JP7106390B2 - 活性炭素繊維材料 - Google Patents
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RS=SH2O/SN ・・・式(1)
(式1中、SH2Oは水蒸気吸着BET解析により求められるH2O比表面積を表し、SNは窒素ガス吸着BET解析により求められるN2比表面積を表す)
で求められるH2O/N2比表面積比Rsが、0.050以上である活性炭素繊維材料。
〔2〕前記H2O比表面積SH2Oが、30~300m2/gである、上記〔1〕に記載の活性炭素繊維材料。
〔3〕下記式2:
RV=V0.7/V2.0×100 ・・・式2
(式2中、V0.7は細孔径が0.7nm以下のウルトラマイクロ孔の細孔容積を表し、V2.0は細孔径が2.0nm以下のマイクロ孔の細孔容積を表す)
で求められる、マイクロ孔の容積に占めるウルトラマイクロ孔の容積の存在比率RVが、50%以上である、上記〔1〕または〔2〕に記載の活性炭素繊維材料。
〔4〕該活性炭素繊維材料が、シート形状である、上記〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載の活性炭素繊維材料。
〔5〕揮発性有害物質除去用の吸着材である、上記〔1〕~〔4〕のいずれか一項に記載の活性炭素繊維材料。
〔6〕水蒸気吸着BET解析による比表面積と窒素ガス吸着BET解析による比表面積との比を求め、吸着材の親水性を評価する、吸着材の評価方法。
本発明の活性炭素繊維材料の1つの実施形態として、水蒸気吸着BET解析により求められるH2O比表面積と、窒素ガス吸着BET解析により求められるN2比表面積との比表面積比が、所定の値を示す活性炭素繊維材料が提供される。水蒸気吸着BET解析により求められるH2O比表面積と、窒素ガス吸着BET解析により求められるN2比表面積との比表面積比は、吸着材としての親水性を示す指標とすることができる。なお、本書では、水蒸気吸着によるBET解析のことを「水蒸気吸着BET解析」と称し、窒素ガス吸着によるBET解析のことを「窒素ガス吸着BET解析」と称する。比表面積比は、例えば、窒素ガス吸着BET解析により求められるN2比表面積に対する、水蒸気ガス吸着BET解析により求められるH2O比表面積の比表面積比RSとして求めることができる。すなわち、比表面積比RSは、下記式1により求めることができる。
ここで、SH2Oは水蒸気吸着BET解析により求められるH2O比表面積を表し、SNは窒素ガス吸着BET解析により求められるN2比表面積を表す。
比表面積比RSの上限は任意でありうるが、好ましくは0.3以下、より好ましくは0.25以下、さらに好ましくは0.2、0.15、0.13又は0.12以下でありうる。
比表面積比RSの値は上記のような範囲とすることにより、吸着材としての親水性が適度にあり、高湿度条件下での吸着性がより優れた吸着材とすることができる。
本発明の活性炭素繊維材料において、水蒸気吸着BET解析による比表面積の下限は、好ましくは30m2/g以上、より好ましくは50m2/g以上、更に好ましくは60、70又は80m2/g以上である。
一般的に、比表面積は広い方が吸着性能の観点からは好ましいが、本発明の活性炭素繊維材料の場合、水蒸気吸着BET解析による比表面積の上限は、好ましくは300m2/g、より好ましくは250m2/g、さらに好ましくは200m2/g以下、150m2/g以下、110m2/g以下でありうる。
比表面積を上記のような範囲とすることによって、高湿度条件下における吸着性についてより優れた材料とすることができる。
本発明の活性炭素繊維において、窒素ガス吸着BET解析による比表面積の下限は、好ましくは50m2/g以上であり、より好ましくは100m2/g以上であり、更に好ましくは200、500又は700m2/g以上である。
一般に、比表面積は広い方が吸着性能の観点からは好ましいが、活性炭素繊維材料の場合、比表面積の上限は、好ましくは2000m2/g、より好ましくは1500m2/g、さらに好ましくは1400、1300又は1200m2/g以下でありうる。
窒素ガス吸着BET解析による比表面積を上記のような範囲とすることによって、吸着性についてより優れた材料とすることができる。
本発明の活性炭素繊維材料において、全細孔容積の下限は、好ましくは0.10cm3/g以上、より好ましくは0.20cm3/g以上、更に好ましくは0.30cm3/g以上である。
本発明の活性炭素繊維材料において、窒素ガス吸着BET解析をベースにして求められる全細孔容積の上限は、好ましくは1.60cm3/g以下、より好ましくは1.30cm3/g以下、更に好ましくは1.00、0.70、0.60、0.50又は0.45cm3/g以下である。
全細孔容積を上記のような範囲とすることによって、吸脱着性についてより優れた材料とすることができる。
なお、上記全細孔容積の数値は、窒素ガス吸着BET解析により得られる数値に基づく。
本発明において「ウルトラマイクロ孔」との用語は、細孔径が0.7nm以下の細孔を意味する。
本発明の活性炭素繊維材料において、ウルトラマイクロ孔容積の下限は、好ましくは0.10cm3/g以上、より好ましくは0.20cm3/g以上、更に好ましくは0.25cm3/g以上である。
本発明の活性炭素繊維材料のウルトラマイクロ孔容積の上限は、好ましくは0.50cm3/g以下、より好ましくは0.45cm3/g以下、更に好ましくは0.40cm3/g以下である。
ウルトラマイクロ孔容積を上記のような範囲とすることによって、吸脱着性についてより優れた材料とすることができる。
本発明において「マイクロ孔」との用語は、細孔径が2.0nm以下の細孔を意味する。
本発明の活性炭素繊維材料において、マイクロ孔容積の下限は、好ましくは0.15cm3/g以上であり、より好ましくは0.20cm3/g以上であり、更に好ましくは0.25又は0.30cm3/g以上である。
本発明の活性炭素繊維材料のマイクロ孔容積の上限は、好ましくは1.00cm3/g以下、より好ましくは0.90cm3/g以下であり、更に好ましくは0.80、0.50、0.45又は0.40cm3/g以下である。
マイクロ孔容積を上記のような範囲とすることによって、吸脱着性についてより優れた材料とすることができる。
細孔径が2.0nm以下であるマイクロ孔の細孔容積に占める、細孔径が0.7nm以下であるウルトラマイクロ孔の細孔容積の存在比率は、ウルトラマイクロ孔容積の値V0.7とマイクロ孔容積の値V2.0とを用い、下記式2によって求めることができる。
ここで、V0.7は細孔径が0.7nm以下のウルトラマイクロ孔の細孔容積を表し、V2.0は細孔径が2.0nm以下のマイクロ孔の細孔容積を表す。
本発明の活性炭素繊維材料において、マイクロ孔容積に占めるウルトラマイクロ孔容積の存在比率Rvの上限は、好ましくは90%以下であり、より好ましくは85%以下であり、更に好ましくは80%以下である。
当該ウルトラマイクロ孔容積の存在比率Rvを上記のような範囲とすることによって、吸脱着性についてより優れた材料とすることができる。
更に別の実施形態として、本発明は、高湿度条件下で水蒸気吸収量の低い活性炭素繊維材料を提供することができる。このような活性炭素繊維材料は、高湿度条件下にあっても水蒸気吸収量が低いことにより、高湿度条件下において他の成分、例えばVOCなどを吸着することができる余地が相対的に大きいため、高湿度条件下におけるVOCなどの成分に対する吸着性に優れたものとすることができる。好ましい一実施形態としては、例えば、水蒸気吸着等温線を測定した場合における水蒸気吸収量の上限が、好ましくは600cm3(STP)g-1以下、より好ましくは550cm3(STP)g-1以下、さらに好ましくは500cm3(STP)g-1以下である。
本発明の活性炭素繊維材料は、炭素繊維で形成できるあらゆる形状を採用しうる。例えば、本発明の活性炭素繊維材料は、繊維状、紐状、シート状、わた状、粒状などの形状としうる。取扱いの利便性からは、活性炭素繊維シートなどが好適である。また、樹脂などの基剤と混合し、成形品としてもよく、例えば、ハニカム体など表面積の大きい構造体としてもよい。
本発明の活性炭素繊維材料は、吸着材として好適に用いることができ、特に高湿度条件下において用いる吸着材として好適である。また、本発明の活性炭素繊維材料は、VOCまたはアンモニアなどの揮発性有害物質を除去又は回収するための吸着材として好適である。
更に別の実施形態として、本発明は、吸着材の親水性評価方法を提供することができる。本発明の親水性評価方法は、水蒸気吸着BET解析により求められるH2O比表面積と、窒素ガス吸着BET解析により求められるN2比表面積との比を求め、これを指標として親水性を評価する。水蒸気吸着BET解析およびそれにより求められるH2O比表面積、窒素ガス吸着BET解析およびそれにより求められるN2比表面積、並びに比表面積比の求め方などについては、それぞれ上述のとおりである。
上記本発明の活性炭素繊維材料は、上記に示したような所定の項目のうちから選ばれる要件を満たすように製造する。本発明の活性炭素繊維材料は、例えば、以下のようにして作製することができる。
<繊維の種類>
原材料を構成する繊維としては、例えば、セルロース系繊維、ピッチ系繊維、PAN系繊維、フェノール樹脂系繊維などが挙げられ、好ましくはセルロース系繊維が挙げられる。
セルロース系繊維とは、セルロース及び/又はその誘導体を主成分として構成される繊維である。セルロース、セルロース誘導体は、化学合成品、植物由来、再生セルロース、バクテリアが産生したセルロースなど、その由来はいずれであってもよい。セルロース系繊維として好ましくは、例えば、樹木などから得られる植物系セルロース物質で形成された繊維、および、植物系セルロース物質(綿、パルプなど)に化学処理を施して溶解させて得られる長い繊維状の再生セルロース系物質から構成された繊維などを用いうる。また、この繊維には、リグニンやヘミセルロースなどの成分が含まれていても構わない。
原材料は、上記繊維を用いてシート状に加工した繊維シートとしてもよい。繊維シートは、多数の繊維を薄く広いシート状に加工したもののことをいい、織物、編み物、および不織布などが含まれる。
上記のようにして用意された原材料に、触媒を保持させる。原材料に触媒を保持させて、炭化処理することにより、賦活化された、多孔質の活性炭素繊維材料を得ることができる。触媒としては、例えば、リン酸系触媒、有機スルホン酸系触媒などを用いうる。
リン酸系触媒としては、例えば、リン酸、メタリン酸、ピロリン酸、亜リン酸、ホスホン酸、亜ホスホン酸、ホスフィン酸等のリンのオキシ酸、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ジメチルホスホノプロパンアミド、ポリリン酸アンモニウム、ポリホスホニトリルクロライド、およびリン酸、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム塩またはトリス(1-アジリジニル)ホスフィンオキサイドと尿素、チオ尿素、メラミン、グアニン、シアナミツド、ヒドラジン、ジシアンジアミドまたはこれらのメチロール誘導体との縮合物などが挙げられ、好ましくはリン酸水素二アンモニウムが挙げられる。リン酸系触媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。リン酸系触媒を水溶液として用いる場合、その濃度は、好ましくは0.05~2.0mol/Lであり、より好ましくは0.1~1.0mol/Lである。
有機スルホン酸としては、1又は複数のスルホ基を有する有機化合物を用いることができ、例えば脂肪族系、芳香族系など種々の炭素骨格にスルホ基が結合した化合物が利用可能である。有機スルホン酸系触媒としては、取扱いの観点から、低分子量のものが好ましい。
上記、リン酸系触媒および有機スルホン酸系触媒は、混合して、混合触媒として用いてもよい。混合比は適宜調整してよい。
原材料に対し触媒を保持させる。ここで「保持」とは、触媒が原材料に接触した状態を保つことを意味し、付着、吸着、含浸などの諸形態でありうる。触媒を、保持させる方法には特に制限はないが、例えば、触媒を含む水溶液に浸漬する方法、触媒を含む水溶液を原材料に対して振りかける方法、気化した触媒蒸気に接触させる方法、触媒を含む水溶液に原材料の繊維を混ぜて抄紙する方法などが挙げられる。
触媒を保持させた原材料を用意した後、それを炭化処理する。活性炭素繊維材料を得るための炭化処理は、一般的な活性炭の炭化方法に沿って行うことができるが、好ましい実施形態として、以下のようにして行うことができる。
加熱温度の上限は、好ましくは1400℃以下であり、より好ましくは1300℃以下であり、さらに好ましくは1200又は1000℃以下である。
このような加熱温度設定とすることにより、繊維形態が維持された炭素繊維材料を得ることができる。加熱温度が上記の下限以下であると、炭素繊維の炭素含有量が80%以下で炭化が不十分となりやすい。
加熱処理時間の上限は任意でありうるが、昇温の時間も含め、好ましくは180分以下であり、より好ましくは160分であり、さらに好ましくは100又は50分以下である。
原材料に十分に触媒を含浸させ、上記の好適な加熱温度に設定し、加熱処理時間を調整することにより、細孔形成の進行程度を調整することができ、比表面積、各種細孔の容積などの多孔体としての物理的特性を調整することができる。
加熱処理時間が上記の下限より少ないと、炭化が不十分となりやすい。
本発明における賦活化処理としては、例えば上記加熱処理後に連続して、水蒸気を供給し適切な賦活温度で所定時間保持することで行うことができ、活性炭素繊維材料を得ることができる。
他方、賦活温度の上限は、好ましくは3000℃以下であり、より好ましくは2900℃以下であり、さらに好ましくは2800、1400、1200又は1000である。
なお、加熱処理後に連続して賦活処理を行う場合、加熱処理温度と同等程度に調整することが望ましい。
賦活時間の上限は任意でありうるが、好ましくは180分以下であり、より好ましくは160分以下であり、さらに好ましくは140、100、50、30、20、10、7、又は5分以下である。
レーヨン繊維(3.3dtex、76mm)からなる坪量300g/m2のニードルパンチ不織布に5~8%リン酸水素二アンモニウム水溶液を含浸させ、絞液後、乾燥して、8~10重量%付着させた。得られた前処理不織布を窒素雰囲気中、900℃まで25分で昇温し、この温度で2分保持した。引き続きその温度で露点60℃の水蒸気を含有する窒素気流中で3分間賦活処理を行い、活性炭素繊維材料1を得た。
賦活処理を6分間とした以外は、実施例1と同様にして活性炭素繊維材料2を得た。
レーヨン繊維(3.3dtex、76mm)からなる坪量300g/m2のニードルパンチ不織布に5~8%リン酸水素二アンモニウム水溶液を含浸させ、絞液後、乾燥して、8~10重量%付着させた。得られた前処理不織布を窒素雰囲気中、900℃まで50分で昇温し、この温度で4分保持した。引き続きその温度で露点60℃の水蒸気を含有する窒素気流中で10分間賦活処理を行い、活性炭素繊維材料3を得た。
レーヨン繊維(3.3dtex、76mm)からなる坪量300g/m2のニードルパンチ不織布に5~8%メタンスルホン酸水溶液を含浸させ、絞液後、乾燥して、8~10重量%付着させた。得られた前処理不織布を窒素雰囲気中、900℃まで50分で昇温し、この温度で4分保持した。引き続きその温度で露点60℃の水蒸気を含有する窒素気流中で10分間賦活処理を行い、活性炭素繊維材料4を得た。
実施例1および比較例1のそれぞれについて、試料を約30mg採取し、200℃で20時間真空乾燥して秤量し、高精度ガス/蒸気吸着量測定装置BELSORP-maxII(マイクロトラック・ベル社)を使用して測定した。液体窒素の沸点(77K)における窒素ガスの吸着量を相対圧が10-8オーダー~0.990の範囲で測定し、試料の吸着等温線を作成した。この吸着等温線を、解析相対圧範囲を吸着等温線I型(ISO9277)の条件で自動的に決定したBET法により解析し、重量当たりのBET比表面積(単位:m2/g)を求め、これを比表面積(単位:m2/g)とした。
上記窒素ガス吸着BET解析による比表面積の項で得られた等温吸着線の、相対圧0.990での結果より1点法での全細孔容積(単位:cm3/g)を算出した。
上記窒素ガス吸着BET解析による比表面積の項で得られた等温吸着線を、高精度ガス/蒸気吸着量測定装置BELSORP-maxII(マイクロトラック・ベル社)付属の解析ソフトBELMasterを用いて、解析設定を「スムージング(細孔分布の解析全点で前後1点を使用した移動平均処理)」、「分布関数:No-assumption」、「細孔径の定義:Solid and Fluid Def. Pore Size」、「Kernel:Slit-C-Adsorption」としたGCMC法によって解析し、得られた吸着時の細孔分布曲線の結果から、0.7nmの積算細孔容積を読み取り、ウルトラマイクロ孔容積(単位:cm3/g)とした。
上記窒素ガス吸着BET解析による比表面積の項で得られた等温吸着線を、高精度ガス/蒸気吸着量測定装置BELSORP-maxII(マイクロトラック・ベル社)付属の解析ソフトBELMasterを用いて、解析設定を「スムージング(細孔分布の解析全点で前後1点を使用した移動平均処理)」、「分布関数:No-assumption」、「細孔径の定義:Solid and Fluid Def. Pore Size」、「Kernel:Slit-C-Adsorption」としたGCMC法によって解析し、得られた吸着時の細孔分布曲線の結果から、2.0nmの積算細孔容積を読み取り、マイクロ孔容積(単位:cm3/g)とした。
上記のようにして求められたウルトラマイクロ孔容積V0.7とマイクロ孔容積V2.0とを用いて、上記式2により、マイクロ孔の容積に占めるマイクロ孔の容積の存在比率:RVを算出した。
上記のようにして求められたウルトラマイクロ孔容積V0.7とマイクロ孔容積V2.0とを用いて、上記式3により、細孔径が0.7nmより大きく2.0nm以下の細孔の細孔容積:V0.7-2.0を算出した。
試料を約30mg採取し、200℃で20時間真空乾燥して秤量し、高精度ガス/蒸気吸着量測定装置BELSORP-maxII(マイクロトラック・ベル社)を使用して測定した。25℃(298K)における水蒸気ガスの吸着量を相対圧が0.0005~0.999の範囲で測定し、試料の吸着等温線を作成した。この吸着等温線を、解析相対圧範囲を吸着等温線I型(ISO9277)の条件で自動的に決定したBET法により解析し、重量当たりのBET比表面積(単位:m2/g)を求め、これを比表面積(単位:m2/g)とした。
上記のようにして、窒素ガス吸着BET解析により求められたN2比表面積と、水蒸気吸着BET解析によるH2O比表面積とから、上記式1により、H2O/N2比表面積比RSを算出した。
(試験方法)
実施例及び比較例で得た活性炭素繊維材料は、それぞれ以下の方法でアンモニア除去率を評価した。
測定ボックス:1m3(1m×1m×1m)アクリル樹脂製測定ボックス
タバコ:MEVIUS ORIGINAL 10(日本たばこ産業株式会社)
検知管:No.3La/No.3L(株式会社ガステック)
空気清浄機:KI-GX100-N(シャープ株式会社)
運転条件:強モード、加湿なし、プラズマクラスターなし)
測定温度:23±2℃
測定湿度:50±5%RH
C0:初期ガス濃度(PPM)
C :30分後の残存ガス濃度(PPM)
上記「水蒸気吸着BET解析による比表面積」を求める際に作成した、水蒸気吸着等温線のグラフから、各試料の、水蒸気吸着に関する特性の違いを確認した。水蒸気吸着等温線のグラフを図1~4に示す。横軸は相対圧力(P/P0)を示し、縦軸は水蒸気吸着量(単位:Va/cm3(STP)g-1)を示す。
Claims (5)
- 下記の項目(A)、(B)、および(C):
(A)下記式1:
RS=SH2O/SN ・・・式(1)
(式1中、SH2Oは水蒸気吸着BET解析により求められるH2O比表面積を表し、SNは窒素ガス吸着BET解析により求められるN2比表面積を表す)
で求められるH2O/N2比表面積比Rsが、0.050以上であること、
(B)前記窒素ガス吸着BET解析により求められるN 2 比表面積が、2000m 2 /g以下であること、
(C)下記式2:
R V =V 0.7 /V 2.0 ×100 ・・・式2
(式2中、V 0.7 は細孔径が0.7nm以下のウルトラマイクロ孔の細孔容積を表し、V 2.0 は細孔径が2.0nm以下のマイクロ孔の細孔容積を表す)
で求められる、マイクロ孔の容積に占めるウルトラマイクロ孔の容積の存在比率R V が、50%以上であること、
の条件を満たす、活性炭素繊維材料。 - 前記H2O比表面積SH2Oが、70~300m2/gである、請求項1に記載の活性炭素繊
維材料。 - 25℃(298K)での水蒸気の吸着の飽和状態を100%としたとき、相対圧力(P/P 0 )が0.5以下の領域内で、水蒸気の吸着が70%以上に達する、請求項1または2に記載の活性炭素繊維材料。
- 該活性炭素繊維材料が、シート形状である、請求項1~3のいずれか一項に記載の活性炭素繊維材料。
- 揮発性有害物質除去用の吸着材である、請求項1~4のいずれか一項に記載の活性炭素繊維材料。
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