JP3770082B2 - ニオブ酸カリウムの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はニオブ酸カリウムの製造方法に関し、特に一方向凝固法によるニオブ酸カリウムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ニオブ酸カリウムは、化学量論組成のK2O:Nb25=50:50(モル比)ではコングルエント溶融しないため、K2O過剰のたとえばK2O:Nb25=52:48(モル比)とした組成の高温融液より製造される。この場合のニオブ酸カリウムの製造方法としては、高温融液の表面に回転させながら種結晶を接触させて融液を冷却しながら結晶を育成するトップシーディング法、垂直方向に温度勾配を有する炉内に融液を入れた貴金属るつぼを配置し、貴金属るつぼを移動させるか炉内を冷却するかの少なくともどちらか一方により、融液を一方向から凝固させる一方向凝固法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一方向凝固法によりニオブ酸カリウムを製造した場合には、製造条件によってはニオブ酸カリウムが部分的に青色に着色してしまうという問題があった。ニオブ酸カリウムが青色に着色してしまうと、製造後のクラックの発生が顕著になり、ニオブ酸カリウムのウェハーの歩留まりを悪化させていた。
【0004】
それゆえに、この発明の主たる目的は、クラックの発生がほとんどないニオブ酸カリウムを製造することができる、ニオブ酸カリウムの製造方法を提供することである
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかるニオブ酸カリウムの製造方法は、原料粉末を円筒状の貴金属るつぼ内に充填し、貴金属るつぼを温度勾配を有する炉内に配置し原料粉末を高温で溶融し融液状態にした後、少なくとも貴金属るつぼを移動させることにより、融液を一方向から凝固させる、一方向凝固法によるニオブ酸カリウムの製造方法において、貴金属るつぼ内の垂直方向の温度勾配をG(℃/mm)とし、貴金属るつぼの移動速度をV(mm/時間)とし、炉内の冷却速度をC(℃/時間)としたときに、C/G+V≦5とすることを特徴とする、ニオブ酸カリウムの製造方法である
【0006】
原料粉末を円筒状の貴金属るつぼ内に充填し、貴金属るつぼを温度勾配を有する炉内に配置し原料粉末を高温で溶融し融液状態にした後、少なくとも貴金属るつぼを移動させることにより、融液を一方向から凝固させる、一方向凝固法によるニオブ酸カリウムの製造方法において、貴金属るつぼ内の垂直方向の温度勾配をG(℃/mm)とし、貴金属るつぼの移動速度をV(mm/時間)とし、炉内の冷却速度をC(℃/時間)としたときに、C/G+V≦5とすることによって、クラックの発生のほとんどないニオブ酸カリウムを製造することができる。
【0007】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0008】
【発明の実施の形態】
参考例1
参考例1では、最初に、K2CO3とNb25とをK2CO3:Nb25=52:48(モル比)となるように混合し、900℃で4時間仮焼成した後粉砕し原料粉末とした。この原料粉末を、直径10mm長さ100mmの円筒状の白金製るつぼ20に充填し、図1に示す加熱炉10内に配置した。すなわち、図1に示す加熱炉10は、円筒状の加熱ヒータ12を含む。加熱ヒータ12の内部の上部には、複数のリング状の熱遮蔽板14が設けられる。また、加熱ヒータ12の上方には、るつぼ移動機構16が設けられる。そして、るつぼ移動機構16には、熱遮蔽板14に通される白金ワイヤ18を介して、円筒状の白金製るつぼ20が吊るされる。この場合、白金製るつぼ20は、加熱ヒータ12の内部のほぼ中央に配置される。また、白金製るつぼ20は、るつぼ移動機構16および白金ワイヤ18で垂直方向に移動することができる。
次に、この状態で、白金製るつぼ20の底の温度が1150℃になるまで加熱した。この場合、白金製るつぼ20内の垂直方向の温度勾配G=0.5(℃/mm)になりかつ白金製るつぼ20の底の温度が低温になるように、加熱炉10の加熱ヒータ12の温度を調整した。
その後、白金製るつぼ20は移動させずに(移動速度V=0)、白金製るつぼ20の底の温度が950℃になるまで冷却速度C=1(℃/時間)で白金製るつぼ20などを冷却して、ニオブ酸カリウムを製造した。したがって、参考例1では、C/G+V=2である。また、白金製るつぼ20の底の温度が950℃から室温になるまでは、白金製るつぼ20などを冷却速度15(℃/時間)で冷却した。冷却後、白金製るつぼ20をニッパーを用いて剥がしニオブ酸カリウムを取り出した。取り出したニオブ酸カリウムを約80℃の水で煮沸しK2Oを取り除いた。
このようにして製造したニオブ酸カリウムは、全体にわたって乳白色であり青色の着色はなかった。また、このようにして製造したニオブ酸カリウムは、クラックの発生もほとんどなかった。図2は参考例1で製造したニオブ酸カリウムを示す図解図である。
【0009】
(比較例1)
比較例1では、参考例1と同様に、K2CO3とNb25とをK2CO3:Nb25=52:48(モル比)となるように混合し、900℃で4時間仮焼成した後粉砕し原料粉末とした。この原料粉末を、直径10mm長さ100mmの円筒状の白金製るつぼ20に充填し、図1に示す加熱炉10内に配置した。
次に、この状態で、白金製るつぼ20の底の温度が1150℃になるまで加熱した。この場合、白金製るつぼ20内の垂直方向の温度勾配G=0.5(℃/mm)になりかつ白金製るつぼ20の底の温度が低温になるように、加熱炉10の加熱ヒータ12の温度を調整した。
その後、白金製るつぼ20は移動させずに(移動速度V=0)、白金製るつぼ20の底の温度が950℃になるまで冷却速度C=5(℃/時間)で白金製るつぼ20などを冷却して、ニオブ酸カリウムを製造した。したがって、比較例1では、C/G+V=10である。また、白金製るつぼ20の底の温度が950℃から室温になるまでは、白金製るつぼ20などを冷却速度15(℃/時間)で冷却した。冷却後、白金製るつぼ20をニッパーを用いて剥がしニオブ酸カリウムを取り出した。取り出したニオブ酸カリウムを約80℃の水で煮沸しK2Oを取り除いた。
このようにして製造したニオブ酸カリウムは、全体にわたって青色に着色しておりクラックが多数発生していた。図2は比較例1で製造したニオブ酸カリウムを示す図解図である。
【0010】
実施例1
実施例1では、参考例1と同様に、K2CO3とNb25とをK2CO3:Nb25=52:48(モル比)となるように混合し、900℃で4時間仮焼成した後粉砕し原料粉末とした。この原料粉末を、直径10mm長さ100mmの円筒状の白金製るつぼ20に充填し、図1に示す加熱炉10内に配置した。
次に、この状態で、白金製るつぼ20の底の温度が1150℃になるまで加熱した。この場合、白金製るつぼ20内の垂直方向の温度勾配G=1(℃/mm)になりかつ加熱炉10内の下方の温度が低温になるように、加熱炉10の加熱ヒータ12の温度を調整した。
その後、加熱炉10内の温度を一定にしたままで(冷却速度C=0)、白金製るつぼ20を移動速度V=1(mm/時間)で白金製るつぼ20の底の温度が950℃になるまで下降させて、ニオブ酸カリウムを製造した。したがって、実施例1では、C/G+V=1である。また、白金製るつぼ20の底の温度が950℃から室温になるまでは、白金製るつぼ20などを冷却速度15(℃/時間)で冷却した。冷却後、白金製るつぼ20をニッパーを用いて剥がしニオブ酸カリウムを取り出した。取り出したニオブ酸カリウムを約80℃の水で煮沸しK2Oを取り除いた。
このようにして製造したニオブ酸カリウムは、参考例1と同様に、全体にわたって乳白色であり青色の着色はなかった。また、このようにして製造したニオブ酸カリウムは、クラックの発生もほとんどなかった。
【0011】
実施例2
実施例2では、参考例1と同様に、K2CO3とNb25とをK2CO3:Nb25=52:48(モル比)となるように混合し、900℃で4時間仮焼成した後粉砕し原料粉末とした。この原料粉末を、直径10mm長さ100mmの円筒状の白金製るつぼ20に充填し、図1に示す加熱炉10内に配置した。
次に、この状態で、白金製るつぼ20の底の温度が1150℃になるまで加熱した。この場合、白金製るつぼ20内の垂直方向の温度勾配G=1(℃/mm)になりかつ加熱炉10内の下方の温度が低温になるように、加熱炉10の加熱ヒータ12の温度を調整した。
その後、加熱炉10内の温度を冷却速度C=1(℃/時間)で冷却しながら、白金製るつぼ10を移動速度V=1(mm/時間)で白金製るつぼ20の底の温度が950℃になるまで下降させて、ニオブ酸カリウムを製造した。したがって、実施例2では、C/G+V=2である。また、白金製るつぼ20の底の温度が950℃から室温になるまでは、白金製るつぼ20などを冷却速度15(℃/時間)で冷却した。冷却後、白金製るつぼ20をニッパーを用いて剥がしニオブ酸カリウムを取り出した。取り出したニオブ酸カリウムを約80℃の水で煮沸しK2Oを取り除いた。
このようにして製造したニオブ酸カリウムは、参考例1と同様に、全体にわたって乳白色であり青色の着色はなかった。また、このようにして製造したニオブ酸カリウムは、クラックの発生もほとんどなかった。
【0012】
参考例2
参考例2は、温度勾配G=0.5(℃/mm)、移動速度V=0、冷却速度C=2.5(℃/時間)の条件を除いて、参考例1と同様の製造方法である。
【0013】
(比較例2)
比較例2は、温度勾配G=0.5(℃/mm)、移動速度V=0、冷却速度C=3.5(℃/時間)の条件を除いて、参考例1と同様の製造方法である。
【0014】
以上の参考例1、実施例1および2、参考例2、比較例1および2について、温度勾配C、移動速度V、冷却速度C、C/G+Vおよび青色着色の関係を表1に示した。
【0015】
【表1】
Figure 0003770082
【0016】
表1に示す結果から、C/G+V≦5とすれば、青色の着色がなく、クラックの発生もほとんどないニオブ酸カリウムを製造することができることが分かる。
【0017】
なお、上述の各実施例では白金製るつぼが用いられているが、この発明では他の貴金属るつぼが用いられてもよい。
【0018】
また、上述の各実施例では特定の加熱炉が用いられているが、この発明では他の炉が用いられてもよい。
【0019】
【発明の効果】
この発明によれば、青色に着色せずしかもクラックの発生もほとんどないニオブ酸カリウムを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ニオブ酸カリウムを製造するために加熱炉の一例を示す図解図である。
【図2】 参考例1により製造したニオブ酸カリウムを示す図解図である。
【図3】 比較例1により製造したニオブ酸カリウムを示す図解図である。
【符号の説明】
10 加熱炉
12 加熱ヒータ
14 熱遮蔽板
16 るつぼ移動機構
18 白金ワイヤ
20 白金製るつぼ

Claims (1)

  1. 原料粉末を円筒状の貴金属るつぼ内に充填し、前記貴金属るつぼを温度勾配を有する炉内に配置し前記原料粉末を高温で溶融し融液状態にした後、少なくとも前記貴金属るつぼを移動させることにより、前記融液を一方向から凝固させる、一方向凝固法によるニオブ酸カリウムの製造方法において、
    前記貴金属るつぼ内の垂直方向の温度勾配をG(℃/mm)とし、前記貴金属るつぼの移動速度をV(mm/時間)とし、前記炉内の冷却速度をC(℃/時間)としたときに、C/G+V≦5とすることを特徴とする、ニオブ酸カリウムの製造方法。
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