JP3768498B2 - 床下調湿材 - Google Patents

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Description

本発明は、床下調湿材に関し、特に、コンクリート布基礎工法で建築された家屋に適用する床下調湿材に関する。
従来、束石工法に替えて昭46年1月以降に採用されるようになったコンクリート布基礎工法で建築された家屋では、縁の下の通気が悪く、コンクリート量も多いため、高湿となり結露も発生しやすい。従って、高湿環境または水滴が原因で家屋を支える床下部分に様々な悪影響がでていた。例えば、カビ、ダニの発生、木材の腐食や腐朽、シロアリによる食害(木材の朽木化)などが挙げられる。
このような状況下、近年では、木炭の調湿作用が見直され、床下に木炭を直に敷いたり、通気性の良い袋に詰めた木炭を敷くことが盛んに行われている。これにより、高湿や結露を低減することが可能となっている。このような従来技術として、例えば、特開2002−155585「床下調湿材、床下調湿用床パネル、及び床下調湿構造」、特開2001−146796「床下調湿材およびその取付け構造」、特開2000−160712「木炭利用建築材」、特開平07−150645「竹炭ボード」、特開平10−169079「建築用ボード」、特開平06−49916「内壁材」が挙げられる。
特開2002−155585号公報 特開2001−146796号公報 特開2000−160712号公報 特開平07−150645号公報 特開平10−169079号公報 特開平06−49916号公報 特開平04−124343号公報
しかしながら、従来の技術では以下の問題点があった。
まず、木炭自体が高価格であるという問題点があった。すなわち、木炭といえば、備長炭に代表されるように、需要がありかつ利益率の高いもの、ある程度の大きさがある塊状の広葉樹炭が主流であって、これ以外の炭は品数が少なく流通量も少なかった。換言すれば、燃料用途以外の検討がなされておらず、床下調湿材として使用する場合の木炭の好適化が図れていないという問題点があった。
また、従来の床下調湿材は、湿気を帯びた空気との接触性を高める技術思想のもと目の粗い外袋が使用されているが、施工時に木炭粉が飛散し作業環境が悪いほか、壁や家具に対して養生が必要であるといった問題点があった。例えば、特開平04−124343号公報では、木材をあらかじめ長径が20mm〜30mmのチップ状にしてから原形のまま炭化させるので微小粒子が出ないとしているが、炭化のコストが高くなり、実際には炭化過程の木材収縮等により木炭粉は発生する。また、袋詰めしてからであっても木炭同士の擦れにより木炭粉が発生するので、上記問題点は何ら改善されない。
また、ほとんどの家屋の場合、頻繁に床下調湿材を交換するわけでないので、調湿効果が長期間にわたり維持発揮されることが望まれていた。
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、安価に供給でき作業性がよく床下使用に適した床下調湿材を提供することを目的とする。
更に、調湿効果が長期間にわたり維持発揮される床下調湿材を提供することを目的とする。
上記の目的を達せするため、請求項1に記載の床下調湿材は、針葉樹由来の木炭のうち長径2mm〜20mmの略棒状の木炭の占める割合が全木炭中の70vol%以上であり、この木炭を、通気度が5cm・(cm・s)−1以上10cm・(cm・s)−1以下の、水に対して耐腐食性のある繊維素材からなる不織布で包んだことを特徴とする。
すなわち、請求項1にかかる発明は、
第1に、木材品種の選択自由度が高く原木材管理が容易となり、
第2に、炭化したときの空孔が広葉樹より大きいので水分吸収能が高まり、
第3に、木炭粉が多く生じても通気性を好適に確保しつつ好適に外部飛散を少なくする。これにより、安価に供給でき作業性がよく床下使用により適した床下調湿材を提供することが可能となる。
また、請求項1にかかる発明は、耐久性があり崩れないため、空気に対する巨視的な接触面積を維持できる。換言すれば、木炭粉が漏れて堆積しないため、有効接触面積を維持できる。これにより、調湿効果が長期間にわたり維持発揮される床下調湿材を提供することが可能となる。また、請求項1にかかる発明は、床下調湿に関し好適な通気度を確保する。また、請求項1にかかる発明は、空気との接触面積が粉炭および塊状の炭より大きくなり吸放湿性ないし吸着性の高い床下調湿材を提供可能となる。また、粉炭に比べて床下地面からの毛管現象による吸い上げも生じにくくなり、意図しない吸湿を防止可能となる。
なお、ここで長径とは、略棒状である木炭の最も長い部分の長さをいう。
また、請求項2に記載の床下調湿材は、請求項3に記載の床下調湿材において、前記繊維素材が、ポリオレフィン系繊維素材またはポリエステル系繊維素材であることを特徴とする。
すなわち、請求項2にかかる発明は、不織布による外袋の好適化を図ることができる。
また、請求項3に記載の床下調湿材は、請求項1または2に記載の床下調湿材において、前記木炭が建築廃木材または間伐材を炭化させたものであることを特徴とする。
すなわち、請求項3にかかる発明は、原料木材を安定して確保できる。これにより、より安価に供給でき作業性がよく床下使用により適した床下調湿材を提供することが可能となる。
また、請求項4に記載の床下調湿材は、請求項1、2または3に記載の床下調湿材において、前記針葉樹由来の木炭の固定炭素率が90wt%以上であることを特徴とする。
すなわち、請求項4にかかる発明は、吸放湿性が高く、また、湿度の高い雰囲気下で長期(数年から数十年以上)にわたり腐らない木炭の提供を可能とする。なお、ここで固定炭素とは、木酢液などの有機物でなく、化学物質の構成要素でない単独で存在する炭素をいう。
また、請求項5に記載の床下調湿材は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の床下調湿材において、前記針葉樹由来の木炭のBET法比表面積が200m2/g以上であることを特徴とする。
すなわち、請求項5にかかる発明は、吸放湿性ないし吸着性の高い床下調湿材を提供可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、安価に供給でき作業性がよく床下使用に適した床下調湿材を提供することができる。また、更に、調湿効果が長期間にわたり維持発揮される床下調湿材を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の床下調湿材の断面構成図である。床下調湿材1は、内部の木炭2と、木炭2を包む不織布からなる外袋3とにより構成される。
木炭2は、針葉樹を炭化させたものを用いる。図2は、広葉樹由来の木炭と、針葉樹由来の木炭を同倍率で写した顕微鏡写真である。図から明らかなように、針葉樹と広葉樹では、炭化させたときのマクロな空孔(100nm径以上数μm)の大きさは針葉樹の方が明らかに大きい。マクロな空孔が大きいと空気との接触面積が大きくなり、吸放湿速度が速くなるため、床下調湿材1には針葉樹由来の木炭を用いている。使用する針葉樹は例えば、アカマツ、カラマツ、スギ、ヒノキなどが挙げられる。
木炭2は、また、微細であるため図2では表れないがミクロな空孔(0.5nm〜100nm径)を多数有した多孔質体であるので、ガス吸着能を発揮する比表面積が極めて大きく吸放湿能力が高い。これにより、床下調湿材1は、高湿環境下では水蒸気を吸着し乾燥ないし低湿環境下では水蒸気を放出する。シリカゲルのような除湿剤は湿気を吸着するのみで一度吸い取ってしまえば機能を果たしにくくなるのに対し、木炭の場合は周囲の環境変化に合わせて水蒸気を吸放出するので調湿機能を発揮する。
すなわち、床下調湿材1は、針葉樹由来の木炭2を用いることにより、床下の過度な湿気をマクロな空孔を通じてミクロな空孔で調整することが可能となる。
なお、吸着性能を高めるため、木炭1の炭化温度は700℃〜1000℃が好ましく、更に好ましくは750℃〜900℃であり、最も好ましくは780℃〜880℃である。これは、1000℃を超えて炭化すると比表面積が小さくなるためであり、700℃未満では比表面積が小さく、かつ強度不足や炭化不良を生じるためである。なお、炭化に当たっては、比表面積を大きくする通常の制御、例えば、温度、窒素量、酸素量などの雰囲気条件、炭化時間の制御を適宜おこなう。具体的には、木炭の揮発分を10wt%以下、好ましくは6wt%以下となるようにする。また、BET法による比表面積の測定で、比表面積が200m2/g以上となるように調整するのが好ましく、300m2/g以上が更に好ましい。
床下調湿材1の原料木材は、針葉樹であればその木材種は特に限定されない。従って、針葉樹を多く利用してある通常の木造家屋を解体した廃材や間伐材を再利用することができ、これにより低コスト化を図るとともに、環境保全に貢献することができる。具体的には、杉、桧、松などの木材種を用いることができる。
原料木材を加工して長さが30mm〜50mm、幅が数mmの棒状としておくと、後の炭化処理工程が容易となり、また吸放湿能力も高まり好ましい。
なお、ウバメガシを素材とする備長炭に代表される広葉樹炭は、針葉樹炭に比べマクロ空孔およびミクロ空孔の観点から調湿能力がおとる。また、燃料品質の観点から原料の選定コスト、管理コストが必要であるが、床下調湿材1は、木材の選別が不要なため一括して炭化処理すればよく、このような管理コストも不要となる。また、廃木材は平成14年5月30日から施行された建設リサイクル法(建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律)により、原則として再利用する必要があり、今後剰余するとみられる。従って、床下調湿材1用木炭は、原料の調達が容易であるとともに原料選別が不要であり低コスト化が図れるほか、資源の有効活用にも寄与できる。
ただし、針葉樹由来の木炭は、細胞壁の厚みが広葉樹由来の木炭より狭く脆いため(図2R>2参照)、運搬課程や施工時など木炭塊が擦れ合う際に木炭粉が多く発生しやすい。
実際、従来の床下調湿用木炭では、木炭粉の飛散が著しく、作業環境や養生の観点から施工性が極めて悪いという問題点があった。本願発明者は、鋭意検討の結果、木炭分の飛散量が多い針葉樹由来の木炭2を用いつつ、その機能を損ねないで床下調湿材1に適したパッケージを見いだすに至った。すなわち、本発明の外袋2では、その通気性を確保しつつ木炭粉が過度に漏出しない程度の目をもった不織布を用いる。具体的には、不織布の目は、JIS−L1906あるいはJIS−L1096にいうフラジール形法で測定した通気度が1cm3・(cm2・s)−1以上100cm3・(cm2・s)−1以下が好ましく、更に、好ましくは、1cm3・(cm2・s)−1以上30cm3・(cm2・s)−1以下であり、最も好ましくは5cm3・(cm2・s)−1以上10cm3・(cm2・s)−1以下である。
また、不織布とすることで、木炭粉の漏出を効率よく防止できる。これは、織布にあっては、織糸の交差部分にできる目(空隙部分)の布の厚みが必然的に薄くなるのに対し、不織布では、例え同じ広さの空隙であっても厚みがほとんど変わらないので木炭粉が通過する際の抵抗が大きくなるからである。このほか、織布では、運搬時や施工時など、外袋の片側を引っ張って移動させるような状況下では、目が広がるのに対し、不織布では目が拡径しにくく、この点からも木炭粉の漏出を防ぐことができる。
なお、不織布の素材としては、水に対する耐腐食性の高いものが好ましい。これは、床下調湿材1は頻繁に交換できない環境にあるからである。従って、例えば、10年間性状の変化しない素材が好ましく、更に好ましくはカビの生えにくいものがよい。具体的には、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系繊維、または、ポリエステル系繊維が好ましい。
また、不織布は種々の方法で製造することができるが、例えば、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂を用いて、トウ開繊維法、バーストファイバー法および積層延展法で製造することができる。積層延展法によれば、強度、耐水性などの点で特に好ましい。
なお、従来でも、不織布を用いた広葉樹用木炭の外袋は存在していたが、通気性を巨視的にとらえていた結果、目の粗いもの、具体的には、上記フラジール形法で130cm3・(cm2・s)−1程度以上のものが用いられていた。従って、前述したような木炭粉の飛散が問題となっていた。
次に、床下調湿材1の施工について述べる。図3は、床下調湿材1を敷設した施工例を示した図である。施工にあたっては、床下換気口をふさがないように床下調湿材1を敷設する。なお、壁や基礎石、布基礎部分、柱など、結露しやすい部材には、床下調湿材1をあてがって被覆してもよい。
なお、これまで、床下調湿材1を床下に敷設した例を説明したが、これに限らず、例えば屋根裏や外壁の中に敷設してもよい。この時は、床下調湿材1は、屋根裏調湿材または壁内調湿材として機能する。場合によっては、室内に設置しても良く、後述するように断熱材としても機能させてもよい。
また、近年では、家屋、特に床上部分の気密性の高くなっているが、その分ホルムアルデヒドやVOC(揮発性有機化合物)などの人体に悪影響のある物質が拡散しにくい状況になっている。このような家屋では、通気性が確保された畳を敷くことにより、床下調湿材1がこれらの物質を吸着し、空気の浄化にもつながる利用方法もある。
床下調湿材の原料として、建築廃木材(木製パレットや木造家屋解体材)を調達した。この木材を、破砕機により長径が30mm〜50mmの棒状に破砕した。この棒状木材を横型連続式炭化炉の中で温度750℃〜850℃で1時間加熱し、針葉樹由来の木炭を得た。炭化過程で収縮が起こったが、得られた木炭の長径は、2mmから20mmのものの割合が79vol%であった。また、固定炭素率は93wt%、揮発分は4wt%、灰分は3wt%であった。また、BET法比表面積は220m2/gであった。
この木炭を、12リットルの用量分ずつ外袋に入れ床下調湿材を製造した。外袋用不織布にはユニセルメルフィットBT−070EW(ユニセル株式会社製)を用い、一辺45cmの正方形の袋とした。この形状により、一畳(約180cm×90)を単位とする日本家屋の間取りに合致した施工が可能となる。なお、不織布は70g/m2、厚さ0.15mmのポリプロピレン系不織布であって、通気度は、7.5cm3・(cm2・s)−1であった。
得られた床下調湿材をたたき、木炭粉の漏出を確認したところ、極めて微量の木炭粉の漏出しかなく、家屋の養生や作業者のマスクは不要なレベルであることが確認できた。図4R>4は、得られた床下調湿材を激しくたたき、漏出した木炭粉を写した顕微鏡写真である。図5は、外袋内に残った木炭粉を写した顕微鏡写真である。両図を比較してわかるように、流出した粒径は小さいものばかりであることが写真からも確認できた。
図6は、激しくたたいたのちの外袋を写した顕微鏡写真である。図示したように、外袋に穴あきなどはみられなかった。なお、図より用いた外袋の目は最大50μm程度であり、ほとんどの穴は数μm以下であることがわかる。なお、図5は、木炭粉の粒度分布を示しているといえるので、逆にいえば、外袋は、この粒径分布をもった木炭粉をほとんど通過させない程度の目または通気度を備えたものとする必要があるといえる。
また、得られた木炭について、吸放湿試験を調湿建材の評価法(JIS−A1470−1)で測定した結果、木炭1kg当たり、20g〜30g程度の水蒸気を吸放出できる能力があることが確認できた。なお、吸放出性能の測定は、動的吸放湿試験装置でおこなった。温度25℃、湿度70%の状態で1m3の空気に含まれる水の量は約16gである。この空気の湿度を10%下げるには2gの水蒸気を吸湿することが必要であり、本実施例で得られた木炭はこれをはるかに上回る容量を有し、調湿能が飽和せず、調湿作用が充分確保されていることが確認できた。
なお、得られた木炭の固定炭素率はJIS−M8812による石炭類及びコークス類工業分析法に従った。比表面積は、窒素ガスBET法(島津製作所製フロソーブII型を用い、1点法、相対圧0.294)で測定した。
次に、得られた床下調湿材を実際に床下に敷設した結果を示す。図7は、床下の間取りを、敷設前後の木材含水率、気温および湿度の表と共に示した図である。実験は、床下調湿材を敷設するエリア1と、床下調湿材を敷設しないエリア2を比較することによりおこなった。なお、サンプリングは各エリアとも複数点おこない、数日間にわたり観測した。
まず、敷設前の平均湿度(相対湿度)をみると、エリア1が84.9%、エリア2が82.6%でエリア1が高湿なエリアであることが確認できる。次に、敷設後の平均湿度をみると、エリア2が90.5%に対し、エリア1では88.4%である。すなわち、もしエリア1に床下調湿材を敷設しないのであれば、90.5%以上の湿度となるべきところ、逆にこれより低い88.4%となっており、明らかに床下調湿材を敷設した効果が確認できる。
また、同じ家屋で床下調湿材を敷設したエリアと敷設しないエリアとで束の最下部から10cm上と束の最上部から10cm下の場所で、束の含水率の推移を調べた。図8は、その結果を示した図である。図から明らかなように、床下調湿材を敷設しないエリアで含水率が高まった期間であっても、床下調湿材を敷設したエリアでは含水率に大きな変動はなかった。これにより、床下調湿材には確かに調湿作用があることが確認できた。
なお、近年ではコンクリートを軒下一面に打つ、いわゆるベタ基礎とすることも多い。これは、コンクリート下の地面の水分は遮断するが、コンクリート自体の水分が放出されるのに時間がかかり、また、乾燥後は床下領域が過乾燥してしまい、かえって束、根太などの木材を痛めてしまう。しかしながら、本発明の床下調湿材を用いれば、木材が乾燥するときには、木炭が湿気を放出して木材が適度な含水率となり調湿作用によりこのようなことが発生せず、木材強度を十全に維持することも可能となる。
特に、床下調湿材1を所定の厚み(例えば6cm)となるように床に敷き詰めると、床下調湿材1の下半分近くでは地面(またはコンクリート)からの水分を吸収ないし防湿し、床下調湿材1の上半分以上では、床下空間および換気口からの湿気を調整する。従って、このような点から、床下調湿材1は、防湿シートとして利用できるともいえる。なお、この場合は、不織布の大きさは特に限定されるものではなく、床一面の大きさであってもよい。
また、木炭は、熱伝導率が極めて低いため、断熱材としてとらえることができる。従って、床一面(または屋根裏や壁の中)に床下調湿材1を敷き詰めれば(封入すれば)、床下調湿材1を断熱材として利用できるともいえる。以上の性質により、床下調湿材1は、単に床下を調湿するのみでなく、床上の室内や押入に設置し、室内の調湿作用を高めるために設置しても良い。すなわち、床下調湿材1は、広く家屋を改質する総合材(調湿材、防湿材、断熱材、不快成分の吸着材)としても利用できるといえる。
本発明の床下調湿材の断面構成図である。 広葉樹由来の木炭と、針葉樹由来の木炭を同倍率で写した顕微鏡写真である。 本発明の床下調湿材を敷設した施工例を示した図である。 本発明の床下調湿材を激しくたたき、漏出した木炭粉を写した顕微鏡写真である。 外袋内に残った木炭粉を写した顕微鏡写真である。 本発明の床下調湿材を激しくたたいたのちの外袋を写した顕微鏡写真である。 床下の間取りを、敷設前後の木材含水率、気温および湿度の表と共に示した図である。 本発明の床下調湿材の敷設後の湿度観測結果を示した図である。
符号の説明
1 床下調湿材
2 木炭
3 外袋

Claims (5)

  1. 針葉樹由来の木炭のうち長径2mm〜20mmの略棒状の木炭の占める割合が全木炭中の70vol%以上であり、この木炭を、通気度が5cm・(cm・s)−1以上10cm・(cm・s)−1以下の、水に対して耐腐食性のある繊維素材からなる不織布で包んだことを特徴とする床下調湿材。
  2. 前記繊維素材が、ポリオレフィン系繊維素材またはポリエステル系繊維素材であることを特徴とする請求項1に記載の床下調湿材。
  3. 前記木炭は建築廃木材または間伐材を炭化させたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の床下調湿材。
  4. 前記針葉樹由来の木炭の固定炭素率が90wt%以上であることを特徴とする請求項1、2または3に記載の床下調湿材。
  5. 前記針葉樹由来の木炭のBET法比表面積が200m/g以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の床下調湿材。
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