JP3769949B2 - 半導体装置の製造方法および液晶表示装置用アクティブマトリクス基板の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法および液晶表示装置用アクティブマトリクス基板の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜トランジスタ(以下、TFTという。)などを基板上に形成した半導体装置の製造方法、および液晶表示装置用アクティブマトリクス基板の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、半導体装置を製造する際の歩留り向上技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体膜を用いて基板の表面側に電気素子を形成した半導体装置としては、液晶表示装置に用いる液晶パネルなどがある。この液晶パネルにおいて液晶を保持する一対の基板のうち、一方の基板としてアクティブマトリクス基板を用いたものは、たとえば、投射型液晶表示装置のライトバルブとして用いられている。
【0003】
このアクティブマトリクス基板を製造するにあたっては、データ線、走査線、TFTおよび画素電極などの構成要素が、成膜工程や熱処理工程を利用して石英基板やガラス基板の表面に順次形成されていく。そして、これらの工程を経て製造したアクティブマトリクス基板については、対向基板と貼り合わせた後、基板間に液晶を封入し、しかる後に、実際に表示を行なってみてアクティブマトリクス基板に付いた傷やクラックに起因する不具合が有るか否かを検査する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の製造方法では、アクティブマトリクス基板と対向基板との間に液晶を封入した後、実際に表示を行なってみてアクティブマトリクス基板に傷やクラックが有るか否かを検査するため、この検査結果を製造条件に反映させようにもいずれの工程条件を変更すべきかを適正に判断できないという問題点がある。また、このような傷やクラックは、工程に仕掛ける前の基板に微小な傷やクラックとして存在していることが多く、このような微小な傷やクラックをそのままの状態で発見するのは容易なことではない。このため、微小な傷やクラックに起因する不具合を発生させそうな基板を予め排除しておくことは不可能である。このような問題点は、アクティブマトリクス基板を製造する場合に限らず、基板として傷やクラックが発生しやすいものを用いた半導体装置の製造方法全般にいえることである。
【0005】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、基板に異常があるか否かを適正に検査することにより、基板に発生した傷やクラックに起因する不具合の発生を防止し、その歩留りを向上することのできる基板の検査方法、半導体装置の製造方法、および液晶表示装置用アクティブマトリクス基板の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本願発明者が繰り返し行なった実験において、これから製造工程に回そうとする基板において、図1(A)に示すように、傷やクラックがあってもそれらが微小である場合には目視検査や光学装置を用いた検査を行なっても発見することができないが、基板に対して、超音波洗浄工程、熱処理工程、高融点金属の成膜工程、絶縁膜の形成工程、プラズマ照射工程を行なうと、図1(B)、(C)に示すように、その時に受けた熱や力などの物理力が応力として作用して基板の傷やクラックが成長するので、目視検査や光学装置を用いた検査によって発見できるという新たな知見を得た。そこで、本願発明者は、このような知見を活かして半導体装置などを製造する際の歩留りを向上することを提案する。
【0007】
すなわち、本発明に係る基板の製造方法では、基板に物理力を作用させた後、当該基板に傷やクラックがあるか否かを検査することを特徴とする。
本発明の半導体装置の製造方法は、石英基板又は耐熱性ガラス板などの透明な基板に超音波洗浄を行なう超音波洗浄工程を少なくとも有する半導体装置の製造方法において、
前記超音波洗浄工程と、高融点金属を前記基板に形成する高融点金属成膜工程と、当該基板の傷あるいはクラックの有無を検査する検査工程とを順に行うことを特徴とする。
本発明の半導体装置の製造方法は、石英基板又は耐熱性ガラス板などの透明な基板を加熱する熱処理工程を少なくとも有する半導体装置の製造方法において、
高融点金属を前記基板に形成する高融点金属成膜工程と、下地保護膜を形成する絶縁膜形成工程と、アニ - ル処理を施す熱処理工程と、前記基板の傷あるいはクラックの有無を検査する検査工程とを順に行うことを特徴とする。
本発明の半導体装置の製造方法は、石英基板又は耐熱性ガラス板などの透明な基板にプラズマを照射するプラズマ照射工程を少なくとも有する半導体装置の製造方法において、
高融点金属を前記基板に形成する高融点金属成膜工程と、前記プラズマ照射工程と、前記基板の傷あるいはクラックの有無を検査する検査工程とを順に行うことを特徴とする。
【0008】
本発明では、後で不具合の原因となりそうな微小な傷やクラックについてはそのままでは発見できないので、基板に物理力を作用させて微小な傷やクラックを成長、露呈させてから基板の良否を検査する。従って、容易に発見できない微小な傷やクラックがある基板であっても、事前にあるいは工程の比較的前段階で排除できるので、この基板を用いて半導体装置などを製造したときには、それ以降の工程において歩留りを向上することができる。
【0009】
たとえば、少なくとも、基板に超音波洗浄を行なう超音波洗浄工程を有する半導体装置の製造方法において、前記超音波洗浄工程を行なった後、次の工程を行なう前に当該基板の異常の有無を検査する検査工程を行うことを特徴とする。
【0010】
本発明において、前記超音波洗浄工程では、KHz帯域の超音波振動、MHz帯域の超音波振動、およびKHz帯域の振動とMHz帯域の振動とが重畳する超音波振動のいずれかを用いてもよい。
【0011】
また、本発明では、少なくとも、基板を加熱する熱処理工程を有する半導体装置の製造方法において、前記熱処理工程を行なった後、次の工程を行なう前に当該基板の異常の有無を検査する検査工程を行うことを特徴とする。
【0012】
ここで、前記熱処理工程は、たとえば、前記基板の表面側に形成した半導体膜の表面に酸化膜を熱酸化法により形成する工程である。
【0013】
本発明の別の形態では、少なくとも、基板の表面に高融点金属を成膜する高融点金属成膜工程を有する半導体装置の製造方法において、前記高融点金属成膜工程を行なった後、次の工程を行なう前に当該基板の異常の有無を検査する検査工程を行うことを特徴とする。
【0014】
ここで、前記高融点金属成膜工程は、たとえば、前記基板の表面側にチタン膜、クロム膜、タングステン膜、タンタル膜、モリブデン膜またはパラジウム膜を形成する工程である。
【0015】
本発明のさらに別の形態では、少なくとも、基板の表面に絶縁膜を成膜する絶縁膜形成工程を有する半導体装置の製造方法において、前記絶縁膜形成工程を行なった後、次の工程を行なう前に当該基板の異常の有無を検査する検査工程を行うことを特徴とする。
【0016】
本発明のさらに別の形態では、少なくとも、基板にプラズマを照射するプラズマ照射工程を有する半導体装置の製造方法において、前記プラズマ照射工程を行なった後、次の工程を行なう前に当該基板の異常の有無を検査する検査工程を行うことを特徴とする。
【0017】
ここで、前記プラズマ照射工程は、たとえば、前記基板の表面に形成したレジストマスクに対して酸化雰囲気中でプラズマを照射して当該レジストマスクを灰化する工程である。
【0018】
また、本発明において、前記プラズマ照射工程は、前記基板の表面に形成した薄膜に対してプラズマを用いてエッチングを行なう工程であることもある。
【0019】
本発明では、半導体装置を製造する際に行なう多くの工程のうち、超音波洗浄工程、熱処理工程、高融点金属成膜工程、絶縁膜の形成工程、およびプラズマ照射工程のように基板に大きな応力を発生させる工程を行なった際には、検査工程を行い、その検査結果を工程条件にフィードバックする。従って、従来であれば、ほぼ完成品に近い状態で検査を行なわなければならなかった微小な傷やクラックに起因する不具合を早期に発見できる。それ故、この検査結果をフィードバックすれば、工程条件を最適化できるので、半導体装置の歩留りが向上する。
【0020】
本発明において、前記検査工程では、前記基板の異常の有無として、たとえば、前記基板に傷あるいはクラックが発生したか否かを検査する。
【0021】
本発明において、前記検査工程での検査結果において、当該基板に異常有りと判定したときには、当該検査工程より以前に行なう工程条件を変更することが好ましい。
【0022】
このような半導体装置の製造方法は、たとえば、液晶表示装置のアクティブマトリクス基板を製造するのに適用できる。このアクティブマトリクス基板の製造方法では、画素スイッチング用および駆動回路用の薄膜トランジスタを前記基板の表面側に形成する。
【0023】
【発明の実施の形態】
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0024】
[液晶パネルの全体構成]
液晶表示装置に用いられる液晶パネルの構成および動作について、図2から図5を参照して説明する。図2は、液晶パネルの画面表示領域を構成するためにマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、および配線などの等価回路図である。図3は、データ線、走査線、画素電極、遮光膜などが形成されたアクティブマトリクス基板において相隣接する画素の平面図である。図4は、図3のA−A′線に相当する位置での断面図である。図5は、アクティブマトリクス基板の2次元的な配線レイアウトを示す平面図である。これらの図において、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0025】
図2において、液晶パネルの画面表示領域において、マトリクス状に形成された複数の画素の各々には、画素電極9aを制御するための画素スイッチング用のTFT30が形成されており、画素信号を供給するデータ線6aが当該TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画素信号S1、S2・・・Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。また、TFT30のゲートには走査線3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2・・・Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのオン状態とすることにより、データ線6aから供給される画素信号S1、S2・・・Snを各画素に所定のタイミングで書き込む。このようにして画素電極9aを介して液晶に書き込まれた所定レベルの画素信号S1、S2、・・・Snは、後述する対向基板に形成された対向電極との間で一定期間保持される。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能にする。ノーマリーホワイトモードであれば、印加された電圧に応じて入射光がこの液晶部分を通過不可能とされ、ノーマリーブラックモードであれば、印加された電圧に応じて入射光がこの液晶部分を通過可能とされる。その結果、全体として液晶パネルからは画素信号に応じたコントラストを持つ光が出射する。
【0026】
ここで、保持された画素信号がリークするのを防ぐことを目的に、画素電極9aと対向電極との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70を付加することがある。たとえば、画素電極9aの電圧は、ソース電圧が印加された時間よりも3桁も長い時間だけ蓄積容量70により保持される。これにより、電荷の保持特性は改善され、コントラスト比の高い液晶表示装置が実現できる。なお、蓄積容量70を形成する方法としては、容量を形成するための配線である容量線3bとの間に形成する場合、あるいは前段の走査線3aとの間に形成する場合もいずれであってもよい。
【0027】
図3において、液晶パネルのアクティブマトリクス基板上には、マトリクス状に複数の透明な画素電極9a(点線9a′により輪郭が示されている。)が各画素毎に形成され、画素電極9aの縦横の境界領域に沿ってデータ線6a、走査線3aおよび容量線3bが形成されている。データ線6aは、コンタクトホール5を介して、ポリシリコン膜からなる半導体層1aのうち後述のソース領域に電気的に接続され、画素電極9aは、コンタクトホール8を介して、半導体層1aのうち後述のドレイン領域に電気的に接続されている。また、半導体層1aのうち後述のチャネル形成用領域(図中右下がりの斜線の領域)に対向するように走査線3a(ゲート電極)が通っている。
【0028】
図4に示すように、液晶パネル100は、アクティブマトリクス基板10と、これに対向配置される対向基板20とを備えている。アクティブマトリクス基板10の基体は、石英基板や耐熱性ガラス板などの透明な基板10bからなり、対向基板20の基体もまた、石英基板や耐熱性ガラス板などの透明な基板20bからなる。アクティブマトリクス基板10には、画素電極9aが設けられており、その上側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜(図示せず。)が形成されている。画素電極9aは、たとえばITO膜(インジウム・ティン・オキサイド膜)等の透明な導電性薄膜からなる。また、配向膜は、たとえばポリイミド薄膜などの有機薄膜からなる。
【0029】
アクティブマトリクス基板10には、各画素電極9aに隣接する位置に、各画素電極9aをスイッチング制御する画素スイッチング用のTFT30が形成されている。ここに示すTFT30は、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、走査線3a(ゲート電極)、走査線3aから供給される走査信号の電界によりチャネルが形成される半導体膜1aのチャネル形成用領域1a′、走査線3aと半導体層1aとを絶縁するゲート絶縁膜2、データ線6a(ソース電極)、半導体層1aの低濃度ソース領域(ソース側LDD領域)1b並びに低濃度ドレイン領域(ドレイン側LDD領域)1c、および半導体層1aの高濃度ソース領域1d並びに高濃度ドレイン領域1eを備えている。高濃度ドレイン領域1eには、複数の画素電極9aのうちの対応する1つが電気的に接続されている。ソース領域1b、1d、およびドレイン領域1c、1eは、後述のように、半導体層1aにおいてn型のチャネルを形成するか、あるいはp型のチャネルを形成するかに応じて所定濃度のn型用またはp型用のドーパントがドープされることにより形成されている。n型チャネルのTFTは、動作速度が速いという利点があり、画素スイッチング用のTFTとして用いられることが多い。
【0030】
本形態において、データ線6a(ソース電極)は、アルミニウム等の金属膜や金属シリサイド等の合金膜等から構成されている。また、走査線3a(ゲート電極)、ゲート絶縁膜2および下地保護膜12の上には、高濃度ソース領域1dへ通じるコンタクトホール5、および高濃度ドレイン領域1eへ通じるコンタクトホール8が各々形成された第1層間絶縁膜4が形成されている。このソース領域1dへのコンタクトホール5を介して、データ線6a(ソース電極)は高濃度ソース領域1dに電気的に接続されている。さらに、データ線6a(ソース電極)および第1層間絶縁膜4の上には第2層間絶縁膜7が形成されている。ここで、画素電極9aは、第2層間絶縁膜7の上に形成されているので、ゲート絶縁膜2、第1層間絶縁膜4および第2層間絶縁膜7には高濃度ドレイン領域1eに通じるコンタクトホール8が形成されている。従って、高濃度ドレイン領域1eへのコンタクトホール8を介して画素電極9aは高濃度ドレイン領域1eに電気的に接続されている。なお、画素電極9aと高濃度ドレイン領域1eとは、データ線6aと同時形成されたアルミニウム電極や走査線3bと同時形成されたポリシリコン電極を中継して電気的接続するようにしても良い。
【0031】
ここで、TFT30は、好ましくは上述のようにLDD構造をもつが、低濃度ソース領域1bおよび低濃度ドレイン領域1cに相当する領域に不純物イオンの打ち込みを行わないオフセット構造を有していてもよい。また、TFT30は、ゲート電極3aをマスクとして高濃度で不純物イオンを打ち込み、自己整合的に高濃度ソースおよびドレイン領域を形成したセルフアライン型のTFTであってもよい。なお、本形態では、TFT30のゲート電極(データ線3a)をソース−ドレイン領域1bおよび1e間に1個のみ配置したシングルゲート構造としたが、これらの間に2個以上のゲート電極を配置してもよい。この際、各々のゲート電極には同一の信号が印加されるようにする。このようにデュアルゲート(ダブルゲート)或いはトリプルゲート以上でTFTを構成すれば、チャネルとソース−ドレイン領域接合部のリーク電流を防止でき、オフ時の電流を低減することが出来る。これらのゲート電極の少なくとも1個をLDD構造或いはオフセット構造にすれば、さらにオフ電流を低減でき、安定したスイッチング素子を得ることが出来る。
【0032】
本形態では、TFT30のゲート絶縁膜2をゲート電極3aに対向する位置から延設して誘電体膜として用いるとともに、半導体膜1aを延設して第1電極1fとし、さらにこれらに対向する容量線3bの一部を第2電極とすることにより、蓄積容量70が構成されている。すなわち、半導体1aの高濃度ドレイン領域1eが、データ線6aおよび走査線3aの下にまで延設されて、同じくデータ線6aおよび走査線3aに沿って延びる容量線3bにゲート絶縁膜2(誘電体膜)を介して対向配置されて、第1電極(半導体層)1fとされている。ここで、蓄積容量70の誘電体としての絶縁膜2は、高温酸化によりポリシリコン膜上に形成されるTFT30のゲート絶縁膜2に他ならないので、薄くてかつ高耐圧の絶縁膜とすることができる。それ故、蓄積容量70は、比較的小面積で大容量の蓄積容量として構成できる。その結果、データ線6a下の領域および走査線3aに並列する領域(即ち、容量線3bが形成された領域)という開口領域を外れたスペースを有効に利用して、画素電極9aに対する蓄積容量を増大させることができる。
【0033】
このように構成したアクティブマトリクス基板10において、図3および図4に示すように、隣接する画素電極9aの境界領域にはデータ線6a、走査線3aおよび容量線3bが通っているものの、これらの配線を通して、あるいはこれらの配線と画素電極9aとの隙間を通って光が漏れると、表示の品位を低下させてしまう。そこで、本形態では、アクティブマトリクス基板10の基体たる透明基板10bと下地保護膜12の間には、各画素電極9aの縦横の境界領域に沿って不透明な高融点金属であるTi(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)、Pd(パラジウム)などからなる遮光膜11a(図3における左下がりの斜線領域)を形成してある。この遮光膜11aは、平面的には、半導体層1aのチャネル形成用領域を含むTFT30の形成領域、データ線6a、走査線3aおよび容量線3bに対して、アクティブマトリクス基板10の裏面側から見て重なる位置に形成されている。
【0034】
一方、対向基板20には、その全面に渡って対向電極21が形成され、その表面には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜(図示せず。)が形成されている。対向電極21も、たとえば、ITO膜などの透明導電性薄膜からなる。また、対向基板20の配向膜も、ポリイミド薄膜などの有機薄膜からなる。対向基板20には、各画素の開口領域以外の領域に対向基板側遮光膜23がマトリクス状に形成されている。このため、対向基板20の側からの入射光はTFT30の半導体層1aのチャネル形成用領域1a′やLDD(Lightly Doped Drain )領域1b、1cに届くことはない。さらに、対向基板側の遮光膜23は、コントラストの向上、色材の混色防止などの機能を有する。
【0035】
このように構成したアクティブマトリクス基板10と対向基板20とは、画素電極9aと対向電極21とが対面するように配置され、かつ、これらの基板間には、後述するシール材により囲まれた空間内に液晶50が封入され、挟持される。液晶50は、画素電極9aからの電界が印加されていない状態で配向膜により所定の配向状態をとる。液晶50は、例えば一種または数種のネマティック液晶を混合したものなどからなる。なお、シール材は、アクティブマトリクス基板10と対向基板20とをそれらの周辺で貼り合わせるための光硬化樹脂や熱硬化性樹脂などからなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー或いはガラスビーズ等のスペーサがギャップ材が配合されている。
【0036】
このように構成した液晶パネル100において、アクティブマトリクス基板10は図5に示すように構成される。アクティブマトリクス基板10には、TFTを用いて回路構成されたデータ線駆動回路101および走査線駆動回路104が形成され、これらのデータ線駆動回路101および走査線駆動回路104はそれぞれ、複数のデータ線6a、走査線3aおよび容量線3bに各々電気的に接続されている。また、アクティブマトリクス基板10にはサンプリング回路105が形成され、このサンプリング回路105には、図示しない制御回路から即時表示可能な形式に変換された画像信号が画像信号線106を介して供給される。従って、走査線駆動回路104がパルス的に走査線3aに順番に走査信号を送るのに合わせて、データ線駆動回路101はサンプリング回路105を駆動し、画像信号に応じた信号電圧をデータ線6aに送る。
【0037】
その結果、各画素では、図2、図4および図5において、画素信号S1、S2、・・・Snが画素電極9aと対向基板20の対向電極21との間で一定期間保持され、液晶50は、画素毎に印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化する。それ故、たとえば、対向基板20の側から入射した光(入射光L1)のうち、通過可能な液晶部分に入射された光のみが、アクティブマトリクス基板10の側から出射されてくるので、所定の表示を行うことができる。
【0038】
(アクティブマトリクス基板の製造方法)
このように構成した液晶表示装置用のアクティブマトリクス基板10の製造方法を、図6ないし図10を参照して説明する。
【0039】
図6ないし図10は、いずれも本形態のアクティブマトリクス基板10の製造方法を示す工程断面図である。なお、図6ないし図10には、図2のA−A′線に相当する位置での断面を表してある。
【0040】
図6(a)に示すように、アクティブマトリクス基板10を多数取りできる石英あるいは耐熱ガラスからなる大型基板10aを用意し、超音波を付与した水流を噴射するノズル、あるいは超音波洗浄槽を用いて大型基板10aに超音波洗浄を行なって、大型基板10aを清浄化する(超音波洗浄工程)。ここで用いる超音波としては、KHz帯域の超音波振動、MHz帯域の超音波振動、およびKHz帯域の振動とMHz帯域の振動とが重畳する超音波振動のいずれであってもよい。
【0041】
次に、この超音波洗浄工程を行なった大型基板10aの異常の有無(傷やクラックの有無)を検査する(検査工程)。ここで、超音波洗浄を行なう前の大型基板10aに、図1(A)に示すようにそのままでは発見できないほど微小な傷やクラックしかなくても、今回行なった超音波洗浄によって大型基板10aがストレスを受けると、図1(B)、(C)に示すように、傷やクラックが成長するので、目視検査や光学装置を用いた検査によって大型基板10aが不具合品であるとわかる。それ故、それ以前の工程(大型基板10aの製造工程や超音波洗浄工程)の条件を見直すことができる。
【0042】
次に、この大型基板10aについては、N2(窒素)などの不活性ガス雰囲気、かつ、約900℃〜約1300℃の高温雰囲気中で熱処理を行い、後に実施される高温プロセスにおいて歪みが少なくなるように前処理しておく(熱処理工程)。
【0043】
すなわち、製造プロセスにおける最高温度(本形態では、ゲート絶縁膜を形成する際の1150℃の温度)に合わせて予め大型基板10aを最高温度と同等の温度か、あるいはそれ以上の温度で熱処理しておく。たとえば、製造プロセスにおける最高温度が1150℃であれば、この前処理工程では大型基板10aを1150℃位で30秒から30分間、加熱する。ここで、1150℃という温度は、大型基板10aを構成する材料の歪点に近い温度である。
【0044】
次に、この熱処理工程を行なった大型基板10aの異常の有無(傷やクラックの有無)を検査する(検査工程)。ここで、この熱処理工程を行なう前の大型基板10aに、図1(A)に示すようにそのままでは発見できないほど微小な傷やクラックしかなくても、今回行なった熱処理工程によって大型基板10aがストレスを受けると、図1(B)、(C)に示すように、傷やクラックが成長するので、目視検査や光学装置を用いた検査によって大型基板10aが不具合品であるとわかる。それ故、その直前に行なった熱処理工程の条件を見直すことができる。
【0045】
次に、大型基板10aの全面に、不透明な高融点金属であるTi、Cr、W、Ta、Mo、Pdなどの金属単体、あるいは合金からなる金属膜11bをスパッタ等により、1000オングストローム〜3000オングストローム程度の層厚で形成する(高融点金属成膜工程)。
【0046】
次に、この高融点金属成膜工程を行なった大型基板10aの異常の有無(傷やクラックの有無)を検査する(検査工程)。ここで、高融点金属成膜工程を行なう前の大型基板1aに、図1(A)に示すようにそのままでは発見できないほど微小な傷やクラックしかなくても、今回行なった高融点金属成膜工程によって大型基板10aがストレスを受けると、図1(B)、(C)に示すように傷やクラックが成長するので、目視検査や光学装置を用いた検査によって大型基板10aが不具合品であるとわかる。それ故、それ以前の工程(高融点金属成膜工程)の工程条件を見直すことができる。
【0047】
次に、金属膜11b上にフォトリソグラフィ技術を用いてレジストマスク201を形成し、このレジストマスク201を介して金属膜11bに対しエッチングを行うことにより、図6(b)に示すように、遮光膜11aを形成する。なお、遮光膜11aは、少なくともTFT30の半導体層のうちチャンネル領域1a、ソース領域1b、1d、ドレイン領域1c、1e、データ線6a、走査線3aおよび容量線31b(図3および図4参照。)を形成すべき領域を大型基板10aの裏面から見て覆うように形成される。
【0048】
ここで、遮光膜11aをエッチング形成するのに、プラズマエッチングあるいは反応性イオンエッチングなど、プラズマを用いるエッチング(プラズマ照射工程)を行なった場合には、このエッチング工程を終えた大型基板10aの異常の有無(傷やクラックの有無)を検査する(検査工程)。従って、今回のエッチング工程を行なう前の大型基板1aに、図1(A)に示すようにそのままでは発見できないほど微小な傷やクラックしかなくても、この工程で行なったプラズマ照射によって大型基板10aがストレスを受けると、図1(B)、(C)に示すように傷やクラックが成長するので、目視検査や光学装置を用いた検査によって大型基板10aが不具合品であるとわかる。それ故、それ以前の工程(エッチング工程)の工程条件を見直すことができる。
【0049】
次に、レジストマスク201を除去するにあたって、本形態では、まず、レジストマスク201に対して大気圧下でプラズマ照射を行う(プラズマ照射工程/灰化工程)。ここで、プラズマ照射は、たとえば、酸素ガスを含むガス中で行う。その結果、有機物であるレジストマスクは、プラズマ(放電ガス)と化学反応を起こし、分解される。このような分解生成物は、気体となって排気される。次に、プラズマ照射を行った基板に対して、水、あるいは水を主成分とする洗浄液を用いて洗浄処理を行う。その結果、レジストマスクの分解生成物の一部が基板上に付着している場合でも、このような分解生成物は、水あるいは水を主成分とする洗浄剤で洗い落とせる状態にある。従って、従来用いていた有機溶剤などを用いなくても、水あるいは水を主成分とする洗浄剤で基板に付着していた分解生成物を洗い落とすことができる。
【0050】
このように、本形態によれば、あくまでアッシング(大気圧下でのプラズマエッチング)によってレジストマスクを分解し、かつ、プラズマエッチング後に行う洗浄処理に水、あるいは水を主成分とする洗浄液を用いるので、硫酸を用いてレジストマスクを炭化させて除去する方法等と違って、多大なコストをかけて硫酸あるいは有機溶剤の廃液処理を行う必要がなく、かつ、環境汚染の問題もない。また、プラズマ照射は大気圧下で行うので、真空雰囲気中でのプラズマ照射と違って、真空引きや真空状態の解除といった時間のかかる工程が不要である。それ故、大型基板10aを大量に処理するのに適している。また、大気圧下でのプラズマ照射でよいので、処理装置の構成を簡略化でき、安価な設備で済むという利点がある。
【0051】
次に、このプラズマ照射工程を行なった後、大型基板10aの異常の有無(傷やクラックの有無)を検査する(検査工程)。ここで、プラズマ照射工程を行なう前の大型基板1aに、図1(A)に示すようにそのままでは発見できないほど微小な傷やクラックしかなくても、今回行なったプラズマ照射工程によって大型基板10aがストレスを受けると、図1(B)、(C)に示すように傷やクラックが成長するので、目視検査や光学装置を用いた検査によって大型基板10aが不具合品であるとわかる。それ故、それ以前の工程(プラズマ照射工程)の工程条件を見直すことができる
次に、図6(c) に示すように、遮光膜11aの上に、例えば、常圧又は減圧CVD法等によりTEOS(テトラ・エチル・オルソ・シリケート)ガス、TEB(テトラ・エチル・ボートレート)ガス、TMOP(テトラ・メチル・オキシ・フォスレート)ガス等を用いて、NSG(ノンシリケートガラス)、PSG(リンシリーケートガラス)、BSG(ボロンシリケートガラス)、BPSG(ボロンリンシリケートガラス)などのシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる下地保護膜12を形成する(絶縁膜形成工程)。下地保護膜12の層厚は、約500オングストローム〜15000オングストローム、好ましくは約6000オングストローム〜8000オングストロームの厚さとなる。或いは、減圧CVD法等により高温酸化シリコン膜(HTO膜)や窒化シリコン膜を約500オングストロームの比較的薄い厚さに堆積し、厚さ約2000オングストロームの多層構造を持つ下地保護膜12を形成しても良い。更に、このようなシリケートガラス膜に重ねて又は代えて、SOG(スピンオンガラス:紡糸状ガラス)をスピンコートして又はCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理を施すことにより、平坦な膜を形成しても良い。このように、下地保護膜12の上面をスピンコート処理又はCMP処理により平坦化しておけば、その上に後でTFT30を形成しやすいという利点がある。
【0052】
ここで、下地保護膜12としてシリケートガラス膜や窒化シリコン膜を形成した場合には、この絶縁膜形成工程を終えた大型基板10aの異常の有無(傷やクラックの有無)を検査する(検査工程)。すなわち、下地保護膜12を形成する前の大型基板1aに、図1(A)に示すようにそのままでは発見できないほど微小な傷やクラックしかなくても、今回行なった絶縁膜形成工程によって大型基板10aがストレスを受けると、図1(B)、(C)に示すように傷やクラックが成長するので、目視検査や光学装置を用いた検査によって大型基板10aが不具合品であるとわかる。それ故、それ以前の工程(絶縁膜形成工程)の工程条件を見直すことができる
なお、下地保護膜12に対し、約900℃のアニール処理を施すことにより、汚染を防ぐと共に平坦化を施してもよい(熱処理工程)。この場合には、熱処理工程後に、大型基板10aの異常の有無(傷やクラックの有無)を検査し、その検査結果において、大型基板1aに傷やクラックがあれば、それ以前の工程条件を見直す。
【0053】
次に、図7(a) に示すように、下地保護膜12の上に、約450℃〜約550℃、好ましくは約500℃の比較的低温環境中で、流量約400cc/min〜約600cc/minのモノシランガス、ジシランガス等を用いた減圧CVD(例えば、圧力が約20Pa〜40PaのCVD)により、アモルファスシリコンからなる半導体膜1を形成する。
【0054】
次に、約600℃〜約700℃にて約1時間〜約10時間、好ましくは、約4時間〜約6時間のアニール処理を窒素雰囲気中で施することにより、ポリシリコンからなる半導体膜1を約500オングストローム〜約2000オングストロームの厚さ、好ましくは約1000オングストロームの厚さとなるまで固相成長させる(熱処理工程)。
【0055】
この際、画素スイッチング用のTFT30をnチャネル型とする場合には、当チャネル形成用領域にSb(アンチモン)、As(砒素)、P(リン)などのV族元素のドーパンドを僅かにイオン注入等によりドープしてもよい。また、画素スイッチング用TFT30をpチャネル型とする場合には、B(ボロン)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)などのIII族元素のドーパンドを僅かにイオン注入等によりドープしても良い。なお、アモルファスシリコン膜を経ないで、減圧CVD法等によりポリシリコン膜1を直接形成しても良い。あるいは、減圧CVD法等により堆積したポリシリコン膜にシリコンイオンを打ち込んで一旦非晶質化(アモルファス化)し、その後アニール処理等により再結晶化させてポリシリコン膜1を形成しても良い。
【0056】
次に、この熱処理工程を終えた大型基板10aの異常の有無(傷やクラックの有無)を検査し、その検査結果において、大型基板1aに傷やクラックがあれば、それ以前の工程条件を見直す。
【0057】
次に、フォトリソグラフィ技術を用いてレジストマスク202を形成した後、エッチング工程を行い、図7(b)に示すように、図3に示したパターンの島状の半導体層1aを形成する。すなわち、データ線6a下で容量線3bが形成される領域、および走査線3aに沿って容量線3bが形成される領域には、TFT30を構成する半導体層1aから延設された第1電極1fを形成する。
【0058】
ここで、島状の半導体膜1aをエッチング形成するのに、プラズマエッチングあるいは反応性イオンエッチングなど、プラズマを用いるエッチング(プラズマ照射工程)を行なった場合には、プラズマ照射を終えた大型基板10aの異常の有無(傷やクラックの有無)を検査し、その検査結果において、大型基板1aに傷やクラックがあれば、それ以前の工程条件を見直す。
【0059】
次に、レジストマスク202に対して大気圧下でプラズマ照射を行う(プラズマ照射工程/灰化工程)。次に、水あるいは水を主成分とする洗浄剤で大型基板1aを洗浄する。
【0060】
次に、このプラズマ照射工程を終えた大型基板10aの異常の有無(傷やクラックの有無)を検査し、その検査結果において、大型基板1aに傷やクラックがあれば、それ以前の工程条件を見直す。
【0061】
次に、図7(c)に示すように、TFT30を構成する半導体層1aと共に第1電極1fを約900℃〜約1300℃の温度、好ましくは約1150℃の温度により熱酸化することにより、約300オングストロームの比較的薄い熱酸化シリコン膜を形成し(熱処理工程)、さらに減圧CVD法等により高温酸化シリコン膜(HTO膜)や窒化シリコン膜を約500オングストロームの比較的薄い厚さに堆積し、多層構造を持つゲート絶縁膜2、および蓄積容量形成用の誘電体膜を形成する。この結果、第1電極1fの厚さは、約300オングストローム〜約1500オングストロームの厚さ、好ましくは約350オングストローム〜約500オングストロームの厚さとなり、容量形成用の誘電体膜(ゲート絶縁膜2)の厚さは、約200オングストローム〜約1500オングストロームの厚さ、好ましくは約300オングストローム〜約1000オングストロームの厚さとなる。ここで、ポリシリコン膜1は、約1150℃の温度条件下での熱酸化のみで単一層構造を持つゲート絶縁膜2を形成してもよい(熱処理工程)。
【0062】
次に、この熱処理工程を終えた大型基板10aの異常の有無(傷やクラックの有無)を検査し、その検査結果において、大型基板1aに傷やクラックがあれば、それ以前の工程条件を見直す。また、ゲート絶縁膜2として窒化シリコン膜を形成した場合にも、この絶縁膜形成工程を終えた大型基板10aの異常の有無(傷やクラックの有無)を検査し、その検査結果において、大型基板1aに傷やクラックがあれば、それ以前の工程条件を見直す。
【0063】
なお、ポリシコン層1のうち、第1電極1fとなる半導体層部分に、例えば、Pイオンをドーズ量約3×1012/cm2でドープして低抵抗化させておく。
【0064】
次に、図7(d)に示すように、減圧CVD法等によりポリシリコン膜3を堆積した後、リン(P)を熱拡散し、ポリシリコン膜3を導電化する。又は、Pイオンをポリシリコン膜3の成膜と同時に導入したドープドシリコン膜を用いても良い。
【0065】
次に、フォトリソグラフィ技術を用いてレジストマスク203を形成した後、エッチング工程を行い、図8(a)に示すように、図3に示したパターンの走査線3a(ゲート電極)および容量線3bを形成する。これらの容量線3bおよび走査線3aの層厚は、例えば、約3500オングストロームである。
【0066】
ここで、走査線3aなどをエッチング形成するのに、プラズマエッチングあるいは反応性イオンエッチングなど、プラズマを用いるエッチング(プラズマ照射工程)を行なった場合には、プラズマ照射を終えた大型基板10aの異常の有無(傷やクラックの有無)を検査し、その検査結果において、大型基板1aに傷やクラックがあれば、それ以前の工程条件を見直す。
【0067】
次に、レジストマスク203に対して大気圧下でプラズマ照射を行う(プラズマ照射工程/灰化工程)。次に、水あるいは水を主成分とする洗浄剤で大型基板1aを洗浄する。
【0068】
次に、このプラズマ照射工程を終えた大型基板10aの異常の有無(傷やクラックの有無)を検査し、その検査結果において、大型基板1aに傷やクラックがあれば、それ以前の工程条件を見直す。
【0069】
次に、図8(b)に示すように、図4に示したTFT30をLDD構造を持つnチャネル型のTFTとする場合、半導体層1aに、まず低濃度ソース領域1bおよび低濃度ドレイン領域1cを形成するために、走査線3a(ゲート電極)を拡散マスクとして、PなどのV族元素のドーパント200を低濃度で(例えば、Pイオンを1×1013/cm2〜3×1013/cm2のドース量にて)ドープする。これにより走査線3a(ゲート電極)下の半導体層1aは、チャネル形成用領域1a′となる。この不純物のドープにより容量線3bおよび走査線3aも低抵抗化される。
【0070】
続いて、図8(c)に示すように、TFT30の高濃度ソース領域1dおよび高濃度ドレイン領域1eを形成するために、走査線3a(ゲート電極)よりも幅の広いマスクでレジストマスク202を走査線3a(ゲート電極)上に形成した後、同じくPなどのV族元素のドーパンド201を高濃度で(例えば、Pイオンを1×1015/cm2〜3×1015/cm2のドース量にて)ドープする。また、TFT30をpチャネル型とする場合、半導体層1aに、低濃度ソース領域1bおよび低濃度ドレイン領域1c並びに高濃度ソース領域1dおよび高濃度ドレイン領域1eを形成するために、BなどのIII族元素のドーパンドを用いてドープする。なお、低濃度のドープを行わずに、オフセット構造のTFTとしても良く、走査線3a(ゲート電極)をマスクとして、Pイオン、Bイオン等を用いたイオン注入技術によりセルフアライン型のTFTとしても良い。この不純物のドープにより容量線3bおよび走査線3aはさらに低抵抗化する。
【0071】
これらの工程と同時並行して、nチャネル型TFTおよびpチャネル型TFTから構成される相補型構造を持つデータ線駆動回路101および走査線駆動回路104等の周辺回路(図5参照)をアクティブマトリクス基板10上の周辺部に形成する。このように、本実施の形態において画素スイッチング用TFT30はポリシリコンTFTであるので、画素スイッチング用TFT30の形成時にほぼ同一工程で、データ線駆動回路101および走査線駆動回路104等の周辺回路を形成することができ、製造上有利である。
【0072】
次に、図8(d)に示すように、TFT30における走査線3a(ゲート電極)、容量線3bおよび走査線3aを覆うように、例えば、常圧又は減圧CVD法やTEOSガス等を用いて、NSG(ノンシリケートガラス)、PSG(リンシリケートガラス)、BSG(ボロンシリケートガラス)、BPSG(ボロンリンシリケートガラス)などのシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる第1層間絶縁膜4を形成する(絶縁膜形成工程)。第1層間絶縁膜4の層厚は、約5000オングストローム〜約15000オングストロームが好ましい。
【0073】
ここで、第1層間絶縁膜4としてシリケートガラス膜や窒化シリコン膜を形成した場合には、この絶縁膜形成工程を終えた大型基板10aの異常の有無(傷やクラックの有無)を検査し、その検査結果において、大型基板1aに傷やクラックがあれば、それ以前の工程条件を見直す。
【0074】
次に、高濃度ソース領域1dおよび高濃度ドレイン領域1eを活性化するために約1000℃のアニール処理を20分程度行う(熱処理工程)。
【0075】
次に、この熱処理工程を行なった大型基板10aの異常の有無(傷やクラックの有無)を検査し、その検査結果において、大型基板1aに傷やクラックがあれば、それ以前の工程条件を見直す。
【0076】
次に、フォトリソグラフィ技術を用いてレジストマスク204を形成した後、エッチング工程を行い、図8(e)に示すように、データ線6a(ソース電極)に対するコンタクトホール5を、反応性エッチング、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチング、あるいはウエットエッチングにより形成する。
【0077】
ここで、コンタクトホール5をエッチング形成するのに、プラズマエッチングあるいは反応性イオンエッチングなど、プラズマを用いるエッチング(プラズマ照射工程)を行なった場合には、プラズマ照射を終えた大型基板10aの異常の有無(傷やクラックの有無)を検査し、その検査結果において、大型基板1aに傷やクラックがあれば、それ以前の工程条件を見直す。
【0078】
次に、レジストマスク204に対して大気圧下でプラズマ照射を行う(プラズマ照射工程/灰化工程)。次に、水あるいは水を主成分とする洗浄剤で大型基板1aを洗浄する。
【0079】
次に、このプラズマ照射工程を終えた大型基板10aの異常の有無(傷やクラックの有無)を検査し、その検査結果において、大型基板1aに傷やクラックがあれば、それ以前の工程条件を見直す。
【0080】
次に、図9(a)に示すように、第1層間絶縁層4の上に、スパッタ処理等により、A1等の低抵抗金属や金属シリサイド等の金属膜6を、約1000オングストローム〜約5000オングストロームの厚さ、好ましくは約3000オングストロームに堆積する。ここで、金属膜6として高融点金属膜を用いた場合には、この金属膜6を形成した後の大型基板10aの異常の有無(傷やクラックの有無)を検査し、その検査結果において、大型基板1aに傷やクラックがあれば、それ以前の工程条件を見直す。
【0081】
次に、フォトリソグラフィ技術を用いてレジストマスク205を形成した後、エッチング工程を行い、図9(b)に示すように、データ線6a(ソース電極)を形成する。
【0082】
ここで、データ線6aなどをエッチング形成するのに、プラズマエッチングあるいは反応性イオンエッチングなど、プラズマを用いるエッチング(プラズマ照射工程)を行なった場合には、プラズマ照射を終えた大型基板10aの異常の有無(傷やクラックの有無)を検査し、その検査結果において、大型基板1aに傷やクラックがあれば、それ以前の工程条件を見直す。
【0083】
次に、レジストマスク205に対して大気圧下でプラズマ照射を行う(プラズマ照射工程/灰化工程)。次に、水あるいは水を主成分とする洗浄剤で大型基板1aを洗浄する。
【0084】
次に、このプラズマ照射工程を終えた大型基板10aの異常の有無(傷やクラックの有無)を検査し、その検査結果において、大型基板1aに傷やクラックがあれば、それ以前の工程条件を見直す。
【0085】
次に、図9(c)に示すように、データ線6a(ソース電極)上を覆うように、例えば、常圧又は減圧CVD法やTEOSガス等を用いて、NSG、PSG、BSG、BPSGなどのシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる第2層間絶縁膜7を形成する。あるいは、このようなシリケート膜に代えて、または重ねて、有機膜やSOGをスピンコートして、もしくはCMP処理を施して平坦な膜を形成してもよい。ここで、第2層間絶縁膜7の層厚は、約5000オングストローム〜約15000オングストロームが好ましい。
【0086】
ここで、第2層間絶縁膜7としてシリケートガラス膜や窒化シリコン膜を形成した場合には、この絶縁膜形成工程を終えた大型基板10aの異常の有無(傷やクラックの有無)を検査し、その検査結果において、大型基板1aに傷やクラックがあれば、それ以前の工程条件を見直す。
【0087】
次に、フォトリソグラフィ技術を用いてレジストマスク206を形成した後、エッチング工程を行い、図10(a)に示すように、TFT30において、画素電極9aと高濃度ドレイン領域1eとを電気的接続するためのコンタクトホール8を、反応性エッチング、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチングにより形成する。この際に、反応性エッチング、反応性イオンビームエッチングのような異方性エッチングにより、コンタクトホール8を形成した方が、開孔形状をマスク形状とほぼ同じにできるという利点がある。また、ドライエッチングとウエットエッチングとを組み合わせて開孔すれば、コンタクトホール8をテーパ状にできるので、配線接続時の断線を防止できるという利点がある。
【0088】
ここで、コンタクホール8を形成するのに、プラズマエッチングあるいは反応性イオンエッチングなど、プラズマを用いるエッチング(プラズマ照射工程)を行なった場合には、このエッチング形成工程を終えた大型基板10aの異常の有無(傷やクラックの有無)を検査し、その検査結果において、大型基板1aに傷やクラックがあれば、それ以前の工程条件を見直す。
【0089】
次に、レジストマスク206に対して大気圧下でプラズマ照射を行う(プラズマ照射工程/灰化工程)。次に、水あるいは水を主成分とする洗浄剤で大型基板1aを洗浄する。
【0090】
次に、このプラズマ照射工程を終えた大型基板10aの異常の有無(傷やクラックの有無)を検査し、その検査結果において、大型基板1aに傷やクラックがあれば、それ以前の工程条件を見直す。
【0091】
次に、図10(b)に示すように、第2層間絶縁膜7の上に、スパッタ処理等により、ITO膜等の透明導電性薄膜9を、約500オングストローム〜約2000オングストロームの厚さに堆積する。
【0092】
次に、フォトリソグラフィ技術を用いてレジストマスク207を形成した後、エッチング工程を行い、図10(c)に示すように画素電極9aを形成する。なお、液晶パネル100を反射型の液晶表示装置に用いる場合には、アルミニウムなどの反射率の高い不透明な材料から画素電極9aを形成する。
【0093】
ここで、画素電極9aをエッチング形成するのに、プラズマエッチングあるいは反応性イオンエッチングなど、プラズマを用いるエッチング(プラズマ照射工程)を行なった場合には、このエッチング形成工程を終えた大型基板10aの異常の有無(傷やクラックの有無)を検査し、その検査結果において、大型基板1aに傷やクラックがあれば、それ以前の工程条件を見直す。
【0094】
次に、レジストマスク207に対して大気圧下でプラズマ照射を行う(プラズマ照射工程/灰化工程)。次に、水あるいは水を主成分とする洗浄剤で大型基板1aを洗浄する。
【0095】
次に、このプラズマ照射工程を終えた大型基板10aの異常の有無(傷やクラックの有無)を検査し、その検査結果において、大型基板1aに傷やクラックがあれば、それ以前の工程条件を見直す。
【0096】
次に、画素電極9aに上にポリイミド系の配向膜の塗布液を塗布した後、所定のプレティルト角を持つように且つ所定方向でラビング処理を施すこと等により、配向膜(図示せず。)が形成される。
【0097】
そして、大型基板10aに対して対向基板用の大型基板を貼り合わせた後、個々のパネルに切断してから、あるいは大型基板10aをアクティブマトリクス基板10に切断してから対向基板を貼り合わせた後、液晶を封入する。
【0098】
このように本形態では、アクティブマトリクス基板10を製造する際に行なう多くの工程のうち、超音波洗浄工程、ゲート絶縁膜2などを形成するための熱処理工程、絶縁膜の形成工程、遮光膜11aを形成するための高融点金属成膜工程、エッチングを行なうためのプラズマ照射工程、およびレジストマスク201〜207を灰化するためのプラズマ照射工程のように大型基板10aに大きな応力を発生させる工程を行なった際には、検査工程を行い、その検査結果を工程条件にフィードバックする。従って、従来であれば、ほぼ完成品に近い状態で検査を行なわなければならなかった傷やクラックに起因する不具合を早期に発見できる。それ故、この検査結果をフィードバックして工程条件を最適化できるので、半導体装置の歩留りが向上する。
【0099】
[液晶表示パネルの貼り合わせ構造]
以上の方法により製造したアクティブマトリクス基板10を用いた液晶パネル100の全体構成を図11および図12を参照して説明する。なお、図11は、液晶パネル100をその上に形成された各構成要素と共に対向基板20の側から見た平面図であり、図12は、対向基板20を含めて示す図11のH−H′断面図である。
【0100】
図11において、アクティブマトリクス基板10の上には、シール材52がその縁に沿って設けれらており、その内側領域には、遮光性材料からなる周辺見切り53が形成されている。シール材52の外側の領域には、データ線駆動回路101および実装端子102がアクティブマトリクス基板10の一辺に沿って設けられており、走査線駆動回路104が、この一辺に隣接する2辺に沿って形成されている。走査線に供給される走査信号の遅延が問題にならないのならば、走査線駆動回路104は片側だけでも良いことは言うまでもない。また、データ線駆動回路101を画像表示領域の辺に沿って両側に配列しても良い。例えば奇数列のデータ線は画像表示領域の一方の辺に沿って配設されたデータ線駆動回路から画像信号を供給し、 偶数列のデータ線は前記画像表示領域の反対側の辺に沿って配設されたデータ線駆動回路から画像信号を供給するようにしても良い。この様にデータ線を櫛歯状に駆動するようにすれば、データ線駆動回路101の形成面積を拡張することが出来るため、複雑な回路を構成することが可能となる。更にアクティブマトリクス基板10の残る一辺には、画像表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路104間をつなぐための複数の配線105が設けられており、更に、周辺見切り53の下などを利用して、プリチャージ回路や検査回路が設けられることもある。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも1箇所においては、アクティブマトリクス基板10と対向基板20との間で電気的導通をとるための上下導通材106が形成されている。そして、図12に示すように、図11に示したシール材52とほぼ同じ輪郭をもつ対向基板20が当該シール材52によりアクティブマトリクス基板10に固着されている。
【0101】
なお、データ線駆動回路101および走査線駆動回路104をアクティブマトリクス基板10の上に形成する代わりに、たとえば、駆動用LSIが実装されたTAB(テープ オートメイテッド、ボンディング)基板をアクティブマトリクス基板10の周辺部に形成された端子群に対して異方性導電膜を介して電気的および機械的に接続するようにしてもよい。また、対向基板20およびアクティブマトリクス基板10の光入射側の面あるいは光出射側には、使用する液晶50の種類、すなわち、TN(ツイステッドネマティック)モード、STN(スーパーTN)モード、D−STN(ダブル−STN)モード等々の動作モードや、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板などが所定の向きに配置される。
【0102】
また、このように形成した液晶パネルは、たとえば、投射型液晶表示装置(液晶プロジェクタ)において使用される。この場合、3枚の液晶パネル100がRGB用のライトバルブとして各々使用され、各液晶パネル100の各々には、RGB色分解用のダイクロイックミラーを介して分解された各色の光が投射光として各々入射されることになる。従って、前記した各形態の液晶パネル100にはカラーフィルタが形成されていない。但し、対向基板20において各画素電極9aに対向する領域にRGBのカラーフィルタをその保護膜とともに形成することにより、投射型液晶表示以外にも、カラー液晶テレビなどといったカラー液晶表示装置を構成することができる。さらに、対向基板20に対して、各画素に対応するようにマイクロレンズを形成することにより、入射光の画素電極9aに対する集光効率を高めることができるので、明るい表示を行うことができる。さらにまた、対向基板20に何層もの屈折率の異なる干渉層を積層することにより、光の干渉作用を利用して、RGB色をつくり出すダイクロイックフィルタを形成してもよい。このダイクロイックフィルタ付きの対向基板によれば、より明るいカラー表示を行うことができる。
【0103】
また、各画素に形成される画素スイッチング用のTFTとしては、正スタガ型またはコプラーナ型のポリシリコンTFTを用いた例で説明したが、逆スタガ型のTFTやアモルファスシリコンTFTなど、他の形式のTFTを画素スイッチング用に用いてもよい。
【0104】
[液晶パネルの電子機器への適用]
次に、液晶パネルを備えた電子機器の一例を、図13および図14を参照して説明する。
【0105】
まず、図13には、上記の各形態に係る液晶パネルと同様に構成された液晶パネル100を備えた電子機器の構成をブロック図で示してある。
【0106】
図13において、電子機器が、表示情報出力源1000、表示情報処理回路1002、駆動回路1004、液晶パネル100、クロック発生回路1008、および電源回路1010を含んで構成される。表示情報出力源1000は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、光ディスクなどのメモリ、テレビ信号の画信号を同調して出力する同調回路などを含んで構成され、クロック発生回路1008からのクロックに基づいて、所定フォーマットの画像信号を処理して表示情報処理回路1002に出力する。この表示情報出力回路1002は、たとえば増幅・極性反転回路、相展開回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、あるいはクランプ回路等の周知の各種処理回路を含んで構成され、クロック信号に基づいて入力された表示情報からデジタル信号を順次生成し、クロック信号CLKとともに駆動回路1004に出力する。駆動回路1004は、液晶パネル100を駆動する。電源回路1010は、上述の各回路に所定の電源を供給する。なお、液晶パネル100を構成するアクティブマトリクス基板の上に駆動回路1004を形成してもよく、それに加えて、表示情報処理回路1002もアクティブマトリクス基板の上に形成してもよい。
【0107】
このような構成の電子機器としては、図14を参照して後述する投射型液晶表示装置(液晶プロジェクタ)、マルチメディア対応のパーソナルコンピュータ(PC)、およびエンジニアリング・ワークステーション(EWS)、ページャ、あるいは携帯電話、ワードプロセッサ、テレビ、ビューファインダ型またはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、電子手帳、電子卓上計算機、カーナビゲーション装置、POS端末、タッチパネルなどを挙げることができる。
【0108】
図14に示す投射型液晶表示装置1100は、前記の駆動回路1004がアクティブマトリクス基板上に搭載された液晶パネル100を含む液晶モジュールを3個準備し、各々RGB用のライトバルブ100R、100G、100Bとして用いたプロジェクタとして構成されている。この液晶プロジェクタ1100では、メタルハライドランプなどの白色光源のランプユニット1102から光が出射されると、3枚のミラー1106および2枚のダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの3原色に対応する光成分R、G、Bに分離され(光分離手段)、対応するライトバルブ100R、100G、100B(液晶パネル100/液晶ライトバルブ)に各々導かれる。この際に、光成分Bは、光路が長いので、光損失を防ぐために入射レンズ1122、リレーレンズ1123、および出射レンズ1124からなるリレーレンズ系1121を介して導かれる。そして、ライトバルブ100R、100G、100Bによって各々変調された3原色に対応する光成分R、G、Bは、ダイクロイックプリズム1112(光合成手段)に3方向から入射され、再度合成された後、投射レンズ1114を介してスクリーン1120などにカラー画像として投射される。
【0109】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明では、半導体装置を製造する際に行なう多くの工程のうち、超音波洗浄工程、熱処理工程、高融点金属成膜工程、絶縁膜の形成工程、およびプラズマ照射工程のように基板に大きな応力を発生させる工程を行なった際には、検査工程を行い、その検査結果を工程条件にフィードバックする。すなわち、これらの工程を行なうと、微小な傷やクラックが成長して露呈してくるので、ほぼ完成品に近い状態まで進めてから検査を行なわなくても、工程途中で傷やクラックの有無を発見できる。それ故、この検査結果をフィードバックすれば工程条件を最適化できるので、半導体装置の歩留りが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)、(B)、(C)は、基板の微小な傷やクラックが熱処理工程、高融点金属成膜工程、絶縁膜の形成工程およびプラズマ照射工程によって増大する様子を示す説明図である。
【図2】本発明を適用した液晶表示装置用の液晶パネルにおいて、マトリクス状に配置された複数の画素に形成された各種素子、配線などの等価回路図である。
【図3】図2に示す液晶パネルにおいて、アクティブマトリクス基板に形成された各画素の構成を示す平面図である。
【図4】液晶パネルにおける図3のA−A′線に相当する位置での断面図である。
【図5】図2に示す液晶パネルに用いたアクティブマトリクス基板の構成を示す等価回路図である。
【図6】(a)〜(c)は、液晶パネルのアクティブマトリクス基板の製造方法を示す工程断面図である。
【図7】(a)〜(d)は、液晶パネルのアクティブマトリクス基板の製造方法において、図6に示す工程に続いて行う各工程の工程断面図である。
【図8】(a)〜(e)は、液晶パネルのアクティブマトリクス基板の製造方法において、図7に示す工程に続いて行う各工程の工程断面図である。
【図9】(a)〜(c)は、液晶パネルのアクティブマトリクス基板の製造方法において、図8に示す工程に続いて行う各工程の工程断面図である。
【図10】(a)〜(c)は、液晶パネルのアクティブマトリクス基板の製造方法において、図9に示す工程に続いて行う各工程の工程断面図である。
【図11】液晶パネルを対向基板の側からみたときの平面図である。
【図12】図11のH−H′線における断面図である。
【図13】本発明に係る液晶パネルを表示装置として用いた電子機器の回路構成を示すブロック図である。
【図14】本発明に係る液晶パネルを用いた電子機器の一例としての投射型液晶パネルの光学系の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1a 半導体層
1a′ チャネル形成用領域
1b 低濃度ソース領域
1c 低濃度ドレイン領域
1d 高濃度ソース領域
1e 高濃度ドレイン領域
2 ゲート絶縁膜
3a 走査線
5、8 コンタクトホール
6a データ線
7 第2層間絶縁膜
9a 画素電極
10 アクティブマトリクス基板(半導体装置)
11a 遮光膜
11b 高融点の金属膜
12 下地保護膜
20 対向基板
23 対向基板側遮光膜
30 画素スイッチング用のTFT(電気素子)
50 液晶
53 周辺見切り
70 蓄積容量
100 液晶パネル
101 データ線駆動回路
104 走査線駆動回路
105 サンプリング回路
106 画像信号線
201〜207 レジストマスク
G1、G2・・・Gm 走査信号
S1、S2・・・Sn 画素信号

Claims (10)

  1. 石英基板又は耐熱性ガラス板などの透明な基板に超音波洗浄を行なう超音波洗浄工程を少なくとも有する半導体装置の製造方法において、
    前記超音波洗浄工程と、
    高融点金属を前記基板に形成する高融点金属成膜工程と、
    当該基板の傷あるいはクラックの有無を検査する検査工程とを順に行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 請求項において、前記超音波洗浄工程では、KHz帯域の超音波振動、MHz帯域の超音波振動、およびKHz帯域の振動とMHz帯域の振動とが重畳する超音波振動のいずれかを用いることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 石英基板又は耐熱性ガラス板などの透明な基板を加熱する熱処理工程を少なくとも有する半導体装置の製造方法において、
    高融点金属を前記基板に形成する高融点金属成膜工程と、
    下地保護膜を形成する絶縁膜形成工程と、
    アニ - ル処理を施す前記熱処理工程と、
    前記基板の傷あるいはクラックの有無を検査する検査工程とを順に行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 請求項において、前記熱処理工程は、前記基板の表面側に形成した半導体膜の表面に酸化膜を熱酸化法により形成する工程であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 石英基板又は耐熱性ガラス板などの透明な基板にプラズマを照射するプラズマ照射工程を少なくとも有する半導体装置の製造方法において、
    高融点金属を前記基板に形成する高融点金属成膜工程と、
    前記プラズマ照射工程と、
    前記基板の傷あるいはクラックの有無を検査する検査工程とを順に行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 請求項において、前記プラズマ照射工程は、前記基板の表面に形成したレジストマスクに対して酸化雰囲気中でプラズマを照射して当該レジストマスクを灰化する工程であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 請求項において、前記プラズマ照射工程は、前記高融点金属に対してプラズマを用いてエッチングを行なう工程であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれかにおいて、前記高融点金属成膜工程は、前記基板の表面側にチタン膜、クロム膜、タングステン膜、タンタル膜、モリブデン膜およびパラジウム膜のうちのいずれかを形成する工程であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 請求項1ないし8のいずれかにおいて、前記検査工程で前記基板に異常有りと判定したときには、当該検査工程より以前に行なう工程条件を変更することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  10. 請求項1ないしのいずれかに規定する半導体装置の製造方法を用いて液晶表示装置のアクティブマトリクス基板を製造する方法であって、前記高融点金属成膜工程により形成される遮光膜を、薄膜トランジスタのチャネル形成用領域に対して、前記アクティブマトリクス基板の裏面側から見て重なる位置に形成することを特徴とする液晶表示装置用アクティブマトリクス基板の製造方法。
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