JP3769084B2 - プリント配線板用銅箔及びその製造方法 - Google Patents

プリント配線板用銅箔及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプリント配線板用銅箔及びその製造方法に関する。更に詳しくは、銅張積層板とした後、エッチング処理後も銅箔と樹脂基材間の引き剥し強さに優れるとともに、エッチングにより銅箔を除去した面がその後の無電解めっき工程時にめっき金属の析出が抑制される無電解めっき処理性に優れるプリント配線板用銅箔及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線板は、それに組み込まれる電子部品等の小型化、高性能化、高信頼性化に伴い、急速な技術的進歩を遂げている。そのような中でプリント配線板の構成材料となる銅箔に要求される性能も厳しさを増している。
【0003】
この要求性能の代表的なものとして銅箔と樹脂基材間の引き剥し強さがある。この引き剥し強さは、プリント配線板を作製する過程で、熱処理工程、酸やアルカリなどの液に接触させる工程など、いくつかの異質な工程を通過することから、これらの工程を経た後でも初期時の引き剥し強さを保持することが重要となる。
【0004】
そこで、一般に樹脂基材と積層する銅箔面(被接着面)は、例えば予め酸性銅めっき浴等を使用して粗化処理が施されている。これにより銅箔と樹脂基材間の引き剥し強さが物理的に高められる。また、熱処理工程等に耐久性を持たせるために、引き続き防錆層を含めた各種の表面処理層が設けられている
粗化処理に引き続いて実施される前記の表面処理層の形成は、一般にCr、Zn、Sn、Ni、Mo、Co、In、Cuなどの金属から選ばれる1種以上の金属をイオン源とする水溶液を使用して浸漬処理又は電解処理により、各種の金属層、合金層、酸化物層、水酸化物層を少なくとも一層以上形成することが行われている。
【0005】
一方これらの金属を主体とする形成層の他に有機系の表面処理層、例えば、ベンゾトリアゾール、イミダゾール、シランカップリング剤等による表面処理層を設けることも知られている。
【0006】
そこで、要求特性に応じて粗化処理をした後に、前記の金属系形成層と有機系表面処理層を組み合わせて形成することにより、耐熱性、耐化学薬品性などの特性を向上させることも行われている。
【0007】
しかしながら、近年、銅箔回路幅やその回路間隙は狭小化傾向が著しく、更に優れた性能と高信頼性が要求され、前記する耐熱性、耐薬品性に加えて、無電解めっき処理性に優れた銅箔が要求されるようになってきている。
【0008】
この無電解めっき処理性について説明すると、銅張積層板は、エッチング液により所望の回路を形成した後、回路の接続端子部などに無電解めっきが施される。この無電解めっきは、通常、無電解ニッケルめっき層の上に金めっき層を形成することにより行われている。この時、銅箔回路部以外、すなわち、銅箔を除去した樹脂基材面に時間の経過に伴いニッケルなどのめっき金属が析出することがある。このめっき金属の析出は回路間を導通させ、信頼性を失わせる致命的な欠陥となる。そこでプリント配線板用銅箔として、無電解めっき時に、エッチングにより銅箔が除去された樹脂基材面へのめっき金属の析出が起こらない銅箔、すなわち、無電解めっき処理性に優れた銅箔が要求されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、銅箔の被接着面に樹脂基材を積層し、銅張積層板としたとき、銅箔と樹脂基材間の引き剥し強さを高く保持すると共に、耐熱性、耐化学薬品性、耐湿性に優れ、かつ前述した無電解めっき処理性に優れたプリント配線板用銅箔とその好適な製造方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、 銅箔の被接着面に、シランカップリング剤、ケイ酸塩及びチオジグリコール酸からなる混合物被覆層を設けることにより、耐熱性、耐化学薬品性に優れ、かつ無電解めっき処理性に優れたプリント配線板用銅箔が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は銅箔の被接着面に、シランカップリング剤、ケイ酸塩及びチオジグリコール酸からなる混合物被覆層を有することを特徴とするプリント配線板用銅箔を提供するものである。
【0012】
本発明のプリント配線板用銅箔は、例えば、銅箔の被接着面に、シランカップリング剤200〜3,000ppm、ケイ酸塩100〜2,000ppm及びチオジグリコール酸5〜200ppmを含有する混合物水溶液を塗布し、加熱乾燥することにより製造することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる銅箔は電解銅箔、圧延銅箔のいずれであってもよく、プリント配線板の銅回路に供するものであれば特に限定されるものではない。
【0014】
また、本発明に用いられる銅箔としては、その被接着面側(銅箔の片面又は両面)、すなわち樹脂基材層と積層接着する側の面に、例えば酸性硫酸銅めっき浴を使用して小球状の銅を電着させた粗化処理層を設けたもの、更にその上にクロメート層、亜鉛層、亜鉛−クロム合金層、銅−亜鉛合金層、インジウム−亜鉛合金層、ニッケル−モリブデン−コバルト合金層などの金属を主体とした防錆層を少なくとも一層以上設けたもの、特にニッケル−モリブデン−コバルト合金層若しくはインジウム−亜鉛合金層とクロメート層からなる防錆層を設けたものが好ましく用いられる。これらの粗化処理層、防錆層は、樹脂基材と積層し銅張積層板としたとき、銅箔と樹脂基材間の引き剥し強さを向上させる。
【0015】
銅箔の厚さは、特に限定されないが、通常9〜70μmのものが用いられる。
【0016】
本発明によれば、必要に応じ、粗化処理層又は防錆層が形成された銅箔の被接着面にシランカップリング剤、ケイ酸塩及びジチオグリコール酸を含有する混合物水溶液を塗布し、加熱乾燥することにより混合物被覆層を形成する。この混合物被覆層の厚さは、40〜70オングストロームとすることが好ましい。
【0017】
混合物水溶液に含有されるシランカップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランなどが挙げられ、これらの1種以上を混合して用いることができる。これらのシランカップリング剤の中では分子中にエポキシ基を有するエポキシシランが好ましく用いられる。
【0018】
シランカップリング剤は引き剥し強さを向上させる成分であり、特にHCl浸漬処理後の引き剥し強さの劣化を防止する効果に優れる。この混合物水溶液に含有されるシランカップリング剤の濃度範囲は200〜3,000ppmである。混合物水溶液中のシランカップリング剤の濃度が200ppm未満では効果が十分に発揮されず、3,000ppmを超える場合はその効果は飽和域に達し薬剤コストが増大し好ましくない。また無電解めっき処理性に悪影響を及ぼすことがある。濃度は好ましくは、600〜1,500ppm、更に好ましくは900〜1,200ppmである。
【0019】
混合物水溶液に含有されるケイ酸塩としては、ケイ酸のナトリウム塩、ケイ酸のカリウム塩等が挙げられる。特に、水ガラスとして知られているアルカリ−ケイ酸系ガラス濃厚水溶液が好ましく用いられる。水ガラスの組成はNa2O・xSiO2・nH2O(x=2〜4)で表される。またケイ酸ナトリウムとしては、メタケイ酸ナトリウム、オルトケイ酸ナトリウム、二ケイ酸ナトリウム、四ケイ酸ナトリウムなどが挙げられ、ケイ酸のカリウム塩としては、メタケイ酸カリウム、四ケイ酸カリウム等が挙げられる。
【0020】
ケイ酸塩はシランカップリング剤の存在下で耐湿性を向上させる成分であり、特にPCT(プレッシャークッカーテスト)後の引き剥し強さの劣化を防止する効果に優れる。この混合物水溶液に含有されるケイ酸塩の濃度範囲は100〜2,000ppmである。混合物水溶液中のケイ酸塩の濃度が100ppm未満では効果が十分に発揮されず、2,000ppmを超える場合はその効果が得られるものの、その反面無電解めっき処理性に悪影響を及ぼすことがある。濃度は好ましくは、300〜1,000ppm、更に好ましくは600〜800ppmである。
【0021】
チオジクリコール酸は無電解めっき処理性に優れた効果を示す成分である。これらは単独であるいは混合して用いられる。この混合物水溶液に含有されるチオジクリコール酸の濃度範囲は5〜200ppmである。混合物水溶液中のチオジクリコール酸の濃度が5ppm未満ではその効果は十分に発揮されず、200ppmを超える場合は無電解めっき処理性や耐湿性に悪影響を及ぼすことがある。濃度は好ましくは、10〜150ppm、更に好ましくは20〜100ppmである。
【0022】
本発明で用いられる混合物水溶液は、混合物水溶液中の各薬剤の濃度を前記範囲内にとどめるように管理し、十分に混合して使用することが好ましい。また混合物水溶液はpH8〜12となるようなアルカリ域に調整して使用することが好ましい。また混合物水溶液は好ましくは10〜50℃、更に好ましくは20〜30℃の温度で銅箔の被接着面側に塗布することが好ましい。
【0023】
本発明においては、上記の薬剤を含有する混合物水溶液を銅箔の被接着面(最表層)に塗布、乾燥する。
【0024】
混合物水溶液を塗布する方法については特に制限されないが、スプレー法、浸漬法などの方法により簡便に行うことができる。塗布量は好ましくは20〜100cc/m2であり、塗布処理時間は通常30秒以内、好ましくは1〜15秒で銅箔の被接着面に塗布する。
【0025】
混合物水溶液を塗布した銅箔はただちに、好ましくは50〜120℃の熱風乾燥機内で、好ましくは1〜5分間十分に乾燥することにより、本発明にかかる銅箔の被接着面に混合物被覆層を有するプリント配線板用銅箔が得られる。
【0026】
本発明により得られた銅箔は各種の銅張積層板の製造においてプリント配線板用銅箔として樹脂基材と積層されるが、適用可能な樹脂基材の樹脂としてはエポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ケイ素樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリエチレン、飽和ポリエステル、ポリエーテルサルフォンなどの熱可塑性樹脂が挙げられ、基材としては紙、ガラス、ガラス布、ガラス織布などが挙げられ、またポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム、あるいはアルミニウム、鉄等の金属板をベースとした樹脂基材も挙げられる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明の実施例及びその比較例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0028】
実施例1
厚さ18μmの電解銅箔の粗面側に硫酸銅めっき液を使用して小球状の銅電着物による粗化処理層を厚さ1.0μmに形成した。これを水洗した後、重クロム酸ナトリウム・2水和物5g/l水溶液に銅箔を浸漬し、電流密度0.5A/dm2、電解時間5秒の条件で粗化処理層上にクロメート層(防錆層)を形成した。これを水洗した後、このクロメート層上に、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1,000ppm
水ガラス1,000ppm
チオジグリコール酸100ppm
を含有するpH 9.8、温度30℃の混合物水溶液 50cc/m2をスプレー法により5秒間で塗布処理した。処理後直ちに温度100℃に設定された熱風乾燥機中に導き5分間乾燥し、銅箔の被接着面側(最表層)に本発明による混合物被覆層(厚さ 50オングストローム)を形成した。
【0029】
得られた銅箔の被接着面側をエポキシ樹脂含浸ガラス布/ガラス不織布基材(ANSIグレード CEM−3)と重ね合わせて、温度165℃、圧力80kgf/cm2で120分間加熱加圧処理し、縦25cm、横25cm、厚さ1.6mmの銅張積層板を作製した。
【0030】
この銅張積層板を下記試験に供し、その結果を一括して表1に示した。
1.引き剥がし強さ試験(引き剥し幅1mm、JIS−C−6481に準拠)
(1)常態引き剥し強さ 積層後の引き剥し強さ(A、単位kgf/cm)を測定
(2)耐塩酸性(HCl処理後劣化率) 6N 塩酸水溶液(温度25℃)に浸漬し、1時間保持後の引き剥し強さ(B、単位kgf/cm)を測定し、劣化率(%)=[(A−B)/A]×100で示した。
(3)耐熱性(加熱処理後劣化率) 温度177℃の恒温槽中に48時間保持後の引き剥し強さ(C、単位kgf/cm)を測定し、劣化率(%)=[(A−C)/A]×100で示した。
(4)耐湿性(PCT試験後劣化率) 温度121℃、圧力2.0kgf/cm2、湿度100%の条件で5時間保持後の引き剥し強さ(D、単位kgf/cm)を測定し、劣化率(%)=[(A−D)/A]×100で示した。
2.無電解ニッケルめっき処理性試験
銅張積層板に回路形成[回路幅125μm、回路間隔125μm、エッチング条件:塩化第二銅/塩酸水溶液(比重1.2)、温度45℃、エッチング時間70秒]し、これを45mm×45mmに裁断し試験片として用い、下記の無電解ニッケルめっき処理工程及び評価を行った。その評価結果を表1に示す。
(1)無電解ニッケルめっき処理工程
a. 脱脂:ICPクリーン91(奥野製薬工業(株)製)100ml/l、室温、90秒浸漬
b. 水洗:蒸留水、室温、60秒
c. ソフトエッチング:過硫酸アンモニウム 150g/l、室温、90秒
d. 水洗:蒸留水、室温、60秒
e. プリデップ:35%塩酸100ml/l、室温、60秒浸漬
f. 活性化:TMPアクチベーター(奥野製薬工業(株)製)40ml/l、温度35℃、3分浸漬
g. 水洗:蒸留水、室温、60秒
h.ニッケルめっき:ICPニコロンU−M(奥野製薬工業(株)製) 60ml/l、同U−10(奥野製薬工業(株)製) 30ml/l混合、温度85℃、30分浸漬
i. 水洗:蒸留水、室温、30秒
j. 乾燥:温度50〜60℃
評価サンプルはn=4とした。
(2)評価
ニッケルめっき後の樹脂基材面へのニッケルの析出度合いを顕微鏡により判定した。◎:ニッケル析出なし 0%、○:ニッケル析出面積25%未満、△:ニッケル析出面積25〜50%未満、×:ニッケル析出面積50〜75%未満、××:ニッケル析出面積75〜100%の5段階で評価した。◎、○については実用上問題がなかった。
【0031】
実施例2〜3
実施例1と同様の銅箔を使用して、実施例1と同様の粗化処理層及び防錆層(クロメート層)を形成し、水洗した後、表1に示す混合物水溶液を使用して混合物被覆層(最表層)を形成し、乾燥を施した。得られた銅箔を実施例1と同様に銅張積層板とし、実施例1と同様に試験片を作製し、実施例1と同様の特性試験を実施した。その評価結果を表1に示した。
【0032】
実施例4
実施例1と同様の銅箔を使用して、防錆層形成を下記に示す浴組成、電解条件に変え、クロム−亜鉛層に変えた以外は実施例1と同様に表1に示す混合物水溶液を使用して混合物被覆層(最表層)を形成し、乾燥を施した。得られた銅箔を実施例1と同様に銅張積層板とし、実施例1と同様に試験片を作製し、実施例1と同様の特性試験を実施した。その評価結果を表1に示した。
浴組成
重クロム酸ナトリウム・2水和物 2.7g/l
硫酸亜鉛・7水和物 2.0g/l
pH 4.7
浴温30℃
電解条件
電流密度0.7A/dm2
電解時間4秒
実施例5
実施例1と同様の銅箔を使用して、防錆層形成を下記に示す浴組成、電解条件に変え、インジウム−亜鉛合金層に変えた以外は実施例1と同様に表1に示す混合物水溶液を使用して混合物被覆層(最表層)を形成し、乾燥を施した。得られた銅箔を実施例1と同様に銅張積層板とし、実施例1と同様に試験片を作製し、実施例1と同様の特性試験を実施した。その評価結果を表1に示した。
浴組成
硫酸インジウム0.5g/l
硫酸亜鉛・7水和物 5.0g/l
pH 3.0
浴温30℃
電解条件
電流密度0.3A/dm2
電解時間3秒
実施例6
実施例1と同様の銅箔を使用して、防錆層形成を下記に示す浴組成、電解条件に変え、ニッケル−モリブデン−コバルト層とクロメート層からなる層に変えた以外は実施例1と同様に表1に示す混合物水溶液を使用して混合物被覆層(最表層)を形成し、乾燥を施した。得られた銅箔を実施例1と同様に銅張積層板とし、実施例1と同様に試験片を作製し、実施例1と同様の特性試験を実施した。その評価結果を表1に示した。
浴組成(1)
クエン酸三ナトリウム・2水和物 30g/l
硫酸ニッケル・6水和物 8g/l
モリブデン酸ナトリウム・2水和物 3g/l
硫酸コバルト・7水和物 28g/l
pH 6.2
浴温30℃
電解条件(1)
電流密度3A/dm2
電解時間4秒
浴組成(2)
重クロム酸ナトリウム・2水和物 5g/l
pH 4.7
浴温25℃
電解条件(2)
電流密度0.5A/dm2
電解条件5秒
実施例7
実施例1と同様の銅箔を使用して、防錆層形成を下記に示す浴組成、電解条件に変え、銅−亜鉛層に変えた以外は実施例1と同様に表1に示す混合物水溶液を使用して混合物被覆層(最表層)を形成し、乾燥を施した。得られた銅箔を実施例1と同様に銅張積層板とし、実施例1と同様に試験片を作製し、実施例1と同様の特性試験を実施した。その評価結果を表1に示した。
浴組成
グルコヘプトン酸ナトリウム50g/l
蓚酸カリウム・2水和物 15g/l
チオシアン酸カリウム15g/l
硫酸銅・5水和物 16g/l
硫酸亜鉛・7水和物 8g/l
pH 11
浴温40℃
電解条件
電流密度5A/dm2
電解時間22秒
実施例8
実施例1と同様の銅箔を使用して、実施例1と同様の粗化処理層及び防錆層を形成した後、表1に示す混合物水溶液を使用して混合物被覆層を形成し、乾燥を施した。得られた銅箔を実施例1と同様に銅張積層板とし、実施例1と同様に試験片を作製し、実施例1と同様の特性試験を実施した。その評価結果を表1に示した。
【0033】
実施例9
実施例1において、エポキシ樹脂含浸ガラス布/ガラス不織布基材(ANSIグレード CEM−3)に変えてエポキシ樹脂含浸ガラス布基材(NEMAグレード FR−4)を使用した他は、表1に示す混合物水溶液を使用して混合物被覆層を形成し、乾燥を施した。得られた銅箔を実施例1と同様に銅張積層板とし、実施例1と同様に試験片を作製し、実施例1と同様の特性試験を実施した。その評価結果を表1に示した。
【0034】
なお、FR−4の積層条件は温度160℃、圧力100kgf/cm2、時間40分とした。
【0035】
実施例10
実施例1において、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1,000ppmに変えてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン180ppmとγ−アミノプロピルトリメトキシシラン20ppmを含む表1に示す混合物水溶液を使用して混合物被覆層を形成し、乾燥を施した他は実施例1と同様に銅張積層板とし、実施例1と同様に試験片を作製し、実施例1と同様の特性試験を実施した。その評価結果を表1に示した。
【0036】
実施例11
実施例1において、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランに変えてメルカプトシランを同濃度で含む表1の混合物水溶液を使用して混合物被覆層を形成し、乾燥を施した他は実施例1と同様に銅張積層板とし、実施例1と同様に試験片を作製し、実施例1と同様の特性試験を実施した。その評価結果を表1に示した。
【0037】
比較例1
実施例1と同様の銅箔を使用して実施例1と同様の粗化処理層、防錆層(クロメート層)を形成し、混合物被覆層を形成しなかった以外は実施例1と同様に銅張積層板を得、実施例1と同様に試験片を作製し、実施例1と同様の特性試験を実施した。その評価結果を表2に示した。
【0038】
比較例2〜12
実施例1において、混合物水溶液として表2に示すものを用いた以外は実施例1と同様に銅張積層板を得、実施例1と同様に試験片を作製し、実施例1と同様の特性試験を実施した。その評価結果を表2に示した。
【0039】
比較例13
実施例4と同様の銅箔を使用して実施例4と同様の粗化処理層、防錆層(クロム−亜鉛層)を形成し、混合物被覆層を形成しなかった以外は実施例4と同様に銅張積層板を得、実施例1と同様に試験片を作製し、実施例1と同様の特性試験を実施した。その評価結果を表2に示した。
【0040】
比較例14
実施例5と同様の銅箔を使用して実施例5と同様の粗化処理層、防錆層(インジウム−亜鉛層)を形成し、混合物被覆層を形成しなかった以外は実施例5と同様に銅張積層板を得、実施例1と同様に試験片を作製し、実施例1と同様の特性試験を実施した。その評価結果を表2に示した。
【0041】
比較例15
実施例6と同様の銅箔を使用して実施例6と同様の粗化処理層、防錆層(ニッケル−モリブデン−コバルト層とクロメート層)を形成し、混合物被覆層を形成しなかった以外は実施例6と同様に銅張積層板を得、実施例1と同様に試験片を作製し、実施例1と同様の特性試験を実施した。その評価結果を表2に示した。
【0042】
比較例16
実施例6と同様の銅箔を使用して実施例6と同様の粗化処理層、防錆層(ニッケル−モリブデン−コバルト層とクロメート層)を形成し、混合物被覆層に変えて表2に示すシランカップリング剤層を形成した以外は実施例6と同様に銅張積層板を得、実施例1と同様に試験片を作製し、実施例1と同様の特性試験を実施した。その評価結果を表2に示した。
【0043】
【表1】
Figure 0003769084
【0044】
【表2】
Figure 0003769084
表1及び表2の結果から明らかなように、混合物被覆層を設けなかった銅箔(比較例1)は常態引き剥し強さ、耐湿性(PCT後の劣化率)に劣り、各薬剤を単独又は2種類しか含有しない混合物水溶液を塗布して製造した銅箔(比較例2、3、4、5、6、7)は、PCT後の劣化率及び無電解めっき処理性を共に満足することはできない。
【0045】
また、混合物水溶液の濃度が本発明の範囲外のものを用いて製造した銅箔(比較例8、9、10、11、12)も耐湿性(PCT後の劣化率)及び無電解めっき処理性を共に満足することはできない。
【0046】
また、防錆層を改良したり(比較例13、14、15)、シランカップリング剤処理を併用(比較例16)しても耐湿性(PCT後の劣化率)及び無電解めっき処理性を共に満足することはできない。
【0047】
【発明の効果】
本発明により得られたプリント配線板用銅箔は銅箔の被接着面に樹脂基材を積層し、銅張積層板としたとき、銅箔と樹脂基材間の引き剥し強さを高く保持すると共に、耐熱性、耐化学薬品性、耐湿性に優れ、かつ無電解めっき処理性に優れており、プリント配線板の製造においてその工業的価値は極めて大である。

Claims (6)

  1. 銅箔の被接着面に、シランカップリング剤200〜3,000ppm、ケイ酸塩100〜2,000ppm及びチオジグリコール酸5〜200ppmを含有する混合物水溶液を塗布し、加熱乾燥することを特徴とするプリント配線板用銅箔の製造方法。
  2. シランカップリング剤がエポキシシランである請求項記載のプリント配線板用銅箔の製造方法。
  3. ケイ酸塩が水ガラスである請求項又は記載のプリント配線板用銅箔の製造方法。
  4. 銅箔が被接着面に粗化処理層及び防錆層が設けられた銅箔である請求項又は記載のプリント配線板用銅箔の製造方法。
  5. 防錆層がニッケル−モリブデン−コバルト合金層若しくはインジウム−亜鉛合金層とクロメート層からなる層である請求項記載のプリント配線板用銅箔の製造方法。
  6. 請求項1〜5いずれか記載の方法により製造されたプリント配線板用銅箔。
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