JP3766479B2 - 過電圧放電回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信回線系の障害診断を行うための遠隔操作が行われる切分け部に対し、回線側端子を介して印加される過電圧を放電する過電圧放電回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
通信回線系の障害診断はたとえば図3に示す方法で行われている。
【0003】
すなわち、回線側端子L1 ,L2 と端末側端子l1 ,l2 とを結ぶ2線間には、切分け部20及び過電圧を放電するための過電圧放電回路10が設けられている。
【0004】
そして、定常制御時の動作においては、回線側端子L1 ,L2 に外部制御装置(図示省略)から図4(a)に示すような電圧が印加されると、第1の電圧検出部11の検出動作によって、放電部12が放電動作を行うことにより、回線側端子L1 ,L2 と端末側端子l1 ,l2 とを結ぶ2線間に図4(b)に示すような比較的大きな電流が流れる。
【0005】
このとき、外部制御装置からの図4(a)の電圧によって切分け部20が動作し、切分け部20内部のリレー等の接続によって回線ループが構成されることにより、通信回線が正常に接続されているか否かを診断するための外部制御装置からのテスト信号の印加が可能となる。
【0006】
次に、リンギング信号等の終了のタイミングで、回線側端子L1 ,L2 に定常制御時の約2倍程度の図4(c)に示すような過電圧が印加される場合、第1の電圧検出部11の検出動作によって、放電部12が放電動作を行うことにより、回線側端子L1 ,L2 と端末側端子l1 ,l2 とを結ぶ2線間に図4(d)に示すような大きな放電電流が流れる。
【0007】
そして、この図4(d)に示す大きな値の放電電流により、切分け部20が誤動作しないようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、上述した従来の定常制御の動作時における過電圧放電回路10にあっては、切分け部20にテスト信号を印加する回線ループを構成するための電圧が第1の電圧検出部11の検出動作により放電部12によって放電されるようになっている。
【0009】
一方、定常制御時の約2倍程度の過電圧の印加時にあっても、第1の電圧検出部11の検出動作によって、放電部12が放電動作を行い、2線間に大きな放電電流が流れることで、切分け部20の誤動作が防止されるようになっている。
【0010】
ところが、定常制御時における放電部12での放電電流は、図4(b)に示したように、比較的大きいため、通信回線の線路抵抗による電圧降下が図4(e)のように大きくなることから、外部制御装置の出力電圧を必要以上に高くしなければならないという不具合があった。
【0011】
本発明は、このような事情に対処してなされたもので、定常制御時の外部制御装置の出力電圧を低くすることができ、併せて過電圧印加時の切分け部の誤動作を防止することができる過電圧放電回路を提供することを目的とする
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、通信回線系の障害診断を行うための遠隔操作が行われる切分け部に対し、回線側端子を介して印加される過電圧を放電する過電圧放電回路であって、前記切分け部に対して並列接続され、前記回線側端子を介して印加される電圧を検出する第1の電圧検出部と、この第1の電圧検出部の検出動作によって小電流放電を行う小電流放電部と、前記第1の電圧検出部に対して並列接続され、前記回線側端子を介して印加される電圧を検出する第2の電圧検出部と、この第2の電圧検出部の検出動作によって大電流放電動作を行う大電流放電部とを具備し、前記回線側端子を介して印加される電圧が定常制御時における定常電圧であるとき、前記第1の電圧検出部のみの検出動作によって前記小電流放電部のみが小電流放電を行い、前記回線側端子を介して印加される電圧が過電圧のときは、前記第1及び第2の電圧検出部の検出動作によって、前記小電流放電部及び大電流放電部がそれぞれ小電流放電及び大電流放電を行うことを特徴とする。
【0013】
この発明では、回線側端子を介して印加される電圧が定常制御時における定常電圧であるとき、第1の電圧検出部のみの検出動作によって小電流放電部のみが小電流放電を行うため、通信回線の線路抵抗による電圧降下が小さくされる。
【0014】
また、回線側端子を介して印加される電圧が過電圧のときは、第1及び第2の電圧検出部の検出動作によって、小電流放電部及び大電流放電部がそれぞれ小電流放電及び大電流放電を行うため、切分け部を動作させるべき電圧が瞬時にして低減される。
【0015】
請求項2記載の発明は、前記第2の電圧検出部は、前記小電流放電部と直列接続されていることを特徴とする。
【0016】
この発明では、第2の電圧検出部と小電流放電部とが回線側端子と端末側端子とを結ぶ2線間に直列接続されているため、回線側端子を介して印加される電圧がこれら第2の電圧検出部と小電流放電部とで分圧される。
【0017】
このため、回線側端子を介して印加される電圧が定常制御時における定常電圧である場合、第2の電圧検出部に印加される電圧が小電流放電部によって分圧された電圧であって、第2の電圧検出部が検出動作を行うに足りる電圧が得られないことになり、よって定常電圧が印加された場合には第2の電圧検出部が検出動作を行わない。
【0018】
一方、回線側端子を介して印加される電圧が過電圧である場合、第2の電圧検出部に印加される電圧が小電流放電部によって分圧されるにも関わらず、その分圧された電圧は第2の電圧検出部が検出動作を行うに足りるレベルとなり、第2の電圧検出部による検出動作が可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の詳細を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する図において、図3と共通する部分には同一符号を付すものとする。
【0020】
図1は、本発明の過電圧放電回路の一実施の形態を示すものである。
すなわち、本実施の形態の過電圧放電回路10では、第1の電圧検出部11の動作によって小放電動作を行う高インーダンスな回路構成とされた小電流放電部13と、第2の電圧検出部14の動作によって大放電動作を行う低インピーダンスな回路構成とされた大電流放電部15とが設けられている。
【0021】
ここで、小電流放電部13と第2の電圧検出部14とは、回線側端子L1 ,L2 と端末側端子l1 ,l2 とを結ぶ2線間に直列に接続されているため、回線側端子L1 ,L2 を介して電圧が印加されるとき、それぞれには分圧された電圧が印加されることになる。
【0022】
そのため、定常制御時は第1の電圧検出部11のみの動作によって小電流放電部13側のみが小放電動作を行い、定常制御時の約2倍程度の過電圧が印加される過電圧印加時は第1の電圧検出部11及び第2の電圧検出部14の両者の検出動作によって小電流放電部13及び大電流放電部15が放電動作を行うようになっている。
【0023】
このような構成の過電圧放電回路10は、次のような動作を行う。
まず、定常制御時の動作においては、回線側端子L1 ,L2 に外部制御装置(図示省略)から図2(a)に示すような電圧が印加されると、第1の電圧検出部11の検出動作によって、高インーダンスな回路構成とされた小電流放電部13が小放電動作を行うことにより、回線側端子L1 ,L2 と端末側端子l1 ,l2 とを結ぶ2線間に図2(b)に示すような小電流が流れる。
【0024】
このとき、第2の電圧検出部14に印加される電圧は、上述したように、小電流放電部13によって分圧されて小さな値とされるため、第2の電圧検出部14が動作せず、よって大電流放電部15での放電動作は行われない。
【0025】
またこのとき、外部制御装置からの図2(a)の電圧によって切分け部20が動作することにより、切分け部20内部のリレー等の接続によって回線ループが構成されるため、外部制御装置からのテスト信号の印加が可能となる。
【0026】
よって、定常制御時の動作においては、小電流放電部13のみの小放電動作により、図2(b)に示すような小電流が流れるため、通信回線の線路抵抗による電圧降下は図2(f)に示すように、小さな値となることから、外部制御装置の出力電圧は電圧降下が小さくなった分だけ低くされる。
【0027】
次に、リンギング信号等の終了のタイミングで、回線側端子L1 ,L2 に定常制御時の約2倍程度の図2(c)に示すような過電圧が印加される場合、第1の電圧検出部11の検出動作によって、小電流放電部13には図2(d)のような小電流が流れる。
【0028】
また、図2(c)に示すような過電圧が小電流放電部13によって分圧されても、その分圧された電圧は第2の電流検出部14が検出動作するに足りる電圧であるため、第2の電圧検出部14の動作によって、大電流放電部15が大放電動作を行い、上記の2線間には図2(e)に示すような大電流が流れる。
【0029】
このとき、上記の2線間には、小電流放電部13及び大電流放電部15による放電動作によって図2(d),(e)を合わせた電流が流れるが、主に図2(e)のように回線側端子L1 ,L2 に印加された過電圧は急激に減少するため、切分け部20の誤動作が抑えられる。
【0030】
このように、本実施の形態では、回線側端子L1 ,L2 と端末側端子l1 ,l2 とを結ぶ2線間に、第1の電圧検出部11と第2の電圧検出部14とを並列接続し、さらに第2の電圧検出部14と小電流放電部13と直列接続したので、回線側端子L1 ,L2 を介して印加される電圧がこれら第2の電圧検出部14と小電流放電部13とで分圧される。
【0031】
このため、回線側端子L1 ,L2 を介して印加される電圧が定常制御時における定常電圧である場合、第2の電圧検出部14が検出動作を行うに足りる電圧が得られないことから、定常電圧印加時は第1の電圧検出部11のみが検出動作を行い、小電流放電部13による小電流放電のみが行われる。
【0032】
これにより、外部制御装置からの図2(a)の電圧によって切分け部20が動作することにより、切分け部20内部のリレー等の接続によって回線ループが構成されることから、外部制御装置からのテスト信号の印加が可能となるる。
したがって、通信回線の線路抵抗による電圧降下が小さくなることから、定常制御時の外部制御装置(図示省略)の出力電圧を低くすることができる。
【0033】
一方、回線側端子L1 ,L2 を介して印加される電圧が過電圧である場合、第2の電圧検出部14に印加される電圧が小電流放電部13によって分圧されるにも関わらず、その分圧された電圧は第2の電圧検出部14が検出動作を行うに足りるレベルとなり、第2の電圧検出部14による検出動作が可能となることから、第1及び第2の電圧検出部11,14が共に検出動作を行い、小電流放電部13及び大電流放電部15によって小電流放電及び大電流放電が行われるため、切分け部20を動作させるべき電圧が瞬時にして低減され、切分け部20の誤動作が防止される。
【0034】
なお、本実施の形態では、本発明の過電圧放電回路を、切分け部20による通信回線の障害診断を行うものに適用した場合について説明したが、この例に限らず、本発明の過電圧放電回路は、通信回線の外部制御装置の出力電圧をある一定値以下にする必要があるような用途に用いると有効である。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の過電圧放電回路によれば、回線側端子を介して印加される電圧が定常制御時における定常電圧であるとき、第1の電圧検出部のみの検出動作によって小電流放電部のみが小電流放電を行うため、通信回線の線路抵抗による電圧降下が小さくされることから、定常制御時の外部制御装置の出力電圧を低くすることができる。
【0036】
また、回線側端子を介して印加される電圧が過電圧のときは、第1及び第2の電圧検出部の検出動作によって、小電流放電部及び大電流放電部がそれぞれ小電流放電及び大電流放電を行うため、切分け部を動作させるべき電圧が瞬時にして低減されることから、過電圧印加時の切分け部の誤動作を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の過電圧放電回路の一実施の形態を示すブロック図である。
【図2】図1の過電圧放電回路の動作を示す波形図である。
【図3】従来の過電圧放電回路の一構成例を示すブロック図である。
【図4】図3の過電圧放電回路の動作を示す波形図である。
【符号の説明】
10 過電圧放電回路
11 第1の電圧検出部
13 小電流放電部
14 第2の電圧検出部
15 大電流放電部
20 切分け部
L1 ,L2 回線側端子
l1 ,l2 端末側端子
Claims (2)
- 通信回線系の障害診断を行うための遠隔操作が行われる切分け部に対し、回線側端子を介して印加される過電圧を放電する過電圧放電回路であって、
前記切分け部に対して並列接続され、前記回線側端子を介して印加される電圧を検出する第1の電圧検出部と、
この第1の電圧検出部の検出動作によって小電流放電を行う小電流放電部と、
前記第1の電圧検出部に対して並列接続され、前記回線側端子を介して印加される電圧を検出する第2の電圧検出部と、
この第2の電圧検出部の検出動作によって大電流放電動作を行う大電流放電部と
を具備し、
前記回線側端子を介して印加される電圧が定常制御時における定常電圧であるとき、前記第1の電圧検出部のみの検出動作によって前記小電流放電部のみが小電流放電を行い、
前記回線側端子を介して印加される電圧が過電圧のときは、前記第1及び第2の電圧検出部の検出動作によって、前記小電流放電部及び大電流放電部がそれぞれ小電流放電及び大電流放電を行う
ことを特徴とする過電圧放電回路。 - 前記第2の電圧検出部は、前記小電流放電部と直列接続されている
ことを特徴とする請求項1記載の過電圧放電回路。
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JP26630096A JP3766479B2 (ja) | 1996-10-07 | 1996-10-07 | 過電圧放電回路 |
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JPH10112932A JPH10112932A (ja) | 1998-04-28 |
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1996
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