電気が発生することがなく、危険物4類であるリモネンが発火するおそれがない。
【0030】
なお、破砕刃46と破砕刃48との間に大きなサイズの異物が挟まって回転できなくなった場合には、運転停止ボタン34を押して駆動モータ54を停止させたのち、図示しない正逆転切替えスイッチを逆転側にして運転開始ボタン32を押してモータ54を逆回転させ、異物の挟み込みを解除したのちモータ54を停止し、異物を除去する。
【0031】
一部が溶解液80に浸っている破砕刃48は、溶解液80を攪拌するとともに、溶解液80の表面に落下したポリスチレン70を強制的に溶解液80中に沈めて溶解を促進する。そして、溶解槽12に貯留した溶解液80の重量の30%程度の重さのポリスチレン70を溶解したならば、溶解速度が低下するとともに溶解液80の粘性が大きくなり、駆動モータ54の負荷が大きくなるので、溶解装置10の運転を停止してハンドル86を操作して排出口84を解放し、発泡ポリスチレン70を溶解させた溶解液80を運搬容器等に移し替える。そして、溶解槽12内の溶解液80を抜き出したなら、新しい溶解液80を溶解槽12内に注入し、前記と同様にして発泡ポリスチレン70の溶解を行う。
【0032】
なお、寒冷地などにおいては、溶解槽12にヒータを取り付け、溶解液80を温めて発泡ポリスチレン70が溶解しやすいようにするとよい。また、前記実施の形態においては、発泡樹脂が発泡ポリスチレン70である場合について説明したが、発泡樹脂は発泡ポリオレフィン等の他の樹脂であってもよい。
【0033】
図5は、他の実施の形態を示したものである。この実施の形態においては、溶解槽12に攪拌機100が設けてある。この攪拌機100は、羽根102をモータ104によって回転し、溶解槽12内の溶解液80を攪拌できるようにしてある。また、攪拌機100の回転軸106には、トルクセンサ108が取り付けてあって、攪拌機100の負荷トルクを検出できるようにしてある。そして、トルクセンサ108は、溶解液80中への発泡ポリスチレン70の溶解量を検出する溶解量検出手段としての役割をなし、検出信号が警報発生装置110に入力するようにしてある。
【0034】
警報発生装置110は、トルクセンサ108の検出トルクが所定値、例えば溶解槽12内の溶解液80の重量の30%の重さの発泡ポリスチレン70が溶解したときに、攪拌機100が受けるトルクと等しくなったときに、アラームによる警報音の発生や溶解装置10の自動停止等を行うようになっている。これにより、所定量の発泡ポリスチレンを溶解したことを自動的に検出でき、溶解液80の交換時期を的確に把握することができる。なお、トルクセンサ108の代りにモータ104に供給する負荷電流の値を検出し、この負荷電流が所定値になったときに、アラームを発生させたり溶解装置10を停止させるようにしてもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、相互に逆方向に回転する刃を上下方向にずらしたことにより、発泡樹脂を容易に噛み込み、破砕することができる。また、刃の一部が溶解液に浸るようにしてあるため、刃と発泡樹脂との間の摩擦抵抗が溶解液によって軽減され、破砕時における不快な破砕音を小さくすることができる。しかも、相互に逆方向に回転する刃は、先端の回転軌跡の間に間隙を生ずるように配置してあるため、小さな固形の異物が両刃の間に挟まって刃の回転が停止したり、刃を損傷するなどの不都合をなくすことができ、また発泡樹脂を必要以上に細かく破砕するのを避けることができ、破砕効率が向上する。
【0036】
そして、相互に逆方向に回転する刃の先端回転軌跡の間隙との対向位置に補助刃を設けて大きな発泡樹脂の落下を防止したことにより、破砕性能を向上することができる。さらに、逆方向に回転する刃を矩形板状に形成し、回転方向後側が回転方向前側より回転軸の軸線方向中央側となるように、回転軸の軸線に斜交させて取り付けてあるため、投入された発泡樹脂が回転する破砕刃によって回転軸の軸線方向中央部に寄せられ、発泡樹脂の破砕効率を向上することができる。そして、溶解槽には、発泡樹脂の溶解量を検知する溶解量検出手段を設け、検出信号を警報発生手段に入力して警報を発生するようにしたことにより、所定量の発泡樹脂が溶解したことを容易、確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る溶解装置の側面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る溶解装置の全体斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態の形態に係る溶解装置の正面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る破砕刃の詳細説明図と配置状態を示す図である。
【図5】本発明の他の実施の形態の説明図である。
【符号の説明】
10 溶解装置
12 溶解槽
46、48、68 破砕機(破砕刃、補助刃)
50、52 回転軸
54 駆動モータ
58 スプロケット
60 アイドルスプロケット
62 大スプロケット
64 小スプロケット
66 駆動チェーン
100 攪拌機
106 濃度検出手段(トルクセンサ)
Claims (6)
- 発泡樹脂を溶解する溶解液を貯留した溶解槽と、平行配置した相互に逆方向に回転する回転軸のそれぞれに設けた刃によって前記発泡樹脂を破砕する破砕機とを備えた発泡樹脂溶解装置において、前記破砕機は前記溶解槽内に配置されるとともに、破砕機の前記各回転軸を結ぶ線が水平面と斜交し、前記刃の一部が前記溶解液に浸っていることを特徴とする発泡樹脂溶解装置。
- 前記破砕機は、相互に逆方向に回転する刃の先端回転軌跡の間に間隙が形成されることを特徴とする請求項1に記載の発泡樹脂溶解装置。
- 前記破砕機は、前記相互に逆方向に回転する刃の先端回転軌跡の前記溶解液に向う接線方向における前記先端回転軌跡間の間隙との対向位置に、発泡樹脂塊の落下を阻止する補助刃が設けてあることを特徴とする請求項1または2に記載の発泡樹脂溶解装置。
- 前記相互に逆方向に回転する刃は矩形板状に形成されて前記回転軸の軸線方向に複数取り付けられるとともに、各刃は、回転方向後側が回転方向前側より回転軸の軸線方向中央側となるように、回転軸の軸線に斜交させて取り付けてあることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1に記載の発泡樹脂溶解装置。
- 前記溶解槽は、前記発泡樹脂の前記溶解液への溶解量を検出して検出信号を警報発生手段に出力する溶解量検出手段を有していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1に記載の発泡樹脂溶解装置。
- 発泡樹脂を溶解する溶解液を貯留した溶解槽と、この溶解槽に設けられ、前記溶解液の液面に斜交した線上に配置されて相互に反対方向に異なる速度で回転する一対の回転軸と、これら各回転軸の軸線方向に複数取り付けられて前記発泡樹脂を破砕する板状の破砕刃と、前記発泡樹脂の前記溶解液への溶解量を検知する溶解量検出手段と、この溶解量検出手段の検出信号に基づいて警報を発生しまたは前記刃の回転を停止する警報発生手段とを有するとともに、前記各回転軸に取り付けられた各破砕刃は、回転方向後側が回転方向前側より回転軸の軸線方向中央側となるように、回転軸の軸線に斜交させて取り付けられ、かつ前記相互に逆方向に回転する破砕刃の先端回転軌跡の間に間隙が形成される位置に配置され、また前記相互に逆方向に回転する破砕刃の先端回転軌跡の前記溶解液に向う接線方向における前記先端回転軌跡間の間隙との対向位置に、発泡樹脂塊の落下を阻止する補助刃が設けてあることを特徴とする発泡樹脂溶解装置。
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