JP7262096B2 - 空気清浄用活性炭シート - Google Patents
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Description
項1.活性炭繊維と、粒状又は粉末状活性炭と、フィブリル化繊維と、を含有する活性炭シートであって、前記活性炭繊維の質量(g/m2)が5g/m2以上であり、下記方法による圧力損失が150Pa以下であり、FMVSS302燃焼試験における燃焼距離が51mm以下である、空気清浄用活性炭シート。
<圧力損失の試験方法>
JIS B 9927:1999 「付属書(規定)クリーンルーム用エアフィルタろ材性能試験方法」の3.2「圧力損失試験」に準じ、前記活性炭シートを直径110mmの円形にカットしたものを測定試料とし、0.1m/sの線速度で空気を吸引したときの前記活性炭シートの上流側と下流側との静圧の差を差圧計にて測定し、測定値は一の位までを有効な数値とする。
項2.40℃、1ppm時のトルエン平衡吸着量が2000mg/m2以上、40℃、1ppm時のアセトン平衡吸着量が50mg/m2以上である、項1に記載の空気清浄用活性炭シート。
項3.前記活性炭繊維の質量(g/m2)と前記粒状又は粉末状活性炭の質量(g/m2)との含有比率(活性炭繊維の質量/粒状又は粉末状活性炭の質量)が0.05~0.35である、項1又は2に記載の空気清浄用活性炭シート。
項4.前記活性炭繊維の含有量が3~20質量%であり、前記粒状又は粉末状活性炭の含有量が50~80質量%である、項1~3のいずれか1項に記載の空気清浄用活性炭シート。
項5.前記活性炭繊維の引張強度(GPa)が0.25GPa以上である、項1~4のいずれか1項に記載の空気清浄用活性炭シート。
項6.前記圧力損失が30~50Paである、項1~5のいずれか1項に記載の空気清浄用活性炭シート。
<圧力損失の試験方法>
JIS B 9927:1999 「付属書(規定)クリーンルーム用エアフィルタろ材性能試験方法」の3.2「圧力損失試験」に準じ、前記活性炭シートを直径110mmの円形にカットしたものを測定試料とし、0.1m/sの線速度で空気を吸引したときの前記活性炭シートの上流側と下流側との静圧の差を差圧計にて測定し、測定値は一の位までを有効な数値とする。
本発明の空気清浄用活性炭シートは、活性炭繊維を含有する。本発明の空気清浄用活性炭シートにおいて、活性炭繊維は、トルエン等揮発性有機化合物の吸着成分として寄与することに加え、シートに難燃性を与える難燃材成分としても寄与する。すなわち、活性炭繊維は、活性炭が不融化処理、賦活処理された燃えにくい炭素材料であることに加え、粒状又は粉末状活性炭に比して嵩密度が相当程度低い。そして、嵩密度が低いことにより、シート内に占める体積又は面積が大きくなり、また、特に燃え易い成分であるフィブリル化繊維等と活性炭シートとして絡み合うことで、活性炭繊維の質量を5g/m2以上として初めてシートに対し効果的に難燃性能を付与すると考えられる。
ミクロ細孔容積率(%)
=(直径2nm以下の細孔容積)/(全細孔容積)×100(%)
本発明の空気清浄用活性炭シートは、粒状又は粉末状活性炭を含有する。本発明の空気清浄用活性炭シートにおいて、粒状又は粉末状活性炭活性は、トルエン等揮発性有機化合物の吸着成分として寄与する。
本発明の空気清浄用活性炭シートは、フィブリル化繊維を含む。本発明の空気清浄用活性炭シートにおいて、フィブリル化繊維は、空気清浄用活性炭シートの形態保持、及び粒状又は粉末状活性炭の保持に寄与する。
本発明の空気清浄用活性炭シートは、必要に応じてバインダー成分を含むことができる。本発明の空気清浄用活性炭シートにおいて、バインダー成分は、活性炭繊維、粒状又は粉末状活性炭及びフィブリル化繊維を接着固定する成分であり、該空気清浄用活性炭シートの形態保持及び粒状又は粉末状活性炭の保持に寄与する。
本発明の空気清浄用活性炭シートは、アルデヒド吸着剤を含有することができる。これにより、アルデヒド成分、例えば、アセトアルデヒドを吸着することができる。
本発明の空気清浄用活性炭シートは、必要に応じて、活性炭繊維、粒状又は粉末状活性炭、フィブリル化繊維、バインダー成分、及びアルデヒド吸着剤以外のその他の成分を含むことができる。
1.圧力損失
本発明の空気清浄用活性炭シートは、下記方法による圧力損失が150Pa以下である。これにより、空気清浄用活性炭シートとして好適に使用することができる。また、空気の流れ易さと、トルエン吸着性能とをより一層両立する観点から、上記圧力損失は10~80Paが好ましく、20~60Paがより好ましい。
<圧力損失の試験方法>
JIS B 9927:1999 「付属書(規定)クリーンルーム用エアフィルタろ材性能試験方法」の3.2「圧力損失試験」に準じ、前記活性炭シートを直径110mmの円形にカットしたものを測定試料とし、0.1m/sの線速度で空気を吸引したときの前記活性炭シートの上流側と下流側との静圧の差を差圧計にて測定し、測定値は一の位までを有効な数値とする。
本発明の空気清浄用活性炭シートは、活性炭繊維と、粒状又は粉末状活性炭と、フィブリル化繊維と、を含有する空気清浄用活性炭シートであって、前記活性炭繊維の質量(g/m2)と前記粒状又は粉末状活性炭の質量(g/m2)との含有比率(活性炭繊維の質量/粒状又は粉末状活性炭の質量)が0.05~0.35であることから、難燃性能に優れる。本発明の空気清浄用活性炭シートが備える難燃性能としては、FMVSS302燃焼試験における燃焼距離が51mm以下であり、10mm以下が好ましく、5mm以下がより好ましい。
3.比表面積(m2/g)
本発明の空気清浄用活性炭シートは、比表面積が400~800m2/gであることが好ましく、500~650m2/gであることがより好ましく、550~650m2/gであることがさらに好ましい。なお、本発明において、空気清浄用活性炭シートの比表面積は、窒素を被吸着物質として用いたBET法(1点法)により測定される値である。
本発明の空気清浄用活性炭シートの坪量としては、60~120g/m2であることが好ましく、75~105g/m2であることがより好ましい。また、本発明の空気清浄用活性炭シートの厚さとしては、0.2~0.6mmが好ましく、0.3~0.4mmがより好ましい。なお、本発明において、空気清浄用活性炭シートの坪量は、JIS L 1913:2010 6.2に準じて求めた単位面積当たりの質量(g/m2)とする。また、本発明において、空気清浄用活性炭シートの厚さは、株式会社ミツトヨ製シネックスゲージを用いて任意の場所について3点測定した値の平均値をシートの厚さ(mm)とする。
本発明の空気清浄用活性炭シートは、活性炭繊維と、粒状又は粉末状活性炭と、フィブリル化繊維と、を含有する空気清浄用活性炭シートであって、前記活性炭繊維の質量(g/m2)が5g/m2以上であることから、トルエン吸着性能に優れる。本発明の空気清浄用活性炭シートが備えるトルエン吸着性能としては、40℃における平衡濃度1ppm時の平衡吸着量が2000mg/m2以上が好ましく、3000mg/m2以上がより好ましい。当該トルエン吸着性能は、次のようにして測定、算出されるものである。すなわち、任意面積の試料片と100ppmトルエンガス3Lを密閉容器に封入し、室温40℃の環境下において静置する。24時間経過後、容器内のガス濃度を測定し、濃度減少量から試料のガス吸着量を計算する。複数の試料面積について測定を行い、それぞれの計算結果より、濃度と吸着量の相関をグラフにプロットし、得られた関係式より、平衡濃度1ppmにおけるトルエンの平衡吸着量(mg/m2)を導く。トルエンの濃度測定には、ガスクロマトグラフィーを用いる。なお、上記トルエン吸着性能の上限値は特に制限されないが、例えば、5000mg/m2以下が挙げられる。
本発明の空気清浄用活性炭シートは、ミクロ細孔容積率の高い活性炭を用いることで、より一層高いアセトン吸着性能を備えることができる。本発明の空気清浄用活性炭シートが備えるアセトン吸着性能としては、40℃における平衡濃度1ppm時の平衡吸着量が50mg/m2以上が好ましく、65mg/m2以上がより好ましい。当該アセトン吸着性能は、次のようにして測定、算出されるものである。すなわち、任意面積の試料片と100ppmアセトンガス3Lを密閉容器に封入し、室温40℃の環境下において静置する。24時間経過後、容器内のガス濃度を測定し、濃度減少量から試料のガス吸着量を計算する。複数の試料面積について測定を行い、それぞれの計算結果より、濃度と吸着量の相関をグラフにプロットし、得られた関係式より、任意の平衡濃度1ppmにおけるアセトンの平衡吸着量(mg/m2)を導く。アセトンの濃度測定には、ガスクロマトグラフィーを用いる。なお、上記アセトン吸着性能の上限値は特に制限されないが、例えば、300mg/m2以下が挙げられる。
本発明の空気清浄用活性炭シートは、アルデヒド吸着剤を含有させることで、アルデヒド吸着性能に優れるものとすることができる。この場合に、本発明の空気清浄用活性炭シートが備えるアセトアルデヒド吸着性能としては、40℃における平衡濃度1ppm時の平衡吸着量が250mg/m2以上が好ましく、300mg/m2以上がより好ましい。当該アルデヒド吸着性能は、次のようにして測定、算出されるものである。すなわち、任意面積の試料片と100ppmアセトアルデヒドガス3Lを密閉容器に封入し、室温40℃の環境下において静置する。24時間経過後、容器内のガス濃度を測定し、濃度減少量から試料のガス吸着量を計算する。複数の試料面積について測定を行い、それぞれの計算結果より、濃度と吸着量の相関をグラフにプロットし、得られた関係式より、任意の平衡濃度1ppmにおけるアセトアルデヒドの平衡吸着量(mg/m2)を導く。アセトアルデヒドの濃度測定には、ガスクロマトグラフィーを用いる。なお、上記アセトアルデヒド吸着性能の上限値は特に制限されないが、例えば、700mg/m2以下が挙げられる。
空気清浄用活性炭シートの製造方法としては、特に制限されないが、例えば、活性炭繊維と、粒状又は粉末状活性炭と、フィブリル化繊維と、の混合物を、湿式抄紙することによって製造することが挙げられる。具体的には、活性炭繊維、粒状又は粉末状活性炭、フィブリル化繊維及びバインダー成分をパルパー、ビーター、リファイナーなどの装置を用いて混合、せん断し、均一に分散したスラリーを作製し、得られたスラリーを所定の流量でワイヤー上に流し、脱水することで、任意の坪量に調整する。その後プレスパートを経てドライヤーパートでシートを乾燥し、カレンダーパートでシート表面を平滑にしてからリールで巻き取るなどの公知の技術でシートを製造することができる。シートの厚さは熱プレスローラーなどで任意の厚さに調整するなどすればよい。また、アルデヒド吸着剤を含有させる場合、その方法としては、上記スラリーに含有する方法、又は、上記シートを製造した後、例えば、噴霧や含浸などにより含有させる方法の他、活性炭繊維又は粒状若しくは粉末状活性炭に予め、アルデヒド吸着剤を含有させておくことが挙げられる。
本発明の空気清浄用活性炭シートは、空気清浄用、特に室内空間のトルエン除去用シートとして、用いることができる。また、特に、本発明の空気清浄用活性炭シートは難燃性能に優れることから、自動車車室内の内装材として、特に好適に用いることができる。使用方法としては、シートのまま使用しても良く、また、シートを所定の形状に加工、例えば、ハニカム形状やコルゲート形状、又は該シートを捲回した成形体とし、空気清浄フィルターとして使用することもできる。
(1)活性炭繊維
(1-1)活性炭繊維A
粒状石炭ピッチを、溶融押出機に供給し、溶融温度320℃で溶融混合し、吐出量20g/minで紡糸することによりピッチ繊維を得た。得られたピッチ繊維を空気中常温から354℃まで1~30℃/分の割合で54分間昇温することにより不融化処理をおこない、不融化されたピッチ繊維である活性炭前駆体を得た。得られた活性炭前駆体を、H2O濃度が100容量%のガスを賦活炉内に連続的に導入し、雰囲気温度875℃で30分間熱処理することにより賦活をおこない、活性炭繊維を得た。得られた活性炭繊維の強度は0.30GPa、比表面積は822m2/g、平均繊維径は16.8μm、ミクロ細孔容積率(%)は96%、活性炭繊維における炭素原子含有量は90質量%、酸素原子含有量は3質量%であった。
(1-2)活性炭繊維B
粒状石炭ピッチを、溶融押出機に供給し、溶融温度320℃で溶融混合し、吐出量20g/minで紡糸することによりピッチ繊維を得た。得られたピッチ繊維を空気中常温から354℃まで1~30℃/分の割合で54分間昇温することにより不融化処理をおこない、不融化されたピッチ繊維である活性炭前駆体を得た。得られた活性炭前駆体を、H2O濃度が100容量%のガスを賦活炉内に連続的に導入し、雰囲気温度875℃で40分間熱処理することにより賦活をおこない、活性炭繊維を得た。得られた活性炭繊維の強度は0.25GPa、比表面積は1277m2/g、平均繊維径は16.7μm、ミクロ細孔容積率(%)は94%、活性炭繊維における炭素原子含有量は91質量%、酸素原子含有量は2質量%であった。
(2-1)粒状又は粉末状活性炭A
アルデヒド吸着剤としてモルホリンを担持している粉末状活性炭(大阪ガスケミカル株式会社製商品名HG17-069、平均粒子径D50=20μm、比表面積1152m2/g)
(2-2)粒状又は粉末状活性炭B
アルデヒド吸着剤を担持しない粉末状活性炭(大阪ガスケミカル株式会社製商品名HG17-067、平均粒子径D50=20μm、比表面積712m2/g)
(4-1)バインダー成分A:ポリビニルアルコール
(4-2)バインダー成分B:ユニチカ株式会社製商品名メルティ4080
前記準備した活性炭繊維A、粒状又は粉末状活性炭A、フィブリル化繊維及びバインダー成分Aを、表1に記載の質量比となるようにパルパーを用いて混合し、均一に分散したスラリーを作製し、得られたスラリーを所定の流量でワイヤー上に流し、脱水することで坪量を調整した。その後プレスパートを経てドライヤーパートでシートを乾燥し、カレンダーパートでシート表面を平滑にしてからリールで巻き取り、本発明の空気清浄用活性炭シートを得た。該空気清浄用活性炭シートの比表面積は512m2/g、坪量は101g/m2、厚さは0.31mmであった。
前記準備した活性炭繊維A、粒状又は粉末状活性炭A、フィブリル化繊維及びバインダー成分Aを、表1に記載の質量比となるようにパルパーを用いて混合し、均一に分散したスラリーを作製し、得られたスラリーを所定の流量でワイヤー上に流し、脱水することで坪量を調整した。その後プレスパートを経てドライヤーパートでシートを乾燥し、カレンダーパートでシート表面を平滑にしてからリールで巻き取り、本発明の空気清浄用活性炭シートを得た。該空気清浄用活性炭シートの比表面積は519m2/g、坪量は101g/m2、厚さは0.32mmであった。
前記準備した活性炭繊維A、粒状又は粉末状活性炭A及びB、フィブリル化繊維及びバインダー成分Aを、表1に記載の質量比となるようにパルパーを用いて混合し、均一に分散したスラリーを作製し、得られたスラリーを所定の流量でワイヤー上に流し、脱水することで坪量を調整した。その後プレスパートを経てドライヤーパートでシートを乾燥し、カレンダーパートでシート表面を平滑にしてからリールで巻き取り、本発明の空気清浄用活性炭シートを得た。該空気清浄用活性炭シートの比表面積は607m2/g、坪量は98g/m2、厚さは0.32mmであった。
前記準備した活性炭繊維A、粒状又は粉末状活性炭A、フィブリル化繊維及びバインダー成分Aを、表1に記載の質量比となるようにパルパーを用いて混合し、均一に分散したスラリーを作製し、得られたスラリーを所定の流量でワイヤー上に流し、脱水することで坪量を調整した。その後プレスパートを経てドライヤーパートでシートを乾燥し、カレンダーパートでシート表面を平滑にしてからリールで巻き取り、本発明の空気清浄用活性炭シートを得た。該空気清浄用活性炭シートの比表面積は505m2/g、坪量は102g/m2、厚さは0.33mmであった。
前記準備した活性炭繊維A、粒状又は粉末状活性炭A、フィブリル化繊維及びバインダー成分Aを、表1に記載の質量比となるようにパルパーを用いて混合し、均一に分散したスラリーを作製し、得られたスラリーを所定の流量でワイヤー上に流し、脱水することで坪量を調整した。その後プレスパートを経てドライヤーパートでシートを乾燥し、カレンダーパートでシート表面を平滑にしてからリールで巻き取り、本発明の空気清浄用活性炭シートを得た。該空気清浄用活性炭シートの比表面積は515m2/g、坪量は100g/m2、厚さは0.32mmであった。
前記準備した活性炭繊維A、粒状又は粉末状活性炭B、フィブリル化繊維及びバインダー成分Aを、表1に記載の質量比となるようにパルパーを用いて混合し、均一に分散したスラリーを作製し、得られたスラリーを所定の流量でワイヤー上に流し、脱水することで坪量を調整した。その後プレスパートを経てドライヤーパートでシートを乾燥し、カレンダーパートでシート表面を平滑にしてからリールで巻き取り、本発明の空気清浄用活性炭シートを得た。該空気清浄用活性炭シートの比表面積は855m2/g、坪量は100g/m2、厚さは0.32mmであった。
前記準備した活性炭繊維A、粒状又は粉末状活性炭B、フィブリル化繊維及びバインダー成分Aを、表1に記載の質量比となるようにパルパーを用いて混合し、均一に分散したスラリーを作製し、得られたスラリーを所定の流量でワイヤー上に流し、脱水することで坪量を調整した。その後プレスパートを経てドライヤーパートでシートを乾燥し、カレンダーパートでシート表面を平滑にしてからリールで巻き取り、本発明の空気清浄用活性炭シートを得た。該空気清浄用活性炭シートの比表面積は913m2/g、坪量は101g/m2、厚さは0.31mmであった。
前記準備した活性炭繊維B、粒状又は粉末状活性炭A、フィブリル化繊維及びバインダー成分Aを、表1に記載の質量比となるようにパルパーを用いて混合し、均一に分散したスラリーを作製し、得られたスラリーを所定の流量でワイヤー上に流し、脱水することで坪量を調整した。その後プレスパートを経てドライヤーパートでシートを乾燥し、カレンダーパートでシート表面を平滑にしてからリールで巻き取り、本発明の空気清浄用活性炭シートを得た。該空気清浄用活性炭シートの比表面積は538m2/g、坪量は100g/m2、厚さは0.30mmであった。
前記準備した活性炭繊維B、粒状又は粉末状活性炭A、フィブリル化繊維及びバインダー成分Aを、表1に記載の質量比となるようにパルパーを用いて混合し、均一に分散したスラリーを作製し、得られたスラリーを所定の流量でワイヤー上に流し、脱水することで坪量を調整した。その後プレスパートを経てドライヤーパートでシートを乾燥し、カレンダーパートでシート表面を平滑にしてからリールで巻き取り、本発明の空気清浄用活性炭シートを得た。該空気清浄用活性炭シートの比表面積は556m2/g、坪量は100g/m2、厚さは0.30mmであった。
前記準備した粒状又は粉末状活性炭A、フィブリル化繊維及びバインダー成分Aを、表1に記載の質量比となるようにパルパーを用いて混合し、均一に分散したスラリーを作製し、得られたスラリーを所定の流量でワイヤー上に流し、脱水することで坪量を調整した。その後プレスパートを経てドライヤーパートでシートを乾燥し、カレンダーパートでシート表面を平滑にしてからリールで巻き取り、比較例の空気清浄用活性炭シートを得た。該空気清浄用活性炭シートの比表面積は498m2/g、坪量は99g/m2、厚さは0.31mmであった。
75質量%の濃度で硫酸を含有した硫酸水溶液とアルデヒド吸着剤であるp-アミノ安息香酸と水を、活性炭繊維B100質量部に対して硫酸が15質量部(純水を抜いた硫酸のみの質量部)、p-アミノ安息香酸が15質量部となるように、かつ、活性炭繊維Bの質量と処理液との体積との比が20g/Lとなるように調製、混合し、処理液を得た。該処理液に、前記準備した活性炭繊維Bを8時間浸漬し、その後活性炭繊維を処理液から引き上げ、乾燥させ、p-アミノ安息香酸と硫酸とを含有した活性炭繊維Bを得た。
75質量%の濃度で硫酸を含有した硫酸水溶液とアルデヒド吸着剤であるp-アミノ安息香酸と水を、活性炭繊維B100質量部に対して硫酸が15質量部(純水を抜いた硫酸のみの質量部)、p-アミノ安息香酸が15質量部となるように、かつ、活性炭繊維Bの質量と処理液との体積との比が20g/Lとなるように調製、混合し、処理液を得た。該処理液に、前記準備した活性炭繊維Bを8時間浸漬し、その後活性炭繊維を処理液から引き上げ、乾燥させ、p-アミノ安息香酸と硫酸とを含有した活性炭繊維Bを得た。
(1)活性炭繊維の強度、比表面積、平均繊維径、ミクロ細孔容積率、炭素原子含有量(C含有量)及び酸素原子含有量(O含有量):前述した方法にて測定、算出した。
(2)粒状又は粉末状活性炭の平均粒子径D50及び比表面積:前述した方法にて測定、算出した。
(3)空気清浄用活性炭シートの比表面積、坪量、厚さ:前述した方法にて測定、算出した。
◎:5点の試料片全て、炎が接炎箇所から燃え広がらず、自己消火した。
○:5点の試料片のうち、炎が接炎箇所から燃え広がるものがあったが、全て自己消火した。
△:5点の試料片のうち、炎が接炎箇所から燃え広がり、自己消火しなかったものがあったが、少なくとも1点は、自己消火したものがあった。
×:5点の試料片全て、炎が接炎箇所から燃え広がり、自己消火しなかった。
+:テープに乗り移った炭塵が少し確認された程度であり、実用上優れたものであった。
++:テープに乗り移った炭塵が確認されたが実用上問題ないレベルであった。
Claims (7)
- 活性炭繊維と、粒状又は粉末状活性炭と、フィブリル化繊維と、を含有する活性炭シートであって、
前記活性炭繊維の質量(g/m2)が5g/m2以上であり、
前記粒状又は粉末状活性炭の質量(g/m 2 )が50g/m 2 以上であり、
前記活性炭繊維の質量(g/m 2 )と前記粒状又は粉末状活性炭の質量(g/m 2 )との含有比率(活性炭繊維の質量/粒状又は粉末状活性炭の質量)が0.05~0.30であり、
下記方法による圧力損失が150Pa以下であり、
FMVSS302燃焼試験における燃焼距離が51mm以下である、空気清浄用活性炭シート。
<圧力損失の試験方法>
JIS B 9927:1999 「付属書(規定)クリーンルーム用エアフィルタろ材性能試験方法」の3.2「圧力損失試験」に準じ、前記活性炭シートを直径110mmの円形にカットしたものを測定試料とし、0.1m/sの線速度で空気を吸引したときの前記活性炭シートの上流側と下流側との静圧の差を差圧計にて測定し、測定値は一の位までを有効な数値とする。 - 活性炭繊維と、粒状又は粉末状活性炭と、フィブリル化繊維と、を含有する活性炭シートであって、
前記活性炭繊維の質量(g/m2)が5g/m2以上であり、
前記粒状又は粉末状活性炭の質量(g/m 2 )が50g/m 2 以上であり、
前記フィブリル化繊維が、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリアクリロニトリル繊維、またはセルロース繊維であり、
下記方法による圧力損失が150Pa以下であり、
FMVSS302燃焼試験における燃焼距離が51mm以下である、空気清浄用活性炭シート。
<圧力損失の試験方法>
JIS B 9927:1999 「付属書(規定)クリーンルーム用エアフィルタろ材性能試験方法」の3.2「圧力損失試験」に準じ、前記活性炭シートを直径110mmの円形にカットしたものを測定試料とし、0.1m/sの線速度で空気を吸引したときの前記活性炭シートの上流側と下流側との静圧の差を差圧計にて測定し、測定値は一の位までを有効な数値とする。 - 前記活性炭繊維の質量(g/m2)と前記粒状又は粉末状活性炭の質量(g/m2)との含有比率(活性炭繊維の質量/粒状又は粉末状活性炭の質量)が0.05~0.35である、請求項2に記載の空気清浄用活性炭シート。
- 40℃、1ppm時のトルエン平衡吸着量が2000mg/m2以上、40℃、1ppm時のアセトン平衡吸着量が50mg/m2以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の空気清浄用活性炭シート。
- 前記活性炭繊維の含有量が3~20質量%であり、
前記粒状又は粉末状活性炭の含有量が50~80質量%である、請求項1~4のいずれか1項に記載の空気清浄用活性炭シート。 - 前記活性炭繊維の引張強度(GPa)が0.25GPa以上である、請求項1~5のいずれか1項に記載の空気清浄用活性炭シート。
- 前記圧力損失が30~50Paである、請求項1~6のいずれか1項に記載の空気清浄用活性炭シート。
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