JP3769195B2 - ヘッダー及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば建築物内部の流し台や洗面化粧台等の複数の水栓器具に水又は湯を分岐して供給するためのヘッダー及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、給水又は給湯配管は建築物の壁の内側等においてヘッダーに接続され、そのヘッダーを介して流し台や洗面化粧台等の各水栓器具に水又は湯を分岐して供給するようになっている。ヘッダーは、金属材料により筒状に形成されたヘッダー本体と、そのヘッダー本体の外面から突設された複数本の筒状をなす分岐管とより主に構成されている。
【0003】
このヘッダーの製造方法としては、一般的に砂型鋳造法が採られ、この砂型鋳造法は砂粒と粘土等を混合した鋳物砂により形成された鋳型を使用して成形物を成形するものである。即ち、前記鋳型内に凹設されたヘッダーに対応するキャビティ内に中子をセットした後、そのキャビティ内に溶解炉で溶かした金属の溶湯を注入する。鋳型を冷却した後、型開きして中子を除去することによりヘッダーを得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の砂型鋳造法において、鋳型のキャビティ内にはエアが存在するため、溶湯をキャビティ内に注入するとその溶湯内にエアが混入し、気泡が形成されてしまう。そして、溶湯内に気泡が混入した状態で鋳型を冷却すると、成形されたヘッダーの金属部内に気泡が残り、その気泡により空洞部分が形成されてしまう。その結果、従来方法で製造されたヘッダーを使用すると、ヘッダー内を流通する水又は湯が前記空洞部分を通過してヘッダー外部に漏れ出てしまったり、ヘッダーが外力を受けたとき、空洞部分からヘッダーが破損してしまったりするおそれがあるという問題があった。
【0005】
この発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、溶湯内に気泡が混入するのを防いで、ヘッダーの金属部内の空洞部分の形成をなくすことができるヘッダー及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明のヘッダーの製造方法は、筒状をなすヘッダー本体の開口端部に同ヘッダー本体に配管を接続可能とする配管接続部が形成されているとともに、同ヘッダー本体の外面にヘッダー本体内と連通する筒状をなす分岐管が複数形成され、それら分岐管に設けられた接続部により当該分岐管に枝配管を接続可能に構成された金属材料製のヘッダーの製造方法であって、金属材料の溶湯内に気泡が混入するのを防止するため溶湯を連続鋳造法により前記ヘッダー本体と該ヘッダー本体よりも幅狭に設けられた分岐管とに相当するような長手方向において同一の断面形状を有するとともに前記ヘッダー本体の内部には該ヘッダー本体の長手方向に延びる流路を有し、該流路の前記分岐管側の内面が平面状となるように棒状の成形体に成形する第1工程と、前記成形体を所定長さに切断して鋳片を形成する第2工程と、前記鋳片を切除して断面円形状をなす前記分岐管とヘッダー本体との外形形状を形成する第3工程と、鋳片の内部を切除して分岐管の内部形状を形成する第4工程と、ヘッダー本体の開口端部に断面円形状の前記配管接続部を形成する第5工程とよりなるものである。
【0007】
請求項2に記載の発明のヘッダーの製造方法は、請求項1に記載の発明において、前記第3〜第5工程における鋳片の移動を規制するために保持具による鋳片の保持を可能とする相対向する一対の保持面を前記第1工程で成形体外面に成形することを特徴としたものである。
【0008】
請求項3に記載の発明のヘッダーは、前記請求項1又は請求項2に記載のヘッダーの製造方法により製造されたヘッダーであって、前記接続部は、枝配管の分岐管からの抜け出しを規制するため当該分岐管内に設けられる抜け止め部材とその抜け止め部材を分岐管内に位置決めすべく分岐管に接続されるキャップ又は前記抜け止め部材を内部に備えた状態で分岐管に接続される継手により構成され、前記分岐管とキャップ又は分岐管と継手をそれぞれ螺合関係又は連結部材を使用して接続可能としたことを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明のヘッダーは、請求項3に記載の発明において、前記抜け止め部材は、一端側に向かうに連れて縮径する略円筒状をなし、その一部が切り欠き形成された割リングであることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
まず、ヘッダーの構成について説明する。図1(a)に示すように、金属材料製のヘッダー11は筒状をなすヘッダー本体12と、配管接続部としての雌ねじ部13と、複数の筒状をなす分岐管14とより構成されたものである。また、分岐管14には同分岐管14内に設けられた抜け止め部材としてのロックリング19と、そのロックリング19を分岐管14内に位置決めすべく分岐管14の先端に接続されるキャップ22とよりなる接続部15が設けられている。
【0010】
図1(a)に示すように、前記ヘッダー本体12の内部にはそのヘッダー本体12の長さ方向に延びる流路12aが貫通形成されている。また、図1(b)に示すように、ヘッダー本体12の外面において、両側端面にはそれぞれ平面状をなし、その平面部分が互いに平行をなす保持面16が形成されている。図1(a)に示すように、両保持面16はヘッダー本体12の長さ方向に連続して延びるように形成されている。また、図5に示すように、ヘッダー本体12の両側の開口端の内周面にはそれぞれ前記雌ねじ部13が螺刻されている。
【0011】
前記分岐管14はそれぞれヘッダー本体12の外面に、前記流路12aと連通する筒状に形成され、各分岐管14の基端側の内周面には、同分岐管14の内方中心へ延びる円環状をなす当接面17が形成されている。前記当接面17より分岐管14の先端側の内周面にはそれぞれ2ヶ所に環状溝18が凹設され、図1(a)に示すように、各環状溝18にはそれぞれゴム材料製のシールリング18aが嵌着されている。
【0012】
図5に示すように、それら環状溝18より先端側には係合面20が内周面に沿って形成されている。図1(a)に示すように、係合面20上には前記ロックリング19が係合される。なお、前記ロックリング19は円環状をなすベースリング(図示せず)とそのベースリングの内周から突設された複数の爪片(図示せず)とから構成され、ベースリングが係合面20に係合されるように構成されている。
【0013】
さらに、前記係合面20より分岐管14の先端側の内周面には内ねじ21が螺刻されている。前記キャップ22は略円筒状をなし、その上端側に円環状をなす係止突部22aが形成され、下端側には係止突部22aより縮径された押圧筒部22bが形成されている。その押圧筒部22bの外周面には外ねじ23が螺刻され、同外ねじ23が前記内ねじ21に螺合されてキャップ22が分岐管14に螺合接続されている。
【0014】
そして、押圧筒部22bによりベースリングが係合面20に押圧されてロックリング19が分岐管14内に位置決め固定されるとともに、そのキャップ22及びロックリング19により接続部15が分岐管14内に設けられる。枝配管としての合成樹脂材料製のパイプ24の内側には、略円筒状をなすコアリング25が嵌入され、そのコアリング25の一端縁に形成された円環状をなす鍔部25aがパイプ24の外端面に当接している。
【0015】
上記構成の接続部15が設けられたヘッダー11の使用の際は、まず、その一方の雌ねじ部13に給水管(図示せず)が接続され、他方の雌ねじ部13に閉塞部材(図示せず)が接続されてヘッダー11の他方の開口が閉塞される。また、パイプ24がコアリング25が嵌入された側からキャップ22を介して分岐管14内へ挿入され、鍔部25aが前記当接面17に当接するまで挿入される。
【0016】
その結果、接続部15において、ロックリング19の爪片がパイプ24の外周面に食い込み、パイプ24の分岐管14からの抜け出しが規制されてパイプ24が分岐管14、即ちヘッダー11に接続される。このとき、一対のシールリング18aによりパイプ24外周面と分岐管14内周面との間からの漏水が規制される。そして、給水管からヘッダー11内に供給された水は分岐管14により3方向へ分岐され、それぞれパイプ24が接続された水栓設備へ供給される。
【0017】
次いで、上記構成のヘッダー11の製造方法について説明する。
ヘッダー11の製造方法は、第1〜第5工程からなり、第1工程は金属材料の溶湯内に気泡が混入するのを防止するため溶湯を連続鋳造法により所定形状の成形体に成形するもので、第2工程は前記成形体を所定長さに切断して鋳片を形成するものである。第3工程は前記鋳片の外面を切除して前記分岐管14及びヘッダー本体12の外形形状を形成するもので、第4工程は鋳片の内部を切除して分岐管14の内部形状を形成するものであり、第5工程はヘッダー本体12の開口端部に前記雌ねじ部13を形成するものである。
【0018】
具体的に説明すると、まず、第1工程では、連続鋳造法において、青銅、ステンレス等の金属材料を溶解炉で溶解して溶湯を調製し、その溶湯を鋳型上部に設置したダンディシュ内に供給する。すると、ダンディシュ内の溶湯が鋳型内に流下するとともに、鋳型下部から外殻凝固鋳片が析出し、その外殻凝固鋳片をスプレー体でスプレー冷却することにより金属材料製の所定形状をなす成形体が成形され、第1工程が終了する。なお、この成形体の内部に流路12aが形成されるように前記鋳型の形状等は設定され、この第1工程において、成形体の外面には前記保持面16が成形される。
【0019】
上記第1工程では連続鋳造法により、溶湯を重力により鋳型内に流下させ、さらに、その溶湯を重力により鋳型から押し出させる。そのため、一定容量の空間(キャビティ)内に溶湯を充填し、その空間内だけで溶湯を凝固させる場合のように、空間内のエアが溶湯内に混入して気泡が形成されてしまうという不具合がなくなる。従って、エアが混入していない溶湯が凝固して成形体が得られるため、その成形体の金属部内に気泡による空洞部分が形成されるのが防止される。
【0020】
次いで、前記成形体を所定の長さに切断して第2工程が行われ、図2(a)に示すように、所定長さの略四角筒状をなす鋳片26が成形される。次に、前記第3〜第5工程を行うため、まず、図2(b)に示すように、鋳片26の両保持面16を保持可能な保持具27の一対の保持アーム28を互いに離れるように移動させる。次いで、図2(c)に示すように、一対の保持アーム28を互いに近づけ、それら両保持アーム28により鋳片26を保持する。このとき、保持面16により、保持アーム28による鋳片26の保持が安定した状態で行われる。
【0021】
続いて、図3及び図4にハッチングに示す部分(余肉部)を切削工具により切除して、分岐管14の外形形状に対応する部分を削り出すとともに、それら分岐管14の基端側にヘッダー本体12を形成して第3工程が行われる。次に、図5に示すように、鋳片26の一側辺側、即ち各分岐管14の先端側からその内部を切削工具を使用して切除し、分岐管14の内周面に内ねじ21、係合面20、環状溝18及び当接面17を形成する第4工程が行われる。
【0022】
次いで、ヘッダー本体12の両開口端部の内側を切削工具を使用して切除し、それぞれに雌ねじ部13を形成して第5工程が行われる。その結果、第1〜第5工程を通じて連続鋳造法により成形された鋳片26にヘッダー本体12及び分岐管14が形成されてヘッダー11が製造される。このヘッダー11に前記シールリング18a、ロックリング19を装着し、キャップ22を分岐管14に接続することにより、ヘッダー11が使用可能な状態となる。
【0023】
前記実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 連続鋳造法により溶湯内にエアを混入させないで成形体を成形し、その成形体を切断した鋳片26を切除することにより分岐管14及びヘッダー本体12を形成してヘッダー11を製造した。そのため、ヘッダー11の金属部内に空洞部分が形成されるのを防止することができる。従って、ヘッダー11の使用時に、ヘッダー11内を流通する水が空洞部分を通過してヘッダー11外部に漏れ出てしまったり、ヘッダー11が外力を受けたとき、空洞部分からヘッダー11が破損してしまうという不具合をなくすことができる。
【0024】
・ また、砂型鋳造法により製造され、金属部内部に空洞部分が形成された従来のヘッダー11と異なり、金属部内に形成された空洞部分によりヘッダー11の熱伝導率が低下するという不具合をなくすことができる。従って、例えば夏にヘッダー11内に水を流通させたとき、水によりヘッダー11全体が速やかに冷却され、外気温により熱せられたヘッダー11を通過した水がヘッダー11により温められる時間を短くすることができる。
【0025】
・ 連続鋳造法で成形された鋳片26の余肉部を切除して分岐管14及びヘッダー本体12が形成されている。そのため、余肉部を除去せず、鋳片26に内ねじ21、係合面20、環状溝18等を形成する場合と比較してヘッダー11の重量を軽量化することができる。
【0026】
・ 保持具27により保持面16を安定した状態で保持することができ、第3〜第5工程中の鋳片26の移動を規制することができる。従って、分岐管14、雌ねじ部13の形成作業を安定した状態で行うことができ、ヘッダー11の形状の寸法の誤差を小さくすることができる。
【0027】
・ 保持面16は鋳片26の長さ方向に連続して形成されているため、鋳片26を任意の位置で保持具27により保持することができる。そのため、保持面16が鋳片26の外面に1ヶ所しか形成されていない場合と異なり、保持具27で保持面16を保持するとき保持面16の位置を確認する必要がなく保持具27による保持作業を速やかに行うことができる。
【0028】
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ キャップ22を袋ナット状に形成し、キャップ22と分岐管14とをキャップ22の内ねじ21と分岐管14の外ねじ23との螺合により接続してもよい。即ち、キャップ22は略円筒状に形成され、その内周面には内ねじ21が螺刻されている。また、キャップ22の内底面からはキャップ22の外周面と同心円状をなす押圧筒部22bが延設され、押圧筒部22bと内ねじ21との間には円環状の隙間が形成されている。一方、分岐管14においては、第3工程時に、分岐管14の先端側外周面を切除して外ねじ23が形成され、第4工程時には内ねじ21が形成されていない。そして、キャップ22の内ねじ21と分岐管14の外ねじ23とを螺合することにより、押圧筒部22bによってロックリング19が分岐管14内に位置決めされるとともに、接続部15が分岐管14に設けられる。
【0029】
・ 抜け止め部材としてロックリング19の代わりに割リング(図示せず)を使用し、キャップ22と分岐管14とを、キャップ22の内ねじ21と分岐管14の外ねじ23との螺合により接続するとともに、前記割リングとキャップ22とにより分岐管14に接続部15を設けてもよい。
【0030】
例えば、キャップ22はその一端側に向かうに連れて縮径する円筒状に形成され、他端側内周面には内ねじ21が螺刻されている。一方、ヘッダー11においては、第3工程時に、分岐管14の先端側外周面が切除されて外ねじ23が形成されている。前記割リングは一端側に向かうに連れて縮径する略円筒状をなし、その一側部が切り欠き形成されたものである。
【0031】
このように構成した場合、まず、パイプ24にキャップ22を外嵌させ、次いで割リングを他端側から外嵌させ、そのパイプ24を分岐管14内に挿入する。次いで、キャップ22を分岐管14に螺合接続する。すると、キャップ22が螺進するに連れて割リングが縮径して、その割リングがパイプ24の外周面に締付固定される。そして、キャップ22の螺合が完了して割リングが分岐管14内に位置決めされると、割リングによりパイプ24が分岐管14に抜け止めされた状態で接続される。
【0032】
・ 図6に示すように、分岐管14とキャップ22とを連結部材としてのクリップ29を使用して接続してもよい。即ち、ヘッダー11においては、第3工程時に、分岐管14の先端側の外周面に外方へ突設する係止部30が形成されている。第4工程時には、分岐管14の内周面に内ねじ21が形成されず、分岐管14内は押圧筒部22bが内嵌可能に形成されている。さらに、キャップ22の押圧筒部22bの外ねじ23は省略されている。
【0033】
クリップ29は略帯状をなすステンレス鋼をその中心部にヒンジ(図示せず)を構成するとともに、両端が互いに近づくようにヒンジにより付勢された状態でほぼC字状に曲げ形成されている。クリップ29の長さ方向に沿った両側縁部にはそれぞれ係止片31が連続して形成され、クリップ29の両端部にはそれぞれつまみ部32が折り曲げ形成されている。
【0034】
そして、分岐管14内にキャップ22の押圧筒部22bを内嵌し、係止部30外周面と係止突部22a外周面とが面一となるようにする。次いで、つまみ部32が互いに離れるようにしてクリップ29を開き、対向する係止片31の間に係止部30及び係止突部22aを配置し、ヒンジの付勢力によりクリップ29を元の状態に戻す。すると、上側の係止片31が係止突部22aの上端面の周方向に沿って係止し、下側の係止片31が係止部30の下端面の周方向に沿って係止する。その結果、一対の係止片31により係止部30及び係止突部22aが互いに密接した状態で接続されるとともに、キャップ22の分岐管14からの抜け出しが規制される。また、押圧筒部22bによりロックリング19が分岐管14内に位置決めされ、そのキャップ22とロックリング19とにより接続部15が設けられる。従って、キャップ22の外ねじ23及び分岐管14の内ねじ21を形成することなく、両者を容易に連結することができる。
【0035】
・ また、図7に示すように、ロックリング19を内部に備えた継手35と分岐管14とを前記クリップ29を使用して接続し、継手35により分岐管14に接続部15を設けてもよい。ヘッダー11においては、第3工程時に、分岐管14の外周面に前記係止部30が形成され、第4工程時に、分岐管14の内周面に、前記環状溝18、係合面20及び内ねじ21は形成されていない。
【0036】
一方、前記継手35は継手本体36と前記キャップ22とを組み合わせて構成されるものである。具体的には、前記継手本体36は略円筒状をなし、その一端側外周面には前記分岐管14内に設けられたものと同じ環状溝18が2ヶ所に形成され、各環状溝18にはそれぞれ前記シールリング18aが嵌着されている。また、継手本体36の中央部の外周面には、その継手本体36の周方向に沿って係止鍔37が外方へ延設されている。
【0037】
継手本体36の内周面には、前記分岐管14内に設けられたものと同じ当接面17、環状溝18、係合面20及び内ねじ21が形成されている。各環状溝18にはそれぞれシールリング18aが嵌着されている。そして、継手本体36内にロックリング19を収容し、キャップ22を継手本体36に螺合接続することにより継手35が構成されるとともに、その継手35により接続部15が構成される。
【0038】
そして、上記継手35を使用して分岐管14とパイプ24とを接続するには、まず、継手35における継手本体36の一端側を分岐管14内に挿入し、係止部30と係止鍔37とを面接触させる。次いで、クリップ29の対向する係止片31の間に係止部30及び係止鍔37を配置し、係止片31により係止部30及び係止鍔37を挟持する。その結果、継手35が分岐管14に接続されるとともに、クリップ29により継手35の分岐管14からの抜け出しが規制され、継手35による接続部15が分岐管14に設けられる。
【0039】
最後に、分岐管14に接続された継手35内にパイプ24を挿入することにより、パイプ24がロックリング19により継手35に抜け止めされた状態で接続されて継手35を介して分岐管14にパイプ24が接続される。また、継手35の一端側の一対のシールリング18aにより、分岐管14の内周面と、継手35の外周面との間がシールされてヘッダー11内を流通する流体の漏れが抑制される。
【0040】
なお、継手本体36の一端側外周面に外ねじ23を螺刻し、分岐管14の内周面に外ねじ23と螺合可能な内ねじ21を螺刻し、継手35と分岐管14とを螺合関係により接続してもよい。又は継手本体36の一端側を筒状に形成するとともに、その内周面に内ねじ21を螺刻し、分岐管14の外周面に内ねじ21と螺合可能な外ねじ23を螺刻し、継手35と分岐管14とを螺合関係により接続してもよい。
【0041】
・ 実施形態では、第3工程において、分岐管14の外部を切削した後、第4工程において内部を切削したが、分岐管14の外部及び内部を同時に切削してもよい。
【0042】
・ 実施形態では、ヘッダー本体12の外面に保持面16を形成したが、保持面16を省略してもよい。また、保持面16を鋳片26の長さ方向に沿って連続して形成したが、所定間隔又は任意の間隔をおいて保持面16を形成してもよく、1ヶ所だけに相対向する保持面16を形成してもよい。
【0043】
・ 実施形態では、キャップ22と分岐管14とを螺合関係により接続可能としたが、ろう付けにより両者を接続してもよい。
・ 実施形態では、ヘッダー本体12に分岐管14を3ヶ所に形成したが、分岐管14を1ヶ所、2ヶ所又は4ヶ所以上形成してもよい。
【0044】
・ 実施形態では、配管接続部として雌ねじ部13をヘッダー本体12に形成したが、ヘッダー本体12の開口端の外周面に配管接続部としての雄ねじ部を形成してもよい。
【0045】
・ 実施形態では、ヘッダー11に給水管を接続して水を流通させたが、給湯管をヘッダー11に接続して湯を流通させてもよく、熱媒(冷媒)としてエチレングリコール、蒸気、油等を流通させてもよい。
【0046】
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記保持面を成形体の長さ方向に沿って連続して形成したことを特徴とする請求項2に記載のヘッダーの製造方法。このように構成した場合、鋳片に保持面が1ヶ所しか形成されず、その保持面の位置を確認して保持具で鋳片を保持する必要がなくなる。従って、保持具による鋳片の保持作業を速やかに行うことができる。
【0047】
・ 前記抜け止め部材は、環状をなし内方へ突出する複数の爪片を備えたロックリングである請求項3に記載のヘッダー。このように構成した場合、分岐管内に挿入接続された枝配管の外面に爪片が係合し、枝配管の分岐管からの抜け出しを効果的に規制することができる。
【0048】
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明によれば、溶湯内に気泡が混入するのを防いで、ヘッダーの金属部内の空洞部分の形成をなくすことができる。
【0049】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、保持具を使用して鋳片を安定して保持することができる。そのため、保持面が形成されていない場合と異なり、第3〜第5工程中に鋳片を移動しにくくして分岐管の形成作業等を安定した状態で行うことができる。
【0050】
請求項3に記載の発明によれば、枝配管と分岐管との接続方法を複数種類設定して、ヘッダーの使用範囲を広げることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は接続部を備えたヘッダーを示す部分断面図、(b)は接続部を備えたヘッダーを示す側面図。
【図2】 (a)は鋳片を示す正面図、(b)は鋳片を保持具により保持する前の状態を示す側面図、(c)は鋳片を保持具により保持した状態を示す側面図。
【図3】 鋳片の切除部分及び分岐管とヘッダー本体を示す正面図。
【図4】 鋳片の切除部分及び分岐管の外形形状を示す平面図。
【図5】 ヘッダー本体内及び分岐管内を示す断面図。
【図6】 別例の分岐管とキャップとの接続状態を示す部分断面図。
【図7】 別例の分岐管と継手との接続状態を示す部分断面図。
【符号の説明】
11…ヘッダー、12…ヘッダー本体、13…配管接続部としての雌ねじ部、14…分岐管、15…接続部、16…保持面、19…接続部を構成する抜け止め部材としてのロックリング、22…接続部を構成するキャップ、24…枝配管としてのパイプ、26…鋳片、27…保持具、29…連結部材としてのクリップ、35…接続部としての継手。
Claims (4)
- 筒状をなすヘッダー本体の開口端部に同ヘッダー本体に配管を接続可能とする配管接続部が形成されているとともに、同ヘッダー本体の外面にヘッダー本体内と連通する筒状をなす分岐管が複数形成され、それら分岐管に設けられた接続部により当該分岐管に枝配管を接続可能に構成された金属材料製のヘッダーの製造方法であって、
金属材料の溶湯内に気泡が混入するのを防止するため溶湯を連続鋳造法により前記ヘッダー本体と該ヘッダー本体よりも幅狭に設けられた分岐管とに相当するような長手方向において同一の断面形状を有するとともに前記ヘッダー本体の内部には該ヘッダー本体の長手方向に延びる流路を有し、該流路の前記分岐管側の内面が平面状となるように棒状の成形体に成形する第1工程と、前記成形体を所定長さに切断して鋳片を形成する第2工程と、前記鋳片を切除して断面円形状をなす前記分岐管とヘッダー本体との外形形状を形成する第3工程と、鋳片の内部を切除して分岐管の内部形状を形成する第4工程と、ヘッダー本体の開口端部に断面円形状の前記配管接続部を形成する第5工程とよりなるヘッダーの製造方法。 - 前記第3〜第5工程における鋳片の移動を規制するために保持具による鋳片の保持を可能とする相対向する一対の保持面を前記第1工程で成形体外面に成形することを特徴とした請求項1に記載のヘッダーの製造方法。
- 前記請求項1又は請求項2に記載のヘッダーの製造方法により製造されたヘッダーであって、前記接続部は、枝配管の分岐管からの抜け出しを規制するため当該分岐管内に設けられる抜け止め部材とその抜け止め部材を分岐管内に位置決めすべく分岐管に接続されるキャップ又は前記抜け止め部材を内部に備えた状態で分岐管に接続される継手により構成され、前記分岐管とキャップ又は分岐管と継手をそれぞれ螺合関係又は連結部材を使用して接続可能としたことを特徴とするヘッダー。
- 前記抜け止め部材は、一端側に向かうに連れて縮径する略円筒状をなし、その一部が切り欠き形成された割リングであることを特徴とする請求項3に記載のヘッダー。
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