JP2020029376A - 活性炭素繊維材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】高湿度の領域においても水分の影響が少ない、揮発性有害物質の吸着性に優れた炭素材料を提供することを課題とする。【解決手段】下記式1によって求められるH2O/N2比表面積比Rsが、所定の値以上である活性炭素繊維材料とする。RS=SH2O/SN・・・式(1)式1中、SH2Oは水蒸気吸着BET解析により求められるH2O比表面積を表し、SNは窒素ガス吸着BET解析により求められるN2比表面積を表す。H2O/N2比表面積比Rsは、好ましくは0.050以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、活性炭素繊維材料に関する。
塗料、印刷インキ、接着剤、洗浄剤、ガソリン、シンナーなどに含まれるトルエン、キシレン、酢酸エチルなどは、揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds、略称:VOC)と呼ばれ、大気中の光化学反応により、光化学スモッグを引き起こす原因物質とされている。また、アンモニアなどの揮発性物質は、悪臭等の原因物質とされる。これらは揮発性有害物質としてその扱いが問題となる。
環境意識の高まりに伴い、VOCなどの揮発性有害物質の排出を抑制したり、除去、回収したりすることが、年々強く求められている。揮発性有害物質を除去又は回収する方法としては、活性炭などの多孔質物質に吸着させて、回収又は除去する方法がよく用いられている。しかしながら、従来の活性炭では、分子サイズの小さい揮発性有害物質は物理吸着しにくく、そのため空気清浄フィルタでは交換頻度を上げる等の対応がなされているのが現状である。
薬剤処理を行った活性炭に化学吸着を行わせる方法も用いられているが、化学吸着では一度吸着した揮発性有害物質が脱着しにくく、再利用する事が困難である。また、使用用途が限られる場合が多い。
また、上記のような多孔質物質を用いたVOCの吸着法は、高湿度下においては多孔質物質に水分が吸着してしまい、想定された吸着性を発揮できないことがある。そのため、例えば特許文献1では、オゾン発生器および触媒フィルタを備えた脱臭装置によって、高湿度下においても優れた脱臭性能を達成することが提案されている。
特開2017−192429号
しかしながら、特許文献1に開示されているのは、活性炭を一成分として含みうる複合酸化物からなる無機系吸着剤およびシリカを含む触媒フィルタと、オゾン発生器とを組み合わせた装置であって、活性炭そのものについて、高湿度下の吸着性能を向上させているわけではない。
上記のような状況に鑑み、本発明は、高湿度の領域においても水分の影響が少ない、VOCなどの揮発性有害物質の吸着性に優れた炭素材料を提供することを課題とする。
本発明者等は、水蒸気吸着特性について着目し、鋭意検討を進めた結果、下記の手段によって、高湿度の領域においても水分の影響が少ない、揮発性有害物質の吸着性に優れた炭素材料とすることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
〔1〕下記式1:
S=SH2O/SN ・・・式(1)
(式1中、SH2Oは水蒸気吸着BET解析により求められるH2O比表面積を表し、SNは窒素ガス吸着BET解析により求められるN2比表面積を表す)
で求められるH2O/N2比表面積比Rsが、0.050以上である活性炭素繊維材料。
〔2〕前記H2O比表面積SH2Oが、30〜300m2/gである、上記〔1〕に記載の活性炭素繊維材料。
〔3〕下記式2:
V=V0.7/V2.0×100 ・・・式2
(式2中、V0.7は細孔径が0.7nm以下のウルトラマイクロ孔の細孔容積を表し、V2.0は細孔径が2.0nm以下のマイクロ孔の細孔容積を表す)
で求められる、マイクロ孔の容積に占めるウルトラマイクロ孔の容積の存在比率RVが、50%以上である、上記〔1〕または〔2〕に記載の活性炭素繊維材料。
〔4〕該活性炭素繊維材料が、シート形状である、上記〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の活性炭素繊維材料。
〔5〕揮発性有害物質除去用の吸着材である、上記〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の活性炭素繊維材料。
〔6〕水蒸気吸着BET解析による比表面積と窒素ガス吸着BET解析による比表面積との比を求め、吸着材の親水性を評価する、吸着材の評価方法。
本発明によれば、高湿度条件下においても水分の影響が少ない、揮発性有害物質の吸着性に優れた炭素材料を提供できる。
図1は、実施例1の水蒸気吸着等温線の測定結果を示す図である。 図2は、実施例2の水蒸気吸着等温線の測定結果を示す図である。 図3は、比較例1の水蒸気吸着等温線の測定結果を示す図である。 図4は、比較例2の水蒸気吸着等温線の測定結果を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、特に断らない限り、数値範囲に関し、「AA〜BB」という記載は、「AA以上BB以下」を示すこととする(ここで、「AA」および「BB」は任意の数値を示す)。
1.活性炭素繊維材料
本発明の活性炭素繊維材料の1つの実施形態として、水蒸気吸着BET解析により求められるH2O比表面積と、窒素ガス吸着BET解析により求められるN2比表面積との比表面積比が、所定の値を示す活性炭素繊維材料が提供される。水蒸気吸着BET解析により求められるH2O比表面積と、窒素ガス吸着BET解析により求められるN2比表面積との比表面積比は、吸着材としての親水性を示す指標とすることができる。なお、本書では、水蒸気吸着によるBET解析のことを「水蒸気吸着BET解析」と称し、窒素ガス吸着によるBET解析のことを「窒素ガス吸着BET解析」と称する。比表面積比は、例えば、窒素ガス吸着BET解析により求められるN2比表面積に対する、水蒸気ガス吸着BET解析により求められるH2O比表面積の比表面積比RSとして求めることができる。すなわち、比表面積比RSは、下記式1により求めることができる。
S=SH2O/SN ・・・式1
ここで、SH2Oは水蒸気吸着BET解析により求められるH2O比表面積を表し、SNは窒素ガス吸着BET解析により求められるN2比表面積を表す。
比表面積は、BET解析を用いて測定しうる。BET解析は、Brunauer、Emmett、およびTellerにより導き出された、いわゆるBET式に基づいて比表面積を求める解析方法であり、当該解析方法自体は当業者に公知の技術的手法である。なお、BET解析による比表面積の測定方法、条件については、下記実施例にてより具体的に例示する。
本発明の活性炭素繊維材料において、比表面積比RSの下限は、0.015以上が重要であり、好ましくは0.040以上、より好ましくは0.070、0.080、0.090又は0.1000以上である。
比表面積比RSの上限は任意でありうるが、好ましくは0.3以下、より好ましくは0.25以下、さらに好ましくは0.2、0.15、0.13又は0.12以下でありうる。
比表面積比RSの値は上記のような範囲とすることにより、吸着材としての親水性が適度にあり、高湿度条件下での吸着性がより優れた吸着材とすることができる。
本発明の活性炭素繊維材料は、他の好ましい実施形態として、以下の所定の項目のうち任意の1つ又は2つ以上を組み合わせてもよい。
<水蒸気吸着BET解析による比表面積>
本発明の活性炭素繊維材料において、水蒸気吸着BET解析による比表面積の下限は、好ましくは30m2/g以上、より好ましくは50m2/g以上、更に好ましくは60、70又は80m2/g以上である。
一般的に、比表面積は広い方が吸着性能の観点からは好ましいが、本発明の活性炭素繊維材料の場合、水蒸気吸着BET解析による比表面積の上限は、好ましくは300m2/g、より好ましくは250m2/g、さらに好ましくは200m2/g以下、150m2/g以下、110m2/g以下でありうる。
比表面積を上記のような範囲とすることによって、高湿度条件下における吸着性についてより優れた材料とすることができる。
<窒素ガス吸着BET解析による比表面積>
本発明の活性炭素繊維において、窒素ガス吸着BET解析による比表面積の下限は、好ましくは50m2/g以上であり、より好ましくは100m2/g以上であり、更に好ましくは200、500又は700m2/g以上である。
一般に、比表面積は広い方が吸着性能の観点からは好ましいが、活性炭素繊維材料の場合、比表面積の上限は、好ましくは2000m2/g、より好ましくは1500m2/g、さらに好ましくは1400、1300又は1200m2/g以下でありうる。
窒素ガス吸着BET解析による比表面積を上記のような範囲とすることによって、吸着性についてより優れた材料とすることができる。
<全細孔容積>
本発明の活性炭素繊維材料において、全細孔容積の下限は、好ましくは0.10cm3/g以上、より好ましくは0.20cm3/g以上、更に好ましくは0.30cm3/g以上である。
本発明の活性炭素繊維材料において、窒素ガス吸着BET解析をベースにして求められる全細孔容積の上限は、好ましくは1.60cm3/g以下、より好ましくは1.30cm3/g以下、更に好ましくは1.00、0.70、0.60、0.50又は0.45cm3/g以下である。
全細孔容積を上記のような範囲とすることによって、吸脱着性についてより優れた材料とすることができる。
なお、上記全細孔容積の数値は、窒素ガス吸着BET解析により得られる数値に基づく。
<ウルトラマイクロ孔容積:V0.7
本発明において「ウルトラマイクロ孔」との用語は、細孔径が0.7nm以下の細孔を意味する。
本発明の活性炭素繊維材料において、ウルトラマイクロ孔容積の下限は、好ましくは0.10cm3/g以上、より好ましくは0.20cm3/g以上、更に好ましくは0.25cm3/g以上である。
本発明の活性炭素繊維材料のウルトラマイクロ孔容積の上限は、好ましくは0.50cm3/g以下、より好ましくは0.45cm3/g以下、更に好ましくは0.40cm3/g以下である。
ウルトラマイクロ孔容積を上記のような範囲とすることによって、吸脱着性についてより優れた材料とすることができる。
<マイクロ孔容積:V2.0
本発明において「マイクロ孔」との用語は、細孔径が2.0nm以下の細孔を意味する。
本発明の活性炭素繊維材料において、マイクロ孔容積の下限は、好ましくは0.15cm3/g以上であり、より好ましくは0.20cm3/g以上であり、更に好ましくは0.25又は0.30cm3/g以上である。
本発明の活性炭素繊維材料のマイクロ孔容積の上限は、好ましくは1.00cm3/g以下、より好ましくは0.90cm3/g以下であり、更に好ましくは0.80、0.50、0.45又は0.40cm3/g以下である。
マイクロ孔容積を上記のような範囲とすることによって、吸脱着性についてより優れた材料とすることができる。
<マイクロ孔容積に占めるウルトラマイクロ孔容積の存在比率:RV
細孔径が2.0nm以下であるマイクロ孔の細孔容積に占める、細孔径が0.7nm以下であるウルトラマイクロ孔の細孔容積の存在比率は、ウルトラマイクロ孔容積の値V0.7とマイクロ孔容積の値V2.0とを用い、下記式2によって求めることができる。
V=V0.7/V2.0×100(%) ・・・式2
ここで、V0.7は細孔径が0.7nm以下のウルトラマイクロ孔の細孔容積を表し、V2.0は細孔径が2.0nm以下のマイクロ孔の細孔容積を表す。
本発明の活性炭素繊維材料において、マイクロ孔容積に占めるウルトラマイクロ孔容積の存在比率Rvの下限は、好ましくは50%以上であり、より好ましくは55%以上であり、更に好ましくは60、65又は70%以上である。
本発明の活性炭素繊維材料において、マイクロ孔容積に占めるウルトラマイクロ孔容積の存在比率Rvの上限は、好ましくは90%以下であり、より好ましくは85%以下であり、更に好ましくは80%以下である。
当該ウルトラマイクロ孔容積の存在比率Rvを上記のような範囲とすることによって、吸脱着性についてより優れた材料とすることができる。
<水蒸気吸収量およびヒステリシス>
更に別の実施形態として、本発明は、高湿度条件下で水蒸気吸収量の低い活性炭素繊維材料を提供することができる。このような活性炭素繊維材料は、高湿度条件下にあっても水蒸気吸収量が低いことにより、高湿度条件下において他の成分、例えばVOCなどを吸着することができる余地が相対的に大きいため、高湿度条件下におけるVOCなどの成分に対する吸着性に優れたものとすることができる。好ましい一実施形態としては、例えば、水蒸気吸着等温線を測定した場合における水蒸気吸収量の上限が、好ましくは600cm3(STP)g-1以下、より好ましくは550cm3(STP)g-1以下、さらに好ましくは500cm3(STP)g-1以下である。
また、本発明の活性炭素繊維材料の好ましい他の一実施形態としては、例えば、相対圧力(P/P0)が0.5以下の領域内で、水蒸気の吸着がほぼ飽和状態に達するものとして特定しうる。(ここで、Pは吸着平衡にある吸着質の気体の圧力であり、P0は吸着温度における吸着質の飽和蒸気圧を表す。)ここで「ほぼ飽和状態」との用語は、飽和状態を100%としたときに対して、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、更に好ましくは85又は90%以上の状態でありうる。
更に別の実施形態として、本発明は、水蒸気の吸着と脱着についてヒステリシスを生じにくい活性炭素繊維材料を提供することができる。例えば、次のような実施形態の活性炭素繊維材料を提供することができる。
相対圧力(P/P0)と吸着量の関係を示す水蒸気吸着等温線において、吸着時の吸着等温線および脱着時の吸着等温線の同一水蒸気吸着量における相対圧力の差の最大値が所定の値以下である、活性炭素繊維材料。ここで、相対圧力の差の最大値は、好ましくは0.1以下、より好ましくは0.08以下、更に好ましくは0.07、0.06又は0.05以下である。
相対圧力(P/P0)と吸着量の関係を示す水蒸気吸着等温線において、吸着時の吸着等温線および脱着時の吸着等温線の同一相対圧力における水蒸気吸着量の差の最大値が所定の値以下である、活性炭素繊維材料。ここで、水蒸気吸着量の差の最大値は、好ましくは200cm3(STP)g-1以下、より好ましくは100cm3(STP)g-1以下、更に好ましくは80又は60cm3(STP)g-1以下である。
これまで開発されてきた活性炭素繊維材料は、水蒸気吸着についてヒステリシスを生じるのが一般的であり、上記のようなヒステリシスによる差が小さい、または実質的にヒステリシスの殆どない活性炭素繊維は開発されていなかった。当該実施形態の活性炭素繊維は、活性炭素繊維のバリエーションを増やし、新たな用途を開拓しうるものである。
<活性炭素繊維材料の形状>
本発明の活性炭素繊維材料は、炭素繊維で形成できるあらゆる形状を採用しうる。例えば、本発明の活性炭素繊維材料は、繊維状、紐状、シート状、わた状、粒状などの形状としうる。取扱いの利便性からは、活性炭素繊維シートなどが好適である。また、樹脂などの基剤と混合し、成形品としてもよく、例えば、ハニカム体など表面積の大きい構造体としてもよい。
<用途>
本発明の活性炭素繊維材料は、吸着材として好適に用いることができ、特に高湿度条件下において用いる吸着材として好適である。また、本発明の活性炭素繊維材料は、VOCまたはアンモニアなどの揮発性有害物質を除去又は回収するための吸着材として好適である。
2.吸着材の親水性評価方法
更に別の実施形態として、本発明は、吸着材の親水性評価方法を提供することができる。本発明の親水性評価方法は、水蒸気吸着BET解析により求められるH2O比表面積と、窒素ガス吸着BET解析により求められるN2比表面積との比を求め、これを指標として親水性を評価する。水蒸気吸着BET解析およびそれにより求められるH2O比表面積、窒素ガス吸着BET解析およびそれにより求められるN2比表面積、並びに比表面積比の求め方などについては、それぞれ上述のとおりである。
本発明の評価方法の好ましい一実施形態としては、例えば、上記式1より比表面積比RSを求め、RSの値が高いほど、親水性が高いと評価する方法が挙げられる。材料によっても異なるが、例えば、活性炭素繊維材料について一般論的に言えば、比表面積比RSが0.015以上であれば親水性があると評価することができ、0.050以上であれば親水性が高い方であると評価することができ、0.070、0.080、0.090又は0.1000以上であれば、かなり高い方に類すると評価することができる。
3.活性炭素繊維材料の製造方法
上記本発明の活性炭素繊維材料は、上記に示したような所定の項目のうちから選ばれる要件を満たすように製造する。本発明の活性炭素繊維材料は、例えば、以下のようにして作製することができる。
3−1.原材料(前駆体)の調製
<繊維の種類>
原材料を構成する繊維としては、例えば、セルロース系繊維、ピッチ系繊維、PAN系繊維、フェノール樹脂系繊維などが挙げられ、好ましくはセルロース系繊維が挙げられる。
<セルロース系繊維>
セルロース系繊維とは、セルロース及び/又はその誘導体を主成分として構成される繊維である。セルロース、セルロース誘導体は、化学合成品、植物由来、再生セルロース、バクテリアが産生したセルロースなど、その由来はいずれであってもよい。セルロース系繊維として好ましくは、例えば、樹木などから得られる植物系セルロース物質で形成された繊維、および、植物系セルロース物質(綿、パルプなど)に化学処理を施して溶解させて得られる長い繊維状の再生セルロース系物質から構成された繊維などを用いうる。また、この繊維には、リグニンやヘミセルロースなどの成分が含まれていても構わない。
セルロース系繊維(植物系セルロース物質、再生セルロース物質)の原料としては、例えば、綿(短繊維綿、中繊維綿、長繊維綿、超長綿、超・超長綿など)、麻、竹、こうぞ、みつまた、バナナ、および被嚢類などの植物性セルロース繊維;銅アンモニア法レーヨン、ビスコース法レーヨン、ポリノジックレーヨン、竹を原料とするセルロースなどの再生セルロース繊維;有機溶剤(NメチルモルフォリンNオキサイド)紡糸される精製セルロース繊維;並びに、ジアセテートやトリアセテートなどのアセテート繊維、などが挙げられる。これらの中では、入手のし易さから、キュプラアンモニウムレーヨン、ビスコース法レーヨン、精製セルロース繊維から選ばれる少なくとも一種類であることが好ましい。
セルロース系繊維を構成する単繊維の径は、好ましくは、5〜75μm、密度は1.4〜1.9m3/gである。
セルロース系繊維の形態は、特に限定されるものではなく、目的に合わせて、原糸(未加工糸)、仮撚糸、染色糸、単糸、合撚糸、カバリングヤーン等に調製したものを用いることができる。また、セルロース系繊維が2種以上の原料を含む場合には、混紡糸、混撚糸等としてもよい。さらに、セルロース系繊維として、上記した各種形態の原料を、単独でまたは2種以上組み合わせて使用してもよい。これらの中では、複合材料の成型性や機械強度の両立から無撚糸であることが好ましい。
<繊維シート>
原材料は、上記繊維を用いてシート状に加工した繊維シートとしてもよい。繊維シートは、多数の繊維を薄く広いシート状に加工したもののことをいい、織物、編み物、および不織布などが含まれる。
セルロース系繊維を製織する方法について特に制限はなく、一般的な方法を用いることができ、また、その織地の織組織も、特に制限はなく、平織、綾織、朱子織の三原組織を用いうる。
セルロース系繊維で形成された織物は、セルロース系繊維の経糸及び緯糸同士の隙間が、好ましくは0.1〜0.8mmであり、より好ましくは0.2〜0.6mmであり、さらに好ましくは0.25〜0.5mmである。さらに、セルロース系繊維からなる織物の目付は、好ましくは50〜400g/m2であり、より好ましくは100〜300g/m2である。
セルロース系繊維及びセルロース系繊維からなる織物を上記範囲とすることにより、この織物を加熱処理して得られる炭素繊維織物は、強度に優れたものとすることができる。
不織布の製造方法も、特に限定されないが、例えば、適当な長さに切断された前述の繊維を原料とし乾式法または湿式法などを用いて繊維シートを得る方法や、エレクトロスピニング法などを用いて溶液から直接繊維シートを得る方法などが挙げられる。さらに不織布を得た後に繊維同士を結合させる目的でレジンボンド、サーマルボンド、スパンレース、ニードルパンチ等による処理を加えてもよい。
3−2.触媒の保持
上記のようにして用意された原材料に、触媒を保持させる。原材料に触媒を保持させて、炭化処理することにより、賦活化された、多孔質の活性炭素繊維材料を得ることができる。触媒としては、例えば、リン酸系触媒、有機スルホン酸系触媒などを用いうる。
<リン酸系触媒>
リン酸系触媒としては、例えば、リン酸、メタリン酸、ピロリン酸、亜リン酸、ホスホン酸、亜ホスホン酸、ホスフィン酸等のリンのオキシ酸、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ジメチルホスホノプロパンアミド、ポリリン酸アンモニウム、ポリホスホニトリルクロライド、およびリン酸、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム塩またはトリス(1−アジリジニル)ホスフィンオキサイドと尿素、チオ尿素、メラミン、グアニン、シアナミツド、ヒドラジン、ジシアンジアミドまたはこれらのメチロール誘導体との縮合物などが挙げられ、好ましくはリン酸水素二アンモニウムが挙げられる。リン酸系触媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。リン酸系触媒を水溶液として用いる場合、その濃度は、好ましくは0.05〜2.0mol/Lであり、より好ましくは0.1〜1.0mol/Lである。
<有機スルホン酸系触媒>
有機スルホン酸としては、1又は複数のスルホ基を有する有機化合物を用いることができ、例えば脂肪族系、芳香族系など種々の炭素骨格にスルホ基が結合した化合物が利用可能である。有機スルホン酸系触媒としては、取扱いの観点から、低分子量のものが好ましい。
有機スルホン酸系触媒としては、例えば、R−SO3H(式中、Rは炭素原子数1〜20の直鎖/分岐鎖アルキル基、炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、または、炭素原子数6〜20のアリール基を表し、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基はそれぞれアルキル基、水酸基、ハロゲン基で置換されていても良い。)で表される化合物が挙げられる。有機スルホン酸系触媒としては、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、1−ヘキサンスルホン酸、ビニルスルホン酸、シクロヘキサンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−フェノールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、カンファースルホン酸などが挙げられる。このうち、好ましくは、メタンスルホン酸を用いうる。また、有機スルホン酸系触媒は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。
有機スルホン酸を水溶液として用いる場合、その濃度は、好ましくは0.05〜2.0mol/Lであり、より好ましくは0.1〜1.0mol/Lである。
<混合触媒>
上記、リン酸系触媒および有機スルホン酸系触媒は、混合して、混合触媒として用いてもよい。混合比は適宜調整してよい。
<触媒の保持>
原材料に対し触媒を保持させる。ここで「保持」とは、触媒が原材料に接触した状態を保つことを意味し、付着、吸着、含浸などの諸形態でありうる。触媒を、保持させる方法には特に制限はないが、例えば、触媒を含む水溶液に浸漬する方法、触媒を含む水溶液を原材料に対して振りかける方法、気化した触媒蒸気に接触させる方法、触媒を含む水溶液に原材料の繊維を混ぜて抄紙する方法などが挙げられる。
十分に賦活化させる観点から、好ましくは、触媒を含む水溶液に原材料を浸漬し、繊維内部まで触媒を含浸させる方法を用いることができる。触媒を含む水溶液に浸漬する際の温度は特に制限されないが、室温が好ましい。浸漬時間は、好ましくは10秒〜120分間、より好ましくは20秒〜30分間である。浸漬により、原材料を構成する繊維に、例えば1〜150質量%、好ましくは5〜60質量%の触媒が吸着する。浸漬後、原材料を取り出して、乾燥させることが好ましい。乾燥方法としては、例えば室温で放置、乾燥機に導入する、などのいずれの方法であってもよい。乾燥は、触媒を含む水溶液から取り出した後、余分の水分が蒸発して試料重量の変化がなくなるまで行えばよい。例えば室温乾燥では、乾燥時間は0.5日以上放置すればよい。乾燥により質量変化が殆どなくなった後、触媒を保持した原材料を炭化する工程へと進む。
3−3.炭化処理
触媒を保持させた原材料を用意した後、それを炭化処理する。活性炭素繊維材料を得るための炭化処理は、一般的な活性炭の炭化方法に沿って行うことができるが、好ましい実施形態として、以下のようにして行うことができる。
炭化処理は、通常、不活性ガス雰囲気中で行う。本発明において、不活性ガス雰囲気とは、炭素が燃焼反応しにくく炭化する無酸素又は低酸素雰囲気のことを意味し、好ましくは、例えば、アルゴン、窒素などのガス雰囲気でありうる。
触媒を保持させた原材料は、上述の所定のガス雰囲気中で、加熱処理し、炭化させる。
加熱温度の下限は、好ましくは300℃以上であり、より好ましくは350℃以上、さらに好ましくは400又は800℃以上である。
加熱温度の上限は、好ましくは1400℃以下であり、より好ましくは1300℃以下であり、さらに好ましくは1200又は1000℃以下である。
このような加熱温度設定とすることにより、繊維形態が維持された炭素繊維材料を得ることができる。加熱温度が上記の下限以下であると、炭素繊維の炭素含有量が80%以下で炭化が不十分となりやすい。
加熱処理時間の下限は、昇温の時間も含め、好ましくは10分以上であり、より好ましくは11分以上であり、さらに好ましくは12分以上であり、より好ましくは25分以上である。
加熱処理時間の上限は任意でありうるが、昇温の時間も含め、好ましくは180分以下であり、より好ましくは160分であり、さらに好ましくは100又は50分以下である。
原材料に十分に触媒を含浸させ、上記の好適な加熱温度に設定し、加熱処理時間を調整することにより、細孔形成の進行程度を調整することができ、比表面積、各種細孔の容積などの多孔体としての物理的特性を調整することができる。
加熱処理時間が上記の下限より少ないと、炭化が不十分となりやすい。
また加熱処理としては、上記のような加熱処理(一次加熱処理という場合がある)後に、さらに所定のガス雰囲気中で、更に再加熱処理を行うこともできる。すなわち、炭化処理は、温度などの条件が異なる加熱処理を複数の段階に分けて行ってもよい。所定の条件で一次加熱処理と再加熱処理を行うことにより、物理的特性を調整し、賦活化をより良好に進行させ、吸脱着性に優れた活性炭素繊維材料を得ることができる場合がある。
3−4.賦活化処理
本発明における賦活化処理としては、例えば上記加熱処理後に連続して、水蒸気を供給し適切な賦活温度で所定時間保持することで行うことができ、活性炭素繊維材料を得ることができる。
賦活温度の下限は、好ましくは300℃以上であり、より好ましくは350℃以上であり、更に好ましくは、400又は800℃以上である。
他方、賦活温度の上限は、好ましくは3000℃以下であり、より好ましくは2900℃以下であり、さらに好ましくは2800、1400、1200又は1000である。
なお、加熱処理後に連続して賦活処理を行う場合、加熱処理温度と同等程度に調整することが望ましい。
賦活時間の下限は、好ましくは1分以上であり、より好ましくは3分以上、さらに好ましくは5分以上である。
賦活時間の上限は任意でありうるが、好ましくは180分以下であり、より好ましくは160分以下であり、さらに好ましくは140、100、50、30、20、10、7、又は5分以下である。
以下に実施例を挙げて本発明についてより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲が下記の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
レーヨン繊維(3.3dtex、76mm)からなる坪量300g/m2のニードルパンチ不織布に5〜8%リン酸水素二アンモニウム水溶液を含浸させ、絞液後、乾燥して、8〜10重量%付着させた。得られた前処理不織布を窒素雰囲気中、900℃まで25分で昇温し、この温度で2分保持した。引き続きその温度で露点60℃の水蒸気を含有する窒素気流中で3分間賦活処理を行い、活性炭素繊維材料1を得た。
<実施例2>
賦活処理を6分間とした以外は、実施例1と同様にして活性炭素繊維材料2を得た。
<比較例1:>
レーヨン繊維(3.3dtex、76mm)からなる坪量300g/m2のニードルパンチ不織布に5〜8%リン酸水素二アンモニウム水溶液を含浸させ、絞液後、乾燥して、8〜10重量%付着させた。得られた前処理不織布を窒素雰囲気中、900℃まで50分で昇温し、この温度で4分保持した。引き続きその温度で露点60℃の水蒸気を含有する窒素気流中で10分間賦活処理を行い、活性炭素繊維材料3を得た。
<比較例2>
レーヨン繊維(3.3dtex、76mm)からなる坪量300g/m2のニードルパンチ不織布に5〜8%メタンスルホン酸水溶液を含浸させ、絞液後、乾燥して、8〜10重量%付着させた。得られた前処理不織布を窒素雰囲気中、900℃まで50分で昇温し、この温度で4分保持した。引き続きその温度で露点60℃の水蒸気を含有する窒素気流中で10分間賦活処理を行い、活性炭素繊維材料4を得た。
活性炭素繊維材料の物理的特性および性能に関する各種項目について、下記に示す方法により、測定および評価を行った。なお、本発明を規定する各種の数値は以下の測定方法および評価方法により求めることができる。
<窒素ガス吸着BET解析による比表面積>
実施例1および比較例1のそれぞれについて、試料を約30mg採取し、200℃で20時間真空乾燥して秤量し、高精度ガス/蒸気吸着量測定装置BELSORP−maxII(マイクロトラック・ベル社)を使用して測定した。液体窒素の沸点(77K)における窒素ガスの吸着量を相対圧が10-8オーダー〜0.990の範囲で測定し、試料の吸着等温線を作成した。この吸着等温線を、解析相対圧範囲を吸着等温線I型(ISO9277)の条件で自動的に決定したBET法により解析し、重量当たりのBET比表面積(単位:m2/g)を求め、これを比表面積(単位:m2/g)とした。
<全細孔容積>
上記窒素ガス吸着BET解析による比表面積の項で得られた等温吸着線の、相対圧0.990での結果より1点法での全細孔容積(単位:cm3/g)を算出した。
<ウルトラマイクロ孔容積:V0.7
上記窒素ガス吸着BET解析による比表面積の項で得られた等温吸着線を、高精度ガス/蒸気吸着量測定装置BELSORP−maxII(マイクロトラック・ベル社)付属の解析ソフトBELMasterを用いて、解析設定を「スムージング(細孔分布の解析全点で前後1点を使用した移動平均処理)」、「分布関数:No−assumption」、「細孔径の定義:Solid and Fluid Def. Pore Size」、「Kernel:Slit−C−Adsorption」としたGCMC法によって解析し、得られた吸着時の細孔分布曲線の結果から、0.7nmの積算細孔容積を読み取り、ウルトラマイクロ孔容積(単位:cm3/g)とした。
<マイクロ孔容積:V2.0
上記窒素ガス吸着BET解析による比表面積の項で得られた等温吸着線を、高精度ガス/蒸気吸着量測定装置BELSORP−maxII(マイクロトラック・ベル社)付属の解析ソフトBELMasterを用いて、解析設定を「スムージング(細孔分布の解析全点で前後1点を使用した移動平均処理)」、「分布関数:No−assumption」、「細孔径の定義:Solid and Fluid Def. Pore Size」、「Kernel:Slit−C−Adsorption」としたGCMC法によって解析し、得られた吸着時の細孔分布曲線の結果から、2.0nmの積算細孔容積を読み取り、マイクロ孔容積(単位:cm3/g)とした。
<マイクロ孔の容積に占めるマイクロ孔の容積の存在比率:RV
上記のようにして求められたウルトラマイクロ孔容積V0.7とマイクロ孔容積V2.0とを用いて、上記式2により、マイクロ孔の容積に占めるマイクロ孔の容積の存在比率:RVを算出した。
<細孔径が0.7nmより大きく2.0nm以下の細孔の細孔容積:V0.7-2.0
上記のようにして求められたウルトラマイクロ孔容積V0.7とマイクロ孔容積V2.0とを用いて、上記式3により、細孔径が0.7nmより大きく2.0nm以下の細孔の細孔容積:V0.7-2.0を算出した。
<水蒸気吸着BET解析による比表面積>
試料を約30mg採取し、200℃で20時間真空乾燥して秤量し、高精度ガス/蒸気吸着量測定装置BELSORP−maxII(マイクロトラック・ベル社)を使用して測定した。25℃(298K)における水蒸気ガスの吸着量を相対圧が0.0005〜0.999の範囲で測定し、試料の吸着等温線を作成した。この吸着等温線を、解析相対圧範囲を吸着等温線I型(ISO9277)の条件で自動的に決定したBET法により解析し、重量当たりのBET比表面積(単位:m2/g)を求め、これを比表面積(単位:m2/g)とした。
<H2O/N2比表面積比>
上記のようにして、窒素ガス吸着BET解析により求められたN2比表面積と、水蒸気吸着BET解析によるH2O比表面積とから、上記式1により、H2O/N2比表面積比RSを算出した。
<アンモニア除去率>
(試験方法)
実施例及び比較例で得た活性炭素繊維材料は、それぞれ以下の方法でアンモニア除去率を評価した。
空気清浄機(KI−GX100−N、シャープ株式会社製)の外装を開け、付属の脱臭フィルターを取り外し、該脱臭フィルターから吸着材を取り除いた後、フレーム内に活性炭素繊維材料12.75gを均一にまんべんなくフィルターフレームに敷き詰めるように貼り付けた。その後、脱臭フィルターを空気清浄機の元の位置に取り付け、外装を閉じ、試験評価用の空気清浄機Aを得た。空気清浄機Aを30分間作動させた場合のアンモニアの除去性能について、日本電気工業会 JEM 1467「家庭用空気清浄機」(2015年3月25日改正)の附属書B 脱臭性能試験に準拠し、以下の通り実施した。
測定ボックス内に、空気清浄機A、撹拌ファン及びタバコ吸煙機を設置し、撹拌ファン及びタバコ吸煙機を作動させ、タバコ5本を燃焼させた。最も速く燃焼したタバコが、フィルタに達した時点でタバコ吸煙機の運転を停止し、残りは自然発煙させた。全てのタバコの燃焼終了後、2〜5分静置し、測定ボックス内の空気を検知管を用いて初期ガス濃度(アンモニア)を測定した。その後、撹拌ファンを停止し、空気清浄機Aを30分間作動させた。空気清浄機Aを停止した後、再度測定ボックス内の空気を検知管を用いて残存ガス濃度(アンモニア)を測定し、下記式(1)より除去率を求めた。
(器具および条件)
測定ボックス:1m3(1m×1m×1m)アクリル樹脂製測定ボックス
タバコ:MEVIUS ORIGINAL 10(日本たばこ産業株式会社)
検知管:No.3La/No.3L(株式会社ガステック)
空気清浄機:KI−GX100−N(シャープ株式会社)
運転条件:強モード、加湿なし、プラズマクラスターなし)
測定温度:23±2℃
測定湿度:50±5%RH
除去率(%)の式: (1−C/C0)×100 ・・・・(1)
0:初期ガス濃度(PPM)
C :30分後の残存ガス濃度(PPM)
実施例1および比較例1について物理的特性および性能を測定した結果を表1に示す。
Figure 2020029376
<ヒステリシスの評価>
上記「水蒸気吸着BET解析による比表面積」を求める際に作成した、水蒸気吸着等温線のグラフから、各試料の、水蒸気吸着に関する特性の違いを確認した。水蒸気吸着等温線のグラフを図1〜4に示す。横軸は相対圧力(P/P0)を示し、縦軸は水蒸気吸着量(単位:Va/cm3(STP)g-1)を示す。

Claims (6)

  1. 下記式1:
    S=SH2O/SN ・・・式(1)
    (式1中、SH2Oは水蒸気吸着BET解析により求められるH2O比表面積を表し、SNは窒素ガス吸着BET解析により求められるN2比表面積を表す)
    で求められるH2O/N2比表面積比Rsが、0.050以上である活性炭素繊維材料。
  2. 前記H2O比表面積SH2Oが、30〜300m2/gである、請求項1に記載の活性炭素繊維材料。
  3. 下記式2:
    V=V0.7/V2.0×100 ・・・式2
    (式2中、V0.7は細孔径が0.7nm以下のウルトラマイクロ孔の細孔容積を表し、V2.0は細孔径が2.0nm以下のマイクロ孔の細孔容積を表す)
    で求められる、マイクロ孔の容積に占めるウルトラマイクロ孔の容積の存在比率RVが、50%以上である、請求項1または2に記載の活性炭素繊維材料。
  4. 該活性炭素繊維材料が、シート形状である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の活性炭素繊維材料。
  5. 揮発性有害物質除去用の吸着材である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の活性炭素繊維材料。
  6. 水蒸気吸着BET解析による比表面積と窒素ガス吸着BET解析による比表面積との比を求め、吸着材の親水性を評価する、吸着材の評価方法。
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