JP3769670B2 - 多層配線構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、層間絶縁膜によって相互に絶縁された下層導体配線と上層導体配線とを有し、それらの導体配線層の電気的導通を取るために前記層間絶縁膜にヴィアホールが設けられている多層配線構造に関し、特に半導体装置の高密度実装用多層配線基板のヴィアホール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の多層配線は、さらに高密度化することが要求されてきている。この要求を実現させるためには、層間絶縁膜の厚みを変えずにヴィアホールの直径を小さくしなければならない。その結果、ヴィアホールのアスペクト比(ヴィアホール深さ/ヴィアホール直径)が大きくなる傾向にある。
【0003】
図3は、従来の多層配線用ヴィアホール構造の一例を示す図で、(a)は部分上部視図、(b)は部分断面図である。このような多層配線用ヴィアホール構造は、例えば、特開平9−298364公報(以下、文献1と記す)に記載されている。
【0004】
以下の記述において、「ヴィアホール周面」とは、ヴィアホールを形成する、層間絶縁層の面である。また、「層間絶縁層と下層導体配線層との境界線」とは、ヴィアホール周面の下端と下層導体配線層との交線(層間絶縁層と下層導体配線層とヴィアホールとの境界線)である。同様に、「層間絶縁層と絶縁体との境界線」とは、ヴィアホール周面の下端と絶縁体との交線(層間絶縁層と絶縁体とヴィアホールとの境界線)である。
【0005】
図3の多層配線用ヴィアホール構造において、ヴィアホール15の下端開口は下層導体配線12のランドより必ず小さく、その結果、ヴィアホール底部開口はすべて下層導体配線12と接触した状態になる。一般に層間絶縁膜13に用いる樹脂と下部ランドに用いる金属導体配線12との付着力は、異なる樹脂相互間の付着力よりも強固ではない。したがって、ヴィアホール底部開口において層間絶縁層樹脂と金属導体配線との境界線で剥離などが発生しやすく、ヴィアホールの導通信頼性が悪くなる。
【0006】
さらに、ヴィアホールのアスペクト比が大きくなると、ヴィアホールの形成条件が厳しくなってくるので、ヴィアホールを形成している層間絶縁膜13と下層導体配線12との間に空隙が発生しやすくなるという問題がある。信頼性向上のため、金属導体配線と樹脂とを強固に接着させるための技術として、金属導体配線の表面を粗化させる方法や金属導体配線の表面に熱硬化性樹脂の微粒子を含む複合めっき層を形成する方法などが提案されている。
【0007】
また、特開平4−219958公報(以下、文献2と記す)には、多層配線を形成するとき、エッチング処理の際に下層配線の表面に付着した有機残留物を除去するために行われるO2プラズマ洗浄によって生じるO2プラズマダメージを低減してコンタクト抵抗を低く抑える目的のためのヴィアホール構造が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来技術のうち、金属導体配線の表面を粗化させる方法は、銅酸化皮膜や粗化形状に起因してめっき時にヴィアホール底部に発生する空隙によって接続抵抗が高くなり接続信頼性が悪くなるという問題点がある。
また、複合めっき層を用いる方法は、複合めっき層自体の比抵抗が高いので、ヴィアホール接続が高抵抗となってしまうという問題点がある。
【0009】
文献2に記載されているヴィアホール構造に関しては、ヴィアホールの幅を、下層配線幅より広く設定されている。文献2のように、エッチング処理の際に下層配線の表面に付着した有機残留物を良好に除去することは良好な多層配線を形成するために必要な処理であるけれど、エッチング処理を終了してヴィアホールが形成されたときに上層導体配線と下層導体配線との安定した電気的接続を保証する構造をもつヴィアホールを形成することも良好な多層配線を形成するために必要なアプローチである。
【0010】
例えば、層間絶縁層と絶縁体との境界線、すなわち、ヴィアホール周面と絶縁体との交線に発生するオーバー現象(後述)をできるだけ低減するように条件を選択することが大切である。その理由は、絶縁体または下層導体配線と層間絶縁膜との境界線においてオーバー現象によって生成された空隙の中に残留した現像液は除去し難いばかりでなく、このような空隙は上層配線と下層配線間の電気的接続不良の原因になり、または、絶縁体または下層導体配線と層間絶縁膜との間の剥離の原因になるからである。
【0011】
さらに注意を要することは、前記したように、多層配線用ヴィアホールは、その構造上、直径が小さくなり、またはアスペクト比が大きくなるに従ってオーバー現象が起こりやすくなる。その結果、層間絶縁膜の樹脂と下層導体配線との剥離が発生しやすくなり導通が取り難くなる。このことは、多層配線の高密度化の妨げになるという基本的問題をもっている。
【0012】
本発明の目的は、ビルドアップ工法で形成される多層配線構造をオーバー現象が発生しないように改良し、電気的接続信頼性の高い高密度多層配線構造を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の多層配線構造は、層間絶縁膜によって相互に絶縁された下層導体配線と上層導体配線とを有し、当該2層の導体配線層の電気的導通を取るために前記層間絶縁膜にヴィアホールが設けられている多層配線構造において、前記ヴィアホールのアスペクト比が0.5以上であり、前記ヴィアホールの下端が、前記下層導体配線と該下層導体配線を搭載している絶縁体との双方上に開口し、前記上層導体配線は、前記ヴィアホール下端開口内に露出している前記絶縁体上を経由して前記下層導体配線に接続し、前記層間絶縁膜は、前記下層導体配線より前記絶縁体との濡れ性が良く、前記ヴィアホールの下端において前記絶縁体と接触している接触角が90°以下であり、前記下層導体配線および前記絶縁体は、その表面を粗化する処理が施されていない、ことを特徴とする。
また、本発明の別の多層配線構造は、層間絶縁膜によって相互に絶縁された下層導体配線と上層導体配線とを有し、当該2層の導体配線層の電気的導通を取るために前記層間絶縁膜にヴィアホールが設けられている多層配線構造において、前記ヴィアホールのアスペクト比が0.5以上であり、前記ヴィアホールの下端が、前記下層導体配線と該下層導体配線を搭載している絶縁体との双方上に開口し、前記上層導体配線は、前記ヴィアホール下端開口内に露出している前記絶縁体上を経由して前記下層導体配線に接続し、前記層間絶縁膜は、前記下層導体配線より前記絶縁体との濡れ性が良く、前記ヴィアホールの下端において前記絶縁体と接触している接触角が前記層間絶縁膜の熱変形により90°以下となることを特徴とする。
【0014】
一般的に言って、絶縁体と層間絶縁膜の樹脂相互間の付着力は、下層導体配線と層間絶縁膜樹脂との間の付着力より大きい(下層導体配線よりも絶縁体の方が層間絶縁膜材料に濡れやすい)。したがって、ヴィアホールの下端開口が、下層導体配線と該下層導体配線を搭載している絶縁体との双方上に開口するように多層配線構造を形成して絶縁体と層間絶縁膜樹脂との境界線を作り、この境界線を経由して上層導体配線と下層導体配線とを接続することによって、ヴィアホール底部開口において下層導体配線と層間絶縁膜樹脂との境界線における付着力不足を補償し、その境界線における接着不良に起因して発生する上層導体配線と下層導体配線間の接続不良を改善することができる。
【0015】
また、層間絶縁膜として、ヴィアホールの下端開口部における絶縁体と層間絶縁膜樹脂との境界線において、層間絶縁膜が所定値以下の接触角で前記絶縁体に接触するように、前記絶縁体に対して選択された材料特性をもつ材料を使用する。このことによって、当該境界線において凹所や空隙の生成を防止することができる。
【0017】
このような構造を採用することによって、前掲の従来技術のように、金属導体配線の表面を粗化する必要がなくなるので、銅酸化皮膜や粗化形状からヴィアホール底部でめっき時に発生する空隙で接続抵抗が高くなり接続信頼性が低下することもなく、良好なヴィアホール接続を実現することができる。
【0018】
多層配線層の高密度化のためには、アスペクト比が高いことが望まれる。本発明の一実施態様にとして、絶縁体に有機樹脂を使用し、層間絶縁膜にはフルオレン樹脂を使用すると、アスペクト比を0.5以上にとることができる(表1参照)。
なお、参考のために従来技術による多層配線層のアスペクト比と比較すると、
従来技術においては、ヴィアホールのアスペクト比が0.5未満の場合には、導通信頼性が確保されるけれど、アスペクト比が0.5以上になると、銅酸化皮膜や粗化形状からめっき時にヴィアホール底部に生成される空隙によって接続抵抗が高くなり接続信頼性が低下する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。
図1は本発明の多層配線用ヴィアホール構造の一実施形態を示す図で、(a)は部分上部視図、(b)は部分断面図である。
層間絶縁膜13は、下層導体配線12と上層導体配線14とを絶縁するとともに、これらの導体配線相の電気的導通を取るために、ヴィアホール15が設けられている。ヴィアホール15の周面の上部は上層導体配線14のみと接触し、ヴィアホール15の下端は、下層導体配線12と、該下層導体配線12を搭載している絶縁体11との双方上に開口している。
【0020】
本実施形態の多層配線構造は、絶縁体11上の下層導体配線12の少なくとも一部が、層間絶縁膜13に形成されたヴィアホール15の下端開口面内の一部領域を占めるように構成され、上層導体配線14は、層間絶縁膜13の上面からヴィアホール15内の絶縁体面上を経由して下層導体配線に接続されている。
【0021】
絶縁体11としては、有機樹脂、酸化物、窒化物酸化珪素、窒化珪素などが適している。絶縁体11は、プリント基板、無機有機混合基板、金属板、無機単結晶基板などを下地として形成されるのが適当である。絶縁体11は、また、表面に回路が形成されている基板であってもよく、回路が形成されていない場合には、プリント基板工法やビルドアップ工法で用いられているサブトラクティブ法、セミアディティブ法、フルアディティブ法等を用いて回路が形成される。金属板など導電性を有する材料を基板として用いる場合には、下層導体配線12の下地として所望の絶縁体11が形成されている必要があることは勿論である。さらに、基板上にすでに有機樹脂、酸化物、窒化物などを用いて積層されている配線構造体が形成されていてもよい。
【0022】
下層導体配線12は、少なくとも一部がヴィアホール15内に収まるように絶縁体11上に、プリント基板工法やビルドアップ工法で採用されているサブトラクティブ法、セミアディティブ法、フルアディティブ法等を用いて形成される。サブトラクティブ法は、特開平10−51105公報に実施例として示されているような、基板または樹脂上に形成された銅箔をエッチングして回路パターンとする方法である。セミアディティブ法は、特開平9−064493公報に実施例として示されているような、給電層を形成した後にレジスト内に電解めっきを析出させ、レジストを除去後に給電層をエッチングして回路パターンとする方法である。給電層は無電解めっき、スパッタ法、蒸着法、CVD法などにより形成される。フルアディティブ法は、特開平6−334334公報に実施例として示されている、基板もしくは樹脂表面を活性化した後にレジストでパターンを形成し、このレジストを絶縁層として無電解めっきにより回路パターンを形成する方法である。
【0023】
また、下層導体配線12の表面としては、銅、金、ニッケル、クロム、チタン、タングステン、アルミニウムから選択された少なくとも一つ以上の金属または合金が適している。図1では引き込む配線をそのまま表示してあるが、パターン検査等で終端形状が必要な場合、またはヴィアホール形成時の精度等のためにマージンを考慮する場合などにおいては目的に適した形状(例えば、楕円、十字、半月型、一部に任意な開口部を設けた形状など)を使用することができる。さらに、下層導体配線12と絶縁体11との接着力を強化するために、下層導体配線12の下面に、チタン、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、ニッケル、アルミから選択された金属、またはチタン、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、ニッケル、アルミから選択された少なくとも1つの金属を含む合金からなる層が含まれることができる。
【0024】
層間絶縁膜13に用いる有機樹脂としては、高解像度を有する感光性樹脂であるフルオレン樹脂(新日鐵化学製)が最適であるが、他の感光性を持つエポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、BCB(benzocyclobutene)、PBO(polybenzoxazole)などの材料も適している。さらに、レーザ法、ドライエッチング法を用いる場合には、非感光性樹脂や低解像度(ヴィアホール解像度が悪い)感光性樹脂を用いてもよい。また、アライメントによって正確に位置を規定できる場合には、下層導体配線12を確認し難い不透明な材料を用いて層間絶縁膜13を形成することも可能である。
【0025】
ヴィアホール15は、層間絶縁膜13が感光性樹脂である場合にはフォトリソグラフィ法で、また、層間絶縁膜13が非感光性樹脂またはヴィアホール解像度が悪い感光性樹脂である場合には、レーザ法、ドライエッチング法などによって形成される。図1の実施形態ではヴィアホール15の断面を円形としたが、その形状は、必要に応じ四角、楕円等任意に設定することができる。
【0026】
また、上層導体配線14に用いる金属としては、コスト的におよび導通の点で銅が最適であるが、金、銀、アルミニウム、ニッケル、またはこれらの少なくとも一つ以上の金属を含む合金を使用することも可能である。また、上層導体配線14と層間絶縁膜13との間の付着力を強くするため、上層導体配線14の下面にチタン、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、ニッケル、アルミなどから選択された金属、またはチタン、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、ニッケル、アルミなどから選択された少なくとも1つの金属を含む合金からなる層が含まれていても良い。
【0027】
図2は、図1の実施形態の層間絶縁膜形状と下地との間の境界線を示す図で、(a)は層間絶縁膜と絶縁体との境界線部分の部分断面図、(b)は層間絶縁膜と下層導体配線との境界線部分の部分断面図である。
図2(a)では、絶縁体11の表面と層間絶縁膜13とによって形成されるヴィアホール15のテーパ角(絶縁体11に対する層間絶縁膜13の接触角)をθ、図2(b)では、下層導体配線12の表面と層間絶縁膜13により形成されるヴィアホール15のテーパ角(下層導体配線12に対する層間絶縁膜13の接触角)をθ’として示している。
【0028】
図2(a)に示されているように、下層導体配線12が存在しない絶縁体11の領域上では、絶縁体11と層間絶縁体膜13とのテーパ角θ(接触角)が90°未満になるが、図2(b)に示されているように、下層導体配線12上では、下層導体配線12に対する層間絶縁膜13のテーパ角θ’は90°を越えている。
【0029】
このテーパ角の相違が生じる原因は、下記の現象に基づいていると考えられる。
【0030】
感光性樹脂を用いてフォトリソグラフィ法によって層間絶縁膜13にヴィアホール15を形成するとき、層間絶縁膜13の現像時にヴィアホールの底部側の境界(ヴィアホールと、層間絶縁膜13と、層間絶縁膜13の下地との境界、すなわち、「従来の技術」欄で定義した層間絶縁膜13と、層間絶縁膜13の下地との境界線)にオーバー現像が発生することがある。オーバー現像とは、層間絶縁膜13とその下地との境界線に、現像による空隙が発生した状態である。オーバー現像は、現像前の工程で進行させた反応(熱硬化や光硬化)が不十分であったために層間絶縁膜13が現像液に溶けることによって発生する。このオーバー現像によって形成された空隙は、層間絶縁膜13を硬化するための熱処理中の反応で層間絶縁膜13が軟化して変形する。この変形によって、層間絶縁膜13の下地が層間絶縁膜13との濡れ性が良い絶縁体11である場合には(層間絶縁膜13と絶縁体11との間の付着力が層間絶縁膜材料の凝集力に比較して大きい場合には)軟化した層間絶縁膜13の表面は、図2(a)に示されているように、テーパ角θが90°未満となり、硬化後の冷却による熱膨張係数差に起因する変形が生じても層間絶縁膜13と絶縁体11との界面が一体化して剥がれることなくテーパ角θは90°未満に形成される。しかし、層間絶縁膜13の下地が層間絶縁膜13との濡れ性が悪い下層導体配線12の金属である場合(この場合には、層間絶縁膜13と下層導体配線12との付着力が弱い)には、軟化した層間絶縁膜13の樹脂は下層導体配線12に対して90°未満のテーパ角θを形成し難く、さらに、硬化後の冷却による熱膨張係数差に起因する変形によって界面で剥離が発生してテーパ角θ’は90°以上に形成される。通常は、下層導体配線金属に対する層間絶縁膜樹脂のテーパ角は90°以上である。
【0031】
この現象は、特にヴィアホールの直径が小さいか、またはアスペクト比が大きい場合には顕著になる。その理由は、ヴィアホールの直径が小さく、またはアスペクト比が大きい場合には露光や現像の条件が厳しくなり、大きなオーバー現像が発生し易いからである。
【0032】
また、ヴィアホールの直径が小さい場合には、ヴィアホールを形成する層間絶縁膜13とその下地との境界線の長さ(ヴィアホールが円筒形の場合には円周の長さ)が短くなるので、当該境界線の単位長当たりに印加される、硬化後の冷却による変形応力が大きくなる。その結果、下地が、層間絶縁膜13との間の付着力が小さい下層導体配線12の場合には、層間絶縁膜13と下層導体配線12との界面での剥離が発生しやすくなるからである。
【0033】
通常、非感光性樹脂やヴィアホール解像度が悪い感光性樹脂を用いてレーザ法、ドライエッチング法によってヴィアホール15を形成する場合には、層間絶縁膜13と下層導体配線12との付着力が弱い。その結果、加工時の熱変形などの応力を受けて界面に剥離が発生するので、テーパ角θ’は90°以上で形成される。一方、絶縁体11と層間絶縁膜13とは付着力が強いことと、レーザ法、ドライエッチング法では絶縁体11と層間絶縁膜13とは同じ加工が施されていくので界面剥離は発生せず、テーパ角θは90°未満で形成される。しかし、加工条件を最適化しなければ、絶縁体11が削れすぎるので注意が必要である。
【0034】
この様に、本発明の多層配線構造のヴィアホール構造を図1の実施形態のように構成することによって、ヴィアホール15の下部開口の境界線(層間絶縁層と、その下地との境界線)の一部のテーパ角が必ず90°未満となる。したがって、この境界線を通り、絶縁体上を経由して、上層導体配線14をヴィアホール底部開口に露出している下層導体配線まで安定して形成することができる。その結果、下層導体配線12と上層導体配線14との接続信頼性が高いヴィアホール構造15を形成することができる。
【0035】
本実施形態の多層配線構造に従って形成されたヴィアホールと図3に示されている従来構造のヴィアホールとの導通比較のために、形成されたヴィアホールの総個数に対する導通ヴィアホール数の比を導通率としてサンプルを作製してヴィアホールによる導通の検証を行った。表1はその結果を示す。検証を行ったヴィアホール数は両サンプルとも10万個である。
検証に用いたサンプルの構成は次の通りである。
サンプルa:本実施形態のヴィアホール構造を適用
サンプルb:従来構造のヴィアホール構造を適用
両サンプルとも基板としてFR−5相当材料が使用されているプリント基板を用い、下層導体配線12は銅を用いてサブトラクティブ法によって形成した。したがって、絶縁体11はエポキシ樹脂である。また、層間絶縁膜13は、フルオレン樹脂(新日鐵化学製、品名:P5−3)を用い、硬化後の厚みを20μmに設定して形成された。また、ヴィアホール15は、直径をφ60μmからφ20μmまでに設定してフォトリソグラフィ法で形成し、形成後、層間絶縁膜樹脂に温度200℃で60分硬化処理を行った。
【0036】
上層導体配線14は、給電層にはスパッタ法を用いたセミアディティブ法を用いて、電解銅めっきにより形成された。その上層導体配線14の工程は、同一真空中で先ずTiW膜を80nm厚みで積層した後、Cu膜を200nm厚みで積層して給電層とし、さらにその上にめっきレジストにより所望のパターンを形成し、電解銅めっきを用いてめっき厚み10μmまで1.5A/dm2の条件を用いて銅を析出させた。その後、めっきレジストを除去して不要な部位の給電層をウェットエッチングにより除去した。さらに、電解銅めっきの応力を低減するための熱処理を200℃で、60分間行った。
【0037】
【表1】
Figure 0003769670
【0038】
表1から、本発明のヴィアホール構造では、従来のヴィアホール構造に比べ、明らかに導通の状態を改善することができ、さらにアスペクト比が0.5を越えるヴィアホールにおいて本発明のヴィアホール構造は、より効果を発揮していることがわかる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の多層配線構造は次の効果を有する。
1)付着力が強く界面剥離を発生させる確率が少ない層間絶縁膜と絶縁体との境界線上を経由して上層導体配線と下層導体配線とを接続することによって、安定したヴィアホール接続を確立することかできる。
2)絶縁体と層間絶縁膜との間に接触角が小さい物理化学的に安定した界面が形成されるので、ヴィアホール底部の無電解めっきおよび電解めっき用の給電層の接続不良を防ぐことができ、ヴィアホール底部へ無電解めっきや電解めっきを確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層配線構造の一実施形態を示す図で、(a)は部分上視図、(b)は部分断面図である。
【図2】図1の実施形態の層間絶縁膜形状と下地との間の境界線を示す図で、(a)は層間絶縁膜と絶縁体との境界線部分の部分断面図、(b)は層間絶縁膜と下層導体配線との境界線部分の部分断面図である。
【図3】従来の多層配線構造を示す図で、(a)は部分上視図、(b)は部分断面図である。
【符号の説明】
11 絶縁体
12 下層導体配線
13 層間絶縁膜
14 上層導体配線
15 ヴィアホール

Claims (6)

  1. 層間絶縁膜によって相互に絶縁された下層導体配線と上層導体配線とを有し、当該2層の導体配線層の電気的導通を取るために前記層間絶縁膜にヴィアホールが設けられている多層配線構造において、
    前記ヴィアホールのアスペクト比が0.5以上であり、
    前記ヴィアホールの下端が、前記下層導体配線と該下層導体配線を搭載している絶縁体との双方上に開口し、
    前記上層導体配線は、前記ヴィアホール下端開口内に露出している前記絶縁体上を経由して前記下層導体配線に接続し、
    前記層間絶縁膜は、前記下層導体配線より前記絶縁体との濡れ性が良く、前記ヴィアホールの下端において前記絶縁体と接触している接触角が90°以下であり、
    前記下層導体配線および前記絶縁体は、その表面を粗化する処理が施されていない、ことを特徴とする多層配線構造。
  2. 前記接触角が、前記層間絶縁膜の熱変形により90°以下となる請求項1に記載の多層配線層構造。
  3. 層間絶縁膜によって相互に絶縁された下層導体配線と上層導体配線とを有し、当該2層の導体配線層の電気的導通を取るために前記層間絶縁膜にヴィアホールが設けられている多層配線構造において、
    前記ヴィアホールのアスペクト比が0.5以上であり、
    前記ヴィアホールの下端が、前記下層導体配線と該下層導体配線を搭載している絶縁体との双方上に開口し、
    前記上層導体配線は、前記ヴィアホール下端開口内に露出している前記絶縁体上を経由して前記下層導体配線に接続し、
    前記層間絶縁膜は、前記下層導体配線より前記絶縁体との濡れ性が良く、前記ヴィアホールの下端において前記絶縁体と接触している接触角が前記層間絶縁膜の熱変形により90°以下となることを特徴とする多層配線構造。
  4. 前記下層導体配線および前記絶縁体は、その表面を粗化する処理が施されていない請求項3に記載の多層配線構造。
  5. 前記絶縁体が有機樹脂であり、前記層間絶縁膜はフルオレン樹脂である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の多層配線層構造。
  6. 請求項1または3に記載の構造をもつ多層配線層を有する半導体装置。
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